JP5392090B2 - 超音波受信用振動子、その製造方法、超音波探触子及び超音波医用画像診断装置 - Google Patents

超音波受信用振動子、その製造方法、超音波探触子及び超音波医用画像診断装置 Download PDF

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Description

本発明は、高周波・広帯域に適した超音波受信用振動子、その製造方法、それを用いた超音波探触子、及び超音波医用画像診断装置に関する。
超音波は、通常、16000Hz以上の音波を総称して言われ、非破壊および無害でその内部を調べることが可能なことから、欠陥の検査や疾患の診断などの様々な分野に応用されている。その一つに、被検体内を超音波で走査し、被検体内からの超音波の反射波(エコー)から生成した受信信号に基づいて当該被検体内の内部状態を画像化する超音波診断装置がある。この超音波診断装置では、被検体に対して超音波を送受信する超音波探触子が用いられている。この超音波探触子としては、送信信号に基づいて機械振動して超音波を発生し、被検体内部で音響インピーダンスの違いによって生じる超音波の反射波を受けて受信信号を生成する振動子を備えて構成される超音波送受信素子が用いられる。
そして、近年では、超音波探触子から被検体内へ送信された超音波の周波数(基本周波数)成分ではなく、その高調波周波数成分によって被検体内の内部状態の画像を形成するハーモニックイメージング(Harmonic Imaging)技術が研究、開発されている。このハーモニックイメージング技術は、(1)基本周波数成分のレベルに比較してサイドローブレベルが小さく、S/N比(signal to noise ratio)が良くなってコントラスト分解能が向上すること、(2)周波数が高くなることによってビーム幅が細くなって横方向分解能が向上すること、(3)近距離では音圧が小さくて音圧の変動が少ないために多重反射が抑制されること、および(4)焦点以遠の減衰が基本波並みであり高周波を基本波とする場合に較べて深速度を大きく取れることなどの様々な利点を有している。
このハーモニックイメージング用の超音波探触子は、基本波の周波数から高調波の周波数までの広い周波数帯域が必要とされ、その低周波側の周波数領域が基本波を送信するための送信用に利用される。一方、その高周波側の周波数領域が高調波を受信するための受信用に利用される(例えば特許文献1参照)。
この特許文献1に開示されている超音波探触子は、被検体にあてがわれて当該被検体内に超音波を送信し当該被検体内で反射して戻ってきた超音波を受信する超音波探触子である。この超音波探触子は、所定の第1の音響インピーダンスを有する配列された複数の第1の圧電素子からなる、所定の中心周波数の超音波からなる基本波の、被検体内に向けた送信、および当該被検体内で反射して戻ってきた超音波のうちの基本波の受信を担う第1圧電層を備えている。また、前記第1の音響インピーダンスよりも小さい所定の第2の音響インピーダンスを有する配列された複数の第2の圧電素子からなる、前記被検体内で反射して戻ってきた超音波のうちの高調波の受信を担う第2圧電層を備えている。なお、当該第2圧電層は、前記第1圧電層の、この超音波探触子が被検体にあてがわれる側の全面に重ねられている。したがって、当該超音波探触子は、このような構成によって広い周波数帯域で超音波を送受信することができる。
ハーモニックイメージングにおける基本波は、出来る限り狭い帯域巾を有する音波がよい。それを担う圧電素子には、水晶、LiNbO3、LiTaO3、KNbO3などの単結晶、ZnO、AlNなどの薄膜、Pb(Zr,Ti)O3系などの焼結体を分極処理した、いわゆるセラミックスの無機圧電体が広く利用されている。高周波側の受信波を検知する圧電素子には、より広い帯域巾の感度が必要でこれらの無機材料は適さない。高周波、広帯域に適した圧電素子として、ポリフッ化ビニリデン(以下「PVDF」とも略称する。)などの有機系高分子物質を利用した有機圧電体が知られている(例えば特許文献2参照)。この有機圧電体は、無機圧電体と比較して、可撓性が大きく、薄膜化、大面積化、長尺化が容易で任意の形状、形態のものを作ることができる、等の特性を有する。
しかしながら、この有機圧電体からなる素子は、無機圧電体からなる素子に比べ、相転移温度が低いことから耐熱性に劣るという欠点がある。そのため、無機圧電体と併用して超音波探触子に構成するにあたって、生産工程での加工時の熱、使用環境での加熱殺菌消毒による熱等に対しての対策が求められている。PVDFの耐熱性向上という点においては、特許文献2には、圧電特性を失う相転移温度を有しない製造方法による耐熱性に優れたポリフッ化ビニリデン共重合体の記載がある。この方法は、特定の組成比であるフッ化ビニリデンとトリフルオロエチレン(以下「3FE」とも略称する。)の共重合の熱溶融物に対しては有効であるが、組成比が異なる場合や延伸成形膜には適用ができない、膜融点に近い高温では特性が劣化するという限界がある。
特開平11−276478号公報 特開昭60−217674号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、圧電特性及び耐熱性に優れ、かつ高周波・広帯域に適した超音波受信用振動子、その製造方法、それを用いた超音波探触子、及び超音波医用画像診断装置を提供することである。
本発明に係る上記課題は以下の手段により解決される。
1.超音波医用画像診断装置用探触子に用いられる、超音波受信用圧電材料を有する超音波受信用振動子であって、
前記超音波受信用圧電材料は、フッ化ビニリデンを主成分とし、熱処理、延伸製膜、及び、分子間架橋された有機圧電材料であり、厚み共振周波数における比誘電率が15〜23であることを特徴とする超音波受信用振動子。
.前記超音波受信用圧電材料の分子間架橋が、電子線照射により施され、かつ、分極処理を施される前にされていることを特徴とする前記1に記載の超音波受信用振動子。
.前記超音波受信用圧電材料の電子線照射における電子線照射量が、0.1〜50kGyであることを特徴とする前記に記載の超音波受信用振動子。
.前記超音波受信用圧電材料に2官能以上の架橋剤が含有されていることを特徴とする前記1からのいずれか一項に記載の超音波受信用振動子。
5.厚み共振周波数における比誘電率が15〜23の超音波受信用圧電材料を有する超音波受信用振動子の製造方法であって、
フッ化ビニリデンを主成分とする有機圧電材料に対し、熱処理する工程と、延伸製膜する工程と、分子間架橋する工程と、を有し、
更に、前記分子間架橋された前記有機圧電材料を分極処理する工程を有することを特徴とする超音波受信用振動子の製造方法。
.前記に記載の超音波受信用振動子の製造方法であって、
前記分子間架橋は電子線照射により行うものであり、
電子線照射量が0.1〜50kGyであることを特徴とする超音波受信用振動子の製造方法。
.超音波送信用振動子と超音波受信用振動子を具備する超音波探触子であって、前記1からのいずれか一項に記載の超音波受信用振動子を用いたことを特徴とする超音波探触子。
.前記に記載の超音波探触子であって、前記超音波受信用振動子は、それを構成する前記有機圧電材料とは別の高分子材料を介して前記超音波送信用振動子の上に積層されており、かつ前記有機圧電材料と前記高分子材料とを合わせた厚さが、40〜150μmであることを特徴とする超音波探触子。
.電気信号を発生する手段と、前記電気信号を受けて超音波を被検体に向けて送信し、前記被検体から受けた反射波に応じた受信信号を生成する複数の振動子が配置された超音波探触子と、前記超音波探触子が生成した前記受信信号に応じて、前記被検体の画像を生成する画像処理手段とを有する超音波医用画像診断装置において、前記超音波探触子が、前記1からのいずれか一項に記載の超音波受信用振動子を有することを特徴とする超音波医用画像診断装置。
本発明の上記手段により、圧電特性及び耐熱性に優れ、かつ高周波・広帯域に適した超音波受信用振動子、その製造方法、それを用いた超音波探触子、及び超音波医用画像診断装置を提供することができる。
超音波医用画像診断装置の主要部の構成を示す概念図
符号の説明
1 受信用圧電材料
2 支持体
3 送信用圧電材料
4 バッキング層
5 電極
6 音響レンズ
本発明の超音波受信用振動子は、超音波医用画像診断装置用探触子に用いられる超音波受信用圧電材料を有する超音波受信用振動子であって、当該超音波受信用圧電材料がフッ化ビニリデンを主成分とする有機圧電材料であり、当該有機圧電材料が熱処理されており、かつ厚み共振周波数における比誘電率が10以上であることを特徴とする。この特徴は、請求の範囲第1項から第11項に係る発明に共通する技術的特徴である。
ここで、「厚み共振周波数」とは、膜状の振動子の厚み方向に振動するモードの共振周波数をいう。また、本願において、「比誘電率」は、電極付の試料の両面の電極にリード線を付け、25℃雰囲気下において、インピーダンスアナライザを用いて得た厚み共振周波数における比誘電率の値とする。当該比誘電率は、10〜100であることが好ましい。更には、10〜50であることが好ましい。
なお、本発明の実施形態・態様としては、圧電特性の観点から、前記有機圧電材料が延伸製膜されていることが好ましい。また、熱処理は、有機圧電材料の融点よりも10℃以上低い温度で施すことが好ましい。また、圧電特性及び耐熱性等の観点から、前記有機圧電材料が、分子間架橋されていることが好ましい。当該分子間架橋のための方法としては、種々の公知の方法を採用し得るが、前記有機圧電材料の分子間架橋が、電子線照射により施され、かつ、分極処理を施される前にされていることが好ましい。なお、当該電子線照射における電子線照射量が、0.1〜50kGyであることが好ましい。更に、前記有機圧電材料に2官能以上の架橋剤が含有されていることが好ましい。
本発明の超音波受信用振動子の製造方法としては、有機圧電体膜の両面に設置される電極の形成前、片側のみ電極形成後又は両側に電極形成後のいずれかで分極処理する態様の製造方法であることが好ましい。また、当該分極処理が、電圧印加処理であることが好ましい。
本発明の超音波受信用振動子は、超音波送信用振動子と組み合わせて超音波探触子を構成することができる。この場合、当該超音波探触子が、本発明の超音波受信用振動子を有し、それを構成する有機圧電材料とは別の高分子材料に貼り合わされて構成される2層以上の積層振動子であり、かつ当該積層振動子の厚さが、40〜150μmである態様とすることが好ましい。
本発明の超音波受信用振動子若しくはそれを用いた超音波探触子は、超音波医用画像診断装置に好適に使用することができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための最良の形態・態様について詳細な説明をする。
(超音波送受信用振動子)
本発明の超音波受信用振動子は、超音波送信用振動子と超音波送信用振動子を具備する超音波医用画像診断装置用探触子(プローブ)に用いられる超音波受信用振動子であることを特徴とする。
なお、一般に、超音波振動子は膜状の圧電材料からなる層(又は膜)(以下、「圧電体層」又は「圧電体膜」という。)を挟んで一対の電極を配設して構成され、複数の振動子を例えば1次元配列して超音波探触子が構成される。
そして、複数の振動子が配列された長軸方向の所定数の振動子を口径として設定し、その口径に属する複数の振動子を駆動して被検体内の計測部位に超音波ビームを収束させて照射すると共に、その口径に属する複数の振動子により被検体から発する超音波の反射エコー等を受信して電気信号に変換する機能を有している。
以下、本発明に係る超音波受信用振動子と超音波送信用振動子それぞれについて詳細に説明する。
〈超音波受信用振動子〉
本発明の超音波受信用振動子は、超音波医用画像診断装置用探触子に用いられる超音波受信用圧電材料を有する振動子であって、それを構成する圧電材料がフッ化ビニリデンを主成分とする有機圧電材料であり、当該有機圧電材料が電子線照射されており、かつ共振周波数における比誘電率が10〜50であることを特徴とする。
なお、実施態様としては、前記有機圧電材料が延伸製膜されている態様が好ましい。
また、前記有機圧電材料の電子線照射が、分極処理を施される前にされていることが好ましい。なお、当該有機圧電材料の電子線照射における電子線照射量は、可撓性及び圧電特性等の観点から、0.1〜50kGyであることが好ましい。
更に、前記有機圧電材料に2官能以上の架橋剤が含有されていることが好ましい。
《受信用圧電材料を構成する有機圧電材料》
本発明の超音波受信用振動子を構成する受信用圧電材料の構成材料としての有機圧電材料としては、良好な圧電特性、入手容易性等の観点から、フッ化ビニリデンを主成分とする高分子材料であることを要する。
具体的には、大きい双極子モーメントをもつCF2基を有する、ポリフッ化ビニリデンの単独重合体又はフッ化ビニリデンを主成分とする共重合体であることを要する。なお、共重合体における第二組成分としては、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロパン、クロロフルオロエチレン等を用いることができる。
例えば、フッ化ビニリデン/3フッ化エチレン共重合体の場合、共重合比によって厚さ方向の電気機械結合定数(圧電効果)が変化すので、前者の共重合比が60〜99モル%であること、更には、85〜99モル%であることが好ましい。
なお、フッ化ビニリデンを85〜99モル%にして、パーフルオロアルキルビニルエーテル、パーフルオロアルコキシエチレン、パーフルオロヘキサエチレン等を1〜15モル%にしたポリマーは、送信用無機圧電素子と受信用有機圧電素子との組み合わせにおいて、送信基本波を抑制して、高調波受信の感度を高めることができる。
上記高分子圧電材料は、セラミックスからなる無機圧電材料に比べ、薄膜化できることからより高周波の送受信に対応した振動子にすることができる点が特徴である。
本発明においては、当該有機圧電材料は、厚み共振周波数における比誘電率が10〜50であることを特徴とするが、比誘電率の調整は、当該有機圧電材料を構成する化合物が有するCF2基やCN基のような極性官能基の数量、組成、重合度等の調整、及び後述する分極処理によって行うことができる。
なお、本発明の受信用振動子を構成する有機圧電体膜は、複数の高分子材料を積層させた構成とすることもできる。この場合、積層する高分子材料としては、上記の高分子材料の他に下記の比誘電率の比較的低い高分子材料を併用することができる。
なお、下記の例示において、括弧内の数値は、高分子材料(樹脂)の比誘電率を示す。
例えば、メタクリル酸メチル樹脂(3.0)、アクリルニトリル樹脂(4.0)、アセテート樹脂(3.4)、アニリン樹脂(3.5)、アニリンホルムアルデヒド樹脂(4.0)、アミノアルキル樹脂(4.0)、アルキッド樹脂(5.0)、ナイロン−6−6(3.4)、エチレン樹脂(2.2)、エポキシ樹脂(2.5)、塩化ビニル樹脂(3.3)、塩化ビニリデン樹脂(3.0)、尿素ホルムアルデヒド樹脂(7.0)、ポリアセタール樹脂(3.6)、ポリウレタン(5.0)、ポリエステル樹脂(2.8)、ポリエチレン(低圧)(2.3)、ポリエチレンテレフタレート(2.9)、ポリカーポネート樹脂(2.9)、メラミン樹脂(5.1)、メラミンホルムアルデヒド樹脂(8.0)、酢酸セルロース(3.2)、酢酸ビニル樹脂(2.7)、スチレン樹脂(2.3)、スチレンブタジェンゴム(3.0)、スチロール樹脂(2.4)、フッ化エチレン樹脂(2.0)等を用いることができる。
なお、上記比誘電率の低い高分子材料は、圧電特性を調整するため、或いは有機圧電体膜の物理的強度を付与するため等の種々の目的に応じて適切なものを選択することが好ましい。
〈超音波送信用振動子〉
本発明に係る超音波送信用振動子は、上記受信用圧電材料を有する振動子との関係で適切な比誘電率を有する圧電体材料により構成されることが好ましい。また、耐熱性・耐電圧性に優れた圧電材料を用いることが好ましい。
超音波送信用振動子構成用材料としては、公知の種々の有機圧電材料及び無機圧電材料を用いることができる。
有機圧電材料としては、上記超音波受信用振動子構成用有機圧電材料と同様の高分子材料を用いることできる。
無機材料としては、水晶、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、ニオブ酸タンタル酸カリウム[K(Ta,Nb)O3]、チタン酸バリウム(BaTiO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、又はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)等を用いることができる。
尚、PZTはPb(Zr1-nTin)O3(0.47≦n≦1)が好ましい。
(有機圧電体膜の作製方法)
本発明に係る有機圧電体膜は、上記高分子材料を主たる構成成分として種々の方法で作製することができる。
有機圧電体膜の作製方法としては、基本的には、上記高分子材料の溶液を基板上に塗布し、乾燥して得る方法、又は上記高分子材料の原料化合物を用いて従来公知の蒸着重合法や溶液重合塗布法などにより高分子膜を形成する方法を採用することができる。
蒸着重合法の具体的方法・条件については、特開平7−258370号公報、特開平5−311399号公報、及び特開2006−49418号公報に開示されている方法等が参考となる。
溶液重合塗布法の具体的方法・条件については、従来公知の種々の方法等に従って行うことができる。例えば、原料の混合溶液を基板上に塗布し、減圧条件下である程度乾燥後(溶媒を除去した後)、加熱し、熱重合し、その後又は同時に分極処理をして有機圧電体膜を形成する方法が好ましい。
《延伸製膜》
本発明に係るフッ化ビニリデンを含む有機圧電材料を振動子とする場合、フィルム状に形成し、ついで電気信号を入力するための表面電極を形成するのが一般的である。
フィルム形成は、溶融法、流延法など一般的な方法を用いることができる。ポリフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体の場合、フィルム状にしたのみで自発分極をもつ結晶型を有することが知られているが、さらに特性を上げるには、分子配列を揃える処理を加えることが有用である。手段としては、延伸製膜、分極処理などが挙げられる。
延伸製膜の方法については、種々の公知の方法を採用することができる。例えば、上記高分子材料をエチルメチルケトン(MEK)などの有機溶媒に溶解した液をガラス板などの基板上に流延し、常温にて溶媒を乾燥させ、所望の厚さのフィルムを得て、このフィルムを室温で所定の倍率の長さに延伸する。当該延伸は、所定形状の有機圧電体膜が破壊されない程度に一軸・二軸方向に延伸することができる。延伸倍率は2〜10倍、好ましくは2〜6倍である。
なお、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体および/またはフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体において、230℃における溶融流動速度(Melt Flow Rate)が0.03g/min以下である。より好ましくは、0.02g/min以下、更に好ましくは、0.01g/minである高分子圧電体を使用すると高感度な圧電体の薄膜が得られる。
《熱処理》
本発明においては、有機圧電材料が熱処理されていることが好ましい。本発明の有機圧電材料の熱処理方法としては、有機圧電材料のフィルム面内に効率的かつ均一に熱を与えるために、チャック、クリップなどで端部を支持して、フィルムの融点よりも10℃低い温度を上限とした温度付近下に置くことが好ましい。この際に、フィルム面にヒートプレート等の熱源を直接触れるような形態で熱を与えることは、加熱の際に収縮する材料の場合、平面性を損なうので好ましくない。むしろ加熱の際の収縮に対し、弛緩処理を行うことの方が平面性に対しては効果がある。ここでいう弛緩処理とは、熱処理およびその終了後室温まで冷却される過程でフィルムにかかる収縮ないしは膨張しようとする力に追従しながら、フィルム両端の応力を変化させることである。弛緩処理は、フィルムが弛むことで平面性が保てなくなったり、応力が大きくなって破断したりしない限り、応力を緩和させるように縮めても、さらに張力をかける方向に延伸しない程度に広げても良い。ポリフッ化ビニリデンを主成分とする有機圧電材料の場合、融点が150〜180℃にあることから、100〜140℃の温度で熱処理をすることが好ましい。また、その時間は、30分以上行うことで効果が発現し長ければ長いほど結晶成長が促進するが時間とともに飽和することから、現実的には最低でも1時間から10時間程度、長くとも一昼夜程度である。
《電子線照射》
本発明においては、ポリフッ化ビニリデンの相転移温度の低さを解決するために、分子配列が揃った状態で、当該材料について電子線照射による分子間架橋を行うことを特徴とする。適切な量の電子線を照射すると分子内に壊裂が起こり、フッ化水素の脱離を伴う分子間架橋反応を起こすことができる。
なお、分子間架橋反応を補助する形で2官能以上の多官能の架橋剤を添加することもできる。当該架橋剤としては、例えば、イソシアネート等の官能基を有するトリアリルイソシアネート等を使用することができる。
一般的にフッ素系の高分子に電子線照射を行うと分子内壊裂が優先して起こる。このため、得られる材料の力学的特性は弱くなるが、本発明においては、延伸後、分極処理をする前の分子配列状態において、0.1〜50kGyの電子線量を照射することでフィルムの物性を損ねることなく耐熱性が向上する。
《分極処理》
本発明に係る分極処理における分極処理方法としては、従来公知の直流電圧印加処理、交流電圧印加処理又はコロナ放電処理等の方法が適用され得る。
例えば、コロナ放電処理法による場合には、コロナ放電処理は、市販の高電圧電源と電極からなる装置を使用して処理することができる。
放電条件は、機器や処理環境により異なるので適宜条件を選択することが好ましい。高電圧電源の電圧としては−1〜−20kV、電流としては1〜80mA、電極間距離としては、1〜10cmが好ましく、印加電圧は、0.5〜2.0MV/mであることが好ましい。
電極としては、従来から用いられている針状電極、線状電極(ワイヤー電極)、網状電極が好ましいが、本発明ではこれらに限定されるものではない。
(基板)
基板としては、本発明に係る有機圧電体膜の用途・使用方法等により基板の選択は異なる。本発明においては、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィンポリマーのようなプラスチック板又はフィルムを用いることができる。また、これらの素材の表面をアルミニウム、金、銅、マグネシウム、珪素等で覆ったものでもよい。またアルミニウム、金、銅、マグネシウム、珪素単体、希土類のハロゲン化物の単結晶の板又はフィルムでもかまわない。
(電極)
本発明に係る圧電材料を有する振動子は、圧電体膜(層)の両面上又は片面上に電極を形成し、その圧電体膜を分極処理することによって作製されるものである。当該電極は、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)などを主体とした電極材料を用いて形成する。
電極の形成に際しては、まず、チタン(Ti)やクロム(Cr)などの下地金属をスパッタ法により0.02〜1.0μmの厚さに形成する。その後、上記金属元素を主体とする金属及びそれらの合金からなる金属材料、さらには必要に応じ一部絶縁材料をスパッタ法、その他の適当な方法で1〜10μmの厚さに形成する。これらの電極形成はスパッタ法以外でも微粉末の金属粉末と低融点ガラスを混合した導電ペーストをスクリーン印刷やディッピング法、溶射法で形成することもできる。
さらに、圧電体膜の両面に形成した電極間に、所定の電圧を供給し、圧電体膜を分極することで圧電素子が得られる。
(超音波探触子)
本発明に係る超音波探触子は、超音波送信用振動子と超音波受信用振動子を具備する超音波医用画像診断装置用探触子(プローブ)であり、受信用振動子として、本発明の上記超音波受信用振動子を用いることを特徴とする。
本発明においては、超音波の送受信の両方をひとつの振動子で担ってもよいが、より好ましくは、送信用と受信用で振動子は分けて探触子内に構成される。
送信用振動子を構成する圧電材料としては、従来公知のセラミックス無機圧電材料でも、有機圧電材料でもよい。
本発明に係る超音波探触子においては、送信用振動子の上もしくは並列に本発明の超音波受信用振動子を配置することができる。
より好ましい実施形態としては、超音波送信用振動子の上に本発明の超音波受信用振動子を積層する構造が良く、その際には、本発明の超音波受信用振動子は他の高分子材料(支持体として上記の比誘電率が比較的低い高分子(樹脂)フィルム、例えば、ポリエステルフィルム)の上に添合した形で送信用振動子の上に積層してもよい。その際の受信用振動子と他の高分子材料と合わせた膜厚は、探触子の設計上好ましい受信周波数帯域に合わせることが好ましい。実用的な超音波医用画像診断装置および生体情報収集に現実的な周波数帯から鑑みると、その膜厚は、40〜150μmであることが好ましい。
なお、当該探触子には、バッキング層、音響整合層、音響レンズなどを設けても良い。また、多数の圧電材料を有する振動子を2次元に並べた探触子とすることもできる。複数の2次元配列した探触子を順次走査して、画像化するスキャナーとして構成させることもできる。
(超音波医用画像診断装置)
本発明に係る上記超音波探触子は、種々の態様の超音波診断装置に用いることができる。例えば、図1に示すような超音波医用画像診断装置において好適に使用することができる。
図1は、本発明の実施形態の超音波医用画像診断装置の主要部の構成を示す概念図である。この超音波医用画像診断装置は、患者などの被検体に対して超音波を送信し、被検体で反射した超音波をエコー信号として受信する圧電体振動子が配列されている超音波探触子(プローブ)を備えている。また当該超音波探触子に電気信号を供給して超音波を発生させるとともに、当該超音波探触子の各圧電体振動子が受信したエコー信号を受信する送受信回路と、送受信回路の送受信制御を行う送受信制御回路を備えている。
更に、送受信回路が受信したエコー信号を被検体の超音波画像データに変換する画像データ変換回路を備えている。また当該画像データ変換回路によって変換された超音波画像データでモニタを制御して表示する表示制御回路と、超音波医用画像診断装置全体の制御を行う制御回路を備えている。
制御回路には、送受信制御回路、画像データ変換回路、表示制御回路が接続されており、制御回路はこれら各部の動作を制御している。そして、超音波探触子の各圧電体振動子に電気信号を印加して被検体に対して超音波を送信し、被検体内部で音響インピーダンスの不整合によって生じる反射波を超音波探触子で受信する。
なお、上記送受信回路が「電気信号を発生する手段」に相当し、画像データ変換回路が「画像処理手段」に相当する。
上記のような超音波診断装置によれば、本発明の圧電特性及び耐熱性に優れかつ高周波・広帯域に適した超音波受信用振動子の特徴を生かして、従来技術と比較して画質とその再現・安定性が向上した超音波像を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(有機圧電体膜の作製と評価)
[実施例1]
フッ化ビニリデン(以下VDF)とトリフルオロエチレン(以下3FE)の比率が80:20であるポリフッ化ビニリデン共重合体粉末を50℃に加熱したエチルメチルケトン(以下MEK)に溶解した液をガラス板上に流延した。その後、常温にて溶媒を乾燥させ、厚さ約140μmのフィルム(有機圧電体膜)を得た。このフィルムを室温で4倍に延伸した後、延伸した長さを保ったまま135℃1時間熱処理を行った。得られた熱処理後のフィルムの示差走査熱量計による吸熱ピーク温度は、120℃と153℃であった。
次いで、このフィルムを電子線加速器を用いて加速電圧250kVで加速した電子線を0.1Mrad照射した。ここで得られたフィルムの両面に表面抵抗が1Ω以下になるように金/アルミニウムを蒸着塗布して表面電極付の試料を得た。
つづいて、この電極に室温にて、0.1Hzの交流電圧を印可しながら分極処理を行った。分極処理は低電圧から行い、最終的に電極間電場が50MV/mになるまで徐々に電圧をかけていった。
[実施例2]
MEKに溶解した共重合体液に溶解している共重合体の質量に対し1%のトリアリルイソシアネートを添加した以外、実施例1と同様に製膜、電極付けを行って、分極済の試料2を得た。
[実施例3,4および比較例]
表1に記載の組成比、延伸処理、電子線照射、架橋剤添加量になるように実施例1および2同様に製膜、電極付けを行って、分極済の試料を得た。
[有機圧電対膜の評価方法]
上記のようにして得られた電極付の試料の両面の電極にリード線を付け、アジレントテクノロジー社製インピーダンスアナライザ4294Aを用いて、25℃雰囲気下において、40Hzから110MHzまで等間隔で600点周波数掃引した。厚み共振周波数における比誘電率の値を求めた。同様に、厚み共振周波数付近の抵抗値のピーク周波数P、コンダクタンスのピーク周波数Sをそれぞれ求めたとき、下記式にて電気機械結合定数ktを求めた。
t=(α/tan(α))1/2 ただし、α=(π/2)×(S/P)
インピーダンスアナライザを用いて厚み共振周波数から電気機械結合定数を求める方法としては、電子情報技術産業協会規格JEITA EM−4501(旧EMAS−6100)圧電セラミック振動子の電気的試験方法に記載の円盤状振動子の厚みたて振動に4.2.6項に準拠している。
tを求めた試料を180℃に加熱されたオイルバスに10分間入れ、十分にオイルを拭き取った試料も同様にして、加熱後の電気機械結合定数kt′を求めた。耐熱性の指標として、ktが劣化しない、すなわちkt′/kt×100の値が100に近ければ近いほど耐熱性が良好とした。
上記評価結果を表1に示す。
表1に示した結果から明らかなように、本発明の範囲内で実施された試料については、比誘電率が高く、圧電特性に優れ、特に耐熱性試験による劣化がないことが分かる。従って、加工時の熱、探触子使用中の発熱、その他の発熱においても特性劣化がないことが伺える。
(探触子の作製と評価)
[実施例5]
〈送信用圧電材料の作製〉
成分原料であるCaCO3、La23、Bi23とTiO2、及び副成分原料であるMnOを準備し、成分原料については、成分の最終組成が(Ca0.97La0.03)Bi4.01Ti415となるように秤量した。次に、純水を添加し、純水中でジルコニア製メディアを入れたボールミルにて8時間混合し、十分に乾燥を行い、混合粉体を得た。得られた混合粉体を、仮成形し、空気中、800℃で2時間仮焼を行い仮焼物を作製した。次に、得られた仮焼物に純水を添加し、純水中でジルコニア製メディアを入れたボールミルにて微粉砕を行い、乾燥することにより圧電セラミックス原料粉末を作製した。微粉砕においては、微粉砕を行う時間および粉砕条件を変えることにより、それぞれ粒子径100nmの圧電セラミックス原料粉末を得た。それぞれ粒子径の異なる各圧電セラミックス原料粉末にバインダーとして純水を6質量%添加し、プレス成形して、厚み100μmの板状仮成形体とし、この板状仮成形体を真空パックした後、235MPaの圧力でプレスにより成形した。次に、上記の成形体を焼成した。最終焼結体の厚さは20μmの焼結体を得た。なお、焼成温度は、それぞれ1100℃であった。1.5×Ec(MV/m)以上の電界を1分間印加して分極処理を施した。
〈受信用積層振動子の作製〉
前記実施例1において作製した電子線照射済みのポリフッ化ビニリデン共重合体のフィルム(有機圧電体膜)と厚さ50μmのポリエステルフィルムをエポキシ系接着剤にて貼り合わせた積層振動子を作製した。その後、上記と同様に分極処理をした。
次に、常法に従って、上記の送信用圧電材料の上に受信用積層振動子を積層し、かつバッキング層と音響整合層を設置し超音波探触子を試作した。
なお、比較例として、上記受信用積層振動子の代わりに、ポリフッ化ビニリデン共重合体のフィルム(有機圧電体膜)のみを用いた受信用積層振動子を上記受信用積層振動子に積層した以外、上記超音波探触子と同様の探触子を作製した。
次いで、上記2種の超音波探触子について受信感度と絶縁破壊強度の測定をして評価した。
なお、受信感度については、5MHzの基本周波数f1を発信させ、受信2次高調波f2として10MHz、3次高調波として15MHz、4次高調波として20MHzの受信相対感度を求めた。受信相対感度は、ソノーラメディカルシステム社(Sonora Medical System,Inc:2021Miller Drive Longmont,Colorado(0501 USA))の音響強度測定システムModel805(1〜50MHz)を使用した。
絶縁破壊強度の測定は、負荷電力Pを5倍にして、10時間試験した後、負荷電力を基準に戻して、相対受信感度を評価した。感度の低下が負荷試験前の1%以内のときを良、1%を超え10%未満を可、10%以上を不良として評価した。
上記評価において、本発明に係る受信用圧電(体)積層振動子を具備した探触子は、比較例に対して約1.2倍の相対受信感度を有しており、かつ絶縁破壊強度は良好であることを確認した。すなわち、本発明の超音波受信用振動子は、図1に示したような超音波医用画像診断装置に用いる探触子にも好適に使用できることが確認された。

Claims (9)

  1. 超音波医用画像診断装置用探触子に用いられる、超音波受信用圧電材料を有する超音波受信用振動子であって、
    前記超音波受信用圧電材料は、フッ化ビニリデンを主成分とし、熱処理、延伸製膜、及び、分子間架橋された有機圧電材料であり、厚み共振周波数における比誘電率が15〜23であることを特徴とする超音波受信用振動子。
  2. 前記超音波受信用圧電材料の分子間架橋が、電子線照射により施され、かつ、分極処理を施される前にされていることを特徴とする請求項1に記載の超音波受信用振動子。
  3. 前記超音波受信用圧電材料の電子線照射における電子線照射量が、0.1〜50kGyであることを特徴とする請求項2に記載の超音波受信用振動子。
  4. 前記超音波受信用圧電材料に2官能以上の架橋剤が含有されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の超音波受信用振動子。
  5. 厚み共振周波数における比誘電率が15〜23の超音波受信用圧電材料を有する超音波受信用振動子の製造方法であって、
    フッ化ビニリデンを主成分とする有機圧電材料に対し、熱処理する工程と、延伸製膜する工程と、分子間架橋する工程と、を有し、
    更に、前記分子間架橋された前記有機圧電材料を分極処理する工程を有することを特徴とする超音波受信用振動子の製造方法。
  6. 請求項5に記載の超音波受信用振動子の製造方法であって、
    前記分子間架橋は電子線照射により行うものであり、
    電子線照射量が0.1〜50kGyであることを特徴とする超音波受信用振動子の製造方法。
  7. 超音波送信用振動子と超音波受信用振動子を具備する超音波探触子であって、請求項1から4のいずれか一項に記載の超音波受信用振動子を用いたことを特徴とする超音波探触子。
  8. 請求項7に記載の超音波探触子であって、前記超音波受信用振動子は、それを構成する前記有機圧電材料とは別の高分子材料を介して前記超音波送信用振動子の上に積層されており、かつ前記有機圧電材料と前記高分子材料とを合わせた厚さが、40〜150μmであることを特徴とする超音波探触子。
  9. 電気信号を発生する手段と、前記電気信号を受けて超音波を被検体に向けて送信し、前記被検体から受けた反射波に応じた受信信号を生成する複数の振動子が配置された超音波探触子と、前記超音波探触子が生成した前記受信信号に応じて、前記被検体の画像を生成する画像処理手段とを有する超音波医用画像診断装置において、前記超音波探触子が、請求項1から4のいずれか一項に記載の超音波受信用振動子を有することを特徴とする超音波医用画像診断装置。
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