JP5417697B2 - 接着剤組成物 - Google Patents
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近年、この種の接着剤を使用して、中質繊維板(MDF)等の被着材を塩化ビニルフィルム等の化粧シートでラッピングした化粧シート被覆材料が広く使用されている。このような化粧シート被覆材料は、安価な芯材、耐久性の高い芯材等の表面に各種の模様を与え、高級感等の付加価値をもたせることから、家具、建材等に用いられる。
ポリウレタン接着剤の初期接着性を改良するために、粘着付与剤を配合することは知られている。この粘着付与剤としては、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂が挙げられている(例えば、非特許文献1等参照)。
ところが、上記のような粘着付与剤を配合したポリウレタン接着剤を使用しても、化粧シートを曲面又は凹凸面を有する芯材に被覆し接着させる場合には、貼り合わせ直後に化粧シートと芯材の曲面又は凹凸面との間に浮きが依然として発生し、初期接着性はまだ充分でない。また、このような粘着付与剤を配合すると、ポリウレタン接着剤の耐熱性が低下するという問題もある。
しかしながら、上記2液混合型溶剤系接着剤は、塩化ビニル樹脂フィルムの接着には適しているが、この接着剤を例えばポリオレフィン系フィルムの接着に用いた場合、接着力に問題があった。
本発明の接着剤組成物は、強粘着力を数十秒以内に発揮することが可能であり、極めて初期接着性に優れており、塩化ビニルフィルム及びポリオレフィン系フィルム等の難接着性の化粧シートと被着材を貼り合わせた直後の浮きを抑えることができ、化粧シートを用いたラッピング用として特に好適に用いられる。
これらは単独で、もしくは2種以上混合して用いられ、粘度調整剤として寄与する。
本発明の接着剤組成物における前記(B)溶剤の配合割合に制限はないが、(A)ポリエステルウレタン樹脂100重量部に対して、100〜900重量部が好ましい。
本発明に用いられるアミン変性ウレタン樹脂は、固化を防ぐために溶剤に溶かすことが好ましい。アミン変性ウレタン樹脂を溶解させる溶剤としては、製造後、溶剤を添加してもよく、また、前述した如く、製造時に添加された溶剤によるものでもよい。
より具体的には、例えば、ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類、アンモニア、エチレンジアミン等のアミン類の1種または2種以上の存在下にプロピレンオキサイド及び/又はエチレンオキサイドを開環重合させて得られるランダムまたはブロック共重合体等のポリエーテルポリオールが挙げられる。
またポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等の存在下にアジピン酸、セバチン酸、テレフタル酸等を重縮合させて得られる共重合体等のポリエステルポリオール等があり、その他ビスフェノールA、ヒマシ油のラムエステル等の活性水素基2個以上を有する低分子活性水素化合物が挙げられる。
前記活性水素含有化合物としては、分子量が100〜20000、1分子中のOH基が1〜4個のものが好ましく使用できる。
前記ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ネオペンタンジアミン等の脂肪族ジアミン;4,4′−ジアミノシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、2,5−又は2,6−ジアミノメチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン、ジアミノシクロヘキサン等の脂環式ジアミン;ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、キシリレンジアミン、フェニレンジアミン、3,5−ジエチル−2,4−又は2,6−ジアミノトルエン等の芳香族ジアミン;1,3,5−トリス(アミノメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(アミノメチル)シクロヘキサン等の芳香族又は脂環式トリアミン;水、エチレングリコール、プロピレングリコール等にプロピレンオキサイド及び/又はエチレンオキサイドを付加重合して得たポリオキシアルキレングリコール類のヒドロキシル基をアミノ基に変換して得られるポリオキシアルキレンジアミン;グリセリン、トリメチロールプロパン等にプロピレンオキサイド及び/又はエチレンオキサイドを付加重合して得たポリオキシアルキレントリオール類のヒドロキシル基をアミノ基に変換して得られるポリオキシアルキレントリアミン等が挙げられる。
前記モノアミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン等の脂肪族第一アミン;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族第二アミン;アリルアミン、ジアリルアミン等の脂肪族不飽和アミン;シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂環式アミン;アニリン、ジフェニルアミン、メチルアニリン、エチルアニリン、トルイジン、キシリジン、ベンジルアミン、ナフチルアミン等の芳香族アミンが挙げられる。
これら(C)アミン変性ウレタン樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
これらポリイソシアネート化合物は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよいが、液状ポリイソシアネート化合物とウレタンプレポリマーを併用することが好ましい。
特に、(D)ポリイソシアネート化合物として、前述したウレタンプレポリマーを用いる場合は、(A)ポリエステルウレタン樹脂100重量部に対して30〜600重量部が好ましく、60〜420重量部がより好ましい。前記ウレタンプレポリマーの配合量を上記範囲とすることにより、本発明の接着剤組成物の常態接着強度、初期接着性及び耐熱性をより向上させることができる。
また、(D)ポリイソシアネート化合物として、前述した液状のイソシアネート化合物を用いる場合は、(A)ポリエステルウレタン樹脂100重量部に対して10〜100重量部が好ましく、20〜80重量部がより好ましい。前記液状のイソシアネート化合物の配合量を上記範囲とすることにより、本発明の接着剤組成物の耐熱性をより向上させることができる。
本発明の接着剤組成物を2液型として用いる場合、ポリエステルウレタン樹脂(A)及び必要に応じて(B)溶剤を主剤に配合し、(D)ポリイソシアネート化合物を硬化剤に配合することが好ましい。(C)アミン変性ウレタン樹脂は、NCO基を含まない場合は主剤及び硬化剤のいずれに配合してもよいが、NCO基を含む場合は硬化剤に配合することが好適である。
温度計を備えた撹拌機中に、分子量2000のポリプロピレングリコール(三井化学ポリウレタン(株)製、商品名:Diol−2000)605.3重量部を脱水処理した後、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)94.7重量部を添加し、窒素気流下70〜90℃で3時間反応させ、NCO/OH当量比1.25で反応させたウレタンプレポリマーXを得た。
合成例1と同様にウレタンプレポリマーXを合成した後、温度計を備えた撹拌機中に、該ウレタンプレポリマーX:492.2重量部と酢酸エチル:500重量部を添加し均一分散させ、分子量73のブチルアミン:7.8重量部を滴下し、固形分50%、NCO/活性水素当量比1.00で反応させたアミン変性ウレタン樹脂C2を得た。
温度計を備えた撹拌機中に、分子量2000のポリプロピレングリコール(三井化学ポリウレタン(株)製、商品名:Diol−2000)589.3重量部を脱水処理した後、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)110.7重量部を添加し、窒素気流下70〜90℃で3時間反応させ、NCO/OH当量比1.50で反応させたウレタンプレポリマー(以下、ポリイソシアネート化合物D1と称する)を得た。
水酸基含有熱可塑性ポリエステルウレタン樹脂としてパンデックスT−5202(大日本インキ化学工業(株)製)100重量部を、酢酸エチル400重量部に均一に溶解して、接着剤組成物の主剤を調製した。
また、合成例1で得たアミン変性ウレタン樹脂C1、合成例3で得たポリイソシアネート化合物D1、及びコスモネートM−300(三井化学ポリウレタン(株)製、常温で液状である特殊ポリメリックMDI、以下、ポリイソシアネート化合物D2と称する)を窒素気流下で表1に示す配合割合で攪拌混合し、接着剤組成物の硬化剤を調製した。
前記得られた主剤と硬化剤とを表1に示す配合割合で均一に攪拌混合して、本発明の接着剤組成物を調製した。
前記得られたポリオレフィン系フィルム被覆材料に対して下記試験を行なった。結果を表2に示した。
製造直後のポリオレフィン系フィルム被覆材料の平面部を長さ100mm、幅25mmの寸法に切断し、予めポリオレフィン系フィルムの一端部を剥離させ、これを23℃で1分間保持した後、垂直に保持し被着材の上端を固定してポリオレフィン系フィルムの一端部に250gの分銅を取り付け、23℃の雰囲気で1分間経過後の180度剥離長さを測定した。評価基準は下記の通りである。
◎:11mm未満、○:11mm以上16mm未満、△:16mm以上26mm未満、×:26mm以上。
なお、本発明において初期接着性とは、ポリオレフィン系フィルムに接着剤組成物を塗布し、電着塗装アルミニウムからなる被着材に被覆しながら、圧着ローラーで圧着した直後から2分間以内の接着性を意味する。
製造直後のポリオレフィン系フィルム被覆材料の平面部を長さ100mm、幅25mmの寸法に切断し、予めポリオレフィン系フィルムの一端部を剥離させたものを試験片として作製した。作製直後の試験片を23℃で24時間養生した後、被着材とポリオレフィン系フィルムの一端部をチャックに固定し、23℃−50%RHの雰囲気でオートグラフを用いて、引張り速度200mm/分で180度剥離試験を行い、常態接着強度(N/25mm)を求めた。評価基準は下記の通りである。
◎:50N/25mm以上、○:40N/25mm以上50N/25mm未満、△:30N/25mm以上40N/25mm未満、×:30N/25mm未満。
製造直後のポリオレフィン系フィルム被覆材料の平面部を長さ100mm、幅25mmの寸法に切断し、予めポリオレフィン系フィルムの一端部を剥離させ、これを23℃で24時間保持した後、垂直に保持し被着材の上端を固定してポリオレフィン系フィルムの一端部に500gの分銅を取り付け、60℃の雰囲気で24時間経過後の180度剥離長さを測定した。評価基準は下記の通りである。
◎:6mm未満、○:6mm以上11mm未満、△:11mm以上21mm未満、×:21mm以上。
表1に示した如く、組成を変更した以外は実施例1と同様の方法により接着剤組成物及びポリオレフィン系フィルム被覆材料を作製し、試験を行なった。結果を表2に示した。
表3に示した如く、組成を変更した以外は実施例1と同様の方法により接着剤組成物及びポリオレフィン系フィルム被覆材料を作製し、試験を行なった。結果を表4に示した。
表5に示した如く、組成を変更した以外は実施例1と同様の方法により接着剤組成物及びポリオレフィン系フィルム被覆材料を作製し、試験を行なった。結果を表6に示した。
表7に示した如く、組成を変更した以外は実施例1と同様の方法により接着剤組成物及びポリオレフィン系フィルム被覆材料を作製し、試験を行なった。結果を表8に示した。
Claims (2)
- (A)水酸基含有熱可塑性ポリエステルウレタン樹脂、及び
(B)溶剤、を含む主剤と、
(C)アミン変性ウレタン樹脂、及び
(D)ポリイソシアネート化合物を含む硬化剤と、
を含む接着剤組成物であって、
前記(C)アミン変性ウレタン樹脂が、ポリイソシアネート化合物と活性水素含有化合物とをNCO/OH当量比1.10〜10.00の範囲で反応させたウレタンプレポリマーを得た後、該ウレタンプレポリマー及びアミン化合物をNCO/活性水素当量比1.00〜2.00の範囲で反応させることにより得られる、アミン変性ウレタン樹脂であり、
前記アミン化合物が、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ネオペンタンジアミン、4,4′−ジアミノシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、2,5−又は2,6−ジアミノメチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン、ジアミノシクロヘキサン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、キシリレンジアミン、フェニレンジアミン、3,5−ジエチル−2,4−又は2,6−ジアミノトルエン、1,3,5−トリス(アミノメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(アミノメチル)シクロヘキサン、ポリオキシアルキレングリコール類のヒドロキシル基をアミノ基に変換して得られるポリオキシアルキレンジアミン、ポリオキシアルキレントリオール類のヒドロキシル基をアミノ基に変換して得られるポリオキシアルキレントリアミン、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、ジフェニルアミン、メチルアニリン、エチルアニリン、トルイジン、キシリジン、ベンジルアミン、ナフチルアミンから選択されるアミン化合物であり、
前記(D)ポリイソシアネート化合物が、ウレタンプレポリマー(但し液状イソシアネート化合物を除く)及び液状イソシアネート化合物との併用であり、
前記(C)アミン変性ウレタン樹脂の配合割合が、前記(A)水酸基含有熱可塑性ポリエステルウレタン樹脂100重量部に対して20重量部〜600重量部、
前記(D)ポリイソシアネート化合物の配合割合が、前記(A)水酸基含有熱可塑性ポリエステルウレタン樹脂100重量部に対して10重量部〜700重量部、
であることを特徴とする接着剤組成物。 - 前記(B)溶剤が、活性水素を含有しない有機溶剤であることを特徴とする請求項1記載の接着剤組成物。
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