JP5402641B2 - 非水系インクジェットインク及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、新規の非水系インクジェットインク及びインクジェット記録方法に関するものである。
近年、インクジェット記録方式は、簡便でかつ安価に画像を作成できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。
この様なインクジェット記録方式で用いられるインクジェットインクとしては、水を主溶剤とする水性インク、室温では揮発しない不揮発性の溶剤を主とし、実質的に水を含まない油性インク、室温で揮発する溶剤を主とし、実質的に水を含まない非水系インク、室温では固体のインクを加熱溶融して印字するホットメルトインク、印字後、光等の活性光線により硬化する活性光線硬化性インク等、複数のインクジェットインクがあり、用途に応じて使い分けられている。
一方、長期の耐候性が求められる屋外掲示物や曲面を有する物体への密着性が求められる印字物等には記録媒体としてポリ塩化ビニルやポリエチレンなどのプラスチック製の記録媒体が用いられ、特に広い用途で軟質ポリ塩化ビニル製の記録媒体が使用されている。軟質ポリ塩化ビニルに印刷する方法は多数あるが、版作製の必要がなく、仕上がりまでの時間が短く、少量多品種の生産に適する方法として、インクジェット記録方法がある。
軟質ポリ塩化ビニルに対してインクジェット記録を行う際、用いるインクジェットインクとしては、従来、シクロヘキサノン等を多く含有する非水系インクが用いられており、例えば、シクロヘキサノンを含有したインクジェットインクが開示されている(特許文献1参照)。このシクロヘキサノンは、軟質ポリ塩化ビニルに対する溶解能が高く、インクジェットインク中の顔料が軟質ポリ塩化ビニル中に入り込むため、良好な耐擦過性、光沢性が得られる。しかし、シクロヘキサノンは第1種有機溶剤の指定を受けており、安全性に問題があるだけでなく、シクロヘキサノンを含有するインクジェットインクを取り扱う際には、局所排気装置が必要となる欠点があった。また、シクロヘキサノン等の有機溶剤は臭気が強く、作業者の負担になるばかりでなく、印刷物もインクの臭気がなかなか消えないといった課題もあった。
これに対し、シクロヘキサノンを含まないことを特徴とする非水系インクが開発、販売されている。例えば、ポリ塩化ビニルを溶解する溶剤として、上記のような課題を抱えているシクロヘキサノンに代えて、N−メチルピロリドンやラクトン等の溶剤、およびグリコール系の溶剤等の水溶性有機溶剤を含有する非水系インクが開示されている(特許文献2、3参照)。また、擦過性等の画像堅牢性を向上させる目的で、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などの定着樹脂を添加した非水系インクが開示されている(特許文献4、5参照)。これらの構成により、臭気をある程度抑制でき、ポリ塩化ビニルに対する耐擦過性を備えた画像を形成できるインクジェットインクを得ることができた。
しかしながら、上記のような水溶性の有機溶剤を使用した場合、インク製造直後には問題がないインクでも、インクを長期間保存しておくと印字後の画像の耐擦過性や耐水性が劣ること、画像の光沢性が低下するといったことがあった。また、場合によっては印字時にインクジェットヘッドからのインクの吐出が不安定になって、欠が発生してしまうこともあるといった課題があることが判明した。また、有機溶剤の種類によっては、長期間の使用においてインクジェットヘッドの動作異常が発生することもあることがわかった。従って、安全性、臭気の問題が無く、ポリ塩化ビニルに印刷した際に十分な適性を有し、長期にわたって安定に使用できる非水系インクジェットインクは、未だ得られていないのが現状である。
特表2002−526631号公報 特開2005−15672号公報 特開2005−60716号公報 特開2005−36199号公報 WO2004/007626号明細書
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、ポリ塩化ビニルなどの非吸収性記録媒体に対する印字適性(耐擦過性、耐水性)を有し、出射安定性、安全性に優れ、臭気の問題が無く、長期間使用してもインクジェットヘッドの動作異常が発生せず、インクの長期保存後においても安定に使用できる非水系インクジェットインクとそれを用いたインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.少なくとも顔料、定着樹脂及び有機溶剤を含有する非水系インクジェットインクであって、有機溶剤が、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル及びジプロピレングリコールジエチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種を前記インクの全質量に対して50質量%以上、90質量%以下で含んでおり、有機溶剤の全質量の60質量%以上が水溶性有機溶剤で構成され、非水系インクジェットインク中のナトリウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウムから選ばれる金属塩の中で、最も含有量の多い金属塩の含有量が、金属イオン濃度として3ppm以上、50ppm以下であり、非吸水性記録媒体に用いられることを特徴とする非水系インクジェットインク。
2.非吸水性記録媒体は、ポリ塩化ビニルまたは可塑剤を含有しない樹脂基材である上記1に記載の非水系インクジェットインク。
3.水溶性有機溶剤として、グリコール系溶剤、含窒素複素環化合物、スルホキシド化合物及びスルホラン化合物から選ばれる少なくとも1種以上を含有する上記1に記載の非水系インクジェットインク。
4.水溶性有機溶剤が、下記化合物(A)を含有し、化合物(A)の含有量がインクの全質量に対して1.5質量%以上、30質量%以下であることを特徴とする上記1に記載の非水系インクジェットインク。
化合物(A):下記一般式(1)と(2)で表される化合物群から選ばれる1種類以上の化合物。

〔式中、R1、R2はそれぞれ炭素数が1乃至6の置換基を表し、R1とR2が結合して環を形成していてもよい。〕
〔式中、R3、R4はそれぞれ炭素数が1乃至6の置換基を表し、R3とR4が結合して環を形成していてもよい。〕
5.定着樹脂は、溶液重合法により合成された樹脂であることを特徴とする上記1乃至4のいずれか1つに記載の非水系インクジェットインク。
6.定着樹脂は、数平均分子量が10000以上、30000以下の範囲である、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合物、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合物及び塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシアルキルアクリレート共重合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記1乃至5のいずれか1つに記載の非水系インクジェットインク。
7.上記1乃至6のいずれか1つに記載の非水系インクジェットインクを用いて、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、記録媒体が、ポリ塩化ビニルまたは可塑剤を含有しない樹脂基材、及び非吸収性の無機基材を構成要素とする記録媒体から選ばれる少なくとも1種であることであることを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明により、ポリ塩化ビニルなどの非吸収性記録媒体に対する印字適性(耐擦過性、耐水性)を有し、出射安定性、安全性に優れ、臭気の問題が無く、長期間使用してもインクジェットヘッドの動作異常が発生せず、インクの長期保存後においても安定に使用できる非水系インクジェットインクとそれを用いたインクジェット記録方法を提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み、非水系インクジェットインクについて様々な検討を行った結果、水溶性の有機溶剤を60質量%以上含有する非水系のインクジェットインクにおいて、インク中のナトリウムまたはカリウム、マグネシウム、カルシウムのいずれかの金属塩で一番含有量の多い金属塩を、金属イオン濃度として3ppm以上、50ppm以下とすることにより、インク長期保存後においても画像保存性と吐出安定性が向上することがわかった。
ここで、本発明の非水系インクジェットインク(以下、単にインクともいう)とは、インク溶媒の構成成分として、インクを調製する際に意図的に水を加えず、総溶媒として有機溶剤のみで構成されたインクジェットインクのことを指し、水系のインクジェットインクとはインク溶媒の構成成分として、構成上、水を意図的に加えているインクジェットインクを指す。また、水溶性の有機溶剤とは、水と任意の割合で混合する有機溶剤のことを指す。
この現象について詳細に検討を進めた結果、この現象は水溶性有機溶剤を60質量%以上含有する非水系インクジェットインクにおいて特有の現象であり、特に、本発明に係る前記一般式(1)、(2)で表されるスルホキシド、またはスルホン化合物群から選ばれる1種類以上の化合物を含有する場合に顕著であったが、水系のインクジェットインクや、非水系でも水溶性有機溶剤の含有率が60質量%未満のインクでは、インク中のナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムのいずれかの金属塩で一番多い金属塩が金属イオン濃度として50ppmよりも多い場合でも、上記現象が生じないことが判明した。
更に、水溶性有機溶剤を60質量%以上含有する非水系のインクジェットインクで、インク中のナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムのいずれかの金属塩が金属イオン濃度として50ppmよりも多く含有するインクについて分析をしたところ、インク製造時にはフィルターでろ過することによりインク中には1μm以上の粒子径を有する粒子の存在が認められなかったにもかかわらず、6ヶ月以上密封保存したインク中には数μm〜数十μmサイズの上記金属塩の結晶が存在していることが判明した。
上記の数μm〜数十μmの金属塩の結晶を含有するインクを用いてインクジェット記録装置による画像形成を行うと、インクジェットヘッド内部にあるフィルターで目詰まりを起こすこと、吐出性を不安定化すること、あるいは印字後に画像を形成したときに画像部に数十μmオーダーの金属塩の結晶が存在することにより、金属塩が画像部から剥がれ落ちやすくなることから、耐擦過性や耐水性を劣化させているものと推定している。
なお、水系のインクジェットインクや、非水系のインクジェットインクでも、水溶性有機溶剤を60質量%未満の範囲で含有するインクジェットインクでは、インクジェットインク中のナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムのいずれかの金属塩で一番多い金属塩が金属イオン濃度として50ppmよりも多く含まれていても、上記の様なインク製造時、ろ過後、あるいは6ヶ月以上密封保存しても、数μm以上の金属塩の結晶はインク中に発生しなかった。
以上の様な水溶性有機溶剤を60質量%以上含有する非水系のインクジェットインク特有の上記現象の発生メカニズムに関しては、その詳細は不明であるが、以下のように推定している。
顔料、定着樹脂及び有機溶剤からなる非水系インクジェットインクは、顔料を有機溶剤中にて分散機で分散して製造することが多いが、原材料である顔料中には、その製造方法によっては、ソルトミリングなどの処理を施すことがあるが、そのような製造過程で、不純物としてナトリウムやカリウム、マグネシウム、カルシウムなどの金属塩が含まれることになる。この様な顔料を有機溶剤中で分散した場合、不純物である金属塩も同時に粉砕され、製造直後にはこれらの金属塩は1μm以下の微粒子となって、これをフィルターでろ過しても、微細化された金属塩はろ別されずにインク中に残存することになる。この様な状況で、水溶性有機溶剤を60質量%以上含有するインクの場合には、原材料の水溶性有機溶剤に不純物として微量の水分が含まれること、またはインク製造時の分散や攪拌をしているときの外部環境の影響により、水溶性有機溶剤が空気中の水分を吸湿するなどして、ごくわずかな水分がインク中に混入されることがある。このインク中のわずかな水分により、1μm以下に粉砕されていた金属塩が長期間保存中に一部溶解し、さらに未溶解の結晶に付着して再結晶を繰り返すことにより、金属塩の結晶が成長して数μm〜数十μmの大きさの金属塩が発生するものと考えている。
一方で、水系のインクジェットインクや非水系のインクジェットインクでも水溶性の有機溶剤の含有量が60質量%未満のインクの場合では、上記のような現象が起こらない理由としては、水系のインクでは50ppmよりも多くのナトリウムまたはカリウム、マグネシウム、カルシウムといった金属塩を含んでいても、金属塩はインクを構成している多量の水によって溶解しているため、金属塩の結晶がそもそも存在していない。また、非水系のインクでも水溶性有機溶剤の含有量が60質量%未満のインクでは、インク中に水分が混入することがほとんどないため、顔料の分散時に一度細かく粉砕された金属塩は溶解、再結晶をすることがなく、金属塩は細かく粉砕されたまま、数μm以上の大きさに結晶が成長することはないものと推測される。このため、長期保存をしても水溶性有機溶剤を60質量%以上含有するインクにおいて、特有な上記現象は生じないものと推定している。
上記理由により、本発明の水溶性有機溶剤を60質量%以上含有する非水系のインクジェットインクでは、インク中のナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムのいずれかの金属塩で一番多い金属塩が金属イオン濃度として、3ppm以上、50ppm以下である場合、インク長期保存後においても、上記理由により金属塩結晶の成長が抑制され、画像保存性と吐出安定性に対する効果を得ることができるものであり、更には、これらの金属塩の含有量としては3ppm以上、30ppm以下であることが好ましい。
本発明にインクにおいて、インク中のナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムのいずれかの金属塩で一番多い金属塩を金属イオン濃度として50ppm以下にする方法としては、特に制限はないが、例えば、原材料である顔料について、不純物として含まれる上記金属塩の含有量が少ないものを選択する方法の他に、顔料をインク調製前に純水で水洗したりして、不純物である金属塩を取り除く方法、インク製造後にインクを6ヶ月以上保管したり、インクを60℃にて1ヶ月以上保管して、インク中の金属塩の結晶を1μm以上にあえて成長させた後、このインクを1μmのフィルターにてろ過をして金属塩を取り除く方法などが挙げられる。
上記方法によりインク中の金属塩の濃度をより少なくすることがインク長期保存後においても画像保存性と吐出安定性が向上するため好ましいが、インク中の金属イオン濃度として3ppm未満にまですることは、顔料の洗浄などをより多く繰り返すこととなり、製造上のコストがより多くかかるため、3ppm以上にすることが好ましい。
なお、インク中のナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムといった金属塩の定量方法としては、インクを密閉式のマイクロウェーブ湿式分解装置などで酸分解をした後、ICP発光分光分析装置やICP質量分析装置などで、金属イオン濃度として定量することができる。
以下、本発明の非水系インクジェットインクの構成について、さらに具体的に説明する。
本発明のインクジェットインクは、水溶性有機溶剤を60質量%以上含む非水系有機溶剤を含有するが、特に、前記化合物(A)と、前記化合物(B)を含有する有機溶剤を用いることが好ましい。
本発明に係る化合物(A)としては、前記一般式(1)、(2)で表されるスルホキシド、またはスルホン化合物群から選ばれる1種類以上の化合物を含有することが好ましい。
前記一般式(1)において、R1、R2はそれぞれ炭素数1〜6の置換基を表し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基のような直鎖または分岐のアルキル基や、ヒドロキシエチル基、アセチル基、アセトニル基のようなヘテロ原子が置換したアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基などの環状、または芳香族の置換基等が挙げられ、更にR1とR2は同じであっても異なっていても良く、またR1とR2が互いに結合して環を形成していても良い。
前記一般式(2)において、R3、R4はそれぞれ炭素数1〜6の置換基を表し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基のような直鎖または分岐のアルキル基や、ヒドロキシエチル基、アセチル基、アセトニル基のようなヘテロ原子が置換したアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基などの環状、または芳香族の置換基等が挙げられ、更にR3とR4は同じであっても異なっていても良く、またR3とR4が互いに結合して環を形成していても良い。
このような一般式(1)、(2)で表される化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド、テトラエチレンスルホキシド、ジメチルスルホン、メチルエチルスルホン、メチル−イソプロピルスルホン、メチル−ヒドロキシエチルスルホン、スルホランなどが挙げられる。
インクジェットインク中の化合物(A)の含有量は、1.5質量%以上、30質量%以下含有することが好ましいが、より好ましくは3質量%以上、15質量%以下である。化合物(A)の含有量が1.5質量%以上であれば、ポリ塩化ビニルに対する十分な耐擦過性を得ることができ、30質量%以下であれば、長期の使用によるインクジェットヘッドの異常の発生を抑制することができる。
化合物(B)としては、前記一般式(3)で表される化合物群から選ばれる1種類以上の化合物を含有することが好ましい。
前記一般式(3)において、R5、R6はそれぞれメチル基またはエチル基を表し、OX1はオキシエチレン基またはオキシプロピレン基を表す。
本発明に係る一般式(3)で表される具体的な化合物としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
これらの中でも、化合物(B)の成分として、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、ポリ塩化ビニルに印字した時のインクの速乾性をより向上させることができる。
インクジェットインク中の化合物(B)の含有量は、50質量%以上、90質量%以下であることが好ましく、このような溶剤構成にすることにより、ポリ塩化ビニル印字時の速乾性、出射安定性が良好となるのに加え、インクの臭気をより少ないものとすることができる。
本発明のインクジェットインクにおいては、本発明に係る化合物(A)、化合物(B)の他に、本発明の目的効果を損なわない範囲で、従来公知の有機溶剤を含有しても良く、そのような溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドンや1,3−ジメチルイミダゾリジノンのような含窒素複素環化合物、γ−ブチロラクトンのようなラクトン化合物、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート等のグリコールジアセテート類、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類が挙げられる。
次に、本発明に係る顔料について説明する。
本発明では色材として顔料を使用することにより、ポリ塩化ビニルなどのプラスチック製の記録媒体に記録した記録物の耐候性を高めることができる。
本発明において使用できる顔料としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、例えば、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料及び、カーボンブラック等の無機顔料を好ましく用いることができる。
不溶性顔料としては、特に限定するものではないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
好ましく用いることのできる具体的顔料としては、以下の顔料が挙げられる。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48(Ca)、C.I.ピグメントレッド48(Mn)、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57(Ca)、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー15:3、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー75、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー130、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー213、C.I.ピグメントイエロー214等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
以上の他にレッド、グリーン、ブルー、中間色が必要とされる場合には以下の顔料を単独あるいは併用して用いることが好ましく、例えば
C.I.Pigment Red209、224、177、194;
C.I.Pigment Orange43;
C.I.Vat Violet3;
C.I.Pigment Violet19、23、37;
C.I.Pigment Green36、7;
C.I.Pigment Blue15:6;
等が用いられる。
また、ブラック用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
本発明のインクにおけるこれらの顔料の含有量は、2〜10質量%とすることが好ましい。また、画像粒状感を低減するため淡色インクを用いることがあるが、その際は、濃色インクに対して顔料の含有量を1/5〜1/2とすることが好ましい。
本発明に係る顔料は、分散剤及びその他所望する諸目的に応じて必要な添加物と共に分散機により分散して用いることが好ましい。分散機としては、従来公知の分散装置、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。
本発明のインクに使用する顔料分散体の平均粒径は、10nm以上、200nm以下であることが好ましく、50nm以上、150nm以下がより好ましい。平均粒径を10nm以上とすることにより顔料粒子同士の凝集が生じにくくなり、平均粒径を200nm以下とすることによって、長期間にわたり保存した際に顔料が沈降する現象を抑制しやすくなるため、平均粒径を前記の範囲とすることで保存安定性が良好なインクを得られやすくなる。
顔料分散体の粒径測定は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることができる。また、透過型電子顕微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に対して行い、この像をImage−Pro(メディアサイバネティクス製)等の画像解析ソフトを用いて統計的処理を行うことによっても求めることが可能である。
顔料分散剤としては、界面活性剤、高分子分散剤等が用いられるが、高分子分散剤が好ましい。高分子分散剤としては、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系樹脂、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、顔料誘導体等を挙げることができる。
具体的には、ジョンクリル(ジョンソンポリマー社製)、Anti−Terra−U(BYK Chemie社製)、Disperbyk(BYK Chemie社製)、Efka(Efka CHEMICALS社製)、フローレン(共栄社化学社製)、ディスパロン(楠本化成社製)、アジスパー(味の素ファインテクノ社製)、デモール(花王社製)、ホモゲノール、エマルゲン(以上、花王社製)、ソルスパーズ(アビシア社製)、ニッコール(日光ケミカル社製)等が挙げられる。
本発明のインクジェットインクにおける分散剤の含有量は、顔料に対して10〜200質量%であることが好ましい。10質量%以上とすることで顔料分散の安定性が高められ、200質量%以下とすることでインクジェットヘッドからのインク吐出性が安定しやすくなる。
本発明のインクジェットインクでは、ポリ塩化ビニルなどのプラスチック製の記録媒体に記録した際の定着性を向上させるために、定着樹脂(以下、単に樹脂ともいう)が添加されていることを特徴とする。
本発明に係る定着樹脂としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等のポリ塩化ビニルまたはその共重合体が定着性の観点で好ましく用いられる。
具体的には、SOLBIN(日信化学工業社製)、ビニブラン(日信化学工業社製)、サランラテックス(旭化成ケミカルズ社製)、スミエリート(住友化学社製)、セキスイPVC(積水化学社製)、UCAR(ダウケミカル社製)等の塩化ビニル系樹脂が挙げられる。
定着樹脂としては、前記ポリ塩化ビニルまたはその共重合体の他にアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などを併用しても良い。
具体的なそのような樹脂としては、ジョンクリル(ジョンソンポリマー社製)、エスレックP(積水化学社製)等のアクリル系樹脂、エリーテル(ユニチカ社製)、バイロン(東洋紡社製)等のポリエステル系樹脂、バイロンUR(東洋紡社製)、NT−ハイラミック(大日精化社製)、クリスボン(大日本インキ化学工業社製)、ニッポラン(日本ポリウレタン社製)等のポリウレタン樹脂などが挙げられる。
定着樹脂は印字後に記録媒体に対して顔料などの色材を接着するバインダーの作用をするが、定着樹脂は分子量が大きいほど接着性、耐久性が良くなる。
また、分子量が小さいほどインクの粘度が低くなるが、粘度が低い方が印字時のインクの出射に必要なエネルギーが低くなり、インクジェットヘッドに負荷がかからず、安定に出射しやすくなる。また、定着樹脂の数平均分子量としては、10000以上であれば、印字後の定着性が十分に発揮され、30000以下であればインクの出射に負荷がかからず好ましい。
特に好ましい定着樹脂は、数平均分子量が10000〜30000の範囲であり、組成としては塩化ビニル−酢酸ビニル共重合物、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合物及び塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシアルキルアクリレート共重合物から選ばれる少なくとも1種の樹脂であり、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合物と塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物を混合して用いても良く、更にはこれら塩化ビニル−酢酸ビニル共重合物や塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物などと、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などを混合して用いても良い。
本発明のインクに、これらの定着樹脂を添加することにより、出射安定性と耐擦過性やアルコール耐性をバランスよく向上させることができる。
アルコール拭き取り耐性とは、エタノールまたはエタノール・水混合溶剤で画像表面を拭き取った際に画像剥離等の乱れに対する耐性であり、屋外用途のポスター等で、画像表面の汚れをアルコールで拭き取ることに対するユーザーニーズである。
本発明に係る定着樹脂の合成法としては、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法など、特に制約はなく適用することができるが、その中でも、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法とは、ビニル基をもつモノマーのラジカル重合を行う際に用いられる方法の一つで、生成するポリマーが可溶な溶剤にモノマーおよび開始剤を溶解させて、加熱して重合を行う方法である。
溶液重合法により合成された定着樹脂は、比較的高分子量であっても溶解性が高く、インク中により多くの樹脂を含有させることができるため、耐擦過性を向上させることができる。
本発明のインクにおける定着樹脂の含有量は、1〜10質量%であることが好ましい。含有量を1質量%以上とすることで、ポリ塩化ビニルに記録した時の画像耐候性が高められ、10質量%以下とすることでインクジェットヘッドからのインク吐出性が安定しやすくなり、より好ましい含有量の範囲は3〜7質量%の範囲である。
本発明のインクジェットインクでは、上記説明した以外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤、脱塩酸反応防止剤のような塩ビ安定化剤等を適宜選択して用いることができる。
本発明のインクジェットインクを吐出して画像形成を行う際に使用するインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。又吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)等など何れの吐出方式を用いても構わない。
本発明のインクジェットインクを用いたインクジェット記録方法においては、例えば、インクジェットインクを装填したプリンター等により、デジタル信号に基づきインクジェットヘッドよりインクを吐出し記録媒体に付着させることで、インクジェット記録画像が得られる。記録媒体に付着させたインクを素早く確実に乾燥させるため、記録媒体の表面温度を高めて画像形成する方法が好ましい。
表面温度は、記録媒体の耐久性や、用いるインクの乾燥性に応じて調節するが、好ましくは40〜100℃である。特に、記録媒体としてポリ塩化ビニルを用いる場合、表面温度を高めることにより、記録媒体表面に対するインクの濡れ性が向上するため、表面温度を高めて記録することはより好ましい。
ポリ塩化ビニル製の記録媒体の銘柄によっても濡れ性やインク乾燥性に違いが生じることがあるので、各媒体の特性に応じて表面温度を調節しても良い。
記録媒体の表面温度を高めて記録を行う場合、インクジェット記録装置にヒーターを搭載させることが好ましく、記録媒体の搬送前、もしくは搬送時に加熱を行うことにより、インクジェット記録装置単体で記録媒体の表面温度を調節することが可能である。
本発明のインクジェット記録方法においては、本発明の非水系インクジェットインクを吐出して画像形成するのに用いる記録媒体として、ポリ塩化ビニルまたは可塑剤を含有しない樹脂基材、及び非吸収性の無機基材を構成要素とする記録媒体から選ばれる少なくとも1種であることであることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録方法で用いる記録媒体において、ポリ塩化ビニルの具体例としては、SOL−371G、SOL−373M、SOL−4701(以上、ビッグテクノス株式会社製)、光沢塩ビ(株式会社システムグラフィ社製)、KSM−VS、KSM−VST、KSM−VT(以上、株式会社きもと製)、J−CAL−HGX、J−CAL−YHG、J−CAL−WWWG(以上、株式会社共ショウ大阪製)、BUS MARK V400 F vinyl、LITEcal V−600F vinyl(以上、Flexcon社製)、FR2(Hanwha社製)、LLBAU13713、LLSP20133(以上、桜井株式会社製)、P−370B、P−400M(以上、カンボウプラス株式会社製)、S02P、S12P、S13P、S14P、S22P、S24P、S34P、S27P(以上、Grafityp社製)、P−223RW、P−224RW、P−249ZW、P−284ZC(以上、リンテック株式会社製)、LKG−19、LPA−70、LPE−248、LPM−45、LTG−11、LTG−21(以上、株式会社新星社製)、MPI3023(株式会社トーヨーコーポレーション社製)、ナポレオングロス 光沢塩ビ(株式会社二樹エレクトロニクス社製)、JV−610、Y−114(以上、アイケーシー株式会社製)、NIJ−CAPVC、NIJ−SPVCGT(以上、ニチエ株式会社製)、3101/H12/P4、3104/H12/P4、3104/H12/P4S、9800/H12/P4、3100/H12/R2、3101/H12/R2、3104/H12/R2、1445/H14/P3、1438/One Way Vision(以上、Inetrcoat社製)、JT5129PM、JT5728P、JT5822P、JT5829P、JT5829R、JT5829PM、JT5829RM、JT5929PM(以上、Mactac社製)、MPI1005、MPI1900、MPI2000、MPI2001、MPI2002、MPI3000、MPI3021、MPI3500、MPI3501(以上、Avery社製)、AM−101G、AM−501G(以上、銀一株式会社製)、FR2(ハンファ・ジャパン株式会社製)、AY−15P、AY−60P、AY−80P、DBSP137GGH、DBSP137GGL(以上、株式会社インサイト社製)、SJT−V200F、SJT−V400F−1(以上、平岡織染株式会社製)、SPS−98、SPSM−98、SPSH−98、SVGL−137、SVGS−137、MD3−200、MD3−301M、MD5−100、MD5−101M、MD5−105(以上、Metamark社製)、640M、641G、641M、3105M、3105SG、3162G、3164G、3164M、3164XG、3164XM、3165G、3165SG、3165M、3169M、3451SG、3551G、3551M、3631、3641M、3651G、3651M、3651SG、3951G、3641M(以上、Orafol社製)、SVTL−HQ130(株式会社ラミーコーポレーション製)、SP300 GWF、SPCLEARAD vinyl(以上、Catalina社製)、RM−SJR(菱洋商事株式会社製)、Hi Lucky、New Lucky PVC(以上、LG社製)、SIY−110、SIY−310、SIY−320(以上、積水化学工業株式会社製)、PRINT MI Frontlit、PRINT XL Light weight banner(以上、Endutex社製)、RIJET 100、RIJET 145、RIJET165(以上、Ritrama社製)、NM−SG、NM−SM(日栄化工株式会社製)、LTO3GS(株式会社ルキオ社製)、イージープリント80、パフォーマンスプリント80(以上、ジェットグラフ株式会社製)、DSE 550、DSB 550、DSE 800G、DSE 802/137、V250WG、V300WG、V350WG(以上、Hexis社製)、Digital White 6005PE、6010PE(以上、Multifix社製)等が挙げられる。
また、可塑剤を含有しない樹脂基材又は非吸収性の無機基材を構成要素とする記録媒体としては、下記の各種基材を構成要素として、1種類の基材単独で、又は複数の種類の基材を組み合わせて、使用をすることができる。本発明に用いられる可塑剤を含有しない樹脂基材としては、例えば、ABS樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、可塑剤を含有しない硬質ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂は可塑剤を含有していないことが特徴であるが、その他の厚み、形状、色、軟化温度、硬さ等の諸特性について特に制限はない。
本発明に用いられる記録媒体として好ましくは、ABS樹脂、PET樹脂、PC樹脂、POM樹脂、PA樹脂、PI樹脂、可塑剤を含有しない硬質PVC樹脂、アクリル樹脂、PE樹脂、PP樹脂である。さらに好ましくはABS樹脂、PET樹脂、PC樹脂、PA樹脂、可塑剤を含有しない硬質PVC樹脂、アクリル樹脂である。
また、本発明に用いられる非吸収性の無機基材としては、例えば、ガラス板、鉄やアルミニウムなどの金属板、セラミック板等が挙げられる。これらの無機基材は表面にインク吸収性の層を有していないことが特徴である。これらの非吸収性の無機基材はその他の厚み、形状、色、軟化温度、硬さ等の諸特性について特に制限はない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《インクの調製》
〔インク1の調製〕
〈顔料分散体1の調製〉
C.I.ピグメントブルー15:3(以下、顔料P1と略記する)を10部、顔料分散剤であるアジスパーPB822(味の素ファインテック社製)を5部、化合物(A)としてスルホラン(S−1)を5部、溶剤(B)としてジエチレングリコールジエチルエーテルを80部とを混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ社製 システムゼータミニ)を用いて分散し、その後ジルコニアビーズを除去して顔料分散体1を得た。なお、このときに使用した顔料P1に含有されるナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムについて、金属イオン濃度をICP発光分光分析装置により測定した値を表1に示す。
〈樹脂溶液1の調製〉
化合物(A)としてスルホランを5部、溶剤(B)としてジエチレングリコールジエチルエーテルを85部、定着樹脂として、溶液重合法により合成された塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合物(商品名VMCC、数平均分子量19000、ダウケミカルズ社製)を10部をそれぞれ混合、溶解して、樹脂溶液1を調製した。
〈インクの調製〉
上記樹脂溶液1の50部を攪拌しながら、顔料分散体1の50部を混合し、次いで、0.8μmのフィルターによりろ過して、インク1を得た。このインク中のナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムについて、金属イオン濃度をICP発光分光分析装置により測定した結果、表2に示す様にナトリウムイオン濃度が68ppmで一番多く存在していた。
〔インク2の調製〕
30部の顔料P1に純水70部を加え、2時間攪拌して洗浄後、これをろ過、乾燥して、顔料P1Wを得た。
上記インク1の調製において、顔料P1に代えて、顔料P1Wを用いた以外は同様にして、インク2を調製した。このインク2中の各金属塩含有量をICP発光分光分析装置により測定した結果、表2に示す様に、ナトリウムイオン濃度が33ppmで一番多くかった。
〔インク3〜13の調製〕
上記インク2の調製において、定着樹脂の種類、化合物(A)の種類及び添加量、化合物(B)の種類及び添加量、その他溶剤の種類及び添加量を、表2に記載のように変更し、また、使用する顔料P1Wについては、洗浄処理時の洗浄に使用した純水の量と攪拌時間を適宜変化させて、インク中の金属塩濃度を変化させて、インク3〜13を調製した。各インク中の金属イオン濃度を測定したところ、ナトリウムイオン濃度が一番多く、その値(ppm)を表2に示す。
〔インク14〜16の調製〕
上記インク1の調製において、定着樹脂種、化合物(A)の種類及び添加量、溶剤(B)の種類及び添加量、その他溶剤の種類及び添加量を、表2に記載のように変更してインク14〜16を調製した。このインク中のナトリウムまたはカリウム、マグネシウム、カルシウムについて、金属イオン濃度を測定したところ、ナトリウムイオン濃度が一番多く、その値(ppm)を表2に示す。
〔インク17〜22の調製〕
上記インク1の調製において、顔料P1に代えて、表2に記載の組み合わせでC.I.ピグメントイエロー150(顔料P2)、顔料P2に顔料P1Wと同様の洗浄処理を施した顔料P2W、C.I.ピグメントレッド122(顔料P3)、顔料P3に顔料P1Wと同様の洗浄処理を施した顔料P3W、C.I.ピグメントレッド122で顔料P3とは製造ロットが異なる顔料P4、顔料P4に顔料P1Wと同様の洗浄処理を施した顔料P4Wを用い、更に化合物(A)の種類及び添加量、溶剤(B)の種類及び添加量、その他溶剤の種類及び添加量を、表2に記載のように変更してインク17〜22を調製した。
上記調製した各インク中のナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムについて、金属イオン濃度を測定し、一番含有量の多い金属イオンの種類とその値(ppm)を表2に示す。なお、このときに使用した顔料P2〜P4中のナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムの含有量について、金属イオン濃度を測定した値を、表1に示す。
〔インク23の調製〕
上記インク1の調製において、顔料P1に代えて、C.I.ピグメントブルー15:4で、P1とは製造ロットが異なる顔料P5を用いた以外は同様にして、インク23を調製した。顔料P5中に含有される金属イオン濃度を測定したところ、表1のような値であった。また、インク23中の金属イオン濃度を測定したところ、ナトリウムイオン濃度が一番多く、その値を表2に示す。
なお、表1に略称で記載されている各顔料の詳細は以下の通りである。
PB15:4 C.I.ピグメントブルー15:4
PY150 C.I.ピグメントイエロー150
PR122 C.I.ピグメントレッド122
なお、表2に略称で記載されている各添加剤の詳細は以下の通りで、表2に記載の含有量の数値は、断りのない限り質量%である。
〔定着樹脂〕
PVC:溶液重合塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合物(商品名VMCA、ダウケミカルズ社製)
アクリル:ブチルメタクリレート−メチルメタクリレート共重合物(商品名DEGLAN P24 デグザ社製)
〔化合物(A)〕
S−1:スルホラン(水溶性)
S−2:ジメチルスルホキシド(水溶性)
S−3:ジメチルスルホン(水溶性)
〔化合物(B)〕
DEGDEE:ジエチレングリコールジエチルエーテル(水溶性)
DEGDME:ジエチレングリコールジメチルエーテル(水溶性)
〔その他溶剤〕
EGDAc:エチレングリコールジアセテート(非水溶性)
EGDEE:エチレングリコールジエチルエーテル(水溶性)
EGBEAc:エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(非水溶性)
NMP:N−メチルピロリドン(水溶性)
DMI:1,3−ジメチルイミダゾリジノン(水溶性)
《インクの評価》
上記調製した各インクについて、下記の方法に従って各評価を行った。
〔耐臭気性の評価〕
インク1〜23を、各々250mlのポリエチレン瓶に約半分まで入れ、被験者30人による臭覚評価を行い、ほぼ無臭と判定した場合を5点、非常に不快な臭気と判定した場合を1点として5段階で点数をつけ、下記の基準に従って耐臭気性を評価した。
◎:被験者30人の平均点は、4.0点以上である
○:被験者30人の平均点は、3.0点以上、4.0点未満である
△:被験者30人の平均点は、2.0点以上、3.0点未満である
×:被験者30人の平均点は2.0点未満である
〔出射性の評価〕
ノズル口径28μm、駆動周波数12kHz、ノズル数256、最小液適量14pl、ノズル密度180dpi(なお、dpiは2.54cm当たりのドット数を表す)であるピエゾ型ヘッド、および特開2002−363469号公報の図2に記載のストロボ発光方式のインク飛翔観察装置を用いて、吐出周期と発光周期を同期させCCDカメラにより、製造直後の各インクの飛翔状態をモニターし、23℃55%RHの環境における射出性を、下記基準に従って評価した。また、インクを23℃で6ヶ月間保存したものについても同様の評価を行った。
◎:インクを5L以上消費するまで連続射出してもインク液滴は正常に射出されている
○:インクを3L以上消費するまで連続射出してもインク液滴は正常に射出されているが、5L消費するころまでに射出に速度バラつきが生じる
△:インクを2L以上消費するまで連続射出してもインク液滴は正常に射出されているが、3L消費するころまでに射出に速度バラつきが生じる
×:インクを2L以上消費するまでに射出に速度バラつきが生じたり、欠が発生する
〔ヘッド長期耐久性の評価〕
前記インクジェットヘッドを23個用意し、インク1〜23をそれぞれのヘッドに充填し、その状態で室温保存した。このインクジェットヘッドを週に1回記録装置に組み込んで前記画像形成を4ヶ月間にわたり行った。次いで、4ヶ月経過後に形成した画像を評価することにより、インクジェットヘッドの長期耐久性を判定した。△以上の性能を許容レベルとした。
◎:4ヶ月経過後の画像と初期の画像は同一であり、インクジェットヘッドの劣化は生じていない
○:4ヶ月経過後の画像の一部に濃度のばらつきが見られるが、初期の画像とほぼ同一であり、インクジェットヘッドの劣化はほとんど生じていない
△:4ヶ月経過後の画像にわずかな白スジが発生しており、部分的ではあるがインクジェットヘッドの劣化が見られる
×:4ヶ月経過後の画像は白スジが多発しており、インクジェットヘッドが大きく劣化している
《形成画像の評価》
〔画像の形成〕
ノズル口径28μm、駆動周波数12kHz、ノズル数256、最小液適量14pl、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを搭載し、最大記録密度が720×720dpiであるヒーターを搭載したオンデマンド型インクジェットプリンタに各インクを装填した。次いで、製造直後の各インク1〜23を吐出し、ポリ塩化ビニル製の記録媒体であるJT5929PM(Mactac社製)に10cm×10cmのベタ画像を記録した。なお、印字中は、記録媒体を裏面から加温して、画像記録時の記録媒体の表面温度が40℃になるようにヒーター温度を設定した。記録媒体の表面温度は、非接触温度計(IT−530N形(株)堀場製作所社製)を用いて測定した。また、インクを室温で6ヶ月間保存したものについても同様の記録を行った。
〔画像の評価〕
上記方法に従って、製造直後のインク、および室温6ヶ月間保存後の各インクより作成した各画像を、下記の方法に従って評価を行った。いずれも△以上の性能を許容レベルとした。
〈耐擦過性の評価〉
ポリ塩化ビニルに記録した画像表面を乾いた木綿で擦り、下記基準に従って耐擦過性を評価した。
◎:51回以上擦っても画像はほとんど変化しない
○:50回擦った段階でわずかに傷が残るが画像濃度にはほとんど影響しない
△:25〜49回擦る間に、画像濃度が低下する
×:25回未満擦る間に、画像濃度が低下する
〈耐水性の評価〉
ポリ塩化ビニルに記録した画像を、水を含ませた木綿で擦り、下記基準に従って耐水性を評価した。
◎:31回以上擦っても画像はほとんど変化しない
○:30回擦った段階でわずかに傷が残るが画像濃度にはほとんど影響しない
△:15〜30回擦る間に、画像濃度が低下する
×:15回未満擦る間に、画像濃度が低下する
以上により得られた結果を、表3に示す。
表3に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなるインクは、比較例に対し、インクの臭気性、ヘッド耐久性、長期保存後の射出安定性、記録媒体としてポリ塩化ビニルに画像記録した際の画像耐擦過性、耐水性の全ての特性に優れていることが分かる。
実施例2
実施例1で調製したインク1、2、4、16の各1Lを密封容器に保存した後、この密封容器を室温で6ヶ月保存した後、各インクを1ミクロンのメッシュフィルターでろ過し、ろ過後のメッシュフィルターの表面を光学顕微鏡にて確認したところ、インク2、4、16については金属塩に起因する異物の発生は認められなかったが、インク1をろ過したものについては、フィルター表面に10μm前後の結晶が多数認められ、分析の結果、これら結晶は、塩化ナトリウムであることを確認した。
実施例3
実施例1に記載のインク1〜11、13〜23の調製において、溶液重合塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合物(PVC、商品名VMCA、ダウケミカルズ社製)に代えて、それぞれ塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合物、塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシアルキルアクリレート共重合物を用いた以外は同様にして各インクを調製し、実施例1に記載の方法と同様にして各評価を行った結果、何れの定着樹脂においても、表2に記載したのと同様の結果を得ることができた。
実施例4
実施例1で調製したインク1、2、5、22を用いて、記録媒体としてポリ塩化ビニルに代えて、表4に記載の各記録媒体を用いて画像形成を行い、実施例1に記載の方法と同様にして、耐擦過性及び耐水性の評価を行い、得られた結果を表4に示す。
なお、表4に略称で記載した各記録媒体の詳細は、以下の通りである。
PET:ポリエチレンテレフタレートシート
PP:ポリプロピレンシート
ABS:アクロルニトリル、ブタジエン、スチレン共重合体シート
PC:ポリカーボネートシート
POM:ポリオキシメチレン樹脂シート
PA:ポリアクリレート
PI:ポリイミド
PVC:ポリ塩化ビニル
PE:ポリエチレン
表4に記載の結果より明らかな様に、本発明のインクを用いて、ポリ塩化ビニル、可塑剤を含有しない樹脂基材及び非吸収性の無機基材を構成要素とする記録媒体に画像形成を行っても、優れた耐擦過性及び耐水性を示すことが分かる。

Claims (7)

  1. 少なくとも顔料、定着樹脂及び有機溶剤を含有する非水系インクジェットインクであって、
    前記有機溶剤が、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル及びジプロピレングリコールジエチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種を前記インクの全質量に対して50質量%以上、90質量%以下で含んでおり、
    前記有機溶剤の全質量の60質量%以上が水溶性有機溶剤で構成され、
    前記非水系インクジェットインク中のナトリウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウムから選ばれる金属塩の中で、最も含有量の多い金属塩の含有量が、金属イオン濃度として3ppm以上、50ppm以下であり、
    非吸水性記録媒体に用いられることを特徴とする非水系インクジェットインク。
  2. 前記非吸水性記録媒体は、ポリ塩化ビニルまたは可塑剤を含有しない樹脂基材であることを特徴とする請求1に記載の非水系インクジェットインク。
  3. 前記水溶性有機溶剤として、グリコール系溶剤、含窒素複素環化合物、スルホキシド化合物及びスルホラン化合物から選ばれる少なくとも1種以上を含有することを特徴とする請求1に記載の非水系インクジェットインク。
  4. 前記水溶性有機溶剤が、下記化合物(A)を含有し、
    前記化合物(A)の含有量が前記インクの全質量に対して1.5質量%以上、30質量%以下であることを特徴とする請求1に記載の非水系インクジェットインク。
    化合物(A):下記一般式(1)と(2)で表される化合物群から選ばれる1種類以上の化合物。
    〔式中、R1、R2はそれぞれ炭素数が1乃至6の置換基を表し、R1とR2が結合して環を形成していてもよい。〕
    〔式中、R3、R4はそれぞれ炭素数が1乃至6の置換基を表し、R3とR4が結合して環を形成していてもよい。〕
  5. 前記定着樹脂は、溶液重合法により合成された樹脂であることを特徴とする請求1乃至のいずれか1項に記載の非水系インクジェットインク。
  6. 前記定着樹脂は、数平均分子量が10000以上、30000以下の範囲である、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合物、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合物及び塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシアルキルアクリレート共重合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求1乃至のいずれか1項に記載の非水系インクジェットインク。
  7. 請求1乃至のいずれか1項に記載の非水系インクジェットインクを用いて、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記記録媒体が、ポリ塩化ビニルまたは可塑剤を含有しない樹脂基材、及び非吸収性の無機基材を構成要素とする記録媒体から選ばれる少なくとも1種であることであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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