JP5410729B2 - 燃料電池システム及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池を作動させる燃料電池システム、例えばコジェネレーションや燃料電池自動車等に利用可能な燃料電池システム及びその制御方法に関するものである。
従来より、燃料電池の動作を制御して燃料電池を好適に作動させる技術として、例えば特許文献1、2に記載の技術が開示されている。
この特許文献1の技術は、燃料電池に接続された負荷の消費電力への追従性向上を図るものであり、初期I−V特性に基づいた燃料流量の規格流量を基本として、別途算出した補正流量を加算するものである。ここで、燃料電池(例えば複数の発電セルを積層したセルスタック)の発電能力低下の補正は、初期I−V特性から得られるセルスタック電圧の規定値と実測値との偏差をパラメータとして補正流量を求め、この補正流量を加算することにより実現している。
また、特許文献2の技術は、負荷の変動と燃料電池の劣化を考慮したものであり、I−V特性そのものを実測による補正を行いながら記憶し、その記憶したデータを参照して、常に最新のI−V特性に基づいて最適な空気流量を算出するものである。
特開平9−147893号公報 特開2004−296374号公報
しかしながら、上述した従来技術では、制御手法が複雑であり、特に負荷の消費電力が変化した場合には、その変化に速やかに対応できないという問題があった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、従来よりも簡易な手法で、負荷の消費電力の変化に速やかに対応できる燃料電池システム及びその制御方法を提供することにある。
(1)請求項1の発明は、燃料電池と、前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料供給部と、前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤供給部と、前記燃料電池の出力電圧を検出する電圧検出部と、前記燃料電池の出力電流を検出する電流検出部と、システムの制御を行う制御部と、を備えた燃料電池システムにおいて、前記制御部は、前記電圧検出部によって検出された出力電圧が目標電圧になるように燃料流量を算出し、該燃料流量を燃料電池に供給するように制御する第1制御手段と、負荷消費電力の変化時において、前記負荷消費電力の増加後の前記出力電圧が前記負荷消費電力の安定時における目標電圧である基準目標電圧となるよう、前記電流検出部によって検出された出力電流の変化量に基づいて前記基準目標電圧に加算する加算電圧を算出し、前記基準目標電圧に加算電圧を加算した値を前記目標電圧として設定する第2制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明では、第1制御手段によって、燃料電池の出力電圧(例えばセルスタック電圧)が目標電圧(例えば目標セルスタック電圧)になるように燃料流量を算出し、該燃料流量を燃料電池に供給するように制御し、第2制御手段によって、負荷消費電力の変化時において、負荷消費電力の増加後の出力電圧が負荷消費電力の安定時における目標電圧である基準目標電圧となるよう、電流検出部によって検出された出力電流(例えばセルスタック電流)の変化量に基づいて基準目標電圧に加算する加算電圧を算出し、この基準目標電圧に加算電圧を加算した値を目標電圧として設定することから、従来よりも簡易な手法で、負荷消費電力の変化に速やかに対応することができる。
すなわち、出力電流の変化量に基づいて、未来の負荷消費電力を予測して、目標電圧を設定するので、負荷消費電力の増加に速やかに追従する安定した発電が可能となる。
また、本発明では、負荷消費電力の増加に備えた燃料増量を、目標電圧の設定値を上げることにより実現できるために、流量計算を同一の処理で行うことができ、簡潔な制御となる。
更に、本発明では、燃料電池の出力電圧を目標電圧に制御することにより、燃料電池の電流−電圧特性(I−V特性)を意識することなく、最適燃料流量の算出が可能になる。
その上、本発明では、上述した制御を行うことにより、さまざまな条件に起因する発電能力の低下を補正した上で、最適燃料流量による発電が可能となる。なお、燃料電池の発電能力の低下は、目標電圧にフィードバック制御することで、自動的に補正することができる。
(2)請求項2の発明では、予め前記燃料電池の特性に基づいて求められた前記燃料電池の電流増加量と前記加算電圧との関係を示すマップ又は換算式により、前記加算電圧を求めることを特徴とする。
本発明は、加算電圧を求めるための構成を例示したものである。
)請求項の発明では、前記電流検出部は、電流計を用いて直接に前記出力電流を求めること、又は、前記燃料電池に接続された負荷の消費電力を検出し、この負荷消費電力から間接的に前記出力電流を求めることを特徴とする。
本発明は、出力電流を求める電流検出部の構成を例示したものである。
なお、負荷消費電力から間接的に出力電流を求める場合には、例えば、負荷消費電力と出力電圧とを用い、(負荷消費電力/出力電圧)の演算により出力電流を算出することができる。
)請求項の発明は、燃料電池と、前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料供給部と、前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤供給部と、前記燃料電池の出力電圧を検出する電圧検出部と、前記燃料電池の出力電流を検出する電流検出部と、を備えた燃料電池システムの制御方法において、前記電圧検出部によって検出された出力電圧が目標電圧になるように燃料流量を算出し、該燃料流量を燃料電池に供給するように制御する第1制御工程と、負荷消費電力の変化時において、前記負荷消費電力の増加後の前記出力電圧が前記負荷消費電力の安定時における目標電圧である基準目標電圧となるよう、前記電流検出部によって検出された出力電流の変化量に基づいて前記基準目標電圧に加算する加算電圧を算出し、前記基準目標電圧に加算電圧を加算した値を前記目標電圧として設定する第2制御工程と、を有することを特徴とする。
本発明では、前記請求項1の発明と同様に、出力電流の変化量に基づいて、目標電圧を設定し、その目標電圧となるように燃料流量を制御することから、上述した様に、従来よりも簡易な手法で、負荷消費電力の変化に速やかに対応することができる等の前記請求項1の発明と同様な効果を奏する。
(5)請求項5の発明では、予め前記燃料電池の特性に基づいて求められた前記燃料電池の電流増加量と前記加算電圧との関係を示すマップ又は換算式により、前記加算電圧を求めることを特徴とする。
本発明は、加算電圧を求める手法を例示したものである。
)請求項の発明では、前記電流検出部は、電流計を用いて直接に前記出力電流を求めること、又は、前記燃料電池に接続された負荷の消費電力を検出し、この負荷消費電力から間接的に前記出力電流を求めることを特徴とする。
本発明は、前記請求項の発明と同様に、出力電流を求める電流検出部の構成を例示したものである。
ここで、前記各発明の各構成について説明する。
前記燃料電池としては、発電単位である発電セルを複数層積層した燃料電池セルスタック(例えば固体酸化物形燃料電池)を用いることができる。また、発電セルとして、固体電解質基板(固体電解質層)に空気極及び燃料極を備えたものが挙げられる。
このうち、固体電解質層としては、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、SDC(サマリア添加セリア)、GDC(ガドリニウム添加セリア)、ペロブスカイト酸化物など公知のものを使用できる。空気極としては、ペロブスカイト酸化物、各種貴金属、貴金属とセラミックとのサーメットなどを使用でき、また、燃料極としては、各種貴金属、Ni等の卑金属、これらの金属とセラミックとのサーメットなどを使用できる。
尚、固体電解質層は、燃料電池の作動時に燃料極に導入される燃料ガス(可燃ガス)又は空気極に導入される酸化剤ガス(支燃ガス)のうちの一方の一部をイオンとして移動させることができるイオン伝導性を有する。このイオンとしては、例えば酸素イオン及び水素イオン等が挙げられる。また、燃料極は、還元剤となる燃料ガスと接触し、セルにおける負電極として機能する。空気極は、酸化剤となる酸化剤ガスと接触し、セルにおける正電極として機能する。
次に、本発明の最良の形態の例について説明する。
[実施形態]
a)まず、本実施形態である燃料電池システムの構成について、図1に基づいて説明する。
図1に示す様に、本実施例の燃料電池システムは、断熱容器1内に、複数の発電セルが積層された燃料電池(セルスタック)3と、セルスタック3に供給する燃料ガスの改質を行う改質器5と、セルスタック5から排出された排出ガスを燃焼させる触媒燃焼器7を収容している。
このうち、前記セルスタック3は、燃料ガス(詳しくは燃料ガス中の水素)と酸化剤ガス(詳しくは空気中の酸素)との供給を受けて発電を行う装置である。このセルスタック3としては、図示しないが、例えば発電単位である板状の発電セル(固体酸化物形燃料電池セル)と、セル間の導通を確保するとともにガス流路を遮断する板状のインターコネクタとが交互に積層されものを採用できる。なお、発電セルとしては、例えば板状の酸素イオン伝導性を有する例えばSc安定化ジルコニア固溶体からなる固体電解質体の一方の側に、空気極が形成され、他方の側に、燃料極が形成されたものを採用できる。
前記改質器5は、例えば都市ガス等の燃料ガスを、例えばニッケル、白金等の触媒を利用して改質して、前記酸素と反応する水素ガスを生成する装置である。
前記触媒燃焼器7は、セルスタック3から排出される排出ガス中に含まれる残余の可燃ガスを、例えば白金、ロジウム、パラジウム等の触媒を利用して燃焼させる装置である。この触媒燃焼器7における燃焼によって、断熱容器1内の温度を、セルスタック3における発電を好適に行う温度(例えば約700℃)に保つことができる。
一方、前記断熱容器1の外部には、セルスタック3に接続された酸化剤供給部(空気供給部)9と、改質器5に接続された燃料供給部11とが配置されている。この空気供給部9からは、セルスタック3に対して、酸化剤ガスとして空気が供給され、燃料供給部11からは、改質器5に対して、燃料ガスとして水素を含む例えば改質前の都市ガス等が供給される。
そして、セルスタック3から定電圧変換器(セルスタック3の出力電圧を所定の定電圧に変換する装置)13に到る電力供給路15には、第1電圧計17及び第電流計19が配置され、定電圧変換器13から負荷21に到る電力供給路23には、第2電圧計25及び第2電流計27が配置されている。
なお、負荷21に対しては、通常、図示しない分電盤を介して、系統電力線からも電力が供給されるが、ここではその説明は省略する。
b)次に、燃料電池システムの基本的動作について説明する。
燃料電池システムによって発電を行う場合には、空気供給部9からセルスタック3に対して(詳しくは各発電セルの空気極側に対して)空気を供給する。それとともに、燃料供給部11から改質器5に対して都市ガスを供給し、改質器5ではこの都市ガスを改質して水素ガスを取り出し、この水素ガスをセルスタック3に対して(詳しくは各発電セルの燃料極側に)供給する。
これにより、各発電セルでは、酸素と水素との反応により発電が行われ、この発電による電力が、セルスタック3から定電圧変換器13に送られる。なお、セルスタック3から排出される排出ガスには、改質されなかった都市ガスや発電に利用されなかった水素を含む改質ガスと酸素を含む空気が残留しているので、この可燃ガス(水素等)と支燃ガス(酸素)が触媒燃焼器7で燃焼することにより、断熱容器1内を適度な温度に加熱することができる。
前記セルスタック3の出力の電圧及び電流は、第1電圧計17及び第電流計19により測定され、定電圧変換器13の出力の電圧と電流は、第2電圧計25及び第2電流計27により測定される。
そして、第1電圧計17及び第電流計19と第2電圧計25及び第2電流計27とからの信号(電圧を示す信号及び電流を示す信号)は、制御部(電子制御装置)29に入力される。制御部29では、それらの信号等に基づいて、後述する演算が行われ、空気供給部9及び燃料供給部11に対して、セルスタック3に送る空気の流量や改質器5に送る燃料ガスの流量(都市ガス等の燃料流量Q)を調整するための制御信号が出力される。
例えば燃料流量は、下記式(1)又は(2)によって算出することができる。

<セルスタック電流を直接用いる場合>
Q=(Is・α)/(Uf・Vh2/100) ・・・(1)

<負荷消費電力から間接的にセルスタック電流を算出して用いる場合>
Q=[(P・Es)・α]/(η・Uf・Vh2/100) ・・・(2)

Q:燃料流量[L/min]
Es:セルスタック電圧[V]
Is:セルスタック電流[A]
P:負荷消費電力[W]
α:セルスタック電流1[A]の取り出しに必要な水素流量[L/min・A]
η:定電圧変換器の変換効率[%]
Uf:燃料利用率[%]
Vh2:燃料中の水素割合[%]

この式(1)又は(2)で、燃料利用率Ufとは、都市ガス等の燃料流量の総流量に対する発電に寄与する流量の割合のことであり、燃料中の水素割合Vh2とは、都市ガス等の燃料ガスに含まれる水素の割合のことである。
なお、空気流量に関しては、例えば燃料流量に設定空燃比となるような係数をかけたものとする。
c)次に、燃料電池システムを制御するための原理について、図2〜図4に基づいて説明する。
(1)燃料電池の発電特性
図2に、セルスタック3の電流−電圧特性(I−V特性)を示す。
この図2から明らかな様に、燃料利用率を低く(即ち燃料流量を多くする)ほど、発電能力は高くなり、逆に、燃料利用率を高く(即ち燃料流量を少なくする)ほど、発電能力は低くなる。
なお、燃料利用率を下げるということは、発電に寄与せずそのまま排出される燃料割合を増やすことであるが、代わりに触媒燃焼による温度維持やセルスタック3の劣化補償のための燃料割合を増やすことでもあり、燃料利用率と燃料流量とには、反比例の関係がある。
また、セルスタック3に温度低下や劣化があると、発電能力は低下するので、燃料利用率を高くした状態(即ち燃料流量を少なくした状態)は、セルスタック3の温度低下や劣化と等価と考えることができる。
更に、負荷消費電力を一定とした場合(例えば等電力線600[W]参照)、発電能力が高い状態(従って燃料利用率が低く、燃料流量が多い状態)ほど、セルスタック電圧が高くなる。
(2)燃料電池のガス流量制御
図3に示す様に、初期I−V特性(例えば点Aを含む下方のカーブ)を元に、セルスタック電圧に基準となる目標電圧(基準目標電圧)を設定し、これを一定に保つように、前記式(1)又は(2)の燃料流量計算式の燃料利用率を可変として制御する(実際には燃料流量を制御する)。これにより、I−V特性は負荷消費電力に応じたものに変化する(例えば図3の点Bを含む中間のカーブ又は点Cを含む上方のカーブ参照)。
つまり、例えば目標とする電圧(基準目標電圧)が12[V]の場合を考えると、負荷が異なるとき(例えば360[W]から600[W]に増加したとき)に基準目標電圧の12[V]を確保するためには、燃料利用率を低下させること(従って燃料流量を多くすること)により対応することができる。
ここで、目標とする電圧は、急激な負荷消費電力の上昇が起きても燃料枯れを起こさないようにするために、I−V特性上の電圧が低下する変曲点よりも同図左側に設定することが望ましい。
また、最大電力点で制御しない場合には、そうでない場合と比較して余剰燃料(未燃燃料)が発生するが、未燃燃料は触媒燃料器7によってセルスタック3の温度維持に使用されるため、システムとして無駄にはならない。
更に、上述の様に目標とする電圧を設定することにより、セルスタック3の発電能力が低下した場合でも、制御によって可変される燃料利用率が劣化前より低くなることで(即ち制御によって可変される燃料流量が劣化前よりも多くなることで)、自動的に所望の発電能力に補正される。
(3)燃料電池の負荷追従制御
図4に示す様に、負荷消費電力が一定で安定している場合、即ちセルスタック電流の変化量が0[A]の場合を基準目標電圧(例えば12[V])とし、これにセルスタック電流の増加量に応じた電圧(加算電圧)を加算したものを目標電圧して、燃料利用率(即ち燃料流量)を制御する。
例えば現在の負荷消費電力が360[W]から600[W]に増加する過程において、セルスタック電流の増加の程度に合わせて、目標電圧を基準目標電圧より大きく設定する。例えば同図のA点からA’点の電圧増加分(電圧偏差)として、例えば約1[V]設定する。そして、その電圧偏差を解消するように、燃料利用率を低くし(即ち燃料流量を多くし)、それによって、600[W]に到達し安定した時点では、点Bに対応する基準目標電圧で制御することになる。このとき、電流は50[A]なので、負荷消費電力は600[W]となる。
つまり、I−V特性は、一定時間後の負荷消費電力に対応したものと等価になるので、この制御により、急激な負荷消費電力の増加にも速やかに追従する安定した発電が可能になる。
c)次に、上述した原理に基づいて、制御部29にて行われる燃料電池システムの制御方法について、図5〜図6に基づいて説明する。
(1)メインルーチン
図5に示す様に、本メインルーチンは、燃料電池システムの制御部29を作動させる電源がONされると開始される。
まず、処理が開始されると、ステップ(S)100では、燃料流量を計算する周期(例えば100[ms])であるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ110に進み、一方否定判断されると、同様な判定を例えば1[ms]毎に繰り返す。
ステップ110では、第1電圧計17により、セルスタック電圧を測定する。
続くステップ120では、セルスタック電流を直接測定するか否か、即ち、セルスタック電流を直接測定するか、負荷消費電力を測定し間接的にセルスタック電流を算出するかを判定する。ここで肯定判断されるとステップ130に進み、一方否定判断されるとステップ140に進む。なお、この判定は、例えばどちらの処理を行うかを示すフラグ等を利用して行うことができる。
ステップ130では、第1電流計19により、セルスタック電流を測定し、ステップ160に進む。
一方、ステップ140では、第2電圧計25により測定された電圧と第2電流計27により測定された電流により、負荷消費電力を算出する。
続くステップ150では、前記ステップ140で算出した負荷消費電力と、前記ステップ110で測定したセルスタック電圧を基に、セルスタック電流を算出し、ステップ160に進む。具体的には、(負荷消費電力/セルスタック電圧)の演算により、セルスタック電流を求めることができる。
続くステップ160では、後述する燃料流量計算ルーチンによって燃料流量を算出し、前記ステップ100に戻る。
(2)燃料流量計算ルーチン
図6に示す様に、ステップ200では、セルスタック電流の変化量を求める。具体的には、今回測定されたセルスタック電流と例えば3秒前に測定したセルスタック電流との差を求め、その差を単位時間(例えば前述の3秒)で除したものをセルスタック電流変化量(増加量)[A/sec]として算出する。
従って、以下では、この増加量に基づいて、その増分に応じて目標電圧を可変することになる。
続くステップ210では、セルスタック電流変化量が正か否か、即ち、セルスタック電流が増加しているか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ220に進み、一方否定判断されるとステップ230に進む。
ステップ220では、セルスタック電流変化量に応じて、加算電圧を設定する。例えば図4に示す様に、セルスタック電流の増加量が多いほど、加算電圧(例えば同じ電流値において点Aから点A’に増加する電圧)が大きくなるよう、例えば予め実験等によって、セルスタック3の特性を調べ、セルスタック電流と加算電圧との関係を求めてマップや換算式を求めておき、このマップや換算式を用いて加算電圧を求める。
一方、ステップ230では、セルスタック電流が増加していないので、加算電圧を0に設定し、ステップ240に進む。
ステップ240では、基準目標セルスタック電圧(例えば図4の点Aの電圧)に加算目標セルスタック電圧(例えば点Aから点A’の電圧差)を加え、目標とする制御電圧である目標セルスタック電圧を求める。
続くステップ250では、目標セルスタック電圧からセルスタック電圧(実際に第1電圧計17によって測定された電圧Es)を引いて、電圧偏差を求める。従って、以下の制御(フィードバック制御:PID制御)では、この電圧偏差が0[V]となるように制御を行う。
続くステップ260では、電圧偏差に応じて、燃料利用率を求める。例えば図4の点Aを含む下方のカーブを、点Bを含む中間のカーブとなるように、燃料利用率を設定する(燃料利用率を低くする)。
例えば予め実験等によって、セルスタック3の特性を調べ、電圧偏差と燃料利用率との関係を求めてマップや換算式を求めておき、このマップや換算式を用いて燃料利用率を求める。
続くステップ270では、セルスタック電流と燃料利用率に応じて、燃料流量を求める。例えば上述した式(1)又は(2)に、必要な値を代入して、燃料流量を算出する。
ステップ280では、今回のセルスタック電流を前回のセルスタック電流に設定し、一旦本処理を終了する。
d)この様に、本実施形態では、セルスタック電流の変化量(増加量)から未来のセルスタック電流を予測し、その増分に応じて、目標セルスタック電圧を可変し、その目標セルスタック電圧となるように燃料流量を制御するので、従来よりも簡易な手法で、負荷の消費電力の変化に速やかに対応することができる。すなわち、負荷消費電力の増加に速やかに追従する安定した発電が可能となる。
また、本実施形態では、負荷消費電力の増加に備えた燃料増量を、目標セルスタック電圧の設定値を上げることにより実現するために、流量計算を同一の処理で行うことができ、簡潔な制御となる。
更に、本実施形態では、セルスタック電圧を目標セルスタック電圧に制御することで、セルスタック3のI−V特性を意識することなく、最適燃料流量の算出が可能になる。
その上、本実施形態では、上述した制御を行うことにより、さまざまな条件に起因する発電能力の低下を補正した上で、最適燃料流量による発電が可能となる。
尚、本発明は前記実施形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
実施形態の燃料電池システムを示す説明図である。 燃料電池の発電特性を示すグラフである。 燃料電池のガス流量制御の原理を説明するためのグラフである。 燃料電池の負荷追従制御の原理を説明するためのグラフである。 燃料電池システムの制御方法のメインルーチンを示すフローチャートである。 燃料電池システムの制御方法の燃料流量計算ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1…断熱容器
3…セルスタック
5…改質器
7…触媒燃焼器
9…空気供給部
11…燃料供給部
13…定電圧変換器
21…負荷
29…制御部

Claims (6)

  1. 燃料電池と、
    前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料供給部と、
    前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤供給部と、
    前記燃料電池の出力電圧を検出する電圧検出部と、
    前記燃料電池の出力電流を検出する電流検出部と、
    システムの制御を行う制御部と、
    を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記制御部は、
    前記電圧検出部によって検出された出力電圧が目標電圧になるように燃料流量を算出し、該燃料流量を燃料電池に供給するように制御する第1制御手段と、
    負荷消費電力の変化時において、前記負荷消費電力の増加後の前記出力電圧が前記負荷消費電力の安定時における目標電圧である基準目標電圧となるよう、前記電流検出部によって検出された出力電流の変化量に基づいて前記基準目標電圧に加算する加算電圧を算出し、前記基準目標電圧に加算電圧を加算した値を前記目標電圧として設定する第2制御手段と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 予め前記燃料電池の特性に基づいて求められた前記燃料電池の電流増加量と前記加算電圧との関係を示すマップ又は換算式により、前記加算電圧を求めることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記電流検出部は、電流計を用いて直接に前記出力電流を求めること、又は、前記燃料電池に接続された負荷の消費電力を検出し、この負荷消費電力から間接的に前記出力電流を求めることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 燃料電池と、
    前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料供給部と、
    前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤供給部と、
    前記燃料電池の出力電圧を検出する電圧検出部と、
    前記燃料電池の出力電流を検出する電流検出部と、
    を備えた燃料電池システムの制御方法において、
    前記電圧検出部によって検出された出力電圧が目標電圧になるように燃料流量を算出し、該燃料流量を燃料電池に供給するように制御する第1制御工程と、
    負荷消費電力の変化時において、前記負荷消費電力の増加後の前記出力電圧が前記負荷消費電力の安定時における目標電圧である基準目標電圧となるよう、前記電流検出部によって検出された出力電流の変化量に基づいて前記基準目標電圧に加算する加算電圧を算出し、前記基準目標電圧に加算電圧を加算した値を前記目標電圧として設定する第2制御工程と、
    有することを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
  5. 予め前記燃料電池の特性に基づいて求められた前記燃料電池の電流増加量と前記加算電圧との関係を示すマップ又は換算式により、前記加算電圧を求めることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システムの制御方法。
  6. 前記電流検出部は、電流計を用いて直接に前記出力電流を求めること、又は、前記燃料電池に接続された負荷の消費電力を検出し、この負荷消費電力から間接的に前記出力電流を求めることを特徴とする請求項4又は5に記載の燃料電池システムの制御方法。
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