JP5386797B2 - フレキシブルポリイミドフィルムおよびその製造法 - Google Patents

フレキシブルポリイミドフィルムおよびその製造法 Download PDF

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Description

本発明は、フレキシブルポリイミドフィルムおよびその製造法に関し、さらに詳述すると、脂環式構造を有し、例えば、電子材料用として好適なフレキシブルポリイミドフィルムおよびその製造法に関する。
一般に、ポリイミドは、高い機械的強度、耐熱性、絶縁性、耐溶剤性を有しているため、液晶表示素子や半導体における保護材料、絶縁材料、カラーフィルタなどの電子材料として広く用いられている。また、最近では光導波路用材料等の光通信用材料や携帯電話の基板としての用途も期待されている。
このため、近年、耐熱性、耐溶剤性に加え、透明性や柔軟性などの用途に応じた性能を多数併せ持つポリイミドが望まれている。
従来汎用されている、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの重縮合反応により得られる全芳香族ポリイミドは、濃い琥珀色を呈して着色するため、高い透明性を要求される用途においては問題が生じる。
この着色の問題を解決すべく、脂環式テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを重縮合してなるポリイミド前駆体(ポリアミック酸)をイミド化して得られたポリイミドが報告されている(特許文献1参照)。
この脂環式骨格を有するポリイミドは、比較的着色が少なく透明性に優れているものの、柔軟性に欠けるため脆く、大面積の膜や厚膜などに成形することは困難であった。
また、近年、透明性および有機溶媒に対する溶解性の向上を目的として、脂環式テトラカルボン酸二無水物と各種ジアミンとから合成したポリアミック酸を化学イミド化してなる可溶性ポリイミドが報告されている(特許文献2、3参照)。
しかし、これらのポリイミドについては詳細な成膜化検討は行われていない。
特開昭58−208322号公報 特開2005−170818号公報 特開2005−105019号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、耐熱性および透明性に優れるとともに、柔軟で加工性の良好なフレキシブルポリイミドフィルムおよびその製造法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、従来の脂環式構造を有するポリイミドはそのイミド化率が低いこと、および脂環式構造を有するポリイミドの柔軟性にはそのイミド化率が関係していることを見出すとともに、上述した特許文献2,3のポリアミック酸を熱により閉環イミド化させることで、ポリマー中のイミド化率が高まり、透明性を維持したまま柔軟性に優れたポリイミドフィルムが得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. 式[1]または[2]で表される繰り返し単位からなり、イミド化率が90%以上であることを特徴とするフレキシブルポリイミドフィルム、
(式中、R1は、炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数1〜10のハロアルキレン基を表し、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、または炭素数1〜10のハロアルキル基を表し、mは1〜20の整数を表し、nは2以上の整数を表す。)
2. 前記式[1]の繰返し単位が、式[3]で表される1のフレキシブルポリイミドフィルム、
(式中、R1、R2、R3、R4、mおよびnは、前記と同じ意味を表す。)
3. 前記式[1]および[2]において、mが5である1のフレキシブルポリイミドフィルム、
4. 前記式[3]において、mが5である2のフレキシブルポリイミドフィルム、
5. 前記イミド化率が、95%以上である1〜4のいずれかのフレキシブルポリイミドフィルム、
6. 式[10]または[11]で表される繰返し単位からなるポリアミック酸を、25℃から160〜300℃に2〜10時間かけて昇温した後、160〜300℃で1〜10時間保持して閉環イミド化させることを特徴とする1のフレキシブルポリイミドフィルムの製造法、
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、mおよびnは、前記と同じ意味を表す。)
7. 前記式[10]の繰返し単位が、式[12]で表される6のフレキシブルポリイミドフィルムの製造法、
(式中、R1、R2、R3、R4、mおよびnは、前記と同じ意味を表す。)
8. 前記式[10]および[11]において、mが5である6のフレキシブルポリイミドフィルムの製造法、
9. 前記式[12]において、mが5である7のフレキシブルポリイミドフィルムの製造法
を提供する。
本発明のポリイミドフィルムは、柔軟であるため加工性が良好であるのみならず、従来の脂環式骨格を有するポリイミドと同様に、可視から紫外線領域(250nm付近)まで光透過性を有し、かつ、熱分解温度が300℃以上という高い耐熱性をも有する。
このような特性を有する本発明のポリイミドフィルムは、例えば、液晶表示素子や半導体における保護材料、絶縁材料などの電子材料、さらに光導波路等の光通信用材料として好適に用いることができる。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
上記式[1]〜[3]、および[10]〜[12]において、炭素数1〜10のアルキレン基の具体例としては、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、−(CH25−、−(CH26−、−(CH27−、−(CH28−、−(CH29−、−(CH210−、−C(CH32−、−CH2C(CH32CH2−、−(CH22C(CH32(CH22−等が挙げられる。
炭素数1〜10のハロアルキレン基としては、上記アルキレン基の少なくとも1つの水素原子をハロゲン原子で置換したものが挙げられ、具体的には、−CF2−、−(CF22−、−(CF23−、−(CF24−、−(CF25−、−(CF26−、−(CF27−、−(CF28−、−(CF29−、−(CF210−、−C(CF32−、−CF2C(CF32CF2−、−(CF22C(CF32(CF22−等が挙げられる。
アルキレン鎖の繰り返し数を示すmは1〜20の整数を表すが、入手し易さという点から、2〜10の整数が好ましい。
炭素数1〜10のアルキル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−アミル、t−アミル、neo−ペンチル、n−ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル基等が挙げられる。
炭素数1〜10のハロアルキル基としては、上記アルキル基の少なくとも1つの水素原子をハロゲン原子で置換したものが挙げられ、具体的には、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられる。
なお、以上において、nはノルマルを、iはイソを、sはセカンダリーを、tはターシャリーをそれぞれ表す。
本発明において、ポリイミド(ポリアミック酸)の数平均分子量は、フィルムにした場合の柔軟性を考慮すると、少なくとも5000が好ましく、6000〜100000がより好ましい。
このため、上記各式におけるnは2以上の整数であるが、ポリイミド(ポリアミック酸)の数平均分子量が5000以上となる整数が好ましく、具体的には、8〜180、特に10〜100が好適である。
上述した式[1]、[2]および[3]で表される繰返し単位を有するポリイミドは、それぞれ下記式[7]、[8]および[16]で表される脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物(を含むテトラカルボン酸化合物)と、下記式[9]で表されるジアミン化合物(を含むジアミン化合物)とを重縮合反応させることにより製造できる。
(式中、R4およびR5は上記と同じ。)
(式中、R1〜R3およびmは上記と同じ。)
特に、脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物としては、式[16]においてR4が水素原子である、トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナン−3−エンド,4−エンド,7−エンド,8−エンド−テトラカルボン酸−3,4:7,8−二無水物(以下、TCNDAと略記する)、式[8]においてR5が水素原子である、4−オキサテトラシクロ[5.4.0.02,6.18,11]ドデカン−3,5−ジオン−9−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)(以下、ODSFと略記する)が好ましい。
なお、本発明のポリイミドフィルムでは、ポリイミドフィルムの物性に影響を与えない限りにおいて、上述した脂環式テトラカルボン酸二無水物化合物以外の通常のポリイミドの合成に使用されるテトラカルボン酸化合物およびその誘導体を同時に用いてもよい。
その具体例としては、1,2,3,4−テトラカルボン酸、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサン酸、3,4−ジカルボキシ−1−シクロヘキシルコハク酸、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸などの脂環式テトラカルボン酸およびこれらの酸二無水物、並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物などが挙げられる。
また、ピロメリット酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジンなどの芳香族テトラカルボン酸およびこれらの酸二無水物、並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物なども挙げられる。なお、これらのテトラカルボン酸化合物は、1種単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。
一方、式[9]で表される脂環式ジアミン化合物は、ビス(置換アミノフェノキシ)アルキレン化合物(BAPA化合物と略記する)であるが、入手のし易さ等を考慮すると、式[13]で表される脂環式ジアミン化合物である1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン(以下、DA5MGと略記する)化合物が好適である。
(式中、R2およびR3は上記と同じ。)
本発明のポリイミドの合成に使用可能な脂環式ジアミンの具体例としては下記式で示される化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、ジアミン化合物についても、得られるポリイミドフィルムの物性に影響を与えない限りにおいて、その他のジアミン化合物を用いてもよい。
その具体例としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル −4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ −4,4’−ジアミノビフェニル、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)メタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノナフタレン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−トリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル等の芳香族ジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)等の脂環式ジアミン化合物およびテトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン化合物等が挙げられ、これらのジアミン化合物は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明のポリイミドを合成する際の全テトラカルボン酸二無水物化合物のモル数と全ジアミン化合物のモル数の比は0.8〜1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応と同様に、このモル比が1に近いほど生成する重合体の重合度は大きくなる。重合度が小さすぎるとポリイミド塗膜の強度が不十分となり、また重合度が大きすぎるとポリイミド塗膜形成時の作業性が悪くなる場合がある。
したがって、本反応における生成物の重合度は、ポリアミック酸溶液の還元粘度換算で、0.05〜5.0dl/g(温度30℃のヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)中、濃度0.5g/dl)が好ましい。
本発明のポリイミド合成に用いられる溶剤としては、例えば、m−クレゾール、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルカプトラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
これらの中でも、重合性や着色性の観点からDMAcやNMPが好ましい。なお、上記溶剤は、1種単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。
重縮合反応の温度は、−20〜150℃、好ましくは−5〜100℃の任意の温度を選択することができる。
本発明のフレキシブルポリイミドフィルムは、上述のようにしてテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを溶媒中で重縮合させて得られたポリアミック酸(ポリイミド前駆体)溶液を、基板に塗布し、加熱により溶媒を蒸発させながら脱水閉環させて得ることができる。
この場合、25℃(室温)から160〜300℃に2〜10時間かけて昇温した後、160〜300℃で1〜10時間保持する加熱方法を用いることで、高イミド化率のポリイミド被膜を形成させることができる。特に、25℃(室温)〜250℃に2〜5時間かけて昇温した後、約250℃で1〜5時間保持する加熱方法が最適であり、この手法により、イミド化率がより高く、発泡のないフレキシブルポリイミドフィルムを得ることができる。
本発明のポリイミドフィルムを構成するポリイミドのイミド化率は、十分な柔軟性を発揮させるためには90%以上が好ましく、95%以上がより好ましく、赤外吸収スペクトルでC=Oアミド吸収(1650cm-1付近)が確認されない程度までイミド化されたものが最適である。
また、加熱の際に減圧してもよい。この場合、減圧度は特に限定されるものではないが、0.1MPa〜1Pa(ゲージ圧、以下同様)が好ましく、1000〜1Paがより好ましい。
以上の手法により基板上に形成されたポリイミド被膜を、温湯中などで剥離した後、常圧または減圧下で50〜100℃で乾燥し、フレキシブルポリイミドフィルムが得られる。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。実施例における各物性の測定装置は以下のとおりである。
[1]IR
装置:日本分光工業(株)製 JASCO FT/IR−460plus
[2]UV−Vis
装置:日本分光工業(株)製 V−570型 紫外可視分光光度計
[3]TGA
装置:セイコー電子工業(株)製 TG/DTA(示差熱熱量同時測定装置)220U
[4]粘度
装置:東京計器社製 ELD−50(E型粘度計)
[5]膜厚計
装置:OZAKI MFG CO. LTD, PEACOCK, DIAL THIKNESS GAUGE
[実施例1]TCNDA−DA5MGポリイミドフィルムの作製
乾燥した30mlの三口フラスコに、窒素気流下でDA5MG 0.5300g(1.851mmol)と脱水N,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAcと略記)4.0670g(固形分20質量%)とを仕込み、メカニカルスターラーで攪拌して溶解させた。続いて窒素気流下で、TCNDA 0.4818g(1.837mmol)を加えて、25℃で23時間攪拌した。
得られた重合溶液(ポリアミック酸)を、ヒートガンで15分間乾燥したガラス板にキャストし、減圧下(減圧度100〜500Pa)、250℃で3時間加熱(25℃(室温)から昇温2時間、250℃保温1時間)した後、ガラス板を熱水に浸漬してポリイミドフィルムを剥離した。
このフィルムを濾紙に挟んで60℃のオーブン中で3時間乾燥し、無色透明のポリイミドフィルムを得た。フィルムの厚さは15μmであった。
フィルムの赤外吸収スペクトル(図1参照)から、1773cm-1と1705cm-1とにイミドカルボニルのC=O伸縮振動、1387cm-1にイミド構造のC−N伸縮振動が確認された。
また、1650cm-1付近にC=Oアミド吸収が見られないことから、イミド化がほぼ完全に進行したと判断された。
得られたフィルムのUV−Visスペクトルは、350nmで80%の光透過率を示した(図5参照)。
なお、熱特性(窒素雰囲気下)および粘度は以下のとおりであった。
5%重量減少温度(T5):408.5℃
10%重量減少温度(T10):438.1℃
分解温度(Td):441.1℃
ガラス転移点温度(Tg):258.5℃
ポリアミック酸固有粘度(25℃):0.59(dL/g)(溶媒HMPA)
[実施例2]ODSF−DA5MGポリイミドフィルムの作製
乾燥した30mlの三口フラスコに、窒素気流下でDA5MG 0.4785g(1.671mmol)と脱水DMAc 3.765g(固形分20質量%)とを仕込み、メカニカルスターラーで攪拌して溶解させた。続いて窒素気流下で、ODSF 0.4624g(1.673mmol)を加えて、25℃で24時間攪拌した。
得られた重合溶液(ポリアミック酸)は未精製のDA5MGを使用したため褐色であった。得られた重合溶液をヒートガンで15分間乾燥したガラス板にキャストし、減圧下(減圧度100〜500Pa)、250℃で3時間加熱(25℃(室温)から昇温2時間、250℃保温1時間)した後、ガラス板を熱水に浸漬してポリイミドフィルムを剥離した。
このフィルムを濾紙に挟んで60℃のオーブン中で3時間乾燥し、無色透明のポリイミドフィルムを得た。フィルムの厚さは18μmであった。
フィルムの赤外吸収スペクトル(図2参照)から1775cm-1と1700cm-1とにイミドカルボニルのC=O伸縮振動、1390cm-1にイミド構造のC−N伸縮振動が確認された。
また、1650cm-1付近にC=Oアミド吸収が見られないことから、イミド化がほぼ完全に進行したと判断された。
得られたフィルムのUV−Visスペクトルは、350nmで85%の光透過率を示した(図6参照)。
なお、熱特性(窒素雰囲気下)および粘度は以下のとおりであった。
5%重量減少温度(T5):403.5℃
10%重量減少温度(T10):432.0℃
分解温度(Td):437.5℃
ポリアミック酸固有粘度(25℃):0.81(dL/g)(溶媒HMPA)
上記実施例1および2で得られたポリイミドフィルムについて、下記手法により引張試験を実施した結果を表1に示す。
[引張試験方法]
図7に示されるように、接着剤C(アロンアルフア(登録商標)ゼリー状、東亞合成株式会社製)を用いて台紙(印画紙)Dに試験片Bを接着(図7の塗りつぶし部分)し、印画紙Bの長手方向両端部をセロファンテープA(セロテープ(登録商標)、ニチバン株式会社製)で試験チャックに貼り付け(図7の斜線部分)、引張速度:1mm/minで長手方向外側に引っ張った。
実施例1で得られたTCNDA−DA5MGポリイミドの赤外線吸収スペクトルである。 実施例2で得られたODSF−DA5MGポリイミドの赤外線吸収スペクトルである。 実施例1で得られたTCNDA−DA5MGポリイミドフィルムの写真である。 実施例2で得られたODSF−DA5MGポリイミドフィルムの写真である。 実施例1で得られたTCNDA−DA5MGポリイミドのUV−Visスペクトルである。 実施例2で得られたODSF−DA5MGポリイミドのUV−Visスペクトルである。 ポリイミドフィルムの引張試験方法を示す概略図である。
符号の説明
A セロファンテープ
B 試験片
C 接着剤
D 台紙(印画紙)

Claims (9)

  1. 式[1]または[2]で表される繰り返し単位からなり、イミド化率が90%以上であることを特徴とするフレキシブルポリイミドフィルム。
    (式中、R1は、炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数1〜10のハロアルキレン基を表し、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、または炭素数1〜10のハロアルキル基を表し、mは1〜20の整数を表し、nは2以上の整数を表す。)
  2. 前記式[1]の繰返し単位が、式[3]で表される請求項1記載のフレキシブルポリイミドフィルム。
    (式中、R1、R2、R3、R4、mおよびnは、前記と同じ意味を表す。)
  3. 前記式[1]および[2]において、mが5である請求項1記載のフレキシブルポリイミドフィルム。
  4. 前記式[3]において、mが5である請求項2記載のフレキシブルポリイミドフィルム。
  5. 前記イミド化率が、95%以上である請求項1〜4のいずれか1項記載のフレキシブルポリイミドフィルム。
  6. 式[10]または[11]で表される繰返し単位からなるポリアミック酸を、25℃から160〜300℃に2〜10時間かけて昇温した後、160〜300℃で1〜10時間保持して閉環イミド化させることを特徴とする請求項1記載のフレキシブルポリイミドフィルムの製造法。
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5、mおよびnは、前記と同じ意味を表す。)
  7. 前記式[10]の繰返し単位が、式[12]で表される請求項6記載のフレキシブルポリイミドフィルムの製造法。
    (式中、R1、R2、R3、R4、mおよびnは、前記と同じ意味を表す。)
  8. 前記式[10]および[11]において、mが5である請求項6記載のフレキシブルポリイミドフィルムの製造法。
  9. 前記式[12]において、mが5である請求項7記載のフレキシブルポリイミドフィルムの製造法。
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