JP2003286085A - 多孔質炭素板およびその製造方法 - Google Patents

多孔質炭素板およびその製造方法

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JP2003286085A JP2002088350A JP2002088350A JP2003286085A JP 2003286085 A JP2003286085 A JP 2003286085A JP 2002088350 A JP2002088350 A JP 2002088350A JP 2002088350 A JP2002088350 A JP 2002088350A JP 2003286085 A JP2003286085 A JP 2003286085A
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carbon plate
plate
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Sachiyo Yoshida
幸代 吉田
Shuichi Inogakura
周一 猪ヶ倉
Mikio Inoue
幹夫 井上
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    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】気体透過性が良好で、電気抵抗が低く、対極と
の短絡を起こす心配がなく、また加圧によっても壊れ難
く、しかも他の部材との接触性が良好な固体高分子型燃
料電池用多孔質炭素板、および該多孔質炭素板を効率的
に製造する方法を提供すること。 【解決手段】実質的に二次元平面内においてランダムに
分散した炭素短繊維を炭素により結着させた多孔質炭素
板において、少なくとも一方の面の中心線平均粗さRa
(JIS B 0601)が15μm以下であり、か
つ、切断レベルが20μmのとき負荷長さ率tpが50
%以上であることを特徴とする多孔質炭素板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、たとえば固体高
分子型燃料電池電極基材や電解用電極など、導電性、耐
腐食性、熱伝導性、強度、多孔性、気体透過性、接触性
等を生かした用途に好適な多孔質炭素板に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池用電極基材には、集電機能に加
えて電極反応に関与する物質の拡散・透過性が要求され
る。すなわち電極基材を構成する材料には、導電性、気
体拡散・透過性、ハンドリングに耐えるための強度等が
必要とされる。また、燃料電池用電極基材は、燃料電池
の構造として、片面が気体流路セパレータと接し、反対
面が触媒層を介して高分子電解質膜と接する構造になっ
ている。高分子電解質膜の強度は高くなってきてはいる
が、厚みが薄くなっていることから、電極基材の凸部が
貫通することで、短絡を起こす虞がある。また、電極基
材の表面が粗いと複雑な溝を持つセパレータとの電極基
材の接触性が低下し、気体漏れを起こす虞がある。した
がって、電極基材の表面構造は凸部がなく、表面平滑性
が高いことが要求される。
【0003】また、高分子電解質膜、触媒層および電極
基材とを一体化するときに加圧することも多いために、
電池を組むときの加圧だけでなく、一体化時の加圧によ
っても壊れないこと、また高分子電解質膜を通しての短
絡を起こさないことが要求される。
【0004】従来、このような燃料電池の電極基材とし
ては、たとえば特開平6−20710号公報、特開平7
−326362号公報、特開平7−220735号公報
に記載されるような、炭素短繊維を炭素で結着してなる
多孔質炭素板を用いたものが知られている。このような
電極基材は、まず炭素繊維またはその前駆体繊維からな
る短繊維の集合体を作り、これに樹脂を含浸または混合
し、さらに焼成することによって作られるが、密度が低
い場合には、電極製造時や電池に組んだときの加圧によ
り結着した炭素が崩壊しやすいという問題がある。
【0005】さらに、特開平7−105957号公報に
記載のものは、炭素短繊維が任意の方向に向いているた
めに、電極製造時や電池に組んで加圧したときに厚み方
向を向いている炭素短繊維が高分子電解質膜を突き抜け
て対極との短絡を起こしたり、炭素短繊維の折損を起こ
したりしやすい。また、特開平8−7897号公報に
は、電極となる高分子電解質膜、触媒反応層、拡散層の
接合体の拡散層側表面に、その拡散層に含まれる炭素粒
子と絡み合った状態で炭素短繊維を付着させたものが記
載されているが、炭素短繊維が拡散層中の炭素粒子と絡
み合うことで固定されているために表面に現れている炭
素短繊維は全て接合体の面方向からある角度をもってそ
の厚み方向を向いていることになり、電池に組んで加圧
したときに炭素短繊維が高分子電解質膜を通して対極と
の短絡を起こしたり、炭素短繊維の折損を起こしたりし
やすいという問題がある。
【0006】一方、燃料電池用電極基材の要求特性に
は、上述した導電性や気体透過・拡散性、ハンドリング
に耐える強度等に加えて、触媒層との接合が良好である
ことも求められる。触媒層との接合に関しては、電極基
材と触媒層との間においても、電気抵抗が低く、気体透
過性が良好であることが必要である。ところが、従来の
電極基材では、気体透過性を向上させる場合、電極基材
の空孔率を高めた粗な構造となり、触媒層との接合が不
良になるという課題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、従来の技
術における上述した問題点に鑑みてなされたもので、そ
の目的とするところは、気体透過性が良好であり、対極
との短絡を起こす心配が少なく、また、加圧によっても
壊れる虞が少ないうえに、燃料電池電極基材として用い
た場合には触媒層との接合が良好で、接触有効表面積が
大きく、接触性の良好な多孔質炭素板を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、実質的に二次元平面内においてランダムに
分散した炭素短繊維を炭素により結着させた多孔質炭素
板において、少なくとも一方の面の中心線平均粗さRa
(JIS B 0601)が15μm以下であり、か
つ、切断レベルが20μmのとき負荷長さ率tpが50
%以上であることを特徴とする多孔質炭素板である。
【0009】また、上記目的を達成するための本発明の
製造方法は、実質的に二次元平面内においてランダムに
分散させた炭素短繊維と樹脂との混合体を、表面の中心
線平均粗さRa(JIS B 0601)が1.0μm以
下の離型板を介して2段以上に積層して圧縮成形した
後、その圧縮成形品を炭素化処理することを特徴とする
ものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を説明する。
【0011】まず、本発明の多孔質炭素板の好ましい形
態を説明する。多孔質炭素板に含まれる炭素短繊維はど
のようなものでも用いることができるが、ポリアクリロ
ニトリル(以後PANと略す)系炭素繊維、ピッチ系炭
素繊維、レーヨン系炭素繊維、フェノール系炭素繊維等
の炭素繊維を用いることができる。電極基材の強度を高
くするために、PAN系炭素繊維またはピッチ系炭素繊
維を用いるのが好ましく、PAN系炭素繊維を用いるの
がさらに好ましい。
【0012】炭素繊維の繊維径としては、4〜20μm
程度とすることが好ましく、特に4〜10μmとするこ
とが電極基材強度を高くするためにより好ましい。偏平
な断面の炭素繊維の場合は、長径と短径の平均を繊維径
とする。短繊維の長さは3〜20mm程度とすることが
好ましく、5〜15mm程度とするのが製造の容易さお
よび電極基材の強度を高くするためにさらに好ましい。
【0013】本発明は、実質的に二次元平面内において
ランダムに分散させた上記の炭素短繊維を炭素により互
いに結着してなる混合体を炭素化処理した多孔質炭素板
である。炭素短繊維が実質的に二次元平面内においてラ
ンダムに分散されているということの意味は、炭素短繊
維がおおむね一つの面を形成するように横たわっている
というほどの意味である。このことにより炭素短繊維に
よる対極との短絡や炭素短繊維の折損を防止することが
できる。
【0014】炭素短繊維を互いに結着させる炭素として
は、たとえば樹脂の加熱による炭素化によって得られ
る。炭素化可能な樹脂としては、加熱により炭素化する
もの、たとえばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、フラン
樹脂、メラミン樹脂、ピッチなどである。多孔質炭素板
の電気抵抗を低減させるためには、加熱して炭素化処理
したとき残炭率の高い樹脂が好ましく、特にフェノール
樹脂が好ましい。
【0015】上述したように本発明の多孔質炭素板は、
少なくとも一方の面の中心線平均粗さRaが15μm以
下であり、かつ、切断レベルが20μmのとき負荷長さ
率tpが50%以上のであることを特徴とする多孔質炭
素板である。
【0016】中心線平均粗さRaの測定は、JIS B
0601(1994)に準じて行う。具体的には、先端
曲率半径0.3mmの触針を用いて測定力0.4gf、
カットオフなし、基準長さ12.5mmで測定を行う。
上記の様に中心線平均粗さRaは15μm以下が好まし
く、これより大きいと接着性が悪くなったり、加圧する
ことで多孔質炭素板の表面の欠損が生じ、高分子電解質
膜を通して対極との短絡を起こしたりする虞がある。加
圧による多孔質炭素板の表面の欠損を防ぐためにはRa
はより小さいことが好ましい。より好ましくは12μm
以下、さらに好ましくは9μm以下である。
【0017】負荷長さ率tpの測定は、JIS B 06
01に準じて行う。具体的には、先端曲率半径0.3m
mの触針を用いて測定力0.4gf、カットオフなし、
基準長さ12.5mmで測定を行う。上記の様に、より
低圧下においても接触有効表面積を増加させるには、切
断レベルが20μmのとき負荷長さ率tpは50%以上
必要である。また電気抵抗を低減させるためには、60
%以上がより好ましい。
【0018】多孔質炭素板の電気抵抗は、2枚の炭素板
の間に挟んで0.196MPaの一様な面圧をかけたと
き、1.0Aの電流を流して、電気抵抗を測定する。面
圧が高ければ多孔質炭素板の構造が破壊されて抵抗値が
正確に測定できないので、比較的低い面圧で電気抵抗を
測定し比較を行うのがよい。燃料電池用の電極基材とし
て用いるとき、電気抵抗は、30.0mΩ・cm2以下
になることが好ましく、25mΩ・cm2以下がより好
ましい。
【0019】多孔質炭素板の接触性の評価としては、抵
抗比を用いるのがよい。ここでいう抵抗比とは、上記し
た電気抵抗値を多孔質炭素板の両面に接する水銀間に電
流を流して測定した基材抵抗値で割ったものである。こ
の抵抗比が小さいほど、多孔質炭素板と他の部材との接
触性が良好であるといえる。本発明の多孔質炭素板の抵
抗比としては、22mΩ・cm2以下であることが好ま
しい。表面平滑性が高いほど、接触有効表面積が増加す
るため、抵抗比は低減させることができる。
【0020】多孔質炭素板の嵩密度としては、0.25
〜0.85g/cm3程度であればよい。嵩密度が高い
と電気抵抗は低減できるが、気体透過性が下がる。ま
た、嵩密度が低いと多孔質炭素板の圧縮強度が低下し、
加圧により構造が破壊される虞がある。このため、嵩密
度は、気体透過性および圧縮強度が共に良好であるため
には、0.38〜0.48g/cm3程度がより好まし
い。
【0021】次に、本発明の多孔質炭素板の製造方法に
ついて、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発
明の製造方法を説明するための縦断面図であり、混合体
1を4枚の離型板2を介して3段に積層し、上下から圧
縮成形する様子を示している。
【0022】本発明の多孔質炭素板の製造方法は、実質
的に二次元平面内においてランダムに分散させた炭素短
繊維をマトリックス樹脂の含浸により互いに結着させた
混合体1を、表面の中心線平均粗さRaが1.0μm以
下の離型板2を介して2段以上に積層して圧縮成形した
後、その圧縮成形品を炭素化処理することを特徴とす
る。
【0023】炭素短繊維を実質的に二次元平面内におい
てランダムに分散させる方法としては、液体の媒体中に
炭素短繊維を分散させて抄造する湿式法や、空気中で炭
素短繊維を分散させて降り積もらせる乾式法がある。炭
素短繊維を確実に二次元平面内においてランダムに分散
させるため、また、強度を高くするためには、湿式法が
好ましい。実質的に二次元平面内においてランダムに分
散した炭素短繊維は、取り扱い易さのために抄造用バイ
ンダで結着することが好ましい。抄造用バインダとして
は、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエステル、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、セルロース、パルプ等
を用いることができる。抄造用バインダの付着量は5〜
40重量%が好ましく、10〜30重量%がより好まし
く、15〜25重量%がさらに好ましい。
【0024】炭素で炭素短繊維を互いに結着させる方法
としては、たとえば樹脂の加熱による炭素化によって得
られる。炭素化する樹脂で炭素短繊維を互いに決着させ
る方法としては、炭素短繊維を二次元平面内においてラ
ンダムに分散させるときに繊維状、粒状、液状の樹脂を
混合する方法と、炭素短繊維が実質的に二次元平面内に
おいてランダムに分散された集合体に繊維状、液状の樹
脂を付着させる方法等がある。本発明の多孔質炭素板の
場合には樹脂を液状で含浸するか、後の工程で溶融する
樹脂を用いることが電極基材の強度を高く、また導電性
を高くするために好ましい。また含浸時に樹脂を溶媒に
溶かし、含浸後に溶媒を除くこともよく用いられる方法
である。炭素短繊維に対する樹脂の添加量としては、用
いる炭素短繊維と樹脂の種類によって変わるが、たとえ
ば多孔質炭素板の嵩密度を0.25〜0.85g/cm
3とするためには、炭素繊維100重量部に対して樹脂
を50〜500重量部加える。
【0025】混合体1は、炭素短繊維と樹脂の接着性向
上、表面平滑性向上を達成するために、加熱による炭素
化処理の前に加熱加圧による圧縮成形が行われることが
好ましい。圧縮成形時の圧力としては、0.0098〜
1.96MPa程度が好ましく、0.098〜0.98
MPaとすることがより好ましい。さらに好ましくは、
圧力は0.1〜0.86MPa程度である。圧縮成形時
の圧力により基材密度を制御できるが、圧力が低過ぎる
と炭素短繊維と樹脂の接着性が悪くなり、圧力が高過ぎ
ると樹脂の過剰な流れ、材料の破損、また適度な多孔質
構造の確保ができなくなることがある。
【0026】圧縮成形時の温度としては、用いる樹脂
混合体1を2段以上に積層して圧縮成形するための離型
板2としては、積層した混合体1同士が融合しないこ
と、圧縮成形後に混合体1と離型板2とが容易に剥離す
ることが要求される。離型板2の材質としては、圧縮成
形温度下で燃焼・溶融・気体発生等を起こさず、かつ混
合体1と離型板2が容易に剥離されるものであれば、ど
んなものを用いてもよいが、硬度が低過ぎると圧縮成形
時に変形し、電極基材表面に凸凹を発生させる原因とな
る。したがって、圧縮成形圧に耐えることができ、熱伝
導性がよく、硬度の高いものが好ましい。離型板2の表
面形状は、圧縮成形によって多孔質炭素板の厚みムラが
発生しないために平坦である必要がある。そのため、離
型板2の表面の中心線平均粗さRaは1.0μm以下で
あることが必要であり、圧縮成形後の炭素短繊維が表面
に突出しないためには0.5μm以下が好ましい。離型
板2の厚みとしては、用いる材質によっても変わるが、
厚過ぎると熱の伝達を阻害するので、厚みは0.05〜
2.00mmであることが好ましい。一方、離型板2の
厚みが薄過ぎると圧縮成形によって反りが生じたり、ま
た混合体1との離型時に離型板2が変形したりすること
がある。これを防ぐためには、0.10〜1.00mm
がより好ましい。
【0027】積層段数の上限値としては、用いる離型板
2の材質および厚みによっても変わるが、積層段数が多
過ぎると混合体1への熱の伝達に差が生じて樹脂の硬化
にムラが発生する虞があるので、150段程度が好まし
い。
【0028】混合体1の炭素化処理工程の温度として
は、樹脂の炭素化による導電性の発現のために700℃
以上が好ましく、導電性および熱伝導性を高くし、不純
物を減らし、耐食性を高めるために1300℃以上であ
ることがより好ましく、2000℃以上とすることがさ
らに好ましい。また炭素化処理工程は、炭化工程および
黒鉛化工程の2段階に分けて行ってもよい。
【0029】炭素化処理工程において、混合体1にかけ
る圧力としては、圧力が高過ぎると多孔質炭素板の空孔
率が低下して、気体透過性が悪くなるため、0.009
8MPa以下であることが好ましい。圧力が低過ぎると
多孔質炭素板の密度が低下するため、0.00098〜
0.0049MPa程度がより好ましい。
【0030】本発明の多孔質炭素板は、機械的強度を比
較的高く保ったまま、電気抵抗を低減し、表面平滑性が
改善された多孔質炭素板であり、燃料電池積層体の構成
材料として好適である。
【0031】
【実施例】以下本発明の詳細を実施例を用いてさらに説
明する。 (実施例1)東レ株式会社製PAN系炭素繊維“トレ
カ”T300(平均短繊維径:7μm、単繊維数:60
00本)を長さ12mmに切断し、よく解繊した後、そ
れが0.04重量%になるように水中に分散させ、金網
上に抄造し、さらにそれをポリビニルアルコールの10
重量%水溶液に浸漬し、引き上げて乾燥し、炭素短繊維
100重量部に対してバインダであるポリビニルアルコ
ールが約30重量%付着したシート状中間基材を得た。
【0032】次に、上記中間電極基材を、レゾール型フ
ェノール樹脂100重量部に対して同重量部のノボラッ
ク型フェノール樹脂を含む混合樹脂の6重量%メタノー
ル溶液に浸漬し、引き上げて炭素短繊維100重量部に
対して混合樹脂を約200重量部付着させ、さらに90
℃で3分間加熱して乾燥した混合体1を得た。この混合
体1を表面の中心線平均粗さRaが0.4μm、厚みが
0.05mmのポリエステル製の離型板2を介して10
段積層し、145℃の温度下において0.50MPaの
圧力を25分間加えてレゾール型フェノール樹脂を硬化
させた。
【0033】次に、硬化により固くなった混合体1を、
窒素雰囲気中にて2400℃で30分間加熱して樹脂を
炭素化し、多孔質炭素板を得た。 (実施例2)実施例1と同様の方法で得られる混合体1
を表面の中心線平均粗さRaが0.4μm、厚みが0.
10mmのポリエステル製の離型板2を介して10段積
層し、実施例1と同様の方法で圧縮成形を行い混合体1
を硬化した。次に、混合体1を実施例1と同様の方法で
炭素化し、多孔質炭素板を得た。
【0034】(実施例3)実施例1と同様の方法で得ら
れる混合体1を表面の中心線平均粗さRaが0.3μ
m、厚みが0.5mmのステンレス製の離型板2を介し
て10段積層し、実施例1と同様の方法で圧縮成形を行
い混合体1を硬化した。次に、混合体1を実施例1と同
様の方法で炭素化し、多孔質炭素板を得た。
【0035】(比較例1)実施例1と同様の方法で得ら
れる混合体1を表面の中心線平均粗さRaが0.4μ
m、厚みが0.025mmのポリエステル製の離型板2
を介して10段積層し、実施例1と同様の方法で圧縮成
形を行い混合体1を硬化した。次に、混合体1を実施例
1と同様の方法で炭素化し、多孔質炭素板を得た。
【0036】(比較例2)実施例1と同様の方法で得ら
れる混合体1を表面の中心線平均粗さRaが8.0μ
m、厚みが0.8mmのステンレス製の離型板2を介し
て10段積層し、実施例1と同様の方法で圧縮成形を行
い混合体1を硬化した。次に、混合体1を実施例1と同
様の方法で炭素化し、多孔質炭素板を得た。
【0037】以上の多孔質炭素板の物性を表1にまとめ
る。
【0038】
【表1】
【0039】表1より、本発明の実施例1〜3の多孔質
炭素板は、比較例1、2のものに比べて、本発明の目的
である表面平滑性、電気抵抗が向上していることが分か
った。
【0040】
【発明の効果】本発明の多孔質炭素板は、表面が平坦で
接触有効表面積が大きく、気体透過性を比較的高く保っ
たまま電気抵抗が低減し、しかも接触性が良好な多孔質
炭素板となる。このような多孔質炭素板は、導電性、耐
腐食性、熱伝導性、強度、多孔性、気体透過性、接触性
等を生かした用途、たとえば固体高分子型燃料電池用電
極基材や電解用電極に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法における離型板を用いた圧縮
成形工程の概略説明図である。
【符号の説明】
1: 混合体 2: 離型板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G132 AA18 AA72 AB01 AB30 AB34 AB40 BA07 BA09 CA12 CA14 CA17 GA10 GA18 GA31 GA32 GA38 GA45 4G146 AA01 AB05 AD23 AD24 BA01 BA13 BB05 BC03 BC23 BC35B CB03 5H018 AA06 AS02 AS03 BB01 BB03 DD05 EE05 HH00 HH03 HH06 HH09 5H026 AA06 BB01 BB02 CX02 EE05 HH00 HH03 HH06 HH09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に二次元平面内においてランダムに
    分散した炭素短繊維を炭素により結着させた多孔質炭素
    板において、少なくとも一方の面の中心線平均粗さRa
    (JIS B 0601)が15μm以下であり、か
    つ、切断レベルが20μmのときの負荷長さ率tpが5
    0%以上であることを特徴とする多孔質炭素板。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の多孔質炭素板において、
    2枚の炭素板の間に挟んで0.196MPaの一様な面
    圧を加えたとき、電流1Aに対して電気抵抗が30.0
    mΩ・cm2以下であることを特徴とする多孔質炭素
    板。
  3. 【請求項3】実質的に二次元平面内においてランダムに
    分散させた炭素短繊維と樹脂との混合体を、表面の中心
    線平均粗さRa(JIS B 0601)が1.0μm以
    下の離型板を介して2段以上に積層して圧縮成形した
    後、その圧縮成形品を炭素化処理することを特徴とする
    多孔質炭素板の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の多孔質炭素板の製造方法
    において、前記圧縮成形工程において、用いる離型板の
    厚みが0.05〜2.00mmであることを特徴とする
    多孔質炭素板の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項3または4に記載の多孔質炭素板の
    製造方法において、圧縮成形工程で混合体にかける圧縮
    成形圧力が0.0098〜1.96MPaであることを
    特徴とする多孔質炭素板の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項3〜5のいずれかに記載の多孔質炭
    素板の製造方法において、炭素化処理工程で圧縮成形後
    の混合体にかける圧力が0.0098MPa以下である
    ことを特徴とする多孔質炭素板の製造方法。
JP2002088350A 2002-03-27 2002-03-27 多孔質炭素板およびその製造方法 Pending JP2003286085A (ja)

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