JP5401115B2 - 生物由来の生理活性物質の測定方法及び測定装置 - Google Patents

生物由来の生理活性物質の測定方法及び測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、エンドトキシンやβ−D−グルカンなど、カブトガニの血球抽出物との反応によってゲル化する特性を有する生物由来の生理活性物質を含有する試料について、該試料中の前記生理活性物質を検出しまたはその濃度を測定するための測定方法及び測定装置に関する。
エンドトキシンはグラム陰性菌の細胞壁に存在するリポ多糖であり、最も代表的な発熱性物質である。このエンドトキシンに汚染された輸液、注射薬剤、血液などが人体に入ると、発熱やショックなどの重篤な副作用を惹起するおそれがある。このため、上記の薬剤などは、エンドトキシンにより汚染されることが無いように管理することが義務付けられている。
ところで、カブトガニの血球抽出物(以下、「LAL : Limulus amoebocyte lysate」ともいう。)の中には、エンドトキシンによって活性化されるセリンプロテアーゼが存在する。そして、LALとエンドトキシンとが反応する際には、エンドトキシンの量に応じて活性化されたセリンプロテアーゼによる酵素カスケードによって、LAL中に存在するコアギュロゲンがコアギュリンへと水解されて会合し、不溶性のゲルが生成される。このLALの特性を用いて、エンドトキシンを高感度に検出することが可能である。
また、β−D−グルカンは真菌に特徴的な細胞膜を構成しているポリサッカライド(多糖体)である。β−D−グルカンを測定することによりカンジダやアスペルギルス、クリプトコッカスのような一般の臨床でよく見られる真菌のみならず、稀な真菌も含む広範囲で真菌感染症のスクリーニングなどに有効である。
β−D−グルカンの測定においても、カブトガニの血球抽出成分がβ−D−グルカンによって凝固(ゲル凝固)する特性を利用して、β−D−グルカンを高感度に検出することが可能である。
このエンドトキシンやβ−D−グルカンなどの、カブトガニの血球抽出成分によって検出可能な生物由来の生理活性物質(以下、所定生理活性物質ともいう)の検出または濃度測定を行う方法としては、所定生理活性物質の検出または濃度測定(以下、単純に「所定生理活性物質の測定」ともいう。)をすべき試料とLALとを混和した混和液を静置し、一定時間後に容器を転倒させて、試料の垂れ落ちの有無によりゲル化したかどうかを判定し、試料に一定濃度以上のエンドトキシンが含まれるか否かを調べる半定量的なゲル化法がある。また、LALと所定生理活性物質との反応によるゲルの生成に伴う試料の濁りを経時的に計測して解析する比濁法や、酵素カスケードにより水解されて発色する合成基質を用いる比色法などがある。
上記の比濁法によって所定生理活性物質の測定を行う場合には、乾熱滅菌処理されたガラス製測定セルに測定試料とLALとの混和液を生成させる。そして、混和液のゲル化を外部から光学的に測定する。しかしながら、比濁法においては特に所定生理活性物質の濃度が低い試料においてLALがゲル化するまでに非常に多くの時間を要する場合がある。これに対し、所定生理活性物質の短時間測定が可能な方法が求められている。測定試料とLALとの混和液を例えば磁性攪拌子を用いて攪拌することにより、ゲル粒子を生成せしめ、ゲル粒子により散乱されるレーザー光の強度、あるいは、混和液を透過する光の強度から、試料中の所定生理活性物質の存在を短時間で測定できる光散乱法(レーザー散乱粒
子計測法)、あるいは、攪拌比濁法が提案されている。
上記の種々の方法によって、所定生理活性物質の検出時間または測定時間の短縮や測定感度の向上が図られているが、いずれの方法も長所、短所を併せ持っており、測定時間の短縮や高感度化、妨害物質の排除などの面で更なる改良が望まれていた。
特開2004−061314号公報 特開平10−293129号公報 国際公開第WO2008/038329号パンフレット
本発明は上述の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、生物由来の生理活性物質の検出または濃度測定において、測定精度が高くまたは測定時間の短縮が可能な測定方法及び、それを用いた測定装置を提供することである。
本発明においては、所定生理活性物質の検出あるいは濃度測定を行う対象の測定試料とLALとの混和液における凝集開始時間を検出し、この凝集開始時間によって所定生理活性物質の検出あるいは濃度測定を行う。そして本発明の最大の特徴は以下の点にある。すなわち、測定試料とLALとを混和させることにより、ゲル粒子を生成せしめ、ゲル粒子により散乱されるレーザー光の散乱光強度を測定する。そして、この散乱光強度の揺らぎの周波数分布を取得し、この周波数分布形状の時間的変化に基づいて、測定試料とLALとの混和液における凝集開始時間を検出する。
より詳しくは、試料中に存在する生物由来の生理活性物質とカブトガニの血球抽出物であるLALとを反応させることで、前記試料中の前記生理活性物質を検出しまたは前記生理活性物質の濃度を測定する、生物由来の生理活性物質の測定方法であって、
前記試料とLALとの混和後において、前記試料とLALとの混和液中に光を入射するとともに該入射光の前記混和液による散乱光の強度を取得し、
前記散乱光の強度の揺らぎの周波数分布の時間的変化に基づいて前記混和液における凝集開始時刻を検出し、
該凝集開始時刻より前記試料中の前記生理活性物質を検出しまたは濃度を測定することを特徴とする。
本発明においては、所定生理活性物質とLALとの反応系に動的光散乱技術を適用する。この動的光散乱技術においては、所定生理活性物質を含んだ試料とLALとの混和液におけるゲル粒子の生成及び成長を、混和液からの散乱光強度の揺らぎにおける周波数分布の変化として捉える。そして、周波数分布の時間的変化に基づいて反応系における凝集開始時刻を検出する。
ここで、所定生理活性物質とLALとの反応系における、ゲル粒子の熱運動や外力による運動の周波数は、粒子径が大きいほど低くなる。従って、試料とLALとの混和液からのレーザー散乱光強度の揺らぎの周波数分布は、混和液中のゲル粒子の成長とともに変化する。そして、試料とLALとの混和液からの散乱光強度の揺らぎの周波数分布の形状変化より、反応系の凝集開始時刻を検出することが可能となる。
このように本発明によれば、試料とLALとの混和液中のゲル粒子の粒子径の分布を略
リアルタイムに検知することで、より精度良くゲル粒子の成長過程を検知することが可能となる。その結果、より精度良く、より早期に、反応系の凝集開始時刻を検出することができる。そして、予め、反応系の凝集開始時刻と所定生理活性物質の濃度との関係を調べておくことにより、より精度良く、より迅速に、試料とLALとの混和液中の所定生理活性物質の測定を行うことが可能となる。
また、本発明においては、前記散乱光の強度の揺らぎの自己相関関数を取得し、該自己相関関数の形状の時間的変化に基づいて前記混和液の凝集開始時刻を検出するようにしてもよい。
所定生理活性物質を含む試料とLALとの混和液からの散乱光強度の揺らぎの自己相関関数を取得することにより、よりコントラストの高い周波数分布を取得することが可能となる。このことにより、さらに精度良く所定生理活性物質とLALとの反応系におけるゲル粒子の発生及び成長を検出することが可能となる。
なお、所定生理活性物質を含む試料とLALとの混和液からの散乱光強度の揺らぎの自己相関関数は、反応開始後の時間の経過に伴い以下のように変化することが、発明者の鋭意研究によって明らかになってきた。すなわち、反応開始後の初期段階においては、自己相関関数の遅延時間の値に拘らず全体的に1に近い自己相関係数を有するとともに、遅延時間が比較的短い領域(以下、「短遅延時間領域」ともいう。)において脈動が見られる。
その後の時間経過に伴って、遅延時間が短遅延時間領域より長い領域(以下、「長遅延時間領域」ともいう。)における自己相関係数が一旦減少する。さらに時間が経過すると、短遅延時間領域において見られた脈動が消失するとともに、長遅延時間領域において脈動が現れ、さらに、長遅延時間領域における自己相関係数(以下、自己相関関数の「DC成分」ともいう。)が増加する。
ここで反応開始後の初期段階に短遅延時間領域において脈動が見られることは比較的小径のゲル粒子が存在することを意味する。また、時間経過に伴って、短遅延時間領域において見られた脈動が消失するとともに、長遅延時間領域において脈動が現れる現象は、ゲル粒子の径が大きくなっていくことを意味する。さらに、長遅延時間領域における自己相関係数(DC成分)が増加する現象は、蛋白質の変性やゲルのネットワーク化が進行していることを意味すると考えられる。
このように、自己相関関数の形状の時間的変化と混和液中のゲル粒子の成長過程とは密接な関係がある。従って、散乱光強度の揺らぎの自己相関関数を取得し、自己相関関数の形状の時間的変化に基づいて所定生理活性物質とLALとの反応系における凝集開始時刻を検出することで、より精度よく、凝集開始時刻を検出することが可能である。
本発明においては、前記自己相関関数の形状において、遅延時間の短い所定領域における脈動が消失した時刻をもって、前記凝集開始時刻としてもよい。ここで、遅延時間の短い所定領域とは前述の短遅延時間領域であってもよい。これによれば、小径のゲル粒子が消失した時点をもって凝集開始時刻とすることができ、より容易にまたは早期に、所定生理活性物質とLALとの反応系における凝集開始時刻を検出することができる。
また、本発明においては、前記自己相関関数の形状において、遅延時間の短い所定領域における脈動が消失するとともに、該所定領域より遅延時間の長い領域において脈動が出現した時刻をもって、前記凝集開始時刻としてもよい。ここで、該所定領域より遅延時間の長い領域は、前述の長遅延時間領域であってもよい。これによれば、小径のゲル粒子が
消失し、それらが凝集して大きくなり始めた時点をもって凝集開始時刻を検出することができ、より精度よく、凝集が開始した時刻である凝集開始時刻を検出することができる。
なお、前記所定領域は、遅延時間が1msec以下の領域としてもよい。所定生理活性物質とLALとの反応系における実際の自己相関関数においては、反応の初期段階においては遅延時間が1msec以下の領域において脈動が見られる場合が多く、反応時間の経過とともに、遅延時間が1msec以下の領域における脈動が消失し遅延時間が1msecより長い領域において脈動が発生し始める場合が多い。従って、上述の所定領域を、遅延時間が1msec以下の領域とすることで、現実的にはより精度よく凝集反応開始時刻を検出することが可能となる。
また、本発明においては、前記自己相関関数における緩和係数が時間の経過とともに一旦減少して増加する際の時刻をもって、前記凝集開始時刻としてもよい。
自己相関関数における緩和係数が時間の経過とともに一旦減少した後、再度増加した時点においては、前記所定領域より遅延時間が長い領域におけるDC成分の信号が増加しており、蛋白質の変性やゲルのネットワーク化が進行していることを示すと考えられている。従って、前記自己相関関数における緩和係数が時間の経過とともに一旦減少して増加する際の時刻をもって、前記凝集開始時刻とすれば、蛋白質の変性やゲルのネットワーク化が進行し始める時刻を凝集開始時刻として捉えることができ、より精度よく凝集開始時刻を検出することができる。
また、本発明においては、前記自己相関関数における緩和係数が時間の経過とともに一旦減少して増加する際の最小値となる時刻をもって、前記凝集開始時刻としてもよい。
自己相関関数における緩和係数が時間の経過とともに最初に減少する過程と、前記所定領域において脈動が消失する過程とは概略同期していることが分かっている。また、上述のように、自己相関関数における緩和係数が時間の経過とともに一旦減少した後、再度増加している時点は、前記所定領域より遅延時間が長い領域におけるDC成分の信号が増加しており、蛋白質の変性やゲルのネットワーク化が進行していることを示している。
従って、前記自己相関関数の形状における緩和係数が時間の経過とともに一旦減少して増加する際の最小値となる時刻をもって、前記凝集開始時刻とすれば、小径のゲル粒子が消失し粒子系の大きなゲル粒子が発生し増加し始めるとともに、蛋白質の変性やゲルのネットワーク化がまだ進行していない瞬間を検出することが可能である。従って、より精度よく、所定生理活性物質とLALとの反応系における凝集開始時刻を検出することが可能となる。
なお、本発明においては、前記散乱光強度を取得する際には、前記混和液を攪拌するとよい。攪拌することによりゲル粒子の粒子としての成長を促進でき、また、混和液におけるゲル粒子の分布を均一化できるので、より精度よく前記凝集開始時刻を検出することが可能となる。
なお、前記生物由来の生理活性物質としては、エンドトキシンまたはβ−D−グルカンを例示することができる。本発明を、エンドトキシンまたはβ−D−グルカンに適用すれば、最も代表的な発熱性物質であるエンドトキシンの検出または濃度測定がより正確に行なえ、エンドトキシンに汚染された輸液、注射薬剤、血液などが人体に入り、副作用が惹起されることを抑制できる。同様に、β−D−グルカンの検出または濃度測定がより正確に行なえ、カンジダやアスペルギルス、クリプトコッカスのような一般の臨床でよく見られる真菌のみならず、稀な真菌も含む広範囲で真菌感染症のスクリーニングをより正確に行なうことが可能となる。
また、本発明は、試料中に存在する生物由来の生理活性物質とカブトガニの血球抽出物であるLALとを反応させることで、前記試料中の前記生理活性物質を検出しまたは前記生理活性物質の濃度を測定する、生物由来の生理活性物質の測定装置であって、
前記試料とLALとの混和液を光の入射可能に保持し、前記生理活性物質とLALとの反応を進行させる混和液保持手段と、
前記混和液保持手段中の混和液に光を入射する光入射手段と、
前記混和液保持手段中の混和液を攪拌する攪拌手段と、
前記入射光の前記混和液による散乱光を受光し電気信号に変換する受光手段と、
前記受光手段において変換された電気信号から取得される前記散乱光の強度の揺らぎにおける周波数分布の時間的変化に基づいて前記混和液における凝集開始時刻を検出する凝集開始時刻検出手段と、
前記凝集開始時刻検出手段によって検出された凝集開始時刻より前記試料中の前記生理活性物質を検出しまたは濃度を導出する導出手段と、
を備えることを特徴とする生物由来の生理活性物質の測定装置であってもよい。
また、本発明に係る生物由来の生理活性物質の測定装置においては、前記凝集開始時刻検出手段は、
前記散乱光の強度の揺らぎの自己相関関数を取得し、
該自己相関関数の形状の時間的変化に基づいて前記混和液における凝集開始時刻を検出するようにしてもよい。
また、本発明に係る生物由来の生理活性物質の測定装置においては、前記凝集開始時刻検出手段は、
前記自己相関関数の形状において、遅延時間の短い所定領域における脈動が消失した時刻をもって、前記凝集開始時刻としてもよい。
また、前記自己相関関数の形状において、遅延時間の短い所定領域における脈動が消失するとともに、該所定領域より遅延時間の長い領域において脈動が出現した時刻をもって、前記凝集開始時刻としてもよい。
また、前記所定領域は、遅延時間が1msec以下の領域としてもよい。
また、本発明に係る生物由来の生理活性物質の測定装置においては、前記凝集開始時刻検出手段は、
前記自己相関関数の形状における緩和係数が時間の経過とともに一旦減少して増加する際の時刻をもって、前記凝集開始時刻としてもよい。また、前記自己相関関数の形状における緩和係数が時間の経過とともに一旦減少して増加する際の最小値となる時刻をもって、前記凝集開始時刻としてもよい。
また、本発明に係る生物由来の生理活性物質の測定装置においては、前記生物由来の生理活性物質は、エンドトキシンまたはβ−D−グルカンであってもよい。
なお、上記した本発明の課題を解決する手段については、可能なかぎり組み合わせて用いることができる。
本発明にあっては、エンドトキシンやβ−D−グルカンなどの生物由来の生理活性物質とLALとの反応を利用して、前記生理活性物質を検出しまたは濃度を測定する際に、高い測定精度が得られまたは、測定時間の短縮が可能となる。
本発明の実施例における所定生理活性物質の測定系の概略構成を示す図である。 本発明の実施例において得られた散乱光強度の揺らぎの自己相関関数の時間的変化を示す図である。 本発明の実施例において得られた散乱光強度の揺らぎの自己相関関数の緩和係数の時間的変化を示すグラフである。 本発明の実施例において得られた凝集開始時間とエンドトキシン濃度との関係を、従来法と比較した結果を示すグラフである。 エンドトキシンまたはβ―D−グルカンにより、LALがゲル化する過程及び、その検出方法について説明するための概略図である。
<実施例1>
LALとエンドトキシンとが反応してゲルが生成される過程はよく調べられている。すなわち、図5に示すように、エンドトキシンがLAL中のセリンプロテアーゼであるC因子に結合すると、C因子は活性化して活性型C因子となる、活性型C因子はLAL中の別のセリンプロテアーゼであるB因子を水解して活性化させ活性化B因子とする。この活性化B因子は直ちにLAL中の凝固酵素の前駆体を水解して凝固酵素とし、さらに、この凝固酵素がLAL中のコアギュロゲンを水解してコアギュリンを生成する。そして、生成したコアギュリンが互いに会合して不溶性のゲルをさらに生成し、LAL全体がこれに巻き込まれてゲル化すると考えられている。
また、同様にβ−D−グルカンがLAL中のG因子に結合すると、G因子は活性化して活性型G因子となる、活性型G因子はLAL中の凝固酵素の前駆体を水解して凝固酵素とする。その結果、エンドトキシンとLALとの反応と同様、コアギュリンが生成され、生成したコアギュリンが互いに会合して不溶性のゲルをさらに生成する。
この一連の反応は哺乳動物に見られるクリスマス因子やトロンビンなどのセリンプロテアーゼを介したフィブリンゲルの生成過程に類似している。このような酵素カスケード反応はごく少量の活性化因子であっても、その後のカスケードを連鎖して活性化していくために非常に強い増幅作用を有する。従って、LALを用いた所定生理活性物質の測定法によれば、サブピコグラム/mLオーダーのきわめて微量の所定生理活性物質を検出することが可能になっている。
所定生理活性物質を定量することが可能な測定法としては前述のように比濁法、ならびに、光散乱法(レーザー光散乱粒子計測法)が挙げられる。図5に示すように、これらの測定法はこのLALの酵素カスケード反応によって生成されるコアギュリンの会合物を前者は試料の濁りとして、後者は系内に生成されるゲルの微粒子として検出することで、高感度な測定を可能にしている。
特に光散乱法では、系内に生成されたゲルの微粒子を直接測定するため、比濁法よりも高感度であり、且つ、一般的にLALと検体からなる試料を強制的に攪拌するので、比濁法と比較して短時間でゲルの生成を検出できる。
また、エンドトキシンの別の測定法として比色法がある。これは図5に示すように、LALの酵素カスケード反応を利用しつつも、コアギュリンゲルによる試料の濁りを測定するのではなく、凝固酵素により水解を受け発色する合成基質を利用して、合成基質を含んだLALと検体とを反応させ、その吸光度変化を測定する方法である。この比色法においては、系内に生成されていく発色物質の濃度を測定するので、試料におけるゲルの生成を
測定する比濁法や光散乱法と比較すると、短時間で低濃度の所定生理活性物質を測定することができる。
比濁法は、比色法と異なり特別な試薬が不要である点と、測定可能な所定生理活性物質の濃度範囲が広い点などにおいて、現場での使い勝手のよさがあるという評価がある。しかしながら一方で、比濁法は、低濃度の所定生理活性物質を測定する場合には非常に長い時間を要する問題があった。これは、比濁法がプロテアーゼカスケードの最終産物であるコアギュリンそのものの生成量を見ているのではなく、それがさらに会合して形成されたゲルによって光の透過率が減少していく過程を見ているためである。
すなわち、コアギュリンの濃度がある程度以上の濃度に達しないとゲル化は生じないため、比濁法において所定生理活性物質が検出されるにはゲルが生じるまで待つ必要がある。そのため、所定生理活性物質濃度が高い場合には速やかに必要充分濃度のコアギュリンが生成してゲル化が始まるため測定時間は短くなるが、所定生理活性物質濃度が低いとゲル化に必要なコアギュリン濃度に達するのに時間がかかり測定時間が長くなってしまう。
また、光散乱法は試料を攪拌する点とレーザー光などの入射光によりゲル化ではなく粒子を検出する点が比濁法からの改良点であり、比濁法に比べると測定時間を大幅に短縮することができる。しかし、観察しているゲル粒子が比較的大きいので(数マイクロメートル以上)、測定時間の短縮の度合いは比色法には及ばなかった。比濁法と光散乱法とでは、見ている物理量は異なるものの、ある一定の閾値を越えた時点を反応の開始点として捉えるという点では共通である。
一方、上述の比色法はプロテアーゼカスケードの最終産物に相当する合成基質の染色代謝物の発色を検出するので、所定の時間内の発色の進行度合い(増加率=微分)を検出すればよく、ゲル化が生じるまで待つ必要がないため測定時間を短縮化することができる。しかし、特殊な試薬が必要であること、測定可能な濃度範囲が狭いことなどの問題点があった。
本発明においては、上述の種々の方法における不都合を解決すべく、光散乱法に動的光散乱計測技術を適用し、光散乱法における測定時間をさらに短縮化する方法を完成させた。以下に、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。しかしながら、本発明は、以下に示す形態に限定されるものではない。
図1には、本実施例における所定生理活性物質(本実施例ではエンドトキシン)の測定系1の概略構成を示す。測定系1に使用される光源2にはレーザーや超高輝度LEDなどが用いられる。光源2から照射された光は、入射光学系3で絞られ、試料セル4に入射する。この試料セル4には所定生理活性物質の測定をすべき試料とLAL試薬の混和液が保持されている。試料セル4に入射した光は、混和液中のゲル粒子で散乱される。なお、試料セル4内には攪拌子11が備えられており、マグネチックスターラー12によって外部から変動磁界が作用して攪拌子11が回転することで試料セル4内の混和液を攪拌するようになっている。
試料セル4の、入射光軸の側方には出射光学系5が配置されている。また、出射光学系5の光軸の延長上には、試料セル4内の混和液中の粒子で散乱され出射光学系5で絞られた散乱光を受光し電気信号に変換する受光素子6が配置されている。受光素子6には、受光素子6で光電変換された電気信号を増幅する増幅回路7、増幅回路7によって増幅された電気信号からノイズを除去するためのフィルタ8、ノイズが除去された後の電気信号から散乱光の自己相関関数を演算するコリレータ9、散乱光の自己相関関数の形状の時間変化より、凝集開始時間を導出し、さらに所定生理活性物質の濃度を導出する演算装置10
が電気的に接続されている。なお、演算結果を表示する表示装置(不図示)がさらに接続されるようにしてもよい。
なお、図1に示した測定系1は本実施例において生物由来の生理活性物質の測定装置を構成する。また、測定系1において、試料セル4は混和液保持手段に相当する。光源2及び入射光学系3は光入射手段を構成する。攪拌子11及びマグネチックスターラー12は攪拌手段を構成する。出射光学系5及び受光素子6は受光手段を構成する。コリレータ9及び演算装置10のうち凝集開始時刻を導出する部分は凝集開始時刻検出手段を構成する。演算装置10のうち凝集開始時刻より所定生理活性物質の濃度を導出する部分は導出手段に相当する。本実施例においては攪拌子11及びマグネチックスターラー12によって攪拌手段を構成したが、超音波振動子などによって混和液に振動を加えることにより混和液を攪拌する構成としてもよい。
次に、上記測定系1によって、エンドトキシンを含む試料とLALとを混和した混和液について測定し、得られた光散乱信号の時系列より、時間分解自己相関関数を計算した結果を図2に示す。図2における6つのグラフは、0.6EU/mLの、比較的高い濃度のエンドトキシンを含む試料とLAL試薬とを混和させた際の反応開始時、反応開始から各々1分、2分、3分、4分、15分後における自己相関関数である。各々のグラフにおいて、縦軸は自己相関係数の値、横軸は遅延時間の値である。なお、この混和液について静的光散乱法によって凝集開始時間を測定すると6.5分となった。
図2より、いずれの経過時間におけるグラフにおいても、遅延時間の増加とともに自己相関係数が一旦減少しその後略一定値を維持するような傾向が見られる。この傾向は本測定系自体に見られるものであり装置関数と呼んでもよい。本測定系でエンドトキシンとLALとの反応系を測定すると、経過時間0分の状態においては、遅延時間が1msec以下の領域(本実施例においてこの領域を「遅延時間の短い所定領域=短遅延時間領域」とする。)において曲線に脈動が見られる(図中点線円内)。これは、散乱光強度の揺らぎに比較的高周波数の成分が多いことに起因しており、反応系中に比較的小径の粒子が多いことを示している。
その後、反応開始からの経過時間が1分になると、遅延時間が1msecより長い領域(本実施の形態においてこの領域を「長遅延時間領域」とする。)における自己相関係数が全体的に減少する現象が見られる。但し、この場合でも、短遅延時間領域において脈動が見られる。そして、反応開始からの経過時間が2分になると、長遅延時間領域において脈動が現れ、反応開始からの経過時間が3minになると、短遅延時間領域における脈動は消失し、長遅延時間領域における脈動が大きくなる。このことは、反応開始からの時間の経過とともに混和液からの散乱光強度の揺らぎに含まれる成分が高周波数側から低周波数側に変化することに起因しており、混和液中に小径のゲル粒子が多い状態から大径のゲル粒子が多い状態に移行することを示している。
また、反応開始からの経過時間が2分以上になると、経過時間の増加に伴い、自己相関係数の減衰時間が徐々に長くなり、自己相関係数が急激に減少する領域の長遅延時間側のDC成分が増加していくことが観察される。このことは、混和液中の蛋白質の変性や、ゲルのネットワーク化が進行していることを示すと考えられる。
以上の知見から、本実施例では、上記の自己相関関数の形状変化において、短遅延時間領域における脈動が消失し、長遅延時間領域において脈動がまばらに出現し始めた瞬間をもって、本反応系の凝集開始時刻とした。この時刻は、混和液中において小径のゲル粒子が消失し大径のゲル粒子が出現し始めているが、まばらにしか出現していないという状態となる時刻を示す。換言すると、小径のゲル粒子が凝集して大きくなり始めた瞬間を捉え
ている。なお、ここでいう瞬間とは、30〜60秒程度の時間を示している。
ここで、現在のところ知られている、エンドトキシンを含む試料とLALとの混和液のゲル化反応系のモデルによると、反応開始後の初期段階においては、コアギュロゲン(coagulogen)、コアギュリンモノマー(coagulin monomer)、小さいオリゴマー(small oligomer)などからなる小径の粒子によるゲル化反応の核が形成されるフェーズが存在する。
その後、上記の核により棒状やコイル状の要素(long rods、long random coil)が形成されるゲル化の初期フェーズとなる。そして、さらに時間が経過すると、混和液中の棒状の要素(long rods)の割合が低下し、コイル状の要素や光反射特性を有する物質、蛋白質(long random coil、the reflective species、proteins)などの要素の割合が増加し、この割合の変化が濁度の増加を引き起こす。
さらに時間が経過すると、コアギュリンモノマーがゲルのネットワークと直接的に関係し、直ちにその一部として取り込まれることにより、ゲルの遷移フェーズへと移行する。
現在のところ、上記の「小径の粒子」はエンドトキシンとLALとの反応系モデルにおけるsmall particles、coagulogen、coagulin monomer、small oligomerに相当し、「大径の粒子」はlong rods、long random coilに、「DC成分」はthe reflective species、proteinsに相当するのではないかと考えられている。
<実施例2>
次に本発明における実施例2について説明する。本実施例における凝集開始時刻は、自己相関係数の緩和係数が急激に減少して増加する挙動を示した際における、緩和係数が最小値となる時刻として検出される。なお、本実施例における測定系は図1に示す測定系1と同等である。
〔実験〕
reference standard endotoxinを5mLのLAL reagent water(以下、「LRW」ともいう。)で溶解して、2000EU/mLのエンドトキシン溶液を調製し、原液とした。この原液をLRWでさらに溶解し、0.001から100EU/mLの希釈系列を調製した。また、LAL試薬にはリムルスES−IIシングルテストワコー(和光純薬工業(株)製)を用いた。
〔測定前処理〕
200μLのエンドトキシン試料をLAL試薬ES−IIのガラス・チューブに加え、5秒間ボルテックスにて攪拌した。その後直ちに7mmφのガラス製試料セル(キュベット)に移し変え、測定系1を用いて測定した。なお、試料セルは予め250℃、2時間以上で乾熱滅菌したものを用いた。
〔結果〕
上記測定において取得された、散乱光強度の揺らぎの自己相関関数に関し、緩和係数の時間的変化を測定した結果を図3に示す。ここで、緩和係数は、例えば図2に示したような自己相関関数のグラフの横軸を対数軸ではなく線形軸とした場合の、自己相関関数の減少部分の傾きを示している。図3より、反応開始後の時間経過とともに緩和時間は増加するが、ある時刻に急激に減少することが分かる。上記測定を様々な濃度のエンドトキシンを含む試料について行ったところ、この緩和係数の不連続な減少は、測定試料のエンドトキシン濃度によらず必ず出現することが判った。また、エンドトキシンとLALとの反応開始後この現象が起こるまでの時間は試料におけるエンドトキシン濃度に依存しているこ
とが判った。本実施例においては緩和係数が急激に減少した時刻(緩和係数が最小値となった時刻)を凝集開始時刻として捉えることとした。
本実施例において測定された凝集開始時刻をエンドトキシン濃度に対してプロットしたところ、図4に示すようになった。図4において白丸は従来の(静的な)光散乱法によって測定された凝集開始時間を示す。一方、黒丸は、本実施例に係る方法によって得られた凝集開始時刻である。図より、本実施例に係る方法によって凝集開始時間を検出するのに要した時間は、従来の静的な光散乱法によって測定された方法に比べ、半分程度となっており、より短時間になっている。これらの結果から、エンドトキシンとLALとの反応の進行状況を自己相関関数の形状変化として捉えることによって、より短時間にエンドトキシンを測定することが可能となる。
従来より、比濁法による測定においては、凝集開始時刻は、エンドトキシンを含む試料とLAL試薬との混和液の透過率が例えば、測定開始直後の100%から95%へ低下した時刻としていた。また、(静的な)光散乱法では、凝集開始時間は、凝集塊が例えば20個以上になった時刻としていた。しかしながら上記の95%や20個という値は測定者の都合で人為的に決定された値に過ぎず物理的意味が明確でなかった。これに対して、本実施例に係る、自己相関関数の緩和係数の減少時を凝集開始時刻とする方法においては、実際にエンドトキシンとLALとの反応系において、DC成分が上昇する前の瞬間、すなわち、蛋白質の変性やゲルのネットワーク化が進行する前の瞬間を捉えているという解釈物理的な意味を持っている。
また、上述のように本実施例に係る方法によれば、(静的な)光散乱法による凝集開始時間の半分程度の時間で測定が可能となることを確認できた。また、本実施例に係る方法によれば、レーザー光の径を大きくするなどの手段により測定領域を拡大することで、測定時間を増やすことなく散乱光データ数を増加させることができる(時間平均ではなく集合平均で処理することができる)。また、測定領域を拡大しても従来の(静的な)光散乱法のようにS/N比の低下を招く危険性も少ない。従って、従来の(静的な)光散乱法では問題になる測定領域拡大を、本発明に係る方法では測定の迅速化、高感度化にむしろ有効に利用することができる。
なお、実施例2においては、緩和係数が急激に減少し、緩和係数が最小値となった時刻を凝集開始時刻として捉えることとしたが、緩和係数が急激に減少し始めた後で回復するまでの時間内であれば、緩和係数が最小値とはなっていない時刻をもって凝集開始時刻としても、充分に精度よくまたは早期に凝集の開始を検出することが可能である。上記の、緩和係数が急激に減少し始めた後で回復するまでの時間における時刻は、本実施例において、緩和係数が時間の経過とともに一旦減少して増加する際の時刻に相当する。
また、上記の実施例においては、エンドトキシンとLALとの反応系からの散乱光強度の揺らぎにおける周波数分布の時間的変化を取得するために、自己相関関数を取得したが、本発明においては必ずしも、散乱光強度の揺らぎにおける周波数分布の自己相関関数を取得する必要はない。自己相関関数の形状の時間的変化に現れた傾向は、周波数分布を示す如何なるグラフにも現れる筈であるので、上記した実施例と同等の方法を適用することで凝集開始時刻を高精度にまたは早期に取得することが可能である。
また、上記の実施例においては、所定生理活性物質の例としてエンドトキシンを測定する場合について説明したが、上記の実施例は、β−D−グルカンをはじめとする他の所定生理活性物質に対しても適用可能である。
1・・・測定系
2・・・光源
3・・・入射光学系
4・・・試料セル
5・・・出射光学系
6・・・受光素子
7・・・増幅回路
8・・・ノイズ除去フィルタ
9・・・コリレータ
10・・・演算装置
11・・・攪拌子
12・・・マグネチックスターラー

Claims (13)

  1. 試料中に存在する生物由来の生理活性物質とカブトガニの血球抽出物であるLALとを反応させることで、前記試料中の前記生理活性物質を検出しまたは前記生理活性物質の濃度を測定する、生物由来の生理活性物質の測定方法であって、
    前記試料とLALとの混和後において、前記試料とLALとの混和液中に光を入射するとともに該入射光の前記混和液による散乱光の強度を取得し、
    前記散乱光の強度の揺らぎの周波数分布の時間的変化に基づいて前記混和液における凝集開始時刻を検出し、
    該凝集開始時刻より前記試料中の前記生理活性物質を検出しまたは濃度を測定し、
    前記散乱光の強度の揺らぎの自己相関関数を取得し、
    該自己相関関数の形状の時間的変化に基づいて前記混和液における凝集開始時刻を検出し、
    前記自己相関関数の形状において、遅延時間の短い所定領域における脈動が消失した時刻をもって、前記凝集開始時刻とすることを特徴とする生物由来の生理活性物質の測定方法。
  2. 前記自己相関関数の形状において、遅延時間の短い所定領域における脈動が消失するとともに、該所定領域より遅延時間の長い領域において脈動が出現した時刻をもって、前記凝集開始時刻とすることを特徴とする請求項1に記載の生物由来の生理活性物質の測定方法。
  3. 前記所定領域は、遅延時間が1msec以下の領域であることを特徴とする請求項1または2に記載の生物由来の生理活性物質の測定方法。
  4. 試料中に存在する生物由来の生理活性物質とカブトガニの血球抽出物であるLALとを反応させることで、前記試料中の前記生理活性物質を検出しまたは前記生理活性物質の濃度を測定する、生物由来の生理活性物質の測定方法であって、
    前記試料とLALとの混和後において、前記試料とLALとの混和液中に光を入射するとともに該入射光の前記混和液による散乱光の強度を取得し、
    前記散乱光の強度の揺らぎの周波数分布の時間的変化に基づいて前記混和液における凝集開始時刻を検出し、
    該凝集開始時刻より前記試料中の前記生理活性物質を検出しまたは濃度を測定し、
    前記散乱光の強度の揺らぎの自己相関関数を取得し、
    該自己相関関数の形状の時間的変化に基づいて前記混和液における凝集開始時刻を検出し、
    前記自己相関関数における緩和係数が時間の経過とともに一旦減少して増加する際の時刻をもって、前記凝集開始時刻とすることを特徴とする生物由来の生理活性物質の測定方法。
  5. 前記自己相関関数における緩和係数が時間の経過とともに一旦減少して増加する際の最小値となる時刻をもって、前記凝集開始時刻とすることを特徴とする請求項4に記載の生物由来の生理活性物質の測定方法。
  6. 前記散乱光の強度を取得する際には、前記混和液を攪拌することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の生物由来の生理活性物質の測定方法。
  7. 前記生物由来の生理活性物質は、エンドトキシンまたはβ−D−グルカンであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の生物由来の生理活性物質の測定方法。
  8. 試料中に存在する生物由来の生理活性物質とカブトガニの血球抽出物であるLALとを反応させることで、前記試料中の前記生理活性物質を検出しまたは前記生理活性物質の濃度を測定する、生物由来の生理活性物質の測定装置であって、
    前記試料とLALとの混和液を光の入射可能に保持し、前記生理活性物質とLALとの反応を進行させる混和液保持手段と、
    前記混和液保持手段中の混和液に光を入射する光入射手段と、
    前記混和液保持手段中の混和液を攪拌する攪拌手段と、
    前記入射光の前記混和液による散乱光を受光し電気信号に変換する受光手段と、
    前記受光手段において変換された電気信号から取得される前記散乱光の強度の揺らぎにおける周波数分布の時間的変化に基づいて前記混和液における凝集開始時刻を検出する凝集開始時刻検出手段と、
    前記凝集開始時刻検出手段によって検出された凝集開始時刻より前記試料中の前記生理活性物質を検出しまたは濃度を導出する導出手段と、
    を備え、
    前記凝集開始時刻検出手段は、
    前記散乱光の強度の揺らぎの自己相関関数を取得し、
    該自己相関関数の形状の時間的変化に基づいて前記混和液における凝集開始時刻を検出し、
    前記自己相関関数の形状において、遅延時間の短い所定領域における脈動が消失した時刻をもって、前記凝集開始時刻とすることを特徴とする生物由来の生理活性物質の測定装置。
  9. 前記凝集開始時刻検出手段は、
    前記自己相関関数の形状において、遅延時間の短い所定領域における脈動が消失するとともに、該所定領域より遅延時間の長い領域において脈動が出現した時刻をもって、前記凝集開始時刻とすることを特徴とする請求項8に記載の生物由来の生理活性物質の測定装置。
  10. 前記所定領域は、遅延時間が1msec以下の領域であることを特徴とする請求項8または9に記載の生物由来の生理活性物質の測定装置。
  11. 試料中に存在する生物由来の生理活性物質とカブトガニの血球抽出物であるLALとを
    反応させることで、前記試料中の前記生理活性物質を検出しまたは前記生理活性物質の濃度を測定する、生物由来の生理活性物質の測定装置であって、
    前記試料とLALとの混和液を光の入射可能に保持し、前記生理活性物質とLALとの反応を進行させる混和液保持手段と、
    前記混和液保持手段中の混和液に光を入射する光入射手段と、
    前記混和液保持手段中の混和液を攪拌する攪拌手段と、
    前記入射光の前記混和液による散乱光を受光し電気信号に変換する受光手段と、
    前記受光手段において変換された電気信号から取得される前記散乱光の強度の揺らぎにおける周波数分布の時間的変化に基づいて前記混和液における凝集開始時刻を検出する凝集開始時刻検出手段と、
    前記凝集開始時刻検出手段によって検出された凝集開始時刻より前記試料中の前記生理活性物質を検出しまたは濃度を導出する導出手段と、
    を備え、
    前記凝集開始時刻検出手段は、
    前記散乱光の強度の揺らぎの自己相関関数を取得し、
    該自己相関関数の形状の時間的変化に基づいて前記混和液における凝集開始時刻を検出し、
    前記自己相関関数における緩和係数が時間の経過とともに一旦減少して増加する際の時刻をもって、前記凝集開始時刻とすることを特徴とする生物由来の生理活性物質の測定装置。
  12. 前記凝集開始時刻検出手段は、
    前記自己相関関数における緩和係数が時間の経過とともに一旦減少して増加する際の最小値となる時刻をもって、前記凝集開始時刻とすることを特徴とする請求項11に記載の生物由来の生理活性物質の測定装置。
  13. 前記生物由来の生理活性物質は、エンドトキシンまたはβ−D−グルカンであることを特徴とする請求項8から12のいずれか一項に記載の生物由来の生理活性物質の測定装置。
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