JP5415880B2 - 積層部材の連結構造 - Google Patents
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Description
上記の課題を解決するために、本発明は、対向配置された部材を一定の間隔を保持した状態で素早く連結固定でき、外部から部品を隠すことができる積層部材の連結構造を提供することを目的とする。
〈構成1〉
互いに一面を対向させた2つの部材間に一定の間隔を保持させた状態で、前記両部材を連結固定するものであって、前記各部材の対向面に開口したボルト孔に対して、同一方向の軸回転により同時に両端がねじ込まれるように回転軸を一致させて連結された一対の逆ねじボルトと、これら一対の逆ねじボルトの中間に配置されて工具を装着したときに軸回転のための回転力を前記逆ねじボルトに伝達する工具装着部を備えたことを特徴とする積層部材の連結構造。
構成1に記載の積層部材の連結構造において、前記工具装着部は、前記両部材間に挟まれて一定の間隔を保持させるスペーサとして機能することを特徴とする積層部材の連結構造。
構成1または2に記載の積層部材の連結構造において、前記工具装着部は、前記逆ねじボルトを貫通させ、かつ、前記逆ねじボルトの前記中間において、軸方向の移動を許容し軸回転を阻止する形状の貫通孔を有するスリーブを備えたことを特徴とする積層部材の連結構造。
構成1乃至3のいずれかに記載の積層部材の連結構造において、前記ボルト孔は、前記部材の対向面で、外に向かって広がるテーパ面を有することを特徴とする積層部材の連結構造。
構成1乃至4のいずれかに記載の積層部材の連結構造において、前記部材に設けられたナット埋め込み孔に対して、ボルト孔の軸の平行移動を可能にするように嵌め込まれたナットを設けることを特徴とする積層部材の連結構造。
構成1乃至4のいずれかに記載の積層部材の連結構造において、前記部材に設けられたナット埋め込み孔において、前記部材の対向面に垂直な軸に対して前記ボルト孔を揺動させるように可動に嵌め込まれた球面ナットを設けることを特徴とする積層部材の連結構造。
構成1乃至6のいずれかに記載の積層部材の連結構造において、前記部材間には、前記工具装着部とは別に、前記両部材間に一定の間隔を保持させるスペーサが挟み込まれ、そのスペーサは、いずれかの部材に一体化されていることを特徴とする積層部材の連結構造。
構成1乃至7のいずれかに記載の積層部材の連結構造において、前記部材間には、前記両部材間に設けられるべき一定の間隔に相当する厚みの第3の部材が挟み込まれ、その第3の部材には、前記両部材と第3の部材の接合面の位置決めをして互いに嵌り合う、突起もしくは凹部が設けられていることを特徴とする積層部材の連結構造。
〈構成9〉
構成1乃至6のいずれかに記載の積層部材の連結構造において、前記一対の逆ねじボルトの中間において、前記ねじの軸に垂直な断面から見て、ねじの外径を越えない形状であって、当該軸に対して非対称形に成型された成型軸部と、この成型軸部を包囲し、成型軸部の軸方向の移動を許容し軸回転を阻止する形状の貫通孔を有するスリーブを備えたことを特徴とする積層部材の連結構造。
構成3乃至6のいずれかに記載の積層部材の連結構造において、前記連結する部材間のスペーサとして機能する前記スリーブは、連結する部材とほぼ同一外形とされていることを特徴とする積層部材の連結構造。
構成1乃至10のいずれかに記載の積層部材の連結構造において、前記スペーサとして機能する工具装着部は、その全部または一部が弾性体により構成されていることを特徴とする積層部材の連結構造。
構成1乃至11のいずれかに記載の積層部材の連結構造において、前記逆ねじボルトには、軸方向に貫通する軸孔が設けられていることを特徴とする積層部材の連結構造。
工具装着部に工具を装着して、逆ねじボルトを両部材の対向面に設けたボルト孔にねじこむことにより、両部材を一気に連結一体化できる。例えば、部材側はタップ孔だけの簡単な構造ですむ。また、外部から連結構造自体を隠すことができる。
〈構成2の効果〉
両部材を予め一定の間隔で保持するために、工具装着部を所望のサイズに選定しておき、ボルトの締め付けと同時に部材間隔も正確に決まる。
〈構成3の効果〉
前記逆ねじボルトの軸方向の移動を許容し軸回転を阻止する形状の貫通孔を有するスリーブを使用すると、逆ねじボルトの長さやボルト孔の長さのばらつきにかかわらず、両部材をスペーサの間隔に保持して連結できる。
〈構成4の効果〉
ボルト孔が外に向かって広がるテーパ面を有していれば、逆ねじボルトの先端がボルト孔に入り易く、部材の連結作業が容易になる。
〈構成5の効果〉
部材にはナット埋め込み孔が設けられ、その中にナットが嵌め込まれ、ナットはボルト孔の軸の平行移動を可能にするように嵌め込まれていると、逆ねじボルトとの軸合わせが容易になる。
〈構成6の効果〉
ナット埋め込み孔においてナットが揺動するように嵌め込まれていると、部材の対向面に対して逆ねじボルトのねじ込み角度が多少傾斜していても、ねじ込みが可能になる。
〈構成7の効果〉
スペーサにより、両部材間の間隔を対向面全体に渡ってさらに正確に保持できる。
〈構成8の効果〉
両部材が、その間に挟み込まれた第3の部材と突起もしくは凹部により位置決めしながら嵌り合えば、逆ねじボルトを用いて一気に正確に第3の部材と両部材を連結できる。
〈構成9の効果〉
逆ねじボルトの中間を切削加工すると、ねじの外径を越えない形状の軸に非対称形の成型軸部を形成できる。ここに、中央を圧縮して成型軸部の軸回転を阻止する形状の貫通孔を有するスリーブを設ければ、逆ねじボルトとスリーブとが一体化して、部品管理が容易になる。
〈構成10の効果〉
スリーブが連結する部材とほぼ同一外形にされているので、部材間の連結部分が目立たず、連続的に見える。また、部材間の高強度の縦継ぎが可能になる。
〈構成11の効果〉
スペーサとして機能する工具装着部の全部または一部が弾性体で構成されていると、部材間の継ぎ目にクッション性が付与され、建材では耐震構造が可能になる。
〈構成12の効果〉
逆ねじボルトに軸方向に貫通する軸孔が設けられていれば、パイプの接続に利用することができる。
本発明では、図の(a)に示すように、一方に、右ねじ22を配置し他方に左ねじ24を配置し、回転軸を一致させて連結した逆ねじボルト20を使用する。逆ねじボルト20の中間には、六角ナット状の工具装着部26が設けられている。この逆ねじボルト20は、例えば、鋼材を切削加工して製造される。工具装着部26は溶接等で後付してもよい。工具装着部26は、スパナ等の工具を装着したときに軸回転のための回転力を逆ねじボルト20に伝達する機能を持つ。
上記のように、工具装着部26は、両部材12間に挟まれて一定の間隔を保持させるスペーサ31として機能する。例えば、図2の(a)と(b)は従来構造のもので、対向配置させた部材12にボルト孔を設けて、ボルト28を貫通させナット30で締め付け固定する。両部材12の間隔は、パイプ状のスペーサ31等により設定する。このような構造の場合には、部材12の両側にボルト等の部材が露出するから美観を損ねる場合がある。また(b)の例では、左側の部材にタップを切って、ボルト28を締め込むようにしている。それでも、外部のボルト28が露出する。
この例は、部材12が広い板状のものである場合に適する構造である。図(a)のように、両部材12間には、逆ねじボルト20とは別に、スペーサ34が挟み込まれる。スペーサ34は、いずれかの部材12に、例えば、接着等により予め一体化されている。部材12の対向面14上で、逆ねじボルト20から離れた場所にスペーサ34を配置すれば、出来上がった積層構造物の機械的な強度が上がり、平坦度も増す。また、両部材12間の間隔を対向面14全体に渡ってさらに正確に保持できる。
上記の例は、逆ねじボルト20の中間に工具装着部26を一体化した。上記の例の場合には工具装着部26のねじ長手方向のサイズにより、両部材12間の間隔が一意的に決まる。従って、要求される間隔に応じたサイズの工具装着部26を有する逆ねじボルト20を準備しなければならない。また、逆ねじボルト20の長さやボルト孔18の長さのばらつきがあったときには、右ねじ22あるいは左ねじ24の一方が完全にボルト孔18にねじ込まれない状態で、逆ねじボルト20が軸回転できなくなってしまうこともある。その場合、両部材12間の間隔に微妙に誤差ができる。しかも、工具装着部26と部材12の対向面14との間に隙間が生じて不具合が起きる。
上記のような逆ねじボルト20は、連結する部材12の対向面14に正確に向かい合わせにボルト孔18が配置されている場合に、簡単に締め付け処理ができる。しかし、締め付け作業前に両部材12の位置決めができていないと、例えば、図6の(a)に示すように一方のみがねじ込まれてしまうこともある。そこで、図6の(b)の実施例では、ボルト孔18に、部材12の対向面14で、外に向かって広がるテーパ面42を設けた。これにより、逆ねじボルト20の先端をボルト孔18の中心に合わせやすくなる。
図4の実施例の工具装着部26は、外周面が六角形のナット状のもので、スリーブ50には六角形の貫通孔が設けられていた。しかしながら、逆ねじボルト20をスリーブ50に挿入したときに、スリーブ50の貫通孔52内で逆ねじボルト20が軸回転しなければそれでよい。この実施例では、図7に示すように、右ねじ22と左ねじ24との中間に、A−A断面からみて非円形の断面を持つ縮径部25が設けられている。そして、全体として筒状のスリーブ56を被せて、その中間を圧縮している。スリーブ56の中央の圧縮部58は縮径部25を挟み込むようにしている。これにより、図4の実施例と同様に、スリーブ56は逆ねじボルト20に対して一定範囲で軸方向に自由に相対移動できる。また、スリーブ56の外周面を六角形のナット状のものにしておけば、スリーブ56をモンキースパナ等で回転させて、縮径部25を軸回転させることができる。また、スリーブ56の圧縮部58が縮径されているので、逆ねじボルト20がスリーブ56の貫通孔から抜け落ちないようになっている。
この実施例では、断面円形のロッドの連結に、上記の構造を使用している。即ち、端面を向かい合わせたロッド状の部材12には、それぞれ両端面に埋め込みナット16が埋め込まれている。スリーブ50のハンドル孔60に棒状の工具を差し込んで回転させることにより逆ねじボルト20を締め付ける。スリーブ50は連結するロッド間のスペーサとして機能する。スリーブ50が部材12とほぼ同一外形とされているので、連結部分が目立たず、連続的に見える。さらに、対向する部材12の間に、逆ねじボルト20の周囲の部材端面間の空隙を満たすような形状のスリーブ50を挟んで、逆ねじボルト20でその軸部を強く引き寄せて連結すると、高強度の連結構造を実現できる。従って、棒状体や柱状体の縦継ぎに広く利用できる。なお、これまでの実施例の工具装着部26はモンキースパナ等で回転させるものを例にして説明した。しかしながら、この実施例のようにハンドル孔60等を利用すると、スリーブ50の外形自由度が大きくなる。
図の(a)では、例えば、右ねじ22よりも左ねじ24の長さを2倍程度にしている。逆ねじボルト20をこのような構造にしておくと、施工準備の段階で一方の部材に破線Aの部分まで左ねじ24をねじ込んでおけば、もう一方の部材の位置合わせをしてただちに逆ねじボルト20の締め付け作業が開始できる。これで、複数の逆ねじボルト20を締め付けて連結をするようなときに、作業性が著しく向上する。
12 部材
14 対向面
16 埋め込みナット
18 ボルト孔
20 逆ねじボルト
22 右ねじ
24 左ねじ
25 縮径部
26 工具装着部
28 ボルト
30 ナット
31 スペーサ
32 パネル
34 スペーサ
36 第3の部材
38 突起
40 凹部
42 テーパ面
43 ナット
44 ナット埋め込み孔
48 球面ナット
50 スリーブ
52 貫通孔
56 スリーブ
58 圧縮部
60 ハンドル孔
62 金属部
64 ゴム部
65 軸孔
Claims (3)
- 互いに一面を対向させた2つの部材間に一定の間隔を保持させた状態で、両部材を連結固定するものであって、前記両部材のそれぞれで対向面に開口したボルト孔に対して、同一方向の軸回転により同時に両端がねじ込まれるように回転軸を一致させて連結された一対の逆ねじボルトと、これら一対の逆ねじボルトの中間に配置されて工具を装着したときに軸回転のための回転力を前記逆ねじボルトに伝達する工具装着部を備え、
前記工具装着部は、前記両部材間に挟まれて一定の間隔を保持させるスペーサとして機能し、
前記工具装着部は、前記逆ねじボルトを貫通させ、かつ、前記逆ねじボルトの前記中間において、軸方向の移動を許容し軸回転を阻止する形状の貫通孔を有するスリーブを備え、
前記部材に設けられたナット埋め込み孔に対して、前記ボルト孔の軸の平行移動を可能にするように嵌め込まれたナットを設けることを特徴とする積層部材の連結構造。 - 互いに一面を対向させた2つの部材間に一定の間隔を保持させた状態で、両部材を連結固定するものであって、前記両部材のそれぞれで対向面に開口したボルト孔に対して、同一方向の軸回転により同時に両端がねじ込まれるように回転軸を一致させて連結された一対の逆ねじボルトと、これら一対の逆ねじボルトの中間に配置されて工具を装着したときに軸回転のための回転力を前記逆ねじボルトに伝達する工具装着部を備え、
前記工具装着部は、前記両部材間に挟まれて一定の間隔を保持させるスペーサとして機能し、
前記工具装着部は、前記逆ねじボルトを貫通させ、かつ、前記逆ねじボルトの前記中間において、軸方向の移動を許容し軸回転を阻止する形状の貫通孔を有するスリーブを備え、
前記部材間には、前記工具装着部とは別に、前記両部材間に一定の間隔を保持させるスペーサが挟み込まれ、そのスペーサは、いずれかの部材に一体化されていることを特徴とする積層部材の連結構造。 - 互いに一面を対向させた2つの部材間に一定の間隔を保持させた状態で、両部材を連結固定するものであって、前記両部材のそれぞれで対向面に開口したボルト孔に対して、同一方向の軸回転により同時に両端がねじ込まれるように回転軸を一致させて連結された一対の逆ねじボルトと、これら一対の逆ねじボルトの中間に配置されて工具を装着したときに軸回転のための回転力を前記逆ねじボルトに伝達する工具装着部を備え、
前記工具装着部は、前記両部材間に挟まれて一定の間隔を保持させるスペーサとして機能し、
前記工具装着部は、前記逆ねじボルトを貫通させ、かつ、前記逆ねじボルトの前記中間において、軸方向の移動を許容し軸回転を阻止する形状の貫通孔を有するスリーブを備え、
前記スペーサとして機能する工具装着部は、その全部または一部が弾性体により構成されていることを特徴とする積層部材の連結構造。
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