JP5428024B2 - ブリスターカバー - Google Patents
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Description
ブリスター容器は、商品を収納可能な収納凹部が形成されたブリスターカバーと、前記ブリスターカバーの収納凹部に対応する開口を塞ぐ閉塞シートと、を有する(例えば、特許文献1)。
前記ブリスターカバーは、4つの起立面部を有する四角筒状の周壁と前記周壁の頂部に接続された天面部とを有する収納凹部と、前記収納凹部の周壁の基部から外側に延設されたフランジ部と、を有する。かかるブリスターカバーは、通常、合成樹脂製の透明なシート材の一部分をシート成形法によって凸状に成形することによって形成される。
ブリスターカバーの収納凹部は容量が大きいため、一般に、収納凹部を潰した後でブリスターカバーは廃棄される。
特に、特許文献1のように、補強のためのリブが周壁に設けられている場合、収納凹部を潰し難く、さらに、このリブによって、収納凹部の復元量が特に大きくなると推定される。
また、本発明の他の好ましいブリスターカバーは、前記コーナー面部が、第1面部と第2面部とを有し、前記第1面部と第2面部が、前記折り線において鈍角状に接続されており、前記第1面部及び第2面部が、前記折り線を底辺とする略三角形状にそれぞれ形成されている。
本発明の好ましいブリスターカバーによれば、上述のように潰し易く且つ復元量が小さいだけでなく、流通過程において収納凹部が変形することを防止できる。
図1〜図7において、1は、本発明のブリスターカバーを示す。
ブリスターカバー1は、商品を収納できるように凹状に形成された収納凹部2と、閉塞シートが取り付けられるフランジ部3と、を有する。
閉塞シート10は、一般に、粘着剤又は接着剤を介して、フランジ部3に貼着される。
もっとも、閉塞シート10は、粘着剤などを介してフランジ部3の裏面に貼着する方法に限られず、その他の方法でフランジ部3に取り付けることもできる。その他の方法としては、例えば、(1)フランジ部の裏面に閉塞シートを重ねた後、粘着テープで両者を留める、(2)フランジ部の両側縁を180度(ヘアピン状に)折り曲げることによって挿入溝部を形成し、その挿入溝部に閉塞シートを挿入する、(3)熱融着可能なヒートシール層を介して閉塞シートをフランジ部に接着する、などが挙げられる(何れも図示せず)。
前記合成樹脂製のシート材の材質は熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルなどが挙げられる。前記ブリスターカバー1は、透明性に優れたシート材から形成されていることが好ましいが、透明性が損なわれない範囲で、着色されていてもよい。また、ブリスターカバー1の表面又は裏面の一部には、所望の印刷が施されていてもよいし、或いは、表示ラベルが貼付されていてもよい。
前記シート材の厚みは特に限定されない。通常、厚み200μm〜1000μm程度のシート材が用いられる。
4つの起立面部41,42,43,44の各接続角部は面取りされており、この面取りによって、4つの接続角部にコーナー面部6がそれぞれ形成されている。
この各コーナー面部6は、周壁4の基部から頂部の間の折り線7において、内側に鈍角状に折れ曲がっている。
さらに、前記周壁4の頂部近傍4aにおける周壁4の厚みは、前記周壁4の基部近傍4bにおける周壁4の厚みよりも薄い。
つまり、上面部41の両側部と右側面部43及び左側面部44の各一側部とがコーナー面部6を介してそれぞれ接続され、且つ、下面部42の両側部と右側面部43及び左側面部44の他側部とがコーナー面部6を介してそれぞれ接続されている。
このコーナー面部6の面積は、各起立面部41,42,43,44の面積よりも小さいことが好ましい。また、コーナー面部6の幅(周壁4の周囲に対応する方向におけるコーナー面部6の長さ)は、各起立面部41,42,43,44の幅(周壁4の周囲に対応する方向における起立面部41,42,43,44の長さ)よりも短いことが好ましい。
各コーナー面部6は、各起立面部41,42,43,44に対して110度〜160度、好ましくは約135度の内角を以て一体的に接続されている。
従って、コーナー面部6は、折り線7を境界として、2つの領域(第1面部61及び第2面部62)に区画されている。この第1面部61と第2面部62が、前記折り線7において鈍角状に接続されている。鈍角状に接続とは、第1面部61の表面が第2面部62の表面との成す角度が鈍角となるように、第1面部61及び第2面部62が形成されているという意味である。
図6に示すように、第1面部61と第2面部62の成す角度D1は、特に限定されないが、150度以上180度未満であり、好ましくは150度以上170度以下である。前記範囲よりも小さいと、シート成形時において、成形された収納凹部2が金型から抜けないおそれがある。一方、第1面部61と第2面部62の成す角度が180度に近いと、本発明の効果を十分に奏しないおそれがある。
なお、第1面部61と天面部5との内角D2は、90度以上100度以下が好ましい。
もっとも、成形された収納凹部2が金型から抜けるように金型を設計すれば、前記内角D2を60度以上90度未満とし且つ前記角度D1を120度以上150度未満としてもよい。前記角度D1が120度以上150度未満であれば、より小さな荷重で収納凹部2を潰すことができる。
本実施形態では、リブ8は、上面部41、右側面部43及び左側面部44にそれぞれ形成され、且つ下面部42には形成されていない。特に図示しないが、前記リブ8は、右側面部43及び左側面部44だけに形成されていてもよいし、或いは、4つの起立面部41,42,43,44の全てに形成されていてもよい。リブ8は、少なくとも1つの起立面部41,…に形成されていればよい。
これらのリブ8は、起立面部41,…から外側又は内側に突設されており、好ましくは、図示したように、起立面部41,…から外側に半円弧状に突設されている。
また、リブ8は、周壁4の基部から頂部方向に延びているが、その先端部8aは、起立面折り線74に位置している(コーナー面部6の折り線7と同じ高さ位置している)。リブ8の先端部8aを折り線7と同じ高さまで設けることにより、荷重を加えたときに、その荷重が起立面折り線74の部分に作用し、起立面折り線74において起立面部41,…が潰れ易くなる。
天面部5は、フランジ部3と平行な平坦面である。平坦な天面部5は、潰した後に復元し難いので好ましい。もっとも、天面部5は、平坦面に限られず、凹凸(例えば半球凸状)を一部に有していてもよい。
なお、周壁4の頂部近傍4a及び基部近傍4bについては、図5の丸囲いで指している。
このように周壁4の頂部近傍4aにおける厚みを薄く形成することにより、荷重を加えたときに周壁4が潰れ易く且つ復元量が比較的小さいブリスターカバー1が得られ得る。
具体的には、図8(a)に示すように、加熱したシート材Aを凹型金型Bの表面上に当て、同図(b)に示すように、シート材Aと凹型金型Bの間の空間を真空状態にすることにより、シート材Aを金型Bの凹み部B1に密着させてシート材Aを成形する。成形後のシート材Aを金型Bから抜くことによって、上記ブリスターカバー1が得られる。
かかるシート成形法においては、金型Bの凹み部B1にシート材Aが密着するときに該シート材Aが引き延ばされる。前記金型Bの凹み部B1に密着したシート材Aの部分は収納凹部2となるので、上記成形法によれば、周壁4の頂部近傍4aにおける厚みが基部近傍4bよりも薄いブリスターカバー1を容易に作製できる。なお、この成形法で作製した場合、通常、周壁4の厚みは、その基部から頂部に向かうに従って徐々に薄くなるように形成される。
収納凹部2から商品を取り出した後、ブリスターカバー1は、廃棄又はリサイクルされる。その際、例えば、ブリスターカバー1の天面部5に対して略直交する方向から天面部5に荷重を加えることにより、ブリスターカバー1の収納凹部2を押し潰すことができる。大きな荷重を加えていくと、収納凹部2を略扁平状に押し潰すことも可能である。
本発明のブリスターカバー1は、上記構成からなるので、比較的小さな荷重で収納凹部2を潰すことができ、さらに、潰した後に解放しても、収納凹部2の復元量が比較的小さい。
従って、本発明によれば、従来のブリスターカバー1に比して、廃棄時に嵩張らないブリスターカバー1を提供できる。
厚み0.4mmの非晶質ポリエチレンテレフタレート製シート材(A−PET)を真空成形機を用いて凹型金型の凹み部に密着させて成形し、上記図1〜図7に示すようなブリスターカバーを作製した。
なお、このブリスターカバーの詳細な寸法(mm表示)は、図9及び図10の通りである。このブリスターカバーの第1面部と第2面部の成す角度(図6のD1で示す角度)は、約160度であり、第1面部と天面部との内角(図6のD2で示す角度)は、約90度である。また、シート材を凹型金型を用いて成形したので、このブリスターカバーにおいては、その周壁の基部から周壁の頂部に向かうに従って徐々に周壁の厚みが薄くなっている。
厚み0.4mmのシート材に代えて、厚み0.3mmの非晶質ポリエチレンテレフタレート製シート材(A−PET)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のブリスターカバーを作製した。
厚み0.4mmの非晶質ポリエチレンテレフタレート製シート材(A−PET)を真空成形機を用いて凹型金型の凹み部(ただし、実施例1とは金型の凹み部の形状が異なっている)に密着させて成形し、図11に示すようなブリスターカバーを作製した。
このブリスターカバーの寸法(mm表示)は、図12及び図13の通りである。このブリスターカバーは、図示したように、上記コーナー面部、折り線、リブが形成されていない。また、シート材を凹型金型を用いて成形したので、このブリスターカバーにおいては、その周壁の基部から周壁の頂部に向かうに従って徐々に周壁の厚みが薄くなっている。
厚み0.4mmのシート材に代えて、厚み0.3mmの非晶質ポリエチレンテレフタレート製シート材(A−PET)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、比較例2のブリスターカバーを作製した。
凸型金型を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、比較例1と同形のブリスターカバーを作製した。なお、凸型金型を用いた真空成形法は、加熱したシート材を、凸型金型の凸部に押し付けてシート成形を行う方法である。
このブリスターカバーの形状及び寸法は、比較例1と同様である。また、シート材を凸型金型を用いて成形したので、このブリスターカバーにおいては、その周壁の基部から周壁の頂部に向かうに従って徐々に周壁の厚みが厚くなっている。
厚み0.4mmのシート材に代えて、厚み0.3mmの非晶質ポリエチレンテレフタレート製シート材(A−PET)を用いたこと以外は、比較例3と同様にして、比較例4のブリスターカバーを作製した。
各実施例及び各比較例のブリスターカバーについて、収納凹部を押し潰し、そのときに必要な力(圧縮強度)を測定した。
具体的には、図14(a)に示すように、ブリスターカバーのフランジ部を平坦な作業台の上に置き、収納凹部の天面部の上から金属製の円柱状の厚板(直径110mm)を下方に移動させ、天面部に対して略直交する方向に荷重を加えた。なお、厚板の移動速度は100mm/分とした。
厚板にはオートグラフが接続されており、オートグラフによって収納凹部を押し潰している間の圧縮強度を測定した。
圧縮試験は、同図(b)に示すように、収納凹部の高さが10mm(収納凹部が略扁平状)になるまで行った。なお、圧縮前の収納凹部の高さは47mmである(図10及び図13参照)。
圧縮試験の結果を、図15及び図16のグラフに示す。
上記圧縮試験において、収納凹部の高さが10mmになったときに厚板を外し、収納凹部の荷重を解放した。
解放後、30秒間放置した後、図14(c)に示すように、収納凹部の最大高さを測定した。
その結果を、表1に示す。
なお、表1の圧縮率は、式:(解放後の収納凹部の最大高さ/圧縮前の収納凹部の高さ)×100、によって求められる。
従って、圧縮率が小さいほど、復元量がより小さい(押し潰すことによって、収納凹部の容積がより小さくなる)ことを意味する。
図15及び図16のグラフから明らかなように、比較例3及び4のブリスターカバーは、圧縮の初期時に大きな力が必要であり、押し潰し難いことが判る。これは、比較例3及び4のブリスターカバーの周壁の厚みが、周壁の基部から周壁の頂部に向かうに従って徐々に厚くなっていることに起因すると推定される。
また、表1から明らかなように、実施例1及び2のブリスターカバーは、対応する比較例1及び3並びに比較例2及び4に比して、圧縮率が小さかった。すなわち、実施例1及び2のブリスターカバーは、復元量が小さかった。これは、実施例1及び2のブリスターカバーが、コーナー面部を有し、且つリブの先端部が折り線に略一致していることに起因すると推定される。
Claims (3)
- 4つの起立面部を有する略四角筒状の周壁と前記周壁の頂部に接続された天面部とを有する収納凹部と、前記周壁の基部から外側に延設されたフランジ部と、を有するブリスターカバーであって、
前記周壁の頂部近傍における周壁の厚みが、前記周壁の基部近傍における周壁の厚みよりも薄く、
隣接する起立面部の接続角部が面取りされ、この角部にコーナー面部が形成されていると共に、
前記コーナー面部が、周壁の基部から頂部の間の折り線において、内側に鈍角状に折れ曲がっていることを特徴とするブリスターカバー。 - 前記4つの起立面部の少なくとも1つには、周壁の基部から頂部方向に延び且つ起立面部から外側又は内側に突出されたリブが1つ以上設けられており、前記リブの先端部が前記折り線と同じ高さに位置している請求項1に記載のブリスターカバー。
- 前記コーナー面部が、第1面部と第2面部とを有し、前記第1面部と第2面部が、前記折り線において鈍角状に接続されており、
前記第1面部及び第2面部が、前記折り線を底辺とする略三角形状にそれぞれ形成されている請求項1又は2に記載のブリスターカバー。
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