JP2006328879A - 建材用透湿防水シート - Google Patents
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Abstract
【課題】防水と透湿の両性質を兼ね備え、かつ、例えば釘を打っても釘とシートの間に隙間が生じない加工性に優れ、表面が滑りにくく、安全に作業ができ、また、傷つきにも強く、耐熱性に優れた耐久性のある建材用透湿防水シートを提供する。
【解決手段】多孔性の合成樹脂シート4の両面に、不織布2,3が接着樹脂層5を介して一体化されてなる両面保護された建材用透湿防水シート1を作成するにおいて、一度の加工工程において、接着樹脂層5が熱可塑性樹脂を押出し機によって線状に溶融押出された透湿性のある接着樹脂層5で構成することにより、両面の不織布2,3に対する優れた接着性を示し、防水性と透湿性を発揮し、家屋内の快適な湿度を確保することのできる建材用透湿防水シート1。
【選択図】図1
【解決手段】多孔性の合成樹脂シート4の両面に、不織布2,3が接着樹脂層5を介して一体化されてなる両面保護された建材用透湿防水シート1を作成するにおいて、一度の加工工程において、接着樹脂層5が熱可塑性樹脂を押出し機によって線状に溶融押出された透湿性のある接着樹脂層5で構成することにより、両面の不織布2,3に対する優れた接着性を示し、防水性と透湿性を発揮し、家屋内の快適な湿度を確保することのできる建材用透湿防水シート1。
【選択図】図1
Description
本発明は屋根下地材として使用される防水性、透湿性、防滑性を有する建材用透湿防水シートに関する。
従来から、家屋の屋根下地材としては、防水性を有し、寸法安定性が良く、物理的強度が大きく、滑り難く、釘を打った時の釘軸回りの釘穴シール性が良い等の理由により、アスファルト含浸をした布帛が多く使われていた。
しかし、前記アスファルト含浸をした布帛は、アスファルトを含浸しているために、20m程度の巻物では30kgを越す重量を有し、施工時の取扱い性が非常に悪い。また、透湿性が殆ど無いために、施工後屋根下部分の湿気が抜けず野地板を傷め易い。その上、施工後の寒暖の温度差によりアスファルト含浸をした布帛の劣化及び伸縮が生じ、釘軸回り、タッカー部分の釘穴シール性が低下するという問題点があった。
また、透湿性を向上させた屋根下地材として、紙、繊維織物、不織布、合成樹脂シートあるいはこれらの複合材が用いられていた。不織布は保温、透湿、防音、緩衝効果があり、合成樹脂シートは防水効果に優れているのでこれらを組み合わせて用いられることもある。特許文献1には、布帛の表面に、伸縮性、粘着性を有する樹脂を塗布し、さらにその上に粘着性を有する樹脂を塗布した防水性の優れた屋根下地材を開示している。
しかしながら、上記の不織布、合成樹脂シートの複合材を使った屋根下地材は、片面に合成樹脂シートが露出しており、傷つき等により本来の基本機能である防水性が損なわれる問題を有している。また釘を打った時の釘穴シール性も改善の余地を残しており、また合成樹脂シートの表面の滑りやすさから、安全に作業もしにくいという問題も生じている。さらに、夏季の直射日光により、合成樹脂シートの温度が上昇し、軟化することにより屋根がずれるという問題も生じている。
さらに特許文献2には、撥水性と透湿性のあるフィルムの両側に、通気孔を有する水不透過性の塩素を含有する高分子膜と、他方の面に通気性及び緩衝性を有する建築・土木用複合防水シートを開示しているが、下地材として用いた場合、覆われる野地板などの面の状態によりフィルムが破損することはなくなるが、製造工程が煩雑で二度の樹脂の乾燥時間を要し、長い製造時間と高価な製造コストを要するという問題も生じている。
特開平2−269277号公報
特開平9−291657号公報
本発明は、かかる背景技術に鑑みてなされたもので、防水と透湿の両性質を兼ね備え、かつ、例えば釘を打っても釘とシートの間に隙間が生じない釘穴シール性に優れ、表面が滑りにくく、安全に作業ができ、また、傷つきにも強く、耐熱性に優れた耐久性のある建材用透湿防水シートを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、多孔性の合成樹脂シートの両面に、不織布が接着樹脂層を介して一体化されてなる両面保護された建材用透湿防水シートを作成するにおいて、前記接着樹脂層を、押出し機によって線状に溶融押出された透湿性のある熱可塑性樹脂で構成することにより、優れた防水性と透湿性を発揮し、家屋内の快適な湿度を確保することのできる建材用透湿防水シートが得られることを見出し本発明に到達した。また多孔性の合成樹脂シートと両面の不織布を一度の加工工程において積層することにより、経済的にも優れた建材用透湿防水シートが得られることを見い出した。
即ち、本発明は以下の手段を提供する。
[1]防水性と透湿性を有する多孔性ポリオレフィンフィルムを中心とし、その両面に前記多孔性ポリオレフィンフィルムを保護するための不織布を積層した建材用透湿防水シートにおいて、外層側の前記不織布には、積層後に最外層になる上面に防滑層を設け、もう1層の内層側の不織布には、前記多孔性ポリオレフィンフィルムとの接着面となる上面に高吸水ポリマーで形成された膨潤層を設け、前記多孔性ポリオレフィンフィルムと前記外層側の不織布と前記内層側の不織布の3層を熱可塑性樹脂の一層からなる接着樹脂層を介して積層したことを特徴とする建材用透湿防水シート。
[2]前記多孔性ポリオレフィンフィルムの両面に不織布を積層した建材用透湿防水シートにおいて、積層一体化した後の透湿性が800g/m2・24hr以上かつ、防水性が2,000mm以上であることを特徴とする前項[1]記載の湿建材用透湿防水シート。
[3]前記多孔性ポリオレフィンフィルムが、1000g/m2 ・24hr以上の透湿性を有する、ポリエチレン、ポリプロピレンから選ばれる少なくとも一種の熱可塑性エラストマーの微多孔質フィルムからなることを特徴とする前項[1]または[2]記載の建材用透湿防水シート。
[4]前記多孔性ポリオレフィンフィルムの外層面に積層された前記不織布がポリエステル、ポリプロピレンから選ばれる少なくとも一種の合成樹脂で構成される不織布からなり、上面に防滑層を有することを特徴とする前項[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の建材用透湿防水シート。
[5]前記多孔性ポリオレフィンフィルムの内層面に積層された前記不織布がポリエステル、ポリプロピレンから選ばれる少なくとも一種の合成樹脂で構成される不織布からなり、上面に高吸水ポリマーとバインダーを混合した膨潤層を10〜50g/m2塗布したことを特徴とする前項[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の建材用透湿防水シート。
[6]前記接着樹脂層がポリエチレン、ポリプロピレンから選ばれる少なくとも一種の熱可塑性のオレフィン系樹脂からなり、塗布量が50〜300g/m2で、押出し機により線状に溶融押出されることを特徴とする前項[1]乃至[5]のいずれか一項に記載の建材用透湿防水シート。
[7]連続的に供給される前記膨潤層を有する不織布と、前記多孔性ポリオレフィンフィルム及び前記防滑層を有する不織布とが重ね合わされる直前に、重ね合わせ面に熱可塑性樹脂をTダイ型押出し機により、単列または複数列の線状に溶融押出しし、前記膨潤層を有する不織布と、前記防滑層を有する不織布とを加圧冷却し、前記膨潤層を有する不織布は前記熱可塑性樹脂で接着し、また前記防滑層を有する不織布は前記接着樹脂層の加工時の熱により、前記多孔性ポリオレフィンフィルムを部分的に溶融させ接着樹脂層化し積層させ、透湿性を残した状態で3層を一度の工程で接着一体化するものとした建材用透湿防水シートの製造方法。
[1]の発明によれば、本発明の建材用透湿防水シートは多孔性ポリオレフィンフィルムの両面に不織布を積層したことにより、不織布が保護材となり、建材用透湿防水シートの施工時、あるいは施工後に内層側が野地板の状態により破損したり、外層側が傷つき等により本来の基本機能である防水性が損なわれる事が無く、また上面に施された防滑層により滑り難く安全に作業をすることができ、また高吸水ポリマーで形成された膨潤層により、施工時に打ち込まれた釘と建材用透湿防水シートとの間に生ずる隙間に水分がしみ込んだ場合、高吸水ポリマーが膨潤し隙間を塞ぐことのできる釘穴シール性の優れる建材用透湿防水シートとなる。さらに前記多孔性ポリオレフィンフィルムと前記外層側の不織布と前記内層側の不織布の3層を熱可塑性樹脂の一層からなる接着樹脂層を介して積層したことにより、耐久性のある十分な接着性と経済的な加工性が得られる建材用透湿防水シートとなる。
[2]の発明によれば、本発明の建材用透湿防水シートは積層一体化した後のASTM E−96に規定される方法に基づき測定される透湿性が少なくとも800g/m2・24hrでかつ、JIS L1092に基づいて測定した防水性が2,000mm以上であることから、家屋内の湿気を外に逃がして結露を防止し、防水性により、屋外からの雨水の浸入を防止し、屋根の野地板やたる木等の腐蝕を防止
し、雨水の漏水事故も防止する事が出来、屋根下地材として好適に使用できる建材用透湿防水シートとなる。
し、雨水の漏水事故も防止する事が出来、屋根下地材として好適に使用できる建材用透湿防水シートとなる。
[3]の発明によれば、本発明の建材用透湿防水シートの中心に位置する多孔性ポリオレフィンフィルムが、1000g/m2 ・24hr以上の透湿性を有するポリエチレン、ポリプロピレンから選ばれる少なくとも一種の熱可塑性エラストマーの微多孔質フィルムで構成されることにより、適度な防水と透湿の両性質を維持し、ポリオレフィンフィルムの弾性力により、釘が打たれた場合、釘とフィルムとの間に生じる隙間を埋めようとする機能が働き、高い釘穴シール性を発揮する建材用透湿防水シートとなる。
[4]の発明によれば、本発明の建材用透湿防水シートを構成する外層側の不織布が、空隙を有する繊維構成により、適度な透湿性を維持しつつ、外部からの衝撃等から中心に位置する多孔性ポリオレフィンフィルムを保護することができ、またポリエステル、ポリプロピレンから選ばれる少なくとも一種の合成樹脂で構成されるため、使用後リサイクル可能な建材用透湿防水シートとなる。
[5]の発明によれば、本発明の建材用透湿防水シートを構成する内層側の不織布が、空隙を有する繊維構成により、適度な透湿性を維持しつつ、中心に位置する多孔性ポリオレフィンフィルムが施工時に野地板の状態により傷つけられる事を防ぐことができ、さらにポリエステル、ポリプロピレンから選ばれる少なくとも一種の合成樹脂で構成されるため、使用後リサイクル可能となり、高吸水ポリマーで形成された膨潤層を10〜50g/m2塗布した効果により、優れた釘穴シール性を持つ建材用透湿防水シートとなる。
[6]の発明によれば、本発明の建材用透湿防水シートを構成する前記接着樹脂層がポリエチレン、ポリプロピレンから選ばれる少なくとも一種の熱可塑性のオレフィン系樹脂からなり、塗布量が50〜300g/m2であることから、適度な透湿性を維持し、良好な接着性を示し、前記多孔性ポリオレフィンフィルムから保護材となる前記不織布が長期に渡りずれる事の無い耐久性のある建材用透湿防水シートとなる。また前記多孔性ポリオレフィンフィルムの釘穴シール性に加え、前記熱可塑性のオレフィン系樹脂の弾性力により、釘が打たれた場合、釘とフィルムとの間に生じる隙間を埋めようとする機能が働き、さらに高い釘穴シール性を発揮する建材用透湿防水シートとなる。
[7]の発明によれば、熱可塑性樹脂をTダイ型押出し機により、単列または複数列の線状に溶融押出しし、前記多孔性ポリオレフィンフィルムに前記膨潤層を有する不織布を前記熱可塑性樹脂で接着し、前記防滑層を有する不織布は前記接着樹脂層の加工時の熱により、前記多孔性ポリオレフィンフィルムを部分的に溶融させ接着樹脂層化し、多孔性ポリオレフィンフィルムに積層させ、透湿性を残した状態で3層を、複数の工程を必要とせず、一度の工程で接着一体化した積層シートを製造することにより、著しく製造時間が合理化された建材用透湿防水シートの製造方法となる。
以下この発明に係わる建材用透湿防水シートの一実施形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態の建材用透湿防水シートは、建築用下地材に関し、特に屋根下地材として使用される建材用透湿防水シートである。図1は、本実施形態の建材用透湿防水シートの一部を拡大して示す模式的断面図である。
本発明における外層側の不織布(2)は、前記多孔性ポリオレフィンフィルム(4)を補強するとともに、建材用透湿防水シートに加えられた衝撃を吸収して建材用透湿防水シートの破損を極力、防止する等の役割を果たす。ここで使用される不織布の形態については、ポリエステル、ポリプロピレンなどの合成繊維からなるスパンボンドやニードルパンチが好ましい。また不織布の綿目付は30〜100g/m2にすることが好ましく、施工時の傷つき等により前記多孔性ポリオレフィンフィルム(4)が露出し傷つけられ、本来の基本機能である防水性が損なわれる事の無い、軽量で保温、防音、緩衝性に優れた建材用透湿防水シートとなる。
また前記外層側の不織布(2)の上面に防滑層(7)が構成され、防滑剤としては、防滑性を有し、粘着性のないものが良く、ゴム状のものや樹脂等が挙げられる。具体的には、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、合成ゴム系、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系あるいはアスファルト類等がある。防滑効果をさらに増加させるために、有機系及び無機系の発泡剤を加える。さらに前記防滑剤の全面コーティングにより、透湿性は保たれ、優れた防滑性を発揮し、安全作業のための滑り難い建材用透湿防水シートとなる。
防滑剤の付与方法としては、コーティング法、グラビアロール法、凸版印刷法、スクリーン捺染法等が挙げられる。防滑剤の塗布面積は、通気性を損なわなければ、全面でもよく、防滑効果が発揮される最小面積でも良い。
本発明における内層側の不織布(3)は、前記外層側の不織布(2)と同様、前記多孔性ポリオレフィンフィルムを補強するとともに、建材用透湿防水シートに加えられた衝撃を吸収して建材用透湿防水シートの破損を極力、防止する等の役割を果たす。ここで使用される不織布の形態については、ポリエステル、ポリプロピレンなどの合成繊維からなるスパンボンドやニードルパンチが好ましい。また不織布の綿目付は30〜100g/m2が好ましく、多孔性ポリオレフィンフィルム(4)が施工時に野地板の状態により傷つけられる事無く、軽量で保温、防音、緩衝性に優れた建材用透湿防水シートとなる。
さらに前記内層側の不織布(3)の多孔性ポリオレフィンフィルム(4)との接着面となる上面に高吸水ポリマーとバインダーからなる膨潤層(8)を形成する。膨潤層を形成するための膨潤剤としては、吸水性能のある高分子化合物である高吸水性ポリマーが使用され、その種類は特に限定されない。高吸水性ポリマーとしては、具体的には、ポリアクリル酸塩架橋物、澱粉−ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール−ポリアクリル酸塩、イソブチレン−マレイン酸塩などであり、これらを2種以上混合して用いてもよい。
また、高吸水性ポリマーは、バインダーを使って内層側の不織布(3)の上面に固着させるが、そのバインダーとしては、ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、エステル系樹脂等が採用される。中でも、加工時の取り扱いの良さやコストの面から、アクリル系樹脂がより好ましく使用される。この際、アクリル系樹脂と高吸水性ポリマーとの割合は、固形重量比率でアクリル系樹脂が1に対して高吸水性ポリマーが2〜6の割合が好ましい。
高吸水性ポリマーの付着量は10〜100g/m2、さらに好ましくは20〜80g/m2 である。その付着量が10g/m2より少ないと釘穴シール性は不十分となり、また100g/m2 より多いと透湿性が損なわれる結果となる。
膨潤層の内層側の不織布(3)への付与方法としては、コーティング法、グラビアロール法、凸版印刷法、スクリーン捺染法等が挙げられる。中でも、グラビアロール法は、全面に付与または格子状等に付与することが可能であり、通気性が損なわれないように布帛の素材に応じた加工ができることから、より好ましく採用される。
本発明における多孔性ポリオレフィンフィルム(4)は、ポリエチレン、ポリプロピレンから選ばれる少なくとも一種の熱可塑性エラストマーを挙げることができるが、加工性が良好で、透湿性の大きい微多孔質ポリエチレンフィルムが好ましく用いられる。
建材用透湿防水シートの防水性は、多孔性ポリオレフィンフィルムに依存されるが、前記多孔性ポリオレフィンフィルムの防水性として2,000mm以上の性能があれば、建材用透湿防水シートの防水性として2,000mm以上が確保することができる。その結果、防風雨に曝されたとしても、雨水の浸入を防止することができる建材用透湿防水シートとなる。更に、建築用防水シートの透湿性は、透湿防水フィルムに依存するが、多孔性ポリオレフィンフィルムの透湿性が800g/m2・24hr以上であれば、建材用透湿防水シートの透湿性が800g/m2・24hr以上が確保することができ、屋内に結露を生じない快適な室内を保つことができる建材用透湿防水シートとなる。
また施工の際に打たれた釘による釘とフィルムとの間に生じる隙間を埋めようとする弾性力を発揮させ、良好な釘穴シール性を得るために、多孔性ポリオレフィンフィルムの厚みは30μm以上のものが好ましい。更に多孔性ポリオレフィンフィルムのヤング率としては1〜30kg/mm2のものが好ましく、さらには釘穴シール性と取扱い性の点から20〜30kg/mm2のものが好ましい。
本発明の建材用透湿防水シートを構成する接着樹脂層(5)は、ポリエチレン、ポリプロピレンから選ばれる少なくとも一種の熱可塑性のオレフィン系樹脂からなり、接着強度をより向上できると共にリサイクルの観点からもポリエチレン樹脂が用いられるのが好ましい。接着樹脂層(5)の熱可塑性樹脂の塗布量が50〜300g/m2が好ましく、押出し機により線状に溶融押出しされた熱可塑性樹脂は通気性のある接着樹脂層となり多孔性ポリオレフィンフィルムの両面に外層側不織布(2)及び内層側の不織布(3)を接着一体化させる。さらには塗布量が100〜200g/m2であることが好ましい。
さらには、前記塗布量が50〜300g/m2であれば、打たれた釘による釘とフィルムとの間に生じる隙間を埋めようとする弾性力が発揮され、良好な釘穴シール性が得られる。
さらに接着樹脂層(5)の熱可塑性樹脂のメルトフローレートは1〜100が好ましく、メルトフローレートが1未満では均一な塗布をすることが困難となる。またメルトフローレートが100を超えると樹脂が内層側の不織布(3)と、多孔性ポリオレフィンフィルム(4)に含浸しやすく接着樹脂層を形成することが出来ない。押出し機で線状に溶融押出しし、通気性のある接着樹脂層を形成するが、線状の樹脂の太さ及び本数は、透湿性を最適にするためには、直径0.5〜7mm、本数5〜150本/10cmが好ましい。
本発明の建材用透湿防水シートは、例えば次のようにして製造することができる。図2に示すように防滑層を有する不織布(11)を防滑層が最外層に来るように、また多孔性ポリオレフィンフィルム(4)が中央に、さらに膨潤層を有する不織布(12)を膨潤層が接着面にくるように、Tダイ型押出し機(9)に定速で供給され、ニップロール(10)上で3層が重ね合わされる。その重ね合わされる直前に、(9)Tダイ型押出し機によって線状に溶融押出しされた熱可塑性樹脂を塗布する。押出された線状の熱可塑性樹脂は、通気性のある接着樹脂層(5)を形成し、多孔性ポリオレフィンフィルム(4)と膨潤層を有する不織布(12)とがニップロール(10)によって加圧されることにより、接着一体化される。さらにこの時に防滑層を有する不織布(11)も前記押出された、線状の熱可塑性樹脂の熱により、多孔性ポリオレフィンフィルム(4)を部分的に溶融させ接着樹脂層化しニップロール(10)によって加圧されることにより、同時に接着一体化される。したがって防滑層を有する不織布(11)、多孔性ポリオレフィンフィルム(4)、膨潤層を有する不織布(12)の3層が透湿性を残した状態で一度の工程で接着一体化することができる製造方法となる。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本発明の建材用透湿防水シートの諸特性は、下記の方法により測定したものである。[防水性]JIS L 1092の5.1.1 B法(繊維製品
の防水性試験方法)により求めた。
の防水性試験方法)により求めた。
[透湿性]JIS L 1099の4.1 A法(繊維製品の透湿度試験方法)により求めた。
[防滑性]JIS A 1454 6.12(滑り性試験)に準じて測定した。なお、滑り片はポリエステルスパンボンド不織布(目付55g/m2)を使用した。
[釘穴シール性]12mm厚の合板の上に膨潤層面を裏面にしてサンプルを載せ、コロニアル瓦用釘(長さ30mm、最大直径3.3mm、最小直径2.9mm、最大直径(最小直径)と最大直径(最小直径)との間隔1.3mm)を打ちつける。この上に底部をシーリング剤でシーリングした塩ビパイプを立て、上部は10mlのメスピペットを中央に通したゴム栓で封をする。これに150mmの水頭圧をかけて、24時間後の減水量(ml)をn=10で測定し、1.0ml以下のものを合格とする。
(実施例1)外層側の不織布は、目付け30g/m2のポリエステル不織布を使用し、防滑剤としてアクリル系樹脂を、全面コーティング法により固形分で40g/m2付与し防滑層を有する不織布を作成した。多孔性ポリオレフィンフィルムは、透湿防水機能を付与する事ができるポリエチレンフイルム(透湿性 7,000g/m2/24hr)を用いた。内層側の不織布は、厚さが目付け30g/m2のポリエステル不織布を使用し、高吸水性ポリマーとして澱粉−ポリアクリル酸塩を用い、アクリル系のバインダー樹脂に混合し、20g/m2をグラビアロールにて塗布し膨潤層を有する不織布を形成した。前記三層の積層は膨潤層を有する不織布の膨潤層面を上にして一定速度で搬送し、ニップロール上で反対方向から供給される防滑層を有する不織布と多孔性ポリオレフィンフィルムを重ね合わせ、その重ね合わせ口に、樹脂吐出口金を取付けたTダイ型押出し機から溶融押出しされた線状のメルトフローレートが40の熱可塑性樹脂を150g/m2塗布し、その後直ぐにニップロールによって加圧冷却して、建材用透湿防水シートを得た。表1に示したように、本発明で得られた建材用透湿防水シートを屋根下地材として評価を行い、良好な結果が得られた。
(実施例2)多孔性ポリオレフィンフィルムとして透湿性 15,000g/m2/24hrのポリエチレンフイルムを使用し、それ以外は実施例1と同様に作成した。
(実施例3)Tダイ型押出し機から溶融押出しされた線状の熱可塑性樹脂を50g/m2塗布し、それ以外は実施例1と同様に作成した。
(実施例4)Tダイ型押出し機から溶融押出した線状の熱可塑性樹脂を300g/m2塗布し、それ以外は実施例1と同様に作成した。
(実施例5)膨潤層の塗布量を10g/m2とし、それ以外は実施例1と同様に作成した。
(実施例6)膨潤層の塗布量を50g/m2とし、それ以外は実施例1と同様に作成した。
(比較例1)多孔性ポリオレフィンフィルムとして透湿性 800g/m2/24hrのポリエチレンフイルムを使用し、それ以外は実施例1と同様に作成した。
(比較例2)Tダイ型押出し機から溶融押出した面状シートの熱可塑性樹脂を30g/m2塗布し、それ以外は実施例1と同様に作成した。
(比較例3)Tダイ型押出し機から溶融押出した面状シートの熱可塑性樹脂を400g/m2塗布し、それ以外は実施例1と同様に作成した。
(比較例4)膨潤層の高吸水性ポリマーを5g/m2塗布し、それ以外は実施例1と同様に作成した。
(比較例5)膨潤層の高吸水性ポリマーを150g/m2塗布し、それ以外は実施例1と同様に作成した。
(表1)
表1から明らかなように、実施例1〜6で示される本発明の建材用透湿防水シートは優れた透湿性、防水性、釘穴シール性を示し、屋根下地材として好適な建材用透湿防水シートであることがわかった。
これに対し、比較例1〜5は防水性は確保できるものの、比較例1、3、5は良好な透湿性が確保できず、比較例2、4、は良好な釘穴シール性が確保できなかった。
1…建材用透湿防水シート 2…外層側の不織布 3…内層側の不織布 4…多孔性ポリオレフィンフィルム 5…接着樹脂層 6…接着樹脂層化した多孔性ポリオレフィンフィルム 7…防滑層 8…膨潤層9…Tダイ型押出し機10…ニップロール11…防滑層を有する不織布12…膨潤層を有する不織布
Claims (7)
- 防水性と透湿性を有する多孔性ポリオレフィンフィルムを中心とし、その両面に前記多孔性ポリオレフィンフィルムを保護するための不織布を積層した建材用透湿防水シートにおいて、外層側の前記不織布には、積層後に最外層になる上面に防滑層を設け、内層側の不織布には、前記多孔性ポリオレフィンフィルムとの接着面となる上面に高吸水ポリマーで形成された膨潤層を設け、前記多孔性ポリオレフィンフィルムと前記外層側の不織布と前記内層側の不織布の3層を熱可塑性樹脂の一層からなる接着樹脂層を介して積層したことを特徴とする建材用透湿防水シート。
- 前記多孔性ポリオレフィンフィルムの両面に不織布を積層した建材用透湿防水シートにおいて、積層一体化した後の透湿性が800g/m2・24hr以上かつ、防水性が2,000mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の建材用透湿防水シート。
- 前記多孔性ポリオレフィンフィルムが、1000g/m2・24hr以上の透湿性を有する、ポリエチレン、ポリプロピレンから選ばれる少なくとも一種の熱可塑性エラストマーの微多孔質フィルムからなることを特徴とする請求項1または2に記載の建材用透湿防水シート。
- 前記多孔性ポリオレフィンフィルムの外層面に積層された前記不織布がポリエステル、ポリプロピレンから選ばれる少なくとも一種の合成樹脂で構成される不織布からなり、上面に防滑層を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の建材用透湿防水シート。
- 前記多孔性ポリオレフィンフィルムの内層面に積層された前記不織布がポリエステル、ポリプロピレンから選ばれる少なくとも一種の合成樹脂で構成される不織布からなり、上面に高吸水ポリマーとバインダーを混合した膨潤層を10〜50g/m2塗布したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の建材用透湿防水シート。
- 前記接着樹脂層がポリエチレン、ポリプロピレンから選ばれる少なくとも一種の熱可塑性のオレフィン系樹脂からなり、塗布量が50〜300g/m2で、押出し機により線状に溶融押出された接着樹脂層からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の建材用透湿防水シート。
- 連続的に供給される前記膨潤層を有する不織布と、前記多孔性ポリオレフィンフィルム及び前記防滑層を有する不織布とが重ね合わされる直前に、重ね合わせ面に熱可塑性樹脂をTダイ型押出し機により、単列または複数列の線状に溶融押出しし、前記膨潤層を有する不織布と前記多孔性ポリオレフィンフィルムは前記熱可塑性樹脂で接着し、また前記防滑層を有する不織布は前記熱可塑性樹脂の加工時の熱により、前記多孔性ポリオレフィンフィルムを部分的に表面を溶融させ接着樹脂層化しながら、前記多孔性ポリオレフィンフィルムに積層させ加圧冷却し、前記多孔性ポリオレフィンフィルムの透湿性を残した状態で前記3層を一度の工程で接着一体化するものとした建材用透湿防水シートの製造方法。
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