JP5401258B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は、断熱材の一部に真空断熱材を採用した冷蔵庫に関するものである。
近年、地球温暖化防止等の地球環境保護の観点から、二酸化炭素の排出量削減については世界的に注目されている。冷蔵庫においては年間を通じて使用するものであるため、消費電力量の低減が強く求められている。また、最近の社会背景として、夫婦の共働き化や核家族化の傾向にあるため、週末の休みを利用して食材をまとめ買いする家庭が増えていること等から、冷蔵庫の大容量化ニーズは益々高まってきている。
数年前から冷蔵庫は、省エネルギー化のため、冷蔵庫箱体(筐体)の断熱材である硬質ウレタンフォームに真空断熱材を併用して断熱性能を大幅に向上させた製品が発売されている。真空断熱材とは例えば硬質ウレタンフォームの10倍以上の断熱性能を有するものである。
従来の技術としては、真空断熱材は一般的には作業性等を考慮して、例えば冷蔵庫筐体の外箱側の平坦な部分に配置される例が多いが、真空断熱材特有とも言える外被材のヒートブリッジ影響によって本来の断熱性能を十分に発揮することができていない場合があった。ここで、ヒートブリッジとは、鋼板等の熱伝導率の高い部材からなる冷蔵庫外箱に設置された真空断熱材が、温度の高い外気から外箱を通し、さらに後述する図5に示す真空断熱材の外被材(例えば金属層を有する多層にラミネートされたフィルム状の材料とする)の端部に形成された折り曲げ部を介して、芯材を通ることなく発泡ウレタン(硬質ウレタンフォーム)に橋絡する現象(逆に冷蔵庫内部から外気への流れでも同様)を云い、本発明の説明においても同様の意味で用いる。
また、特許文献1に示される従来技術として、真空断熱材を両側面,天面,背面,底面及び前面の各面に配置し、外箱の表面積に対し真空断熱材の被覆率が50%を超え80%以下として省エネルギー効果を高め、外箱表面積が外気温度よりも高くなる面において真空断熱材を外箱と内箱の中間で硬質ウレタンフォーム内に埋設して真空断熱材の経時的な劣化を押さえようとする冷蔵庫の例が示されている。
また、特許文献2に示される従来技術として、外箱と内箱の間にポリウレタンフォームを発泡充填して真空断熱材を埋設したものにおいて、断熱性能の大幅な向上と、貯蔵室の収納容積効率を向上させるため、真空断熱材を2枚以上重ね合わせて配設した冷蔵庫が示されている。
特開2003−14368号公報 特開2005−147591号公報
一般的に冷蔵庫の断熱厚さは、その温度帯から外気温度との差が大きい冷凍室部分の断熱厚さが大きく設定されているため、硬質ウレタンフォームを充填して発泡する際に、断熱が厚い部分、つまり空間の大きい部分に優先的に硬質ウレタンフォームが流れるため、充填しただけでは密度差が生じてしまう。このため、断熱厚さの差による密度差ができないよう硬質ウレタンフォームの充填量を多くする必要があり、材料コスト及び環境配慮の面で課題がある。
また、冷蔵庫の箱体断熱性能を向上させる施策として、従来から各真空断熱材の面積を大きくして、外箱外表面積に対する真空断熱材の被覆率を大きくすることが一般的であった。しかし、住宅事情等から冷蔵庫箱体の大きさは大きくは変えられないため、真空断熱材の被覆率をこれ以上大きくすることは困難であり、被覆率による断熱性能の向上はこれ以上は期待できないことから、今後の省エネ性能向上化と大容量化の両立が課題である。
また、特許文献1にも示される従来の冷蔵庫は、外箱側に設けたウレタン製のスペーサにより真空断熱材を硬質ウレタンフォーム断熱材の中間位置になるように配置することで、真空断熱材の大きさを大きくすることができる反面、冷凍室等の硬質ウレタンフォーム断熱の厚さが厚いため断熱厚が不均一になってしまい、前述のように硬質ウレタンフォームの密度差を無くすためには硬質ウレタンフォームの使用(充填)量を多くしなければならなかった。また、真空断熱材が外箱内面と一定の間隔を保つようにスペーサによって配置されているため、硬質ウレタンフォームの流動抵抗となるため硬質ウレタンフォームの使用(充填)量は更に多くなってしまい、材料コスト及び環境配慮の面で課題があった。
また、特許文献2に示される従来の冷蔵庫は、真空断熱材を厚さ方向に2枚以上重ね合わせて断熱性能を大幅に向上させている。真空断熱材間に熱伝導性の小さい物質を介在させて、外被材のヒートブリッジの抑制を意識しているものの、実施例ではアルミニウム箔を用いたガスバリヤ容器の記載しかなく、また、真空断熱材の端部同士が重ねられて配置していることから、ヒートブリッジの抑制という観点では十分とは言えず改良の余地が多々ある。また、外気温度との温度差が大きい冷凍室部分に真空断熱材を2枚以上重ねることが記載されているが、硬質ウレタンフォームの流動性や充填性については何の記載もなく、硬質ウレタンフォームの使用量に関する考慮、すなわち材料コストの低減や環境への配慮が不足していた。
本発明は、真空断熱材を用いた冷蔵庫において、更なる省エネルギー化と材料コストの低減及び環境への配慮性を向上した冷蔵庫を提供することを目的に、冷蔵庫箱体において断熱厚さが厚い部分の真空断熱材を厚さ方向に占有率を向上させて、冷蔵庫箱体の断熱性能を向上しつつ、冷蔵室や冷凍室及び野菜室等で硬質ウレタンフォームの流動空間寸法差を小さくすることができるものであり、硬質ウレタンフォームの使用(充填)量をも低減するものである。
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
外箱と内箱の間の断熱部に発泡系断熱材と真空断熱材とを備え、少なくとも冷蔵室と冷凍室と野菜室を有し、前記冷凍室が前記冷蔵室と前記野菜室に挟まれて配置された冷蔵庫において、前記冷蔵庫側面の外箱内面に、前記冷蔵室と前記冷凍室と前記野菜室に跨る第一の真空断熱材を配置し、前記発泡系断熱材の厚い部分には、前記第一の真空断熱材の厚さ方向に、第二の真空断熱材を重ねて配置し、前記第二の真空断熱材が多角形を成し、少なくとも前記断熱部の前側の壁厚が薄い部分は、前記第二の真空断熱材の端部が前記第一の真空断熱材の端部と重ならないようにずらした位置に配置したことを特徴とする
また、前記第一及び第二の真空断熱材が、少なくともガスバリヤ性を有する多層ラミネートフィルム製の外被材と、柔軟性を有する繊維集合体を合成樹脂フィルム製の内袋で覆った芯材とからなり、少なくとも前記第一及び第二の真空断熱材の片側面の外被材を金属箔レス仕様としたことを特徴とする。
また、前記第一及び第二の真空断熱材において、前記外被材最外層の表面張力を少なくとも35(N/m)以上とし、ホットメルト系接着剤或いは二面テープで前記第一と第二の真空断熱材が直接貼り合わされていることを特徴とする。
本発明によれば、冷凍室等の断熱厚さが厚い部分の真空断熱材の厚さを増やすことによって、断熱性能を改善すると共に、冷蔵室や冷凍室及び野菜室等で硬質ウレタンフォームの流動空間寸法差を小さくできるため、硬質ウレタンフォームがスムーズに流動し、密度差を小さくして充填することができる。このため硬質ウレタンフォームを必要以上に多く使用することを防止し、断熱性能が良好で環境に配慮した冷蔵庫を提供することができる。
また、第二の真空断熱材の端部と第一の真空断熱材の端部が重ならないように配置することで、外被材のヒートブリッジ影響を大幅に低減できるため、更に断熱性能を良好にすることができるものである。
また、上記に加え、外被材の少なくとも片面を金属箔レス化しているため、更にヒートブリッジ影響が軽減され、より断熱性能を良好にした冷蔵庫を実現できる。
本発明の実施例1に係る真空断熱材を備えた冷蔵庫の外観を示す正面図である。 本発明の実施例1に係る真空断熱材を備えた冷蔵庫の縦断面図であり、図1のA−A線の切断図である。 本発明の実施例1に係る真空断熱材を備えた冷蔵庫の図2におけるB−B断面図である。 本発明の実施例1に係る真空断熱材を備えた冷蔵庫の図1におけるZ−Z断面図である。 本発明の実施例1に係る真空断熱材の説明図である。 本発明の実施例2に係る真空断熱材を備えた冷蔵庫の図2におけるB−B断面図である。 本発明の実施例と対比すべき断熱性能に関する基準の比較例1を示す図である。
本発明の実施形態に係る真空断熱材を備えた冷蔵庫について、図面を参照しながら以下詳細に説明する。本発明の実施例1については図1〜図5を用いて、実施例2については図6を用いてそれぞれ説明する。なお、図7は本実施例と対比すべき比較例1を示す図である。
(実施例1)
本発明の実施例1に係る真空断熱材を備えた冷蔵庫について、図1〜図5を参照しながら説明する。図1は本発明の実施例1に係る真空断熱材を備えた冷蔵庫の外観を示す正面図である。図2は実施例1に係る真空断熱材を備えた冷蔵庫の縦断面図であり、図1のA−A断面図である。図3は実施例1に係る真空断熱材を備えた冷蔵庫の図2におけるB−B断面図である。図4は本発明の実施例1に係る真空断熱材を備えた冷蔵庫の図1におけるZ−Z断面図であり、図5は本発明の実施例1に係る真空断熱材の説明図である。
図1に示す実施例1を備えた冷蔵庫1は、図2に示すように、上から冷蔵室2,貯氷室3(と切替え室),上段冷凍室3b,下段冷凍室4,野菜室5を有している。図1の符号は、上記各室の前面開口部を閉塞する扉であり、上から扉用ヒンジ10等を中心に回動する冷蔵室扉6a,6b,冷蔵室扉6a,6b以外は全て引き出し式の扉であり、製氷室扉7aと上段冷凍室扉7b,下段冷凍室扉8,野菜室扉9を配置する。これらの引き出し式扉6〜9は扉を引き出すと、各室を構成する容器が扉と共に引き出されてくる。各扉6〜9には冷蔵庫1とを密閉するためのパッキン11を備え、各扉6〜9の室内側外周縁に取り付けられている。また、冷蔵室2と製氷室3a及び上段冷凍室3bとの間を区画断熱するために断熱仕切り12を配置している。この断熱仕切り12は厚さ30〜50mm程度の断熱壁で、スチロフォーム,発泡断熱材(ウレタンフォーム),真空断熱材等、それぞれを単独使用又は複数の断熱材を組み合わせて作られている。製氷室3a及び上段冷凍室3bと下段冷凍室4の間は、温度帯が同じであるため区画断熱する仕切り断熱壁ではなく、パッキン11受面を形成した仕切り部材13を設けている。下段冷凍室4と野菜室5の間には区画断熱するための断熱仕切り14を設けており、断熱仕切り12と同様に30〜50mm程度の断熱壁で、これまたスチロフォーム、或いは発泡断熱材(ウレタンフォーム)、真空断熱材等で作られている。基本的に冷蔵,冷凍等の貯蔵温度帯の異なる部屋の仕切りには仕切断熱壁を設置している。尚、箱体20内には上から冷蔵室2,製氷室3a及び上段冷凍室3b,下段冷凍室4,野菜室5の貯蔵室をそれぞれ区画形成しているが、各貯蔵室の配置については特にこれに限定するものではない。また、冷蔵室扉6a,6b,製氷室扉7a,上段冷凍室扉7b,下段冷凍室扉8,野菜室扉9に関しても回転による開閉,引き出しによる開閉及び扉の分割数等、特に限定するものではない。
箱体20は、外箱21と内箱22とを備え、外箱21と内箱22とによって形成される空間に断熱部を設けて箱体20内の各貯蔵室と外部とを断熱している。この外箱21側または前記内箱22側のいずれかに真空断熱材50を配置し、真空断熱材50以外の空間には硬質ウレタンフォーム等の発泡性の断熱材23を充填してある。
また、冷蔵庫の冷蔵室2,上段冷凍室3b,下段冷凍室4,野菜室5等の各室を所定の温度に冷却するために上段冷凍室3b,下段冷凍室4の背側には冷却器28が備えられており、この冷却器28と圧縮機30と凝縮機30a、図示しないキャピラリーチューブとを接続し、冷凍サイクルを構成している。冷却器28の上方にはこの冷却器28にて冷却された冷気を冷蔵庫内に循環して所定の低温温度を保持する送風機27が配設されている。
また、冷蔵庫の冷蔵室2と製氷室3a及び上段冷凍室3b,下段冷凍室4と野菜室5を区画する断熱材として、それぞれ断熱仕切り12,14を配置し、発泡ポリスチレン33と真空断熱材50で構成されている。この断熱仕切り12,14については硬質ウレタンフォーム等の発泡性の断熱材23を充填しても良く、特に発泡ポリスチレン33と真空断熱材50に限定するものではない。
また、前記内箱22の天面の一部に、断熱材23側に突き出したケース45aを有する庫内灯45を配置し、冷蔵庫の扉を開けたときの庫内を明るく、見えやすくしたものである。庫内灯45については、電球,蛍光灯,キセノンランプ,LED(発光ダイオード)等、特に限定するものではない。庫内灯45の配置により、ケース45aと外箱21との間の断熱材23の厚さが薄くなってしまうため、真空断熱材50aを配置して断熱性能を確保している。この庫内灯45については特に図示位置に配置することを規定したものではない。
また、箱体20の天面後方部には冷蔵庫1の運転を制御するための基板や電源基板等の電気部品41を収納するための凹部40が形成されており、電気部品41を覆うカバー42が設けられている。カバー42の高さは外観意匠性と内容積確保を考慮して、外箱21の天面とほぼ同じ高さになるように配置している。特に限定するものではないが、カバー42の高さが外箱の天面よりも突き出る場合は10mm以内の範囲に収めることが望ましい。これに伴って、凹部40は断熱材23側に電気部品41を収納する空間だけ窪んだ状態で配置されるため、断熱厚さを確保するため必然的に内容積が犠牲になってしまう。内容積をより大きくとると凹部40と内箱22間の断熱材23の厚さが薄くなってしまう。このため、凹部40の断熱材23側の面に真空断熱材50aを配置して断熱性能を確保、強化している。実施例1では、真空断熱材50aを前述の庫内灯45のケース45aと電気部品41に跨るように略Z形状に成形した1枚の真空断熱材50aとした。尚、前記カバー42は外部からのもらい火や何らかの原因で発火した場合等を考慮し鋼板製としている。
また、箱体20の背面下部に配置された圧縮機30や凝縮機31は発熱の大きい部品であるため、庫内への熱侵入を防止するため、内箱22側への投影面に真空断熱材50bを配置している。
ここで、実施例1における真空断熱材50e及び60eの配置について図3及び図4で説明する。図3は図2におけるB−B断面を、図4は図1におけるZ−Z断面を示す図面である。実施例1の形態では図3に示すよう、外箱21の側面部内面に、冷蔵室2と製氷室3a,上段冷凍室3b,下段冷凍室4及び野菜室5に跨って真空断熱材50eが配置されている。このとき、製氷室3a,上段冷凍室3b若しくは4部分と真空断熱材50eの間の空間(冷凍室内箱−真空断熱材間寸法23b)は、冷蔵室2や野菜室5の空間(冷凍室内箱−真空断熱材間寸法23a,野菜室内箱−真空断熱材間寸法23c)よりも大きくなっている。本実施例においては、この部分に真空断熱材60eを真空断熱材50eに二面テープを用いて直接貼りつけた。真空断熱材60eの貼り付けについては二面テープではなくホットメルトタイプの接着剤等でもよく、特にこれらに限定するものではない。真空断熱材60eの配置については、図4(a)に示すように、前面側の壁厚が薄い部分においては真空断熱材50eと60eの端部をずらした位置で接着した。これにより、硬質ウレタンフォームの流動空間を十分確保できると共に、外被材53,63のヒートブリッジ影響を低減することができる。真空断熱材50eと60eの端部を重ね合わせた場合、ヒートブリッジの影響が大きい部分が重なることで増幅されてしまうため、特に断熱厚の薄い部分ではその影響が顕著に出てしまい、冷蔵庫の箱体としての断熱性能が悪化してしまう。本実施例では背面側については断熱厚が厚いため端部を合わせて配置したが、好ましくは図4(b)のX部,Y部に示すように、真空断熱材50eと60eの端部をずらした方がよい。真空断熱材のヒートブリッジ影響については真空断熱材の大きさによっても左右されるので、使用に際しては十分注意する必要がある。
次に、実施例1に用いた真空断熱材50,60について、図5を用いてその構成を説明する。前記真空断熱材50,60は、芯材51,61と該芯材51,61を圧縮状態に保持するための内包材52,62,前記内包材52,62で圧縮状態に保持した芯材51,61を被覆するガスバリヤ層を有する外被材53,63及び吸着剤54,64とから構成してある。該外被材53,63は前記真空断熱材50,60の両面に配置され、同じ大きさのラミネートフィルムの稜線から一定の幅の部分を熱溶着により貼り合わせた袋状で構成されている。なお、実施例1において、前記芯材51,61についてはバインダー等で接着や結着していない無機繊維の積層体として平均繊維径4μmのグラスウールを用いた。前記芯材51,61については、無機系繊維材料の積層体を使用することによりアウトガスが少なくなるため、断熱性能的に有利であるが、特にこれに限定するものではなく、例えばセラミック繊維やロックウール,グラスウール以外のガラス繊維等の無機繊維等でもよい。また、有機繊維を用いることについても特に限定するものではない。前記芯材51,61の種類によっては内包材52,62は不要の場合もある。外被材53,63のラミネート構成についてはガスバリヤ性を有し、熱溶着可能であれば特に限定するものではないが、実施例1では、表面層,第一のガスバリヤ層,第二のガスバリヤ層,熱溶着層の4層構成からなるラミネートフィルムとし、表面層は吸湿性の低い樹脂フィルム,第一のガスバリヤ層は金属蒸着層を設けた樹脂フィルム,第二のガスバリヤ層は酸素バリヤ性の高い樹脂フィルムに金属蒸着層を設け、第一と第二のガスバリヤ層については金属蒸着層同士が向かい合うように貼り合わせている。熱溶着層については表面層と同様に吸湿性の低いフィルムを用いた。具体的には、表面層を二軸延伸ポリプロピレン,第一のガスバリヤ層をアルミニウム蒸着付きのポリエチレンテレフタレート,第二のガスバリヤ層をアルミニウム蒸着付きの二軸延伸エチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルムとし、熱溶着層を直鎖状低密度ポリエチレンフィルムとした。外被材53,63については特にこの構成に限定するものではない。表面層はポリアミド(ナイロン)やポリエチレンテレフタレート等でもよく、第一及び第二のガスバリヤ層についても金属箔や樹脂系フィルムに無機層状化合物や樹脂系ガスバリヤコート材等のガスバリヤ膜を設けたものでもよい。熱溶着層には例えば酸素バリヤ性の高いポリブチレンテレフタレートフィルムや、汎用性の高いポリプロピレンフィルム,高密度,中密度,低密度等のポリエチレンフィルムを用いても良い。また、真空断熱材50,60のそれぞれの外箱側と内箱側の面でフィルム構成が違っていてもよい。例えば、第二のガスバリヤ層として、一方の面がアルミ蒸着フィルム,別の面がアルミ箔という組み合わせであっても何ら問題ない。尚、各層は二液硬化型ウレタン接着剤を介してドライラミネート法によって貼り合わせられるが、接着剤,貼り合わせ方法には特にこれに限定するものではない。
表面層と熱溶着層に吸湿性の低い樹脂を配置する目的は、酸素バリヤ性の高い上記のガスバリヤ層フィルムは吸湿によりガスバリヤ性が悪化するため、表面層と熱溶着層で挟むことで、ラミネートフィルム全体の吸湿量を抑制するものである。これにより、真空断熱材50,60の真空排気工程においても、外被材53,63が持ち込む水分量が小さいため、真空排気効率が大幅に向上し、高性能化につながっている。
また、内包材52,62については実施例1では熱溶着可能なポリエチレンフィルム,吸着剤54,64については物理吸着タイプの合成ゼオライトを用いたが、いずれもこれらの材料に限定するものではない。内包材52,62についてはポリプロピレンフィルム,ポリエチレンテレフタレートフィルム,ポリブチレンテレフタレートフィルム等、吸湿性が低く熱溶着でき、アウトガスが少ないものであれば良く、吸着剤54,64については水分やガスを吸着するもので、物理吸着,化学反応型吸着のどちらでも良い。
以上の構成からなる実施例1における真空断熱材50,60は芯材51,61の厚みを15mm、芯材51,61の密度を約250(kg/m3)に設定したものを使用した。これにより、製氷室3a,上段冷凍室3b及び下段冷凍室4周囲の断熱厚が厚い部分に真空断熱材60eが配置されたことにより、冷蔵室2と製氷室3a,上段冷凍室3b,下段冷凍室4及び野菜室5と真空断熱材50e或いは60eとの寸法差が小さくなり、硬質ウレタンフォームがスムーズに流動し、硬質ウレタンフォームを充填する所定の容積を100としたとき、実際の使用量は103であった。これについては後述する比較例1を従来冷蔵庫として比較する。また、実施例1により箱体断熱性能が向上し、後述の比較例1の消費電力量よりも約2%の省エネ効果が得られた。
(比較例1)
図7に示す比較例1の冷蔵庫は、実施例1において真空断熱材60eが無い従来構造のものであり、それ以外は実施例1と同じとした。
本比較例1における硬質ウレタンフォームの使用量は、所定の容積を100としたとき108であった。また、本発明の中では本比較例1における消費電力量を基準値(100)として各実施例の効果を比較している。
(実施例2)
図6に示す実施例2の冷蔵庫は、実施例1において真空断熱材60eの代わりに、真空断熱材50eの板厚を部分的に厚くしたものであり、それ以外は実施例1と同じとした。本実施例2では硬質ウレタンフォームの使用量は所定容積を100としたとき、実際の使用量は103で実施例1と同じであった。箱体断熱性能については実施例1よりも効果が少なかったが、比較例1に対して約1%の省エネ効果が得られた。
以上説明した本発明の第1及び第2の実施例と比較例1とを対比した件を取り纏めると次のようになった。本実施形態と比較例の消費電力についてみると、これらの冷蔵庫の消費電力量を測定した結果、比較例1を100(指数)とした場合、実施例1が98、実施例2が99となった。いずれの実施例においても硬質ウレタンフォームの使用量は所定の容積を100としたとき103であり、比較例1が108であるので、所定容積よりも多く使用する割合を低減している。したがって、本発明が省エネ効果と硬質ウレタンフォームの使用量低減効果があり、十分に環境配慮効果があることを確認した。
従来技術のように、真空断熱材を厚さ方向に2枚以上重ねて貼ることにより、箱体の断熱性能は向上するが、真空断熱材の端部が重なって配置されていたり、外被材のヒートブリッジ影響が大きい等、真空断熱材1枚あたりの断熱効果を十分に発揮できていないケースが多かった。また、箱体の断熱厚さが厚い冷凍室部分等とそれ以外の部分については硬質ウレタンフォームの流動性に差が生じるため従来は密度差が発生していた。本発明は、断熱厚さ方向に真空断熱材を重ね合わせたり、真空断熱材自体の厚さを部分的に変えることで、断熱性能を向上させるだけでなく、硬質ウレタンフォームが流動する空間差を小さくできるため、ウレタンの密度差が生じにくくなり、流動の整流化が図れるものである。また、真空断熱材の重ね合わせについては、お互いの端部が重ならないようにすることで、真空断熱材特有のヒートブリッジ影響を低減することができ、断熱性能をより良好にでき、省エネ冷蔵庫を提供できるものである。本実施例に示した形態については、冷蔵庫のみならず、断熱材を必要とする製品,機器,住宅・建物及び自動車や電車等の車両分野にも広く適用できる。
1 冷蔵庫
2 冷蔵室
3a 製氷室
3b 上段冷凍室
4 下段冷凍室
5 野菜室
6a,6b 冷蔵室扉
7a 製氷室扉
7b 上段冷凍室扉
8 下段冷凍室扉
9 野菜室扉
10 扉用ヒンジ
11 パッキン
12,14 断熱仕切り
13 仕切り部材
20 箱体
21 外箱
21a 天板
21b 後板
21d 底板
21e 側面
21f 前面
22 内箱
23 断熱材
23a 冷蔵室内箱−真空断熱材間寸法
23b 冷凍室内箱−真空断熱材間寸法
23c 野菜室内箱−真空断熱材間寸法
27 送風機
28 冷却器
30 圧縮機
31 凝縮機
33 発泡ポリスチレン
40 凹部
41 電気部品
42 カバー
50,50a,50b,50c,50d,50e,60,60e 真空断熱材
51,61 芯材
52,62 内包材
53,63 外被材
54,64 吸着剤

Claims (3)

  1. 外箱と内箱の間の断熱部に発泡系断熱材と真空断熱材とを備え、少なくとも冷蔵室と冷凍室と野菜室を有し、前記冷凍室が前記冷蔵室と前記野菜室に挟まれて配置された冷蔵庫において、前記冷蔵庫側面の前記外箱内面に、前記冷蔵室と前記冷凍室と前記野菜室に跨る第一の真空断熱材を配置し、前記発泡系断熱材の厚い部分には前記第一の真空断熱材の厚さ方向に、第二の真空断熱材を重ねて配置し、前記第二の真空断熱材が多角形を成し、少なくとも前記断熱部の前側の壁厚が薄い部分は、前記第二の真空断熱材の端部が前記第一の真空断熱材の端部と重ならないようにずらした位置に配置したことを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記第一及び第二の真空断熱材が、少なくともガスバリヤ性を有する多層ラミネートフィルム製の外被材と、柔軟性を有する繊維集合体を合成樹脂フィルム製の内袋で覆った芯材とからなり、少なくとも前記第一及び第二の真空断熱材の片面の外被材を金属箔レスとしたことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
  3. 前記第一及び第二の真空断熱材は、前記外被材最外層の表面張力を少なくとも35N/m以上とし、ホットメルト系接着剤或いは二面テープで前記第一と第二の真空断熱材が直接貼り合わされていることを特徴とする請求項1又は2記載の冷蔵庫。
JP2009245030A 2009-10-26 2009-10-26 冷蔵庫 Active JP5401258B2 (ja)

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