JP5403068B2 - 通電加熱方法及び通電加熱装置 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、ブランクに通電することにより、当該ブランクを加熱する通電加熱方法に関する。特に、ホットプレスに用いるブランクを通電加熱する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鋼板などにより構成される板状ブランクに通電加熱を施した上で、金型によるプレス加工を行うホットプレス加工が広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。ここでは、成形前のブランクを加熱することによってブランクの成形性を向上している。
また、通電加熱時にブランクを所定の温度(オーステナイト組織が現れる温度)以上に加熱し、冷却した金型と接触させることにより、プレス加工と同時に焼入れ処理を施すダイクエンチ工法が公知である。
【0003】
近年、環境、安全等への配慮から、自動車用鋼板などを成形して得られる成形品の高強度化が進められている。しかし、高強度化に伴い、複数の成形品を接合する際の精度保証の要求が大きくなる。さらには、生産性向上を目的とし、部品点数を削減するために複数の部品を一体化する等の要求が高まっている。
これらの要求に応えるために種々の工夫がなされている。例えば、複数の部品を一体化するために、所望形状(H型、T型、穴あき型等の異形状)を有する高強度ブランクを用意し、その異形状のブランクを加熱してプレス加工する方法が提案されている。
【0004】
異形状のブランクを均一に加熱する方法として、加熱炉にて長時間の加熱を行う方法が考えられるが、加熱炉にかかる設備費、使用するエネルギー等の観点から好ましくない。
また、上記異形状ブランクのプレス加工に対して特許文献1の技術を用いて通電加熱によりブランクを加熱する場合には、ブランクの一端から対向する他端に向かって通電する通電形態となるため、電極対間に存在する空隙部等の断面積変化部によって電流の流れに分布が生じて、ブランク内に流れる電流密度が一定とならず、加熱不均一となってしまう。このため、異形状のブランクの各部位を構成する矩形状のブランク部品を複数用意し、そのブランク部品毎に通電加熱し、プレス加工を施してから接合する必要がある。
【0005】
また、非矩形の異形状のブランクに通電加熱する技術の一例として、特許文献2に、ブランクの対向する両端部に複数対の電極を設け、通電制御することによって均一な加熱を図る技術が開示されている。しかしながら、特許文献2に記載の技術を用いたとしても、通電状態の電極を結ぶ直線と直交する方向の断面積の変化が大きい部位(例えば、ブランクがH型形状を有する場合、平行に延在する二辺とそれらを接続する一辺との接続部位)にて、電流密度が大きく変化するため、ブランク内の電流密度を均一にすることは困難である。
以上のように、近年の傾向を考慮した異形状のブランクに対して通電加熱を用いて均一に加熱する方法は存在しなかった。
【特許文献1】 特開2008−87001号公報
【特許文献2】 特開2002−248525号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、異形状のブランクに対して、通電加熱を用いて均一に加熱する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様である通電加熱方法は、ブランクの異なる二つの端部に対の電極を接続し、前記電極対に通電することにより、前記ブランクを加熱する方法であって、前記ブランクは、前記電極対間に生じる等電位線と直交する方向に設けられる空隙部を有し、前記ブランクにおける前記空隙部により離間した部位の前記電極対間に生じる等電位線と直交する方向の両端部間に、前記ブランクの素材よりも電気抵抗値の低い材料を素材とする電流経路を配置する。
【0008】
本発明の第二の態様である通電加熱方法は、ブランクの異なる二つの端部に対の電極を接続し、前記電極対に通電することにより、前記ブランクを加熱する通電加熱方法であって、前記ブランクは、前記電極対間に生じる等電位線と直交する方向に設けられる空隙部を有し、当該ブランクの空隙部は、当該ブランクの端部に設けられ、かつ、当該端部を開放部として形成する第一の空隙部と、前記ブランク内部に設けられる第二の空隙部とを含み、前記ブランクにおける、前記第一の空隙部及び前記第二の空隙部により離間した部位の前記電極対間に生じる等電位線と直交する方向の両端部間に、前記ブランクの素材よりも電気抵抗値の低い材料を素材とする電流経路を配置するとともに、前記第一の空隙部により離間した部位に配置される電流経路の、前記ブランクと接続される側の反対側は、前記電極と接続される。
【0009】
前記通電加熱方法の実施の一形態において、前記電極対は、互いに平行に配置されるバー電極であるとともに、当該バー電極は、前記ブランクの対向する二つの端部に接続され、
前記電流経路は、前記電極対の配置方向と直交する方向に設けられることが好ましい。
【0011】
前記通電加熱方法の実施の一形態において、前記電流経路と接続される、前記ブランクの空隙部により離間した部位の端部は、前記電流経路に対して傾斜又は湾曲した端部として形成され、前記電流経路は、前記ブランクと同一の素材からなり、前記電極対の配置方向と直交する方向に配置される延長素材を介して、前記ブランクの傾斜又は湾曲した端部と接続されることが好ましい。
【0012】
前記通電加熱方法の実施の一形態において、前記ブランクは、前記ブランクの対向する二つの端部のうち一端部から他端部に向けて直線状に延出して設けられる第一延出部と、
前記ブランクの対向する二つの端部のうち一端部から他端部に向けて曲線状に延出して設けられ、前記他端部側において前記第一延出部と接続される第二延出部と、前記第一延出部と第二延出部との中途部を接続する第三延出部とにより構成され、前記電極対のうち、前記ブランクの前記一端部と接続される電極は、前記ブランクの前記他端部と接続される電極よりも長く構成されることが好ましい。
【0013】
本発明の第三の態様である通電加熱装置は、ブランクの対向する二つの端部に対の電極を接続し、前記電極対に通電することにより、前記ブランクを加熱するための装置であって、前記ブランクは、前記電極対間に生じる等電位線と直交する方向に設けられる空隙部を有し、前記空隙部により離間した部位の前記電極対間に生じる等電位線と直交する方向の両端部間に設けられる電流経路を具備し、前記電極対は、互いに平行に配置されるバー電極であるとともに、当該バー電極は、前記ブランクの対向する二つの端部に接続され、前記電流経路は、前記電極対の配置方向と直交する方向に設けられるとともに、該電流経路の素材は、前記ブランクの素材よりも電気抵抗値の低い材料である
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電極対間に空隙部等の断面積変化部を有する異形状のブランクに通電加熱する際に、前記空隙部をバイパスし、ブランク内に流れる電流密度を均一化するので、異形状のブランクに対しても、通電加熱を用いて均一に加熱できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ブランクの実施の一形態を示す模式図である。
【図2】本発明の通電加熱工程の実施の一形態を示す図である。
【図3】電極対の実施の一形態、及び当該電極対間に発生する等電位線を示す図である。
【図4】従来の通電加熱工程を示す図である。
【図5】従来の通電加熱工程による電流密度の分布を示す図である。
【図6】本発明の通電加熱工程による電流密度の分布を示す図である。
【図7】電極対の実施の別形態、及び当該電極対間に発生する等電位線を示す図である。
【図8】ブランクの実施の別形態を示す模式図である。
【図9】本発明の通電加熱工程の実施の別形態を示す図である。
【図10】電極対の実施の一形態、及び当該電極対間に発生する等電位線を示す図である。
【符号の説明】
【0016】
1 ブランク
10 電極
20 電流経路(電流経路)
50 ブランク
60 電極対
70 電流経路群(電流経路)
80 延長素材群
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下では、図面を参照して、本発明に係る通電加熱方法の実施形態について説明する。
本発明の通電加熱方法は、ブランクに通電することにより加熱する工程である。また、通電加熱の後工程として、ブランクを焼き入れつつプレス成形するホットプレス工程や焼入れを含まない温間プレス工程等が行われる。
【0018】
上記ホットプレス工程では、本発明の通電加熱方法によって所定の温度以上に加熱されたブランクを、プレス用金型を用いて急冷しつつプレス成形を行う。
この際、プレス成形に係る成形性の向上、及びブランクの焼入性の向上が求められている。つまり、ホットプレス工程に導入されるブランクが上記成形性及び焼入性を担保できる所定の温度以上に均一に加熱されているか否かが大きな課題となる。
また同時に、工程数削減、部品点数削減等の要請に応えるために、ホットプレス工程後のトリミング工程等の後工程を経て一つの製品として使用できる状態、つまり製品形状と略同一形状を有する異形状のブランクを用意して、当該ブランクに通電加熱し、そのままホットプレス工程に移行することが求められている。
本発明は、上記の課題を解決する新規な通電加熱方法を提案するものであり、以下に本発明を具現化する実施形態について詳細に述べる。
【0019】
[第一実施形態]
以下では、本発明の通電加熱方法の第一実施形態として、図1〜図5を参照して、ブランクの実施の一形態であるブランク1に通電し、加熱する通電加熱工程S1について説明する。
ブランク1は、通電加熱工程S1における加熱対象であり、導電性を有し、かつ、焼き入れ可能な素材(鋼材等)により構成されている。ブランク1は、「異形状」を有する平板部材である。
本発明において、「異形状」とは、従来の通電加熱工程の加熱対象として用いられていた矩形状と異なる形状であることを意味する。例えば、異形状とは、矩形状の部品の一部を打ち抜くこと、若しくは、複数の部品を一体化することによって得られるH形状、T形状、穴あき形状等の所望の形状を指し、通電加熱工程の後工程であるホットプレス工程、トリミング工程等を経て、そのまま製品として使用可能な形状を指す。
また、電気抵抗値の異なる素材からなる複数の部材を、レーザ溶接等を用いて一体化することによって得られた矩形状の部材を通電する際には、その電気抵抗値の差異によって電流密度に分布が生じ、均一な加熱分布を得ることが困難となるため、加熱対象として矩形状とは異なるものとみなし、本発明では、係る場合についても「異形状」であると定義する。
なお、説明の便宜上、図1における上下方向及び左右方向をブランク1の上下方向及び左右方向として以下の説明を行う。
【0020】
図1に示すように、ブランク1は、第一延出部2・2と、第二延出部3・3とを有し、第一延出部2・2の側面に第二延出部3・3の端部を接続することにより一体的に形成されている。
第一延出部2・2は、互いに所定寸法だけ離間した状態で、ブランク1の一端部から当該一端部と対向する他端部に向けて(左右方向に)延出して設けられる。第二延出部3・3は、ブランク1の前記一端部から他端部に向かう方向と直交する方向に向けて(上下方向に)、互いに所定寸法だけ離間した状態で延出して設けられる。
【0021】
また、ブランク1は、左右両端部に切り欠き4・4を有し、中央部に穴5を有する。切り欠き4・4は、ブランク1の対向する両端部に設けられ、ブランク1の端部の一部を開放部として形成する方形の穴あき部である。穴5は、ブランク1の中央部に設けられる方形の穴あき部であり、その周囲はブランク1によって囲まれている。つまり、ブランク1は、方形から切り欠き4・4及び穴5を取り除いた穴あき形状を有する。
【0022】
ブランク1を得る方法としては、矩形状の素材から切り欠き4・4及び穴5に対応する部位を打ち抜く方法、又は、第一延出部2・2に対応する部品及び第二延出部3・3に対応する部品を用意し、これらを接合する方法(いわゆるテーラードブランク)等が用いられる。
【0023】
以上のように構成されるブランク1においては、第一延出部2・2と第二延出部3・3とが接続される部位が、左端から右端に向かう直線と直交する上下方向における断面積の変化が大きい部位、かつ、上端から下端に向かう直線と直交する左右方向における断面積の変化が大きい部位として形成されている。
言い換えれば、ブランク1は、切り欠き4・4及び穴5により、左右方向及び上下方向における断面積の変化が大きい部位を有する部材として形成されている。
【0024】
通電加熱工程S1では、図2に示すように、一対の電極10・10及び複数の電流経路20・20を用いてブランク1に通電し、加熱する。
電極10・10及び電流経路20・20は、これらを構成要素として含む通電加熱装置として、所定位置に据置設置されており、係る通電加熱装置にブランク1を移送し、通電加熱装置に設置することにより、通電加熱工程S1が行われる。
【0025】
電極10・10は、ブランク1に通電する際に用いる電極部材であり、その一方はプラス電極、他方はマイナス電極として用いられる。電極10・10は、一方向を長手方向とする棒状のバー電極として構成される。電極10・10は、所望の電流を供給可能な電源装置に接続されており、当該電源装置を作動することによって電極10・10を介してブランク1に電流を付与する。ブランク1内では、プラス電極側の電極10からマイナス電極側の電極10に向けた電流が発生する。
電極10・10は、上下方向を長手方向とするように延出して設けられ、ブランク1の上下方向の長さと略同じ長さで延出される。電極10・10は、ブランク1の第一延出部2・2の左右両端、つまり、直交する二方向のうち一方向において対向する両端に接触した状態で配置される。本実施形態の電極10・10の通電方向は、ブランク1の左右方向である。
【0026】
図2に示すように、電極10は、ブランク1及び電流経路20との電気的な接続を確保するために、ブランク1の厚み方向から挟持するクランプ構造を有する複数の接続部11を具備する。接続部11は、エアシリンダ、若しくは油圧シリンダ等のアクチュエータにより作動されるクリップ式のクランプ構造を有し、前記アクチュエータを適宜作動することにより、電極10とブランク1との接続/非接続の切り替えが可能である。
電極10・10に含まれる各接続部11のクランプ構造により、ブランク1と電極10・10とを密着した状態に保持できる。特に、本実施形態のようにクランプするものではなく、単に接触した状態で接続する構造を有するものと比べて、通電加熱中のブランク1の湾曲、反り等の変形の影響を軽減でき、均一加熱の実現に寄与できる。
【0027】
ここで、ブランク1が矩形状であると仮定した場合に、プラス側の電極10からアース側の電極10に向かって発生する等電位線を図示すると、図3のように表される。つまり、図3に示すように、バー電極として形成される電極10・10により、電極10・10の配置方向と平行に等電位線が発生する。
しかしながら、ブランク1には、図3に示すように、切り欠き4・4及び穴5が電極10・10間に発生する等電位線と略直交する方向に設けられており、切り欠き4・4は、電極10とブランク1との間に形成される空隙部として存在し、穴5はブランク1内部に形成される空隙部として存在することとなり、これらの部位は非通電部位となり、電流密度に分布が生じることとなる。
【0028】
従来の通電加熱工程によってブランク1を加熱する場合は、図4に示すように、電極10・10のみによってブランク1への通電が行われていた。
ブランク1への通電は、一対の電極10・10によって、一方向(図示において、右から左)に向けて行われる。これにより、ブランク1の第一延出部2・2の右端から左端に向かって電流が流れる。
このとき、第一延出部2・2と第二延出部3とが接続される領域A・Aでは、ブランク1の上下方向の長さが第一延出部2・2に第二延出部3を加えたものとなる。これによって、通電方向と直交する方向の断面積が領域A・Aにおいて局所的に大きくなり、ブランク1内の電流密度に大きな分布が生じ、第二延出部3・3には電流が流れ難くなる。
【0029】
より詳細には、以下に示す(1)、(2)のような分布が発生する(図5参照)。
(1)第一延出部2・2と第二延出部3との接続部位B・B・・・は、直角に形成されており、接続部位B・B・・・において電流の流れる方向が大きく変化するため、電流が集中して接続部位B・B・・・での電流密度が大きくなる。
(2)第一延出部2・2には電極10・10が直接的に接続されているため、第一延出部2・2を通過する電流密度は大きくなる。これに対して、第一延出部2・2から第二延出部3・3へ分岐する電流経路の抵抗が大きくなり、第二延出部3・3における電流密度が小さくなる。
このように、従来の通電加熱工程では、電極10・10のみを用いて異形状のブランク1を通電するため、電流密度に分布が生じて均一に加熱することは困難である。
【0030】
これに対して、本実施形態では、図2に示すように、一対の電極10・10によって、一方向(図示において、右から左)に向けて通電するとともに、電流経路20・20を用いて、電流を第二延出部3・3にバイパスさせている。
【0031】
電流経路20・20は、ブランク1より電気抵抗値の低い素材(例えば、ブランク1の素材に鋼材を採用した場合、電流経路20の素材は銅、カーボン等が採用される。)からなる平板状の電極部材であり、ブランク1に接続される電流経路である。電流経路20・20は、左右方向に延出して設けられており、第一延出部2・2と平行に配置されている。
また、電流経路20・20は、右側の電極10と右側の第二延出部3、右側の第二延出部3と左側の第二延出部3、及び左側の第二延出部3と左側の電極10とを接続するように分割されて(又は一体的に)配置されている。これにより、電極10・10が両端に接続されるブランク1において、切り欠き4・4及び穴5によって形成される電極10・10間の非通電部位をバイパスする。
このように、電流経路20・20を介して、電流密度の大きい部位であるプラス電極側の電極10から、電流密度の小さい部位である第二延出部3・3に電流を導く電流経路が形成されている。
なお、本実施形態では、切り欠き4・4は、ブランク1の端部に設けられる開放部であるため、切り欠き4・4に配置される電流経路20・20の一側は、電極10・10に接続されている。一方、穴5はブランク1の内部に設けられており、その周囲がブランク1に囲まれているため、穴5に配置される電流経路20・20の両側は、ブランク1に接続されている。
【0032】
図6に示すように、電極10・10による通電時に電流経路20・20を経由して、電極10から第一延出部2への電流経路をバイパスして、第二延出部3・3に電流を導くことができ、第二延出部3・3内の電流密度を増大でき、ブランク1内の電流密度を均一化できる。
言い換えれば、電流経路20・20を第一延出部2・2と平行に設けて、電極10・10の通電方向と直交する方向の断面積の変化を小さくすることにより、ブランク1内の電流密度の均一化を図っている。
従って、通電加熱工程S1によれば、電流経路20・20を設ける簡易な構成によってブランク1の電流密度を均一化し、均一な加熱を実現できる。ひいては、通電加熱工程S1後のプレス加工、焼き入れ等の品質性、生産効率等を向上できる。
【0033】
さらに、電流経路20・20は、電流密度の大きい部位から電流密度の小さい部位に向かって、つまり、プラス電極側の電極10から、電極10・10と非通電部位(切り欠き4・4、穴5)を介して設けられ、かつ、通電方向と直交する方向に延在する第二延出部3・3に向けて電流の流れをバイパスしている。
これにより、電流経路の分岐点である接続部位B・B・・・における過熱を緩和できるとともに、第二延出部3・3内で、左右方向に向けた十分な電位差を生むことができる。このように、電流経路20・20を用いることによって電流密度の分布を緩和し、均一化を促進できる。
【0034】
また、電流経路20・20は、ブランク1の電極10・10間に生じる等電位線と直交する方向に設けられる空隙部である、切り欠き4・4及び穴5により離間した部位の両端部間を接続している。
これにより、電極10・10から空隙部を介して存在することとなり、電流密度の小さい部位となる第二延出部3・3に、電流経路20・20を介して電流をバイパスすることができ、電流密度を均一化できる。
【0035】
さらに、電流経路20・20は、バー電極である電極10・10の配置方向(上下方向)と直交する方向(左右方向)に配置されている。言い換えれば、電極10・10間に生じる等電位線と直交する方向に電流経路20・20が配置されている。
これにより、電流経路20・20を流れる電流の密度を均一にでき、効率的にバイパスできる。
また、電極10・10は、一方向に延びる棒状のバー電極として構成されているので、電極10・10をブランク1の対向する端部に平行に配置した場合に、通電方向に対して大きな断面積を確保でき、均一な等電位線を生じさせることが可能となる。これにより、加熱効率を向上できる。
【0036】
また、電流経路20・20は、ブランク1よりも電気抵抗値の低い素材により構成されているため、電流経路20・20の電流密度を第一延出部2・2の電流密度より大きくすることができ、電極10からの電流を電流経路20・20を介して第二延出部3・3に良好に導くことが可能である。
逆に、電流経路20・20の電気抵抗値がブランク1よりも高い場合には、ブランク1への通電時に、電流経路20・20が加熱されてしまうので、ブランク1に対する加熱効率が悪くなってしまう。
【0037】
なお、本実施形態の通電加熱工程S1の加熱対象であるブランクは、本実施形態のブランク1に限定されない。例えば、ブランク形状として、H型、T型、穴あき部を有する方形等でも良く、ブランク形状は方形であるが、異なる素材からなる複数の部品を接合することによって得られるものでも良く、通電時に素材の電気抵抗値の差異により電流密度に分布を生じるものであれば適用可能である。
つまり、一対の電極を用いて一端側から他端側にかけて通電する際に、内部に電流密度の分布が発生し得る部材であれば、当該電流密度の大きい部位から小さい部位へバイパスする技術である通電加熱工程S1を実施することによって、均一な加熱を実現できる。
また、径に変化を有する鋼材パイプ等の三次元的な異形状を有する部材をブランクとして用いることも可能であり、同様の技術的思想に基づいて、通電加熱工程S1を適用できる。
【0038】
また、通電加熱工程S1における通電方向は、本実施形態のものに限定されるものではなく、ブランク1の形状、加熱形態等に応じて適宜変更しても良い。
例えば、ブランク1の上下方向を通電方向とする場合は、第二延出部3・3よりも外方に突出する第一延出部2・2を上下方向に接続するように電流経路20を上下方向に設けることによって、ブランク1内の電流密度を均一化することが可能である。
【0039】
また、通電加熱工程S1にて使用した一対の電極10・10は、等電位線を均一に発生するバー電極に構成されるものであるが、対として構成される電極間に均一な等電位線を生じるものであれば代用可能である。
例えば、バー電極に代えて上下二対の半球型電極15・15・15・15を用いることができる。半球型電極15・15・15・15を用いる場合は、図7に表される等電位線が生じるため、ブランク1の端部から略平行に等電位線が生じるように適宜電極の個数、配置等を変更すれば良い。
【0040】
また、ブランク1の端部が曲線形状を有すること等により、電極10・10との接触領域が直線的でなくなる場合は、ブランク1の接触領域の形状に応じて別途の電極部材を設けることにより、電極10・10との直線的な接触を実現しても良い。
つまり、ブランクの端部形状はブランク1のような直線形状に限定されるものではなく、曲線形状の端部を有するブランクに対しても本実施形態の通電加熱工程S1を良好に適用可能であり、同様の効果を奏する。
【0041】
また、ブランク1に対して、電流経路20・20は、第二延出部3・3を上下方向に三等分する位置に配置されていることが好ましい。つまり、電流経路20の配置及び個数等は、ブランク1の形状に応じて適宜設定すれば良く、ブランク1に対してより均一な電流密度を実現可能な形態であれば良い。
例えば、導線を電流経路として用いることも可能であり、高電位部分と低電位部分とを前記導線により接続する構成とし、電流密度の大きい部位から小さい部位へ電流をバイパスするものであれば良い。
また、電流経路をブランクに接続していない状態で、ブランクを加熱し、その加熱状態を熱画像装置、シミュレーション等により検出することによって、最適な加熱形態となるように電流経路を選択・配置することも可能である。
【0042】
[第二実施形態]
以下では、本発明の通電加熱方法の第二実施形態として、図8〜図10を参照して、ブランクの実施の一形態であるブランク50に通電し、加熱する通電加熱工程S2について説明する。
なお、説明の便宜上、図8における上下方向及び左右方向をブランク50の上下方向及び左右方向として以下の説明を行う。
【0043】
ブランク50は、通電加熱工程S2における加熱対象であり、導電性を有し、かつ、焼き入れ可能な素材(鋼材等)により構成されている。ブランク50は、「異形状」を有する平板部材である。
図8に示すように、ブランク50は、第一延出部51と、第二延出部52と、第三延出部53とを有し、第一延出部51及び第二延出部52の側面に第三延出部53の端部をそれぞれ接続することにより一体的に形成されている。
なお、これら第一延出部51、第二延出部52及び第三延出部53の各部位を構成する素材は、同一のものであっても、互いに異なるものであっても良く、ブランク50における各部位の剛性等の材料特性に応じて適宜設定可能である。
【0044】
第一延出部51は、ブランク50の対向する二つの端部のうち一端部(図示において右端部)から当該一端部と対向する他端部に向けて(左方向に)延出して設けられる。第一延出部51は、左右方向に直線状に延出する部位である。
第二延出部52は、ブランク50の対向する二つの端部のうち一端部(図示において右端部)から当該一端部と対向する他端部に向けて(左方向に)延出して設けられる。第二延出部52は、一端側(右方)から他端側(左方)へいくに従って上方から下方に向けて湾曲する曲線状に延出する部位であり、前記一端部(図示において右端部)では、第一延出部51と所定寸法だけ離間しているが、前記他端部(図示において左端部)にて第一延出部51と接続される。
第三延出部53は、ブランク50の前記一端部から他端部に向かう方向と略直交する方向に向けて延出する部位であり、第一延出部51及び第二延出部52の中途部に接続される。第三延出部53は、上下方向に対して所定角度だけ傾斜した状態で設けられている。
【0045】
また、ブランク50は、右端部に切り欠き54、左端部に切り欠き55を有し、中央部に穴56を有する(図9に示す一点差線は、ブランク50を矩形状と仮定したときの外形線である。)。
切り欠き54は、ブランク50の右端部に設けられ、ブランク50の端部の一部を開放部として形成する台形状の空隙部である。ブランク50において、切り欠き54により形成される開放部の端部は、傾斜した直線として形成されている。
切り欠き55は、ブランク50の左上部に設けられ、ブランク50の端部の一部を開放部として形成する空隙部である。ブランク50において、切り欠き55により形成される開放部の端部は、曲線として形成されている。また、切り欠き55によって、ブランク50の左端部の上下方向の長さは、右端部の上下方向の長さよりも短くなっている。
穴56は、ブランク50の中央部に設けられる四角形状の空隙部である。ブランク50において、穴56により離間する部位の端部は、右側が傾斜した直線、左側が曲線として形成されている。
【0046】
ブランク50を得る方法としては、矩形状の素材から切り欠き54・55及び穴56に対応する部位を打ち抜く方法、又は、第一延出部51、第二延出部52、第三延出部53にそれぞれ対応する部品を用意し、これらを接合する方法(いわゆるテーラードブランク)等が用いられる。
【0047】
通電加熱工程S2では、図9に示すように、電極対60、複数の電流経路から構成される電流経路群70、複数の延長素材から構成される延長素材群80を用いてブランク50に通電し、加熱する。
電極対60及び電流経路群70は、これらを構成要素として含む通電加熱装置として、所定位置に据置設置されており、係る通電加熱装置にブランク50を移送し、通電加熱装置に設置することにより、通電加熱工程S2が行われる。
【0048】
電極対60は、ブランク50に通電する際に用いる電極部材である。電極対60は、ブランク50の一端側に接続される電極61と、当該一端側と対向する他端側に接続される電極62とからなり、一方はプラス電極、他方はマイナス電極として用いられる。
これら電極61・62は、ともに一方向を長手方向とする棒状のバー電極として構成される。電極61・62は、所望の電流を供給可能な電源装置に接続されており、当該電源装置を作動することによって電極61・62を介してブランク50に電流を付与する。ブランク50内では、プラス電極側の電極61からマイナス電極側の電極62に向けた電流が発生する。
電極61は、上下方向を長手方向とするように延出して設けられ、ブランク50の右端部の上下方向の長さと略同じ長さで延出される。電極62は、上下方向を長手方向とするように延出して設けられ、ブランク50の左端部の上下方向の長さと略同じ長さで延出される。つまり、電極61は電極62よりも長く構成されている。
【0049】
図9に示すように、電極61・62は、ブランク50との電気的な接続を確保するために、ブランク50の厚み方向から挟持するクランプ構造を有する複数の接続部63を具備する。接続部63は、エアシリンダ、若しくは油圧シリンダ等のアクチュエータにより作動されるクリップ式のクランプ構造を有し、前記アクチュエータを適宜作動することにより、電極61・62とブランク50との接続/非接続の切り替えが可能である。
電極61・62に含まれる各接続部63のクランプ構造により、ブランク50と電極61・62とを密着した状態に保持できる。特に、本実施形態のようにクランプするものではなく、単に接触した状態で接続する構造を有するものと比べて、通電加熱中のブランク50の湾曲、反り等の変形の影響を軽減でき、均一加熱の実現に寄与できる。
【0050】
ここで、ブランク50が矩形状であると仮定した場合に、プラス側の電極61からアース側の電極62に向かって発生する等電位線を図示すると、図10のように表される。つまり、図10に示すように、バー電極として形成される電極61・62の対向する部分では、電極61・62と平行に等電位線が発生し、電極62の上方部分(電極61から電極62に向けて投影した場合に、電極が配置されていない部分)では、電極61から電極62の上端部に向けて傾斜するように等電位線が発生する。
しかしながら、ブランク50には、図10に示すように、切り欠き54・55及び穴56が電極61・62間に発生する等電位線と略直交する方向に設けられており、切り欠き54・55は、電極61・62とブランク50との間に形成される空隙部として存在し、穴56はブランク50内部に形成される空隙部として存在することとなり、これらの部位は非通電部位となるため、電流密度に分布が生じることとなる。
【0051】
そこで、本実施形態では、図9に示すように、電極対60によって、一方向(図示において、右から左)に向けて通電するとともに、電流経路群70及び延長素材群80を用いて、切り欠き54及び穴56が形成される部位において、第三延出部53に電流をバイパスさせ、かつ、切り欠き55が形成される部位において、第二延出部52の曲線部分から電極62に電流をバイパスさせている。
【0052】
電流経路群70は、ブランク50より電気抵抗値の低い素材(例えば、ブランク50の素材に鋼材を採用した場合、電流経路群70の素材は銅、カーボン等が採用される。)からなる電極部材であり、ブランク50に接続される電流経路である。電流経路群70は、略左右方向に延出して設けられている。
図9に示すように、電流経路群70は、電極61と第三延出部53の右側端部とを接続する第一電流経路71、第三延出部53の左側端部と第一延出部51及び第二延出部52の右側端部とを接続する第二電流経路72、第二延出部52の左側端部と電極62とを接続する第三電流経路73とを含む。
つまり、第一電流経路71は、切り欠き54によって離間する部位において、電極対60間に生じる等電位線と略直交する方向に設けられ、第二電流経路72は、穴56によって離間する部位において、電極対60間に生じる等電位線と略直交する方向に設けられ、第三電流経路73は、切り欠き55によって離間する部位において、電極対60間に生じる等電位線と略直交する方向に設けられている。
本発明において、「等電位線と直交する」とは、等電位線に対して直角に交差(直交)すること、並びに、等電位線に対して十分な角度(例えば45°以上の傾き)を有しながら交差(略直交)することを示し、「十分な角度」とは、電流経路が等電位線と交差することによって、等電位線を生じさせている電流の流れに影響を与える程度の角度を示す。
また、第三電流経路73は、左右方向に延出して設けられる第一部位73a・73a・73aと、各第一部位73aの左端部を接続し、さらに電極62と接続するとともに、上下方向に延出して設けられる第二部位73bとを有しており、各第一部位73aと第二部位73bとがそれぞれ電極対60間に生じる等電位線と略直交する方向に延在する構成である。言い換えれば、第三電流経路73の第二部位73bは、電極62を上方に延長するように設けられており、電極62と第二部位73bとによって、電極61の上下方向の長さと略同じ長さを有する仮想的な電極を構成している。
このように、電流経路群70は、切り欠き54・55、穴56によってそれぞれ形成される電極対60間の非通電部位を、電極対60間に生じる等電位線と略直交する方向にバイパスしている。
【0053】
延長素材群80は、ブランク50と同一の素材(鋼材等)からなる電極部材であり、ブランク50に接続される電流経路である。延長素材群80は、左右方向に延出して設けられている。延長素材群80は、ブランク50において、上下方向に対して傾斜した端部及び曲線状に形成される端部と電流経路群70とを接続する。
【0054】
図9に示すように、延長素材群80は、ブランク50と電流経路群70とが直線的に接続されるように形成されている、つまり、延長素材群80における電流経路群70と接続される側の端部は、直線状に形成されている。
また、電流経路群70と延長素材群80とを電気的に接続するために適宜のクランプ構造(不図示)が用いられており、上記のように電流経路群70と延長素材群80とを直線的に接続することによって、係るクランプ構造によるクランプ時の抵抗を軽減するとともに、電流経路群70を通過する電流による加熱効率を向上している。
なお、上記クランプ構造は、第一実施形態の電極10・10の各接続部11と同様の構造を採用することができる。
【0055】
図9に示すように、延長素材群80は、第一電流経路71と第三延出部53の右側端部とを接続する第一延長素材81・81・81・81、第三延出部53の左側端部と第二電流経路72とを接続する第二延長素材82・82・82、第二電流経路72と第一延出部51及び第二延出部52の右側端部とを接続する第三延長素材83、第二延出部52の左側端部と第三電流経路73とを接続する第四延長素材84・84・84とを含む。
なお、ブランク50に延長素材群80を接続する方法としては、ブランク50を形成する際に同時に形成する方法、若しくは、ブランク50を形成した後、所定箇所に延長素材群80を固定する方法等が挙げられる。前記何れの方法を採用したとしても、延長素材群80は、製品として用いる部位ではないため、通電加熱工程S2の後工程であるトリミング工程等にて除去される。
また、上記延長素材群80を構成する各延長素材(81・82・83・84)の個数・配置箇所等は本実施形態に限定されるものではない。
【0056】
通電加熱工程S2では、以上のように構成される電流経路群70を用いて通電することにより、ブランク50内の電流密度を均一化でき、均一な加熱を実現できる。ひいては、通電加熱工程S2後のプレス加工、焼き入れ等の品質性、生産効率等を向上できる。
つまり、第二実施形態においても、第一実施形態と同様の作用・効果を得ることが可能である。
【0057】
また、延長素材群80を用いて、電流経路群70とブランク50とを接続する本実施形態では、以下に示すような特有の作用・効果が得られる。
すなわち、ブランク50における空隙部として形成される切り欠き54・55、及び穴56によって離間する部位の端部は、曲線形状(第二延出部52の左側端部)、又は、電極対60による通電方向と直交する方向から見て傾斜した直線形状(第三延出部53の左右両側端部)に形成されているため、電流経路群70を直接接続する場合に、加熱形態、及びクランプ形態に関する不具合が生じ得るが、延長素材群80をブランク50に設け、延長素材群80を介して電流経路群70とブランク50とを接続することによって、加熱性を向上し、均一な加熱の実現に寄与している。
【0058】
なお、本実施形態では、ブランク50の左右端部の上下方向の長さに応じた寸法の電極対60(電極61・62)を用いたが、これに限定されず、電極62の上下方向の長さをブランク50の上下方向の長さと略同じ寸法に設定しても良い。係る場合、電極対60間に生じる等電位線は、電極対60の配置方向と平行となる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、ブランクに通電することにより加熱する技術に適用可能であり、特に一対の電極を用いて通電する際に、内部に電流密度の分布が発生するブランクを均一に加熱する技術に適している。

Claims (6)

  1. ブランクの異なる二つの端部に対の電極を接続し、前記電極対に通電することにより、前記ブランクを加熱する通電加熱方法であって、
    前記ブランクは、前記電極対間に生じる等電位線と直交する方向に設けられる空隙部を有し、
    前記ブランクにおける前記空隙部により離間した部位の前記電極対間に生じる等電位線と直交する方向の両端部間に、前記ブランクの素材よりも電気抵抗値の低い材料を素材とする電流経路を配置する通電加熱方法。
  2. ブランクの異なる二つの端部に対の電極を接続し、前記電極対に通電することにより、前記ブランクを加熱する通電加熱方法であって、
    前記ブランクは、前記電極対間に生じる等電位線と直交する方向に設けられる空隙部を有し、当該ブランクの空隙部は、当該ブランクの端部に設けられ、かつ、当該端部を開放部として形成する第一の空隙部と、前記ブランク内部に設けられる第二の空隙部とを含み、
    前記ブランクにおける、前記第一の空隙部及び前記第二の空隙部により離間した部位の前記電極対間に生じる等電位線と直交する方向の両端部間に、前記ブランクの素材よりも電気抵抗値の低い材料を素材とする電流経路を配置するとともに、
    前記第一の空隙部により離間した部位に配置される電流経路の、前記ブランクと接続される側の反対側は、前記電極と接続される通電加熱方法。
  3. 前記電極対は、互いに平行に配置されるバー電極であるとともに、当該バー電極は、前記ブランクの対向する二つの端部に接続され、
    前記電流経路は、前記電極対の配置方向と直交する方向に設けられる請求項1又は2に記載の通電加熱方法。
  4. 前記電流経路と接続される、前記ブランクの空隙部により離間した部位の端部は、前記電流経路に対して傾斜又は湾曲した端部として形成され、
    前記電流経路は、
    前記ブランクと同一の素材からなり、前記電極対の配置方向と直交する方向に配置される延長素材を介して、前記ブランクの傾斜又は湾曲した端部と接続される請求項1〜3の何れか一項に記載の通電加熱方法。
  5. 前記ブランクは、
    前記ブランクの対向する二つの端部のうち一端部から他端部に向けて直線状に延出して設けられる第一延出部と、
    前記ブランクの対向する二つの端部のうち一端部から他端部に向けて曲線状に延出して設けられ、前記他端部側において前記第一延出部と接続される第二延出部と、
    前記第一延出部と第二延出部との中途部を接続する第三延出部とにより構成され、
    前記電極対のうち、前記ブランクの前記一端部と接続される電極は、前記ブランクの前記他端部と接続される電極よりも長く構成される請求項4に記載の通電加熱方法。
  6. ブランクの対向する二つの端部に対の電極を接続し、前記電極対に通電することにより、前記ブランクを加熱する通電加熱装置であって、
    前記ブランクは、前記電極対間に生じる等電位線と直交する方向に設けられる空隙部を有し、
    前記空隙部により離間した部位の前記電極対間に生じる等電位線と直交する方向の両端部間に設けられる電流経路を具備し、
    前記電極対は、互いに平行に配置されるバー電極であるとともに、当該バー電極は、前記ブランクの対向する二つの端部に接続され、
    前記電流経路は、前記電極対の配置方向と直交する方向に設けられるとともに、該電流経路の素材は、前記ブランクの素材よりも電気抵抗値の低い材料である通電加熱装置。
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