JP5880175B2 - 通電加熱方法及び熱間プレス成形方法 - Google Patents

通電加熱方法及び熱間プレス成形方法 Download PDF

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Description

本発明は、通電加熱によって所定の電気抵抗を有する導電性の板材を加熱する通電加熱方法、及び該通電加熱方法によって加熱された板材をプレス成形する熱間プレス成形方法に関する。
例えば自動車等の車体に使用される鋼板などの板状素材(板状ワーク)は、プレス成形によって所定形状に成形して使用することが一般的に行われている。また、車体の軽量化や高強度化等を図るために高張力鋼板などの板状ワークを用いる場合には、該ワークを加熱して成形性を高めた上でプレス成形する熱間プレス成形によって成形することが行われている。
このように板材を加熱してプレス成形する場合、成形サイクルタイムを短縮するために板材を迅速に加熱することが求められている。かかる要求に応える加熱方法として、板材の両端部に電極を取り付けて両電極間を通電することにより、板材に生じるジュール熱によって迅速に該板材を加熱する通電加熱方法が知られている。この通電加熱方法を採用した場合、一般的に、矩形の板材は略均一に加熱される。
一方で、熱間プレス成形後に成形品の一部に穴加工等の後加工が施される場合や、最終製品に要求される機械特性が部位によって異なる場合などには、後加工が容易となるように後加工部分の硬度を低めにすることや部位によって機械特性を異ならせることなどを目的として、プレス前の被加熱板材を均一でない所定の温度分布で加熱することが求められる。
これに関連して、特許文献1及び2には、被加熱板材が所定の温度分布となるように通電加熱を行う技術が開示されている。
具体的に、特許文献1の技術は、所定温度に維持されるように制御された温度制御部材を被加熱板材の所定部位に接触させた状態で通電加熱を行うことで、この接触部位において加熱中の被加熱板材から抜熱することにより、この部分の加熱温度を低くするものである。この特許文献1の技術によれば、加熱温度を低くしたい各所に温度制御部材が適切に配置された加熱装置を用いることで、被加熱板材を所望の温度分布となるように加熱することが可能になる。
また、特許文献2の技術は、被加熱板材の形状を、平面視において通電方向に直交する幅方向の寸法が通電方向の位置によって変化するような形状とすることで、通電加熱時に被加熱板材を流れる電流密度を通電方向の位置によって変化させるものである。この特許文献2の技術によれば、被加熱板材において通電加熱時の電流密度が高い部分ほど高温となり、通電加熱時の電流密度が低い部分ほど低温となるような温度分布で被加熱板材を加熱することができる。
特開2011−136342号公報 特開2009−274122号公報
しかしながら、特許文献1の技術に用いられる加熱装置では、通電加熱時に被加熱板材から抜熱する全ての箇所にそれぞれ前記温度制御部材を配設し、各温度制御部材を被加熱板材に対して接触および離間させるように駆動する駆動機構を設ける必要があるため、加熱装置の構造が複雑化し、設備コストの増大を招いてしまう。
また、特許文献2の技術により通電加熱を行うと、被加熱板材の温度分布が該板材の形状に依存してしまう問題がある。そのため、例えば、平面視において通電方向に直交する幅方向の寸法が大きい部分の加熱温度を高くしたり、逆に該幅方向の寸法が小さい部分の加熱温度を低くしたりすることができない。
そこで、本発明は、通電加熱により被加熱板材を加熱する際、該板材の形状に関わらず、簡単な構成で所定の温度分布となるように加熱できるようにすることを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、
所定の電気抵抗率を有する導電性の被加熱板材に一対の電極を互いに離間させて取り付けて通電することにより前記被加熱板材を加熱する通電加熱方法であって、
前記被加熱板材と所定の電気抵抗率を有する導電性の加熱補助板材とを重ね合わせるステップと、
前記被加熱板材と前記加熱補助板材とが重ねられた状態で、前記被加熱板材及び前記加熱補助板材に一対の電極を互いに離間させて取り付けるステップと、
前記両電極間を通電するステップと、を有し、
前記被加熱板材及び前記加熱補助板材の通電方向に直交する各断面において、前記被加熱板材の断面積をS1、前記被加熱板材の電気抵抗率をρ1、前記加熱補助板材の断面積をS2、前記加熱補助板材の電気抵抗率をρ2としたとき、
前記加熱補助板材として、
前記被加熱板材と前記加熱補助板材とが重ね合わされた状態で、前記被加熱板材の断面積(S1)と電気抵抗率(ρ1)の逆数との積(S1/ρ1)と、前記加熱補助板材の断面積(S2)と電気抵抗率(ρ2)の逆数との積(S2/ρ2)との和(S1/ρ1+S2/ρ2)が断面によって異なるように、断面積(S2)又は電気抵抗率(ρ2)の少なくとも一方を調整した加熱調整部を有する加熱補助板材を用いることを特徴とする。
また、本願の請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記加熱調整部に、断面積(S2)を減少させるための孔部が設けられていることを特徴とする。
さらに、本願の請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、
前記加熱調整部は、前記孔部を複数有し、且つ、該孔部の大きさにより断面積(S2)を調整するように構成されていることを特徴とする。
またさらに、請求項4に記載の発明は、前記請求項2または請求項3に記載の発明において、
前記孔部は、平面視の周縁部と深さ方向の縁部とに角が無い形状を有することを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記加熱補助板材は、均一でない厚みを有し、
前記加熱調整部は、該加熱調整部における前記加熱補助板材の厚みにより断面積(S2)を調整するように構成されていることを特徴とする。
さらに、請求項6に記載の発明は、前記請求項5に記載の発明において、
前記加熱補助板材の一方の面は平らに形成され、他方の面の凹凸により前記加熱調整部の厚みが調整されるように構成され、
前記被加熱板材と前記加熱補助板材とを重ね合わせるステップでは、前記加熱補助板材の平らな面を前記被加熱板材に重ね合わせることを特徴とする。
またさらに、請求項7に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記加熱調整部に、断面積(S2)を減少させるためのスリットが、平面視において通電方向に直交する方向に延設されていることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、前記請求項7に記載の発明において、
前記スリットは、平面視の周縁部と深さ方向の縁部とに角が無い形状を有することを特徴とする。
さらに、請求項9に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記加熱調整部において、電気抵抗率(ρ2)を増大させるためのめっき部が前記加熱補助板材の少なくとも一方の面に形成されていることを特徴とする。
またさらに、請求項10に記載の発明は、前記請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の発明において、
前記被加熱板材と前記加熱補助板材とを重ね合わせるステップでは、前記電極の取付け部分において、前記被加熱板材と前記加熱補助板材との間に、前記被加熱板材及び前記加熱補助板材よりも小さい電気抵抗率を有する溶着防止板材を介在させて、前記被加熱板材と前記加熱補助板材とを重ね合わせることを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明に係る熱間プレス成形方法は、
前記請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の通電加熱方法によって前記被加熱板材を加熱し、成形型を用いて前記加熱された被加熱板材をプレス成形することを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明に係る通電加熱方法によれば、加熱調整部を有する加熱補助板材が被加熱板材に重ねられた状態で通電加熱が行われるため、被加熱板材の加熱温度は、前記加熱調整部を重ねた部分において調整され、これにより、通電方向に直交する断面によって加熱温度が異なるような所望の温度分布で被加熱板材を加熱することができる。
具体的には、加熱補助板材が前記加熱調整部において断面積(S2)又は電気抵抗率(ρ2)の少なくとも一方が調整されていることにより、この加熱調整部が設けられた断面において、被加熱板材の断面積(S1)と電気抵抗率(ρ1)の逆数との積(S1/ρ1)と、加熱補助板材の断面積(S2)と電気抵抗率(ρ2)の逆数との積(S2/ρ2)との和(S1/ρ1+S2/ρ2)、ひいては、通電方向の微小範囲における被加熱板材の抵抗と加熱補助板材の抵抗とが並列に接続されているとみなしたときの該微小範囲における合成抵抗を調整することができ、これにより、被加熱板材の加熱温度を通電方向の位置によって異ならせることができる。
また、この発明によれば、上記のように加熱補助板材の加熱調整部により被加熱板材の加熱温度を調整することができるため、被加熱板材の形状に関わらず、所望の温度分布を得ることができる。
さらに、この発明によれば、上記のような加熱調整部を有する加熱補助板材を被加熱板材に重ね合わせて通電するだけの簡単な構成により、上述の効果を得ることができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記加熱調整部に孔部が設けられていることにより、該加熱調整部における断面積(S2)が減少するように調整され、これにより、この断面において被加熱板材の加熱温度を増大するように調整することができる。
さらに、請求項3に記載の発明を請求項2に記載の発明に適用すれば、前記加熱調整部に設けられた孔部の大きさにより該加熱調整部の断面積(S2)が調整されることで、この断面における被加熱板材の加熱温度を調整することができる。
またさらに、請求項4に記載の発明を請求項2または請求項3に記載の発明に適用すれば、前記孔部における平面視の周縁部及び深さ方向の縁部のいずれにも、通電時に発熱が集中しやすい角部が無いため、局部的な過度の加熱による加熱補助板材の損傷を防止することができる。
また、請求項5に記載の発明によれば、前記加熱調整部における加熱補助板材の厚みにより該加熱調整部の断面積(S2)が調整されることで、この通電方向の位置における被加熱板材の加熱温度を調整することができる。
さらに、請求項6に記載の発明を請求項5に記載の発明に適用すれば、加熱補助板材の平らな面が被加熱板材に重ね合わされることで、通電時における被加熱板材と加熱補助板材との間の隙間を極力排除して、被加熱板材の加熱温度を精度よく調整することができる。
また、請求項7に記載の発明によれば、前記加熱調整部にスリットが設けられていることにより、該加熱調整部における断面積(S2)が減少するように調整され、これにより、この断面において被加熱板材の加熱温度を低減するように調整することができる。
さらに、請求項8に記載の発明を請求項7に記載の発明に適用すれば、前記スリットにおける平面視の周縁部及び深さ方向の縁部のいずれにも、通電時に発熱が集中しやすい角部が無いため、局部的な過度の加熱による加熱補助板材の損傷を防止することができる。
また、請求項9に記載の発明によれば、前記加熱調整部において加熱補助板材の少なくとも一方の面にめっき部が形成されていることにより、該加熱調整部における電気抵抗率(ρ2)が増大するように調整され、これにより、この通電方向の位置において被加熱板材の加熱温度を増大させるように調整することができる。
さらに、請求項10に記載の発明によれば、被加熱板材と加熱補助板材とを重ね合わせる際、通電用の一対の電極の各取付け部分において、被加熱板材と加熱補助板材との間に、被加熱板材及び加熱補助板材よりも電気抵抗率が小さい溶着防止板材が介在されることで、電極の取付け部分において被加熱板材と加熱補助板材とが局所的に過度に加熱されて互いに溶着してしまうことを防止することができる。これにより、被加熱板材と加熱補助板材との分離が困難になったり、被加熱板材における溶着部分に痕跡が残った場合にこの痕跡部分を製品として使用できなくなったりする問題を回避することができる。
また、請求項11に記載の発明に係る熱間プレス成形方法によれば、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の通電加熱方法によって被加熱板材が所望の温度分布で迅速に加熱され、該加熱された被加熱板材が成形型を用いてプレス成形されるため、プレス成形サイクルタイムの短縮を図りつつ、部位によって機械特性が異なる板状成形品や、穴加工等の部分的な後加工を容易に行うことができる板状成形品を容易に得ることができる。
第1の実施形態に係る通電加熱方法で使用される通電加熱装置を概略的に示す平面図である。 図1に示す通電加熱装置を図1のY2A方向及びY2B方向から見た側面図である。 図1に示す通電加熱装置により加熱される板状ワークと、この加熱に使用される加熱補助板材を示す平面図である。 図3(b)のA−A線断面図である。 加熱調整部の孔部の変形例を示す平面図である。 図3に示す板状ワーク及び加熱補助板材の通電方向の位置と、板状ワーク及び加熱補助板材の断面積(S1,S2)と電気抵抗率(ρ1,ρ2)の逆数との積(S1/ρ1,S2/ρ2)との関係を示すグラフである。 図1に示す通電加熱装置を備えたプレス成形装置の一例を概略的に示す側面図である。 図1に示す通電加熱装置に第1の変形例に係る加熱補助板材がセットされた状態を示す側面図である。 図1に示す通電加熱装置に第2の変形例に係る加熱補助板材がセットされた状態を示す平面図である。 図1に示す通電加熱装置に第3の変形例に係る加熱補助板材がセットされた状態を示す平面図である。 第2の実施形態に係る通電加熱方法で使用される通電加熱装置を概略的に示す平面図である。 図11に示す通電加熱装置を図9のY10A方向から見た側面図である。 第3の実施形態に係る通電加熱方法で使用される通電加熱装置を概略的に示す側面図である。 実施例の温度測定条件を説明するための平面図および側面図である。 比較例の温度測定条件を説明するための平面図および側面図である。 実施例および比較例の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
先ず、図1〜図5を参照しながら、第1の実施形態に係る通電加熱方法について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る通電加熱方法で使用される通電加熱装置1を概略的に示す平面図である。また、図2(a)は、図1のY2A方向から見た通電加熱装置1の側面図であり、図2(b)は、図1のY2B方向から見た通電加熱装置1の側面図である。さらに、図3(a)は、通電加熱装置1で加熱される導電性の板状ワーク(被加熱板材)Wを示す平面図であり、図3(b)は、この板状ワークWの通電加熱に補助的に使用される導電性の加熱補助板材P1を示す平面図である。
なお、図2(a)及び図2(b)ではそれぞれ、後述する位置決め部材の一部を二点鎖線で示し、これを透過状態で示している。
図3(a)に示すように、板状ワークWは、例えば高張力鋼板などの所定の電気抵抗率を有する導電性の板材である。本実施形態で説明する板状ワークWは、略一定の厚みを有する矩形の板材であるが、本発明を適用可能な板状ワークの形状は特にこれに限定されるものでない。板状ワークWは、通電加熱によって加熱された後、所定形状にプレス成形されるとともに、不要部分がトリミング加工により取り除かれ、これにより、車体構成部材等の種々の成形品が得られる。
一方、図3(b)に示すように、加熱補助板材P1は、板状ワークWと同様、例えば高張力鋼板などの所定の電気抵抗率を有する導電性の板材であり、略一定の厚みを有する。また、加熱補助板材P1は、板状ワークWと略同じ平面形状を有し、板状ワークW及び加熱補助板材P1の端面同士が全周に亘って揃えられた状態で重ね合わされて使用される。
なお、板状ワークW及び加熱補助板材P1の材料としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、マグネシウム、チタン又は鋳物等の金属が用いられるが、導電性を有するものであれば金属以外の材料を用いてもよく、例えばCFRP等の樹脂を用いてもよい。また、加熱補助板材P1の材料は、板状ワークWの材料と同じであってもよいし、異なっていてもよい。特に、加熱補助板材P1の材料としてステンレス又は鋳鉄を用いることが好ましく、これにより、加熱補助板材P1の酸化を抑制することができる。加熱補助板材P1の更に詳細な構成については後に説明する。
図1及び図2に示すように、通電加熱装置1は、板状ワークWに互いに離間する電極11a,11bを取り付けて通電することにより板状ワークWに生じるジュール熱によって板状ワークWを加熱するものであり、本実施形態では、板状ワークWに加熱補助板材P1を重ね合わせた状態で通電加熱が行われる。
通電加熱装置1は、板状ワークWに加熱補助板材P1を重ね合わせた状態で板状ワークWを電気的に加熱するための通電手段10を備えている。通電手段10は、互いに離間して平行に配置される一対の電極11と、電極11に直流又は交流の電力を供給する電源12と、電源12と電極11とを接続するケーブル13とを備え、重ね合わせられた板状ワークW及び加熱補助板材P1の両端部に一対の電極11を接触させて通電することにより板状ワークW及び加熱補助板材P1を加熱するように構成されている。一対の電極11は、例えば銅などの材料を用いて略直方体状に形成されたバー電極であり、一方の電極11aが正電極として使用され、他方の電極11bが負電極として使用される。
なお、本実施形態では、一対の電極11が板状ワークWに接触した状態で通電加熱が行われるが、加熱補助板材P1に電極11を接触させて通電加熱を行ってもよいし、板状ワークW及び加熱補助板材P1の両方に電極11を接触させて通電加熱を行うようにしてもよい。
通電加熱装置1はまた、一対の電極11の上方にそれぞれ配置されるクランプ部材15を備えている。図2に示すように、クランプ部材15は、電極11の長さ方向に略平行に延びる略直方体状のクランプ基部16と、板状ワークW及び加熱補助板材P1に接触する先端部を備えたピン部17と、クランプ基部15とピン部17とに結合されるスプリング18とを備え、クランプ基部16が、図示しないクランプ基部移動手段に連結されて矢印Z1に示すように上下方向に移動可能に構成されている。
クランプ部材15は、板状ワークW及び加熱補助板材P1を挟んで電極11の反対側に配置され、前記クランプ基部移動手段によってクランプ基部16が下方へ移動されることにより下方へ移動される。板状ワークW及び加熱補助板材P1に電極11を取り付ける際には、クランプ部材15が下方へ移動され、電極11とクランプ部材15とによって板状ワークW及び加熱補助板材P1を挟持して取り付けることができる。これにより、比較的簡便な方法によって板状ワークW及び加熱補助板材P1に電極11を確実に取り付けることができる。
また、通電加熱装置1は、板状ワークWを所定位置に保持するための第1及び第2の位置決め部材21,22を備えている。第1の位置決め部材21は、略直方体状に形成されており、一対の電極11の外側に配置され、図2(a)に示すように、一対の電極11においてそれぞれ他方の電極11が配置される側とは反対側の面に、電極11よりも上方へ突出するように結合されている。
これにより、第1の位置決め部材21は、板状ワークWの周縁部の一部、具体的には板状ワークWの平行な対辺Waを該位置決め部材21と係合させることで、平面視において電極11の長さ方向に直交する方向において板状ワークWを所定位置に保持することができるようになっている。
第1の位置決め部材21はまた、板状ワークWに重ね合わせられる加熱補助板材P1の周縁部の一部、具体的には加熱補助板材P1の平行な対辺P1aを該位置決め部材21と係合させることで、平面視において電極11の長さ方向に直交する方向において加熱補助板材P1を所定位置に保持することができるようになっている。
一方、第2の位置決め部材22は、略直方体状に形成され、一対の電極11の内側に配置されている。第2の位置決め部材22は、図1に示すように、一対の電極11の対向する端部の間において平面視で電極11の長さ方向に直交する方向に延び、図2(a)において二点鎖線で示すように、電極11よりも上方へ突出している。
これにより、第2の位置決め部材22は、板状ワークWの周縁部の一部、具体的には板状ワークWの前記平行な対辺Waと直角な一方の辺Wbを該位置決め部材22と係合させることで、電極11の長さ方向において板状ワークWを所定位置に保持することができるようになっている。
第2の位置決め部材22はまた、板状ワークWに重ね合わせられる加熱補助板材P1の周縁部の一部、具体的には加熱補助板材P1の前記平行な対辺P1aと直角な一方の辺P1bを該位置決め部材22と係合させることで、電極11の長さ方向において加熱補助板材P1を所定位置に保持することができるようになっている。
通電加熱装置1にはまた、該通電加熱装置1に関連する構成を総合的に制御する制御ユニット(不図示)が備えられ、該制御ユニットは、通電手段10及び前記クランプ基部移動手段等の作動を制御することができるようになっている。なお、前記制御ユニットは、好ましくは、マイクロコンピュータを主要部として構成されている。
このようにして構成された通電加熱装置1では、クランプ部材15がそれぞれ上方へ移動された状態で、板状ワークWと加熱補助板材P1とを重ね合わせて上記の位置決め部材21,22によって所定位置に位置決めし、板状ワークW及び加熱補助板材P1に対してクランプ部材15を下方へ移動させることにより電極11とクランプ部材15とによって板状ワークW及び加熱補助板材P1を密着させた状態で挟持して板状ワークW及び加熱補助板材P1に一対の電極11を取り付け、その後に、両電極11間を通電して板状ワークW及び加熱補助板材P1を加熱することが行われる。
本発明では、図7に示すように、前記通電加熱装置1を組み込んだプレス成形装置31を用い、前記通電加熱装置1によって板状ワークWを加熱し、その後に、成形型30を用いて加熱された板状ワークWをプレス成形して、熱間プレス成形を行うようにしてもよく、この場合、プレス成形サイクルタイムの短縮を図ることができる。
図7に示すプレス成形装置31は、下方へ突出する突出部41を備えたパンチ40と、突出部41に対応して凹状に形成された凹部51を備えたダイ50と有する成形型30を備え、突出部41と凹部51とを組み合わせることで板状ワークWを所定形状に形成することができるように構成されている。
パンチ40は、スプリング42及びスプリングガイド43を介してパンチプレート44に取り付けられ、該パンチプレート44がパンチホルダー45に取り付けられている。パンチホルダー45は、図示しないパンチ移動機構に連結されており、前記パンチ移動機構によってパンチホルダー45が上下方向に移動されることにより、パンチ40が上下方向に移動可能に構成されている。一方、ダイ50は、ダイホルダー52に取り付けられて固定されている。
プレス成形装置31にはまた、前述した通電手段10を有する通電加熱装置1が備えられ、ダイ50には、ダイ50の凹部51を挟んで凹部51の両側に一対の電極11が取り付けられている。一対の電極11は、ダイ50の上面よりも突出するように設けられ、ケーブル13によって電源12に接続されている。また、一対の電極11の上方にはクランプ部材15が取り付けられている。
プレス成形装置31では、パンチ40が上方へ移動された状態で、上述のように互いに重ね合わせられた板状ワークW及び加熱補助板材P1を電極11とクランプ部材15とによって挟持して板状ワークW及び加熱補助板材P1に一対の電極11を取り付けた後に、両電極11間を通電して板状ワークWを加熱することが行われる。
このようにして板状ワークWが加熱された後には、クランプ部材15が上方へ移動され、図示しない搬送手段を用いて加熱補助板材P1がプレス成形装置31から取り除かれ、次いで、パンチ40が下方へ移動され、加熱された板状ワークWが成形型30を用いてプレス成形され、板状ワークWの熱間プレス成形が行われる。
なお、熱間プレス成形は、板状ワークを焼入れ温度以上に加熱してプレス成形するものに限らず、板状ワークを焼入れ温度未満の温度に加熱してプレス成形するものも含むものとする。
[加熱補助板材]
図3(b)を参照しながら、加熱補助板材P1の構成について詳細に説明する。
加熱補助板材P1は、通電方向の所定位置に、板状ワークWの加熱温度を調整するための加熱調整部H(H1,H2,H3)を有する。本実施形態では、複数の加熱調整部Hが通電方向に間隔を空けて設けられている。
具体的には、板状ワークWの加熱温度を比較的低温となるように調整するための第1の加熱調整部H1と、板状ワークWの加熱温度を第1の加熱調整部H1よりも高温となるように調整するための第2の加熱調整部H2と、板状ワークWの加熱温度を第2の加熱調整部H2よりも高温となるように調整するための第3の加熱調整部H3とが設けられている。より具体的には、通電方向の上流側から順に、2つの第1の加熱調整部H1、2つの第2の加熱調整部H2、2つの第3の加熱調整部H3が設けられている。
このように、加熱補助板材P1は複数の加熱調整部Hを有するため、上述したように該加熱補助板材P1を板状ワークWに重ねて通電加熱を行うという簡単な構成により、板状ワークWの加熱温度は、加熱調整部Hが重ねられた各部分で調整され、これにより、所望の温度分布で板状ワークWを加熱することが可能となる。また、この効果は、板状ワークWが矩形である場合に限られず、矩形以外の形状を有する板状ワークを通電加熱する場合にも同様に得ることができる。
なお、本実施形態では、加熱補助板材P1に3種類の加熱調整部H1,H2,H3が設けられているが、加熱調整部Hの種類は全て同じであってもよいし、2種類または4種類以上であってもよい。また、本実施形態では、通電方向において、加熱調整部H1,H2,H3が種類毎に2箇所ずつ設けられているが、種類毎に1箇所のみ又は3箇所以上設けられてもよい。さらに、本実施形態では、通電方向において6箇所に加熱調整部Hが設けられているが、本発明において、加熱調整部Hの設定数は特に限定されるものでなく、例えば、通電方向の1箇所のみに加熱調整部Hを設けるようにしてもよい。
続いて、本実施形態に係る加熱調整部Hの具体的な構成について説明する。なお、加熱調整部Hの具体的構成に関する説明では、板状ワークW及び加熱補助板材P1の通電方向に直交する各断面において、板状ワークWの断面積をS1、板状ワークWの電気抵抗率をρ1、加熱補助板材P1の断面積をS2、加熱補助板材P1の電気抵抗率をρ2、通電方向の微小範囲ΔLにおける板状ワークWの抵抗、加熱補助板材P1の抵抗、及び板状ワークW及び加熱補助板材P1の合成抵抗をそれぞれR1、R2、Rとして説明を行う。
本実施形態では、各加熱調整部Hに孔部61,62,63が設けられている。より具体的には、各加熱調整部Hにおいて、例えば2つの孔部61,62,63が平面視において通電方向に直交する方向に間隔を空けて設けられている。ただし、各加熱調整部Hにおける孔部61,62,63の個数は必ずしも2つでなくてもよく、1つ又は3つ以上であってもよい。
これにより、各加熱調整部Hでは、通電方向に直交する断面の断面積S2が減少するように調整される。したがって、上述のように板状ワークWに加熱補助板材P1が重ね合わされた状態において、加熱調整部Hが設けられた各断面では、板状ワークWの断面積S1と電気抵抗率ρ1の逆数との積(S1/ρ1)と、加熱補助板材P1の断面積S2と電気抵抗率ρ2の逆数との積(S2/ρ2)との和(S1/ρ1+S2/ρ2)が減少するように調整される。
ここで、板状ワークWと加熱補助板材P1とが上記のように互いに重ね合わされた状態で通電加熱が行われるとき、通電方向の微小範囲ΔLでは、板状ワークWの抵抗R1(=ρ1/S1)と加熱補助板材P1の抵抗R2(=ρ2/S2)とが並列に接続されているとみなすことができる。そうすると、該微小範囲ΔLにおける両板材W,P1の合成抵抗Rについて、次の式(1)が成り立つ。
Figure 0005880175
したがって、微小範囲ΔLにおける合成抵抗Rは、上記の和(S1/ρ1+S2/ρ2)と反比例の関係にあると言える。そのため、加熱調整部Hが設けられた各断面では、断面積S2が減少するように調整されていることにより、上記の和(S1/ρ1+S2/ρ2)が減少し、これに反比例して合成抵抗Rが増大する。その結果、加熱調整部Hが設けられた各断面及びその周辺では、板状ワークWの加熱温度が高くなるように調整される。したがって、通電方向の位置によって板状ワークWの加熱温度を異ならせることができ、板状ワークWを所望の温度分布で加熱することができる。
また、本実施形態では、加熱調整部H毎に孔部61,62,63の大きさが異なっており、孔部61,62,63の大きさにより加熱調整部Hの断面積S2が調整されている。具体的に、孔部61,62,63の大きさは、第1の加熱調整部H1、第2の加熱調整部H2、第3の加熱調整部H3の順で大きくなるように調整されており、これにより、断面積S2の大きさは、第3の加熱調整部H3、第2の加熱調整部H2、第1の加熱調整部H1の順で小さくなっている。
よって、図6のラインL2に示すように、加熱補助板材P1の断面積S2と電気抵抗率ρ2の逆数との積(S2/ρ2)は、通電方向における各孔部61,62,63の位置において減少し、孔部61,62,63の大きさが大きい位置ほど大きく減少する。一方、ラインL1に示すように、板状ワークWの断面積S1と電気抵抗率ρ1の逆数との積(S1/ρ1)は通電方向の位置に関わらず一定である。そのため、ラインL3に示すように、両板材W,P1の積の和(S1/ρ1+S2/ρ2)は、通電方向において孔部61,62,63の大きさが大きい位置ほど大きく減少する。この結果、上記の和(S1/ρ1+S2/ρ2)が大きく減少する位置ほど、具体的には、通電方向における第3の加熱調整部H3の位置、第2の加熱調整部H2の位置、第1の加熱調整部H1の位置の順で、板状ワークWの加熱温度が高くなるように調整される。
ただし、板状ワークWの加熱温度は熱伝導によりある程度均一化されるため、板状ワークWの加熱温度の調整は通電方向においてある程度広範囲で実現される。例えば、本実施形態の場合、図1の符号G1に示されるように、2つの第1の加熱調整部H1により、平面視において4つの孔部61及びその周辺部の範囲で板状ワークWの加熱温度が調整される。同様に、図1の符号G2に示されるように、2つの第2の加熱調整部H2は、平面視において4つの孔部62及びその周辺部の範囲で板状ワークWの加熱温度を調整し、2つの第3の加熱調整部H3は、平面視において4つの孔部63及びその周辺部の範囲で板状ワークWの加熱温度を調整する。よって、板状ワークWは、符号G3の範囲、符号G2の範囲、符号G1の範囲の順で高温となるような温度分布で加熱される。
本実施形態において、各加熱調整部Hにおける各孔部61,62,63は円形とされている。また、図4に示すように、各孔部61,62,63は、加熱補助板材P1を貫通して設けられ、各孔部61,62,63の深さ方向両縁部C1,C2は面取りされて、丸みを帯びた形状となっている。なお、図4は第2の加熱調整部H2の孔部62を示しているが、第1及び第3の加熱調整部H1,H3の孔部61,63も同様の断面形状を有する。このように、各孔部61,62,63は、平面視の周縁部および深さ方向の縁部のいずれにも角が無い形状を有するため、これらの部分で通電時における発熱の集中を抑制でき、これにより、局部的な過度の加熱による加熱補助板材P1の損傷を防止することができる。
なお、本実施形態では、孔部61,62,63が円形とされているが、加熱調整部Hにおいて断面積S2を減少させるための孔部の形状はこれに限定されるものでなく、例えば、図5に示すように、通電方向に長い略矩形の長穴160を加熱調整部Hに設けてもよい。この場合、通電方向における長穴160の長さ範囲において加熱補助板材P1の断面積S2を略一定にすることができる。また、この場合、平面視において長穴160のコーナー部C3,C4,C5,C6は、面取りにより丸みを帯びた形状とすることが好ましく、これにより、各コーナー部C3,C4,C5,C6において、通電時の局部的な過度の加熱を防止することができる。さらに、この場合、長穴160の深さ方向縁部は、図4に示す孔部62と同様、面取りにより丸みを帯びた形状とすることが好ましく、これによって、深さ方向の縁部においても通電時の局部的な過度の加熱を防止することができる。
以上においては、孔部を設けることにより断面積S2を減少させる加熱調整部Hを有する加熱補助板材P1を使用する構成について説明したが、本発明には、種々の変形例に係る加熱補助板材を使用することができる。
[第1の変形例]
図8は、第1の変形例に係る加熱補助板材P2を示す側面図である。図8に示すように、この加熱補助板材P2は、均一でない厚みを有する。具体的に、加熱補助板材P2は、通電方向の位置によって厚みが異なるように形成されている。このように板厚を変化させるように加熱補助板材P2を作製する方法としては、例えば、加熱補助板材P2として鋳物を用いたり、テーラーロールドフォーム又はテーラードブランク等によって加熱補助板材P2を形成したりすることが考えられる。
これによって、加熱補助板材P2には、厚みの異なる複数の加熱調整部H(H11,H12,H13)が形成されており、各加熱調整部Hは、該加熱調整部Hにおける加熱補助板材P2の厚みにより断面積S2を調整するように構成されている。したがって、図8に示す加熱補助板材P2を用いても、通電方向における加熱調整部Hの位置において、加熱調整部Hの厚みが小さいほど板状ワークWの加熱温度が高くなるように調整することができ、所望の温度分布を得ることが可能である。
また、図8に示す加熱補助板材P2は、一方の面が平らに形成され、他方の面の凹凸により加熱調整部Hの厚みが調整されるように構成されている。通電加熱装置1において板状ワークWと加熱補助板材P2とを重ね合わせる際は、加熱補助板材P2の平らな面を板状ワークWに重ね合わせられる。これにより、通電時における板状ワークWと加熱補助板材P2との間の隙間を極力排除して、板状ワークWの加熱温度を精度よく調整することができる。
[第2の変形例]
図9は、第2の変形例に係る加熱補助板材P3が通電加熱装置1にセットされた状態を示す平面図である。図9に示すように、この加熱補助板材P3は、通電方向の上流側から順に、2つの第1の加熱調整部H21、2つの第2の加熱調整部H22、2つの第3の加熱調整部H23を有し、各加熱調整部H(H21,H22,H23)に、断面積S2を減少させるためのスリット161,162,163,164,165,166が、平面視において通電方向に直交する方向に延設されている。この図9に示す加熱補助板材P3を用いても、通電方向における加熱調整部Hの位置において、板状ワークWの加熱温度を増大するように調整することができ、所望の温度分布を得ることが可能である。
各スリット161〜166は、加熱補助板材P3を厚み方向に貫通して設けられ、上述の円形の孔部61,62,63と同様、平面視の周縁部と深さ方向の縁部とに角が無い形状を有し、これにより、通電時において局部的な過度の加熱による加熱補助板材P3の損傷を防止できるようになっている。
通電方向に隣り合うスリット161〜166同士は、平面視において通電方向に直交する方向において互いに反対側に形成されており、全体としてスリット161〜166が千鳥状に配置されている。
図9に示す例において、スリット161〜166は、いずれも短手方向に略同じ幅を有するが、長さが異なるように形成されている。具体的に、スリット161〜166の長さは、第1の加熱調整部H21、第3の加熱調整部H23、第2の加熱調整部H22の順で長くなっており、これにより、断面積S2の大きさは、第1の加熱調整部H21、第3の加熱調整部H23、第2の加熱調整部H22の順で小さくなっている。よって、通電方向における第1の加熱調整部H21の位置、第3の加熱調整部H23の位置、第2の加熱調整部H22の位置の順で、板状ワークWの加熱温度が高くなるように調整される。この結果、板状ワークWは、符号G4の範囲、符号G6の範囲、符号G5の範囲の順で高温となるような温度分布で加熱される。
通電方向におけるスリット161〜166のピッチは、スリット161〜166の長さに応じて、第1の加熱調整部H21、第3の加熱調整部H23、第2の加熱調整部H22の順で大きくなっており、これにより、隣り合うスリット161〜166の先端部間に、局部的な過度の発熱を防止するのに十分な間隔が確保され、過度の発熱による溶断を防止できるようになっている。
[第3の変形例]
以上で説明した加熱補助板材P1,P2,P3では、加熱調整部Hにおいて断面積S2が調整されるが、本発明において、加熱調整部Hでは、断面積S2又は電気抵抗率ρ2の少なくとも一方が調整されればよい。
そこで、図10を参照しながら、電気抵抗率ρ2が調整された加熱調整部Hを有する第3の変形例に係る加熱補助板材P4について説明する。
図10に示す加熱補助板材P4には、第1の加熱調整部H31と第2の加熱調整部H32と通電方向に間隔を空けて設けられ、各加熱調整部H(H31,H32)において、電気抵抗率ρ2を増大させるためのめっき部F1,F2がそれぞれ両面に形成されている。ただし、各加熱調整部Hにおいて、いずれか一方の面のみにめっき部F1,F2が形成されてもよい。このように加熱調整部Hにめっき部F1,F2が形成されることにより、該加熱調整部Hにおける電気抵抗率ρ2が増大するように調整され、これにより、この通電方向の位置において板状ワークWの加熱温度を増大させるように調整することができる。
第1の加熱調整部H31のめっき部F1は、第2の加熱調整部H32のめっき部F2よりも大きな厚みを有する。具体的には、例えば、めっき部F1の厚みが300μm、めっき部F2の厚みが100μmとされている。これにより、第1の加熱調整部H31では、第2の加熱調整部H32よりも電気抵抗率ρ2が高くなるように調整されているため、板状ワークWの加熱温度は、通電方向において、第1の加熱調整部H31の位置で、第2の加熱調整部H32の位置よりも高温となるように調整される。よって、図10に示す加熱補助板材P4を用いても、板状ワークWを所望の温度分布で加熱することが可能である。
[第2の実施形態]
図11及び図12は、本発明の第2の実施形態に係る通電加熱装置201の概略図である。なお、図12では、位置決め部材22を二点鎖線で示し、これを透過状態で示している。
第2の実施形態に係る通電加熱装置201は、第1の実施形態と比べて、板状ワークW及び加熱補助板材P1を電極11間でクランプするクランプ手段がさらに追加して設けられたものであり、第1の実施形態と同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。
具体的に、通電加熱装置201には、電極11間の略中央部において板状ワークW及び加熱補助板材P1をクランプするクランプ手段85が設けられ、クランプ手段85は、板状ワークW及び加熱補助板材P1を上方からクランプする上側クランプ部材91と、板状ワークW及び加熱補助板材P1を下方からクランプする下側クランプ部材95とによって構成されている。
上側クランプ91は、第1の実施形態に係るクランプ部材15と同様に構成され、電極11の長さ方向に略平行に延びる略直方体状のクランプ基部92と、重ね合わせられた板状ワークW及び加熱補助板材P1に接触する先端部を備えたピン部93と、クランプ基部92とピン部93とに結合されるスプリング94とを備え、クランプ基部92が、図示しない上側クランプ移動手段に連結されて矢印Z2に示すように上下方向に移動可能に構成されている。
一方、下側クランプ95は、上側クランプ91を上下反転したものであり、電極11の長さ方向に略平行に延びる略直方体状のクランプ基部96と、重ね合わせられた板状ワークW及び加熱補助板材P1に接触する先端部を備えたピン部97と、クランプ基部96とピン部97とに結合されるスプリング98とを備え、クランプ基部96が、図示しない下側クランプ移動手段に連結されて矢印Z3に示すように上下方向に移動可能に構成されている。
クランプ手段85では、前記上側クランプ移動手段によってクランプ基部91が下方へ移動されることにより上側クランプ部材91が下方へ移動され、前記下側クランプ移動手段によってクランプ基部96が上方へ移動されることにより下側クランプ部材95が上方へ移動される。これにより、クランプ手段85は、電極11間の略中央部において電極11上に配置された板状ワークW及び加熱補助板材P1を上側クランプ部材91と下側クランプ部材95とによってクランプすることができるようになっている。
なお、通電加熱装置81では、電極11間において板状ワークW及び加熱補助板材P1をクランプするクランプ手段85が1つ設けられ、板状ワークW及び加熱補助板材P1を電極11間の1ヶ所でクランプするように構成されているが、複数のクランプ手段を設けて板状ワークW及び加熱補助板材P1を電極11間の複数箇所でクランプするようにするようにしてもよい。
[第3の実施形態]
次に、図13を参照しながら、第3の実施形態に係る通電加熱装置301について説明する。なお、第3の実施形態において、第1の実施形態と同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。
この通電加熱装置301では、板状ワークWと加熱補助板材P1とが重ね合わされた状態で、電極11の取付け部分において、板状ワークWと加熱補助板材P1との間に、板状ワークW及び加熱補助板材P1よりも小さい電気抵抗率を有する溶着防止板材14が介在される。
なお、図14において、溶着防止板材14の厚みが大きく誇張されて図示されているが、実際の溶着防止板材14の厚みは極めて薄く、通電時において、板状ワークWと加熱補助板材P1とが溶着防止板材14が介在しない部位においてローレンツ力及び熱膨張により互いに接触可能な程度に小さな厚みとされている。
このように、第3の実施形態では、溶着防止板材14が用いられることにより、板状ワークW及び加熱補助板材P1の材質や通電量、或いは両板材W,P1を重ね合わせる際の押圧力等に関わらず、電極11の取付け部分において板状ワークWと加熱補助板材P1とが局所的に過度に加熱されて互いに溶着してしまうことを防止することができる。したがって、板状ワークWと加熱補助板材P1との分離が困難になったり、板状ワークWにおける溶着部分に痕跡が残った場合にこの痕跡部分を製品として使用できなくなったりする問題を回避することができる。
[実験]
第1の実施形態に係る通電加熱装置1を用いて、板状ワークWに加熱補助板材P1を重ね合わせて通電加熱を行う実施例と、板状ワークWに加熱補助板材を重ねることなく通電加熱を行う比較例とについて、それぞれ板状ワークWの加熱温度を測定する実験を行った。
図14は、実施例の温度測定条件を説明するための説明図であり、図15は、比較例の温度測定条件を説明するための説明図である。
実施例及び比較例において、板状ワークW及び加熱補助板材P1として、厚さ1.6mmを有する冷間圧延高張力鋼板SPFC440を用い、図14及び図15に示すように、長さが280mm、幅が88mmである矩形状のものを用意した。また、加熱補助板材P1には、図14に示す各位置に孔部61,62,63を形成し、第1の加熱調整部H1の孔部61の直径を3.4mm、第2の加熱調整部H2の孔部62の直径を8mm、第3の加熱調整部H3の孔部63の直径を12mmとした。
実施例では、第1の実施形態で説明したように板状ワークW及び加熱補助板材P1を通電加熱装置1にセットして、両電極11間を通電し、板状ワークWを加熱した。通電は、直流電源を用い、電流値を4.2kAに設定して10秒間行った。そして、通電加熱によって板状ワークWを10秒間加熱した直後に、熱電対を用いて板状ワークWの各測定位置において温度測定を行った。具体的には、図14(a)及び図14(b)に示すように、板状ワークWの下面においてT1〜T3で示す各位置で測定した。また、熱電対による温度測定と同時に、赤外線サーモグラフィを用いて板状ワークWの温度分布を確認した。
一方、比較例では、板状ワークWのみを通電加熱装置1にセットして、電極11間を通電し、板状ワークWの加熱温度を測定した。板状ワークWに加熱補助板材P1を重ね合わせていないことを除き、実施例と同様にして通電加熱を行い、板状ワークWの加熱温度を測定した。通電加熱条件は実施例と同様であり、通電加熱によって板状ワークWを10秒間加熱した直後に、図15(a)及び図15(b)に示すように板状ワークWの上面においてT4〜T6で示す各位置で測定した。
実施例において加熱された板状ワークWの温度測定結果を以下の表1に示し、比較例において加熱された板状ワークWの温度測定結果を以下の表2に示している。
Figure 0005880175
Figure 0005880175
表1に示すように、実施例では、板状ワークWについて、測定位置T3、T2、T1の順で高い加熱温度となった。また、赤外線サーモグラフィにより、板状ワークWにおける図14の符号G1,G2,G3の各領域でそれぞれ略均一の温度となり、符号G3の領域、符号G2の領域、符号G1の領域の順で高い加熱温度となったことが確認された。
一方、表2に示すように、比較例では、板状ワークWについて、測定位置T4、T5及びT6において略等しい加熱温度となった。
これらの結果から、比較例における板状ワークWの加熱温度は、図16に示すラインL11のように略均一な温度分布となるのに対して、実施例における板状ワークWの加熱温度は、図16に示すラインL12のように通電方向の領域毎に加熱調整部Hにより適宜調整された温度となることを確認できた。よって、上記の第1の実施形態によれば、通電加熱により所望の温度分布となるように板状ワークWを加熱できることが分かる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、第2及び第3の実施形態において、加熱補助板材P1を用いる場合について説明したが、これらの実施形態において、加熱補助板材P1以外の種々の変形例に係る加熱補助板材を使用してもよい。
以上のように、本発明によれば、通電加熱により被加熱板材を加熱する際、該板材の形状に関わらず、簡単な構成で所定の温度分布となるように加熱することが可能となるから、ピラーやインパクトバーなどの車体構成部材の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
1,201,301 通電加熱装置
11,11a,11b 電極
15,91,95 クランプ部材
21,22 位置決め部材
30 成形型
31 プレス成形装置
61,62,63 孔部
85 クランプ手段
161〜166 スリット
W 板状ワーク(被加熱板材)
P1,P2,P3,P4 加熱補助板材

Claims (11)

  1. 所定の電気抵抗率を有する導電性の被加熱板材に一対の電極を互いに離間させて取り付けて通電することにより前記被加熱板材を加熱する通電加熱方法であって、
    前記被加熱板材と所定の電気抵抗率を有する導電性の加熱補助板材とを重ね合わせるステップと、
    前記被加熱板材と前記加熱補助板材とが重ねられた状態で、前記被加熱板材及び前記加熱補助板材に一対の電極を互いに離間させて取り付けるステップと、
    前記両電極間を通電するステップと、を有し、
    前記被加熱板材及び前記加熱補助板材の通電方向に直交する各断面において、前記被加熱板材の断面積をS1、前記被加熱板材の電気抵抗率をρ1、前記加熱補助板材の断面積をS2、前記加熱補助板材の電気抵抗率をρ2としたとき、
    前記加熱補助板材として、
    前記被加熱板材と前記加熱補助板材とが重ね合わされた状態で、前記被加熱板材の断面積(S1)と電気抵抗率(ρ1)の逆数との積(S1/ρ1)と、前記加熱補助板材の断面積(S2)と電気抵抗率(ρ2)の逆数との積(S2/ρ2)との和(S1/ρ1+S2/ρ2)が断面によって異なるように、断面積(S2)又は電気抵抗率(ρ2)の少なくとも一方を調整した加熱調整部を有する加熱補助板材を用いることを特徴とする通電加熱方法。
  2. 前記加熱調整部に、断面積(S2)を減少させるための孔部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の通電加熱方法。
  3. 前記加熱調整部は、前記孔部を複数有し、且つ、該孔部の大きさにより断面積(S2)を調整するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の通電加熱方法。
  4. 前記孔部は、平面視の周縁部と深さ方向の縁部とに角が無い形状を有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の通電加熱方法。
  5. 前記加熱補助板材は、均一でない厚みを有し、
    前記加熱調整部は、該加熱調整部における前記加熱補助板材の厚みにより断面積(S2)を調整するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の通電加熱方法。
  6. 前記加熱補助板材の一方の面は平らに形成され、他方の面の凹凸により前記加熱調整部の厚みが調整されるように構成され、
    前記被加熱板材と前記加熱補助板材とを重ね合わせるステップでは、前記加熱補助板材の平らな面を前記被加熱板材に重ね合わせることを特徴とする請求項5に記載の通電加熱方法。
  7. 前記加熱調整部に、断面積(S2)を減少させるためのスリットが、平面視において通電方向に直交する方向に延設されていることを特徴とする請求項1に記載の通電加熱方法。
  8. 前記スリットは、平面視の周縁部と深さ方向の縁部とに角が無い形状を有することを特徴とする請求項7に記載の通電加熱方法。
  9. 前記加熱調整部において、電気抵抗率(ρ2)を増大させるためのめっき部が前記加熱補助板材の少なくとも一方の面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の通電加熱方法。
  10. 前記被加熱板材と前記加熱補助板材とを重ね合わせるステップでは、前記電極の取付け部分において、前記被加熱板材と前記加熱補助板材との間に、前記被加熱板材及び前記加熱補助板材よりも小さい電気抵抗率を有する溶着防止板材を介在させて、前記被加熱板材と前記加熱補助板材とを重ね合わせることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の通電加熱方法。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の通電加熱方法によって前記被加熱板材を加熱し、成形型を用いて前記加熱された被加熱板材をプレス成形することを特徴とする熱間プレス成形方法。
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