以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、機関を正面(クランクシャフト軸直方向)から見たときの、本実施形態を適用する可変動弁機構Aの基本的な構成を示す図である。
可変動弁機構Aは吸気弁のリフト量及び作動角を連続的に可変制御可能な機構である。なお、ここではリフト量を変化させることの説明は最大リフト量を変化させることの説明を指す。つまり、リフト量の可変制御とは最大リフト量を変化させる制御のことをいい、エンジンのクランクシャフトの回転に同期して開閉する際のリフト量の変化を指すものではない。
図1中の1は駆動軸、3は可変動弁用ロッカーアーム、4は第1リンク、5は第2リンク、6は揺動カム、7は揺動軸、8は第1アーム、9は第2アーム、10〜12はそれぞれ連結ピンである。
駆動軸1は、機関本体としてのシリンダヘッドに回転自在に支持されている。駆動軸1はタイミングチェーンないしはタイミングベルトを介して機関のクランクシャフトによって駆動される。駆動軸の回転方向は、図1において時計回りとする。
駆動軸1は、駆動軸1の中心に対して偏心した円形の外周面を有する、駆動カム13を備える。実施例の駆動カム13は、駆動軸1の外周に、偏心した孔を有する円盤状の別部品が圧入等によって固定されることで構成されている。また、駆動軸1には、駆動カム13を固定した位置から軸方向にずれた位置に、気筒ごとに一対の揺動カム6が、駆動軸1に対して回転自在(揺動自在)に支持される。この一対の揺動カム6が駆動軸1の周りを所定の角度範囲で揺動(上下動)することによって、揺動カム6のカムノーズ6aの下方に位置する吸気弁が押圧され、吸気弁が下方にリフトする。なお、一対の揺動カム6は、駆動軸1の外周を覆う円筒部を介して互いに一体化しており、同位相で揺動する。
なお、図示しないが駆動軸1の前端には、クランクシャフトに対する駆動軸の位相を変化させ、作動角の位相を変化させる位相可変機構が備えられている。この位相可変機構は、一般的に知られているものと同様に、駆動軸1の前端部に設けられたスプロケットと、このスプロケットと駆動軸1とを、所定の角度範囲内において相対的に回転させる位相制御用アクチュエータと、から構成されている。スプロケットは、図示せぬタイミングチェーンもしくはタイミングベルトを介して、クランクシャフトと同期して回転している。位相制御用アクチュエータは、コントロールユニット(図示せず)からの制御信号に基づいて制御される。この位相制御用アクチュエータの制御によって、スプロケットと駆動軸1とが相対的に回転し、リフト中心角が遅進する。つまり、リフト特性の曲線自体は変わらずに、全体が進角もしくは遅角する。また、この変化は連続的に得ることができる。位相可変機構としては、油圧式、電磁式アクチュエータを利用したものなど、種々の構成が可能であるが、本実施形態では油圧式アクチュエータを用いることとする。
可変動弁用ロッカーアーム3は、揺動軸7に揺動自在に支持されており、駆動軸1の中心と揺動軸7の中心とを結んだ直線に対して同一側に突出する第1アーム8及び第2アーム9を備える。なお、第1アーム8より第2アーム9の方が突出量が大きい。また、可変動弁用ロッカーアーム3は分割された二つの部材からなり、揺動軸7を挟んだ状態でボルト15により締結されている。
揺動カム6の下面には、駆動軸1と同心状の円弧をなす基円面と、この基円面からカムノーズ6aの外形を構成するように、所定の曲線を描いて延びるカム面と、が連続して形成されており、これらの基円面ならびにカム面が、揺動カム6の揺動位置に応じて吸気弁またはバルブリフタに接触するようになっている。すなわち、基円面はベースサークル区間として、リフト量がゼロとなる区間であり、揺動カム6が揺動してカム面がバルブリフタに接触する区間は、吸気弁が徐々にリフトしていくリフト区間になる。なお、ベースサークル区間とリフト区間との間には若干のランプ区間が設けられている。
第1リンク4は、一端が駆動カム13に回転可能に嵌合し、他端が第1アーム8の先端付近に連結ピン10を介して連結している。
第2リンク5は、一端が第2アーム9の先端付近と連結ピン11を介して連結され、他端が揺動カム6のカムノーズ6aの端部付近と連結ピン12を介して連結されている。連結ピン10は、ロッカーアーム3と第1リンク4との第1連結点をなし、連結ピン11は、ロッカーアーム3と第2リンク5との第2連結点をなす。第1連結点と第2連結点は、駆動軸1の中心と揺動軸7の中心とを結ぶ直線に対して同じ側にある。そして、第2連結点(連結ピン12)は第1連結点(連結ピン10)よりも前記揺動軸7の中心から遠い位置にある。また揺動カム6は、駆動軸1の中心と揺動軸7の中心とを結ぶ直線に対して、第1連結点と第2連結点と同じ側にカムノーズ6aを有し、駆動軸は機関弁を開くときの揺動カムの回転方向と同じ向きに回転する。
上記のような構成の可変動弁機構Aでは、駆動軸1が機関のクランクシャフトの回転に同期して回転すると、駆動カム13の作用によって第1リンク4が上下運動し、これに伴って可変動弁用ロッカーアーム3が揺動軸7の中心周りに揺動する。この可変動弁用ロッカーアーム3の揺動は、第2リンク5を介して揺動カム6へ伝達され、揺動カム6が揺動する。そして、揺動カム6のカム作用により吸気弁が開閉動作を行う。
図2は、揺動カム6の揺動角、揺動角速度、揺動角加速度について説明するための図である。図2中の実線Aは揺動角、実線Bは揺動角速度、実線Cは揺動角加速度の駆動軸回転角に対する特性を示している。なお、図2では最大リフト量となるときの駆動軸回転角を180度に合わせている。
揺動カム6の揺動角θ(実線A)は、バルブリフト開始時をゼロ度とし、バルブリフト量が増大する方向、つまり図1中で時計回り方向を正とする。最大揺動角は、バルブの最大リフトが大きいときほど大きくなる。揺動角速度はdθ/dx(xは駆動軸回転角度)、揺動角加速度はd2θ/dx2と表すことができる。なお、負の方向(吸気弁のリフトを減少させる向き)の揺動角加速度を揺動負角加速度といい、負の方向の揺動角加速度の絶対値が大きい場合を「揺動負角加速度が大きい」という。
揺動角θは、駆動軸回転角で360度を一周期とし、駆動軸回転角ゼロ度から180度までは揺動角θは増大し、駆動軸回転角180度から360度までは揺動角θは減少する。揺動角θが最大値となるときに吸気弁は最大リフト量となり、揺動角θが正の値の区間(駆動軸回転角D1〜D2)がバルブリフト区間となる。揺動角速度は揺動角θに対して位相が略90度ずれており、揺動角θが最大値となるときにゼロになる。揺動角加速度は、揺動角が最大値となるときに最小、つまり揺動負角加速度が最大となる。
上記のような構成の可変動弁機構Aにおいて、作動角を変化させるということは、揺動カム6の初期揺動角を変化させると考えても差し障りがない。ここで、初期揺動角とは、図2中における駆動軸回転角がゼロのときの揺動角(ゼロ度(バルブリフト開始の揺動角)からマイナス側にどれだけ振れているかを示す、負の角度)をいう。
例えば、作動角(リフト量)を小さくする場合には、初期揺動角を小さくすればよい(基準となるリフト開始時(ゼロ)からマイナス側に大きく離すことになる)。これにより、駆動軸1の回転に伴って揺動カム6が揺動する際に、基円面が長い間バルブリフタ(図示せず)に接触し続け、カム面がバルブリフタ(図示せず)に接触する期間が短くなる。このため、リフト量が全体として小さくなり、かつ作動角も縮小する。
一方、作動角(リフト量)を大きくする場合には、初期揺動角を大きくすればよい(基準となるリフト開始時(ゼロ)からマイナス側へ大きく離れないようにする)。この場合、作動角(リフト量)を小さくする場合とは逆に、基円面がバルブリフタ(図示せず)に接触する期間が短く、カム面がバルブリフタ(図示せず)に接触する期間が長くなるので、リフト量が大きく、作動角も拡大する。
上記のように初期揺動角を変化させるためには、等しい駆動軸回転角度で(駆動カムの角度を揃えて)見比べたときの、揺動カム6のバルブリフタに対する角度を変化させる必要があり、そのため、揺動軸7の位置を変化させる。
ところで、揺動軸7の位置を変化させる方法は、大きく2つに分けることができる。一つは駆動軸1の中心と揺動軸7の中心との距離(以下、「L0長さ」という)を変化させる方法であり、もう一つは、駆動軸1の中心と揺動軸7の中心とを結んだ線の角度を変える(装置全体を傾ける)方法であって、別な言い方をすれば、図1中において駆動軸1の中心を通る任意の基準線と、駆動軸1の中心と揺動軸7の中心とを結ぶ直線とがなす角(以下、「L0角」という)を変化させる方法である。
例えば、図1において(L0角を変えずに)L0長さを長くすると、L0長さが短いときに比べて揺動軸7の中心7aは、駆動軸1の中心1aから離れて上方に位置することになる。このとき、駆動軸1の中心1aの位置は一定であり、駆動カム13の中心13aの位置も同じ(駆動軸の回転角度を変えない前提)とする。また、制御軸7の中心7aと第1連結点10a間の長さと、第1連結点10aと駆動カム13の中心13a間の長さも一定だから、制御軸中心7aと第1連結点10aを結んだ線と、第1連結点10aと駆動カム中心13aを結んだ線のなす角は、L0長さを長くした場合に大きくなる。従ってL0長さを長くすると、制御軸中心7aと第1連結点10aを結んだ線は時計回りに回転したのと同様の傾きの変化が生じる。このとき、第1連結点10aよりも、揺動軸中心7aから遠く離れた第2連結点11aは、てこの原理によって(第1連結点10aの位置が大きく変化しない中、制御軸中心7aが上方に移動することから)図内において下方へと移動することになる。これにより、第2リンク全体が下方に押し下げられ、第2リンク5と揺動カム6を連結する連結ピン12の中心12aが相対的に下方に押し下げられるので、初期揺動角が大きく(マイナス度合いが小さく)なり、作動角(リフト量)が大きくなる。反対にL0長さが短くなると、初期揺動角が小さく(マイナス度合いが大きく)なって作動角(リフト量)が小さくなる。
一方、(L0長さが変化しない状態で)L0角が大きくなると、可変動弁用ロッカーアーム3、第1リンク4、第2リンク5、及び揺動カム6が、相対的な姿勢は変化しないまま揺動カム6の揺動軸を中心として図1中で時計回り方向に回転することとなるので、初期揺動角が大きく(マイナス度合いが小さく)なって作動角(リフト量)が大きくなる。L0角が小さくなると、これとは反対に初期揺動角が小さく(マイナス度合いが大きく)なって作動角(リフト量)が小さくなる。なお、「相対的な姿勢」が変化するか否かは、揺動軸7の中心7a、連結ピン10の中心10a、駆動軸1の中心1a及び駆動カム13の中心13aを結んで形成した四角形、あるいは、揺動軸7の中心7a、連結ピン11の中心11a、連結ピン12の中心12a及び駆動軸1の中心1aを結んで形成した四角形の形状が変化するか否かで判断することができる(図1参照のこと)。
図3、図4は、吸気弁の作動角が大作動角の場合と小作動角の場合について、揺動カム6の揺動角及び揺動角加速度の特性を示した図であり、図3はL0長さを変化させることで作動角を変更する場合、図4はL0角を変化させることで作動角を変更する場合について示している。
図3に示すように、L0長さを変化させる場合には、小作動角時(揺動負角加速度は図中上側の破線で示される)に比べて大作動角時(揺動負角加速度は図中下側の破線で示される)の方が、バルブリフトピーク時における揺動負角加速度(リフトを減少させる向きの揺動カムの角加速度)の絶対値(加速度ゼロからの乖離)が大きくなる。これは、L0長さが変化すると可変動弁用ロッカーアーム3、第1リンク4、第2リンク5及び揺動カム6の相対的な姿勢が変化するので、駆動軸1の単位回転角あたりの揺動カム6の揺動角が変化する、すなわち、L0長さが長くなると、駆動軸1の単位回転角あたりの揺動カム6の揺動角が(特に大作動角時の最大リフト付近で)大きくなるためである。
上記のように、L0長さを長くして、作動角を大きくしたときに、揺動負角加速度の絶対値が大きくなるということは、作動角を大きくするにつれて、吸気弁の加速度が増加するということである。作動角を大きくするにつれて、吸気弁の加速度が増加すると、(他の条件が変わらなければ相対的に)駆動軸1の回転角当たりのバルブリフト量(変化)が増加(拡大)し、作動角の拡大に対応して増加するバルブリフト量を速やかに増加させる(急にリフト量を増やす)ことができるようになる。中間作動角(最大作動角と最小作動角の間の所定の作動角)時のバルブリフト量が速やかに得られないとすると、充填効率の低下やポンピングロスの増大につながり、機関出力の低下をもたらす恐れがあるが、L0長さを長くして、作動角を大きくしたときの揺動負角加速度の絶対値を大きくし、作動角の拡大に対応して増加するバルブリフト量を速やかに増加させることができれば、そのような心配はない。
一方、図4に示すように、L0角を変化させる場合には、大作動角時と小作動角時とで揺動負角加速度が変わらない。これは、上述したようにL0角を変化させると可変動弁用ロッカーアーム3、第1リンク4、第2リンク5及び揺動カム6の相対的な姿勢が変化しないためである。尚、揺動角と角加速度のピークは、L0角の変化に伴い装置全体が回転するので、変化前と変化後とで駆動軸角度に対する位置がずれる。駆動軸の回転方向と同じ向きに装置全体を傾けると、駆動軸角度に対するピーク位置は、遅れる側に移動する。
図5、図6は、それぞれL0長さ、L0角と揺動角及び揺動負角加速度の絶対値との関係をまとめた図である。
図5に示すように、L0長さが長くなるほど揺動角及び揺動負角加速度の絶対値はいずれもその最大値が大きくなる。つまり、L0長さが長くなると、駆動軸1の単位回転角あたりの揺動カム6の揺動角が(特に大作動角時の最大リフト付近で)大きくなる。これに対して、図6に示すように、L0角を大きくすると揺動角の最大値は大きくなるが、揺動負角加速度の最大値は一定のままである。
L0長さを長くして作動角を大きくしたときに、揺動負角加速度の最大絶対値が大きくなって、吸気弁の加速度が増加すると、(他の条件が変わらなければ相対的に)駆動軸1の回転角当たりのバルブリフト量が増加するので、所定の作動角(中間作動角)付近でのバルブリフト量を増加させることができ、充填効率の低下やポンピングロスの増大を解消し、機関出力の増加をもたらす。ところが、バルブリフト量の速やかな増加が望ましいのは所定の作動角(中間作動角)までであって、最大作動角付近のバルブリフト量の増加が速過ぎると最大リフト量が不必要に大きくなって、メカニカルな損失(例えばバルブスプリング反力に打ち勝つための仕事)ばかりが大きくなり、かえって効率を悪化させてしまう。そこで、所定の作動角(中間作動角)から最大作動角付近までは、L0長さをむしろ短くしつつ、L0角を増加させることによって、吸気弁の作動角を拡大させつつも、最大作動角付近の最大リフト量が不必要に大きくなることを抑え、メカニカルな損失が大きくなる等の問題を解消することができるようにする。L0長さを変えることなくL0角のみを変化させて作動角を変化させることについては、理解を助けるために、より具体的な構造(参考例)を示してさらに詳しく説明することとする。
図7は、参考例としての、L0角のみを変化させる構成の一例を示す図である。駆動軸1、第1リンク4、第2リンク5、揺動カム6及び可変動弁用ロッカーアーム3については図1と同様である。
なお、ここでは1気筒当り2つの吸気弁を備えるエンジンの一つの気筒について示している。したがって、揺動カム6を2つ備えている。第2リンク5は一方の揺動カム6のカムノーズ6a付近と連結ピン12を介して連結されている。ここで、第2リンク5は2つの揺動カム6のうちの一方にのみ連結しているのは、2つの揺動カム6はいずれも中空管14によって連結されており、一方の揺動カム6が揺動すれば他方の揺動カム6も同様に揺動するからである。
揺動軸7は駆動軸1と略平行かつ揺動軸7の方が機関上方となるように配置する。
図7中の20、21は、それぞれ揺動軸7、駆動軸1に対して回動可能に嵌合したリング部材、22はこれらリング部材20、21を連結するブリッジ部材である。このようなリング部材20、21及びブリッジ部材22を気筒列方向に複数設ける。駆動軸1及び揺動軸7の後端(図7中の右方向)にも同様にリング部材23、24及びブリッジ部材25を備える。駆動軸1後端のリング部材24の外周には、モータ27のピニオンギヤと噛み合うギヤ部24aを設ける。このようにリング部材20、21、23、24、ブリッジ部材23、25及びモータ27等からなる作動角変更機構により、揺動軸7の位置を移動する。
なお、駆動軸1の回転角を検出するセンサ及び揺動軸7の駆動軸1回りの回転角を検出するセンサ(いずれも図示せず)を備え、これらのセンサの検出値はコントロールユニットに読み込まれる。そして、コントロールユニットは車両の運転状態を検出するセンサ(例えばクランク角センサ、アクセル開度センサ等)の検出値に基づいて吸気弁の目標作動角を演算し、モータ27の駆動、停止を制御する。
上記のような構成によれば、モータ27を駆動すると、ピニオンギヤ26とギヤ部24aとが噛み合っているため、リング部材24が駆動軸1回りに回転する。これに伴って、ブリッジ部材25を介して連結されたリング部材23が、駆動軸1の回転軸と揺動軸7の長手方向軸間の距離(すなわちL0長さ)を半径とする円弧状を移動する。
すなわち、L0長さ一定のまま、L0角を変化させることができる。なお、図7の状態を最大作動角時とし、図7中の矢印R方向に回転させることで作動角を小さくするものとする。
以上のように図7の参考例のような構成によれば、吸気弁の作動角を変化させる場合に、L0長さを一定に保持したままL0角のみを変化させるので、作動角の変化にかかわらず吸気弁(図示せず)の揺動負角加速度を一定に保つことができる。
なお、図7はL0長さ一定のままL0角を変化させる構成の一例であって、他の構成であっても構わない。例えば、一端がシリンダヘッドに揺動可能に支持され、他端が揺動軸7に連結されており、一端を軸としての回転及び伸縮が可能なアクチュエータロッド等を用いれば、この回転量及び伸縮量を制御することによってL0長さ一定のままL0角の大きさが変化させるような軌跡で揺動軸7を動かすことができる。
次に、本発明の第1実施形態について説明する。
図8は本実施形態を適用する可変動弁機構Bの構成図である。本実施形態では、制御軸2を駆動軸1と略平行かつ制御軸2の方が機関上方側に位置するように、それぞれシリンダヘッド上部のカムブラケットに回転自在に支持する。
制御軸2は、いわゆるクランク形状をしており、カムブラケットに支持されるメインジャーナル2aと、メインジャーナル2aの中心から偏心した揺動軸7とを備える。そして、一方の端部に設けられたモータ27によって所定角度範囲内で回転するように構成されている。このモータ27への電力供給は、コントロールユニット100からの制御信号に基づいて制御される。また、モータ27は、作動角を変更する際に制御軸2を目標角度に回転させるのみならず、運転中に制御軸2の角度が目標角度からずれないように保持する機能も有する。
なお、駆動軸1の回転角を検出するセンサ及び制御軸2の回転角を検出するセンサを備え、これらのセンサの検出値はコントロールユニット100に読み込まれる。
ところで、揺動軸7は制御軸2の回転軸(メインジャーナル2aの中心)から偏心しているので、機関を正面から見たときの可変動弁用ロッカーアーム3の揺動中心位置は、制御軸2の回転角に応じて変化する。したがって、モータ27により制御軸2の回転角を変化させると、可変動弁用ロッカーアーム3の揺動中心位置が移動して揺動カム6の初期揺動位置が変化し、吸気弁の作動角が変化する。
図9は図1と同様に可変動弁機構Bを機関前方(正面)から見た図である。図9中のC0は制御軸2の回転軸(メインジャーナル2aの中心)を表し、CRmax、CRminはそれぞれ最大作動角時、最小作動角時の揺動軸7の中心位置を表している。
ところで、上述したようにL0長さ及びL0角を変化させると、バルブリフト量が変化する。例えば、L0長さが長くなればバルブリフト量は大きくなり、L0角が小さくなればバルブリフト量が小さくなる。この特性を利用して、L0角を小さくし、これにより低下したバルブリフト量と同じだけバルブリフト量が増大するようにL0長さを長くすると、結果としてバルブリフト量は変化しない。このように、L0角の変化によるバルブリフト量変化を相殺するようにL0長さを変化させることにより、作動角の変更に伴う最大バルブリフト量の変化を抑制することが可能である。これによって、最大作動角付近のバルブリフト量の増加が速過ぎて、最大リフト量が不必要に大きくなって、メカニカルな損失(例えばバルブスプリング反力に打ち勝つための仕事)が大きくなって効率を悪化させてしまうことを防止する。図9中の「等リフト線」は、バルブリフト量を一定に保つようにL0長さ及びL0角を変化させた場合の揺動軸7の軌跡(仮想線)を示している。
ここで、制御軸2の配置について説明する。制御軸2は、次の3つの条件を満たすように配置する。なお、図9は3つの条件を満たしている場合としての一例を示している。
第1の条件は、最大作動角時のL0長さ≧最小作動角時のL0長さであること。
第2の条件は、制御軸2の回転軸C0(メインジャーナル2aの中心)と駆動軸1の中心とを結ぶ直線と基準線とがなす角をα、最大作動角時のL0角をL0角max、最小作動角時のL0角をL0minとしたときに、L0角max−α≒α−L0角minであり、制御軸2の回転軸C0が、最大作動角時の揺動軸7の中心CRmaxにおける等リフト線の法線に対して、駆動軸1と同じ側にあることである。
第3の条件は、制御軸2の回転軸C0を中心として回転する揺動軸7の中心が描く円弧が、最大作動角時の揺動軸7の中心位置CRmaxにおける等リフト線に、最大作動角時の揺動軸7の中心位置CRmaxにおいて、漸近することである。
次に、これらの条件を満たした場合の効果について説明する。
図10は揺動負角加速度と作動角との関係、図11はバルブ加速度と作動角との関係、図12はバルブリフト量と作動角との関係を示す図である。各図には、比較対照として、特開2002−38913号公報に開示されているような、本実施形態の制御軸2に相当するシャフトが、揺動軸を擁する偏心構造となっており、L0角がほとんど変化せず主にL0長さの変化によって作動角を変化させる機構についても示している(図中の「従来技術」)。なお、図10の縦軸は、負の角加速度(減速方向の角加速度)の絶対値である。
図10に示すように、従来技術では、作動角を最大作動角よりも小さくすると、揺動負角加速度も小さくなる。これは、従来技術ではL0長さの変化量に対してL0角の変化量が小さいため、作動角の可変制御幅をL0長さの変化量で確保しなければならず、このため図5に示すように揺動負角加速度も低下してしまうからである。
一方、L0角のみを変化させる場合(図10中の破線)は、前述したように最大作動角〜最小作動角間で揺動負角加速度は一定となる。
これらに対して本実施形態では、最大作動角時及び最小作動角時の揺動負角加速度はL0角のみを変化させた場合と同等であるが、中間作動角時の揺動負角加速度は最大作動角時よりも大きくなっている。
これは、図9の揺動軸7の中心位置の軌跡を見るとわかるように、中間作動角時には最大作動角時よりもL0長さが長くなっていて、揺動負角加速度が最大作動角時に比べて増えるからである。すなわち、中間作動角時は最大作動角時に比べてL0角は小さくなる一方で、L0長さは長くなっており、図6に示すようにL0角を小さくすると揺動負角加速度は一定のままであるのに対し、図5に示すようにL0長さを長くすると揺動負角加速度は大きくなるからである。
L0長さを長くすると揺動角が大きくなるので(図5参照のこと)、作動角は大きくなる方向に変化する。しかしながら、L0角の減少による揺動角の減少の方が大きいため、結果として作動角は小さくなる。これは前述のように、L0長さが長くなると、駆動軸1の単位回転角あたりの揺動カム6の揺動角が大きくなるため、L0長さが長くなることの影響は、(特に作動角が大作動角付近にあるときに)作動角の拡大以上に揺動負角加速度を増加させることに強く効くからである。
揺動カム6の揺動負角加速度が上記のような特性になると、バルブ加速度は図11に示すように、全域にわたって従来技術よりも大きなバルブ加速度となり、最大作動角付近の中間作動角時に最大値をとり、最大作動角時にはほぼ同等となる。
そして、バルブリフト量は図12に示すように、中間作動角では従来技術よりも大きなリフト量となり、最大作動角付近ではほぼ最大リフト量に近いリフト量を保っている。これは、最大作動角付近では揺動軸7の軌跡が等リフト線に漸近しているためである。また、本実施例の、制御軸2のメインジャーナルに対する揺動軸7の偏心量は、従来には無かった大きさにまで大きく設定されているため、揺動軸7の移動に伴なう作動角の変化が常に一定方向に向かうようになっているとともに、作動角が増大するのに対してリフト量が減少するようなこともない。このようにして、中間作動角から大作動角の間では、他の作動角範囲に比べ、作動角の変更に伴う機関弁の最大リフトの変化が抑制されるように、揺動軸が駆動軸に対して変位する。また、L0角の変化に基づく機関弁の最大リフト変化量と、L0長さの変化に基づく機関弁の最大リフト変化量とが、互いに打ち消し合うように揺動軸が駆動軸に対して変位する。さらに、中間作動角における揺動負角加速度の絶対値が、最大作動角における揺動負角加速度と同じかまたはそれ以上となるように、揺動軸が駆動軸に対して変位する。
以上により本実施形態では次のような効果を得ることができる。
(1)揺動カムは、駆動軸と揺動軸とを結ぶ直線に対して第2連結部側にカムノーズが突出し、かつ当該直線に対してカムノーズと同じ側で前記第2リンクと連結されており、作動角が増大するほどL0角が大きくなり、最小作動角から所定作動角まではL0長さが増大し、当該所定作動角から最大作動角まではL0長さが減少するような軌跡で制御軸7の中心の位置を移動するので、中間作動角時に揺動負角加速度の絶対値が最大値をとる。これにより、中間作動角となる中負荷運転時の充填効率の向上、ポンプロス低減を図ることができるとともに、小作動角時のリフト量が過剰に大きくなることを防止し、低負荷運転時の吸入空気量のバラツキを低減することができる。さらに、最大作動角付近の最大リフト量が不必要に大きくなって、メカニカルな損失が大きくなることを抑え、最大作動角時における揺動軸7への入力荷重を低減することができる。
(2)最大作動角時のL0長さ≧最小作動角時のL0長さとすることで、駆動軸1の単位回転角あたりの揺動カム6の揺動角を、最大作動角時により大きくすることで、最大作動角付近の揺動負角加速度を大きくすることができる。
(3)最大作動角に近づくにしたがって等リフト線に漸近するような軌跡で揺動軸7が移動するので、最大作動角時のバルブリフト量を抑制しつつ中間作動角時のバルブリフト量を増大することができる。
(4)制御軸2の揺動軸は、作動角が最大作動角時の略半分の場合における可変動弁用ロッカーアーム3の揺動軸と揺動カム6の揺動軸とを結んだ直線上にあり、かつ最大作動角時の揺動軸7の揺動軸位置における等リフト線の法線に対して、揺動カム6の揺動軸1側に位置するので、偏心した揺動軸を有する制御軸2を用いて、最大作動角付近で等リフトを維持することができる。
第2実施形態について説明する。
図13は本実施形態を適用する可変動弁機構Cの外観図、図14はこの可変動弁機構Cを機関正面から見た図である。
可変動弁用ロッカーアーム3、第1アーム8、第2アーム9、第1リンク4、第2リンク5の配置、及び制御軸2がクランク状に形成されている点については第2実施形態と同様であるが、揺動カム6の向き、制御軸2の回転軸位置が異なる。
また、揺動カム6はローラフォロア33を有するローラ式ロッカーアーム30を介して吸気弁31を駆動し、ローラ式ロッカーアーム30の支点にはラッシュアジャスタ32を配置する点でも異なる。なお、制御軸2の回転軸位置については後述する。
揺動カム6は、制御軸2と駆動軸1の回転軸を結んだ線に対して第1、第2アームの突出方向とは反対側にカム面が突出しており、駆動軸1の回転軸に対してカム面と反対側で第2リンク5と連結されている。そして、駆動軸1が回転することで第1リンク4が上方に移動すると、第2リンク5も引き上げられ、これにより揺動カム6は図14中で反時計回り方向に回転して吸気弁31はローラ式ロッカーアーム30を介して押し下げられる。
また、ローラ式ロッカーアーム30は、ローラフォロア33と揺動カム6との接触部に対して、吸気弁31との接触部及び支点が下方となる形状である。これにより、連結ピン12の揺動軌跡を確保すること、つまり揺動カム6が揺動したときに揺動カム6と第2リンク5との連結部分がローラ式ロッカーアーム30と衝突することを回避することができる。
図15、図16は、図5、図6に相当する図であり、それぞれL0長さ、L0角と揺動角及び揺動負角加速度との関係をまとめた図である。
図15に示すように、L0長さが長くなるほど揺動角及び揺動角加速度は小さくなる。そして、図16に示すように、L0角が大きくなると、揺動角は小さくなるが揺動角加速度は一定のままである。
図17は本実施形態の制御軸2の回転軸位置について示す図である。図9と同様に、C0は制御軸2の回転軸を表し、CRmax、CRminはそれぞれ最大作動角時、最小作動角時の揺動軸7の中心位置を表している。また、基準線、制御軸2の回転軸C0と駆動軸1の回転軸とを結んだ線と基準線とのなす角についても同様である。
制御軸2の配置について説明する。制御軸2は、次の3つの条件を満たすように配置する。なお、図17は3つの条件を満たしている場合の一例を示している。
第1の条件は、制御軸2の回転軸C0と駆動軸1とを結ぶ直線と基準線とがなす角をα、最大作動角時のL0角をL0角max、最小作動角時のL0角をL0minとしたときに、L0角max−α≒α−L0角min、つまり最大作動角時のL0長さ≧最小作動角時のL0長さであること。
第2の条件は、制御軸2の回転軸C0が、最大作動角時の揺動軸7の中心CRmaxにおける等リフト線の法線に対して駆動軸1と反対側にあることである。
第3の条件は、回転軸C0−揺動軸7の中心位置間距離が、制御軸2を回転させたときの揺動軸7の中心の軌跡、つまり制御軸2の回転軸C0を中心とし回転軸C0−揺動軸7の中心位置間距離を半径とする円弧が最小作動角時の揺動軸7の中心位置CRminから最大作動角時の揺動軸7の中心位置CRmaxに近づくに連れて等リフト線に漸近し、最大作動角時の揺動軸7の中心位置CRmaxで両者が一致するような大きさであることである。
次に、これらの条件を全て満たした場合の効果について説明する。
図18は揺動負角加速度と作動角との関係、図19はバルブリフトと作動角との関係を示す図である。各図には、図10、図12と同様に比較対照として、従来技術についても示している。なお、図18の縦軸は、図10と同様に負の角加速度(減速方向の角加速度)の絶対値である。
図18に示すように、従来技術では、作動角を最大作動角よりも小さくすると、揺動負角加速度も小さくなる。これに対して本実施形態では、最大作動角時には従来技術と同等であるが、中間作動角時には最大作動角時よりも大きくなっている。
これは、図17の揺動軸7の中心位置の軌跡を見るとわかるように、最大作動角時及び最小作動角時にはL0角のみを変化させた場合と同じL0長さであるが、中間作動角時には最大作動角時よりもL0長さが短くなっているからである。
すなわち、中間作動角時は最大作動角時に比べてL0角は大きく、L0長さは短くなっており、図16に示すようにL0角を大きくすると揺動負角加速度は一定のまま作動角は小さくなり、図15に示すようにL0長さを短くすると揺動負角加速度は大きくなるからである。
揺動カム6の揺動負角加速度が上記のような特性になると、バルブリフト量は図19に示すように、ほぼ全域にわたって従来技術よりも大きくなり、中間作動角の最大作動角付近になるとほぼ最大リフト量に近いリフト量となっている。これは、最大作動角付近では揺動軸7の軌跡が等リフト線に漸近しているためである。
以上により本実施形態では、駆動軸1と揺動軸7の揺動軸とを結ぶ直線に対して第2リンク5とは反対側に揺動カム6のカムノーズ6aが突出し、かつ当該直線に対してカムノーズ6aと同じ側で第2リンク5と連結されており、作動角変更機構は、作動角が増大するほどL0角が小さくなり、最小作動角から所定作動角まではL0長さが減少し、当該所定作動角から最大作動角まではL0長さが増大するような軌跡で前記可変動弁用ロッカーアームの揺動軸の位置を移動する構成についても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
第3実施形態について説明する。
図20は本実施形態を適用する可変動弁機構Dについて、図17と同様に機関正面から見た図である。図17との相違点は、制御軸2の回転軸C0の位置のみなので、この点について説明する。
本実施形態においても、制御軸2は次の3つの条件を満たすように配置する。なお、図20は3つの条件を満たしている場合の一例を示している。
第1の条件は、制御軸2の回転軸C0と駆動軸1とを結ぶ直線と基準線とが
なす角α、L0角max、L0minが、L0角max−α≒α−L0角min、つまり最大作動角時のL0長さ≧最小作動角時のL0長さであること。
第2の条件は、制御軸2の回転軸C0が、最大作動角時の揺動軸7の中心CRmaxにおける等リフト線の法線と最大作動角時の揺動軸7の中心位置CRmaxと回転軸C0を結ぶ直線との間で、かつ前記法線に近い位置にあることである。
次に、これらの条件を全て満たした場合の効果について説明する。
図21は揺動負角加速度と作動角との関係、図22はバルブリフトと作動角との関係を示す図である。各図には、図10、図12と同様に比較対照として、従来技術についても示している。なお、図21の縦軸は、図10と同様に負の角加速度(減速方向の角加速度)の絶対値である。
図21に示すように、従来技術では、作動角を最大作動角よりも小さくすると、揺動負角加速度も小さくなる。これに対して本実施形態では、揺動負角加速度は最小作動角時に最も大きく、そこから作動角が大きくなるに連れて徐々に小さくなり、最大作動角と最小作動角の中間程度の作動角より大きくなると再び大きくなる。そして、最大作動角に近づくと、ほぼ従来技術と同等になる。
これは、図20の揺動軸7の中心位置の軌跡を見るとわかるように、最大作動角時及び最小作動角時にはL0角のみを変化させた場合と同じL0長さであるが、中間作動角時には最大作動角時よりもL0長さが長くなっているからである。
すなわち、中間作動角時は最大作動角時に比べてL0角は大きく、L0長さは長くなっており、図16に示すようにL0角を大きくすると揺動負角加速度は一定のまま作動角は小さくなり、図15に示すようにL0長さを長くすると揺動負角加速度は小さくなるからである。
揺動カム6の揺動負角加速度が上記のような特性になると、バルブリフト量は図21に示すように、最大作動角付近及び最小作動角では従来技術と同等であり、中間作動角の最大作動角付近も従来技術との差は小さいが、作動角が小さくなるに連れて従来技術との差が大きくなる。
以上により本実施形態では、駆動軸1と揺動軸7の揺動軸とを結ぶ直線に対して第2リンク5とは反対側に揺動カム6のカムノーズ6aが突出し、かつ当該直線に対してカムノーズ6aと同じ側で第2リンク5と連結された構成についても、第1、第2の実施形態と同様の効果の他に、次のような効果を得ることができる。
また、機関に回動可能に支持される制御軸2と、ここから偏心した揺動軸7とを備え、駆動軸1から制御軸2中心までの距離は最小作動角時のL0長さよりも短いので、ほぼ最小作動角のときに揺動負角加速度の絶対値が大きくなる。これにより、小作動角時のリフト量を大きくすることができる。
第4実施形態について説明する。
図23は本実施形態を適用する可変動弁機構Bについて、図9と同様に機関正面から見た図である。図9との相違点は、制御軸2の回転軸C0の位置のみなので、この点について説明する。
本実施形態においても、制御軸2は次の3つの条件を満たすように配置する。なお、図20は3つの条件を満たしている場合の一例を示している。
第1の条件は、制御軸2の回転軸C0と駆動軸1とを結ぶ直線と基準線とがなす角α、L0角max、L0minが、L0角max−α≒α−L0角min、つまり最大作動角時のL0長さ≧最小作動角時のL0長さであること。
第2の条件は、制御軸2の回転軸C0が、最大作動角時の揺動軸7の中心CRmaxにおける等リフト線の法線に対して駆動軸1と反対側にあることである。
これらの条件を全て満たした場合には、図21、図22と同様の効果が得られる。
なお、上記各実施形態では、吸気弁用の可変動弁機構について説明したが、排気弁の開閉駆動にも同様に適用することができる。
例えば、第1、第2実施形態のように、中間作動角であっても最大作動角に近い部分ではほぼ最大作動角時に近いバルブリフト量となる場合には、中高負荷運転時等における排気効率の向上を図ることができる。また、第3、第4実施形態のように小作動角領域でのバルブリフト量が大きくなる場合には、アイドル運転時等のような低負荷運転時において、残ガス量の低減を図ることができる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。