JP5398297B2 - 多孔質炭素電極基材の製造方法 - Google Patents
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Description
2枚以上の炭素短繊維紙がフェノール樹脂炭化物を介して積層されてなる、炭素短繊維の繊維配向度が2〜5である多孔質炭素電極基材の製造方法であって、
(1)炭素短繊維とバインダーとを含む紙料を抄紙する工程、
(2)前記抄紙後の紙料を連続して抄紙用フェルトの間に挟んで0〜0.05MPaの圧力で押圧し、水分率を80〜85%とした後、乾燥して炭素短繊維紙を得る工程、
(3)2枚以上の前記炭素短繊維紙にフェノール樹脂を含浸し、積層する工程、
(4)前記積層した炭素短繊維紙を、加熱しながら5〜18MPa以下の圧力でプレスして前記フェノール樹脂を硬化した後、炭素化する工程、
とを有する方法である。
本発明に係る多孔質炭素電極基材の製造方法は、
2枚以上の炭素短繊維紙がフェノール樹脂炭化物を介して積層されてなる、炭素短繊維の繊維配向度が2〜5である多孔質炭素電極基材の製造方法であって、
(1)炭素短繊維とバインダーとを含む紙料を抄紙する工程、
(2)前記抄紙後の紙料を連続して抄紙用フェルトの間に挟んで0〜0.05MPaの圧力で押圧し、水分率を80〜85%とした後、乾燥して炭素短繊維紙を得る工程、
(3)前記炭素短繊維紙にフェノール樹脂を含浸し、フェノール樹脂を含浸した2枚以上の炭素短繊維紙を積層する工程、
(4)前記積層した炭素短繊維紙を、加熱しながら5〜18MPa以下の圧力でプレスして前記フェノール樹脂を硬化した後、炭素化する工程、
とを有する方法である。
本発明に係る製造方法においては、まず、炭素短繊維とバインダーとを含む紙料を抄紙する。
本発明で用いる炭素短繊維の原料である炭素繊維は、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維及びレーヨン系炭素繊維等が挙げられるが、ポリアクリロニトリル系炭素繊維が好ましい。特に、用いる炭素繊維がポリアクリロニトリル系炭素繊維のみとすることが多孔質炭素電極基材の機械的強度を比較的高くすることができるため、より好ましい。
本発明の製造方法では、バインダーとしては、炭素短繊維との抄紙により炭素繊維紙中で各成分をつなぎとめる糊剤として働き、紙料を形成できる有機高分子化合物であれば、いずれも使用することができるが、特にポリビニルアルコールを用いることが好ましい。ポリビニルアルコールは、抄紙工程での結着力に優れるため炭素短繊維の脱落が少なく、バインダーとして好ましい。本発明では、ポリビニルアルコール等の親水性樹脂を繊維状として用いることも可能である。ポリビニルアルコール等の親水性樹脂は熱水中で膨潤し、乾燥後炭素繊維を結着するが、水分率が高いほど大きく膨潤する。本発明の方法では、抄紙下面に水分が集まるため、抄紙下面でポリビニルアルコール等の親水性樹脂が膨潤し、強く炭素繊維を結着する。
本発明においては、抄紙方法は特に限定されないが、例えば湿式抄紙法により抄紙することができる。具体的には、炭素短繊維とバインダーとを含む紙料を水中に均一に分散させた後、湿式連続抄紙装置により連続的に抄紙することができる。水中に分散させる炭素短繊維とバインダーの質量比は、炭素短繊維/バインダー=70/30〜95/5であることが好ましい。また、紙料と水の質量比は、紙料/水=1/50〜1/1000であることが好ましい。抄紙後の紙料の水分率は、85〜90%であることが好ましい。本抄紙工程における抄紙後の紙料の水分率の調節は、フェルトの張りや分散液を漉きだした際の脱水の強さの調整等により行うことができる。
次に、抄紙後の紙料を抄紙用フェルトの間に挟んで、0〜0.05MPaの圧力で押圧し、水分率を80〜85%とした後、乾燥して炭素短繊維紙を得る。
本発明の製造方法に用いる抄紙用フェルトは、水を多く含む抄紙後の紙料を移送する機能、押圧した際水分を搾り取る機能、面を平滑にする機能を有しているものが好ましい。例えば、日本フェルト株式会社製の抄紙用フェルトが挙げられる。
本発明の製造方法では、前記抄紙後の紙料を抄紙用フェルトの間に挟んで0〜0.05MPaの圧力で押圧する。湿式抄紙法で得られる抄紙後の紙料は、水分を多く含んでいるため、乾燥する前に抄紙用フェルトの間に挟んで押圧し、水分率を調節する。
本発明の製造方法では、押圧後の紙料に含まれる水分率が80〜85%であることが必須である。水分率が80%より小さい場合は、乾燥させたときのバインダーの効きが弱いため炭素短繊維紙の強度が低く、また、好ましいガス透過度を有する多孔質炭素電極基材が得られない。水分率が85%より大きい場合は、十分に水が絞れていないため、乾燥のムラが生じやすい。
水分率の測定は、抄紙後の紙料をサンプリングし、乾燥前後の質量を測定する方法と非接触式の水分計をラインにおいてモニターする方法があるが、本発明においては、前者の乾燥前後の質量を測定する方法で行う。水分率は、以下の式で算出される。
水分率(%)=(1−乾燥後の質量/乾燥前の質量)×100。
前記押圧後、抄紙後の紙料を乾燥する。炭素短繊維と炭素短繊維とをバインダーでつなぎとめるためには、水分が残っている状態で熱を加えて乾燥する。熱を加えないで乾燥した場合は、バインダーが膨潤しないため、炭素短繊維紙の強度が弱くなり好ましくない。
次に、2枚以上の前記炭素短繊維紙にフェノール樹脂を含浸し、積層する。
本発明で用いるフェノール樹脂としては、アルカリ触媒存在下においてフェノール類とアルデヒド類の反応によって得られるレゾールタイプフェノール樹脂を挙げることができる。
炭素短繊維紙にフェノール樹脂を含浸する方法としては、炭素短繊維紙にフェノール樹脂を含浸させることができればよく、特段の制限はない。しかし、コーターを用いて炭素短繊維紙表面にフェノール樹脂を均一にコートする方法(例えば、キスコート法)、絞り装置を用いるdip−nip方法、もしくは炭素短繊維紙とフェノール樹脂を含んだ樹脂フィルムを重ねてフェノール樹脂を炭素短繊維紙に転写する方法が、連続的に行うことができ、生産性及び長尺ものも製造できるという点で好ましい。
炭素短繊維紙に含浸するフェノール樹脂の樹脂量は、炭素短繊維紙に含まれる炭素短繊維100質量部に対し、70〜150質量部とすることが好ましい。ガス透過度が高い多孔質炭素電極基材を製造するには、多孔質炭素電極基材中のフェノール樹脂炭化物の比率が25〜40質量%になるようにフェノール樹脂を含浸しておく必要があるため、70〜150質量部のフェノール樹脂を含浸させることが好ましい。
本発明の炭素短繊維紙は、押圧をしない、又は極力小さくなるように制御しているため、片面のバインダーの接着力が強く、もう一方が弱い状態になる。このような場合、炭素短繊維紙を積層せずに焼成すると両面での収縮率に差が生じるため、シートが反る場合がある。このため、収縮率が対称になるように炭素短繊維紙を2枚以上積層することが必須である。
前記フェノール樹脂を含浸した2枚以上の炭素短繊維紙を、加熱しながら5〜18MPaの圧力でプレスして該フェノール樹脂を硬化した後、炭素化する。
2枚以上積層された炭素短繊維紙に含まれるフェノール樹脂を硬化させる方法としては、上下両面から平滑な剛板にて熱プレスする方法や、連続ベルトプレス装置を用いてプレスする方法を用いることができる。これにより、フェノール樹脂を硬化させるだけでなく、炭素短繊維紙表面を平滑にすることができる。特に、連続ベルトプレス装置を用いてプレスする方法が、長尺の多孔質炭素電極基材を製造できる観点から好ましい。
2枚以上のフェノール樹脂を含浸した炭素短繊維紙をプレスする際の圧力としては、5〜18MPaである必要がある。プレス圧力が5MPaより低い場合は、2枚のシートが十分に接着されず剥離する。また、プレス圧力が18MPaより高い場合は、かさ密度が高くなり、ガス透過度が面方向、貫通方向ともに低くなるため好ましくない。好ましくは、プレス圧力は、7〜15MPaである。
硬化後のフェノール樹脂の炭素化は、不活性処理雰囲気下にて1000〜3000℃の温度範囲で、炭素短繊維紙の全長にわたって連続して焼成処理することが好ましい。炭素化は、不活性ガス中で行うことで、多孔質炭素電極基材の導電性を高めることができる。また、炭素短繊維紙の全長にわたって連続して行うことが好ましい。多孔質炭素電極基材が長尺であれば、多孔質炭素電極基材の生産性が向上するだけでなく、その後工程のMembrane Electrode Assembly(MEA)製造も連続で行うことができ、燃料電池のコスト低減化に大きく寄与することができる。本発明の炭素化においては、不活性雰囲気下にて1000〜3000℃の温度範囲で焼成する炭素化処理の前に、300〜800℃の程度の不活性雰囲気での前処理を行ってもよい。
本発明の方法により製造される多孔質炭素電極基材は、炭素短繊維の繊維配向度が2〜5であり、好ましくは、2.5〜4である。繊維配向度は、多孔質炭素電極基材の縦方向(MD方向、貫通方向)と横方向(CD方向、面方向)の曲げ強度比(MD/CD)から算出される。
炭素短繊維を配向させる方法としては、前記工程(1)の抄紙工程において、供給された紙料をワイヤ側の最初のプレ脱水ゾーンで脱水する方法が挙げられる。一般的に、炭素短繊維分散液を流速の速い状態でワイヤに漉き出し、水を急激に脱水すると炭素短繊維は配向する。これにより、繊維配向度を前記範囲に制御することが可能である。
繊維配向度は、多孔質炭素電極基材の曲げ強度から求めることができる。曲げ強度の測定は、まず、多孔質炭素電極基材のMD方向又はCD方向がそれぞれ試験片の長辺になるように、80mm×10mmのサイズに10枚切り取る。曲げ強度試験装置(商品名:「SV−200」、株式会社今田製作所製)を用いて、支点間距離は20mmにし、歪み速度10mm/minで試験片に荷重をかけていき、荷重がかかり始めた点から試験片が破断したときの加圧くさびの破断荷重を10枚の試験片に対し測定し、次式より求める。
L:支点間距離(mm)
W:試験片の幅(mm)
h:試験片の高さ(mm)。
本発明に係る多孔質炭素電極基材は、本発明に係る方法により製造された多孔質炭素電極基材であって、以下の(A)及び(B)を満足するものである。
(A)面方向のガス透過度が0.05〜0.10ml/min/Paである
(測定条件:ガス流速200ml/min ガス透過面積0.785cm2)
(B)(貫通方向のガス透過度)/(面方向のガス透過度)が100〜200である。
(C)かさ密度が0.23〜0.30g/m2である
(D)1.0MPaの圧力を加えたとき最大面圧が1.0〜2.0MPaである。
本発明に係る多孔質炭素電極基材は、面方向のガス透過度が0.05〜0.10ml/min/Pa(測定条件:ガス流速200ml/min ガス透過面積0.785cm2)である。面方向にガス透過させることは多孔質炭素電極基材の重要な機能であり、この値が適正範囲にあることで、反応ガスの反応部への運搬及び生成水の系外への排出が効率良く行われる。面方向のガス透過度が0.05ml/min/Paより小さい場合は、反応ガスを十分に触媒反応層に運搬することができないため好ましくない。また面方向のガス透過度が0.10ml/min/Paより大きい場合は逆に反応ガスの流れが強くなるため、高分子膜の乾燥が進みやすくなるため好ましくない。
図2に示すように、加圧部の外形が30mmφ、ガス流通部の径が10mmφの円筒状の圧縮治具(圧縮部面積6.28cm2)に36mmφに切り出した多孔質炭素電極基材を挟み、1MPa相当の荷重5を加える。円筒の上方から200ml/minの流速で空気4を流したときの基材内側と基材外側の圧力差を測定し、以下の式より算出する。なお、ガス透過面積は0.785cm2である。
ガス透過度(ml/min/Pa)=流速(ml/min)/基材内側と基材外側の圧力差(Pa)。
本発明に係る多孔質炭素電極基材は、(貫通方向のガス透過度)/(面方向のガス透過度)が100〜200である。(貫通方向のガス透過度)/(面方向のガス透過度)が100より小さい場合、すなわち貫通方向と比較して面方向のガス透過度が高すぎる場合は、反応ガスが貫通方向に流れにくく、触媒層に十分浸透する前に排出されるため好ましくない。また、(貫通方向のガス透過度)/(面方向のガス透過度)が200より大きい場合は、反応ガスが面方向の触媒層全面に行き渡らないため、反応効率が低下し好ましくない。より好ましくは、120〜170である。
前記面方向のガス透過度の測定方法と同様の方法で多孔質炭素電極基材を挟み、ガス流路を貫通方向に変え、円筒の上方から200ml/minの流速で空気を流したときの基材上部と基材下部の圧力差を測定し、以下の式より算出する。なお、ガス透過面積は0.785cm2である。
ガス透過度(ml/min/Pa)=流速(ml/min)/基材上部と基材下部の圧力差(Pa)。
本発明に係る多孔質炭素電極基材は、かさ密度が0.23〜0.30g/m2であることが好ましい。より好ましくは0.24〜0.29g/m2である。かさ密度が0.23より小さい場合は、張り合わせた炭素短繊維紙が剥離しやすくなる場合がある。また、かさ密度が0.30より大きい場合は、ガス透過性及び排水性が低下する場合がある。
まず、厚み測定装置(商品名「ダイヤルシックネスゲージ7321」、株式会社ミツトヨ製)を使用し、多孔質炭素電極基材の厚みを測定する。なお、このときの測定子の大きさは直径10mmで、測定圧力は1.5kPaで行う。かさ密度は、測定した厚みを用いて、以下の式により算出する。なお、坪量の測定は、電子天秤により行うことができる。
かさ密度(g/cm3)=坪量(g/m2)/厚み(mm)/1000
<最大面圧>
本発明に係る多孔質炭素電極基材は、1.0MPaの圧力を加えたとき最大面圧が1.0〜2.0MPaであることが好ましい。より好ましくは、1.0〜1.8MPaである。
多孔質炭素電極基材のサンプルを20mm×20mmに切り出し、万能圧縮試験機(株式会社今田製作所製)の上に多孔質炭素電極基材及び圧力測定フィルム(商品名:「プレスケールLLW」、富士フィルム株式会社製)を載せ、1MPaの圧力で圧縮する。圧縮後、図3に示すように圧力測定フィルムに色がついたことを確認し、圧力解析システム(商品名:「FPD−9210」、富士フィルム株式会社製)にて圧力を読み込み、その中で最も高い圧力を示す部分を「最大面圧」とする。
平均繊維径が7μm、平均繊維長が3mmのポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維(7μm径CF)(商品名:「パイロフィルTR50S」、三菱レイヨン株式会社製)86質量部、ポリビニルアルコール(PVA)(商品名:「VPB107」、株式会社クラレ製)14質量部を、水10000質量部を分散媒体として均一に分散させた。その後、湿式連続抄紙装置で連続的に抄紙した。抄紙後の紙料の水分率は、89%であった。引き続き、抄紙後の紙料を、2枚の抄紙用フェルト(日本フェルト(株)製)の間に押圧せずに挟んだ(押圧の圧力:0MPa)。該抄紙用フェルトに挟んだ抄紙後の紙料の水分率は、挟む前と同様に82%であった。その後、熱ロールに接触させて乾燥し、炭素繊維の目付が約21g/m2の長尺の炭素短繊維紙を得て、ロール状に巻き取った。
ダブルベルトプレス装置にて連続的に加えるプレス圧力を14MPaにした以外は、実施例1と同様の方法で多孔質炭素電極基材を連続的に得た。該多孔質炭素電極基材の各物性を表1に示す。
繊維配向度を2.0から4.0に変えた以外は、実施例1と同様の方法で多孔質炭素電極基材を連続的に得た。該多孔質炭素電極基材の各物性を表1に示す。
抄紙後の紙料を抄紙用フェルトの間に挟んで、0.2MPaで押圧し、水分率を70質量%にした以外は、実施例1と同様の方法で多孔質炭素電極基材を連続的に得た。該多孔質炭素電極基材は、(貫通方向のガス透過度)/(面方向のガス透過度)が大きく(すなわち貫通方向に比べて面方向のガス透過度が小さく)、燃料電池用のガス拡散層に用いる電極基材としては適当でなかった。
実施例1と同じ、フェノール樹脂を含む炭素短繊維紙を2枚20cm×20cmに切り出し、炭素短繊維の配向方向が直交するように重ねあわせ、離形剤コーティング基材で挟み、バッチ装置にて3分間加熱プレス(プレス時最大荷重:1.3MPa)し、樹脂硬化炭素短繊維紙を得た。続いて、該樹脂硬化炭素短繊維紙を、最高温度2000℃の連続焼成炉において10時間焼成し、多孔質炭素電極基材を得た。得られた多孔質炭素電極基材のMD/CDは1.1であった。該多孔質炭素電極基材は、比較例1と同様に、(貫通方向のガス透過度)/(面方向のガス透過度)が大きいため、燃料電池用のガス拡散層に用いる電極基材としては適当でなかった。
ダブルベルトプレス装置にて連続的に加えるプレス圧力を20MPaにした以外は、実施例1と同様の方法で多孔質炭素電極基材を連続的に得た。該多孔質炭素電極基材は、かさ密度が高く、ガス透過度が面方向、貫通方向ともに実施例より低く、燃料電池用のガス拡散層に用いる電極基材としては適当でなかった。
平均繊維径が7μmのポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維の繊維束を切断し、平均繊維長が3mmの短繊維を得た。次にこの短繊維束100質量部と、直径100μmのビニロン繊維200質量部を水中で解繊し、十分に分散したところにバインダーであるポリビニルアルコール(PVA)の短繊維を60質量部となるように均一に分散させ、標準角形シートマシンを用いてJIS P−8222法に準拠して抄紙を行った。得られた炭素短繊維紙は単位面積当たりの質量が90g/m2であった。
2 抄紙用フェルト
3 熱ロール
4 空気
5 荷重
Claims (5)
- 2枚以上の炭素短繊維紙がフェノール樹脂炭化物を介して積層されてなる、炭素短繊維の繊維配向度が2〜5である多孔質炭素電極基材の製造方法であって、
(1)炭素短繊維とバインダーとを含む紙料を抄紙する工程、
(2)前記抄紙後の紙料を連続して抄紙用フェルトの間に挟んで0〜0.05MPaの圧力で押圧し、水分率を80〜85%とした後、乾燥して炭素短繊維紙を得る工程、
(3)前記炭素短繊維紙にフェノール樹脂を含浸し、フェノール樹脂を含浸した2枚以上の炭素短繊維紙を積層する工程、
(4)前記積層した炭素短繊維紙を、加熱しながら5〜18MPaの圧力でプレスして前記フェノール樹脂を硬化した後、炭素化する工程、
とを有する方法。 - 前記バインダーが、ポリビニルアルコールである請求項1に記載の多孔質炭素電極基材の製造方法。
- 前記工程(3)において、前記2枚以上の炭素短繊維紙の抄紙下面側が、表面となるように積層する請求項1又は2に記載の多孔質炭素電極基材の製造方法。
- 前記工程(3)において、前記炭素短繊維紙へのフェノール樹脂の含浸が、キスコート法により前記炭素短繊維紙の両面にフェノール樹脂を付着させるものである請求項1から3のいずれか1項に記載の多孔質炭素電極基材の製造方法。
- 前記工程(3)において、前記炭素短繊維紙に含浸させるフェノール樹脂の量が、前記炭素短繊維紙中の炭素短繊維100質量部に対し、70〜150質量部である請求項1から4のいずれか1項に記載の多孔質炭素電極基材の製造方法。
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