JP5402859B2 - 液体吐出ヘッド及びこれを有する記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体を吐出する吐出口を有する液体吐出ヘッド及びこれを有する記録装置に関する。
特許文献1の記録ヘッドはインク流路を有している。このインク流路は、インクを吐出する吐出口へとインクを供給する流路と、この流路から記録ヘッド外へとインクを排出する流路とを含んでいる。また、従来、インクなどの液体をろ過するフィルタをヘッド内の流路に設ける技術も存在する。上記のようなフィルタをヘッド内の流路に設けた場合、フィルタに溜まった気泡を除去するため、特許文献2のようにヘッドを構成することがある。ヘッドに設けられた流路の供給側から排出側へと液体を流すことによって、フィルタに溜まった気泡を除去するためである。
特開2007−203641号公報 特開2004−351664号公報
さらに、吐出口側への液体の流量を調整するため、上記の流路の供給側から排出側へと向かう主流路に対して、主流路の供給側と排出側とをバイパスする副流路を別途設けることがある。吐出口側への液体の流量が大きいと吐出口に形成されたメニスカスが破壊されたり、吐出口から不要に液体が吐出されたりするおそれがあるためである。
このような構成において、ヘッド外部の環境条件の変動などにより液体の粘度が低下すると、主流路内の気泡を押し流すのに多くの流量が必要となる。これに対して、ヘッドに供給する液体の流量を増加させると、上記の主流路における液体の流量が増加するのみならず、上記の副流路における流量も増加する。このため、主流路における流量が十分増加せず、フィルタから気泡を押し流す能力を十分発揮できないおそれが生じる。
本発明の目的は、フィルタから気泡を押し流す能力を環境条件の変動に応じて確保しやすい液体吐出ヘッド及びこれを有する記録装置を提供することにある。
本発明の液体吐出ヘッドは、液体の吐出口と、液体の供給部及び排出部と、前記供給部から前記排出部までを結ぶ主流路と、前記主流路から分岐し、前記吐出口に液体を供給する供給流路と、前記主流路からの前記供給流路の分岐位置の近傍に配置されたフィルタと、前記主流路において前記分岐位置より前記供給部に近い第1の接続位置に一端が、前記主流路において前記分岐位置より前記排出部に近い第2の接続位置に他端が接続された副流路とを備えており、前記主流路及び副流路が、前記供給部から前記主流路に液体が所定の流量で供給された際に、前記第1の接続位置から前記第2の接続位置までの前記主流路における流量の前記副流路における流量に対する比が、前記所定の流量が大きいほど大きくなるように形成されている。
また、本発明の記録装置は、上記の液体吐出ヘッドと、前記供給部から前記主流路へと液体を供給する液体供給手段と、前記排出部からの液体を前記液体供給手段に戻す戻り流路と、前記戻り流路中を液体が流通する状態と液体が流通しない状態とを切り替える弁とを備えている。
本発明の液体吐出ヘッド及び記録装置によると、主流路及び副流路が、供給部からヘッドへと供給する液体の流量を増やした際、主流路における流量の副流路における流量に対する比が大きくなるように形成されている。このため、供給部からヘッドへと供給する液体の流量を増やすと、副流路よりも主流路側へと液体が流れやすくなる。したがって、液体の粘度が低下したなどの理由によりヘッドに供給する液体全体の流量を増加した際、フィルタに溜まった気泡を押し流す能力を確保しやすい。
本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの内部構造を示す概略側面図である。 図1のインクジェットヘッドの斜視図である。 図3(a)は、図1のヘッドが有するフィルタユニットの分解斜視図である。図3(b)は、フィルタユニットのユニット本体の平面図である。 図4(a)は、図1のヘッドが有するリザーバユニットの分解斜視図である。図4(b)は、リザーバユニット内に形成されたリザーバの平面図である。 フィルタユニット及びリザーバユニットの図3におけるV−V線断面図である。 図1のヘッドが有する流路ユニットの平面図である。 ヘッド及びヘッドにインクを供給するインク供給ユニットに跨って形成されているインク流路を示す模式図である。 ヘッド内に形成された主流路及び副流路にそれぞれ分岐したインクの流量を測定した結果を示すグラフである。 ヘッドに形成されたインク流路の変形例を示す平面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1を参照し、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの全体構成について説明する。ヘッド1(記録ヘッド)は、図1に示すように、一方向(図1の紙面に直交する方向)に沿って長尺なラインヘッドであり、その長手方向を主走査方向として、インクジェットプリンタ500に組み込まれている。プリンタ500は、ライン式のカラーインクジェットプリンタである。
プリンタ500は、直方体形状の筐体501aを有する。筐体501aの天板上部には、排紙部531が設けられている。筐体501aの内部空間は、上から順に空間A,B,Cに区分できる。空間A,Bは、排紙部531に連なる用紙搬送経路が形成された空間である。空間Aでは、用紙Pの搬送と用紙Pへの画像形成が行われる。空間Bでは、給紙に係る動作が行われる。空間Cには、インク供給源としてのメインタンク58が収容されている。
空間Aには、4つのヘッド1、ヘッド1にインクを供給するインク供給ユニット50、用紙Pを搬送する搬送ユニット521、用紙Pをガイドするガイド部等が配置されている。空間Aの上部には、プリンタ500各部の動作を制御してプリンタ500全体の動作を司るコントローラ501(供給制御手段)が配置されている。
各ヘッド1は、主走査方向に長尺な略直方体形状を有する。4つのヘッド1は、副走査方向に所定ピッチで並び、ヘッドフレーム503を介して筐体501aに支持されている。4つのヘッド1の下面(吐出面)4aからそれぞれマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのインク滴が搬送される用紙P上に吐出される。インク供給ユニット50は、メインタンク58からのインクをヘッド1へと供給する。ヘッド1には温度センサ1aが固定されており、温度センサ1aによる検出結果はコントローラ501へと送られる。ヘッド1及びインク供給ユニット50のより具体的な構成については後に詳述する。
搬送ユニット521は、2つのベルトローラ506,507、両ローラ506,507間に巻回されたエンドレスの搬送ベルト508、搬送ベルト508の外側に配置されたニップローラ504及び剥離プレート505、搬送ベルト508の内側に配置されたプラテン519等を有する。ベルトローラ507は、駆動ローラであって、コントローラ501による制御の下、搬送モータ(図示せず)の駆動により回転し、図1中時計回りに回転する。ベルトローラ507の回転に伴い、搬送ベルト508が図1中の矢印方向に走行する。ベルトローラ506は、従動ローラであって、搬送ベルト508が走行するのに伴って、図1中時計回りに回転する。ニップローラ504は、ベルトローラ506に対向配置され、上流側ガイド部(後述)から供給された用紙Pを搬送ベルト508の外周面508aに押さえつける。外周面508aには、弱粘着性のシリコン層が形成されている。剥離プレート505は、ベルトローラ507に対向配置され、用紙Pを外周面508aから剥離して下流側ガイド部(後述)へと導く。プラテン519は、4つのヘッド1に対向配置され、搬送ベルト508の上側ループをベルト内周面側から支持する。これにより、外周面508aとヘッド1の吐出面4aとの間に、画像形成に適した所定の間隙が形成される。
ガイド部は、搬送ユニット521を挟んで両側に配置されている。上流側ガイド部は、2つのガイド527a,527b及び一対の送りローラ526を有する。当該ガイド部は、給紙ユニット501b(後述)と搬送ユニット521とを繋ぐ。下流側ガイド部は、2つのガイド529a,529b及び二対の送りローラ528を有する。当該ガイド部は、搬送ユニット521と排紙部531とを繋ぐ。
空間Bには、給紙ユニット501bが配置されている。給紙ユニット501bは、給紙トレイ523及び給紙ローラ525を有し、給紙トレイ523が筐体501aに対して着脱可能である。給紙トレイ523は、上方に開口する箱であり、複数の用紙Pを収納可能である。給紙ローラ525は、コントローラ501による制御の下、給紙トレイ523の最も上方にある用紙Pを送り出し、上流側ガイド部に供給する。
空間A,Bには、上述のように、給紙ユニット501bから搬送ユニット521を介して排紙部531に至る、用紙搬送経路が形成されている。記録指令に基づいて、コントローラ501は、給紙トレイ523から用紙Pを送り出す。用紙Pは、上流側ガイド部を介して搬送ユニット521に送られる。用紙Pが各ヘッド1の吐出面4aの真下を副走査方向に通過する際、ヘッド1から順にインク滴が吐出され、用紙P上に所望のカラー画像が形成される。その後用紙Pは、剥離プレート505により外周面508aから剥離され、下流側ガイド部を介して上方の排紙部531に排紙される。
ここで、副走査方向とは、搬送ユニット521による用紙Pの搬送方向と平行な方向であり、主走査方向とは、副走査方向に直交する方向であって水平面に沿った方向である。
空間Cには、タンクユニット501cが筐体501aに対して着脱可能に配置されている。タンクユニット501cは、トレイ535及び4つのメインタンク58を有する。4つのメインタンク58は、4つのヘッド1と一対一に対応し、トレイ535内において副走査方向に並設されている。
以下、ヘッド1について図2〜6を参照しつつ説明する。ヘッド1は、図2に示すように、主走査方向に沿って長尺な直方体の概略形状を有している。ヘッド1は、上から順にフィルタユニット2、リザーバユニット3及び流路ユニット4が積層された積層体を含んでいる。フィルタユニット2の上面には、上方に向かって突出したジョイント2a〜2cが形成されており、このジョイント2a〜2cを介して後述のインク供給ユニット50とヘッド1との間でインクのやり取りがなされる。流路ユニット4の下面は、多数の吐出口4yが形成されており、画像の形成に際して吐出口4yからインクが吐出される。積層体の内部には、ジョイント2a〜2cと各吐出口4yとを連通するインク流路が形成されている。また、リザーバユニット3と流路ユニット4の間からはフレキシブルプリント基板6が引き出されている。フレキシブルプリント基板6は、後述のアクチュエータユニット5とそれぞれ接続されており、コントローラ501からの駆動指令をアクチュエータユニット5へと供給する。
フィルタユニット2は、樹脂材料からなるユニット本体20を有し、インクの濾過と流路抵抗の調整を行う。フィルタユニット2は、図3(a)に示すように、フィルタ2fが内部に配置され、流路抵抗調整部(直線流路26)が形成されている。ユニット本体20は、ジョイント2a〜2c、並びに、ジョイント2a〜2cと連通するインク流路を構成する上フィルタ室24a、下フィルタ室24b、連通流路25及び直線流路26を有している。
ジョイント2a及び2bは、図3(b)に示すように、ユニット本体20の主走査方向に関する一方の端部に配置されており、ジョイント2cはその反対側の端部に配置されている。上フィルタ室24aは、ジョイント2aの近くであって、副走査方向に関してユニット本体20のほぼ中央の位置に配置されている。上フィルタ室24aは、ユニット本体20の上面に開口した凹部であり、概略的に、主走査方向に関して長尺な六角形の平面形状を有している。上フィルタ室24aの主走査方向に関する両端は、主走査方向に沿って外側に向かって先細りに形成されている。上フィルタ室24aの周辺には、上方から、可撓性を有する薄い平板2iが貼り付けられている。平板2iは、平面視において上フィルタ室24aの開口全体を封止しており、上フィルタ室24aの上壁を構成している(図5参照)。
上フィルタ室24aは、ユニット本体20内に形成された連通流路21(排出流路)を介してジョイント2aと連通している。上フィルタ室24aの主走査方向に関してジョイント2aに近い方の一端には、連通流路21との連通部である連通孔21aが形成されている。連通孔21aは、ユニット本体20を上下に貫通している。連通流路21は、ユニット本体20の下面に開口した凹部(図5参照)である。連通流路21の周辺には、下方から、可撓性を有する薄い平板2eが貼り付けられている。平板2eは、平面視において連通流路21の開口全体を封止しており、連通流路21の下壁を構成している。
下フィルタ室24bは、上フィルタ室24aの底面に開口した凹部(図5参照)であり、概略的に、上フィルタ室24aとほぼ相似な平面形状を有している。平面視で、下フィルタ室24bは、上フィルタ室24aより一回り小さい。下フィルタ室24bは、連通孔21aから主走査方向に離隔している。上フィルタ室24aと下フィルタ室24bとの連通部にはフィルタ2fが貼り付けられている。フィルタ2fは、平面視において下フィルタ室24b全体を覆っており、上フィルタ室24aと下フィルタ室24bとの隔壁を構成している。フィルタ2fは、上フィルタ室24aから下フィルタ室24bへとインクを通過させると共に、その際に、インク中の異物をろ過する。
連通流路25は、図3(b)に示すように、ユニット本体20の上面に開口した凹部からなる流路であり、上フィルタ室24aにおける連通孔21a側とは反対側の端部から副走査方向に延び出している。そして、ユニット本体20の副走査方向に関する端部付近においてジョイント2bに向かって折れ曲がると共に、そこから主走査方向に沿って延び、その延び方向の先端において連通孔22aを介して連通流路22と連通している。連通孔22aは、ユニット本体20を上下に貫通している。連通流路25は平板2iに上方から覆われており、この平板2iによって連通流路25の上壁が構成されている。連通流路22は、ユニット本体20の下面に開口した凹部である。この開口は平板2eに下方から覆われており、この平板2eによって連通流路22の下壁が構成されている。連通流路22はジョイント2bと連通している。
直線流路26は、ユニット本体20の上面に開口した凹部からなり(図3(b)、図5参照)、主走査方向に沿って直線状に延びる直線部26aと、副走査方向に関して両側へと拡張した複数の拡張部26bとを有している。直線部26aは、ユニット本体20において副走査方向に関して、中央部に配置されており、一定の幅に形成されている。直線部26aに設けられた拡張部26bは、いずれも同じ形で同じ大きさの長方形の平面形状を有しており、主走査方向に関して等間隔に配置されている。拡張部26bは、平面視で長方形の形状を有している。直線流路26の周辺には、上方から、可撓性を有する薄い平板2gが貼り付けられている。平板2gは、平面視において直線部26a及び全ての拡張部26bを含む直線流路26全体を覆っており、直線流路26の上壁を構成している。
直線流路26は、下フィルタ室24b側の端部において下フィルタ室24bの直線流路26側の端部と連通流路23を介して連通している(図5参照)。連通流路23は、ユニット本体20の下面に開口した凹部であり、一端側で連通孔23aを介して下フィルタ室24bと連通し、他端側で連通孔23bを介して直線流路26と連通している。連通孔23aは、下フィルタ室24bの底壁を貫通しており、連通孔23bは、ユニット本体20を上下に貫通している。連通流路23は平板2eに下方から封止されており、この平板2eによって、連通流路23の下壁が構成されている。直線流路26の下フィルタ室24b側の端部において、反対側の端部に向かって連通孔23bから少し離隔した位置J1(第1の接続位置)には、落ち込み流路27が接続している。落ち込み流路27は、下方に向かってユニット本体20の下面に開口しており、この開口においてリザーバユニット3の貫通孔31aと連通している。
直線流路26のジョイント2c側の端部は、連通流路29を介してジョイント2cと連通している(図5参照)。連通流路29は、ユニット本体20の下面に開口した凹部であり、連通孔29aを介して直線流路26と連通している。連通孔29aは、ユニット本体20を上下に貫通している。連通流路29の周辺には、下方から、可撓性を有する薄い平板2hが貼り付けられている。平板2hは、連通流路29の下壁を構成している。直線流路26のジョイント2c側の端部において、反対側の端部に向かって連通孔29aから少し離隔した位置J2(第2の接続位置)には、落ち込み流路28が接続している。落ち込み流路28は、下方に向かってユニット本体20の下面に開口しており、この開口においてリザーバユニット3の貫通孔31bと連通している。
リザーバユニット3は、図4(a)に示すように、主走査方向に長尺な長方形の平面形状を有する平板部材31〜33と、平板部材31〜33より小さい複数の平板部材34x及び34yとが積層された積層体である。平板部材31〜33、34x及び34yには貫通孔が形成されており、これらの貫通孔が互いに連通してインク流路が形成されている。
平板部材31の主走査方向に両端部には、貫通孔31a及び31bがそれぞれ形成されている。貫通孔31a及び31bのいずれも、副走査方向に関して平板部材31の中央に配置されている。平板部材32において、貫通孔31a及び31bと対向する位置には、貫通孔32a及び32bがそれぞれ形成されている。貫通孔32aと貫通孔32bとの間には、主走査方向に沿ってリザーバ32cが形成されている。リザーバ32cは、リザーバユニット3内においてインクを貯留する貯留空間を形成している。リザーバ32cは、その端部32x及び32y以外の部分が、副走査方向に関してほぼ平板部材32の幅一杯に一定の幅で形成されている。端部32x及び32yは、図4(b)に示すように、貫通孔32a及び32bに向かって徐々に幅が窄まるテーパ状に形成されている。リザーバ32cは平板部材31において貫通孔が形成されていない中実の領域と対向しており、平板部材31のかかる領域はリザーバ32cの上壁を構成している。
平板部材33において、貫通孔32a及び32bと対向する位置には、図4(a)に示すように、落ち込み流路33a及び33bが形成されている。また、平板部材33の副走査方向に端部には、複数の落ち込み流路33cが2つずつ近接して形成されている。落ち込み流路33cは、リザーバ32cと対向する位置に配置されており、リザーバ32cに貯留されたインクを下方へと導出する流路である。落ち込み流路33cは、平板部材33の一端付近に4対が、他端付近に4対が、それぞれ主走査方向に関して互い違いに配置され、全体で千鳥状に配列されている。平板部材33において落ち込み流路33a〜33cが形成されていない中実の領域は、リザーバ32cと対向してその下壁を構成している。
平板部材34x及び34yは平板部材33の端縁付近と対向している。平板部材34xには、落ち込み流路33a及び33bとそれぞれ対向する落ち込み流路34aが形成されている。平板部材34yには、一対の落ち込み流路33cと対向する一対の落ち込み流路34bが形成されている。平板部材34x及び34yは、いずれも後述のアクチュエータユニット5を平面視で避ける位置に配置されており、リザーバユニット3と流路ユニット4との間にアクチュエータユニット5及びフレキシブルプリント基板6の設置空間を形成するためのスペーサの役割も果たしている。
流路ユニット4は、図6に示すように、上面4bに、台形形状の8つのアクチュエータユニット5が2列の千鳥状に配置されている。アクチュエータユニット5の上面には、コントローラ501からの駆動信号を供給するフレキシブルプリント基板6が貼り付けられている(図2参照)。上面4bには、アクチュエータユニット5の配置領域を避けて開口4xが形成され、フィルタ72によって覆われている。フィルタ72は、リザーバユニット3の下面と流路ユニット4の上面4bとに挟まれて固定され、貫通孔34a及び34bと開口4xとを連通させている。フィルタ72は、メッシュ状の素材が配置された板状部材であり、リザーバユニット3から流路ユニット4へと流れ込むインクをろ過する。
流路ユニット4の下面4a(図5参照)における各アクチュエータユニット5に対応する領域は、吐出口4yが多数開口した吐出領域である。流路ユニット4の内部には、開口4xに連通した共通インク流路(マニホールド流路41及び副マニホールド流路41a)、副マニホールド流路41aの出口から各吐出口4yに至る個別インク流路が形成されている。副マニホールド流路41aは、図4に示すように、マニホールド流路41から分岐してヘッド長手方向に延びている。
以上の構成により、本実施形態においては、図7に模式的に示すように、主流路M、供給流路Y及び副流路Sが形成されている。主流路Mは、ジョイント2b(供給部)からリザーバ32cを介してジョイント2c(排出部)を繋ぐ流路である。供給流路Yは、リザーバ32cから分岐して吐出口4yに至る流路である。また、副流路Sは、主にリザーバ32cの両端間をバイパスする流路である。具体的には、主流路Mは、ジョイント2bから、連通流路22、25、上フィルタ室24a、フィルタ2f、下フィルタ室24b、連通流路23、直線流路26、落ち込み流路27、貫通孔31a、32a、リザーバ32c、貫通孔31b、32b、落ち込み流路28、及び直線流路26を経てジョイント2cに接続している。供給流路Yは、落ち込み流路33a、33b、33cのリザーバ32cとの分岐部において主流路Mから分岐し、その近傍に配置されたフィルタ72を通って流路ユニット4へと向かい、吐出口4yへとインクを供給する。副流路Sは、直線流路26と落ち込み流路27との接続位置J1において主流路Mから分岐し、直線流路26に沿って落ち込み流路28との接続位置J2へと向かい、そこで主流路Mと合流する。
このように、副流路Sは、供給流路Yと主流路Mとの分岐位置に関して、ジョイント2b側の接続位置J1で主流路Mから分岐し、ジョイント2c側の接続位置J2で再び主流路Mと合流する。つまり、副流路Sは、主流路Mにおいて接続位置J1から接続位置J2までの部分流路をバイパスするバイパス流路の役割を担っている。
次に、ヘッド1へとインクを供給するインク供給ユニット50(液体供給手段)について図7を参照しつつ説明する。インク供給ユニット50は、サブタンク54及びポンプ56を有し、メインタンク58からヘッド1(フィルタユニット2)にインクを供給する。サブタンク54は、内部にインクを貯留し、大気開放孔54aを介してインク中の気泡を大気に開放する。サブタンク54は、弾性チューブ51及び弾性チューブ53(戻り流路)を介してジョイント2a及び2cと接続されていると共に、弾性チューブ57を介してメインタンク58と接続されている。弾性チューブ51、53及び57の端部は、サブタンク54内に貯留された液体の液面Sより下に配置されている。ポンプ56は、吸引側が弾性チューブ55を介してサブタンク54と接続され、排出側が弾性チューブ52を介してジョイント2bと接続されている。ポンプ56は、コントローラ501によって制御され、弾性チューブ55を介してサブタンク54内のインクを吸引すると共に、吸引したインクを弾性チューブ52及びジョイント2bを介してフィルタユニット2へと供給する。ポンプ56によってインクに印加される圧力はコントローラ501によって制御される。これにより、ヘッド1へと流入するインクの流量が調整される。
弾性チューブ51、53及び57には、これらのチューブ内をインクが流通する開状態とインクが流通しない閉状態とを切り替える開閉弁61、62及び63が設けられている。開閉弁61又は62が開状態のとき、サブタンク54からポンプ56を介してフィルタユニット2にインクが流入し、フィルタユニット2からは開状態の開閉弁61又は62を介してサブタンク54へとインクが流出する循環経路が形成される。このようなポンプ駆動によって、フィルタユニット2からサブタンク54へと気泡や粉塵等の異物混じりのインクを排出できる。開閉弁63が開状態のときにポンプ56が作動すると、メインタンク58からサブタンク54へとインクが供給される。開閉弁61〜63の状態は、コントローラ501の制御によって切り替えられる。
次に、図7を参照しつつ、インクジェットヘッド1における記録時及びパージ時のインクの流れについて説明する。記録時には、コントローラ501が、開閉弁61及び63を開状態にすると共に開閉弁62を閉状態とする。これにより、ヘッド1からインクが吐出される際のインクの消費に伴って、メインタンク58からサブタンク54を経てフィルタユニット2へのインクの流れが自発的に生ずる。サブタンク54からは、弾性チューブ51、ジョイント2aを経て、上フィルタ室24aへとインクが流れ込む。上フィルタ室24aからは、主流路Mに沿ってリザーバ32cへとインクが流れ込むと共に、主流路Mから供給流路Yに分岐して吐出口4yへとインクが供給される。吐出口4yにインクが到達するまでにフィルタ2f及び72の2つのフィルタを通るため、インク中の異物が確実にろ過される。
一方、パージは、ヘッド1外にインクを強制的に排出することで、ヘッド1内の気泡等の異物を除去する処理である。本実施形態のパージ処理には、フィルタ2fより上流においてインクを循環させる(1)循環パージと、フィルタ2f及び72間の流路を通るようにインクを循環させる(2)フィルタ間パージと、吐出口4yからインクを排出させる(3)ノズルパージとが含まれる。
(1)循環パージ時には、コントローラ501は、開閉弁61を開状態とし開閉弁62、63を閉状態とすると共に、ポンプ56を作動させる。これにより、サブタンク54内のインクがジョイント2bから上フィルタ室24aに流れ込む。上フィルタ室24aにおいては、インクがフィルタ2fの上面に沿って連通流路21へと流れる。これによって、フィルタ2fの上流側面に溜まった気泡などの異物が除去され、フィルタ2fの目詰まりが回避される。連通流路21へと向かったインクは、ジョイント2aから外部へと排出され、弾性チューブ51を介してサブタンク54へと戻る。つまり、ジョイント2aは、循環パージにおいてフィルタユニット2からインクを外部へ排出する排出部(本発明における別の排出部)の役割も果たしている。なお、上フィルタ室24aからジョイント2aを経てサブタンク54へと戻る流路の流路抵抗は、上フィルタ室24aからフィルタ2fを超えて吐出口4yまで向かう流路の流路抵抗に比べて小さい。そのため、循環パージ中は、ジョイント2bが吐出口4yと連通しているにもかかわらず、吐出口4yからインクが漏れるおそれは小さい。
(2)フィルタ間パージ時には、コントローラ501は、開閉弁62を開状態とし開閉弁61、63を閉状態とすると共に、ポンプ56を作動させる。これにより、サブタンク54内のインクがジョイント2bから上フィルタ室24aに流れ込む。そこから、主流路Mに沿ってリザーバ32cを経てジョイント2cへと向かうと共に、主流路Mから分岐し副流路Sに沿ってジョイント2cへと向かう。ジョイント2cから排出されたインクは、弾性チューブ53を経て、サブタンク54へと戻る。これにより、フィルタ2fとフィルタ72との間の流路中に存在する気泡等の異物がヘッド1外へと排出される。
ここで、直線流路26と落ち込み流路27との接続位置J1を起点とし、主流路M及び副流路Sに沿ってジョイント2cを経てサブタンク54へと戻る流路の流路抵抗は、接続位置J1を起点とし、主流路M及び供給流路Yに沿って吐出口4yへと向かう流路の流路抵抗に比べて小さい。そのため、フィルタ間パージ中は、ジョイント2bが吐出口4yと連通しているにもかかわらず、吐出口4yからインクが漏れるおそれは小さい。
特に、本実施形態では、下フィルタ室24bからジョイント2cまでの流路において、主流路Mに沿った流路のみならず、主流路Mをバイパスする副流路Sも設けられており、このことが、下フィルタ室24bからジョイント2cまでの流路の流路抵抗を下げるのに寄与している。一方で、副流路S側にインクが流れやすくしすぎると、主流路Mにおける流量を確保できず、主流路M中の異物を十分に除去できないおそれが生じる。このため、副流路Sは、主流路M及び副流路S全体の流路抵抗を下げつつも主流路M側の流量をある程度確保できるような流路抵抗を有するように構成されている。例えば、副流路Sの流路抵抗は、主流路Mにおける接続位置J1から接続位置J2までの流路抵抗とほぼ同じになるように調整されている。
(3)ノズルパージ時には、コントローラ501は、開閉弁61〜63の全てを閉状態とすると共に、ポンプ56を作動させる。これにより、サブタンク54内のインクがジョイント2bから上フィルタ室24aに流れ込む。そこから、記録時のインクの流れと同様に吐出口4yに到達し、吐出口4yから吐出される。これにより、流路ユニット4において吐出口4y付近のインクの粘度が増加することや、吐出口4yの詰まりが回避される。
ところで、外部環境の変動によりインクの温度が変化するとインクの粘度も変動する。インク温度が高くなりインクの粘度が低下すると、主流路Mや副流路Sにおいてインクの粘性による圧力損失が低下する。このため、循環パージやフィルタ間パージにおいて吐出口4yからインクが漏れてしまうおそれが低下する。その反面、粘度が下がると気泡などの異物に対する抵抗も小さくなるため、インク流路中の異物を押し流す能力も低くなる。したがって、パージによって異物を除去する際は、外部環境に応じてインクの流量を変化させ、異物を排出する能力を調整する必要がある。例えば、本実施形態のコントローラ501は、温度センサ1aの検出結果に基づいて、ヘッド1の温度が上昇したと判定すると、ポンプ56におけるインクへの印加圧力を増大させ、ヘッド1へと供給するインクの流量を増加させる。なお、温度センサがヘッド1内において直接インクの温度を検出するように構成されていてもよい。
しかし、本実施形態のように主流路Mをバイパスする副流路Sが形成されていると、インク全体の流量を大きくしても、主流路Mのみならず副流路Sを流れるインクの流量も大きくなるため、主流路Mにおいて異物を排出するために必要な流量を確保できないおそれがある。
そこで、本実施形態の副流路Sは、主流路M及び副流路Sを流れるインク全体の流量が大きくなるに連れて、主流路Mにおいて接続位置J1から接続位置J2までの部分流路の流量に対する副流路Sの流量の割合が小さくなるように構成されている。このとき、部分流路へのインクの分配量が増すことになる。
具体的には、図3(b)に示すように、副流路Sを構成する直線流路26に複数の拡張部26bが形成されている。この拡張部26bは、直線部26aから副走査方向に拡張した部分であり、直線流路26の延び方向(つまり、インクの流れ方向)に直交する断面が急激に変化している部分である。より詳細には、拡張部26bのインク流入部26x(第1の変化部分)は、図3(b)に示すように、インクの流れ方向に沿って、副走査方向に関して急激に拡張しており、断面積がほぼ不連続に変化している。また、拡張部26bのインク流出部26y(第1の変化部分)は、インクの流れ方向に沿って、副走査方向に関して急激に収縮しており、断面積が流入方向にほぼ不連続に変化している。したがって、インク流入部26x及びインク流出部26yのそれぞれを通過する際、インクの流速が変化して、速度変化による圧力損失が生じる。インク流入部26xを通過する際の速度変化による圧力損失をΔP1、損失係数をζ1、インクの密度をρ、通過前後の流速をu1及びu2とすると、ΔP1は以下のように表される。なお、インク流入部26xは、副走査方向に関して急激に拡張する部分であるため、ζ1=1となる。
(式1−1) ΔP1=ζ1*ρ*(u1−u2)/2
また、インク流出部26yを通過する際の速度変化による圧力損失をΔP1´、損失係数をζ1´、通過前後の流速をu1´及びu2´とすると、ΔP1´は以下のように表される。インク流出部26yは、副走査方向に関して急激に収縮する部分であるため、ζ1´=1となる。
(式1−2) ΔP1´=ζ1´*ρ*(u1´−u2´)/2
副流路Sにはこのような流路特性を有する拡張部26bが複数形成されている。また、圧力損失には、速度変化によるものと粘性によるものとが考えられる。したがって、副流路Sにおける全体の圧力損失ΔP1ALLは、以下のように表される。なお、Σはすべての拡張部26bについて圧力損失を足し合わせることを意味し、Δp1は粘性による圧力損失を示している。
(式1−3) ΔP1ALL=Σ(ΔP1+ΔP1´)+Δp1
一方で、主流路Mでは、リザーバ32cの両端部32x及び32yにおいて流路形状が変化しており、この部分が主流路Mにおける速度変化の主な要素の一つとなる。端部32xにおいてはリザーバ32cの延び方向に沿って流入するインクの流入方向(主走査方向)に対して、リザーバ32cの延び方向に直交する断面が徐々に拡張している。端部32yにおいてはリザーバ32cの延び方向に沿って流出するインクの流出方向(主走査方向)に対して、リザーバ32cの延び方向に直交する断面が徐々に縮小している。端部32xを通過する際の速度変化による圧力損失をΔP2、損失係数をζ2、通過前後の流速をv1及びv2とすると、ΔP2は以下のように表される。端部32xは、副走査方向に関して徐々に拡張する部分(第2の変化部分)であり、断面積がインクの流れ方向に沿って連続的に変化する部分である。このため、0<ζ2<1となる。
(式2−1) ΔP2=ζ2*ρ*(v1−v2)/2
また、端部32yを通過する際の速度変化による圧力損失をΔP2´、損失係数をζ2´、通過前後の流速をv1´及びv2´とすると、ΔP2´は以下のように表される。端部32yは、副走査方向に関して徐々に縮小する部分(第2の変化部分)であり、断面積がインクの流れ方向に沿って連続的に変化する部分である。このため、0<ζ2´<1となる。
(式2−2) ΔP2´=ζ2´*ρ*(v1´−v2´)/2
したがって、リザーバ32cにおける全体の圧力損失ΔP2ALLは、以下のように表される。Δp2は粘性による圧力損失を示している。
(式2−3) ΔP2ALL=ΔP2+ΔP2´+Δp2
(式1−1)(式1−2)(式2−1)(式2−2)に示すように、速度変化による圧力損失ΔP1、ΔP1´,ΔP2、ΔP2´は速度変化の二乗に比例するのに対して、粘性による圧力損失Δp1、Δp2は流速の一次に依存する(例えば、断面が変化しない管路内の層流では、粘性による圧力損失は管路の一断面を横切るインクの平均流速に比例する)。したがって、インクの流量が大きくなり流速が大きくなると、(式1−3)(式2−3)において、粘性による圧力損失Δp1、Δp2の影響に対して速度変化による圧力損失ΔP1、ΔP1´,ΔP2、ΔP2´の影響が相対的に大きくなっていく。そして、上記のとおり、損失係数ζ1及びζ1´は損失係数ζ2及びζ2´より大きい。このため、副流路Sにおける速度変化による圧力損失ΔP1、ΔP1´は、主流路Mにおける速度変化による圧力損失ΔP2、ΔP2´よりも、インクの流量が大きくなった際の変化の度合いが大きい。つまり、副流路Sは、主流路Mに比べてインクの流量が大きくなった際に圧力損失が大きくなりやすいため、インク全体の流量が大きくなるほど主流路Mの流量に対する副流路Sの流量の割合は小さくなる。
図8(a)は、本実施形態のヘッド1に係るある実施例においてフィルタ間パージを実施した際、ポンプ56によるインクへの印加圧力[kPa]に対して、接続位置J1において主流路Mへと分岐するインクの流量[ml/s]と、接続位置J1において副流路Sへと分岐するインクの流量[ml/s]とを測定した結果である。また、図8(a)は、これらのインク流量同士の比率も示している。この測定結果は、ヘッド1へと流入させるインクの流量を大きくすると、主流路Mに分岐する流量に対する副流路Sに分岐する流量の割合が小さくなっていることを示している。このような結果となるのは上記のとおり、ζ1,ζ1´>ζ2,ζ2´であるため、流量が増大した際の副流路Sにおける速度変化による圧力損失の増加度合いが、主流路Mにおける速度変化による圧力損失の増加度合いより大きいからである。
図8(b)は、図8(a)の実施例において、温度条件を変化させると共にヘッド1へと流入させるインクの流量を変化させた際、接続位置J1において主流路Mへと分岐するインクの流量[ml/s]と、接続位置J1において副流路Sへと分岐するインクの流量[ml/s]とを測定した結果である。また、図8(b)は、これらのインク流量同士の比率も示している。図8(b)には、温度上昇と共にヘッド1へと流入させるインクの流量を増加させると、やはり副流路Sへと分岐するインクに対して主流路Mへと分岐するインクの割合が増加していることが示されている。温度が上昇すると粘度が低下するため、粘度による圧力損失に対して速度変化による圧力損失の影響がさらに大きくなる。本実施形態のコントローラ501は、例えば、ノズル間パージの際、ヘッド1の温度上昇に伴って、ヘッド1へと流入させるインクの流量を図8(b)に示すように増大させるようにポンプ56を制御する。
以上説明した本実施形態によると、インク全体の流量を増加させた際、主流路Mの流量の副流路Sの流量に対する比が大きくなるように形成されている。このため、ポンプ56からヘッド1へと流れこませるインクの流量を増加させると、副流路Sへと分岐するインクより主流路Mへと分岐するインクの割合が多くなる。したがって、例えば、インクの粘性が低下することにより低下した異物を押し流す能力を、インクの流量を増加することにより回復する場合、インクの流量増加に伴って主流路Mへと分岐するインクの割合が大きくなるため、異物を押し流す能力を確保しやすい。
このような副流路Sの流路抵抗調整機能がない場合、主流路Mの流量を増やすため、副流路Sの流量も同様に増やす必要がある。そのため、ポンプからインクに過度な圧力が印加されることになり、例えば、フィルタ間パージ時において、吐出口4yからインクが漏れ出す。しかし、本実施の形態では、副流路Sに流路抵抗調整機能があるので、ポンプからインクに過度な圧力を印加しなくても主流路Mの流量を増すことができる。そのため、過不足のない異物の排出と無駄なインクの消費がない。
また、インク全体の流量を増加させた際、主流路Mの流量の副流路Sの流量に対する比が大きくなるように流路を形成するために、複数の拡張部26bが副流路Sに設けられている。この拡張部26bは、流路の断面積を変化させることにより、流量が増加した際に圧力損失が大きくなりやすい部分である。具体的には、拡張部26bの損失係数ζ1が主流路Mの端部32x及び32yの損失係数ζ2より大きくなるように構成されている。このため、全体の流量が増加した際、副流路Sの流量よりも主流路Mの流量が大きくなりやすい。
<変形例>
以上は、本発明の好適な実施形態についての説明であるが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、課題を解決するための手段に記載された範囲の限りにおいて様々な変更が可能なものである。
例えば、図9は、上述の実施形態の直線流路26に代わる変形例に係る直線流路261及び262並びに曲折流路263を示している。直線流路261は、直線部261aと、直線部261aから副走査方向に拡張した拡張部261bとを有している。拡張部261bは、拡張部26bと異なり、平面形状が長方形ではなく、流入部及び流出部がそれぞれテーパ状に形成されている。拡張部261bの損失係数も、圧力損失が大きくなるように、リザーバ32cの端部32x及び32yにおける損失係数よりも大きいことが好ましい。直線流路262は、直線部262aと拡張部262bとを有している。直線部262aは、直線部26aと異なり、副走査方向に関する幅が変化している。曲折流路263は、複数の折れ曲がり263aを有するように形成されており、これらの折れ曲がり263aによって圧力損失が大きくなるように構成されている。直線流路261及び262並びに曲折流路263が適宜組み合わされてもよい。
また、インク供給ユニット50の構成は、ジョイント2bからインクを導入すると共にジョイント2a又は2cからインクを排出することができる構成であれば、上述の実施形態以外の構成であってもよい。例えば、サブタンク54を介さずジョイント2b又は2cから排出されたインクをジョイント2aへと直接流入させる構成であってもよい。
上述の実施形態では、サブタンク54とヘッド1とが、ポンプ56を介して循環流路を構成していたが、ヘッド1からサブタンク54への戻り流路である弾性チューブ51および弾性チューブ53の内、少なくとも一方がサブタンク54以外の部分(例えば、廃液タンク)に接続していても良い。このとき、ポンプにより送り出されるインクの一部が廃棄されることになるが、副流路Sの流路抵抗調整機能により排気量は少なくて済む。
また、上述の実施形態では、主流路Mおよび副流路Sでの流路幅が直線的な変化をしていたが、他の形態で変化をしても良い。例えば、流路幅の変化部分が、曲線的な変化をしても良い。
また、上述の実施形態は、ノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドに本発明を適用した一例であるが、本発明を適用可能な対象はこのようなインクジェットヘッドに限られない。例えば、導電ペーストを吐出して基板上に微細な配線パターンを形成したり、あるいは、有機発光体を基板に吐出して高精細ディスプレイを形成したり、さらには、光学樹脂を基板に吐出して光導波路等の微小電子デバイスを形成するための、液体吐出ヘッドに適用することができる。
61-63 開閉弁
2a-2c ジョイント
1 インクジェットヘッド
2f,72 フィルタ
24a 上フィルタ室
24b 下フィルタ室
26 直線流路
26a 直線部
26b 拡張部
32c リザーバ
50 インク供給ユニット
56 ポンプ
58 メインタンク
500 インクジェットプリンタ
501 コントローラ
M 主流路
S 副流路
Y 供給流路

Claims (7)

  1. 液体の吐出口と、
    液体の供給部及び排出部と、
    前記供給部から前記排出部までを結ぶ主流路と、
    前記主流路から分岐し、前記吐出口に液体を供給する供給流路と、
    前記主流路からの前記供給流路の分岐位置の近傍に配置されたフィルタと、
    前記主流路において前記分岐位置より前記供給部に近い第1の接続位置に一端が、前記主流路において前記分岐位置より前記排出部に近い第2の接続位置に他端が接続された副流路とを備えており、
    前記主流路及び副流路が、
    前記供給部から前記主流路に液体が所定の流量で供給された際に、前記第1の接続位置から前記第2の接続位置までの前記主流路における流量の前記副流路における流量に対する比が、前記所定の流量が大きいほど大きくなるように形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記副流路が、流路の延び方向に直交する断面の面積が流路の延び方向に関して変化する第1の変化部分を有していることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記主流路が、流路の延び方向に直交する断面の面積が流路の延び方向に関して変化する第2の変化部分を、前記第1の接続位置から前記第2の接続位置までの間に有しており、
    前記第1及び第2の変化部分が、式1で表されるζ1が式2で表されるζ2より大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
    (式1) ΔP1=ζ1*ρ*(u1−u2)/2
    (式2) ΔP2=ζ2*ρ*(v1−v2)/2
    ただし、ΔP1、u1及びu2は、前記第1の変化部分における圧力損失、前記第1の変化部分に流入する液体の流速、及び、前記第1の変化部分から流出する液体の流速を示し、ΔP2、v1及びv2は、前記第2の変化部分における圧力損失、前記第2の変化部分に流入する液体の流速、及び、前記第2の変化部分から流出する液体の流速を示し、ρは液体の密度を示すものとする。
  4. 前記第1の変化部分の変化部分においては前記断面の面積が流路の延び方向に関してほぼ不連続に変化し、前記第2の変化部分においては前記断面の面積が流路の延び方向に関して連続的に変化していることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記第1の変化部分が前記副流路に複数形成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記排出部とは別の排出部と、
    前記主流路において前記第1の接続位置より前記供給部に近い位置に配置された、前記フィルタとは別のフィルタと、
    前記主流路において前記別のフィルタより前記供給部に近い位置から分岐して前記別の排出部と連通する排出流路とをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドと、
    前記供給部から前記主流路へと液体を供給する液体供給手段と、
    前記排出部からの液体を前記液体供給手段に戻す戻り流路と、
    前記戻り流路中を液体が流通する状態と液体が流通しない状態とを切り替える弁とを備えていることを特徴とする記録装置。
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