JP5414424B2 - 目的物質の検出方法、及び目的物質を検出するためのクロマトグラフィー用試験キット - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、標識成分として蛍光物質を用いた免疫クロマトグラフ法が記載されている。また、特許文献2には、標識成分として化学発光物質であるアクリニジウムを用いた抗体検出法が記載されている。
しかしながら、上記の方法では市場が求めている検出感度まで到達できていなかった。
(1)目的物質に結合する捕捉物質が固定化された検出領域を有するクロマトグラフィー用試験具を用いて、試料中に含まれる目的物質を検出する方法であって、試料と、目的物質に結合する酵素標識物質とを混合する混合工程;混合工程で得られた混合液をクロマトグラフィー用試験具で検査し、検出領域の捕捉物質で目的物質を捕捉する捕捉工程;
捕捉工程の後、クロマトグラフィー用試験具の検出領域にアニオン性界面活性剤を含む試薬を接触させるために、アニオン性界面活性剤を含む試薬をクロマトグラフィー用試験具に添加する添加工程;発光基質と、検出領域の捕捉物質に目的物質を介して結合している酵素標識物質の酵素とを反応させる反応工程;及び反応工程により検出領域から生じる発光を検出することにより、試料中に含まれる目的物質を検出する検出工程;を含む目的物質の検出方法;
(2)アニオン性界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、n−デシル硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、1−ドデカンスルホン酸ナトリウム、p−オクチルベンゼンスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、1−デカンスルホン酸ナトリウム、硫酸ナトリウムオクタン-1-イル、及びPOE(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムから選択される、(1)に記載の方法;
(3)添加工程が、アニオン性界面活性剤を含む試薬を、クロマトグラフィー用試験具を用いて展開することにより、アニオン性界面活性剤をクロマトグラフィー用試験具の検出領域に添加する工程である、(1)又は(2)に記載の方法;
(4)アニオン性界面活性剤を含む試薬は、緩衝剤をさらに含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法;
(5)試薬に含まれるアニオン性界面活性剤の濃度が0.0001〜0.1重量%である、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法;
(6)発光基質がジオキセタン類である、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法;
(7)酵素標識物質の酵素がアルカリホスファターゼである、(1)〜(6)のいずれかに記載の方法;
(8)捕捉物質が抗体であり、酵素標識物質が酵素標識抗体である(1)〜(7)のいずれかに記載の方法;
(9)検出工程は、検出領域から生じる発光の発光強度を測定することにより、試料中に含まれる目的物質を定量する工程である(1)〜(8)のいずれかに記載の方法;
(10)クロマトグラフィー用試験具は、ラテラルフロー式クロマトグラフィー用試験具、又はフロースルー式クロマトグラフィー用試験具である(1)〜(9)のいずれかに記載の方法;
を提供するものである。
試料中に目的物質が含まれている場合、目的物質は酵素標識物質と複合体を形成する。
ここで、ラテラルフロー式クロマトグラフィーとは、捕捉物質が固定化された検出領域を含むメンブレンに試料を滴下し、試料をメンブレンに対して平行に展開させることで、検出領域に捕捉された目的物質を検出する方法である。一方、フロースルー式クロマトグラフィーとは、目的物質を捕捉するための捕捉物質を表面に固定化させたメンブレンに、目的物質を含む試料を滴下し、試料をメンブレンに対して垂直に通過させることで膜表面に捕捉された目的物質を検出する方法である。いずれの方法においても、捕捉された目的物質は酵素標識物質によって標識されている。この酵素標識物質の酵素と後述する発光基質との反応により生じる発光により、目的物質を検出することができる。
アニオン性界面活性剤を含む試薬を、クロマトグラフィー用試験具で展開することにより、試薬を検出領域に添加することができる。また、アニオン性界面活性剤を含む試薬を、クロマトグラフィー用試験具の検出領域に滴下することで、試薬を検出領域に添加することもできる。さらに、混合液を展開した後のクロマトグラフィー用試験具を、アニオン性界面活性剤を含む試薬に浸すことにより、試薬を検出領域に添加することもできる。これらの中で、アニオン性界面活性剤を含む試薬を添加する方法としては、アニオン性界面活性剤を含む試薬を、クロマトグラフィー用試験具で展開する方法が好ましい。特に、アニオン性界面活性剤を含む試薬が緩衝剤をさらに含む場合、標識物質-目的物質-捕捉物質が発光する環境を整え、さらに後述するクロマトグラフィー用試験具の洗浄を同時に行うことができるため、より好ましい。
ここで、発光が検出された場合、目的物質が検出されたと判定することができる。また、検出された発光の発光強度を測定することにより、試料中に含まれる目的物質を定量することもできる。目的物質の定量に際しては、検量線を用いることが好ましい。発光強度を測定する方法としては、公知の装置を利用して測定することができる。具体的な装置としては、Typhoon(GEヘルスケア・ジャパン社製、LAS4000(FUJIFILM社製)等が挙げられる。
試験具1は、図1に示すように、表面に粘着層を有するプラスチック板からなる基材2上に、レーヨンの不織布からなる試料添加部材3と、ニトロセルロースの多孔体からなるクロマト用膜担体4と、セルロースの不織布からなる吸収部材5とを備える。
試料添加部材3には試料が添加される。試料としては、上述の試料を用いることができる。試料添加部材3としては、レーヨンの不織布以外にも、例えば、コットン、グラスファイバー、セルロースファイバーなどの材質のものを用いてもよい。
吸収部材5は、クロマト用膜担体4と接触するように配置されており、過剰試料を吸収するためのものである。吸収部材5は、液体を速やかに吸収し、保持できる材質のものであればよく、コットン、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなる不織布を使用することができる。
作製した混合液を試験具1の試料添加部材3に添加すると、混合液は、試料添加部材3からクロマト用膜担体4に展開される。試料中に目的物質が含まれていると、検出部4Aに固定された捕捉物質は、目的物質と酵素標識物質との複合体を捕捉する。
混合液を添加して1分ほど静置した後、試料添加部材3にアニオン性界面活性剤を含む洗浄液を添加する。添加された洗浄液は、クロマト用膜担体4に展開され、検出部4Aと接触する。
洗浄液を添加して1分ほど静置した後、発光基質を検出部4Aに添加する。このとき、検出部4Aの捕捉物質が複合体を捕捉している場合、発光基質と、複合体中の酵素標識物質の酵素とが反応することにより、発光を生じる。
発光基質を添加後、発光検出装置(Typhoon(GEヘルスケア・ジャパン社製))にて発光を検出する。この発光を検出することにより、目的物質を検出することができる。また、検出した発光の発光強度を測定し、検量線を用いることにより目的物質の定量を行うことができる。
また、上記実施形態では発光基質を検出部4Aに添加したが、試料添加部材3に発光基質を添加して展開させてもよいし、クロマト用膜担体4に発光基質を直接添加して展開してもよい。
図2に示すように、試験具1をケース10に収容することにより、試験具1の各部材から試料が漏れ出ることを防止でき、衛生的に試料中に含まれる目的物質の検出を行うことができる。加えて、ケース10に設けられた複数の開口によって、試料に含まれる液体成分が蒸発し易くなり、試料の展開が促進される。
以下、図を参照しながら、フロースルー式クロマトグラフィー用試験具について説明する。
クロマト用膜担体34はカバー部材32と接触するように配置され、検出部34Aを有する。検出部34Aには、目的物質に対して特異的に結合可能な捕捉物質がライン状に固定されている。
まず、試料と酵素標識物質とを混合し、混合液を作製する。このとき、試料中に目的物質が含まれている場合、目的物質と酵素標識物質は結合し複合体を形成する。作製した混合液を試験具31の開口部33に添加し、この状態で、20分程度放置する。このとき混合液が膜担体34を通過し、その下層に配置された吸収部材35によって吸収される。試料中に目的物質が含まれていると、膜担体34の検出部34Aに固定された捕捉物質が、目的物質と酵素標識物質との複合体を捕捉する。次にアニオン性界面活性剤を含む洗浄液を開口部33に添加する。添加された洗浄液は、検出部34Aと接触する。洗浄液を添加後、発光基質を検出部34Aに添加する。このとき検出部34Aの捕捉物質が複合体を捕捉している場合、発光基質と、複合体中の酵素標識物質の酵素とが反応し、発光を生じる。
発光基質を添加後、発光検出装置(Typhoon(GEヘルスケア・ジャパン社製))にて発光を検出する。この発光を検出することにより、目的物質を検出することができる。また、検出した発光の発光強度を測定し、検量線を用いることにより目的物質の定量を行うことができる。
また、第一試薬容器41には、前処理用試薬をさらに含むこともできる。このように構成することにより、前処理が必要である試料であっても、検体の前処理と酵素標識を同時に行うことができる。前処理用試薬としては、上記試料から目的物質を抽出できるものであればよく、例えば、界面活性剤を含有する緩衝液が用いられる。
第3試薬容器43に収容されている発光基質は、基質が温度や光により失活するおそれがある。よって保存の形態としては、遮光容器で冷蔵保存(2〜8℃)することが好ましい。
試料を展開した後にアニオン性界面活性剤を添加したときの発光の検出感度について調べた。
(1)試験具の作製
HBs抗体を用いて、図1に示されるようなラテラルフロー式クロマトグラフィー用試験具を作製した。
まず、ニトロセルロースメンブレンからなるクロマト用膜担体の検出部に、リン酸緩衝液(pH7.0)で2mg/mLの濃度になるように希釈したHBs抗体を含むHBs抗体液を、抗体塗布機(BioDot社製)を用いて1.0mm幅で塗布し、50度で30分間乾燥させた。乾燥後のクロマト用膜担体を、BSAを含有するリン酸緩衝液(pH7.0)に浸漬し、クロマト用膜担体上の検出部にHBs抗体を固定した。その後、リン酸緩衝液(pH7.0)で洗浄し、40℃120分間乾燥させ、HBs抗体が固着されたクロマト用膜担体を得た。
(2)アルカリホスファターゼ標識抗HBs抗体液の作製
ALP標識抗HBs抗体液を20μL調製した。組成は以下の通りである。
「ALP標識抗HBs抗体液」
MES 4.25g/L(pH6.5)
MgCl2・6H2O 0.04g/L
塩化ナトリウム 1.75g/L
BSA 0.20g/L
カゼインナトリウム 1g/L
ALP標識抗体混合液 3mL/L
上記のALP標識抗体混合液の調製は、上記のHBs抗体を、EMCS(同仁化学研究所製)を用いてALP標識した。得られたALP標識化抗HBs抗体を0.3U/mLになるように、MES緩衝液(pH6.5)に溶解し、これをALP標識抗体混合液とした。
(3)試料の展開
目的物質として、HBs抗原(濃度0.1IU/mL)を用いた。
上記で調製したALP標識抗HBs抗体液20μLとHBs抗原70μL(0.1IU/mL)とを混合し、HBs抗原とALPとの複合体を含む混合液を作製した。
そして、作製した混合液をクロマトグラフィー用試験具に展開させた。
(4) アニオン性界面活性剤を含む洗浄液の調製
アニオン性界面活性剤を含む洗浄液を下記組成にて調製した。
<洗浄液の組成>
50mM TAPS(pH8.5)
3mM MgCl2・6H2O
アニオン性界面活性剤(0.005%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBS))
この洗浄液50μLをクロマトグラフィー用試験具に対して2回展開させて洗浄した。
(5)発光の検出
洗浄液を展開後、クロマト用膜担体の検出部に発光基質50μLを添加した。発光基質として、CDP−star(登録商標)(Applied Biosystems社製)を用いた。
添加後、Typhoon(GEヘルスケア・ジャパン社製)を用いて発光を検出した。検出方法については、Typhoonの取扱説明書に沿って行った。
なお、(3)の工程において、HBs抗原の濃度を、0IU/mL、0.0031IU/mL、0.0063IU/mL、0.0125IU/mL、0.025IU/mL、0.05IU/mL、0.5IU/mL、1IU/mL、10IU/mLに変えた場合の発光についても上記と同様にして検出した。
実施例1(4)の洗浄液において、アニオン性界面活性剤を添加せず、実施例1(3)の混合液にアニオン性界面活性剤を添加したときの発光の検出感度を調べた。
(1)試験具の作製
実施例1の(1)と同様
(2)アルカリホスファターゼ標識抗HBs抗体液の作製
実施例1の(2)と同様
(3)目的物質の展開
目的物質として、HBs抗原(濃度0.1IU/mL)を用いた。(2)で調製したALP標識抗HBs抗体液20μLとHBs抗原70μLとを混合し、HBs抗原とALPとの複合体を含む混合液を作製した。
この混合液にアニオン性界面活性剤であるDBSを濃度が0.005%となるように添加した。そして、DBSを添加した混合液をクロマトグラフィー用試験具に展開させた。
(4)洗浄液の調製
DBSを添加した混合液を展開させた後に、クロマトグラフィー用試験具を洗浄するための洗浄液を下記組成にて調整した。
<洗浄液の組成>
50mM TAPS(pH8.5)
3mM MgCl2・6H2O
この洗浄液50μLをクロマトグラフィー用試験具に対して2回展開させた。
(5)発光の検出
実施例1の(5)と同様の操作を行った。
なお、(3)で添加したDBSの濃度を0%、0.01%、0.025%、0.05%に変更した場合の検出感度、及びHBs抗原の濃度を0.5IU/mLに変更した場合の検出感度についても上記と同様にして調べた。
図5は、実施例1の発光を検出した結果を示す写真である。図5より、DBSを添加した系では、目的物質(HBs抗原)の濃度が0.0063IU/mLまで、目的物質を検出可能であった。それに対して、DBSを添加しない系では、目的物質の濃度が、0.025IU/mLまでしか検出できなかった。よって、試料を展開した後にアニオン性界面活性剤を添加した液で洗浄すると、発光強度が高まり、目的物質の検出感度が高まることが示唆された。
図6は、比較例1の発光を検出した結果を示す写真である。図6より、混合液中にDBSを添加したサンプルNo1〜4、7〜10においては、DBSを添加していないサンプルNo.5あるいはNo.11と検出感度に差が見られなかった。このことから、展開させる試料中にアニオン性界面活性剤を添加しても、発光強度に差はみられず、検出感度は変わらないことが示唆された。
以上より、目的物質と酵素標識物質との複合体を含む試料を展開した後に、アニオン性界面活性剤を添加した液で洗浄することによって、発光強度が高まり、目的物質の検出感度が高まることが示唆された。
様々な種類の界面活性剤を用いた場合の検出感度について検討した。
使用した界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(ニッコールBL−25:日光ケミカルズ製)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(NP−40:ナカライテスク製)、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(ニッコールHS−240:日光ケミカルズ製)、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体(ユニルーブ70DP−950:日油製)、及びドデシルマルトシド(DM:同仁化学製)、カチオン性界面活性剤として、ミリスチルトリメチルアンモニウムブロマイド(MTAB:和光純薬製)、アニオン性界面活性剤として、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS:ナカライテスク製)、両性界面活性剤としてコール酸誘導体(CHAPS:同仁化学製)を用いた。
方法としては、実施例1(4)の洗浄液を調製する工程で、上記の界面活性剤を用いた以外は、実施例1と同様の方法により測定した。
図7は、種々のノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及び両性界活性剤を用いた場合の発光を検出した結果を示す写真である。
図7より、アニオン性界面活性剤であるSDSを添加したもののみ、発光強度が高まることが確認できた。
このことから、アニオン性界面活性剤を添加したときのみ、発光強度が高まり、試料中に含まれる目的物質の検出感度が高まることが示唆された。
様々なアニオン性界面活性剤を用いた場合の検出感度について検討した。
方法としては、実施例1(4)の洗浄液を調製する工程で、下記に示すアニオン性界面活性剤を用いた以外は、実施例1と同様の方法により測定した。
<使用したアニオン性界面活性剤>
1.ラウリルスルホ酢酸ナトリウム( LSA-F) 0.01%、
2.1-ドデカンスルホン酸ナトリウム0.01%、
3.p-オクチルベンゼンスルホン酸0.01%、
4.1-オクタンスルホン酸0.01%、
5.1-デカンスルホン酸0.01%、
6.オクチル硫酸ナトリウム0.01%、
7.ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホン酸ナトリウム( SBL-2N-27) 0.01%、
8.n-デシル硫酸ナトリウム0.01%、
9.ドデシル硫酸ナトリウム 0.01%、
10.ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.01%
図8は、上記に示したアニオン性界面活性剤を添加した場合の発光を検出した結果を示す写真である。図8より、どのアニオン性界面活性剤を用いても、発光強度が高まることが確認できた。このことから、アニオン性界面活性剤を用いることによって、発光強度が高まり、試料中に含まれる目的物質の検出感度が高まることが示唆された。
様々な濃度のアニオン性界面活性剤を用いた場合の検出感度について調べた。方法としては、実施例1(4)の工程において、アニオン性界面活性剤の濃度を0.001%、0.005%、0.01%、及び0.05%とした以外は、実施例1と同様の方法により検出した。
図9は、様々な濃度のアニオン性界面活性剤を用いた場合の発光を検出した結果を示す写真である。図9より、アニオン性界面活性剤の濃度は0.001%から0.01%へ高まるにつれて発光強度が高まり、0.01%と0.05%とを比較すると、0.01%の方が蛍光強度が高くなった。このことから、0.01%アニオン性界面活性剤を添加することにより、十分に発光強度を高めることができ、試料中に含まれる目的物質の検出感度を高めることが示唆された。
Claims (10)
- 目的物質に結合する捕捉物質が固定化された検出領域を有するクロマトグラフィー用試験具を用いて、試料中に含まれる目的物質を検出する方法であって、
試料と、目的物質に結合する酵素標識物質とを混合する混合工程;
混合工程で得られた混合液をクロマトグラフィー用試験具に添加し、検出領域の捕捉物質で、酵素標識物質と結合している目的物質を捕捉する捕捉工程;
捕捉工程の後、クロマトグラフィー用試験具の検出領域にアニオン性界面活性剤を含む試薬を接触させるために、アニオン性界面活性剤を含む試薬をクロマトグラフィー用試験具に添加する添加工程;
発光基質と、検出領域の捕捉物質に目的物質を介して結合している酵素標識物質の酵素とを反応させる反応工程;及び
反応工程により検出領域から生じる発光を検出することにより、試料中に含まれる目的物質を検出する検出工程;
を含む目的物質の検出方法。 - アニオン性界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、n−デシル硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、1−ドデカンスルホン酸ナトリウム、p−オクチルベンゼンスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、1−デカンスルホン酸ナトリウム、硫酸ナトリウムオクタン-1-イル、及びPOE(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムから選択される、請求項1に記載の方法。
- 添加工程が、アニオン性界面活性剤を含む試薬を、クロマトグラフィー用試験具を用いて展開することにより、アニオン性界面活性剤をクロマトグラフィー用試験具の検出領域に添加する工程である、請求項1又は2に記載の方法。
- アニオン性界面活性剤を含む試薬は、緩衝剤をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 試薬に含まれるアニオン性界面活性剤の濃度が0.0001〜0.1重量%である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 発光基質がジオキセタン類である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 酵素標識物質の酵素がアルカリホスファターゼである、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
- 捕捉物質が抗体であり、酵素標識物質が酵素標識抗体である、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
- 検出工程は、検出領域から生じる発光の発光強度を測定することにより、試料中に含まれる目的物質を定量する工程である、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
- クロマトグラフィー用試験具は、ラテラルフロー式クロマトグラフィー用試験具、又はフロースルー式クロマトグラフィー用試験具である、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
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