JP5414612B2 - 鋳造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、冷却通路が形成された金属製の鋳型に溶湯を注湯することにより鋳造を行う鋳造方法に関する。
従来より、加熱保持炉に貯留されている溶湯表面に圧力を加え、ストーク等を介して前記加熱保持炉の上方に設けられた鋳型に溶湯を注湯することにより、アルミニウム製シリンダヘッドを鋳造する低圧鋳造方法が周知である(例えば、特許文献1参照)。そして、この特許文献1には、鋳型の内部に形成された冷却通路に冷却水を流通することにより溶湯を冷却している点が開示されている。
また、ダイカスト金型によるアルミニウム製品の製造工程において、冷却水の漏水が発生すると、アルミニウムと水との接触によってその後の製造工程に悪影響を及ぼすことが知られている(特許文献2参照)。
特開平11−216555号公報 特開2009−28774号公報
特許文献1では、鋳型内に溶湯を注湯する際に、冷却通路が熱膨張・熱収縮するために、該冷却通路内にクラックが発生することがある。そして、前記熱膨張・熱収縮が繰り返し行われることによって、該クラックが前記鋳型の表面にまで伸展すると、該クラックから漏水する可能性がある。つまり、該クラックの大きさが許容基準値以下である場合には漏水しないが、該クラックの大きさが許容基準値を超えている場合には漏水するおそれがある。該クラックから漏水があると、アルミニウムと水との接触によってその後の製造工程に悪影響を及ぼすことがある。
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、簡易な方法で鋳型の内部に形成された冷却通路に発生しているクラックの大きさが許容基準値を超えているか否かを検知することにより、該クラックから冷媒が漏出することを確実に防止することができる鋳造方法を提供することを目的とする。
[1] 本発明に係る鋳造方法は、金属製の鋳型の内部に形成された冷却通路に圧縮流体を導入する導入工程と、前記導入工程の後に行われ、前記冷却通路への圧縮流体の導入と前記冷却通路からの圧縮流体の排出とを遮断する遮断工程と、前記遮断工程の後に行われ、前記冷却通路内の圧縮流体の圧力を取得する取得工程と、前記取得工程で取得された圧力に基づいて前記冷却通路内に発生しているクラックの大きさが許容基準値を超えているか否かを判定する判定工程と、前記判定工程において、前記クラックの大きさが許容基準値以内であると判定された場合に、前記冷却通路に冷媒を流通すると共に、前記鋳型に溶湯を注湯する注湯工程と、を行うことを特徴とする。
このような方法によれば、遮断工程において、冷却通路に圧縮流体を導入した後に、該冷却通路への圧縮流体の導入と前記冷却通路からの圧縮流体の排出を遮断しているので、該冷却通路に鋳型の表面にまで達するクラックが発生していた場合には、該クラックから圧縮流体が漏出し、該冷却通路内の圧縮流体の圧力が低下することとなる。つまり、冷却通路内の圧縮流体の圧力に基づいてクラックの大きさを知ることができる。
そして、判定工程において、取得工程で取得された冷却通路内の圧縮流体の圧力に基づいてクラックの大きさが許容基準値以内にあるか否かを判定しているので、その判定結果が肯定判定であった(クラックの大きさが許容基準値以内である)場合に、該冷却通路に冷媒を流通すると共に鋳型に溶湯を注湯し、該判定結果が否定判定であった(クラックの大きさが許容基準値を超えている)場合に、例えば、冷却通路からの冷媒の漏出を防止する対策を採ることが可能となる。よって、簡易な方法で冷却通路から冷媒が漏出することを確実に防止することができる。従って、溶湯にアルミニウムを利用した場合には、アルミニウムと水との不測の接触を確実に回避することができる。
[2] 本発明において、前記取得工程で取得された圧力に基づいて、前記冷却通路内の圧力低下率を算出する算出工程をさらに行い、前記判定工程は、前記算出工程で算出された圧力低下率が予め設定された閾値よりも小さい場合に前記クラックの大きさが許容基準値以下であると判定し、該圧力低下率が該閾値以上である場合に前記クラックの大きさが許容基準値を超えていると判定することを特徴とする。
クラックの大きさが大きいほど、所定時間当たりの圧縮流体の漏出量も多くなるため、冷却通路内の圧縮流体の圧力低下率も大きくなる傾向にある。そのため、前記圧力低下率を利用して、該クラックの大きさが許容基準値を超えているか否かを好適に判定することができる。
[3] 本発明において、前記導入工程、前記遮断工程、及び前記判定工程は、前記注湯工程を行う毎に行われることを特徴とする。これにより、例えば、今回の注湯工程で冷却通路のクラックの大きさが許容基準値を超えた場合であっても、次回の注湯工程を行う前にそれを検知して該注湯工程を行わないようにすることができるので、冷却通路に発生しているクラックから冷媒が漏出することを一層確実に防止することができる。
[4] 本発明において、前記鋳型内には、入子が設けられており、前記入子の内部には、前記冷却通路が形成されていることを特徴とする。これにより、冷却通路のうち入子の内部に位置する部位に発生するクラックからの冷媒の漏出に対しても好適に防止することができる。
[5] 本発明において、前記圧縮流体の粘性率は、前記注湯工程で使用される冷媒の粘性率以下に設定されていることを特徴とする。これにより、圧縮流体の粘性率を冷媒の粘性率よりも大きくした場合と比較して、冷却通路内の圧縮流体の圧力変化速度を速めることができるので、クラックからの冷媒の漏出検査を効率的に行うことができる。
以上説明したように、本発明によれば、判定工程において、取得工程で取得された冷却通路内の圧縮流体の圧力に基づいてクラックの大きさが許容基準値を超えているか否かを判定しているので、その判定結果が肯定判定であった場合に、該冷却通路に冷媒を流通すると共に鋳型に溶湯を注湯し、該判定結果が否定判定であった場合に、例えば、冷却通路からの冷媒の漏出を防止する対策を採ること可能となる。よって、簡易な方法で冷却通路から冷媒が漏出することを確実に防止することができる。
本実施形態に係る鋳造方法に用いられる鋳造装置の図2のI−I線に沿った縦断面図である。 前記鋳造装置を構成する下型及び燃焼室中子の平面説明図である。 図2のIII−III線に沿った断面図である。 貯留部材の斜視図である。 冷却通路に発生するクラックのモデルを示す断面図である。 本実施形態に係る鋳造方法の手順を示したフローチャートである。 クラックが発生している冷却通路内の圧縮空気の圧力変化を示すグラフである。
以下、鋳造方法について、それを実施する鋳造装置との関係で好適な実施形態を例示し、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
鋳造装置10は、例えば、直列3気筒型のアルミニウム製のシリンダヘッドを鋳造するための装置であり、図1に示すように、溶湯17を貯留するための溶湯炉12と、溶湯炉12の上部に設けられたベース部14と、ベース部14の上部に設けられた金属製の鋳型16と、溶湯炉12に貯留されている溶湯17を鋳型16に注湯するための注湯部材18と、鋳型16内の溶湯17を冷却するための冷却機構20(図2及び図3参照)と、制御部22(図3参照)とを備えている。なお、溶湯17としては、例えば、アルミニウム溶湯が用いられる。
溶湯炉12は箱型に形成されており、ベース部14には、注湯部材18が配置される凹部24が形成されている。注湯部材18は、凹部24から溶湯炉12内まで延びた第1ストーク26と、第1ストーク26の上端部と鋳型16の下端部とに固着する第2ストーク28とを有している。なお、図1から諒解されるように、第1ストーク26の内径は、一定に設定されており、第2ストーク28の内径は、鋳型16(上方)に向かうに従って拡径している。
鋳型16は、ベース部14の上部に設けられた下型30と、下型30の上部に設けられた中間型32と、中間型32の上部に設けられた上型34とを有している。
中間型32には、シリンダヘッド成形用のキャビティ36が形成されている。また、上型34には、キャビティ36内に配置可能なように、複数のプラグ差込用入子38(図1では1つのみ示している)と複数の鋳抜ピン40、40(図1では2つのみ示している)とが設けられている。なお、上型34に設けられる入子の種類としては、プラグ差込用入子38に限らず種々のものを用いることができる。
図2に示すように、下型30は、平面視で長方形状に形成されている。また、図1〜図3に示すように、下型30には、下型30の長手方向に一列に並んで配置された複数(図2及び図3では3つ)の燃焼室形成用入子42、42、42と、燃焼室形成用入子42、42、42のそれぞれを下型30に固定するための固定部材44、44、44(図3参照)とが設けられると共に、燃焼室形成用入子42、42、42の周囲に第2ストーク28とキャビティ36とを連通する複数(図2では8つ)の注湯用貫通孔46が形成されている。
図3に示すように、各固定部材44は、ねじ部48を有し、且つ下型30の下面から燃焼室形成用入子42の下部にねじ込まれている。これにより、燃焼室形成用入子42、42、42が下型30に好適に固定されることとなる。なお、固定部材44は、ねじ込みによるものに限らず、種々の構成を採用することができる。
また、図1、図3及び図4に示すように、下型30の下面には、後述する冷却通路64から下型30の下面に漏出する冷却水を貯留可能な貯留部材50が設けられている。
貯留部材50には、固定部材44、44、44と対向する位置に配置された円柱状の凹部52、52、52と、凹部52、52、52に貯留された冷却水を外部に排出するための排水路54とが形成されている。図4から諒解されるように、排水路54は、各凹部52の底面を縦断するように形成された排水溝56、56、56と、排水溝56、56、56同士を結ぶ第1貫通孔58、58と、最も端に位置する溝部の排水溝56から貯留部材50の外面に開口する第2貫通孔60とを有している。なお、図3に示すように、第2貫通孔60の端部には、第2貫通孔60の排水を外部に導く外部通路62が接続されている。
図2及び図3に示すように、冷却機構20は、下型30及び燃焼室形成用入子42、42、42の内部に形成された冷却通路64と、冷却通路64に冷媒としての冷却水を供給するための減圧冷却部66と、減圧冷却部66から導かれる冷却水を冷却通路64に導く導入通路68と、冷却通路64から排出される冷却水を減圧冷却部66に導く排出通路70とを有している。
冷却通路64は、各燃焼室形成用入子42の略中央を通るように下型30を横断している。なお、図3から諒解されるように、各燃焼室形成用入子42には、冷却通路64を流通する冷却水が外部に漏れることを防止するための環状シール部材72、72が設けられている。減圧冷却部66には、導入通路68、冷却通路64、及び排出通路70内の冷却水を一時的に貯留可能な貯留タンク74が設けられている。以下の説明において、導入通路68、冷却通路64、及び排出通路70を併せて冷却水循環通路76と称することがある。
図3に示すように、導入通路68には、圧縮空気供給源78から導かれた圧縮流体としての圧縮空気が流通する圧縮空気供給通路80が接続している。そして、導入通路68と圧縮空気供給通路80との接続部には、冷却水を冷却通路64に導入する第1の位置と、圧縮空気を冷却通路64に導入する第2の位置とに切り替え可能な流路切替弁82が設けられている。
また、導入通路68のうち、流路切替弁82と冷却通路64との間には第1開閉弁84が設けられ、排出通路70には第2開閉弁86が設けられている。なお、第1及び第2開閉弁84、86は、冷却通路64の近傍(例えば、下型30から1[cm]〜10[cm]の範囲)に位置している。排出通路70のうち第2開閉弁86と冷却通路64との間には、冷却通路64内の流体(圧縮空気)の圧力(ゲージ圧力)に対応した信号を出力する圧力センサ88が設けられている。
制御部22は、冷却水制御部90、圧縮空気制御部92、流路切替弁制御部94、第1開閉弁制御部96、第2開閉弁制御部98、記憶部100、算出部102、比較部104、及び判定部106を有している。
冷却水制御部90は、減圧冷却部66を制御して、冷却通路64に冷却水を供給したり、冷却水循環通路76内の冷却水を貯留タンク74に貯留したりする。圧縮空気制御部92は、圧縮空気供給源78を制御して、圧縮空気供給通路80に圧縮空気を供給する。
流路切替弁制御部94は、流路切替弁82を第1の位置と第2の位置とに切り替え制御する。第1開閉弁制御部96は、第1開閉弁84を開閉し、第2開閉弁制御部98は、第2開閉弁86を開閉する。
記憶部100には、閾値としての設定圧力低下率ΔP0が記憶されている。設定圧力低下率ΔP0は、予め実験により設定される。具体的には、設定圧力低下率ΔP0としては、許容基準値の大きさのクラックCrが発生している冷却通路64に圧縮空気を導入し、第1及び第2開閉弁84、86を閉じた状態での冷却通路64内の圧縮流体の圧力低下率が用いられる。
ここで、許容基準値の大きさのクラックCrとは、冷却通路64内に冷却水を導入した際に、クラックCrから漏水する危険性のある大きさのクラックCrのことをいう。なお、この許容基準値には、安全率が考慮されている。また、圧力低下率とは、所定時間当たりに低下する圧力をいう。さらに、所定時間は、任意に設定してよい。
なお、クラックCrの大きさは、冷却通路64に開口している部分(クラック開口部)の面積で定めることができる。つまり、図5に示すように、例えば、クラック開口部が矩形状(長さ:a[mm]、幅b[mm])のモデルを考えるとすると、クラックCrの大きさ(クラック開口部の面積)は、ab[mm]となる。
算出部102は、圧力センサ88の出力信号に基づいて冷却通路64内の圧縮空気の圧力低下率ΔP1を算出する。比較部104は、算出部102で算出された圧力低下率ΔP1と設定圧力低下率ΔP0とを比較する。判定部106は、比較部104の比較結果に基づいて冷却通路64に発生しているクラックCrの大きさが許容基準値を超えているか否かを判定する。
次に、上述した鋳造装置10を用いた鋳造方法について、図6を参照しながら説明する。
先ず、冷却水制御部90は、減圧冷却部66を制御して、冷却水循環通路76内の冷却水を貯留タンク74に貯留することにより、冷却水循環通路76内の冷却水を除去する(図6のステップS1)。冷却水を貯留タンク74に導く方法は、任意の方法を採用することができる。例えば、吸水ポンプを利用してもよいし、圧縮空気供給源78の圧縮空気を利用してもよい。
続いて、第1開閉弁制御部96は第1開閉弁84を開くと共に、第2開閉弁制御部98は第2開閉弁86を閉じる(ステップS2)。また、流路切替弁制御部94は、流路切替弁82を第2の位置にする(ステップS3)。
その後、圧縮空気制御部92は、圧縮空気供給源78を制御して冷却通路64に圧縮空気を導入する(ステップS4)。このとき、上述したように、第2開閉弁86を閉じているので、冷却通路64内の圧縮空気の圧力が次第に高くなり、やがて基準圧に達することとなる(ステップS5)。なお、基準圧は、任意に設定してよく、例えば、ゲージ圧力として100[kPa]に設定すればよい。
そして、冷却通路64内の圧縮空気の圧力が基準圧に達すると、第1開閉弁制御部96は、第1開閉弁84を閉じる(ステップS6)。これにより、冷却通路64への圧縮空気の導入と冷却通路64からの圧縮空気の排出が遮断されるので、冷却通路64に下型30(燃焼室形成用入子42、42、42)の表面にまで達するクラックCrが発生していた場合には、クラックCrから圧縮空気が漏出し、冷却通路64内の圧縮空気の圧力が低下することとなる。
また、このとき、算出部102は、圧力センサ88の出力信号に基づいて冷却通路64内の圧縮空気の圧力低下率ΔP1を算出する(ステップS7)。なお、圧縮空気制御部92は、圧縮空気供給源78を停止する。
続いて、比較部104は、算出部102にて算出された圧力低下率ΔP1と記憶部100に記憶されている設定圧力低下率ΔP0とを比較する(ステップS8)。圧力低下率ΔP1が設定圧力低下率ΔP0以上であった場合(ΔP1≧ΔP0)、判定部106は、冷却通路64に発生しているクラックCrの大きさが許容基準値を超えていると判定する(ステップS9)。
この場合には、中間型32のキャビティ36内への溶湯17の注湯を行わない(ステップS10)。これにより、簡易な方法で冷却通路64に発生しているクラックCrから漏水することを確実に防止することができる。具体的には、冷却通路64のうち、下型30の内部に位置する部位や燃焼室形成用入子42、42、42の内部に位置する部位に発生するクラックCrから漏水することを確実に防止することができる。よって、冷却通路64のクラックCrから注湯用貫通孔46に漏水して溶湯(アルミニウム溶湯)17と水との不測の接触を確実に回避することができる。なお、この段階で、今回の鋳造方法の手順は終了する。
一方、圧力低下率ΔP1が設定圧力低下率ΔP0よりも小さい場合(ΔP1<ΔP0)、判定部106は、冷却通路64に発生しているクラックCrの大きさが許容基準値以下であると判定する(ステップS11)。なお、このとき、制御部22は、図示しない排気弁を開き、冷却通路64内の圧縮空気を外部に排気する。
そして、流路切替弁制御部94は、流路切替弁82を第1の位置にする(ステップS12)。また、第1開閉弁制御部96は第1開閉弁84を開くと共に、第2開閉弁制御部98は第2開閉弁86を開く(ステップS13)。これにより、減圧冷却部66から導かれる冷却水を冷却水循環通路76内に循環させることが可能となる。
続いて、冷却水制御部90は、冷却通路64に冷却水を導入する(ステップS14)。また、溶湯炉12に貯留されている溶湯17の表面を押圧することにより、溶湯炉12内の溶湯17を第1ストーク26、第2ストーク28、注湯用貫通孔46を介して中間型32のキャビティ36内に注湯する(ステップS15)。その後、キャビティ36内の溶湯17が固化して形成される鋳物を中間型32から鋳抜きする。これにより、シリンダヘッドが鋳造されるに至る。
次に、制御部22は、シリンダヘッドの鋳造を続けて行うか否かを判断する(ステップS16)。鋳造を続けて行う場合(ステップS16:Yes)には、上述したステップS1〜ステップS15までの工程が行われる。これにより、今回の鋳造時にクラックCrの大きさが許容基準値を超えた場合であっても、次回の鋳造を行う前にそのことを検知して鋳造を行わないことができるので、冷却通路64に発生しているクラックCrからの漏水を一層確実に防止することができる。
一方、鋳造を続けて行わない場合(ステップS16:No)には、この段階で今回の鋳造方法の手順は終了する。
次に、クラックCrが発生している冷却通路64内の圧縮空気の圧力低下率について、図7のグラフを参照しながら説明する。図7は、クラックCrが発生している冷却通路64内の圧縮空気の圧力変化(圧力センサ88の測定圧力の変化)を示しており、横軸が検知時間(測定時間)を、縦軸が圧力センサ88の測定圧力(ゲージ圧力)をそれぞれ示している。また、図7において、線分A〜線分Dは、クラックCrの大きさ(クラック開口部の面積)がそれぞれ異なっており、点線分Eは、上述した基準圧を示している。ここでは、線分A、線分B、線分C、線分Dの順にクラック開口部の面積が大きくなっている。
図7から諒解されるように、線分A〜線分Dにおいて、冷却通路64内のゲージ圧力は、基準圧よりも幾らか高い圧力から、時間が経過するに従って基準圧を跨いで低下している。なお、ゲージ圧力が基準圧力よりも高くなっているのは、冷却通路64内の圧縮空気が前回の鋳造時に生じた鋳型16の余熱によって加熱されたためである。
そして、圧力低下率は、冷却通路64内のゲージ圧力が基準圧力に達してから計算が開始される。つまり、図7の線分Aを例にとると、ゲージ圧力の測定を開始してから時間Taが経過した後からの圧力低下率が用いられる。これにより、鋳型の余熱による誤差を少なくすることができる。
本発明は上記実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の鋳造方法を採り得ることは当然可能である。
上記実施形態においては、圧力低下率に基づいてクラックCrの大きさが許容基準値を超えているか否かを判定しているが、例えば、冷却通路64内に圧縮空気を導入した状態で冷却通路64からの圧縮空気の導入と冷却通路64からの圧縮空気の排出を遮断してから所定時間経過後の圧力センサ88の出力信号(ゲージ圧力)に基づいてクラックCrの大きさが許容基準値を超えているか否かを判定してもよい。
また、冷却通路64に導入する圧縮流体は、圧縮空気に限らず、任意の流体を用いることができる。例えば、前記圧縮流体として冷却水を利用することも可能である。但し、この場合、クラックCrから漏水した冷却水が、注湯用貫通孔46、第2ストーク28、及び第1ストーク26の壁面等を伝って、溶湯炉12内に入り込むことを阻止する機構を鋳造装置10に設けることが好ましい。
なお、該圧縮流体の粘性率は、鋳造時に用いられる冷却水の粘性率よりも小さく設定するとよい。これにより、圧縮流体の粘性率を冷却水の粘性率よりも大きくした場合と比較して、冷却通路内のゲージ圧力の変化速度を速めることができるので、冷却通路のクラックの漏水検査を効率的に行うことができる。
10…鋳造装置 16…鋳型
17…溶湯 18…注湯部材
20…冷却機構 22…制御部
30…下型 32…中間型
34…上型 36…キャビティ
42…燃焼室形成用入子 44…固定部材
50…貯留部材 64…冷却通路
66…減圧冷却部 68…導入通路
70…排出通路 76…冷却水循環通路
78…圧縮空気供給源 80…圧縮空気供給通路
82…流路切替弁 84…第1開閉弁
86…第2開閉弁 88…圧力センサ
90…冷却水制御部 92…圧縮空気制御部
94…流路切替弁制御部 96…第1開閉弁制御部
98…第2開閉弁制御部 100…記憶部
102…算出部 104…比較部
106…判定部

Claims (4)

  1. 金属製の鋳型の内部に形成された冷却通路に圧縮流体を導入する導入工程と、
    前記導入工程の後に行われ、前記冷却通路への圧縮流体の導入と前記冷却通路からの圧縮流体の排出とを遮断する遮断工程と、
    前記遮断工程の後に行われ、前記冷却通路内の圧縮流体の圧力を取得する取得工程と、
    前記取得工程で取得された圧力に基づいて、前記冷却通路内の圧力が基準圧力に達してからの当該冷却通路内の圧力低下率を算出する算出工程と、
    前記算出工程で算出された圧力低下率が予め設定された閾値以上である場合にクラックの大きさが許容基準値を超えていると判定し、該圧力低下率が該閾値よりも小さい場合に前記クラックの大きさが前記許容基準値以下であると判定する判定工程と、
    前記判定工程において、前記クラックの大きさが前記許容基準値以であると判定された場合に、前記冷却通路に冷媒を流通すると共に、前記鋳型に溶湯を注湯する注湯工程と、を行い、
    前記導入工程、前記遮断工程、前記取得工程、前記算出工程及び前記判定工程は、前記注湯工程を行う毎に行われる、
    ことを特徴とする鋳造方法。
  2. 請求項1記載の鋳造方法において、
    前記注湯工程では、前記冷却通路から前記冷媒が漏出した場合に当該冷媒を貯留部材で貯留して外部に排出する、
    ことを特徴とする鋳造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の鋳造方法において、
    前記鋳型内には、入子が設けられており、
    前記入子の内部には、前記冷却通路が形成されていることを特徴とする鋳造方法。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の鋳造方法において、
    前記圧縮流体の粘性率は、前記注湯工程で使用される冷媒の粘性率以下に設定されていることを特徴とする鋳造方法。
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