JP5417145B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
(第1特徴) パワーモジュールは、複数の単相ユニットを備えている。単相ユニットは、積層方向に沿って積層している。単相ユニットは、一対の入力アームと、その一対の入力アームの間に直列に接続されている一対のトランジスタと、一対のトランジスタの間に接続されている出力アームとを備えている。積層方向に隣接する単相ユニットでは、入力アームを共用している。
(第2特徴) 第1特徴において、パワーモジュールは、昇圧コンバータをさらに備えている。昇圧コンバータは、積層方向において、少なくとも1つの単相ユニットに隣接している。昇圧コンバータは、一対の入力アームと、その一対の入力アームの間に直列に接続されている一対のトランジスタと、一対のトランジスタの間に接続されているリアクトル接続用アームとを備えている。昇圧コンバータと単相ユニットの間で、入力アームが共用されている。
(第3特徴) 第1特徴において、入力アームには空冷用のフィンが設けられている。
(1)従来のパワーモジュールは、3つの単相ユニットがセラミック製の絶縁性基板の上面に並べられた構成を備えている。さらに、フィンがその絶縁性基板の下面に取り付けられていることが多い。このような構成の場合、トランジスタで発生した熱は、絶縁性基板を超えてフィンまで伝熱する必要がある。しかしながら、一般的に、絶縁性基板は熱伝導率が低い。このため、従来のパワーモジュールでは、放熱能力を向上させるために、フィンが水冷用であることが多い。これにより、従来のパワーモジュールは大型化で重量が重いという問題がある。一方、図2に示されるように、本実施例のパワーモジュールでは、トランジスタで発生した熱を入力/出力アームを介してフィン40まで伝熱させる。入力/出力アームは、導電性であり、トランジスタ接触部32からフィン40が設けられている延長部36の間に絶縁物質が介在していない。このため、トランジスタで発生した熱を高効率でフィン40まで伝熱させることができる。さらに、本実施例のパワーモジュールでは、入力/出力アームにヒートパイプが採用されており、極めて高効率に熱を伝熱させることができる。本実施例のパワーモジュールでは、空冷方式を採用したとしても、充分な冷却効果を得ることができる。これにより、パワーモジュールの小型化及び重量の低減が可能となる。
(2)図2に示されるように、U相ユニット15UとV相ユニット15Vは、入力アーム30bをp型入力アームとして共用している。V相ユニット15VとW相ユニット15Wは、入力アーム30cをn型入力アームとして共用している。さらに、W相ユニット15Wと昇圧コンバータ13は、入力アーム30dをp型入力アームとして共用している。このように、パワーモジュールは、隣接するユニット間で入力アームを共用することができるので、部品点数が削減され、小型化が実現される。
(3)図2に示されるように、本実施例のp型入力アームの延長部36とn型入力アームの延長部36は、y軸方向に対向しており、スナバコンデンサを構成している。さらに、それらの延長部36の表面には、空冷用のフィン40が設けられているので、延長部36の表面積は広い。これにより、スナバコンデンサの容量が大きくなり、サージ吸収能が高い。また、本実施例では、p型入力アームとn型入力アームにフィン40が設けられているので、p型入力アームとn型入力アームの間にある程度の距離を確保しなければならない。一般的に、p型入力アームとn型入力アームの間の距離が大きくなると、インダクタンス成分の相殺効果が低下し、結果として、インダクタンス成分が増加する。しかしながら、本実施例では、p型入力アームとn型入力アームの延長部36にフィン40が選択的に設けられている。延長部36は、電流経路外であることから、この延長部36間の距離が大きくなっても、インダクタンス成分の増加は抑制される。また、本実施例では、電流経路を配線接続部34で分岐させることにより、図4に示されるように、高圧側配線10Hと低圧側配線10Lを近接させた形態が実現されている。これにより、本実施例のパワーモジュールは、インダクタンス成分が相殺され、極めて高いサージ耐圧を有する。
(4)本実施例では、1つの交流モータ16を駆動するパワーモジュールを例示した。この例に代えて、本実施例に係る技術は、2つの交流モータ16を駆動するパワーモジュールに適用することができる。この場合、本実施例のパワーモジュールにおいて、y軸方向にさらに3つの単相ユニットを積層させればよい。この場合も、隣接する単相ユニットの間で入力アームを共用することができるので、部品点数が削減され、小型化が実現される。
(5)本実施例では、3相インバータを有するパワーモジュールを例示した。この例に代えて、本実施例に係る技術は、2相インバータを有するパワーモジュールに適用することができる。この場合でも、隣接する単相ユニットの間で入力アームを共用することができるので、部品点数が削減され、小型化が実現される。
(6)本実施例では、昇圧コンバータ13とインバータ15が一体化されたパワーモジュールを例示した。この例に代えて、本実施例に係る技術は、昇圧コンバータ13とインバータ15が別体のパワーモジュールに適用することができる。例えば、昇圧コンバータが2並列の場合、同様にユニットを積層させることで、入力アームを共用することができるので、部品点数が削減され、小型化が実現される。
(7)本実施例では、入力/出力アームがヒートパイプの場合を例示した。本実施例に係る技術では、入力/出力アームは、導電性を有するとともに高熱伝導率であればよく、その材料又は構成は特に限定されない。例えば、入力/出力アームは、金属板であってもよく、この場合、銅、アルミニウム等の材料を用いることができる。また、この例に代えて、入力/出力アームは、導電性及び熱伝導性に異方性を有するグラファイトを用いてもよい。
(8)本実施例では、中間接続部21,In1,In2,In3が出力アーム30f,30g,30h及びリアクトル接続用アーム30iの付け根に接続されている。この例に代えて、中間接続部21,In1,In2,In3は、出力アーム30f,30g,30h及びリアクトル接続用アーム30iの先端に接続されていてもよい。
(9)本実施例では、単相ユニット15U,15V,15Wが積層方向に積層した積層型のパワーモジュールを例示した。この例に代えて、本実施例に係る技術は、単相ユニット15U,15V,15Wが並列に並べられた並列型のパワーモジュールにも適用することができる。図6に、並列型のパワーモジュールの側面図を模式的に示す。図7に、並列型のパワーモジュールの平面図を模式的に示す。なお、積層型のパワーモジュールと共通する構成要素に関しては共通の符号を付し、その説明を省略する。図6に示されるように、単相ユニットは、n型入力アーム30と、下側トランジスタT4,T5,T8と、出力アームIn1,In2,In3(この例では、出力アームと中間接続部が共用されている)と、上側トランジスタT3,T5,T7と、p型入力アーム30pがy軸方向に積層している。図7に示されるように、これらの単相ユニット15U,15V,15Wがz軸方向に並列に並べられている。この並列型のパワーモジュールでも、入力アームの延長部36にフィン40が設けられていることを特徴としている。これにより、並列型のパワーモジュールも、空冷用として用いることができる。さらに、延長部36は、スナバコンデンサを構成しており、サージを吸収することができる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10H:高圧側配線
10L:低圧側配線
11:直流電源
12:リアクトル
13:昇圧コンバータ
14:コンデンサ
15:インバータ
15U,15V,15W:単相ユニット
16:交流モータ
22,24,26,28:高圧側配線分岐接続部
23,25,27,29:低圧側配線分岐接続部
30a,30b,30c,30d,30e,30p,30n:入力アーム
30f,30g,30h:出力アーム
30i:リアクトル接続用アーム
32:トランジスタ接触部
34:配線接続部
36:延長部
40:フィン
D1−D8:還流ダイオード
T1−T8:トランジスタ
Claims (4)
- 電源の一方の極性に接続される第1配線と電源の他方の極性に接続される第2配線の間に接続されている電力変換装置であって、
第1入力アームと第2入力アームと出力アームと第1トランジスタと第2トランジスタとを備えており、
前記第1入力アーム、前記第1トランジスタ、前記出力アーム、前記第2トランジスタ、前記第2入力アームがこの順で電気的に接続されており、
前記第1入力アームと前記第2入力アームと前記出力アームのうちの少なくとも1つにフィンが設けられており、
前記第1入力アームは、前記第1トランジスタと接触する第1トランジスタ接触部と、第1延長部と、前記第1トランジスタ接触部と前記第1延長部の間に設けられているとともに前記第1配線と電気的に接続する第1配線接続部とを有しており、
前記第2入力アームは、前記第2トランジスタと接触する第2トランジスタ接触部と、第2延長部と、前記第2トランジスタ接触部と前記第2延長部の間に設けられているとともに前記第2配線と電気的に接続する第2配線接続部とを有しており、
前記フィンは、前記第1延長部と前記第2延長部の少なくともいずれか一方に設けられている電力変換装置。 - 前記第1延長部と前記第2延長部が対向している請求項1に記載の電力変換装置。
- 前記フィンの表面に絶縁膜が被覆されている請求項1又は2に記載の電力変換装置。
- 前記第1入力アーム、前記第1トランジスタ、前記出力アーム、前記第2トランジスタ、前記第2入力アームがこの順で積層方向に積層しており、
前記第1入力アームと前記第2入力アームは、前記積層方向に直交する方向に伸びており、
前記出力アームは、前記積層方向に直交する方向に伸びており、
前記積層方向から観測したときに、前記第1入力アームの前記第1配線接続部及び前記第1延長部と前記第2入力アームの前記第2配線接続部及び前記第2延長部は、前記出力アームと重複しない請求項1〜3のいずれか一項に記載の電力変換装置。
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2009
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