JP5407106B2 - モータ駆動制御装置及びこれを使用した電動パワーステアリング装置 - Google Patents

モータ駆動制御装置及びこれを使用した電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

本発明は、電動モータと、該電動モータを駆動制御するモータ駆動回路とを備えたモータ駆動制御装置及びこれを使用した電動パワーステアリング装置に関する。
従来のモータ駆動制御装置としては、例えば直流電源より大電流負荷に駆動電流を出力制御するリレー接点と、前記リレー接点の前記大電流負荷接続側とアース間に接続した平滑用のコンデンサと、前記リレー接点閉成前の所定時間の間に分圧抵抗で分圧された電圧で前記コンデンサに電荷を充電した後、前記前記リレー接点を閉成させる予備充電制御手段とを備え、前記予備充電制御手段は、前記コンデンサに前記所定時間電荷を充電した後に充電を遮断することにより、プリチャージ設定電圧に達した後での前記リレー接点のON後の飽和電圧よりも低い判定電圧で、前記コンデンサのリレー溶着時等異常状態を判断する充電電圧に影響を与えないようにした自動車用制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3750871号公報(第1頁、図2)
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来例にあっては、直流電源装置よりリレー接点を通して負荷に動作電流を供給する際に、動作電流中のリップル成分を低減させる平滑用コンデンサに予め電荷を充電した後に、リレー接点を閉成して直流電源装置より負荷に動作電流を供給することでコンデンサへの突入電流を低減させることができるものであるが、コンデンサへのチャージ電圧は直流電源の電圧を分圧抵抗で分圧したものとなるので、直流電源の電圧変動に応じてコンデンサへのチャージ電圧が変動するもののその変動幅が小さく抑制されることから直流電源の電圧が高くなった場合に突入電流の発生を抑制することができないという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、コンデンサへのチャージ電圧を適正に保って突入電流の発生を確実に抑制することができるモータ駆動制御装置及びこれを使用した電動パワーステアリング装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係るモータ駆動制御装置は、電動モータと、該電動モータを直流電源からの電力に基づいて駆動制御するモータ駆動回路とを備えたモータ駆動制御装置であって、
前記直流電源及び前記モータ駆動回路間に介挿された電源リレー回路と、該電源リレー回路と並列に接続されたプリチャージ回路とを備え、
前記プリチャージ回路は、前記電源リレー回路のモータ駆動回路側接点及び接地間に接続されたコンデンサと、前記電源リレー回路と並列に接続された、パルス幅変調信号によって駆動されるスイッチング素子及び当該スイッチング素子を前記パルス幅変調信号によって駆動するときに前記コンデンサに対するプリチャージ電圧を当該パルス幅変調信号によって制御可能な小さい値に設定された前記プリチャージ抵抗の直列回路と、前記コンデンサに対するプリチャージ電圧を前記直流電源の電源電圧に近づける前記パルス幅変調信号を前記スイッチング素子に出力するプリチャージ駆動部とを有することを特徴としている。
また、請求項2に係るモータ駆動制御装置は、請求項1に係る発明において、前記プリチャージ駆動部は、前記コンデンサに対するプリチャージ電圧を前記直流電源電圧に近づけるようにパルス幅変調信号の周波数及びデューティ比の少なくとも一方を予め設定するように構成されていることを特徴としている。
さらに、請求項3に係るモータ駆動制御装置は、請求項1に係る発明において、前記直流電源の電源電圧を検出する電源電圧検出部を有し、前記プリチャージ駆動部は、前記電源電圧検出部で検出した電源電圧に応じてパルス幅変調信号の周波数を突入電流抑制するように制御するように構成されていることを特徴としている。
さらにまた、請求項4に係るモータ駆動制御装置は、請求項1乃至3の何れかに係る発明において、前記プリチャージ駆動部は、前記パルス幅変調信号を前記スイッチング素子に出力する前に前記電源リレー回路の接点溶着が生じているか否かを診断する接点溶着診断を行ない、接点溶着診断後に前記パルス幅変調信号を前記スイッチング素子に出力してプリチャージ電圧が正常であるかを診断するプリチャージ電圧診断を行ない、プリチャージ電圧が所定値に達したときに前記電源リレー回路の接点を閉成してからリレーオープン故障を生じているか否かを診断するリレーオープン故障診断を行うように構成されていることを特徴としている。
なおさらに、請求項5に係る電動パワーステアリング装置は、電動モータで操舵系に対する操舵補助力を発生させ、該電動モータを駆動制御するモータ駆動制御装置として前記請求項1乃至4の何れか1つに記載のモータ駆動制御装置を適用したことを特徴としている。
本発明によれば、プリチャージ駆動部で、コンデンサに電荷を充電するプリチャージ抵抗と直列に接続されたスイッチング素子をパルス幅変調信号で駆動するので、パルス幅変調信号の周波数及びデューティ比の少なくとも一方を変更することにより、コンデンサに充電するプリチャージ電圧を任意に調整することができ、電源電圧変動に応じて最適なプリチャージ電圧を設定して、突入電流を確実に抑制することができるという効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に第1の実施形態を示す概略構成図であって、図中、1は、ステアリングホイールであり、このステアリングホイール1に運転者から作用される操舵力が入力軸2aと出力軸2bとを有するステアリングシャフト2に伝達される。このステアリングシャフト2は、入力軸2aの一端がステアリングホイール1に連結され、他端は操舵トルク検出手段としての操舵トルクセンサ3を介して出力軸2bの一端に連結されている。
そして、出力軸2bに伝達された操舵力は、ユニバーサルジョイント4を介してロアシャフト5に伝達され、さらに、ユニバーサルジョイント6を介してピニオンシャフト7に伝達される。
このピニオンシャフト7に伝達された操舵力はステアリングギヤ8を介してタイロッド9に伝達され、図示しない転舵輪を転舵させる。ここで、ステアリングギヤ8は、ピニオンシャフト7に連結されたピニオン8aとこのピニオン8aに噛合するラック8bとを有するラックアンドピニオン形式に構成され、ピニオン8aに伝達された回転運動をラック8bで直進運動に変換している。
ステアリングシャフト2の出力軸2bには、操舵補助力を出力軸2bに伝達する操舵補助機構10が連結されている。この操舵補助機構10は、出力軸2bに連結した減速ギヤ11と、この減速ギヤ11に連結された操舵補助力を発生する直流モータでなる電動モータ13とを備えている。
操舵トルクセンサ3は、ステアリングホイール1に付与されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検出するもので、例えば、操舵トルクを入力軸2a及び出力軸2b間に介挿した図示しないトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位を磁気信号で検出し、それを電気信号に変換するように構成されている。
この操舵トルクセンサ3から出力されるトルク検出値Tは、制御装置14に入力される。この制御装置14には、直流電源としてのバッテリ15からイグニッションスイッチ16を介して電源が供給されていると共に、トルク検出値Tの他に車速センサ17で検出した車速検出値Vsも入力され、入力されるトルク検出値T及び車速検出値Vsに応じた操舵補助力を電動モータ13で発生させる操舵補助電流指令値IM *を算出し、算出した操舵補助電流指令値IM *とモータ駆動電流Imとにより、電動モータ13に供給する駆動電流をフィードバック制御する。
制御装置14は、図2に示すように、トルク検出値Tと車速検出値Vsとに基づいて所定の演算を行ってモータ駆動信号Ir及びモータ回転方向信号Dsを出力するマイクロコントロールユニット(以下、MCUと称す)101と、MCU101から出力されるモータ駆動信号Ir及びモータ回転方向信号Dsに基づいて電動モータ13を駆動するモータ駆動回路110と、バッテリ15に接続されてモータ駆動回路110への電源供給を制御する電源リレー回路120と、モータ駆動電流Imを検出するモータ電流検出回路130と、モータ端子電圧Vmとモータ電流検出回路130で検出したモータ駆動電流Imとに基づいてモータ角速度ωを推定するモータ角速度推定回路140とを備えている。
また、制御装置14は、電源リレー回路120と並列に接続され、電源リレー回路120のリレー接点121におけるモータ駆動回路110側にプリチャージ電圧Vpを供給するプリチャージ回路150と、起動時にイグニッションスイッチ16を介してバッテリ15に接続されて制御装置14内の制御電力を形成する電源回路160と、電源リレー回路120のリレー接点121におけるモータ駆動回路110側の接点電圧Vcを検出する接点電圧検出回路170とを備えている。
ここで、モータ駆動回路110は、図2に示すように、バッテリ15のバッテリ電圧Vbが電源リレー回路120のリレー接点121を介して入力される4つのNPN形のトランジスタQ1〜Q4を有して電動モータ13に正逆転駆動するモータ駆動電流Imを供給するHブリッジ回路111と、このHブリッジ回路111の各トランジスタQ1〜Q4を駆動制御するゲート駆動回路112とを備えている。
ここで、ゲート駆動回路112は、後述するMCU101から出力されるモータ電流指令値Irとモータ回転方向信号Dsとが入力され、これらに基づいて対角となるトランジスタQ1及びQ3又はQ2及びQ4を駆動制御して電動モータ13を操舵トルク検出値Tに応じて回転駆動する。
また、電源リレー回路120は、バッテリ15に接続された常開のリレー接点121と、このリレー接点121を開閉するリレーコイル122と、リレーコイル122と並列に接続されたサージ吸収用のダイオード123とを有し、リレーコイル122の一端がスイッチング素子としてのNPN形のトランジスタ124を介してバッテリ15に接続され、他端が接地されている。
さらに、プリチャージ回路150は、電源リレー回路120のモータ駆動回路110側のリレー接点と接地との間に介挿された電解コンデンサ151と、この電解コンデンサ151とリレー接点121との接続点とバッテリ15側のリレー接点との間に接続されたスイッチング素子としてのNPN形のトランジスタ152、逆流阻止用ダイオード153及びプリチャージ抵抗154で構成される直列回路155とで構成されている。
そして、電源リレー回路120のトランジスタ124及びプリチャージ回路150のトランジスタ152が後述するMCU101で実行されるプリチャージ駆動処理によって形成されるリレー駆動信号SR及びパルス幅変調信号SPによって駆動制御される。
MCU101は、自己のプログラム暴走を監視するウォッチドッグタイマ(WDT)102を内蔵している。また、MCU101は、操舵トルク検出値T、車速検出値Vs、電流検出値Imに基づいてモータ駆動信号Irを生成し、このモータ駆動信号Irがモータ駆動回路110に入力される。
ここで、MCU101には、図2に示すように、操舵補助制御処理プログラム、異常検出処理プログラム等を格納するROM(リードオンリメモリ)103と、トルク検出値T、モータ駆動電流Im等の検出データや、MCU101で実行する操舵補助制御処理及びプリチャージ駆動処理の処理過程で必要とするデータや処理結果を記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)104とを内蔵している。
また、MCU101は、イグニッションスイッチ16がオン状態となってバッテリ15からバッテリ電圧Vbが供給されたときに、前述した操舵補助制御処理及びプリチャージ駆動処理を実行する。
操舵補助制御処理は、図3に示すように、先ず、ステップS1で、後述するプリチャージ駆動処理で、プリチャージ駆動処理が終了した否かを表すプリチャージ終了フラグFPがプリチャージ駆動終了を表す“1”にセットされているか否かを判定し、プリチャージ終了フラグFPが“0”にリセットされているときには、これが“1”にセットされるまで待機し、プリチャージ終了フラグFPが“1”にセットされているときにはステップS2に移行する。
このステップS2では、操舵トルクセンサ3で検出した操舵トルク検出値Tを読込み、次いでステップS3に移行して、車速センサ17で検出した車速検出値Vsを読込み、次いでステップS4に移行して、操舵トルク検出値T及び車速検出値Vsに基づいて図4に示す操舵補助電流指令値算出マップを参照して、モータ電流指令値となる操舵補助電流指令値IM *を算出する。
ここで、操舵補助電流指令値算出マップは、図4に示すように、横軸に操舵トルク検出値Tをとり、縦軸に操舵補助電流指令値IM *をとり、車速検出値Vsをパラメータとした特性線図で構成され、横軸に操舵トルク検出値Tをとり、縦軸に操舵補助電流指令値IM *をとると共に、車速検出値Vsをパラメータとした放物線状の曲線で表される特性線図で構成され、操舵トルク検出値Tが“0”からその近傍の設定値Ts1までの間は操舵補助電流指令値IM *が“0”を維持し、操舵トルク検出値Tが設定値Ts1を超えると最初は操舵補助電流指令値IM *が操舵トルク検出値Tの増加に対して比較的緩やかに増加するが、さらに操舵トルク検出値Tが増加すると、その増加に対して操舵補助電流指令値IM *が急峻に増加するように設定され、この特性曲線が車速検出値Vsの増加に従って傾きが小さくなるように設定されている。
次いで、ステップS5に移行して、モータ角速度推定回路140で推定したモータ角速度ωを読込み、次いでステップS6に移行して、モータ角速度ωに慣性ゲインKiを乗算して、モータ慣性を加減速させるトルクを操舵トルクTrから排除し、慣性感のない操舵感覚を得るための慣性補償制御用の慣性補償値Ii(=Ki・ω)を算出すると共に、操舵補助電流指令値IM *の絶対値に摩擦係数ゲインKfを乗算して、動力伝達部や電動モータの摩擦が操舵力に影響することを排除するため摩擦補償制御用の摩擦補償値If(=Kf・IM *)を算出する。ここで、摩擦補償値Ifの符号は操舵トルクTの符号とこの操舵トルクTにより操舵の切り増し/切り戻しを判定する操舵方向信号とに基づいて決定する。
次いで、ステップS7に移行して、操舵トルクTを微分演算処理してアシスト特性不感帯での安定性確保、静摩擦の補償を行うセンタ応答性改善指令値Irを算出し、ステップS8に移行して、算出した慣性補償値Ii、摩擦補償値If及びセンタ応答性改善指令値Irを操舵補助電流指令値IM *に加算して操舵補助電流補償値IM *′(=IM *+Ii+If+Ir)を算出し、次いでステップS9に移行して、操舵補助電流補償値IM *′を微分してフィードフォワード制御用の微分値Idを算出する。
次いで、ステップS10に移行して、モータ電流検出回路130からモータ駆動電流Imを読込み、次いでステップS11に移行して、操舵補助電流補償値IM *′からモータ駆動電流Imを減算して電流偏差ΔIを算出し、次いでステップS12に移行して、電流偏差ΔIを比例演算処理して比例補償制御用の比例値ΔIpを算出し、次いでステップS13に移行して、電流偏差ΔIを積分演算処理して積分補償制御用の積分値ΔIiを算出し、次いでステップS14に移行して、微分値Id、比例値ΔIp及び積分値ΔIiを加算することによりモータ駆動電流Ir(=Id+ΔIp+ΔIi)を算出してからステップS15に移行する。
このステップS15では、前記ステップS14で算出したモータ駆動電流Irと操舵トルク検出値Tの符号に基づいて決定するモータ回転方向信号Dsとをモータ駆動回路110に出力してから前記ステップS1に戻る。
また、プリチャージ駆動処理は、図5に示すように、先ず、ステップS21で、処理を開始してから所定時間t1が経過したか否かを判定し、所定時間t1が経過していないときにはこれが経過するまで待機し、所定時間t1が経過したときには、ステップS22に移行して、プリチャージ回路150のトランジスタ152に対してプリチャージ抵抗154を必要最小限の抵抗値RMINとすることができる比較的低所定周波数のパルス幅変調信号SPの出力を開始する。
次いで、ステップS23に移行して、パルス幅変調信号SPの出力を開始してから所定時間t2が経過したか否かを判定し、所定時間t2が経過していないときにはこれが経過するまで待機し、所定時間t2が経過したときにはステップS24に移行して、電源リレー回路120のスイッチング素子124に対して高レベルのリレー駆動信号SRを出力してからステップS25に移行する。
このステップS25では、プリチャージ回路150へのパルス幅変調信号SPの出力を停止し、次いでステップS26に移行し、初期化処理で“0”にリセットされているプリチャージ終了フラグFPを“1”にセットしてからプリチャージ駆動処理を終了する。
この図5のプリチャージ駆動処理がプリチャージ駆動部に対応している。
次に、上記第1の実施形態の動作を説明する。
今、車両が停止していて、イグニッションスイッチ16がオフ状態であるものとする。この状態では、電源回路160にバッテリ15のバッテリ電圧Vbが供給されているが、イグニッションスイッチ16がオフ状態であるので、制御装置14内への電力の供給を停止しており、MCU101は動作を停止している。このため、電源リレー回路120のトランジスタ124がオフ状態となって、リレーコイル122が非付勢状態であり、リレー接点121が開成されていると共に、プリチャージ回路150のトランジスタ152もオフ状態となって、電源リレー回路120のリレー接点121におけるモータ駆動回路110側へのプリチャージ電圧Vpの供給を停止している。
したがって、モータ駆動回路110にバッテリ電圧Vbが供給されないと共に、MCU101で操舵補助制御処理及びプリチャージ駆動処理は実行されないので、モータ駆動回路110のHブリッジ回路111の各トランジスタQ1〜Q4は共にオフ状態に制御されて、電動モータ13への直流電力の供給が停止されて電動モータ13は回転停止状態にあり、この電動モータ13による操舵補助力の発生は停止されている。この状態では、ステアリングホイール1は運転者から伝達された操舵力のみによって回転される。
この操舵補助停止状態で、イグニッションスイッチ16をオン状態とすると、これに応じて電源回路160から制御装置14内に制御電力が供給され、これによってMCU101が作動状態となる。
このため、MCU101で図3の操舵補助制御処理及び図5のプリチャージ駆動処理が実行開始されるが、初期化処理でプリチャージ終了フラグFPが“0”にリセットされるので、操舵補助制御処理では、ステップS1からそのままタイマ割込処理を終了することになり、モータ駆動回路110へモータ駆動信号Ir及び回転方向信号Dsは出力されず、モータ駆動回路110は停止状態を維持する。
一方、プリチャージ駆動処理では、図6に示すように、時点T1でイグニッションスイッチ16が図6(a)に示すようにオン状態となると、この時点T1から所定時間t1が経過した時点T2でプリチャージ回路150のNTNトランジスタ152に対してプリチャージ抵抗154の抵抗値Rを最小とする比較的低周波数のパルス幅変調信号SPの出力を開始する。
このパルス幅変調信号SPがプリチャージ回路150のNTNトランジスタ152のゲートに供給されると、このNTNトランジスタ152がオン・オフを繰り返すことにより、電解コンデンサ151にバッテリ電圧Vbに基づいて電荷が充電される。このため、電源リレー回路120のモータ駆動回路側接点電圧Vcが図6(d)に示すようにプリチャージ抵抗154及び電解コンデンサ151の容量で決まる時定数で徐々に増加し、バッテリ電圧Vbに対してパルス幅変調信号SPの周波数及びプリチャージ抵抗154の抵抗値Rによって決まるバッテリ電圧Vbより低いプリチャージ電圧Vpまで増加し、時点T3でプリチャージ電圧Vpに達すると以後、プリチャージ電圧Vpを維持する。
その後、時点T2から所定時間t2が経過した時点T4で電源リレー回路120のNTNトランジスタ124に対して高レベルのリレー駆動信号SRが出力されて、リレーコイル122にバッテリ15から通電されることにより、このリレーコイル122が付勢されてリレー接点121が図6(c)に示すように閉成される。
このため、電源リレー回路120のリレー接点121を介してバッテリ電圧Vbがモータ駆動回路110に供給されることにより、このモータ駆動回路110が動作可能状態となる。このとき、リレー接点121のバッテリ15側のバッテリ電圧Vbと、モータ駆動回路110側のプリチャージ電圧Vpとの電位差が小さい状態となるので、リレー接点121を通じて電解コンデンサ151に流れる突入電流を小さい値に抑制することができ、リレー接点121の接点溶着を確実に防止することができる。
しかも、プリチャージ回路150のトランジスタ152に供給されるパルス幅変調信号SPの周波数がプリチャージ抵抗154の抵抗値Rを小さくする値に設定されているので、電解コンデンサ151に充電する際の時定数を小さくすることができると共に、プリチャージ電圧Vpを高くすることができ、電源リレー回路120のリレー接点121における両端の電位差を小さくして電源リレー回路120のリレー接点121を通じる突入電流を確実に抑制することができる。
因みに、図5に示すプリチャージ駆動処理でプリチャージ回路150のトランジスタ152に出力するパルス幅変調信号SPの周波数が低い場合には、電源リレー回路120がリレー接点121におけるモータ駆動回路110側の接点電圧Vcにおけるリレー接点121が開成状態から閉成状態に変化したときの電圧変化は、図7(a)に示すように、プリチャージ回路150によるプリチャージ電圧Vpが比較的低い状態(例えば4V)からバッテリ電圧Vb(例えば12V)に変化することになるため、両者の電位差が比較的大きいことにより図7(c)に示す従来例の分圧抵抗を使用したプリチャージ回路での突入電流よりは小さいが比較的大きな44A程度の突入電流が生じる。ここで、従来例の分圧抵抗を使用したプリチャージ回路では、図7(c)に示すように、プリチャージ電圧Vpがかなり低い状態(例えば2V)からバッテリ電圧Vb(例えば12V)に変化することにより、かなり大きな56A程度の突入電流を生じることになり、バッテリ電圧Vbが高くなったときに、プリチャージ電圧Vpの増加が少ないので、突入電流によるリレー接点121の接点溶着を生じる可能性がある。
しかしながら、本実施形態では、パルス幅変調信号SPの周波数を調整できるので、これにより、リレー接点121が開成状態から閉成状態に変化したときの電圧変化は、図7(b)に示すように、プリチャージ回路150によるプリチャージ電圧Vpを比較的高い状態(例えば8V)からバッテリ電圧Vb(例えば12V)に変化することになり、両者の電位差が少ないので、突入電流は15A程度に抑制することができ、リレー接点121の接点溶着を確実に防止することができる。
一方、時点T4の直後にプリチャージ回路150のトランジスタ152に対するパルス幅変調信号SPの出力が停止されると共に、プリチャージ終了フラグFPが“1”にセットされる。
このように、プリチャージ終了フラグFPが“1”にセットされると、図3に示す操舵補助制御処理で、ステップS1からステップS2に移行して、操舵トルクセンサ3から操舵トルクTを読込み、次いで車速センサ17から車速検出値Vを読込み(ステップS3)、操舵トルクTと車速検出値Vとに基づいて図4に示す操舵補助電流指令値算出マップを参照して操舵補助電流指令値IM *を算出する(ステップS4)。
一方、モータ角速度推定回路140で推定したモータ角速度ωを読込み(ステップS5)、このモータ角速度ωに基づいて慣性補償制御用の慣性補償値Iiを算出すると共に、摩擦補償制御用の摩擦補償値Ifを算出し(ステップS6)、さらに操舵トルクTを微分演算してセンタ応答性改善指令値Irを算出し(ステップS7)、これら慣性補償値Ii、摩擦補償値If及びセンタ応答性改善補償値Irを操舵補助電流指令値IM *に加算して操舵補助電流補償値IM *′を算出する(ステップS8)。
そして、操舵補助電流補償値IM *′を微分演算処理してフィードフォワード制御における微分補償制御用の微分値Idを算出し(ステップS9)、次いで、モータ駆動電流Imを読込み(ステップS10)、次いで、操舵補助電流補償値IM *′からモータ電流検出値Imを減算して電流偏差ΔIを算出し(ステップS11)、算出した電流偏差ΔIを比例演算処理して比例補償制御用の比例値ΔIpを算出すると共に、積分演算処理して積分補償制御用の積分値ΔIiを算出し(ステップS12,S13)、次いで、微分値Id、比例値ΔIp及び積分値ΔIiを加算してモータ駆動信号Irを算出する(ステップS14)。
そして、算出したモータ駆動信号Ir及び操舵トルクTの符号に基づいて決定した回転方向信号Dsをモータ駆動回路110のゲート駆動回路112に出力することにより、モータ駆動回路110から電動モータ13に駆動電流を供給して、この電動モータ13でステアリングホイール1に作用された操舵トルクに応じた操舵補助力を発生させ、この操舵補助力が減速ギヤ11を介して出力軸2bに伝達される。
このとき、車両が停車している状態でステアリングホイール1を操舵する所謂据え切り状態では、図4に示す操舵補助電流指令値算出マップの特性線の勾配が大きいことにより、小さい操舵トルクTで大きな操舵補助電流指令値IM *を算出するので、電動モータ13で大きな操舵補助力を発生して軽い操舵を行うことができる。
一方、車両が発進して、所定車速以上となると、図4に示す操舵補助電流指令値算出マップの特性線の勾配が小さくなることにより、大きな操舵トルクTでも小さな操舵補助電流指令値IM *を算出するので、電動モータ13で発生する操舵補助力が小さくなり、ステアリングホイール1の操舵が軽くなりすぎることを抑制して最適な操舵を行うことができる。
なお、上記第1の実施形態においては、プリチャージ駆動処理で、前記プリチャージ抵抗の抵抗値を小さくして時定数を小さくすると共に、プリチャージ電圧を高くするようにパルス幅変調信号SPの周波数を設定する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、パルス幅変調信号SPのデューティ比を設定するようにしてもよく、パルス幅変調信号SPの周波数及びデューティ比の双方を設定するようにしてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態を図8〜図10について説明する。
この第2の実施形態は、バッテリ電圧Vbを検出して、検出したバッテリ電圧Vbに基づいてプリチャージ電圧Vpを設定するようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態では、MCU101で実行するプリチャージ駆動処理が図8に示すように、前述した第1の実施形態における図5のプリチャージ駆動処理において、ステップS21の前にバッテリ電圧Vbを読込むステップ31と、読込んだバッテリ電圧Vbをもとに図9に示す周波数設定マップを参照してプリチャージ回路150のトランジスタ152に供給するパルス幅変調信号SPの周波数fを設定するステップ32とが介挿されている。
ここで、図9の周波数設定マップは、バッテリ電圧を横軸に、周波数を縦軸にとった特性線図で構成され、バッテリ電圧Vbが基準電圧Vbnであるときに周波数fが中間周波数fMとなり、バッテリ電圧が基準電圧Vbnから増減することに応じて周波数fも中間周波数fMから増減するように設定されている。
また、ステップS22で設定された周波数fのパルス幅変調信号SPをプリチャージ回路150のトランジスタ152に出力するようにされていることを除いては図5と同様の処理を実行し、図6との対応処理には同一ステップ番号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
この図8の処理がプリチャージ駆動部に対応している。
この第2の実施形態によると、イグニッションスイッチ16がオフ状態からオン状態となって、電源回路160にバッテリ電圧Vbが供給されることにより、この電源回路160から出力される作動電圧によってMCU101が作動開始されたときに、図8のプリチャージ駆動処理が実行開始され、そのときのバッテリ電圧Vbを読込み(ステップS31)、次いで読込んだバッテリ電圧Vbをもとに、図9の周波数設定マップを参照してバッテリ電圧Vbに応じたパルス幅変調信号SPの周波数を設定する。
すなわち、バッテリ電圧Vbが正常値Vbn(例えば12V)である場合には、パルス幅変調信号SPの周波数fは中間周波数fMに設定されるが、バッテリ電圧Vbが正常値Vbnより高い場合には、周波数fが中間周波数fMより高い高周波数fHに設定され、逆にバッテリ電圧Vbが正常値Vbnより低い場合には、周波数fが中間値fMより低い低周波数fLに設定される。
したがって、バッテリ電圧Vbが正常値Vbnである場合には前述した第1の実施形態と同様の中間周波数fMに設定されるので、第1の実施形態と同様に電源リレー回路120のリレー接点121のバッテリ15側及びモータ駆動回路110側の電位差を低くして突入電流を確実に抑制することができる。
この状態からバッテリ電圧Vbが正常値Vbnより高い電圧Vbhとなると、このバッテリ電圧Vbhをもとに図9に示す周波数設定マップを参照することにより、中間周波数fMより高い高周波数fHに設定される。
このため、高周波数fHのパルス幅変調信号SPがプリチャージ回路150のトランジスタ152に供給されるので、このトランジスタ152を通じて得られるプリチャージ電圧Vpが図10(a)に実線の直線L11で示すようにバッテリ電圧Vbに応じて高くなる。
この結果、電源リレー回路120のリレー接点121のバッテリ15側及びモータ駆動回路110側の電位差が小さくなり、この電源リレー回路120のリレーコイル122が付勢されてリレー接点121が閉成されるときに、リレー接点121を流れる突入電流を大幅に低下させて、この突入電流を図10(b)で実線の直線L21で示すようにバッテリ電圧Vbの変化にかかわらず十数A程度の略一定値とすることができ、リレー接点121の溶着を確実に防止することができる。
同様にバッテリ電圧Vbが正常値Vbnより低い電圧Vblとなると、このバッテリ電圧Vblをもとに図9に示す周波数設定マップを参照することにより、中間周波数fMより低い低周波数fLに設定され、電源リレー回路120のリレー接点121のバッテリ15側及びモータ駆動回路110側の電位差が突入電流を防止する最適状態に維持することができる。
因みに、プリチャージ回路に分圧抵抗を使用した従来例では、プリチャージ電圧Vpが図10(a)で一点鎖線図示の直線L12で示すように、バッテリ電圧Vbの変化に対してプリチャージ電圧Vpの変化が小さいので、図10(b)で一点鎖線図示の直線L22で示すようにバッテリ電圧Vbが増加するに応じて突入電流が増加してしまい、リレー接点121の接点溶着を生じる可能性がある。
しかしながら、上記第2の実施形態では、バッテリ電圧Vbの増加に応じてプリチャージ電圧Vpも増加して、両者の電位差を適正に維持することができることから、突入電流を確実に抑制することができる。
次に、本発明の第3の実施形態を図11について説明する。
この第3の実施形態では、プリチャージ駆動処理を行っている間に電源リレー回路120のリレー接点121の接点溶着診断、プリチャージ電圧診断及びリレーオープン故障診断を行うようにしたものである。
すなわち、第3の実施形態では、図11に示すように、前述した第1の実施形態における図5のプリチャージ駆動処理において、ステップS21の判定結果が所定時間t1を経過しているものであるときに、ステップS40に移行して、後述する接点溶着診断フラグFD1が“0”にリセットされているか否かを判定し、これが“0”にリセットされているときには正常であると判断してそのまま前記ステップS22に移行し、“1”にセットされているときには異常であると判断してプリチャージ駆動処理を終了する。
また、ステップS21の判定結果が所定時間t1を経過していないものであるときに、ステップS41に移行して、電源リレー回路120のリレー接点121におけるモータ駆動回路110側の接点電圧Vcを読込む。
次いでステップS42に移行して、読込んだ接点電圧Vcが溶着判断閾値Vcth未満であるか否かを判定する接点溶着診断を行ない、Vc<Vcthであるときには接点溶着が生じていないものと判断してステップS43に移行して接点溶着診断フラグFD1を“0”にリセットしてから前記ステップS21に戻り、Vc≧Vcthであるときには接点溶着が生じているものと判断してステップS44に移行し、接点溶着診断フラグFD1を“1”に設定してから前記ステップS21に戻る。
また、ステップS23の判定結果が所定時間t2を経過していないものであるときに、ステップS45に移行して、電源リレー回路120のリレー接点121におけるモータ駆動回路110側の接点電圧Vcを読込み、次いでステップS46に移行して、読込んだ接点電圧Vcが最小電圧閾値VMIN及び最大電圧閾値VMAXの範囲内であるか否かを判定することにより、プリチャージ回路150が正常であるか否かを診断する。
この判定結果が、VMIN≦Vc≦VMAXであるときにはプリチャージ回路150が正常であるものと判断してステップS47に移行し、プリチャージ電圧診断フラグFD2を“0”にリセットしてからステップS23に戻り、Vc<VMINであるときにはプリチャージ回路150が故障しているものと判断してステップS48に移行し、プリチャージ電圧診断フラグFD2を“1”にセットしてから前記ステップS23に戻る。
さらに、ステップS26の次にステップS49を設け、このステップS49で、リレー接点121を閉成するリレー駆動信号SRを出力してから所定時間t3を経過したか否かを判定し、所定時間t3を経過したときにはプリチャージ駆動処理を終了し、所定時間t3が経過していないときにはステップS50に移行して、再度電源リレー回路120のリレー接点121におけるモータ駆動回路110側の接点電圧Vcを読込んでからステップS51に移行する。
このステップS51では、接点電圧Vcがバッテリ電圧Vbの許容下限値VbL以上であるか否かを判定するリレーオープン故障診断を行ない、接点電圧Vcがバッテリ電圧Vbの許容下限値VbL以上であるときにはリレー接点121が閉成してリレーオープン故障が生じていないものと判断してステップS52に移行し、リレーオープン故障診断フラグFD3を“0”にリセットしてから前記ステップS49に戻る。
また、接点電圧Vcがバッテリ電圧Vbの許容下限値VbL未満であるときにはリレー接点121が閉成せず、リレーオープン故障しているものと判断してステップS53に移行し、リレーオープン故障診断フラグFD3を“1”にセットしてから前記ステップS49に戻る。
なお、図示しないが、MCU101で各種診断フラグFD1〜FD3を収集して、接点溶着診断フラグFD1が“1”にセットされているときには、接点溶着状態であることを表す警報表示を運転者の視認範囲内に表示し、プリチャージ電圧診断フラグFD2が“1”にセットされているときにはプリチャージ回路150の故障を表す警告表示を運転者の視認範囲内に表示し、リレーオープン故障診断フラグFD3が“1”にセットされているきいにはリレー接点121のオープン故障を表す警告表示を運転者の視認範囲内に表示する警告表示処理を実行する。
次に、上記第3の実施形態の動作を説明する。
今、イグニッションスイッチ16をオン状態とすることにより、電源回路160にバッテリ電圧Vbが供給されてMCU101が各種処理を実行開始すると、先ず、図11に示すプリチャージ駆動処理で、イグニッションスイッチ16がオン状態となってから所定時間t1が経過するまでの間で、ステップS41〜S44の接点溶着診断処理を実行し、図12に示すように、所定時間t1が経過するまでの間に、電源リレー回路120のリレー接点121におけるモータ駆動回路110側の接点電圧Vcが溶着判断閾値Vcth未満で略“0”であるときにはリレー接点121に接点溶着が発生していないものと判断して接点溶着診断フラグFD1を“0”にリセットする。この場合には、MCU101で実行する警告処理では何ら警告表示は行われない。
ところが、前回のプリチャージ駆動処理及び操舵補助制御処理時にリレー接点121に突入電流等の過電流が流れてリレー接点121が溶着して閉成したままとなると、ステップS41〜S44の接点溶着診断処理を行ったときに、接点電圧Vcが溶着状態にもよるが略“0”ではなくバッテリ電圧Vbと等しいかこれに近い状態となり、溶着判断閾値Vcth以上となるので、ステップS42からステップS44に移行して接点溶着診断フラグFD1を“1”にセットする。
このため、MCU101の警告処理で、リレー接点121の溶着異常を表す警告表示を運転者の視認範囲内に表示することにより、運転者がリレー接点121の溶着が発生したことを認識することができる。
一方、プリチャージ回路150のトランジスタ152にパルス幅変調信号SPを出力した時点T2から所定時間t2が経過するまでの間に、図12に示すように、ステップS45〜S48のプリチャージ電圧診断処理が実行され、接点電圧Vcを読込んで、この接点電圧Vcが略0Vであるときにはプリチャージ回路150のトランジスタ152がオフ状態を維持するか又はプリチャージ回路150内又はバッテリ接続系統の断線により、プリチャージ回路150が全く動作していないプリチャージ回路150の故障であると判断して、プリチャージ電圧診断フラグFD2を“1”にセットする。
同様に、プリチャージ電圧診断処理で、接点電圧Vcが略バッテリ電圧Vbであるときには、プリチャージ回路150のトランジスタ152がオフ状態に反転せず、オン状態を維持する異常状態が発生したか、トランジスタ152から電解コンデンサ151までの間に天絡が発生してプリチャージ回路150が正常に動作しないものと判断して、プリチャージ電圧診断フラグFD2を“1”にセットする。
このようにプリチャージ電圧診断処理で、プリチャージ電圧診断フラグFD2が“1”にセットされると、この場合もMCU101の警告処理で、運転者の視認範囲内に警告表示が行われて運転者にプリチャージ回路150の故障を認識させることができる。
さらに、プリチャージ回路150によるプリチャージが終了して電源リレー回路120のトランジスタ124に高レベルのリレー駆動信号SRを出力して、リレー接点121を閉成した時点T4からステップS49〜S53のリレーオープン故障処理が実行される。
このとき、リレー接点121が正常に閉成されている場合には、接点電圧Vcがバッテリ電圧Vbとなるので、この接点電圧Vcが許容下限値未満に低下することはないので、リレーオープン故障診断フラグFD3が“0”にリセットされる。
しかしながら、リレー接点121が閉成されない状態となると、リレー接点121を通じてのバッテリ電圧Vbの供給が遮断されることにより、プリチャージ回路150のトランジスタ152に対するパルス幅変調信号SPの供給が継続されている間は、接点電圧Vcがプリチャージ電圧Vpを維持するが、トランジスタ152へのパルス幅変調信号SPの供給が停止されると、モータ駆動回路110でHブリッジ回路111が駆動されたときに、電解コンデンサ151に充電されている電荷が放電されることにより、接点電圧Vcが略“0”まで低下して許容下限値VbL未満となる。このため、リレーオープン故障診断フラグFD3が“1”にセットされて、MCU101の警告処理で、運転者の視認範囲内に警告表示が行われる。この状態では、モータ駆動回路110にバッテリ電圧Vbを供給することができないので、電動モータ13を駆動することができず、操舵補助制御は中止される。
しかしながら、このリレーオープン故障が発生したときには、電源リレー回路120を通じてモータ駆動回路110への通電は遮断されるが、プリチャージ回路150を通じてモータ駆動回路110にバッテリ電圧Vbを供給することは可能であるので、プリチャージ駆動処理で、リレーオープン故障診断フラグFD3が“1”にセットされたときに、プリチャージ回路150のトランジスタ152に対して比較的低周波数のパルス幅変調信号SPを供給することにより、このプリチャージ回路150を介して必要最低限の駆動電力をモータ駆動回路110に供給することができ、マニュアル操舵よりは少ない操舵力でステアリングホイール1を操舵することが可能となり、この状態で修理工場等に回送し制御装置14の交換を依頼することができる。
なお、上記第1〜第3の実施形態においては、プリチャージ駆動処理で、プリチャージ回路150のトランジスタ152に供給するパルス幅変調信号SPの周波数fを変化させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、パルス幅変調信号SPの周波数fを一定としてデューティ比を変更するようにしてもよく、周波数及びデューティ比の双方を変更するようにしてもよい。
また、上記第1〜第3の実施形態においては、電源リレー回路120及びプリチャージ回路150のスイッチング素子としてPNPトランジスタ124及び152を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、PNPトランジスタ、電界効果トランジスタ、リレー等の他の任意のスイッチング素子を適用することができる。
さらに、上記第1〜第3の実施形態においては、モータ駆動回路110として直流の電動モータ13を駆動するHブリッジ回路111を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電動モータ13として多相ブラシレスモータを適用した場合に、モータ駆動回路110としてインバータ回路を適用し、これに応じてMCU101の操舵補助制御処理で、操舵トルクに基づいて多相ブラシレスモータに対する各相電圧指令値を生成し、この各相電圧指令値とブラシレスモータの駆動電流検出値との偏差を算出して電流フィードバック処理するようにすればよい。
さらにまた、上記第1〜第3の実施形態においては、プリチャージ回路150のスイッチング素子をバッテリ15側に配置する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、プリチャージ抵抗154と電解コンデンサ151との間に接続するようにしてもよく、さらにはプリチャージ抵抗154に代えてプリチャージコイルを適用するようにしてもよい。
なおさらに、上記第1〜第3の実施形態においては、プリチャージ駆動部をMCU101で実行するプリチャージ処理で行うソフトウェアで構成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、プリチャージ駆動部をタイマ、三角波発生回路、設定電圧発生回路、電圧比較回路等のハードウェアで構成するようにしてもよい。
また、上記第1〜第3の実施形態においては、MCU101で操舵補助制御処理及びプリチャージ駆動処理の双方を実行する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、MCU以外の演算処理装置を適用することもでき、さらには操舵補助制御処理及びプリチャージ駆動処理を別個の演算処理装置で実行するようにしてもよい。
さらに、上記第1〜第3の実施形態においては、コラムシャフト部に操舵補助機構10を設けた所謂コラム形電動パワーステアリング装置に本発明を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ステアリングギヤ8に操舵補助機構を設ける所謂ラック形電動パワーステアリング装置にも本発明を適用することができ、さらには電動パワーステアリング装置以外の電動ブレーキ装置、パワーウィンドウ装置等の車載装置や他の電動モータを使用した駆動機器に本発明を適用することができる。
本発明の一実施形態を示す概略構成図である。 図1の制御装置の具体的構成を示すブロック図である。 MCUで実行する操舵補助制御処理手順の一例を示すフローチャートである。 操舵補助電流指令値算出マップを示す特性線図である。 MCUで実行するプリチャージ駆動処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態における動作の説明に供する信号波形図である。 周波数を変更したときの接点電圧及び突入電流を示す波形図である。 本発明の第2の実施形態を表すMCUのプリチャージ駆動処理手順の一例を示すフローチャートである。 バッテリ電圧と周波数との関係を示す周波数設定マップを示す特性線図である。 第2の実施形態における動作の説明に供する特性線図である。 本発明の第3の実施形態を表すMCUのプリチャージ駆動処理手順の一例を示すフローチャートである。 第3の実施形態における動作の説明に供する信号波形図である。
符号の説明
1…ステアリングホイール、2…ステアリングシャフト、3…操舵トルクセンサ、8…ステアリングギヤ、10…操舵補助機構、13…電動モータ、14…制御装置、15…バッテリ、16…イグニッションスイッチ、17…車速センサ、101…MCU、110…モータ駆動回路、111…Hブリッジ回路、112…ゲート駆動回路、120…電源リレー回路、121…リレー接点、122…リレーコイル、124…トランジスタ、130…モータ電流検出回路、140…モータ角速度推定回路、150…プリチャージ回路、151…電解コンデンサ、152…トランジスタ、154…プリチャージ抵抗、155…直列回路、160…電源回路、170…接点電圧検出回路

Claims (5)

  1. 電動モータと、該電動モータを直流電源からの電力に基づいて駆動制御するモータ駆動回路とを備えたモータ駆動制御装置であって、
    前記直流電源及び前記モータ駆動回路間に介挿された電源リレー回路と、該電源リレー回路と並列に接続されたプリチャージ回路とを備え、
    前記プリチャージ回路は、前記電源リレー回路のモータ駆動回路側接点及び接地間に接続されたコンデンサと、前記電源リレー回路と並列に接続された、パルス幅変調信号によって駆動されるスイッチング素子及び当該スイッチング素子を前記パルス幅変調信号によって駆動するときに前記コンデンサに対するプリチャージ電圧を当該パルス幅変調信号によって制御可能な小さい値に設定された前記プリチャージ抵抗の直列回路と、前記コンデンサに対するプリチャージ電圧を前記直流電源の電源電圧に近づける前記パルス幅変調信号を前記スイッチング素子に出力するプリチャージ駆動部とを有することを特徴とするモータ駆動制御装置。
  2. 前記プリチャージ駆動部は、プリチャージ電圧を前記直流電源電圧に近づけるようにパルス幅変調信号の周波数及びデューティ比の少なくとも一方を予め設定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動制御装置。
  3. 前記直流電源の電源電圧を検出する電源電圧検出部を有し、前記プリチャージ駆動部は、前記電源電圧検出部で検出した電源電圧に応じてパルス幅変調信号の周波数を、突入電流を抑制するように制御するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動制御装置。
  4. 前記プリチャージ駆動部は、前記パルス幅変調信号を前記スイッチング素子に出力する前に前記電源リレー回路の接点溶着が生じているか否かを診断する接点溶着診断を行ない、接点溶着診断後に前記パルス幅変調信号を前記スイッチング素子に出力してプリチャージ電圧が正常であるかを診断するプリチャージ電圧診断を行ない、プリチャージ電圧が所定値に達したときに前記電源リレー回路の接点を閉成してからリレーオープン故障を生じているか否かを診断するリレーオープン故障診断を行うように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のモータ駆動制御装置。
  5. 電動モータで操舵系に対する操舵補助力を発生させ、該電動モータを駆動制御するモータ駆動制御装置として前記請求項1乃至4の何れか1つに記載のモータ駆動制御装置を適用したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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