JP5402179B2 - 廃棄物被覆用キャッピングシートおよびその接合方法 - Google Patents

廃棄物被覆用キャッピングシートおよびその接合方法 Download PDF

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Description

本発明は、廃棄物処分場や不法投棄場所などで使用されるキャッピングシートに関するものである。
従来から廃棄物処分場では、廃棄物を埋め立て処理した後に、埋め立てピット内に適正な雨水を流入させることにより、廃棄物の「安定化」を達成するため、埋め立て領域をキャッピングシートなどでキャッピングし、表面を覆土で覆うことが行われている。廃棄物被覆用キャッピングシートは、一般的にゆるい勾配の斜面に設置されるため、廃棄物の安定化に必要な量以上の過剰な雨水を排出させることが可能である。また、廃棄物などから発生するガスなどを抜くために適当な通気性があることが望まれる。さらに、不法投棄現場では、処分場に移送されるまえに、雨水により汚染物質が流出することを防ぐ必要がある。こうした目的を達成するために、例えば、特許文献1には、透水性がコントロールされたキャッピング構造や工法が開示されている。特許文献2および3には、ベース層となる不織布と遮水性のあるフィルムや超難透水シート(メルトブロー不織布)の複合体をニードルパンチ加工により、通気性をコントロールする方法が開示されている。
特開2006−116512号公報 特開2003−286637号公報 特開2004−21037号公報
しかしながら、斜面勾配が変わった場合、浸入水量の変動の可能性がある。本発明は、表裏を変えることにより、その場所に好適な透水量を得やすいキャッピングシートを提供することを課題とする。
前記目的を達成した本発明の廃棄物被覆用のキャッピングシートは、以下の通りである。
1.第1繊維シートと多孔質シートとからなる、少なくとも2層の積層構造を有する廃棄物被覆用の透水性キャッピングシートであって、
該キャッピングシートは、目付が80〜1200g/mであり、JIS A1218(1998) 5法(定水位透水試験)で測定されるキャッピングシートの両面それぞれの透水係数が共に1×10−7〜1×10−3cm/sであり、キャッピングシートの両面それぞれの透水係数の高い方の面の値が低い方の面の値より50%以上大きい廃棄物被覆用キャッピングシート。
2.第2繊維シートが、第1繊維シートの反対面側に積層されている上記1に記載の廃棄物被覆用透水性キャッピングシート。
3.多孔質シートが、直径1.0mm以下の孔が1cmあたり0.1〜14箇所設けられている多孔質シートである上記1または2に記載の廃棄物被覆用キャッピングシート。
4.第1繊維シートが、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、および、ポリアミド樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂からなる熱圧着された長繊維不織布である上記1〜3のいずれかに記載の廃棄物被覆用キャッピングシート。
5.第1繊維シートが、遮光率が90%以上であり、目付が70〜500g/mである上記1〜4のいずれかに記載の廃棄物被覆用キャッピングシート。
6.第2繊維シートが、厚みが0.2〜10.0mm、目付が50〜1000g/m、貫入抵抗が200N以上であるニードルパンチ法で製造された不織布である上記2〜5のいずれかに記載の廃棄物被覆用キャッピングシート。
7.3%から5%の勾配斜面に敷設した際に、降雨量が10mm/時から40mm/時に増加しても、浸透量が3倍以上に増えない上記1〜6のいずれかに記載の廃棄物被覆用キャッピングシート。
8.上記1〜7のいずれかに記載のキャッピングシートを、改質アスファルトよりなるテープにより接合して後、30〜100cmの覆土を行う接合方法。
本発明によれば、表裏を変えることにより、同一品でありながら、敷設場所に好適な透水量を得やすいキャッピングシートを提供することができる。
本発明の廃棄物被覆用キャッピングシートは、第1繊維シートと透水性をコントロールされた多孔質シートとからなる少なくとも2層の積層構造を有する表裏非対称構造をもつ廃棄物被覆用透水性キャッピングシートであって、
前記キャッピングシートは、目付が80〜1200g/mであり、JIS A1218で測定されるキャッピングシートの両面(表面および裏面)それぞれの透水係数が共に1×10−7〜1×10−3cm/sであり、さらに、キャッピングシートの両面(表面および裏面)それぞれの透水係数の高い方の面の値が低い方の面の値より50%以上大きいことを特徴とする。
まず、第1繊維シートの好ましい特性について説明する。
第1繊維シートに使用される繊維を構成する樹脂は、特に限定されるものではないが、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種類の樹脂を含んでいることが好ましい。中でも、ポリエステル系樹脂は、耐候性および機械的強度特性に優れるため、特に好ましい。また、構成繊維の素材樹脂は1素材を単独使用しても良く、2種以上の樹脂からなる繊維を混合して使用することも可能である。また、繊維は単成分であってもよいし、2成分などの複合繊維であっても良い。繊維の太さは特に規定されないが、好ましくは単糸繊度が2.2〜11dtexの間にあることが好ましい。繊維シートは織物であっても良いが、切断端の処理が不要な不織布が好ましく、特に好ましくは機械的特性に優れる長繊維不織布が好ましい。また、繊維の固定および交絡方法としては、ニードルパンチ法やスパンレース法でも良いが、作業者が上を歩いたりする場合に毛羽の出にくい熱圧着法を適用することが好ましい。熱圧着により、全体を接着しても良いが、部分接着が引き裂き特性を高くする上でより好ましい。その他、バインダー樹脂などにより繊維を固定することも推奨される。
該第1繊維シートは、遮光率が90%以上であることが好ましい。これは、第1繊維シート自身の耐候性を高くする上で好ましく、また多孔質シートの紫外線劣化を防止する意味でも好ましい。遮光率を確保するために、着色されたものが好ましい。使用する色素として、紡糸の際に変異し難いものが好ましい。具体的には、カーボンブラックや無機顔料などが挙げられる。色合いについては特に制限はないが、通常、この色素によって着色された第1繊維シート側が最表面となるため、本発明のキャッピングシートが適用される場所に応じて好適な色となるような色素を選択すればよい。よって、色素は単独で使用してもよく、色合いを調整するために複数種を混合して用いても構わない。
また、第1繊維シートの目付は、70〜500g/mであることが好ましく、100〜200g/mがより好ましい。目付が70g/m未満であると、作業者や重機がキャッピングシートの上を移動した場合に損傷を受ける可能性があるので注意が必要となる。一方、目付が500g/mを超えると作業性が低下したり、地面の不陸に追随しにくくなったりする場合があるためにあまり好ましくない。
不織布表面に、人や土の滑りを防止する目的で、繊維状あるいはドット状の樹脂を付着させても良い。樹脂に砂などの無機材料を混ぜておくことも、雨天での防滑性を改善する目的で好ましい形態のひとつである。前記防滑材付着量は、15〜100g/mであることが好ましく、25〜60g/mであることがより好ましい。
次に、本発明で透水性コントロールに最も寄与する多孔質シートは、メルトブロー法あるいはフラッシュ紡糸法で製造される極細繊維よりなる不織布やフィルムに孔を空けたシートが好ましい。前記多孔質シートを構成する素材としては、特に制限はなく、廃棄物の特性により自由に選択できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)などのポリオレフィン系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系樹脂が好ましく、低密度ポリエチレンが特に好ましい。このような多孔質シートとしては、例えば、日東電工株式会社製のミクロテックス(登録商標)や、日本ドナルドソン株式会社製のテトラテックス(登録商標)などの市販品を用いることができ、また、フラッシュ紡糸不織布や極細繊維を用いた複合体であるSMS(スパンボンド-メルトブロ−-スパンボンド)不織布を使用することも可能である。
敷設時の外力による多孔質シートに破損などが生じることを防ぐため、多孔質シートは、適度な破断伸び率及び引裂強度を有するものであることが好ましい。
多孔質シートは、JIS L1906の規定に従って測定される破断伸び率が250%以上であることが好ましく、300%以上であることがより好ましく、400%以上であることがさらに好ましい。また、該多孔質シートは、JIS K7128−1の規定に従って測定される引裂強度が0.75N以上であることが好ましく、1.0N以上であることがより好ましく、2.0N以上であることがさらに好ましい。
多孔質シートが不織布である場合は、高い通気性が期待できる。不織布の目付は、20〜150g/mであることが、面内での透水あるいは通気度の斑を小さくする上で好ましい。目付が20g/m未満であると、面内の場所による物性のばらつきが大きくなったり、機械的特性が低くなったりするなどの問題がでやすいのであまり好ましくない。一方、目付が150g/mを超えると、透水時に水と一緒に持ち込まれる土や埃など異物により不織布の空隙が閉塞する可能性があり、あまり好ましくない。
多孔質シートが孔開きフィルムである場合は、開孔率が高いほど、通気性や透湿性を高くすることが可能である。特に、おむつやナプキンなどの衛材の通気シートに一般的に用いられる0.1〜1μmの微多孔フィルムは透湿性を高くして廃棄物を好気性に保ち、土中微生物の好気性分解を促進することが可能であり、特に好ましい。微多孔質シートの製造方法は、例えば、樹脂に炭酸カルシウムなどの無機微粒子を混合してシート状とし、これを延伸するなどにより微小な空隙を形成した多孔質シートが挙げられる。特に、インフレーション法により製造される多孔質シートを用いることが好ましい。経験により、インフレーション法により製造される多孔質シートは、後述する第1繊維シートと第2繊維シートとの接着性が良いため、作製される廃棄物被覆用キャッピングシートの防水性が高くなるからである。多孔フィルムの透水係数が10−7cm/sより小さい場合には、ニードルパンチ法や熱針貫入などにより孔を空けることより透水性をコントロールすることが可能である。孔開け加工は、多孔フィルム単独で処理を行ってもよいが、フィルムの破れや皺を防止するためにも、少なくとも第1繊維シートと複合後に孔開け加工を行うことが好ましい。また、第2繊維シートと複合した後であっても良い。
多孔質シートと第1繊維シートおよび/または第2繊維シートとを複合する方法としては、熱ラミ法や、フレームラミ法、カーテンスプレー法などを用いることが可能であるが、特に規定されるものではない。好ましくは、ホットメルトパウダーや、ホットメルト繊維タイプの接着剤などを用いて部分的に熱接着することが推奨される。
ニードルパンチ法により孔を開ける場合は、36〜40番手のニードルを使用し、直径1.0mm以下の孔を開けることが好ましい。ニードルは、通常バーブのものであってもよいし、ノーキックタイプであってもよい。不織布が複合されていない場合は、ノーキックタイプのニードルを使うことが推奨される。孔開き密度を変更することにより、透水係数をコントロールすることが可能である。発明者らの検討の範囲では、直径1.0mm以下の孔で、突き刺し密度が0.1〜14箇所/cmで所望の透水係数に設定することが可能であり、特に好ましくは1〜6箇所/cmであった。小さい孔を14箇所/cmを超えて孔開けをしても、所望の透水係数を得ることが可能であるが、孔数密度が高すぎると表裏を変えた場合の透水係数の差が小さい傾向にあり、本発明の目的との整合性が低くなる傾向があった。
多孔質シートの厚みは30〜200μであることが好ましく、特に好ましくは50〜150μである。
前記多孔質シートの透湿性としては、JIS L1099 A−1法の規定に従って測定される透湿度が100g/m・24hr以上であることが好ましく、1000g/m・24hr以上であることがより好ましく、5000g/m・24hr以上であることがさらに好ましい。
本発明に適用可能な第2繊維シートは、厚みが0.2〜10.0mmにあることが好ましい。また、目付が50〜1000g/mであることも好ましい。そして、ASTM D 4833の規定に従って測定される貫入抵抗が200N以上である、ニードルパンチ法で製造された不織布であることが好ましい。キャッピングシートは常に平滑な地面に敷設されるわけではなく、廃棄物に鋭利な突起がある場合などのためにある程度の厚みと、繊維量(すなわち目付)が必要である。また、突起に対する貫入抵抗も高いほど好ましくなる。
第2繊維シートは、水に対する濡れ性を変更するために親水性油剤あるいは疎水性油剤を付与された短繊維の不織布を用いることも好ましい形態のひとつである。あるいは、ニードルパンチされた長繊維不織布に親水化剤をスプレー法などにより吹き付けて乾燥しても良い。長期的な親水性を求められる場合は、繊維樹脂と反応して固着されるタイプの樹脂を用いることが好ましい。また、架橋型のバインダー樹脂を用いて固定する方法も適用可能である。
また、本発明の廃棄物被覆用キャッピングシートは、目付が80〜1200g/mである。好ましくは300〜800g/mである。目付が80g/m未満であると機械強度特性が不足して好ましくない。一方、目付が1200g/mを超えると、運搬や敷設に支障をきたしたり、処分場の使用可能容積を小さくしたりするためにあまり好ましくない。
本発明の廃棄物被覆用キャッピングシートは、その透湿性や微生物に対する好気性を確保する観点から、JIS L 1099 A−1法の規定に従って測定される透湿度が100g/m・24hr以上であることが好ましく、1000g/m・24hr以上であることがより好ましく、3000g/m・24hr以上であることがさらに好ましい。本発明のキャッピングシートの透湿性は、多孔質シートにより決定される。
さらに本発明のキャッピングシートは、キャッピングシートの両面それぞれが、JIS A1218(1998) 5法(定水位透水試験)で測定される透水係数が1×10−7〜1×10−3cm/sであり、キャッピングシートの両面それぞれの透水係数の高い方の面の値が低い方の面の値より50%以上大きいことが必要である。キャッピングシートの両面それぞれの透水係数が共に1×10−7cm/s未満であると、好気性分解が起こりにくく好ましくない。一方1×10−3cm/sを超えると、水が入りすぎて汚染水が外部に流出する可能性が高くなり好ましくない。
さらに、キャッピングシートの透水係数の高い方の面の値が、低い方の面の値の50%以上大きくないと、勾配が変わった場合の表裏使い分けの差が少なく、その効果が小さくなり好ましくない。
両面で透水係数が変わる理由には、多孔質シート層に接合される繊維シートの親水特性とシートの接触面積、上部に来る繊維シート厚みが関係する。一般に非対称性が高くなるほど透水係数の差が大きくなる。シートとの接触面積が大きいほど、シート厚みが高いほど、繊維シートや多孔質シートの親水性が高いほど透水係数が高くなる。
また、本発明者の検討の範囲では、最も両面の差が大きい構造体の例としては、目付が80〜200g/mの熱圧着タイプの長繊維不織布よりなる第1繊維シートと、目付が150〜500g/mのニードルパンチ法不織布の組み合わせであった。
さらに本発明のキャッピングシートは、適切な構成をとることにより、3%から5%程度の勾配斜面に敷設した際に、降雨量が10mm/時から40mm/時に増加しても、浸透量が3倍以上に増えないようにすることが可能である。発明者らの検討の範囲では、敷設時に下方にくる繊維シートが0.3mmより厚いと浸透量の変動が小さくなり、厚みが厚いほど、また親水性が高いほどその傾向が強かった。特に好ましくは、2.5mm以上の厚みであることが望ましい。その理由としては、繊維シートに水が毛管吸引力により保持されることがその理由と推定している。従って、繊維径が細いほど、繊維間隙が狭いほど浸透量の変動が小さいことになると考えられる。
本発明の廃棄物被覆用キャッピングシートには、複数枚の前記廃棄物被覆用キャッピングシート同士を接合してなるものも含まれる。
本発明のキャッピングシートの最も一般的な接合方法としては、ライスターなどによる熱溶着法や接着剤の使用などが考えられる。その中でも、粘着テープの使用が簡易であり、アクリル系樹脂や、ブチルゴムや改質アスファルトを粘着物質としたものが好ましい。耐久性や密封性を考えると、改質アスファルトのテープが特に好ましい。30〜100cmの覆土を行うことにより、その荷重により改質アスファルトが、繊維シートを構成する繊維の間隙に浸入することで高いシール性や接合強度を得ることが可能となる。粘着テープは寸法安定性を高めるため、基材入りのものを用いることが特に好ましい。
粘着テープを用いた接合を行う場合に適切な接合力得るためには、前記第1繊維シートの厚みは、0.3mm以上であることが好ましく、0.4mm以上であることがより好ましい。また、厚みが1.0mm以下であることが好ましく、0.8mm以下であることがより好ましい。第1繊維シートの厚みが前記範囲にあると、複数の廃棄物被覆用キャッピングシートを接合する際に、接合部における水の透過が最小限に抑えられる。
接合に用いられる粘着テープとしては、繊維シートの片面に粘着剤層を形成してなる粘着テープを用いることも好適である。前記粘着テープを構成するシートの素材や形成法は特に限定されるものではなく、例えば、第1繊維シートについて例示した素材や形成法が採用可能である。また、前記粘着テープを構成するシートは、目付が100g/m以上であることが好ましい。このような目付のシートであれば、耐候性を有するため、粘着剤層の異変を抑え得る。こうした観点から、粘着テープのシートも、前記第1繊維シートと同様に着色されたものであることが推奨される。着色の詳細は、第1繊維シートについて前記した通りである。さらに、粘着テープのシートは第1繊維シートと同じ素材及び同じ色であることが好ましい。なお、粘着剤層を形成するための粘着剤も特に制限はなく、例えば、ブチルゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、公知の布製テープに適用されている粘着剤などが使用できる。
前記接合部は、JIS L1906の規定に準拠して測定される接合強度が350N/5cm以上であることが好ましく、500N/5cm以上であることがより好ましい。接合部の接合強度が350N/5cm以上であると、廃棄物被覆用キャッピングシートは、外力による接合部の破損が最小限に抑えられる。
本発明の廃棄物被覆用キャッピングシートは、防滑用繊維状物面を外側として、廃棄物の投棄場所の面積にあわせて被覆し、公知の方法(ピン止めや重量物による固定など)で固定する。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。本発明で用いた測定法は以下の通りである。
<シートの目付>
JIS L1906(2000)の規定に従って測定する。
<透水係数>
JIS A1218(1998) 5法(定水位透水試験)の規定に従って測定する。
<破断伸び率>
JIS L1906(2000)の規定に従って測定する。
<引裂強度>
JIS K7128−1(1998)の規定に従って測定する。
<遮光率>
JIS L1055(1987) A法の規定に従って測定する。
<貫入抵抗>
ASTM D−4833の規定に従って測定する。
<透湿度>
JIS L1099(2006) A−1法の規定に従って測定する。
<降雨量が変化したときの浸透量>
3%の勾配斜面に敷設した際に、15秒ごとに間欠で噴霧器により人工的な降水を行った。降雨量が10mm/時から40mm/時に増加したときの浸透量をモデル評価により測定した。
(実施例1)
第1繊維シートとして、カーボンブラックにて黒色に着色されたポリエステル製の部分熱圧着長繊維不織布(2.2dtex、目付130g/m、厚み0.5mm、遮光率99.8%以上)を用いた。この第1繊維シートの下面に、多孔質シートとして、ポリエチレンをインフレーション法により製膜した防水透湿フィルム(トクヤマ株式会社製「ポーラム」(登録商標)高耐候高伸度タイプ:目付100g/m、厚み100μm、破断伸び率530%、引裂強度2.1N、80℃での縦横の熱収縮率の平均値16%)を積層した。第1繊維シートと防水透湿性シートとを、アクリル系粘着剤(サイデン化学株式会社製サイビノールTC−K3樹脂)を使用し、カーテンスプレー法により積層一体化した。次に、40番手のニードルによるニードルパンチ加工を突き刺し密度3箇所/cm、突き刺し深さ14mmにて行った。開孔された孔の直径は0.32mmであった。続いて、第2繊維シートとしてカーボンブラックにて黒色に着色されたポリエステル製のニードルパンチ長繊維不織布(2.2dtex、目付300g/m、厚み3mm、貫入抵抗800N、遮光率99.8%以上)を同じアクリル系粘着剤により、カーテンスプレー法で防水透湿性シートに積層した。かくして作製した積層物(本発明に係る廃棄物被覆用キャッピングシート)の目付は550g/mであった。第1繊維シート面を上にして透水係数を測定したところ1.2×10−5cm/sであった。表裏を逆にすると5.1×10−5cm/sであった。3%勾配での降水量変化(10mm/時から40mm/時に増加)による浸透量の変化は、1.8倍であった。
(実施例2)
ニードルパンチ加工を突き刺し密度10箇所/cmにしたこと、第2繊維シートとしてカーボンブラックにて黒色に着色されたポリエステル製のニードルパンチ短繊維不織布(3.3dtex、目付500g/m、厚み6mm、貫入抵抗1200N、遮光率99.8%以上)を行った以外は実施例1と同様の条件にして、廃棄物被覆用キャッピングシートを作製した。この廃棄物被覆用キャッピングシートの目付は750g/mであった。第1繊維シート面を上にして透水係数を測定したところ7.9×10−5cm/sであった。表裏を逆にすると1.2×10−4cm/sであった。3%勾配での降水量変化(10mm/時から40mm/時に増加)による浸透量の変化は、2.2倍であった。
(実施例3)
多孔質シートとしてフラッシュ紡糸不織布(末端繊維径約3μm、目付50g/m、厚み0.3mm、遮光率98%以上)を使用した以外は実施例1と同様の条件で、廃棄物被覆用キャッピングシートを作製した。この廃棄物被覆用キャッピングシートの目付は500g/mであった。続いて第2繊維シート面にアクリル樹脂に砂(重量分率で約40%)と緑色顔料を混合した樹脂層を約80g/mドクターナイフ法にて塗布して乾燥処理を行った。通気度は、多孔質シート層が支配するためか、加工前の値とほとんど差がなかった。第1繊維シート面を上にして透水係数を測定したところ3.2×10−5cm/sであった。表裏を逆にすると5.1×10−4cm/sであった。3%勾配での降水量変化(10mm/時から40mm/時に増加)による浸透量の変化は、2.6倍であった。
(比較例1)
ニードルパンチ加工を、18番手のニードルを用いて突き刺し密度15箇所/cmにした(開孔された孔の直径は1.05mmであった)こと、第2繊維シートを用いなかったこと以外は、実施例1と同様に、廃棄物被覆用キャッピングシートを作製した。この廃棄物被覆用キャッピングシートの目付は240g/mであった。廃棄物被覆用キャッピングシートについて、実施例1と同様の方法で測定し、評価を行った。第1繊維シート面を上にして透水係数を測定したところ2.1×10−3cm/sであった。表裏を逆にすると2.5×10−3cm/sであった。3%勾配での降水量変化(10mm/時から40mm/時に増加)による浸透量の変化は、4.0倍であった。
(比較例2)
第2繊維シートを実施例1の第1繊維シートと同じ長繊維不織布にした以外は、実施例1と同様に、廃棄物被覆用キャッピングシートを作製した。この廃棄物被覆用キャッピングシートの目付は380g/mであった。この廃棄物被覆用キャッピングシートについて、実施例1と同様の方法で測定し、評価を行った。第1繊維シート面を上にして透水係数を測定したところ1.2×10−5cm/sであった。表裏を逆にしても差はなかった。3%勾配での降水量変化(10mm/時から40mm/時に増加)による浸透量の変化は、3.8倍であった。
(実施例4)
実施例1のキャッピングシートを、改質アスファルト系テープ(田島ルーフィング株式会社製ガムリッチ18、テープ幅18cm)にて、第1繊維シートがオーバーラップした部分に貼り付けて接合した。50cm覆土と同等の荷重で室温下で1週間放置した。除荷して後に接合部の接合強力を測定したところ、540N/5cmであり、実用に問題ないことがわかった。釘孔シール性を測定するのと同じ要領で接合部に5cm水頭の水圧をかけて放置しても、下方への染み出しはなかった。
本発明の廃棄物被覆用キャッピングシートは、降雨量や斜面勾配などの敷設条件が変動しても浸入水量の変動が小さいキャッピングシートの提供が可能であり、さらには、表裏を変えることにより、同一品でありながら、敷設場所に好適な透水量を得やすいキャッピングシートを提供することができ、産業界に寄与すること大である。

Claims (5)

  1. 目付が70〜500g/mであり、かつ厚みが0.3〜1.0mmである熱圧着タイプの長繊維不織布よりなる第1繊維シートと、微多孔フィルムであり、かつニードルパンチ法により開けた直径1.0mm以下の孔が1cmあたり0.1〜14箇所設けられている多孔質シートと、目付が50〜1000g/mであり、かつ厚みが0.2〜10.0mmであるニードルパンチ法不織布からなる第2繊維シートとを上記順に積層した少なくとも3層の積層構造を有する廃棄物被覆用の透水性キャッピングシートであって、
    該キャッピングシートは、目付が300〜1200g/mであり、JIS A1218(1998) 5法(定水位透水試験)で測定されるキャッピングシートの両面それぞれの透水係数が共に1×10−7〜1×10−3cm/sであり、前記第2繊維シート面を上にして透水係数を測定した値が、表裏を逆にして前記第1繊維シート面を上にして透水係数を測定した値より50%以上大きく、前記第1繊維シート面を上にしても、前記第2繊維シート面を上にしても使用できる廃棄物被覆用キャッピングシート。
  2. 第1繊維シートが、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、および、ポリアミド樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂からなる長繊維不織布である請求項1に記載の廃棄物被覆用キャッピングシート。
  3. 第1繊維シートが、遮光率が90%以上である請求項1または2に記載の廃棄物被覆用キャッピングシート。
  4. 第2繊維シートが、貫入抵抗が200N以上である不織布である請求項1〜3のいずれかに記載の廃棄物被覆用キャッピングシート。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のキャッピングシートを、改質アスファルトよりなるテープにより接合して後、30〜100cmの覆土を行う接合方法。
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