JP5420351B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、機関弁が開閉するバルブの作動特性を変更可能にする機能を備えた内燃機関の可変動弁装置に関する。
従来、内燃機関の可変動弁装置において、シリンダヘッドに支持されたカム軸と一体回転する駆動カムと、カム軸に揺動可能に支持され、機関弁を開閉させる動弁カムと、カム軸を中心に揺動可能に支持され、駆動カムの弁駆動力を動弁カムに伝達し、動弁カムを揺動させるリンク機構と、リンク機構に設けられた支点を中心にカム軸の周りを回動自在なホルダと、このホルダを回転させてリンク機構の支点位置を変化させる駆動機構とを備え、揺動されたリンク機構の揺動位置によって、機関弁の作動特性を変更可能にしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−233180号公報
ところで、上記従来の内燃機関の可変動弁装置では、リンク機構の揺動支点の軸受に潤滑油を供給する油路が設けられていなかった。このため、高速/高回転を要求されるエンジンには適用が難しく、リンク機構へ確実に潤滑油を供給することが望まれていた。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、内燃機関の可変動弁装置において、リンク機構へ確実に潤滑油を供給できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、シリンダヘッド(132A)に回転可能に支持され、内燃機関(17)の回転に同期して回転するカム軸(151)と、前記カム軸(151)と一体回転する駆動カム(153)と、前記カム軸(151)に揺動可能に支持され、機関弁(147)を開閉させる動弁カム(52)と、前記カム軸(151)を中心に揺動可能に支持され、前記駆動カム(153)の弁駆動力を前記動弁カム(52)に伝達し、前記動弁カム(52)を揺動させるリンク機構(56)と、前記リンク機構(56)の支点軸受け部(59B)が設けられ、前記カム軸(151)の回りを回動自在なホルダ部材(59)と、前記ホルダ部材(59)を回転させて前記リンク機構(56)の支点位置を変化させる駆動機構(60)とを備え、揺動された前記リンク機構(56)の揺動位置で、前記機関弁(147)の開閉のバルブ作動特性を変更可能にする内燃機関の可変動弁装置において、前記ホルダ部材(59)の前記支点軸受け部(59B)近傍に潤滑油を溜めるオイル溜まり(80)と、前記オイル溜まり(80)と前記支点軸受け部(59B)とを結ぶ油路(85)を形成し、前記油路(85)は、前記ホルダ部材(59)と左右一対のホルダープレート(53A,53B)とを締結するボルト穴(79)と、前記オイル溜まり(80)の底部に設けた第1の油通路(81)と、前記ボルト穴(79)と前記リンク機構(56)の軸受面(54E)とを連通する第2の油通路(82)とを有することを特徴とする。
この構成によれば、ホルダ部材の支点軸受け部近傍に潤滑油を溜めるオイル溜まりを設け、このオイル溜まりとリンク機構の支点軸受け部とを結ぶ油路を形成したため、オイル溜まりに貯留された潤滑油を、油路を介して支点軸受け部に確実に常時給油できる。また、オイル溜まりに潤滑油が貯留されるため、内燃機関の回転変動によって潤滑油の供給量に変動があった場合にも、安定して支点軸受け部に潤滑油を供給できる。さらに、ホルダ部材とホルダープレートとを締結するボルト穴を利用して油通路を構成するため、ボルトの軸方向に延びる給油のための専用の油路を形成する必要がなく、油路を簡単に形成することができる。
また、前記左右一対のホルダープレート(53A,53B)は左右別々のボルト(53D,53E)で前記ホルダ部材(59)に締結され、前記第1の油通路(81)と前記第2の油通路(82)との間の前記ボルト穴(79)には前記ボルト(53D)の締結用ねじ(79A)が形成されていなくても良い。
この場合、第1の油通路と第2の油通路との間のボルト穴には締結用ねじが締結されないため、締結用ねじによって油路が塞がれることがなく、潤滑油を確実に支点軸受け部へ供給できる。
また、前記ホルダ部材(59)の前記リンク機構(56)の前記支点軸受け部(59B)に向かって傾斜する斜面(73A)を設けても良い。
リンク機構の支点軸受け部に向かって傾斜する斜面を設けたため、この斜面に流れる潤滑油を支点軸受け部近傍のオイル溜まりに集めることができ、多量の潤滑油をオイル溜まりに導くことができる。これにより、支点軸受け部へ確実に潤滑油を供給できる。
さらに、シリンダヘッドカバー(133A)における前記ホルダ部材(59)の上方に位置する部分に、潤滑油を集めるリブ(134A)を設けても良い。
この場合、シリンダヘッドカバー内に付着する潤滑油がリブに集められ、リブから下方に滴下する潤滑油をオイル溜まりに導くことができる。これにより、支点軸受け部へ確実に潤滑油を供給できる。
本発明に係る内燃機関の可変動弁装置では、ホルダ部材の支点軸受け部近傍に設けたオイル溜まりと、リンク機構の支点軸受け部とを結ぶ油路を形成したため、オイル溜まりの潤滑油を、油路を介して支点軸受け部に確実に常時給油できる。また、オイル溜まりに潤滑油が貯留されるため、内燃機関の回転変動によって潤滑油の供給量に変動があった場合にも、安定して支点軸受け部に潤滑油を供給できる。
また、ホルダ部材とホルダープレートとを締結するボルト穴を利用して油通路を構成するため、ボルトの軸方向に延びる給油のための専用の油路を形成する必要がなく、油路を簡単に形成することができる。
また、第1の油通路と第2の油通路との間のボルト穴には締結用ねじが締結されないため、締結用ねじによって油路が塞がれることがなく、潤滑油を確実に支点軸受け部へ供給できる。
さらに、リンク機構の支点軸受け部に向かって傾斜する斜面に流れる潤滑油を支点軸受け部近傍のオイル溜まりに集めることができ、多量の潤滑油をオイル溜まりに導くことができる。これにより、支点軸受け部へ確実に潤滑油を供給できる。
さらにまた、シリンダヘッドカバー内に付着する潤滑油がリブに集められ、リブから下方に滴下する潤滑油をオイル溜まりに導くことができる。これにより、支点軸受け部へ確実に潤滑油を供給できる。
本発明の実施形態に係る自動二輪車の側面図である。 エンジンの内部構造を側方から見た図である。 図2の前バンクの内部構造を拡大して示す図である。 動弁装置を示す一部破断側面図である。 前バンクの動弁装置を後部側から見た縦断面図である。 動弁装置を示す斜視図である。 駆動機構を側面側から見た縦断面図である。 駆動機構を前部側から見た縦断面図である。 ホルダの近傍を上方から見た平面図である。 図9におけるX−X断面図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は、車体に対してのものとする。
図1は、本発明の実施の形態に係る動弁装置を適用した自動二輪車を示す側面図である。この自動二輪車10は、車体フレーム11と、車体フレーム11の前端部に取り付けられたヘッドパイプ12に回動自在に支持された左右一対のフロントフォーク13と、フロントフォーク13の上端部を支持するトップブリッジ14に取り付けられた操舵用のハンドル15と、フロントフォーク13に回転自在に支持された前輪16と、車体フレーム11に支持された内燃機関としてのエンジン17と、エンジン17に排気管18A,18Bを介して連結された排気マフラー19A,19Bと、車体フレーム11の後下部のピボット20に上下に揺動自在に支持されたリアスイングアーム21と、このリアスイングアーム21の後端部に回転自在に支持された後輪22とを備え、リアスイングアーム21と車体フレーム11との間にリアクッション23が配設される。
車体フレーム11は、ヘッドパイプ12から後下がりに延びるメインフレーム25と、メインフレーム25の後部に連結される左右一対のピボットプレート(センターフレームとも言う)26と、ヘッドパイプ12から下方に延びた後に屈曲して延びてピボットプレート26に連結されるダウンチューブ27とを備えている。メインフレーム25を跨ぐように燃料タンク28が支持され、メインフレーム25後方が後輪22上方まで延びてリアフェンダ29が支持され、このリアフェンダ29上方から燃料タンク28までの間にシート30が支持される。なお、図1中、符号31はダウンチューブ27に支持されたラジエータ、符号32はフロントフェンダ、符号33はサイドカバー、符号34はヘッドライト、符号35はテールライト、符号36は乗員用ステップである。
メインフレーム25、ピボットプレート26及びダウンチューブ27によって囲まれる空間にはエンジン17が支持される。エンジン17は、シリンダ(気筒)がV字状に前後にバンクした前後V型の2気筒水冷式4サイクルエンジンである。エンジン17は、車体に対してクランクシャフト105(クランク軸)が左右水平方向に指向するように複数のエンジンブラケット37(図1では一部のみを図示)を介して車体フレーム11に支持される。エンジン17の動力は後輪22左側に配設されたドライブシャフト(不図示)を介して後輪22に伝達される。
エンジン17は、シリンダを各々構成する前バンク110Aと後バンク110Bとの挟み角度(バンク角度とも言う)は90度より小さい角度(例えば、52度)で形成されている。各バンク110A,110Bの動弁装置はともに、4バルブのダブルオーバーヘッドカムシャフト(DOHC)方式に構成されている。
前バンク110Aと後バンク110Bによって形成されるV字状の空間には、エンジン吸気系を構成するエアクリーナ41とスロットルボディ42が配設される。スロットルボディ42は、エアクリーナ41で浄化された空気を前バンク110A及び後バンク110Bに供給する。また、各バンク110A,110Bには、エンジン排気系を構成する排気管18A,18Bが接続され、各排気管18A,18Bが車体右側を通ってその後端に排気マフラー19A,19Bが各々接続され、これら排気管18A,18B及び排気マフラー19A,19Bを介して排気ガスが排出される。
図2はエンジン17の内部構造を側方から見た図であり、図3は、図2の前バンク110Aの内部構造を拡大して示す図である。
図2において、エンジン17の前バンク110A及び後バンク110Bは略同一の構造である。図2中、前バンク110Aはピストン周辺を示し、後バンク110Bはカムチェーン周辺を示している。また、図2において、符号121は中間シャフト(後側バランサシャフト)を示し、符号123はメインシャフトを示し、符号125はカウンタシャフトを示している。クランクシャフト105を含むこれらシャフト121,123,125は、車体前後方向及び上下方向にずらして互いに平行に配置され、これらシャフトを支持するクランクケース110C内には、クランクシャフト105の回転を、中間シャフト121、メインシャフト123及びカウンタシャフト125の順に伝達する歯車伝達機構が構成されている。
図2に示すように、エンジン17のクランクケース110C上面には、前側シリンダブロック131A及び後側シリンダブロック131Bが車体前後に所定の挟み角度をなすように配置され、これらシリンダブロック131A、131Bの上面に前側シリンダヘッド132A、後側シリンダヘッド132Bが各々結合され、さらに各シリンダヘッド132A,132Bの上面にはヘッドカバー133A,133B(シリンダヘッドカバー)が各々装着されて前バンク110A及び後バンク110Bが構成される。
各シリンダブロック131A,131Bには、シリンダボア135が各々形成され、各シリンダボア135にはそれぞれピストン136が摺動自在に挿入され、各ピストン136は、コンロッド137を介してクランクシャフト105に連結される。
各シリンダヘッド132A,132Bの下面には、ピストン136上方に形成される燃焼室の天面を構成する燃焼凹部141が形成され、各燃焼凹部141には、点火プラグ142がその先端を臨ませて配置される。この点火プラグ142は、シリンダ軸線Cと略同軸に設けられる。
エンジン17は、各燃焼凹部141に設けられたインジェクタ143から燃焼室に直接燃料を噴射する筒内噴射式エンジンである。各インジェクタ143は、各シリンダヘッド132A,132BのVバンク内側側面から挿入され、その先端を各燃焼凹部141に臨ませて配置される。インジェクタ143は、シリンダ軸線Cに対して寝かせた状態で取り付けられる。
ヘッドカバー133Aの上部には、燃料ポンプ144が設けられ、燃料ポンプ144から燃料配管144Aを介して各インジェクタ143に燃料が供給される。
各シリンダヘッド132A,132Bには、一対の開口部145Aによって各燃焼凹部141に連通する吸気ポート145と、一対の開口部146Aによって各燃焼凹部141に連通する排気ポート146とが形成されている。吸気ポート145は、シリンダ軸線Cとインジェクタ143との間に配置される。
各吸気ポート145は、図2及び図3に示すように、シリンダヘッド132A,132Bと一体に設けた下部吸気ポート145Bと、シリンダヘッド132A,132Bと別体に設けた上部吸気ポート145Cとを備えている。上部吸気ポート145Cは、下部吸気ポート145Bに対し、よりヘッドカバー133A,133Bに接近する方向に角度を変えて取り付けられている。
各吸気ポート145は吸気チャンバ43で合流しており、この吸気チャンバ43はスロットルボディ42に連結される。スロットルボディ42には、スロットルバルブの断面積をアクチュエータの駆動により変化させるTBW(スロットル・バイ・ワイヤ)が採用されている。シリンダヘッド132Aの排気ポート146は、排気管18A(図1参照)に連結されており、シリンダヘッド132Bの排気ポート146は、排気管18B(図1参照)に連結されている。
シリンダヘッド132A,132Bには、吸気ポート145の開口部145Aを開閉する一対の吸気弁147(機関弁)と、排気ポート146の開口部146Aを開閉する一対の排気弁148(機関弁)とが配置される。吸気弁147及び排気弁148は、弁ばね149,149で各ポートを閉じる方向に各々付勢されている。各弁体147,148は、開閉のタイミングやリフト量等のバルブ作動特性を変更可能な動弁装置50(可変動弁装置)によって駆動される。動弁装置50は、シリンダヘッド132A,132Bに回転可能に支持され、クランクシャフト105の回転に連動して回転する吸気側と排気側のカムシャフト151,152(カム軸)を備える。ここで、カムシャフト151,152は、図2及び図4中の反時計回転方向にそれぞれ回転する。
カムシャフト151には、吸気カム153(駆動カム)が一体に形成されている。吸気カム153は、円形のカム面を形成するベース円部153Aと、ベース円部153Aから外周側に突出したカム面を形成するカム山部153Bとを備えている。また、カムシャフト152には、排気カム154(駆動カム)が一体に形成されている。排気カム154は、円形のカム面を形成するベース円部154Aと、ベース円部154Aから外周側に突出して山形のカム面を形成するカム山部154Bとを備えている。
図2に示すように、シリンダヘッド132A,132Bの幅方向の一端側には、中間軸158が回転可能に支持され、この中間軸158に中間スプロケット159,160が固定される。カムシャフト151の一端側には被動スプロケット161が固定され、カムシャフト152の一端側には被動スプロケット162が固定され、クランクシャフト105の両端側には駆動スプロケット163が固定される。これらスプロケット159,163間には第1カムチェーン164が巻回され、スプロケット160〜162間には第2カムチェーン165が巻回される。これらスプロケット159〜163及びカムチェーン164,165は、各バンク110A、110Bの一端側に形成されたカムチェーン室166に収容される。
駆動スプロケット163から被動スプロケット161,162への減速比は2に設定され、クランクシャフト105が回転すると、クランクシャフト105と一体に駆動スプロケット163が回転し、カムチェーン164,165を介して被動スプロケット161,162がクランクシャフト105の半分の回転速度で回転して、被動スプロケット161,162と一体に回転するカムシャフト151,152のカムプロフィールに従って吸気弁147及び排気弁148が吸気ポート145及び排気ポート146を各々開閉させる。
クランクシャフト105の左端部には図示しない発電機が設けられ、クランクシャフト105の右端部には、上記右側の駆動スプロケット163の内側(車体左側)に駆動歯車(以下、クランク側駆動歯車という)175が固定される。このクランク側駆動歯車175は、中間シャフト121に設けられた被動歯車(以下、中間側被動歯車という)177と噛み合い、クランクシャフト105の回転を等速で中間シャフト121に伝達し、クランクシャフト105と同速かつ逆向きで中間シャフト121を回転させる。
中間シャフト121は、クランクシャフト105の後側下方かつメインシャフト123の前側下方に回転可能に支持されている。
この中間シャフト121の右端部には、オイルポンプ用駆動スプロケット181と、上記中間側被動歯車177と、この被動歯車177より小径の駆動歯車(以下、中間側駆動歯車という)182とが順に取り付けられている。
オイルポンプ用駆動スプロケット181は、中間シャフト121の後側であって、メインシャフト123下方に配置されたオイルポンプ184の駆動軸185に固定された被動スプロケット186に伝動チェーン187を介して該中間シャフト121の回転力を伝達し、オイルポンプ184を駆動させる。
また、中間側駆動歯車182は、メインシャフト123に相対回転自在に設けられた被動歯車(以下、メイン側被動歯車という)191に噛み合い、中間シャフト121の回転を減速してクラッチ機構(不図示)を介してメインシャフト123に伝達する。すなわち、中間側駆動歯車182及びメイン側被動歯車191の減速比によって、クランクシャフト105からメインシャフト123までの減速比、つまり、エンジン17の1次減速比が設定される。
メインシャフト123は、クランクシャフト105の後側上方に回転可能に支持され、メインシャフト123の略後方には、カウンタシャフト125が回転可能に支持される。メインシャフト123とカウンタシャフト125には、図示しない変速歯車群が跨って配置され、これらによって変速装置が構成される。
カウンタシャフト125の左端部は、車体の前後方向に延びるドライブシャフト(不図示)に連結される。これによって、カウンタシャフト125の回転がドライブシャフトに伝達される。
図4は、動弁装置50を示す一部破断側面図であり、図5は、前バンク110Aの動弁装置50を後部側から見た縦断面図である。図6は、動弁装置50を示す斜視図である。
動弁装置50は、図3に示すように、シリンダ軸線Cを中心として吸気側と排気側とに独立して対称に設けられている。前バンク110A及び後バンク110Bの動弁装置50は略同一構造であるため、本実施の形態では、前バンク110Aの吸気側の動弁装置50について説明する。
動弁装置50は、図4〜図6に示すように、カムシャフト151(排気側ではカムシャフト152)と、カムシャフト151と一体回転する吸気カム153(排気側では排気カム154)と、吸気弁147(排気側では排気弁148)を開閉するロッカアーム51と、カムシャフト151に相対回転可能に支持され、ロッカアーム51を介して吸気弁147を開閉する動弁カム52と、カムシャフト151の周りを揺動自在なホルダ53と、ホルダ53に揺動可能に支持され、吸気カム153の弁駆動力を動弁カム52に伝達し、動弁カム52を揺動させるリンク機構56と、ホルダ53を揺動させる駆動機構60とを備えている。また、リンク機構56は、ホルダ53に連結されるサブロッカアーム54と、サブロッカアーム54と動弁カム52とを揺動可能に連結するコネクトリンク55とを備えている。
ロッカアーム51は幅広に形成されており、1つのロッカアーム51によって一対の吸気弁147を開閉する。ロッカアーム51は、一端部において、シリンダヘッド132Aに固定されるロッカアームピボット51Aに揺動可能に支持される。ロッカアーム51の他端部には、各吸気弁147の上端部に当接するねじ式の調整部51Bが設けられ、中央部には、動弁カム52に接触するローラ51Cが回転可能に支持されている。
図5及び図6に示すように、カムシャフト151は、一端側に被動スプロケット161(図2参照)が固定されるスプロケット固定部151Aを有し、スプロケット固定部151Aの側から順に、カムシャフト151の外周に突出し断面円形形状を有する位置決め部151B、吸気カム153、動弁カム52を揺動可能に支持する動弁カム支持部151C、及び、動弁カム支持部151Cよりも小径に形成されたカラー嵌合部151Dが設けられている。カラー嵌合部151Dには、カムシャフト151のベアリングとして機能するカムシャフトカラー155が嵌合され、カムシャフトカラー155はカムシャフト151の他端側に締めこまれた固定ボルト156によって動弁カム52の側に押し付けられている。
カムシャフト151は、その両端がそれぞれカムシャフト支持部201,202によって回転自在に支持されている。詳細には、カムシャフト支持部201,202は、シリンダヘッド132Aの上部に形成されたヘッド側支持部201A,202Aに、断面半円状の支持部を有するキャップ201B,202Bをそれぞれ固定して構成されている。位置決め部151Bの側に設けられたカムシャフト支持部201には、位置決め部151Bの形状に合わせて形成された溝201Cが形成され、位置決め部151Bの位置が溝201Cに規制されることによって、カムシャフト151は軸方向に位置決めされている。
また、カムシャフト支持部201,202における吸気カム153の側の面には、ホルダ53を支持するホルダ支持部201D,202Dがそれぞれ設けられている。
動弁カム52は、カムシャフト151の中間部に設けられた動弁カム支持部151Cに枢支されている。動弁カム52には、図4に示すように、吸気弁147を閉弁状態に維持するベース円部52Aと、吸気弁147を押し下げて開弁させるカム山部52Bとが形成され、カム山部52Bには貫通孔52Cが形成されている。貫通孔52Cには、カム山部52Bがロッカアーム51のローラ51Cから離れる方向、すなわち、吸気弁147を閉弁する方向に動弁カム52を付勢する動弁カムリターンスプリング57(図5参照)の一端が取り付けられる。動弁カムリターンスプリング57は、図5に示すように、カムシャフト151に巻き掛けられており、その他端はホルダ53に取り付けられる。
ホルダ53は、吸気カム153及び動弁カム52を挟んでカムシャフト151の軸方向に所定の間隔を空けて配置される第1,第2プレート53A,53B(ホルダープレート)と、第1,第2プレート53A,53Bをカムシャフト151の軸方向に連結するホルダ部材59とを備えている。第1プレート53Aはカムシャフト151の被動スプロケット161が固定される一端側に配置され、第2プレート53Bはカムシャフト151の他端側に配置される。
また、ホルダ部材59は、カムシャフト151と平行な軸部59A、59Cと、軸部59Aと軸部59Cとを一体に結合する結合部73とを備えて構成されている。また、結合部73には円筒状の収容部74が形成され、収容部74には、サブロッカアーム54を吸気カム153側に付勢するサブロッカアームリターンスプリング58(以下、リターンスプリングという)が収容されている。
軸部59Aの第1プレート53A側の端には、サブロッカアーム54の一端が連結されるサブロッカアーム支持部59B(支点軸受け部)が形成されている。
これら第1,第2プレート53A,53B及びホルダ部材59は、第1プレート53Aの外面側から第1プレート53Aとホルダ部材59とを締結する一対のボルト53Dと、第2プレート53Bの外面側から第2プレート53Bとホルダ部材59とを締結する一対のボルト53Eとによって固定される。
また、第1,第2プレート53A,53Bは、図5に示すように、カムシャフト151が貫通するシャフト孔157A,158Aをそれぞれ有し、これらシャフト孔157A,158Aの周縁部は、ホルダ支持部201D,202Dに向けて突出した円環状の凸部157B,158Bとなっている。ホルダ53は、凸部157B,158Bがホルダ支持部201D,202Dに嵌合されることで支持され、カムシャフト151を中心に揺動可能となっている。
サブロッカアーム54は、第1,第2プレート53A,53B間に吸気カム153及び動弁カム52と共に配置されており、その一端部においてホルダ部材59のサブロッカアーム支持部59Bに支持され、サブロッカアーム支持部59Bを中心として揺動するようになっている。サブロッカアーム54の中央部には、吸気カム153に接触してベース円部153A及びカム山部153Bを押圧するローラ54Aが回転可能に支持されている。サブロッカアーム54の他端部には、コネクトリンク55を揺動可能に支持するピン55Aを介してコネクトリンク55の一端が連結され、コネクトリンク55の他端には、動弁カム52を揺動可能に支持するピン55Bを介して動弁カム52が連結される。
また、サブロッカアーム54は、リターンスプリング58により付勢されており、サブロッカアーム54のローラ54Aは常に吸気カム153に押し付けられている。
つぎに、動弁装置50の動作を説明する。
上記のように構成された動弁装置50において、図4を参照し、カムシャフト151が図中の反時計方向に回転されると、カムシャフト151と一体に回転する吸気カム153のカム山部153Bにより、サブロッカアーム54がローラ54Aを介して押し上げられて軸部59Aを中心として揺動し、これに伴い、コネクトリンク55を介して動弁カム52がカムシャフト151を中心として図4中の時計回りに回転する。そして、動弁カム52の回転によりカム山部52Bがローラ51Cを介してロッカアーム51を押圧し、ロッカーアーム51を介して吸気弁147が押し下げられ、吸気弁147が開弁される。
また、カムシャフト151がさらに回転されて吸気カム153のベース円部153Aがローラ54Aに当接する状態では、サブロッカアーム54がリターンスプリング58により押し下げられると共に、動弁カム52が動弁カムリターンスプリング57より図4中の反時計回りに回転させられてベース円部52Aがローラ51Cに当接する。これにより、吸気弁147は弁ばね149(図2参照)により押し上げられて閉弁される。
この動弁装置50では、図4に示すように、ホルダ53に連結リンク部材63を接続している。この連結リンク部材63を矢印A方向に移動すると、ホルダ53と共にサブロッカアーム支持部59B(図5参照)の位置が変化し、リンク機構56が吸気側カムシャフト151の軸心を中心に時計回り方向に揺動し、ローラ54Aは時計回り方向に揺動し、動弁カム52は時計回り方向に揺動する。一方、矢印B方向に移動すると、ホルダ53と共にリンク機構56が吸気側カムシャフト151の軸心を中心に反時計回り方向に揺動し、ローラ54Aは反時計回り方向に揺動し、動弁カム52は反時計回り方向に揺動する。このように、動弁装置50では、ローラ54Aの位置及び動弁カム52の揺動の初期位置を変化させることで、吸気弁147及び排気弁148のバルブ作動特性、すなわち、排気弁148の開閉時期、開閉期間、及び、リフト量を制御可能に構成されている。
ここで、動弁カム52の揺動の初期位置とは、ローラ54Aが吸気カム153のベース円部153Aに当接しており、サブロッカアーム54がカム山部153Bによって押し上げられていない状態における動弁カム52の揺動位置を指している。
連結リンク部材63は、図7に示すように、駆動機構60に連結されている。
図7は、駆動機構60を側面側から見た縦断面図であり、図8は、駆動機構60を前部側から見た縦断面図である。
駆動機構60は、図7に示すように、連結リンク部材63を介してホルダ53に連結されている。駆動機構60は、吸気側カムシャフト151と排気側カムシャフト152とに跨って配置されたボールねじ61と、吸気側・排気側のそれぞれに設けられ、ボールねじ61上を軸方向に移動可能な2つのナット62とを備え、ナット62及びホルダ53間に連結リンク部材63が設けられている。
ボールねじ61の端部にはギヤ64が固着され、ギヤ64には図示を省略した電動アクチュエータがギヤ輪列を介して連結されている。上記電動アクチュエータは、電子制御ユニット(ECU)により制御され、このECUが電動アクチュエータを駆動することにより、ボールねじ61を介してホルダ53が揺動され、吸気弁147及び排気弁148の開閉の作動特性がエンジン17の運転状態に応じて制御される。
ボールねじ61は、カムシャフト151,152と直交し、これらカムシャフト151,152の他端側、すなわち被動スプロケット161,162が固定される側と反対側に配置されている。このように、ボールねじ61は、エンジン17の上下方向に延出するのではなく、吸気側カムシャフト151と排気側カムシャフト152とに跨って配置されるので、エンジン17の高さを低く抑えることが可能になる。ボールねじ61は、図7に示すように、シリンダヘッド132Aの上部に設けられたボールねじ支持部203によって両端をそれぞれ支持され、回転自在となっている。
図7に示すように、ボールねじ61の外周面には、吸気側と排気側にそれぞれ螺旋状のねじ山61A,61Bと、螺旋状の軸ねじ溝61C,61Dとが形成されている。これらねじ山61A,61B及び軸ねじ溝61C,61Dは、巻き方向が吸気側と排気側で異なる方向に設定されている。
ナット62は、ボールねじ61が貫通する貫通孔62Aを有し、貫通孔62Aの内周面には、ねじ山61A,61Bに対応する螺旋状のナットねじ山62Bと、軸ねじ溝61C,Dに対応する螺旋状のナットねじ溝62Cが形成されている。このナットねじ溝62Cと軸ねじ溝61C,61Dとの間に、転動可能な複数のボール65が配置される。ナット62は、ボールねじ61が回転されることにより、ボール65を介してボールねじ61上を移動する。
連結リンク部材63は、図7及び図8に示すように、ナット62に一端部が固定されるナット側リンク63Aと、ナット側リンク63Aの他端部と第2プレート53Bとを連結するホルダ側リンク63Bとを備えている。
ナット側リンク63Aの一端部は、ナット62を両側方から挟み込み、ボルト66によってナット62に固定されている。ナット側リンク63Aの他端部は、ピン67によってホルダ側リンク63Bの一端部に揺動可能に支持されている。ホルダ側リンク63Bの他端部は、偏心ピン68によって第2プレート53Bに揺動可能に支持されている。偏心ピン68は、六角ボルト68Aと、六角ボルト68Aの頭部に偏心して一体形成された偏心軸68Bとを備えて構成されている。六角ボルト68Aは、スプリングワッシャ68C及び六角ナット68Dによって第2プレート53Bに固定され、偏心軸68Bは、ナット側リンク63Aに回転自在に支持される。
図7において、ホルダ53が矢印P、Qの方向に揺動すると、図4に示すリンク機構56がカムシャフト151,152を中心にそれぞれ揺動する。なお、動弁装置50は、シリンダ軸線Cを中心として前後に略対称に構成されており、ここでは、吸気側のカムシャフト151側の動弁装置50について説明する。
リンク機構56の位置が変化することにより、ローラ54A及び動弁カム52は、カムシャフト151を中心にそれぞれ揺動し、カムシャフト151に対して周方向に位置が変位されて、吸気カム153の回転に対する動弁カム52の揺動の位相、及び、揺動の初期位置が変更される。このように、吸気カム153に対する動弁カム52の揺動の位相及び揺動位置を変化させることで、動弁カム52のカム山部52Bがローラ51Cに当接する時期、期間、及び、カム山部52Bがローラ51Cを押し下げる量を変更できるため、吸気弁147の開閉時期、開弁期間、及び、リフト量を変更することができる。
例えば、ボールねじ61が回転してナット62がボールねじ61の中央側に移動させられ、連結リンク部材63によってホルダ53が図4中の時計回り方向にさらに揺動されると、ローラ54A及び動弁カム52は時計回り方向に回転され、カム山部52Bはローラ51Cに近くなり、この状態でカムシャフト151が回転されると、カム山部153Bによるローラ54Aの押し上げの開始時期が早くなると共に、カム山部52Bがローラ51Cを押し下げる期間及び押し下げ量が大きくなる。これにより、吸気弁147の開弁時期が早められると共に、吸気弁147の開弁期間及びリフト量が大きくなる。
次に、ホルダ53によるサブロッカアーム54の支持構造、及び、サブロッカアーム54に潤滑油を供給する潤滑構造について説明する。
図9は、ホルダ53の近傍を上方から見た平面図である。
図9に示すように、ホルダ53は、ホルダ部材59の軸部59A及び軸部59Cの左右端にそれぞれ第1,第2プレート53A,53Bを左右別々のボルト53D,53Eによって締結して構成されている。軸部59Aに締結されるボルト53D,53Eが挿通されるボルト穴79は、軸部59Aを軸方向に貫通する貫通孔である。
ホルダ部材59の結合部73は、第1プレート53Aと第2プレート53Bとの間の中間部に位置し、サブロッカアーム54の支点としてのサブロッカアーム支持部59Bは、結合部73と第1プレート53Aとの間に設けられている。サブロッカアーム支持部59Bは、軸部59Aよりも小径に形成された軸である。
図4、図6及び図9に示すように、サブロッカアーム54は、サブロッカアーム支持部59Bに連結されてカムシャフト151に直交するように延びるホルダ連結部54Bと、ホルダ連結部54Bからカムシャフト151の外径に沿うように下方に湾曲する偏心部54Cと、コネクトリンク55を介して動弁カム52に連結されるリンク部54Dとを有している。
サブロッカアーム54のホルダ連結部54Bには、サブロッカアーム支持部59Bに嵌合する軸受面54Eが設けられている。
偏心部54Cは、第1プレート53Aの側から第2プレート53Bの側に吸気カム153を避けるようにカムシャフト151の軸方向に偏心し、この偏心部54Cの側面には、カムシャフト151の軸方向に張り出た板状の段部76が形成されている。図4及び図6に示すように、段部76はサブロッカアーム54の下縁部に沿って湾曲して設けられている。リターンスプリング58の下端は、ばね座金77(図4参照)を介して段部76によって受けられている。リターンスプリング58の上端は、収容部74に係合するサークリップ78によって受けられている。
リンク部54Dは偏心部54Cの端に連続して設けられ、コネクトリンク55を介して動弁カム52に連結されている。このように、サブロッカアーム54は偏心部54Cが偏心することで、カムシャフト151上の軸方向に異なる位置に設けられた吸気カム153と動弁カム52とを連結している。
図4に示すように、ホルダ部材59の軸部59Aは、軸部59Cより下方に位置し、軸部59Cと軸部59Aとを結合する結合部73の上面には、軸部59Cから軸部59Aのサブロッカアーム支持部59Bに向かうように下方に傾斜した斜面部73A(斜面)が形成されている。斜面部73Aにおいて軸部59Cに隣接した部分には、収容部74が上方に突出した突出部74Aが形成されている。
また、図4及び図9に示すように、斜面部73Aの下部に連続した軸部59Aの上面には、平坦に形成された平坦部59Dが形成され、この平坦部59Dには、軸部59Aの軸方向に延びる長穴状のオイル溜まり80が形成されている。オイル溜まり80は、平坦部59Dに形成された凹部であり、オイル溜まり80にはエンジン17内を循環する潤滑油の一部が貯留される。
図10は、図9におけるX−X断面図であり、カムシャフト151を共に示した一部破断断面図である。
図9及び図10に示すように、オイル溜まり80はボルト穴79の上方に形成され、オイル溜まり80の底部80Aには、オイル溜まり80をボルト穴79に連通させる第1の油通路81が形成されている。第1の油通路81は、オイル溜まり80内において、サブロッカアーム支持部59B側の端に形成された小孔であり、第1の油通路81の径は、オイル溜まり80内に貯留された潤滑油が一気にボルト穴79に流れ込まない程度の大きさに設定されている。
また、サブロッカアーム支持部59Bの下面には、サブロッカアーム支持部59Bの外周面とボルト穴79とを連通させる第2の油通路82が形成されている。第2の油通路82は、サブロッカアーム54がサブロッカアーム支持部59Bに取り付けられた状態において、ボルト穴79をサブロッカアーム54の軸受面54Eに連通させる小孔である。
ボルト穴79においてボルト53D,53Eと係合する雌ねじ部79A(締結用ねじ)は、軸方向において第1の油通路81とボルト穴79の第2プレート53B側の端との間の部分に形成されている。また、ボルト穴79の残りの部分、すなわち、第1の油通路81に重なる部分を含む第1プレート53A側の区間Kの部分は、雌ねじ部79Aが形成されておらず、雌ねじ部79Aよりも大径に形成された逃げ穴部79Bが設けられている。
従って、第2プレート53B側から締め込まれる軸部59Aのボルト53Eは、雌ねじ部79Aの中間部まで直接締め込まれる。一方、第1プレート53A側から締め込まれる軸部59Aのボルト53Dは、雄ねじが形成されたボルト軸部88が、雌ねじ部79Aに届くようにボルト53Eよりも長く形成され、逃げ穴部79Bを経て雌ねじ部79Aに締め込まれる。すなわち、逃げ穴部79B内では、第1の油通路81と第2の油通路82との間の部分を含む区間Kの部分には雌ねじ部79Aが形成されておらず、ボルト53Dが締結された状態において、ボルト軸部88と逃げ穴部79Bの内周部との間に空間Sが確保されており、この空間S内を潤滑油が通過可能になっている。
本実施の形態では、ホルダ部材59に、オイル溜まり80とサブロッカアーム支持部59Bとを結ぶ油路85が形成され、この油路85は、互いに連通する第1の油通路81、逃げ穴部79B及び第2の油通路82を有して構成されている。これにより、オイル溜まり80に貯留された潤滑油を、油路85を介してサブロッカアーム支持部59Bに確実に常時給油でき、サブロッカアーム54の軸受面54Eを潤滑させることができる。
また、図3に示すように、ホルダ部材59はヘッドカバー133A内に設けられ、上方をヘッドカバー133Aの天面134により覆われている。天面134の内側面においてホルダ部材59の上方には、天面134から斜面部73Aに向けて下方に突出した集油リブ134A(リブ)が形成されている。
エンジン17は、シリンダブロック131A及びシリンダヘッド132Aの各部に潤滑油を供給する潤滑機構(図示略)を有し、この潤滑機構によりシリンダヘッド132Aに供給された潤滑油の飛沫の一部はヘッドカバー133A内の天面134に付着する。集油リブ134Aの近傍の天面134に付着した潤滑油は、集油リブ134Aに集まり、集油リブ134Aの先端からホルダ部材59に重力によって滴下され、ホルダ部材59に滴下した潤滑油は斜面部73A上を伝って下方に流れ、オイル溜まり80に達する。これにより、天面134に付着する潤滑油が集油リブ134Aにより集められ、ホルダ部材59に多量の潤滑油が滴下するため、オイル溜まり80に効果的に潤滑油を供給することができる。
このように、ヘッドカバー133Aの強度及び剛性を高める集油リブ134Aをホルダ部材59の上方に形成することで、集油リブ134Aを利用してオイル溜まり80に潤滑油を供給できる。
また、ホルダ部材59は、図3に矢印Pで示すように、吸気弁147のバルブ作動特性が変更される際に、カムシャフト151を中心として前後に揺動される。これに対応し、ホルダ部材59は、ホルダ部材59の揺動可能範囲内の全ての揺動位置において、斜面部73Aの下方にオイル溜まり80が位置するように配置されている。このため、バルブ作動特性の変更の変更に伴いホルダ部材59が揺動された場合においても、常に斜面部73Aの下方にオイル溜まり80が位置するため、確実にオイル溜まり80に潤滑油を集めることができ、油路85を介してサブロッカアーム54の軸受面54Eに給油できる。
ここで、エンジン17におけるサブロッカアーム支持部59Bへの潤滑油の流れについて説明する。
上記潤滑機構によりシリンダヘッド132Aに供給された潤滑油の飛沫の一部は、斜面部73Aを含むホルダ部材59の表面に直接付着する。また、天面134に付着した潤滑油の一部は、集油リブ134Aから斜面部73Aの近傍に滴下する。そして、斜面部73Aに付着した潤滑油は、斜面部73Aを伝って下方のオイル溜まり80内に流入し、第1の油通路81、逃げ穴部79Bの空間S、及び、第2の油通路82を順に経て、サブロッカアーム支持部59Bに達し、サブロッカアーム54の軸受面54Eを潤滑する。
本実施の形態では、オイル溜まり80の近傍にオイル溜まり80よりも面積が大きな斜面部73Aを設け、斜面部73Aに付着した潤滑油をオイル溜まり80に流入させるため、効果的に潤滑油を集めることができ、オイル溜まり80の潤滑油を、油路85を介してサブロッカアーム54の軸受面54Eに安定的に供給できる。
また、ホルダ部材59をカムシャフト151の上方に設けると共に、ホルダ部材59と天面134との間に潤滑油の供給を妨げる部品を配置していないため、天面134から斜面部73Aに多量の潤滑油を安定的に供給できる。
なお、動弁装置50は、シリンダ軸線Cを中心として前後に略対称に構成されており、排気側の動弁装置50においても吸気側と同様の斜面部、オイル溜まり及び油路を備えているため、排気側においてもサブロッカアーム支持部に確実に潤滑油を供給できる。
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、ホルダ部材59のサブロッカアーム支持部59B近傍に潤滑油を溜めるオイル溜まり80を設け、このオイル溜まり80とサブロッカアーム支持部59Bとを結ぶ油路85を形成したため、オイル溜まり80に貯留された潤滑油を、油路85を介してサブロッカアーム支持部59Bに確実に常時給油できる。また、オイル溜まり80に潤滑油が貯留されるため、エンジン17の回転変動等によって潤滑油の供給量に変動があった場合にも、安定してサブロッカアーム支持部59Bに潤滑油を供給できる。
また、ホルダ部材59と第1,第2プレート53A,53Bとを締結するボルト穴79の逃げ穴部79Bを利用して油路85を構成するため、ボルト53D,53Eの軸方向に延びる給油のための専用の油路を形成する必要がなく、最小限の通路で油路85を簡単に形成することができる。
さらに、第1の油通路81と第2の油通路82との間の逃げ穴部79Bにはボルト53Dが締結されず空間Sが確保されているため、ボルト53Dによって油路85が塞がれることがなく、潤滑油を確実にサブロッカアーム支持部59Bへ供給できる。
また、サブロッカアーム支持部59Bに向かって傾斜する斜面部73Aを設けたため、この斜面部73Aに流れる潤滑油をサブロッカアーム支持部59B近傍のオイル溜まり80に集めることができ、多量の潤滑油をオイル溜まり80に導くことができる。これにより、サブロッカアーム支持部59Bへ確実に潤滑油を供給できる。
また、ヘッドカバー133A内に付着する潤滑油が集油リブ134Aに集められ、集油リブ134Aから下方に滴下する潤滑油をオイル溜まり80に導くことができる。これにより、サブロッカアーム支持部59Bへ確実に潤滑油を供給できる。
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されない。
上記実施の形態では、ボルト穴79の逃げ穴部79Bを利用して油路85を形成するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、オイル溜まり80とサブロッカアーム支持部59Bとを結ぶ専用の油路をホルダ部材59に設けても良い。
17 エンジン(内燃機関)
50 動弁装置(可変動弁装置)
52 動弁カム
53A 第1プレート(ホルダープレート)
53B 第2プレート(ホルダープレート)
53D ボルト
53E ボルト
54E 軸受面
56 リンク機構
59 ホルダ部材
59B サブロッカアーム支持部(支点軸受け部)
60 駆動機構
73A 斜面部(斜面)
79 ボルト穴
79A 雌ねじ部(締結用ねじ)
79B 穴部
80 オイル溜まり
80A 底部
81 第1の油通路
82 第2の油通路
85 油路
133A ヘッドカバー(シリンダヘッドカバー)
134A 集油リブ(リブ)
147 吸気弁(機関弁)
151 カムシャフト(カム軸)
153 吸気カム(駆動カム)

Claims (4)

  1. シリンダヘッド(132A)に回転可能に支持され、内燃機関(17)の回転に同期して回転するカム軸(151)と、前記カム軸(151)と一体回転する駆動カム(153)と、前記カム軸(151)に揺動可能に支持され、機関弁(147)を開閉させる動弁カム(52)と、前記カム軸(151)を中心に揺動可能に支持され、前記駆動カム(153)の弁駆動力を前記動弁カム(52)に伝達し、前記動弁カム(52)を揺動させるリンク機構(56)と、前記リンク機構(56)の支点軸受け部(59B)が設けられ、前記カム軸(151)の回りを回動自在なホルダ部材(59)と、前記ホルダ部材(59)を回転させて前記リンク機構(56)の支点位置を変化させる駆動機構(60)とを備え、揺動された前記リンク機構(56)の揺動位置で、前記機関弁(147)の開閉のバルブ作動特性を変更可能にする内燃機関の可変動弁装置において、
    前記ホルダ部材(59)の前記支点軸受け部(59B)近傍に潤滑油を溜めるオイル溜まり(80)と、前記オイル溜まり(80)と前記支点軸受け部(59B)とを結ぶ油路(85)を形成し
    前記油路(85)は、前記ホルダ部材(59)と左右一対のホルダープレート(53A,53B)とを締結するボルト穴(79)と、前記オイル溜まり(80)の底部に設けた第1の油通路(81)と、前記ボルト穴(79)と前記リンク機構(56)の軸受面(54E)とを連通する第2の油通路(82)とを有すること、
    を特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記左右一対のホルダープレート(53A,53B)は左右別々のボルト(53D,53E)で前記ホルダ部材(59)に締結され、前記第1の油通路(81)と前記第2の油通路(82)との間の前記ボルト穴(79)には前記ボルト(53D)の締結用ねじ(79A)が形成されていないこと、
    を特徴とする請求項記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記ホルダ部材(59)の前記リンク機構(56)の前記支点軸受け部(59B)に向かって傾斜する斜面(73A)を設けたこと、
    を特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. シリンダヘッドカバー(133A)における前記ホルダ部材(59)の上方に位置する部分に、潤滑油を集めるリブ(134A)を設けたこと、
    を特徴とする請求項1からのいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
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