JP5438433B2 - ローラ式ヘミング加工装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1のヘミング装置によれば、被ヘミング材が載置される載置面の外周側にガイド面が設けられている。このガイド面は、被ヘミング材周縁の転圧時にローラが転がりながら接触するものであり、ローラは、ガイド面により下方から物理的に支持されることで、上下方向への位置ズレが生じなくなって移動軌跡が大幅に安定する。
ロールインとは、図4(b)に示すように、例えば、複数段階の折り曲げ段階の内で最先の折り曲げ段階(つまり、最先の予備曲げ)を行う前の周縁103の外周端と、最終の折り曲げ段階(つまり、本曲げ)を行った後の周縁103の外周端との距離として考えることができる(以下、周縁103の外周端を周縁外周端と略して呼ぶ)。
ところで、ロールインは、最先の折り曲げ段階におけるローラ104の移動軌跡に極めて大きな影響を受ける。より具体的には、ロールインは、図4(c)に示すように、最先の折り曲げ段階におけるローラ傾斜角とTCP−RTP距離とに大きな影響を受ける。
そして、ヘミング装置100では、さらなる仕上げ精度の向上を目標としてロールインを抑制するべく、最先の折り曲げにおいてローラ104の移動軌跡をさらに安定させ、軌跡上のポイントごとに最適なローラ傾斜角およびTCP−RTP距離を実現することが要請されている。
請求項1に記載のローラ式ヘミング加工装置は、板状の被ヘミング材が載置される下型と、下型に載置された被ヘミング材の周縁を転圧して折り曲げるローラとを備える。また、下型は、載置された被ヘミング材により上方を覆われる載置面を有する。そして、載置面の外周側には、被ヘミング材周縁の転圧時にローラが転がりながら接触する第1ガイド面が配され、第1ガイド面の外周側には、被ヘミング材周縁の転圧時にローラの外周側への移動を規制するとともに、内周側への移動を許容する第2ガイド面が配されている。
また、ローラは、被ヘミング材周縁に直接的に当接して転圧作用を及ぼす円筒状の転圧部と、ローラの回転軸に対して転圧部よりも外周側に鍔状に膨出するフランジ部とを有し、フランジ部により第1ガイド面上を転がりながら、被ヘミング材周縁を転圧する。
以上により、ローラ式ヘミング加工装置において、ティーチング後に、ローラを支持するために硬化された部分を調整することなく、また、余分な移動軌跡を生じることなく、ローラの移動軌跡をさらに安定させることができる。
そして、フランジ部と第1ガイド面との当接を維持することによって、ローラの移動軌跡を安定させることができる。また、フランジ部と第1ガイド面との当接部を中心としてローラを安定的に回転させることができるので、ローラ傾斜角およびTCP−RTP距離を高精度に調整することができる。さらに、本曲げ後の被ヘミング材周縁を、適度な丸みを有するように仕上げることができる。
請求項2に記載のローラ式ヘミング加工装置によれば、ローラによる被ヘミング材周縁の折り曲げは、複数段階に分かれて行われ、被ヘミング材周縁は、折り曲げの段階が進むにつれて最終の加工状態に近づく。そして、第2ガイド面は、最先の段階で被ヘミング材周縁を折り曲げる際に、ローラの当接を受けてローラの外周側への移動を規制する。
請求項3に記載のローラ式ヘミング加工装置によれば、フランジ部は、転圧部に対して着脱自在である。
これにより、転圧部の円筒状の表面(転圧面)に対するフランジ部の膨出量を可変することができる。このため、フランジ部の膨出量を可変することで、TCP−RTP距離をローラ傾斜角とは独立に調整することができる。
さらに、フランジ部は、転圧部に対して着脱自在である。
実施例のローラ式ヘミング加工装置1(以下、ヘミング装置1と呼ぶ)の構成を、図1および図2を用いて説明する。
ヘミング装置1は、車両のドアパネルやフードパネルのような板状部材を被ヘミング材2とし、被ヘミング材2の周縁3を折り曲げ加工(ヘミング加工)するものである。
ここで、ロボットアーム6の先端には、ローラ5を回転自在に支持するローラ支持部9が設けられている。そして、ローラ支持部9内には、例えば、コイルスプリング、油圧シリンダ、ガススプリング、エアシリンダまたはサーボモータのように、ローラ5から周縁3に作用する転圧力を調節することができる転圧力調節手段(図示せず)が内蔵されている。
なお、ヘミング加工が行われている間、複数のロケータは、全て、ローラ5の移動軌跡から後退するように制御される。また、複数のクランプは、移動軌跡上においてローラ5が存在する位置に応じて、個別に周縁部3bの下型4に対する固定を解除してローラ5等と立体的に干渉しないように制御される。
実施例のヘミング装置1の特徴を、図1〜図3を用いて説明する。
ヘミング装置1によれば、載置面12の外周側には、周縁3の転圧時にローラ5が転がりながら接触する第1ガイド面15が配され、ローラ5は、第1ガイド面15に上方から当接して第1ガイド面15により下方から物理的に支持される。また、第1ガイド面15の外周側には、周縁3の転圧時にローラ5の外周側への移動を規制するとともに、内周側への移動を許容する第2ガイド面16が配され、ローラ5は、第2ガイド面16に内周側から当接して第2ガイド面16により外周側から物理的に支持される。
また、第2ガイド面16は、第1ガイド面15と90°よりも大きい角度をなして交わるように設けられており、ローラ5は、第1、第2ガイド面15、16の両方に支持された状態で、支持されている部分を中心として回転することができる。
なお、第1、第2ガイド面15、16は、ローラ5の支持に耐え得るように、焼入れされて硬化している。
実施例のヘミング装置1によるヘミング加工を、図2および図3を用いて説明する。
ヘミング装置1は、まず最先の予備曲げにおいて、第2ガイド面16にローラ5を当接させて、第2ガイド面16によりローラ5の外周側への移動を規制する。そして、ヘミング装置1は、第2ガイド面16によりローラ5の外周側への移動を規制しながら、第1ガイド面15上でローラ5を転がすように移動させて周縁部3aを折り曲げていく(図2(a)参照)。すなわち、ヘミング装置1は、最先の予備曲げにおいて、第1、第2ガイド面15、16の両方によりローラ5を支持しながら周縁3を転圧する。
実施例のヘミング装置1によれば、載置面12の外周側には、周縁3の転圧時にローラ5が転がりながら接触する第1ガイド面15が配される。また、第1ガイド面15の外周側には、周縁3の転圧時にローラ5の外周側への移動を規制するとともに、内周側への移動を許容する第2ガイド面16が配されている。そして、第2ガイド面16は、最先の予備曲げにより周縁3を折り曲げる際に、ローラ5の当接を受けてローラ5の外周側への移動を規制する。
以上により、ヘミング装置1において、ティーチング後に、ローラ5を支持するために硬化された部分(第1、第2ガイド面15、16)を調整することなく、また、余分な移動軌跡を生じることなく、ローラ5の移動軌跡をさらに安定させることができる。
これにより、転圧面17に対するフランジ部19の膨出量を可変することができる。このため、フランジ部19の膨出量を可変することで、TCP−RTP距離をローラ傾斜角とは独立に調整することができる。
実施例のヘミング装置1によれば、中間の予備曲げは、1段階のみで行われていたが、中間の予備曲げを複数段階に分けて行ってもよい。また、ローラ5の第1、第2ガイド面15、16からの離脱を、中間の予備曲げのいずれかの段階で行うようにしてもよい。
2 被ヘミング材
3 周縁(被ヘミング材周縁)
4 下型
5 ローラ
12 載置面
15 第1ガイド面
16 第2ガイド面
18 転圧部
19 フランジ部
Claims (3)
- 板状の被ヘミング材が載置される下型と、この下型に載置された前記被ヘミング材の周縁を転圧して折り曲げるローラとを備えるローラ式ヘミング加工装置において、
前記下型は、載置された前記被ヘミング材により上方を覆われる載置面を有し、
前記載置面の外周側には、被ヘミング材周縁の転圧時に前記ローラが転がりながら接触する第1ガイド面が配され、
前記第1ガイド面の外周側には、前記被ヘミング材周縁の転圧時に前記ローラの外周側への移動を規制するとともに、内周側への移動を許容する第2ガイド面が配され、
前記ローラは、
前記被ヘミング材周縁に直接的に当接して転圧作用を及ぼす円筒状の転圧部と、
前記ローラの回転軸に対して前記転圧部よりも外周側に鍔状に膨出するフランジ部とを有し、
このフランジ部により前記第1ガイド面上を転がりながら、前記被ヘミング材周縁を転圧することを特徴とするローラ式ヘミング加工装置。 - 請求項1に記載のローラ式ヘミング加工装置において、
前記ローラによる前記被ヘミング材周縁の折り曲げは、複数段階に分かれて行われ、前記被ヘミング材周縁は、折り曲げの段階が進むにつれて最終の加工状態に近づき、
前記第2ガイド面は、最先の段階で前記被ヘミング材周縁を折り曲げる際に、前記ローラの当接を受けて前記ローラの外周側への移動を規制することを特徴とするローラ式ヘミング加工装置。 - 請求項1または請求項2に記載のローラ式ヘミング加工装置において、
前記フランジ部は、前記転圧部に対して着脱自在であることを特徴とするローラ式ヘミング加工装置。
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Applications Claiming Priority (1)
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