JP5346750B2 - V型内燃機関の動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、V型内燃機関の動弁装置に関する。
従来、V型内燃機関の動弁装置において、一方のバンクでは、一方のカムシャフトはクランクシャフトと連結されたチェーンにより駆動され、他方のカムシャフトは一方のカムシャフトとの間のギヤにより駆動され、他方のバンクでは、一方のカムシャフトは上記チェーンにより駆動され、他方のカムシャフトは一方のカムシャフトとの間に設けられたチェーンにより駆動されるものが知られている。(例えば、特許文献1参照)。また、特許文献1では、クランクシャフトと連結されたチェーンの弛みを吸収するアイドラギヤが設けられている。
特開2007−126966号公報
しかしながら、上記従来のV型内燃機関の動弁装置では、一方及び他方のバンクのカムシャフトを駆動するために複数のチェーン及びギヤを用いており、かつ、一方のバンクと他方のバンクとで異なる駆動方法で駆動するため、部品の種類が増加し、構造が複雑になっていた。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、部品の種類を低減し、V型内燃機関の動弁装置を簡単な構造で実現できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、シリンダブロック(131A,131B)をV型に配置し、カムシャフト(151,152)に連動する機関弁(147,148)の位相及び又はリフト量を可変とする可変動弁機構を備えたV型内燃機関の動弁装置において、一方のバンク(110A)の吸気カム(80I)または排気カム(80E)を回転駆動するクランクシャフト(105)の回転を前記吸気カム(80I)または排気カム(80E)に伝達する伝達部材(84f)と、一方のバンク(110A)の伝達部材(84f)で回転伝達された吸気カム(80I)または排気カム(80E)の回転を同じバンク(110A)の吸気カム(80I)または排気カム(80E)に伝達するギヤ(81f)と、他方のバンク(110B)の吸気カム(80I)または排気カム(80E)を回転駆動するクランクシャフト(105)の回転を前記吸気カム(80I)または排気カム(80E)に伝達する伝達部材(84r)と、他方のバンク(110B)の伝達部材(84r)で回転伝達された吸気カム(80I)または排気カム(80E)の回転を同じバンク(110B)の吸気カム(80I)または排気カム(80E)に伝達するギヤ(81r)とを備え、一方と他方の吸気カム(80I,80I)はVバンク(100)の内側に設けられており、前記吸気カム(80I)及び排気カム(80E)はロッカアーム(51,51)の支点(51A,51A)と作用点(51B,51B)との中間部を押圧して前記機関弁(147,148)を駆動する揺動カム(52,52)を含み、該揺動カム(52,52)の揺動方向が同一であるとともに、排気側と吸気側のロッカアーム(51,51)の支点(51A,51A)はそれぞれ同一方向に設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、一方のバンクの伝達部材を介してクランクシャフトの回転を伝達された吸気カムまたは排気カムの回転が、ギヤによって同じバンクの吸気カムまたは排気カムに伝達される。また、他方のバンクの伝達部材を介してクランクシャフトの回転を伝達された吸気カムまたは排気カムの回転が、ギヤによって同じバンクの吸気カムまたは排気カムに伝達される。これにより、一方のバンク及び他方のバンクの各々が、伝達部材とギヤとによって吸気カム及び排気カムを駆動し、一方のバンクと他方のバンクとで同一の伝達部材及びギヤを用いることができ、部品を共用できるため、V型内燃機関の動弁装置を簡単な構造で実現できる。また、一方と他方の吸気カムがVバンクの内側に設けられているため、Vバンクの内側に吸気用の部品をまとめて効率的に配置できる。また、揺動カムによってロッカアームを押圧して吸気弁及び排気弁を駆動する際の揺動カムの揺動方向が同一になるため、吸気側と排気側とで同一の動弁装置を用いることができ、部品を共用できるため、動弁装置を簡単な構造で実現できる。
また、前記吸気カム(80I)または前記排気カム(80E)を有する前記カムシャフト(151,152)を中心に揺動し、前記揺動カム(52,52)を支持するリンク機構(56I,56E)を備え、アクチュエータ(70)によって前記リンク機構(56I,56E)の揺動位置が変化されることで前記機関弁(147,148)の位相及び又はリフト量が可変とされ、前記機関弁(147,148)の位相及び又はリフト量を変化させる際の前記リンク機構(56I,56E)の揺動方向が吸気側と排気側とで同一であっても良い。
この場合、機関弁の位相及び又はリフト量を変化させる際のリンク機構の揺動方向が同一であるため、吸気側と排気側とで同一の動弁装置を用いることができ、部品を共用できるため、動弁装置を簡単な構造で実現できる。また、リンク機構の揺動方向が同一であるため、吸気側と排気側との動弁装置をリンク等の簡単な機構で互いに連結することで吸気側と排気側との動弁装置を連動させることができ、構造を簡単にできる。さらに、動弁装置の構造が簡単になるため、アクチュエータの配置の自由度が向上する。
さらに、前記揺動カム(52,52)の揺動方向は、該揺動カム(52,52)の先端が前記Vバンク(100)の外側から内側に向かって回転した際、前記機関弁(147,148)を押し下げる方向であり、前記ロッカアーム(51,51)の前記支点(51A,51A)は前記Vバンク(100)の外側方向に配置されても良い。
この場合、一方及び他方のバンクにおいて、各バンク内でVバンクの外側方向に位置する機関弁が、各バンクの中央により近くなる角度で配置され、機関弁の挟み角が小さくなるため、Vバンクの外側の空間を大きく確保できる。このため、Vバンクの外側に、補機などを配置するスペースをより大きく確保できる。
さらにまた、前記揺動カム(52,52)の揺動方向は、該揺動カム(52,52)の先端が前記Vバンク(100)の内側から外側に向かって回転した際、前記機関弁(147,148)を押し下げる方向であり、前記ロッカアーム(51,51)の前記支点(51A,51A)は前記Vバンク(100)の内側方向に配置されても良い。
この場合、一方及び他方のバンクにおいて、各バンク内でVバンクの内側方向に位置する機関弁が、各バンクの中央により近くなる角度で配置され、機関弁の挟み角が小さくなるため、Vバンクの内側の空間を大きく確保できる。このため、Vバンクの内側に、吸気装置や補機などを配置するスペースをより大きく確保できる。
また、燃焼室(140)中央に点火プラグ(142)が設けられ、前記点火プラグ(142)は、該点火プラグ(142)に近接する側の前記ロッカアーム(51)の前記支点(51A)とは反対側の前記ロッカアーム(51)の前記支点(51A)側に傾斜して設けられても良い。
この場合、点火プラグに近接する側のロッカアームの支点と点火プラグとの間に距離を確保でき、点火プラグに近接する側のロッカアームに逃げを形成する必要がないため、吸気側と排気側とでロッカアームを共用して動弁装置を簡単な構造にできる。また、機関弁の燃焼室に対する配置を整えて、燃焼室形状を理想的な形状に近づけることができる。
本発明に係るV型内燃機関の動弁装置では、一方のバンクと他方のバンクとで同一の伝達部材及びギヤを用いることができ、部品を共用できるため、動弁装置を簡単な構造で実現できる。
また、吸気弁及び排気弁を駆動する際の揺動カムの揺動方向が同一になるため、吸気側と排気側とで同一の動弁装置を用いることができ、部品を共用できるため、動弁装置を簡単な構造で実現できる。
また、リンク機構の揺動方向が同一であるため、吸気側と排気側とで同一の動弁装置を用いることができ、部品を共用できるため、動弁装置を簡単な構造で実現できる。また、リンク機構の揺動方向が同一であるため、吸気側と排気側との動弁装置をリンク等の簡単な機構で互いに連結することで吸気側と排気側との動弁装置を連動させることができ、構造を簡単にできる。さらに、動弁装置の構造が簡単になるため、アクチュエータの配置の自由度が向上する。
さらに、Vバンクの外側方向に位置する機関弁が、各バンクの中央により近くなる角度で配置され、機関弁の挟み角が小さくなるため、Vバンクの外側の空間を大きく確保でき、Vバンクの外側に、補機などを配置するスペースをより大きく確保できる。
さらにまた、Vバンクの内側方向に位置する機関弁が、各バンクの中央により近くなる角度で配置され、機関弁の挟み角が小さくなるため、Vバンクの内側の空間を大きく確保でき、Vバンクの内側に、吸気装置や補機などを配置するスペースをより大きく確保できる。
また、点火プラグは傾斜して設置しても良く、近接する側のロッカアームの支点と点火プラグとの間の距離をより一層確保でき、点火プラグに近接する側のロッカアームに逃げを形成する必要がないため、吸気側と排気側とでロッカアームを共用して動弁装置を簡単な構造にできる。また、機関弁の燃焼室に対する配置を整えて、燃焼室形状を理想的な形状に近づけることができる。
本発明の実施形態に係る自動二輪車の右側面図である。 エンジンの内部構造を側方から見た図である。 図2の前バンクの内部構造を拡大して示す図である。 動弁装置を示す一部破断側面図である。 前バンクの動弁装置を後部側から見た縦断面図である。 動弁装置を示す斜視図である。 駆動機構を側面側から見た縦断面図である。 駆動機構を前部側から見た縦断面図である。 吸気弁及び排気弁のバルブ作動特性を示す図である。 前バンク及び後バンクの動弁装置を示す平面図である。 実施の形態の変形例における後バンクを示す側面図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は、車体に対してのものとする。
図1は、本発明の実施の形態に係る動弁装置を適用した自動二輪車を示す右側面図である。この自動二輪車10は、車体フレーム11と、車体フレーム11の前端部に取り付けられたヘッドパイプ12に回動自在に支持された左右一対のフロントフォーク13と、フロントフォーク13の上端部を支持するトップブリッジ14に取り付けられた操舵用のハンドル15と、フロントフォーク13に回転自在に支持された前輪16と、車体フレーム11に支持されたV型内燃機関としてのエンジン17と、エンジン17に排気管18A,18Bを介して連結された排気マフラー19A,19Bと、車体フレーム11の後下部のピボット20に上下に揺動自在に支持されたリアスイングアーム21と、このリアスイングアーム21の後端部に回転自在に支持された後輪22とを備え、リアスイングアーム21と車体フレーム11との間にリアクッション23が配設される。
車体フレーム11は、ヘッドパイプ12から後下がりに延びるメインフレーム25と、メインフレーム25の後部に連結される左右一対のピボットプレート(センターフレームとも言う)26と、ヘッドパイプ12から下方に延びた後に屈曲して延びてピボットプレート26に連結されるダウンチューブ27とを備えている。メインフレーム25を跨ぐように燃料タンク28が支持され、メインフレーム25後方が後輪22上方まで延びてリアフェンダ29が支持され、このリアフェンダ29上方から燃料タンク28までの間にシート30が支持される。なお、図1中、符号31はダウンチューブ27に支持されたラジエータ、符号32はフロントフェンダ、符号33はサイドカバー、符号34はヘッドライト、符号35はテールライト、符号36は乗員用ステップである。
メインフレーム25、ピボットプレート26及びダウンチューブ27によって囲まれる空間にはエンジン17が支持される。エンジン17は、シリンダ(気筒)がV字状に前後にバンクした前後V型の2気筒水冷式4サイクルエンジンである。エンジン17は、車体に対してクランクシャフト105が左右水平方向に指向するように複数のエンジンブラケット37(図1では一部のみを図示)を介して車体フレーム11に支持される。エンジン17の動力は後輪22左側に配設されたドライブシャフト(不図示)を介して後輪22に伝達される。
エンジン17は、シリンダを各々構成する前バンク110A(一方のバンク)と後バンク110B(他方のバンク)とが側面視でV字状に配置されて形成されたVバンク100を有し、前バンク110Aと後バンク110Bとの挟み角度(バンク角度とも言う)は90度より小さい角度(例えば、52度)で形成されている。各バンク110A,110Bの動弁装置はともに、4バルブのダブルオーバーヘッドカムシャフト(DOHC)方式に構成されている。
側面視においてVバンク100の内側には、V字状のVバンク空間Kが形成されている。Vバンク空間Kには、エンジン吸気系を構成するエアクリーナ41とスロットルボディ42が配設される。スロットルボディ42は、エアクリーナ41で浄化された空気を前バンク110A及び後バンク110Bに供給する。また、各バンク110A,110Bには、エンジン排気系を構成する排気管18A,18Bが接続され、各排気管18A,18Bが車体右側を通ってその後端に排気マフラー19A,19Bが各々接続され、これら排気管18A,18B及び排気マフラー19A,19Bを介して排気ガスが排出される。
図2はエンジン17の内部構造を側方から見た図であり、図3は、図2の前バンク110Aの内部構造を拡大して示す図である。
図2中、前バンク110Aはピストン周辺を示し、後バンク110Bはカムチェーン周辺を示している。また、図2に示すように、エンジン17の前バンク110A及び後バンク110Bは略同一の構造を有し、後バンク110Bは、シリンダボア135を軸として前バンク110Aの全体を180°回転させたものをエンジン17後部に設けて構成されている。
また、図2において、符号121は中間シャフト(後側バランサシャフト)を示し、符号123はメインシャフトを示し、符号125はカウンタシャフトを示している。クランクシャフト105は車幅方向と平行に延在し、クランクシャフト105を含むこれらシャフト121,123,125は、車体前後方向及び上下方向にずらして互いに平行に配置され、これらシャフトを支持するクランクケース110C内には、クランクシャフト105の回転を、中間シャフト121、メインシャフト123及びカウンタシャフト125の順に伝達する歯車伝達機構が構成されている。
図2に示すように、エンジン17のクランクケース110C上面には、前側シリンダブロック131A及び後側シリンダブロック131Bが車体前後に所定の挟み角度をなすように配置され、これらシリンダブロック131A、131Bの上面に前側シリンダヘッド132A、後側シリンダヘッド132Bが各々結合され、さらに各シリンダヘッド132A,132Bの上面にはヘッドカバー133A,133Bが各々装着されて前バンク110A及び後バンク110Bが構成される。
各シリンダブロック131A,131Bには、シリンダボア135が各々形成され、各シリンダボア135にはそれぞれピストン136が摺動自在に挿入され、各ピストン136は、コンロッド137を介してクランクシャフト105に連結される。
各シリンダヘッド132A,132Bの下面には、ピストン136上方に形成される燃焼室140の天面を構成する燃焼凹部141が形成され、各燃焼凹部141には、点火プラグ142がその先端を臨ませて配置される。点火プラグ142は、燃焼凹部141に配置されるプラグ本体142Aと、プラグ本体142Aの上部に取り付けられるプラグキャップ142Bとを有している。円筒状に形成されたプラグキャップ142Bは、ヘッドカバー133Aの上面まで延びている。
エンジン17は、各燃焼凹部141に設けられたインジェクタ143から燃焼室140に直接燃料を噴射する筒内噴射式エンジンである。各インジェクタ143は、Vバンク空間Kの側から各シリンダヘッド132A,132Bに挿入され、その先端を各燃焼凹部141に臨ませて配置される。インジェクタ143は、シリンダ軸線Cに対して寝かせた状態で取り付けられる。
シリンダヘッド132Aの上部には、燃料ポンプ144が設けられ、燃料ポンプ144から燃料配管144Aを介して各インジェクタ143に燃料が供給される。
各シリンダヘッド132A,132Bには、車幅方向に並んで配置された一対の開口部145Aによって各燃焼凹部141に連通する吸気ポート145と、車幅方向に並んで配置された一対の開口部146Aによって各燃焼凹部141に連通する排気ポート146とが形成されている。前後バンク110A,110Bの各吸気ポート145は、Vバンク空間K内において点火プラグ142とインジェクタ143との間に配置されている。また、前後バンク110A,110Bの各排気ポート146(後バンク側は図示略)は、点火プラグ142を挟んで前バンク110Aの前側と後バンク110Bの後側とにそれぞれ配置されている。
各吸気ポート145は、図2及び図3に示すように、シリンダヘッド132A,132Bと一体に設けた下部吸気ポート145Bと、シリンダヘッド132A,132Bと別体に設けた上部吸気ポート145Cとを備えている。上部吸気ポート145Cは、下部吸気ポート145Bに対し、よりヘッドカバー133A,133Bに接近する方向に角度を変えて取り付けられている。
各吸気ポート145は吸気チャンバ43で合流しており、この吸気チャンバ43はスロットルボディ42に連結される。スロットルボディ42には、スロットルバルブの断面積をアクチュエータの駆動により変化させるTBW(スロットル・バイ・ワイヤ)が採用されている。シリンダヘッド132Aの排気ポート146は、排気管18A(図1参照)に連結されており、シリンダヘッド132Bの排気ポート146は、排気管18B(図1参照)に連結されている。
シリンダヘッド132A,132Bには、各吸気ポート145の各開口部145Aを開閉する一対の吸気弁147(機関弁)と、各排気ポート146の各開口部146Aを開閉する一対の排気弁148(機関弁)とが配置される。吸気弁147及び排気弁148は、弁ばね149,149で各ポートを閉じる方向に各々付勢されている。吸気弁147及び排気弁148は、開閉のタイミングやリフト量等のバルブ作動特性を変更可能な動弁装置50によって駆動される。動弁装置50は、吸気弁147を作動させる吸気側動弁装置50I(可変動弁機構)と、排気弁148を作動させる排気側動弁装置50E(可変動弁機構)とを備えて構成されている。
吸気側動弁装置50Iは、クランクシャフト105の回転に連動して回転する吸気側カムシャフト151(カムシャフト)と、吸気弁147を駆動する吸気カム80Iとを有し、排気側動弁装置50Eは、クランクシャフト105の回転に連動して回転する排気側カムシャフト152(カムシャフト)と、排気弁148を駆動する排気カム80Eとを有している。
また、前バンク110Aでは、吸気側動弁装置50Iは点火プラグ142の後側に配置され、排気側動弁装置50Eは点火プラグ142の前側に配置されている。一方、後バンク110Bでは、吸気側動弁装置50Iは点火プラグ142の前側に配置され、排気側動弁装置50Eは点火プラグ142の後側に配置されている。
吸気側カムシャフト151及び排気側カムシャフト152は、クランクシャフト105と平行に配置され、シリンダヘッド132A,132Bに回転可能に支持されている。また、吸気側カムシャフト151は、前バンク110Aに設けられる吸気カムシャフト151f及び、後バンク110Bに設けられる吸気カムシャフト151rを有し、排気側カムシャフト152は、前バンク110Aに設けられる排気カムシャフト152f及び、後バンク110Bに設けられる排気カムシャフト152rを有している。
図3に示すように、吸気カムシャフト151f,151rには、吸気カムシャフト151f,151rの各々と一体に回転する吸気駆動カム153が形成されている。吸気駆動カム153は、円形のカム面を形成するベース円部155Aと、ベース円部155Aから外周側に突出したカム面を形成するカム山部155Bとを備えている。
また、排気カムシャフト152f,152rには、排気カムシャフト152f,152rの各々と一体に回転する排気駆動カム154が形成されている。排気駆動カム154も同様に、ベース円部155A及びカム山部155Bを有している。
図2に示すように、後バンク110Bに配置された吸気カムシャフト151r及び排気カムシャフト152rにおける車幅方向の一端側(車体右側)には、それぞれギヤが設けられている。詳細には、吸気カムシャフト151rの一端には、クランクシャフト105と同一方向に回転する駆動ギヤ81r(ギヤ)が固定され、排気カムシャフト152rの一端には、駆動ギヤ81rと直接噛み合って駆動される従動ギヤ82rが固定されている。また、吸気カムシャフト151rの一端側には、クランクシャフト105に接続された無端状のカムチェーン84r(他方のバンクの伝達部材)によって駆動される伝達ギヤ83rが固定されている。クランクシャフト105の一端側には、駆動スプロケット163が固定され、クランクシャフト105の回転は、駆動スプロケット163と伝達ギヤ83rとの間に巻き掛けられたカムチェーン84rによって伝達される。カムチェーン84rは、後バンク110Bの一端側の側面に形成されたカムチェーン室166rに収容されている。また、カムチェーン84rの張力を調整するテンショナ90は、カムチェーン84rの後側に接するように配置され、駆動スプロケット163の近傍からシリンダヘッド132Bの上部まで延在している。
ここで、駆動ギヤ81rと従動ギヤ82rとは、同一形状に形成された同一部品である。このため、吸気カムシャフト151r及び排気カムシャフト152rは同一の回転速度で互いに反対方向に回転する。
エンジン17においては、クランクシャフト105は、図2に示すように、図中の時計回転方向(矢印Xの方向)に回転される。すなわち、後バンク110Bでは、クランクシャフト105が回転すると、吸気カムシャフト151rは、カムチェーン84rによって伝達ギヤ83rを介してクランクシャフト105と同一方向の時計回転方向に回転させられる。一方、排気カムシャフト152rは、吸気カムシャフト151rと一体に回転する駆動ギヤ81rによって駆動されて、吸気カムシャフト151rとは反対方向の反時計回転方向(矢印Yの方向)に回転させられる。
また、図2に示すように、前バンク110Aに配置された吸気カムシャフト151f及び排気カムシャフト152fにおける車幅方向の他端側(車体左側)には、それぞれギヤが設けられている。詳細には、排気カムシャフト152fの他端には、駆動ギヤ81f(ギヤ)が固定され、吸気カムシャフト151fの他端には、駆動ギヤ81fと直接噛み合って駆動される従動ギヤ82fが固定されている。また、排気カムシャフト152fの他端には、伝達ギヤ83fが固定されている。クランクシャフト105の他端側には、駆動スプロケット163が固定され、クランクシャフト105の回転は、駆動スプロケット163と伝達ギヤ83fとの間に巻き掛けられた無端状のカムチェーン84f(一方のバンクの伝達部材)によって伝達される。カムチェーン84fは、前バンク110Aの他端側の側面に形成されたカムチェーン室166f(図10参照)に収容されている。
ここで、前バンク110Aにおいても、駆動ギヤ81fと従動ギヤ82fとは、同一形状に形成された同一部品である。また、駆動ギヤ81f,81r、従動ギヤ82f,82r、伝達ギヤ83f,83r、カムチェーン84f,84r、及び、駆動スプロケット163は、前バンク110Aと後バンク110Bとで同一形状の同一部品が使用されている。
前バンク110Aでは、クランクシャフト105が時計回転方向(矢印Xの方向)に回転すると、排気カムシャフト152fは、カムチェーン84fによって伝達ギヤ83fを介してクランクシャフト105と同一方向の時計回転方向に回転させられる。一方、吸気カムシャフト151fは、排気カムシャフト152fと一体に回転する駆動ギヤ81fによって駆動されて、排気カムシャフト152fとは反対方向の反時計回転方向(矢印Yの方向)に回転させられる。
前バンク110A及び後バンク110Bでは、駆動スプロケット163から伝達ギヤ83f,83rへの減速比は2に設定されており、吸気カムシャフト151f,151r及び排気カムシャフト152f,152rは、クランクシャフト105の半分の回転速度で回転させられる。そして、吸気カムシャフト151f,151r及び排気カムシャフト152f,152rに設けられた吸気駆動カム153及び排気駆動カム154のカムプロフィールに従って吸気弁147及び排気弁148が駆動され、吸気ポート145及び排気ポート146が各々開閉される。
また、前バンク110A及び後バンク110Bにおいて、各駆動ギヤ81f,81rと各従動ギヤ82f,82rとはシリンダ軸線Cに重なる位置で噛み合っている。このように、駆動ギヤ81f,81r及び従動ギヤ82f,82rで構成されるギヤ列を前バンク110A及び後バンク110Bの各々における前後の中央に配置したため、駆動ギヤ81f,81r及び従動ギヤ82f,82rをコンパクトに配置でき、前バンク110A及び後バンク110Bを前後方向に小型化できる。
クランクシャフト105の他端部には図示しない発電機が設けられ、クランクシャフト105の一端部には、一端側の駆動スプロケット163よりも内側に駆動歯車(以下、クランク側駆動歯車という)175が固定される。このクランク側駆動歯車175は、中間シャフト121に設けられた被動歯車(以下、中間側被動歯車という)177と噛み合い、クランクシャフト105の回転を等速で中間シャフト121に伝達し、クランクシャフト105と同速かつ逆向きで中間シャフト121を回転させる。
中間シャフト121は、クランクシャフト105の後側下方かつメインシャフト123の前側下方に回転可能に支持されている。
この中間シャフト121の右端部には、オイルポンプ用駆動スプロケット181と、上記中間側被動歯車177と、この被動歯車177より小径の駆動歯車(以下、中間側駆動歯車という)182とが順に取り付けられている。
オイルポンプ用駆動スプロケット181は、中間シャフト121の後側であって、メインシャフト123下方に配置されたオイルポンプ184の駆動軸185に固定された被動スプロケット186に伝動チェーン187を介して該中間シャフト121の回転力を伝達し、オイルポンプ184を駆動させる。
また、中間側駆動歯車182は、メインシャフト123に相対回転自在に設けられた被動歯車(以下、メイン側被動歯車という)191に噛み合い、中間シャフト121の回転を減速してクラッチ機構(不図示)を介してメインシャフト123に伝達する。すなわち、中間側駆動歯車182及びメイン側被動歯車191の減速比によって、クランクシャフト105からメインシャフト123までの減速比、つまり、エンジン17の1次減速比が設定される。
メインシャフト123は、クランクシャフト105の後側上方に回転可能に支持され、メインシャフト123の略後方には、カウンタシャフト125が回転可能に支持される。メインシャフト123とカウンタシャフト125には、図示しない変速歯車群が跨って配置され、これらによって変速装置が構成される。
カウンタシャフト125の左端部は、車体の前後方向に延びるドライブシャフト(不図示)に連結される。これによって、カウンタシャフト125の回転がドライブシャフトに伝達される。
図4は、動弁装置50を示す一部破断側面図であり、図5は、前バンク110Aの動弁装置50を後部側から見た縦断面図である。図6は、動弁装置50を示す斜視図である。
動弁装置50は、図3に示すように、略同一に構成された吸気側動弁装置50Iと排気側動弁装置50Eとが、点火プラグ142を挟んで同一の向きを向いた状態で配置されている。また、前バンク110A及び後バンク110Bの動弁装置50は略同一構造である。このため、本実施の形態では、後バンク110Bの動弁装置50及び、前バンク110Aの排気側動弁装置50Eについての詳細な説明は省略し、主として前バンク110Aの吸気側動弁装置50Iについて説明する。
吸気側動弁装置50Iは、図4〜図6に示すように、吸気カムシャフト151fと、吸気カムシャフト151fと一体回転する吸気駆動カム153と、吸気弁147を開閉するロッカアーム51と、吸気カムシャフト151fに相対回転可能に支持され、ロッカアーム51を介して吸気弁147を開閉する動弁カム52(揺動カム)と、吸気カムシャフト151fの周りを揺動自在なホルダ53と、ホルダ53に揺動可能に支持され、吸気駆動カム153の弁駆動力を動弁カム52に伝達し、動弁カム52を揺動させるリンク機構56Iとを備えている。また、リンク機構56Iは、ホルダ53に連結されるサブロッカアーム54と、サブロッカアーム54と動弁カム52とを揺動可能に連結するコネクトリンク55とを備えている。また、吸気カム80Iは、吸気駆動カム153と、リンク機構56Iと、動弁カム52とを有して構成されている。さらに、動弁装置50は、ホルダ53を揺動させる駆動機構60を備えている。
また、排気側動弁装置50Eは、排気カムシャフト152fと、排気カムシャフト152fと一体回転する排気駆動カム154と、排気弁148を開閉するロッカアーム51と、排気カムシャフト152fに相対回転可能に支持され、ロッカアーム51を介して排気弁148を開閉する動弁カム52と、排気カムシャフト152fの周りを揺動自在なホルダ53と、ホルダ53に揺動可能に支持され、排気駆動カム154の弁駆動力を動弁カム52に伝達し、動弁カム52を揺動させるリンク機構56Eとを備えている。排気カム80Eは、排気駆動カム154と、リンク機構56Eと、動弁カム52とを有して構成されている。
ロッカアーム51は点火プラグ142を跨いで車幅方向に幅広に形成されており、1つのロッカアーム51によって一対の吸気弁147(排気側では排気弁148)を開閉する。図3及び図4に示すように、ロッカアーム51は、シリンダヘッド132Aに揺動可能に軸支されるロッカアームピボット51A(支点)と、吸気弁147を押圧する作用部51B(作用点)と、ロッカアームピボット51Aと作用部51Bとの中間部に設けられ動弁カム52に押圧される被押圧部51Cとを有している。詳細には、ロッカアームピボット51Aはロッカアーム51の一端に設けられ、他端に形成された作用部51Bは、吸気弁147の上端部に当接するねじ式の調整部51Dを有し、被押圧部51Cは動弁カム52に接触する回転自在なローラ51Eを有している。
前バンク110Aにおいて、吸気側のロッカアーム51は、ロッカアームピボット51Aが点火プラグ142の後部に近接した状態で配置され、吸気弁147は、ロッカアームピボット51AよりもVバンク100の内方側(内側方向)に位置する作用部51Bから燃焼凹部141まで延びている。また、排気側のロッカアーム51は、ロッカアームピボット51AがVバンク100の外方側(外側方向)に位置した状態で配置され、排気弁148は、点火プラグ142の前部に近接して配置された作用部51Bから燃焼凹部141まで延びている。すなわち、前バンク110Aでは、吸気側及び排気側の各ロッカアームピボット51Aが、対応する各作用部51BよりもVバンク100の外方側に配置されている。
また、図2に示すように、後バンク110Bにおいても、吸気側及び排気側の各ロッカアームピボット51Aが、対応する各作用部51BよりもVバンク100の外方側に配置されている。
このため、前バンク110A及び後バンク110Bにおいて、Vバンク100の外方側に配置された各排気弁148を、点火プラグ142に沿うように、前バンク110A及び後バンク110Bの各々の中央側に向かってより鉛直方向に近い角度で配置できる。これにより、前バンク110A及び後バンク110Bにおける吸気弁147と排気弁148とのバルブ挟み角が小さくなるため、Vバンク100の外方側の空間を大きく確保することができる。
さらに、吸気側及び排気側の各ロッカアーム51を、各ロッカアームピボット51AがVバンク100の外方側に位置する状態で配置し、各ロッカアーム51を同一の向きで配置したため、各動弁カム52が吸気弁147及び排気弁148を開弁する際の各動弁カム52の揺動方向を同一にでき、吸気側及び排気側の各動弁カム52を同一の向きで配置できる。
図3に示すように、点火プラグ142は、排気側のロッカアーム51の作用部51Bの側にシリンダ軸線Cを基準に角度Gだけ傾斜して配置され、燃焼室140に臨む下端はシリンダ軸線Cと同軸の位置にあり、プラグ本体142Aを含む上部はシリンダ軸線Cよりもロッカアーム51の側に前方へ傾斜している。このため、吸気側のロッカアーム51のロッカアームピボット51Aと点火プラグ142の後部との間に間隔を確保でき、ロッカアームピボット51Aに点火プラグ142用の逃げ部を形成する必要がないため、吸気側と排気側とでロッカアーム51を共通部品にできる。
図5及び図6に示すように、吸気側カムシャフト151は、車幅方向の端に、従動ギヤ82f、駆動ギヤ81r及び伝達ギヤ83r(図2参照)が固定されるギヤ固定部151Aを有している。ここで、前バンク110Aの吸気カムシャフト151fには、従動ギヤ82fが固定されるが、後バンク110Bのカムシャフト151rのギヤ固定部(図示略)には、駆動ギヤ81r及び伝達ギヤ83rが固定される。
吸気側カムシャフト151には、ギヤ固定部151Aの側から順に、吸気側カムシャフト151の外周に突出し断面円形形状を有する位置決め部151B、吸気駆動カム153、動弁カム52を揺動可能に支持する動弁カム支持部151C、及び、動弁カム支持部151Cよりも小径に形成されたカラー嵌合部151Dが形成されている。カラー嵌合部151Dには、吸気側カムシャフト151のベアリングとして機能するカムシャフトカラー155が嵌合され、カムシャフトカラー155は吸気側カムシャフト151の端に締めこまれた固定ボルト156によって動弁カム52の側に押し付けられている。
吸気側カムシャフト151は、その両端がそれぞれカムシャフト支持部201,202によって回転自在に支持されている。詳細には、カムシャフト支持部201,202は、シリンダヘッド132Aの上部に形成されたヘッド側支持部201A,202Aに、断面半円状の支持部を有するキャップ201B,202Bをそれぞれ固定して構成されている。位置決め部151Bの側に設けられたカムシャフト支持部201には、位置決め部151Bの形状に合わせて形成された溝201Cが形成され、位置決め部151Bの位置が溝201Cに規制されることによって、吸気側カムシャフト151は軸方向に位置決めされている。
また、カムシャフト支持部201,202における吸気駆動カム153の側の面には、ホルダ53を支持するホルダ支持部201D,202Dがそれぞれ設けられている。
動弁カム52は、吸気側カムシャフト151の中間部に設けられた動弁カム支持部151Cに枢支されている。動弁カム52には、図4に示すように、吸気弁147(排気側では排気弁148)を閉弁状態に維持するベース円部52Aと、吸気弁147(排気側では排気弁148)を押し下げて開弁させるカム山部52Bとが形成され、カム山部52Bには貫通孔52Cが形成されている。カム山部52Bは、円弧状に形成されたベース円部52Aから径方向に突出して形成された部分である。
貫通孔52Cには、カム山部52Bがロッカアーム51のローラ51Eから離れる方向、すなわち、吸気弁147を閉弁する方向に動弁カム52を付勢する動弁カムリターンスプリング57(図5参照)の一端が取り付けられる。動弁カムリターンスプリング57は、図5に示すように、吸気側カムシャフト151に巻き掛けられており、その他端はホルダ53に取り付けられる。
ホルダ53は、吸気駆動カム153及び動弁カム52を挟んで吸気側カムシャフト151の軸方向に所定の間隔を空けて配置される第1,第2プレート53A,53Bと、第1,第2プレート53A,53Bを吸気側カムシャフト151の軸方向に連結する連結部材59とを備えている。第1プレート53Aは従動ギヤ82fが位置する側に配置され、第2プレート53Bは連結部材59を挟んで第1プレート53Aに対向して配置される。
また、連結部材59は、吸気側カムシャフト151と平行な軸部59A、59Cと、軸部59Aと軸部59Cとを一体に結合する結合部73とを備えて構成されている。また、結合部73には円筒状の収容部74が形成され、収容部74には、サブロッカアーム54を吸気駆動カム153側に付勢するサブロッカアームリターンスプリング58(以下、リターンスプリングという)が収容されている。
連結部材59の結合部73は、第1プレート53Aと第2プレート53Bとの間の中間部に位置し、サブロッカアーム54の一端が連結されるサブロッカアーム支持部59Bは、結合部73と第1プレート53Aとの間に設けられている。サブロッカアーム支持部59Bは、軸部59Aよりも小径に形成された軸である。
これら第1,第2プレート53A,53B及び連結部材59は、第1プレート53Aの外面側から第1プレート53Aと連結部材59とを締結する一対のボルト53Dと、第2プレート53Bの外面側から第2プレート53Bと連結部材59とを締結する一対のボルト53Eとによって固定される。
また、第1,第2プレート53A,53Bは、図5に示すように、吸気側カムシャフト151が貫通するシャフト孔157A,158Aをそれぞれ有し、これらシャフト孔157A,158Aの周縁部は、ホルダ支持部201D,202Dに向けて突出した円環状の凸部157B,158Bとなっている。ホルダ53は、凸部157B,158Bがホルダ支持部201D,202Dに嵌合されることで支持され、吸気側カムシャフト151を中心に前後に揺動可能となっている。
サブロッカアーム54は、第1,第2プレート53A,53B間に吸気駆動カム153及び動弁カム52と共に配置されており、その一端部において連結部材59のサブロッカアーム支持部59Bに回転可能に支持され、サブロッカアーム支持部59Bを中心として揺動するようになっている。サブロッカアーム54の中央部には、吸気駆動カム153に接触してベース円部155A及びカム山部155Bを押圧するローラ54Aが回転可能に支持されている。サブロッカアーム54の他端部には、コネクトリンク55を揺動可能に支持するピン55Aを介してコネクトリンク55の一端が連結され、コネクトリンク55の他端には、動弁カム52を揺動可能に支持するピン55Bを介して動弁カム52が連結される。
また、サブロッカアーム54は、リターンスプリング58により付勢されており、サブロッカアーム54のローラ54Aは常に吸気駆動カム153に押し付けられている。
サブロッカアーム54は、サブロッカアーム支持部59Bに連結されて吸気側カムシャフト151に直交するように延びるホルダ連結部54Bと、ホルダ連結部54Bから吸気側カムシャフト151の外径に沿うように下方に湾曲する偏心部54Cと、コネクトリンク55を介して動弁カム52に連結されるリンク部54Dとを有している。
偏心部54Cは、第1プレート53Aの側から第2プレート53Bの側に吸気駆動カム153を避けるように吸気側カムシャフト151の軸方向に偏心し、この偏心部54Cの側面には、吸気側カムシャフト151の軸方向に張り出た板状の段部76が形成されている。図4及び図6に示すように、段部76はサブロッカアーム54の下縁部に沿って湾曲して設けられている。リターンスプリング58の下端は、ばね座金77を介して段部76によって受けられている。
リンク部54Dは偏心部54Cの端に連続して設けられ、動弁カム52に連結されている。このように、サブロッカアーム54は偏心部54Cが偏心することで、吸気側カムシャフト151上の軸方向に異なる位置に設けられた吸気駆動カム153と動弁カム52とを連結している。
次に、動弁装置50における吸気側動弁装置50Iの動作を説明する。
上記のように構成された動弁装置50において、図4を参照し、吸気カムシャフト151fが図中の反時計方向に回転されると、吸気カムシャフト151fと一体に回転する吸気駆動カム153のカム山部155Bにより、サブロッカアーム54がローラ54Aを介して押し上げられて軸部59Aを中心として揺動し、これに伴い、コネクトリンク55を介して動弁カム52が、吸気カムシャフト151fを中心として、図4中の時計回り、すなわち、カム山部52Bの先端がVバンク100の外側から内側に向かって回転する方向に回転する。そして、動弁カム52の回転によりカム山部52Bがローラ51Eを介してロッカアーム51を押圧し、ロッカアーム51を介して吸気弁147が押し下げられ、吸気弁147が開弁される。
また、吸気カムシャフト151fがさらに回転されて吸気駆動カム153のベース円部155Aがローラ54Aに当接する状態では、サブロッカアーム54がリターンスプリング58により押し下げられると共に、動弁カム52が動弁カムリターンスプリング57より図4中の反時計回りに回転させられてベース円部52Aがローラ51Eに当接する。これにより、吸気弁147は弁ばね149(図2参照)により押し上げられて閉弁される。
この動弁装置50では、図4に示すように、ホルダ53に連結リンク部材63を接続している。この連結リンク部材63を矢印A方向に移動すると、ホルダ53と共にサブロッカアーム支持部59B(図5参照)の位置が変化し、リンク機構56Iが吸気カムシャフト151fの軸心を中心に時計回り方向に揺動し、ローラ54Aは時計回り方向に揺動し、動弁カム52は時計回り方向に揺動する。一方、矢印B方向に移動すると、ホルダ53と共にリンク機構56Iが吸気カムシャフト151fの軸心を中心に反時計回り方向に揺動し、ローラ54Aは反時計回り方向に揺動し、動弁カム52は反時計回り方向に揺動する。このように、動弁装置50では、ローラ54Aの位置及び動弁カム52の揺動の初期位置を変化させることで、吸気弁147及び排気弁148のバルブ作動特性、すなわち、排気弁148の開閉時期、開閉期間、及び、リフト量を制御可能に構成されている。
ここで、動弁カム52の揺動の初期位置とは、サブロッカアーム54のローラ54Aが吸気駆動カム153(排気側では排気駆動カム154)のベース円部155Aに当接しており、サブロッカアーム54がカム山部155Bによって押し上げられていない状態における動弁カム52の揺動位置を指している。
連結リンク部材63は、図7に示すように、駆動機構60に連結されている。
図7は、駆動機構60を側面側から見た縦断面図であり、図8は、駆動機構60を前部側から見た縦断面図である。
駆動機構60は、図7に示すように、連結リンク部材63を介してホルダ53に連結されている。駆動機構60は、吸気カムシャフト151fと排気カムシャフト152fとに跨って配置されたボールねじ61と、吸気カムシャフト151fの近傍に設けられ、ボールねじ61上を軸方向に移動可能なナット62とを備え、ナット62とホルダ53との間に連結リンク部材63が設けられている。
ボールねじ61の端部には被動ギヤ64が固着され、被動ギヤ64には電動のアクチュエータ70(図10参照)がギヤ輪列を介して連結されている。被動ギヤ64は、排気カムシャフト152rよりも前方に配置されている。
アクチュエータ70は、電子制御ユニット(ECU)により制御され、このECUがアクチュエータ70を駆動することにより、ボールねじ61を介してホルダ53が揺動され、吸気弁147及び排気弁148の開閉の作動特性がエンジン17の運転状態に応じて制御される。
ボールねじ61は、吸気カムシャフト151f及び排気カムシャフト152fと直交し、これらカムシャフト151f,152fの一端側、すなわち、カムチェーン84fが設けられる側と反対側に配置されている。このように、ボールねじ61は、エンジン17の上下方向に延出するのではなく、吸気カムシャフト151f及び排気カムシャフト152fに跨って配置されるので、エンジン17の高さを低く抑えることが可能になる。ボールねじ61は、図7に示すように、シリンダヘッド132Aの上部に設けられたボールねじ支持部203によって両端をそれぞれ支持され、回転自在となっている。
ボールねじ61における吸気カムシャフト151fの側の外周面には、ナット62と係合する螺旋状のねじ山61A及び螺旋状の軸ねじ溝61Cが形成されている。
ナット62は、ボールねじ61が貫通する貫通孔62Aを有し、貫通孔62Aの内周面には、ねじ山61Aに対応する螺旋状のナットねじ山62Bと、軸ねじ溝61Cに対応する螺旋状のナットねじ溝62Cが形成されている。このナットねじ溝62Cと軸ねじ溝61Cとの間に、転動可能な複数のボール65が配置される。ナット62は、ボールねじ61が回転されることにより、ボール65を介してボールねじ61上を移動する。
連結リンク部材63は、図7及び図8に示すように、ナット62に一端部が固定されるナット側リンク63Aと、ナット側リンク63Aの他端部と第2プレート53Bとを連結するホルダ側リンク63Bと、吸気側動弁装置50I及び排気側動弁装置50Eの各ホルダ53同士を連結する連結リンク69とを備えている。
ナット側リンク63Aの一端部は、ナット62を両側方から挟み込み、ボルト66によってナット62に固定されている。ナット側リンク63Aの他端部は、ピン67によってホルダ側リンク63Bの一端部に揺動可能に支持されている。ホルダ側リンク63Bの他端部は、偏心ピン68によって第2プレート53Bに揺動可能に支持されている。偏心ピン68は、六角ボルト68Aと、六角ボルト68Aの頭部に偏心して一体形成された偏心軸68Bとを備えて構成されている。六角ボルト68Aは、スプリングワッシャ68C及び六角ナット68Dによって第2プレート53Bに固定され、偏心軸68Bは、ナット側リンク63Aに回転自在に支持される。
連結リンク69は、吸気側と排気側の各第2プレート53B間を連結している。すなわち、ボールねじ61を介して吸気側のホルダ53が揺動されると、連結リンク69によって連結された排気側のホルダ53は、吸気側のホルダ53に連動して吸気側のホルダ53と同じ方向に揺動される。連結リンク69の一端は偏心軸68Bに連結され、連結リンク69の他端は排気側の第2プレート53Bの縁部に形成された連結部53B1に連結されている。
図7において、ボールねじ61が駆動されると、吸気側及び排気側の各ホルダ53は、矢印Pまたは矢印Qで示す同一方向に揺動され、図4に示すリンク機構56I,56Eが吸気カムシャフト151f及び排気カムシャフト152fを中心にそれぞれ揺動する。
リンク機構56I,56Eの位置が変化することにより、ローラ54A及び動弁カム52は、吸気カムシャフト151f及び排気カムシャフト152fを中心にそれぞれ揺動し、吸気カムシャフト151f及び排気カムシャフト152fに対して周方向に位置が変位されて、吸気駆動カム153及び排気駆動カム154の回転に対する動弁カム52の揺動の位相、及び、揺動の初期位置が変更される。このように、吸気駆動カム153及び排気駆動カム154の各々に対する各動弁カム52の揺動の位相及び揺動位置を変化させることで、各動弁カム52のカム山部52Bがローラ51Eに当接する時期、期間、及び、カム山部52Bがローラ51Eを押し下げる量を変更できるため、吸気弁147及び排気弁148の開閉時期(位相)、開弁期間、及び、リフト量を変更することができる。
吸気側動弁装置50Iでは、駆動機構60によってホルダ53が図4中の時計回り方向(矢印A方向)に揺動されると、ローラ54A及び動弁カム52は時計回り方向に回転され、カム山部52Bはローラ51Eに近くなると共に、ローラ54Aは、反時計回転方向に回転するカム山部155Bに、より早い時期に当接する位置に移動する。この状態で吸気カムシャフト151fが回転されると、カム山部155Bによるローラ54Aの押し上げの開始時期が早くなると共に、カム山部52Bがローラ51Eを押し下げる期間及び押し下げ量が大きくなる。これにより、吸気弁147の開弁時期が早められると共に、吸気弁147の開弁期間及びリフト量が大きくなる。
また、排気側動弁装置50Eは排気カムシャフト152fの回転方向が吸気カムシャフト151fと反対方向である点を除いて吸気側動弁装置50Iと略同一構造であるため、図4を参照して排気側動弁装置50Eの動作について説明する。
排気側動弁装置50Eでは、駆動機構60によってホルダ53が図4中の時計回り方向(矢印A方向)に揺動されると、ローラ54A及び動弁カム52は時計回り方向に回転され、カム山部52Bはローラ51Eに近くなると共に、ローラ54Aは、時計回転方向に回転するカム山部155Bに、より遅い時期に当接する位置に移動する。この状態で排気カムシャフト152fが回転されると、カム山部155Bによるローラ54Aの押し上げの開始時期が遅くなると共に、カム山部52Bがローラ51Eを押し下げる期間及び押し下げ量が大きくなる。これにより、排気弁148の開弁時期が遅くなると共に、排気弁148の開弁期間及びリフト量が大きくなる。
図9は、吸気弁147及び排気弁148のバルブ作動特性を示す図であり、横軸に吸気カムシャフト151f及び排気カムシャフト152fの回転角を示し、縦軸に吸気弁147及び排気弁148のリフト量を示している。
吸気弁147及び排気弁148は、駆動機構60により駆動される動弁装置50によって、図9に示すように、開閉時期、開閉期間、及び、最大リフト量が変更される。
吸気弁147は、吸気弁147のリフト量が最大となる最大バルブ作動特性Uimax及び、吸気弁147のリフト量が最小となる最小バルブ作動特性Uiminを境界値として、最小バルブ作動特性Uiminと最大バルブ作動特性Uimaxとの間の任意のバルブ特性で開閉作動される。同様に、排気弁148は、排気弁148のリフト量が最大となる最大バルブ作動特性Uemax及び、排気弁148のリフト量が最小となる最小バルブ作動特性Ueminを境界値として、最小バルブ作動特性Ueminと最大バルブ作動特性Uemaxとの間の任意のバルブ特性で開閉作動される。
吸気弁147は、その開時期O1が連続的に進角されるにつれて、閉時期C1が連続的に遅角されて開弁期間が連続的に長くなり、さらに、最大リフト量が得られる吸気カムシャフト151fの回転角Tiが連続的に進角されると共に、最大リフト量が連続的に大きくなる。図4に示す動弁カム52の揺動位置は、最小バルブ作動特性Uiminが得られる揺動の初期位置であり、この状態から駆動機構60によってホルダ53が揺動され、動弁カム52が図4中の時計周り方向の揺動の初期位置の限界まで揺動されると、最大バルブ作動特性Uimaxが得られる揺動位置となる。
一方、排気弁148は、その開時期O2が連続的に進角されるにつれて、閉時期C2が連続的に遅角されて開弁期間が連続的に長くなり、さらに、最大リフト量が得られる排気カムシャフト152fの回転角Teが連続的に遅角されると共に、最大リフト量が連続的に大きくなる。図4に示す動弁カム52の揺動位置は、最小バルブ作動特性Ueminが得られる揺動の初期位置であり、この状態から駆動機構60によってホルダ53が揺動され、動弁カム52が図4中の時計周り方向の揺動の初期位置の限界まで揺動されると、最大バルブ作動特性Uemaxが得られる揺動位置となる。
このように、動弁装置50では、最小バルブ作動特性Uimin,Ueminの側から最大バルブ作動特性Uimax,Uemaxの側に変化させる際に、吸気側動弁装置50I及び排気側動弁装置50Eの各ホルダ53を、駆動機構60によって同一方向に揺動させることによって、吸気弁147及び排気弁148のバルブ作動特性を所望の特性に変化させることができる。詳細には、吸気弁147においては、最大バルブ作動特性Uimaxの側に変化するに従って、リフト量を示す曲線の位相が進角側に移動し、回転角Tiが進角側にずれる。排気弁148においては、最大バルブ作動特性Uemaxの側に変化するに従って、リフト量を示す曲線の位相が遅角側に移動し、回転角Tiが遅角側にずれる。
また、最大バルブ作動特性Uimax,Uemaxの側に特性を変化させる際の各動弁カム52の揺動方向は、各動弁カム52が吸気弁147及び排気弁148を開弁する際の各動弁カム52の揺動方向と同一方向である。このため、駆動機構60によって各ホルダ53を介してリンク機構56I,56Eを同一方向に揺動させる簡単な構成によって、所望のバルブ作動特性を得ることができる。
図10は、前バンク110A及び後バンク110Bの動弁装置50を示す平面図である。
図2及び図10に示すように、前バンク110Aでは、排気側動弁装置50Eと吸気側動弁装置50Iとは、シリンダボア135の前後にそれぞれ並んで位置し、各サブロッカアーム54が同一方向を向いた状態で配置されている。詳細には、各ホルダ53は、サブロッカアーム54の各リンク部54Dがそれぞれ後側を指向した状態で配置されている。 また、アクチュエータ70は、前側シリンダヘッド132Aの前部の右側面に固定され、ボールねじ61の被動ギヤ64に接続されている。
さらに、前バンク110Aと後バンク110Bとは、動弁装置50、駆動ギヤ81f,81r、従動ギヤ82f,82r、伝達ギヤ83f,83r、及び、カムチェーン84f,84rを含む内部構造が略同一に構成され、後バンク110Bは、前バンク110Aの全体をシリンダボア135を軸として180°回転させて、クランクケース110Cの後部に取り付けるようにして構成されている。
すなわち、上述のように、前バンク110Aの駆動ギヤ81f及び従動ギヤ82fは同一部品であり、前バンク110A及び後バンク110Bは同一に構成されているため、吸気側カムシャフト151及び排気側カムシャフト152を駆動するためのギヤを、4枚の駆動ギヤ81fを用いることで構成できる。このため、駆動ギヤ81fを共用できるので、動弁装置50を簡単な構造で実現できる。また、前後バンク110A,110Bで、伝達ギヤ83f,83r、カムチェーン84f,84r及び駆動スプロケット163をそれぞれ共用できるため、部品の種類を削減できる。
また、本実施の形態では、駆動ギヤ81f,81rの各々を従動ギヤ82f,82rにそれぞれ直接噛み合せることで、排気カムシャフト152f,152rの各々の回転と吸気カムシャフト151f,151rの各々との回転を互いに逆回転させている。これにより、各ホルダ53を介してリンク機構56I,56Eを同一方向に揺動させることで、吸気駆動カム153に対してはローラ54Aがより早い時期にカム山部155Bに当たるようにでき、排気駆動カム154に対してはローラ54Aがより遅い時期にカム山部155Bに当たるようにでき、吸気弁147及び排気弁148のバルブ作動特性を所望の特性に変化させることができる。このため、吸気側動弁装置50Iと排気側動弁装置50Eとを同一の向きで配置でき、同一の部品で構成できる。すなわち、サブロッカアーム54、第1,第2プレート53A,53B、連結部材59、ロッカアーム51等の各部品を、前バンク110A及び後バンク110Bの両方における吸気側と排気側とで同一の部品で構成できる。また、動弁カム52についても、カムプロフィールの部分を除いて吸気側と排気側とで同一に構成できる。このため、部品の種類を削減でき、動弁装置50を簡単な構造で実現できる。
さらに、各ホルダ53を同一方向に揺動させて吸気弁147及び排気弁148のバルブ作動特性を変化させるため、連結リンク69のような簡単な構造で吸気側と排気側の各ホルダ53同士を連結し、吸気側と排気側のホルダ53を連動させることができる。このため、駆動機構60の構造を簡単にできる。さらに、一本の連結リンク69によって駆動機構60を簡単な構造にしてスペースを確保できるため、アクチュエータ70の配置の自由度を向上できる。例えば、ここでは、被動ギヤ64は排気側カムシャフト152の前方側に配置され、アクチュエータ70は前側シリンダヘッド132Aの前部に配置されるものとして説明したが、排気カムシャフト152fと吸気カムシャフト151fとの間において、連結リンク69の近傍に被動ギヤ64及びアクチュエータ70を配置しても良い。
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、前バンク110A及び後バンク110Bの各々が、それぞれカムチェーン84f,84rと駆動ギヤ81f,81rとを介して吸気側及び排気側の各動弁カム52を駆動し、前バンク110Aと後バンク110Bとでカムチェーン84f,84rの各々及び駆動ギヤ81f,81rの各々を同一の部品にすることができる。このため、部品を共用して部品の種類を削減でき、V型のエンジン17の動弁装置50を簡単な構造で実現できる。また、前バンク110A及び後バンク110Bの各吸気カム80IがVバンク100の内側に設けられているため、Vバンク空間Kに吸気ポート145や吸気チャンバ43等の吸気部品をまとめて効率的に配置できる。
また、動弁カム52によってロッカアーム51を押圧して吸気弁147及び排気弁148を駆動する際の各動弁カム52の揺動方向が同一であるため、吸気側と排気側とで、サブロッカアーム54、第1,第2プレート53A,53B、連結部材59、ロッカアーム51等の各部品を同一部品で構成できる。このため、動弁装置50の部品を共用にでき、動弁装置50を簡単な構造で実現できる。
また、吸気弁147及び排気弁148のバルブ作動特性を変化させる際の各リンク機構56I,56Eの揺動方向が同一であるため、吸気側と排気側とでサブロッカアーム54、第1,第2プレート53A,53B、連結部材59、ロッカアーム51等の各部品を同一部品で構成できる。このため、動弁装置50の部品を共用にでき、動弁装置50を簡単な構造で実現できる。また、各リンク機構56I,56Eの揺動方向が同一であるため、吸気側及び排気側の各ホルダ53を一本の連結リンク69を用いて簡単な構成で互いに連結し、吸気側動弁装置50Iと排気側動弁装置50Eとを連動させることができる。これにより、動弁装置50の構造を簡単にできる。さらに、一本の連結リンク69を用いて吸気側動弁装置50Iと排気側動弁装置50Eを連結するため、連結リンク69の周囲にスペースを確保でき、このスペースを有効に利用して、アクチュエータ70の配置の自由度を向上できる。
さらに、前バンク110A及び後バンク110B内でVバンク100の外側方向に位置する各排気弁148が、前バンク110A及び後バンク110Bの各々の中央により近くなる角度で配置されているため、吸気弁147と排気弁148との挟み角が小さくなる。このため、Vバンク100の外側の空間を大きく確保でき、Vバンク100の外側、すなわち、Vバンク100の前後に、補機などを配置するスペースをより大きく確保できる。
さらにまた、点火プラグ142を排気側動弁装置50Eの側に前傾して配置したため、点火プラグ142に近接する側のロッカアームピボット51Aと点火プラグ142との間の距離をより一層確保でき、点火プラグ142に近接する側のロッカアーム51に逃げを形成する必要がないため、吸気側と排気側とでロッカアーム51を共用して動弁装置50を簡単な構造にできる。加えて、点火プラグ142を傾けて配置することにより、吸気弁147及び排気弁148の配置の自由度が向上したため、吸気弁147及び排気弁148の燃焼室140に対する配置を整えて、燃焼室140の形状を理想的な形状に近づけることができる。
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されない。
上記実施の形態では、動弁装置50は、吸気弁147及び排気弁148の開閉時期(位相)、開弁期間、及び、リフト量を変更可能であるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、吸気弁147の開閉時期(位相)及び/又はリフト量を変更可能な動弁装置に適用できる。
また、上記実施の形態においては、前バンク110A及び後バンク110Bでは、吸気側及び排気側の各ロッカアームピボット51Aが、対応する各作用部51BよりもVバンク100の外方側に配置されているものとして説明した。本願発明はこれに限定されるものではなく、吸気側及び排気側の各ロッカアームピボット51Aが対応する各作用部51BよりもVバンク100の内方側に配置される向きで、吸気側動弁装置50I及び排気側動弁装置50Eを配置しても良い。この場合について、変形例として説明する。
[変形例]
図11は、実施の形態の変形例における後バンク110Bを示す側面図である。
なお、この変形例において、上記実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
図11に示すように、変形例においては、吸気側動弁装置50I及び排気側動弁装置50Eは、各ロッカアームピボット51Aが対応する各作用部51BよりもVバンク100の内方側に位置する向きで配置されている。すなわち、吸気側動弁装置50I及び排気側動弁装置50Eは、吸気カムシャフト151r及び排気カムシャフト152rの配置の向きは上記実施の形態と同一とし、ホルダ53、リンク機構56I,56E、動弁カム52、ロッカアーム51等を上記実施の形態とは逆の方向を向いて配置されており、各動弁カム52は、カム山部52Bの先端がVバンク100の内側から外側に回転して各ロッカアーム51を押し下げる。ここで、変形例のエンジン170では、クランクシャフト105は、図11中の反時計回転方向に回転し、吸気カムシャフト151rはカムチェーン84rを介して反時計回転方向に回転され、排気カムシャフト152rは時計回転方向に回転される。
また、図示は省略したが、前バンク110Aにおいても、各ロッカアームピボット51Aが、対応する各作用部51BよりもVバンク100の内方側に位置する向きで配置されている。
このため、吸気側のロッカアーム51の作用部51Bを点火プラグ142に近接して配置でき、前バンク110A及び後バンク110Bにおいて、Vバンク100の内方側に配置された各吸気弁147を、より点火プラグ142の側に近づけた角度で点火プラグ142に沿うように配置できる。これにより、前バンク110A及び後バンク110Bにおける吸気弁147と排気弁148とのバルブ挟み角が小さくなるため、吸気側動弁装置50Iを点火プラグ142の側に寄せて配置できる。これにより、Vバンク100の内方側のVバンク空間Kを大きく確保することができ、Vバンク空間Kに配置されるエアクリーナ41、スロットルボディ42、インジェクタ143等の部品の配置の自由度を向上できる。
17、170 エンジン(V型内燃機関)
50 動弁装置
50E 排気側動弁装置(可変動弁機構)
50I 吸気側動弁装置(可変動弁機構)
51 ロッカアーム
51A ロッカアームピボット(支点)
51B 作用部(作用点)
52 動弁カム(揺動カム)
54A ローラ
56E、56I リンク機構
70 アクチュエータ
80E 排気カム
80I 吸気カム
81f、81r 駆動ギヤ(ギヤ)
84f カムチェーン(一方のバンクの伝達部材)
84r カムチェーン(他方のバンクの伝達部材)
100 Vバンク
105 クランクシャフト
110A 前バンク(一方のバンク)
110B 後バンク(他方のバンク)
131A 前側シリンダブロック(シリンダブロック)
131B 後側シリンダブロック(シリンダブロック)
140 燃焼室
142 点火プラグ
147 吸気弁(機関弁)
148 排気弁(機関弁)
151 吸気側カムシャフト(カムシャフト)
152 排気側カムシャフト(カムシャフト)

Claims (5)

  1. シリンダブロック(131A,131B)をV型に配置し、カムシャフト(151,152)に連動する機関弁(147,148)の位相及び又はリフト量を可変とする可変動弁機構を備えたV型内燃機関の動弁装置において、
    一方のバンク(110A)の吸気カム(80I)または排気カム(80E)を回転駆動するクランクシャフト(105)の回転を前記吸気カム(80I)または排気カム(80E)に伝達する伝達部材(84f)と、
    一方のバンク(110A)の伝達部材(84f)で回転伝達された吸気カム(80I)または排気カム(80E)の回転を同じバンク(110A)の吸気カム(80I)または排気カム(80E)に伝達するギヤ(81f)と、
    他方のバンク(110B)の吸気カム(80I)または排気カム(80E)を回転駆動するクランクシャフト(105)の回転を前記吸気カム(80I)または排気カム(80E)に伝達する伝達部材(84r)と、
    他方のバンク(110B)の伝達部材(84r)で回転伝達された吸気カム(80I)または排気カム(80E)の回転を同じバンク(110B)の吸気カム(80I)または排気カム(80E)に伝達するギヤ(81r)とを備え、一方と他方の吸気カム(80I,80I)はVバンク(100)の内側に設けられており、
    前記吸気カム(80I)及び排気カム(80E)はロッカアーム(51,51)の支点(51A,51A)と作用点(51B,51B)との中間部を押圧して前記機関弁(147,148)を駆動する揺動カム(52,52)を含み、該揺動カム(52,52)の揺動方向が同一であるとともに、排気側と吸気側のロッカアーム(51,51)の支点(51A,51A)はそれぞれ同一方向に設けられていることを特徴とするV型内燃機関の動弁装置。
  2. 前記吸気カム(80I)または前記排気カム(80E)を有する前記カムシャフト(151,152)を中心に揺動し、前記揺動カム(52,52)を支持するリンク機構(56I,56E)を備え、
    アクチュエータ(70)によって前記リンク機構(56I,56E)の揺動位置が変化されることで前記機関弁(147,148)の位相及び又はリフト量が可変とされ、
    前記機関弁(147,148)の位相及び又はリフト量を変化させる際の前記リンク機構(56I,56E)の揺動方向が吸気側と排気側とで同一であること、
    を特徴とする請求項記載のV型内燃機関の動弁装置。
  3. 前記揺動カム(52,52)の揺動方向は、該揺動カム(52,52)の先端が前記Vバンク(100)の外側から内側に向かって回転した際、前記機関弁(147,148)を押し下げる方向であり、前記ロッカアーム(51,51)の前記支点(51A,51A)は前記Vバンク(100)の外側方向に配置されたこと、
    を特徴とする請求項または記載のV型内燃機関の動弁装置。
  4. 前記揺動カム(52,52)の揺動方向は、該揺動カム(52,52)の先端が前記Vバンク(100)の内側から外側に向かって回転した際、前記機関弁(147,148)を押し下げる方向であり、前記ロッカアーム(51,51)の前記支点(51A,51A)は前記Vバンク(100)の内側方向に配置されたこと、
    を特徴とする請求項または記載のV型内燃機関の動弁装置。
  5. 燃焼室(140)中央に点火プラグ(142)が設けられ、前記点火プラグ(142)は、該点火プラグ(142)に近接する側の前記ロッカアーム(51)の前記支点(51A)とは反対側の前記ロッカアーム(51)の前記支点(51A)側に傾斜して設けられたこと、
    を特徴とする請求項または記載のV型内燃機関の動弁装置。
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