JP5386517B2 - 表面処理された吸水性樹脂 - Google Patents

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Description

本発明は、表面処理された吸水性樹脂に関する。詳しくは、吸水性樹脂の表面に多価金属原子を有する、表面処理された吸水性樹脂に関する。
紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等の衛生材料には、体液を吸収させることを目的として、パルプ等の親水性繊維と吸水性樹脂とをその構成材料とする吸水体(吸収体ということもある)が幅広く利用されている。
近年、これら衛生材料は、高機能かつ薄型化が進み、衛生材料一枚あたりの吸水性樹脂の使用量や、吸水性樹脂と親水性繊維とからなる吸水体全体に対する吸水性樹脂の比率が増加する傾向にある。つまり、かさ比重の小さい親水性繊維を少なくし、吸水性に優れ且つかさ比重の大きい吸水性樹脂を多く使用することにより、吸水体中における吸水性樹脂の比率を高め、吸水量を低下させることなく衛生材料の薄型化を図っている。
しかしながら、このように親水性繊維の比率を低くし、吸水性樹脂の比率を高めた衛生材料は、単純に液体を貯蔵するという観点からは好ましいが、実際のおむつ等としての使用状況における液体の分配、拡散を考えた場合には、むしろ問題が生じてくる。例えば、吸水性樹脂は多量の吸水(吸湿)により柔らかいゲル状となり、衛生材料中の液の拡散性(荷重下でのゲルの液透過性)やゲル取扱い性が著しく低下するというゲルブロッキングを引き起こすという問題がある。このような問題を避け、吸水体の吸収性能(吸水性能ということもある)を維持するためには、親水性繊維と吸水性樹脂との比率はおのずと制限され、衛生材料の薄型化にも限界が生じていた。
そこで、上記ゲルブロッキングを防ぐ手段として、吸水性樹脂に金属化合物(特に多価金属化合物)を添加する技術が報告されている。具体的には、硫酸アルミニウムなどの金属化合物(金属塩)の粉末を吸水性樹脂に添加した後さらに水を添加する技術がある(例えば、特許文献1および2参照。)。ところが、このような技術では、添加した金属化合物が溶解して内部に浸透してしまうため、結果としてゲルブロッキングの問題が解消され通液性や液拡散性等に優れたものとなったとしても、十分な無加圧下吸収倍率や加圧下吸収倍率を発現することはできず、所望の吸収(吸水)性能を発揮できないという問題があった。
そこで、このような問題を解消する手段として、前記金属塩を粉末状ではなく一旦溶解させた状態で吸水性樹脂に添加し、その後乾燥して樹脂表面近傍に局在させる技術が報告されている(例えば、特許文献3参照。)。この技術においては、特定の多価金属原子に着目し、その金属塩(金属化合物)を用いるようにしている。
また、吸水性樹脂は、水性液体に接した際に高い吸収倍率を示すが、そのような吸水特性のため、空気中の水分も吸収(吸湿)し、吸水性樹脂粒子同士が凝集し、粉体としての流動性を失うというブロッキング現象を引き起こす。このブロッキング現象(吸湿ブロッキング現象)は、吸水性樹脂の製造時や、吸水性樹脂を用いる紙おむつ等の衛生材料の製造時に、ホッパーやラインの途中でブロッキングを引き起こしたり装置に付着したりして、取扱い性を大きく低下させ、安定な製造ができないという問題点が知られている。そこで、このようなブロッキング現象(吸湿ブロッキング現象)を解消するための手段として、吸水性樹脂に無機化合物を添加する試みが知られている。
例えば、目開き300μmの篩を通過する割合が約60重量%である吸水性樹脂に無機粉体を混合する方法(例えば、特許文献4参照。)、多価金属塩と吸水性樹脂との混合物に水を付与させてなる水不溶性吸水性樹脂組成物(例えば、特許文献1参照。)、吸水性樹脂に多価金属塩を含む水を散布する製造方法(例えば、特許文献5参照。)、粒度が5〜500μmの吸水性樹脂表面に多価金属塩を含んだ水を添加・加熱処理されてなる、改質された吸水性樹脂(例えば、特許文献6参照。)、表面架橋された吸水性樹脂に無機塩が溶解している水を添加して得られた、改質された吸水性樹脂(例えば、特許文献7参照。)、多価金属化合物を吸水性樹脂に添加してなる吸水剤であって、吸水後に、吸水剤の表面近傍に多価金属が局在する吸水剤(例えば、特許文献3参照。)などが挙げられる。
特開昭61−257235号公報 特表2001−523289号公報 特開2001−96151号公報 特表2002−523526号公報 特開昭62−7745号公報 特開昭61−46241号公報 特開平9−124879号公報
しかしながら、このような技術では、ゲルブロッキングの問題や、無加圧下吸収倍率や加圧下吸収倍率についての問題はある程度解消されるものの、加圧下通液性が十分と言えるレベルではなく問題となっていた。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ゲルブロッキングの問題を十分に解消でき、十分な無加圧下吸収倍率および加圧下吸収倍率を発現できるとともに、優れた加圧下通液性をも発揮でき、非常に低レベルの吸湿ブロッキング性を示すために吸湿時の取扱い性にも優れる、吸水性樹脂を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その過程において、まず、吸水性樹脂表面に金属を局在させるにあたっては、前述した吸水性樹脂の内部に容易に浸透してしまうものではなく、隣り合う樹脂との間隔を適度に保持し得る大きさを有し、しかも添加時に樹脂内部に浸透しにくく、効率的に樹脂表面に存在し得るものを選択して用いるべきであると考え、各種金属化合物の中でも、多価金属原子を中心原子とする錯体に着目し、これで吸水性樹脂を表面処理することを考えた。このような多価金属原子の錯体であれば、前述した適度な大きさを有するとともに、そのまま(多価金属原子と配位子の状態)かあるいはその変性物(樹脂との反応物等)の状態で、効率的に樹脂表面に存在することができる、と推測したのである。上記錯体の使用に加え、本発明者は、さらに吸水性樹脂そのものが表面架橋されていることが重要であると考えた。そして、実際に、吸水性樹脂の表面を架橋処理するとともに、上記多価金属原子の錯体を一旦溶解させて吸水性樹脂に添加混合し表面処理したところ、驚くべきことに、ゲルブロッキングの問題を十分に解消でき、無加圧下および加圧下のいずれの吸収倍率に関しても十分な吸収特性を示すとともに、優れた加圧下通液性を発現し得る吸水性樹脂となることを見出し、上記課題を一挙に解決できることを確認して、本発明を完成した。
したがって、本発明にかかる表面処理された吸水性樹脂は、アクリル酸および/またはその塩を主成分とする単量体を重合してなり内部架橋構造を有するとともに有機二次架橋剤により表面架橋されてなる吸水性樹脂の表面に、多価金属原子、および、多価金属原子に配位しうる配位子であって水以外の配位子が存在してなることを特徴とする。
本発明にかかる表面処理された吸水性樹脂は、上記において、多価金属原子抽出率が80質量%以下であることができるここで、多価金属原子抽出率の測定方法は後述する。
なお、吸水性樹脂を水溶液状態の多価金属カチオンで処理し、樹脂表面近傍に多価金属とカルボキシル基とのイオン結合を形成させるという技術(例えば、特表2002−539281号公報参照。)が既に報告されているが、このような技術においては、吸水性樹脂に吸収されたカチオンに由来する多価金属原子とカルボキシル基との間に形成されたイオン結合は、可逆的に解離しやすいので、該イオン結合は、実際には樹脂表面近傍に存在するわけではなく、樹脂内部に浸透することになると考えられる。よって、上記本発明の吸水性樹脂のごとく、隣り合う樹脂との間隔を適度に保持する性能は十分には発揮されず、通液性、液拡散性および取扱い性には劣るものとなる。また、水溶液状態のカチオンは、カルボキシル基との静電的引力の影響も重なり、吸水性樹脂の内部に広く吸収されて浸透しすいため、吸水性樹脂内部全体において必要以上の架橋的効果がもたらされ、その結果、無加圧下吸収倍率が大きく低下するという問題もある。
本発明によれば、ゲルブロッキングの問題を十分に解消でき、十分な無加圧下吸収倍率および加圧下吸収倍率を発現できるとともに、優れた加圧下通液性をも発揮でき、非常に低レベルの吸湿ブロッキング性を示すために吸湿時の取扱い性にも優れる、吸水性樹脂を提供することができる。
食塩水流れ誘導性(SFC)を測定する装置を示す概略図である。 吸水性樹脂(7)のArイオン放電研磨およびESCAによる表面多価金属濃度測定によるスパッタ時間と多価金属(Zr)原子/炭素比率の関係を示す図。
以下、本発明にかかる表面処理された吸水性樹脂、ならびに、本発明にかかる表面処理された吸水性樹脂の製造方法について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
まず、本発明における吸水性樹脂(原料として用いる吸水性樹脂)や多価金属原子を中心原子とする錯体(多価金属錯体)について説明し、引き続き、本発明にかかる表面処理された吸水性樹脂の製造方法および本発明にかかる表面処理された吸水性樹脂について説明する。
〔吸水性樹脂〕
本発明における吸水性樹脂(原料として用いる吸水性樹脂)は、親水性単量体を重合して得ることができる水不溶性水膨潤性ヒドロゲル形成性重合体であって、少なくとも生理食塩水の吸収倍率が10g/g以上あり、好ましくは球状あるいは不定形の粒子形状のものである。
水不溶性水膨潤性ヒドロゲル形成性重合体の具体例としては、部分中和架橋ポリアクリル酸重合体(米国特許第4625001号明細書、同第4654039号明細書、同第5250640号明細書、同第5275773号明細書、欧州特許第456136号明細書)、架橋され部分的に中和された澱粉−アクリル酸グラフトポリマー(米国特許第4076663号明細書)、イソブチレン−マレイン酸共重合体(米国特許第4389513号明細書)、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体のケン化物(米国特許第4124748号明細書)、アクリルアミド(共)重合体の加水分解物(米国特許第3959569号明細書)、アクリロニトリル重合体の加水分解物(米国特許第3935099号明細書)等が挙げられるが、本発明における吸水性樹脂は、アクリル酸および/またはその塩(アクリル酸とアクリル酸塩から選ばれる少なくとも1種)を主成分とする単量体を重合して得られるポリアクリル酸(塩)系架橋重合体である。
ポリアクリル酸(塩)系架橋重合体とは、アクリル酸および/またはその塩を全単量体中に50モル%以上含み、好ましくは70モル%以上含み、より好ましく90%以上含む単量体を重合して得られる架橋重合体である。
ポリアクリル酸(塩)系架橋重合体中の酸基は、その50〜90モル%が中和されていることが好ましく、60〜80モル%が中和されていることがより好ましい。中和により形成する塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などを例示することができる。塩を形成させるための吸水性樹脂の中和は、重合前に単量体の状態で行っても良いし、あるいは重合途中に行っても良いし、重合後に重合体の状態で行っても良いし、それらを併用してもよい。
本発明における吸水性樹脂(ポリアクリル酸(塩)系架橋重合体)は、主成分として用いられる単量体(アクリル酸および/またはその塩)とともに、必要により他の単量体を併用して共重合させたものであってもよい。
他の単量体の具体例としては、メタクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸などのアニオン性不飽和単量体およびその塩;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジンなどのノニオン性の親水基含有不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドおよびそれらの四級塩などのカチオン性不飽和単量体;などを挙げることができる。他の単量体は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
これら他の単量体の使用量は、全単量体中0〜30モル%が好ましく、より好ましくは0〜10モル%である。
本発明における吸水性樹脂は、内部架橋構造を有する架橋重合体である。
本発明における吸水性樹脂に内部架橋構造を導入する方法としては、架橋剤を使用しない自己架橋によって導入する方法や、2個以上の重合性不飽和基あるいは2個以上の反応性基を有する内部架橋剤を共重合または反応させて導入する方法等を例示できる。好ましくは、内部架橋剤を共重合または反応させて導入する方法である。
内部架橋剤の具体例としては、例えば、N,N´−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。これらの内部架橋剤は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。得られる吸水性樹脂の吸収特性などから、2個以上の重合性不飽和基を有する内部架橋剤を必須に用いることが好ましい。
内部架橋剤の使用量は、全単量体に対して、0.005〜3モル%が好ましく、より好ましくは0.01〜1.5モル%である。
重合に際しては、澱粉−セルロース、澱粉−セルロースの誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋体等の親水性高分子や、次亜リン酸(塩)等の連鎖移動剤を添加してもよい。
本発明における吸水性樹脂を得るために、アクリル酸および/またはその塩を主成分とする単量体を重合するに際しては、バルク重合、逆相懸濁重合、沈澱重合を行うことも可能であるが、性能面や重合の制御の容易さから、単量体を水溶液として、水溶液重合を行うことが好ましい。水溶液重合の方法は、例えば、米国特許第4625001号明細書、同4769427号明細書、同4873299号明細書、同4093776号明細書、同4367323号明細書、同4446261号明細書、同4683274号明細書、同4690996号明細書、同4721647号明細書、同4738867号明細書、同4748076号明細書、欧州特許第1178059号明細書などに記載されている。
重合を行うにあたり、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のラジカル重合開始剤、紫外線や電子線などの活性エネルギー線等を用いることができる。また、ラジカル重合開始剤を用いる場合、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、L−アスコルビン酸等の還元剤を併用してレドックス重合としても良い。
ラジカル重合開始剤の使用量は、全単量体に対して、0.001〜2モル%が好ましく、より好ましくは0.01〜0.5モル%である。
上記重合により得られた吸水性樹脂の形状は、一般には、不定形破砕状、球状、繊維状、棒状、略球状、偏平状等であるが、本発明における吸水性樹脂は粒子状が望ましく、乾燥後に粉砕して得られるような不定形破砕状のものを用いると、本発明の効果がより大きくなるので好ましい。
本発明における吸水性樹脂(内部架橋構造を有する)の無加圧下吸収倍率は、25〜40g/gであることが好ましく、より好ましくは26〜38g/g、さらに好ましくは28〜36g/gである。無加圧下吸収倍率が上記範囲内であれば、例えば、後述する表面処理によって、加圧下通液性に優れる吸水性樹脂を容易に得ることができるなどの効果が得られる。無加圧下吸収倍率が25g/g未満であると、吸収性能の面で劣るものとなるおそれがあり、40g/gを超えると、加圧下通液性に劣るものとなるおそれがある。
本発明における吸水性樹脂は、表面架橋されてなるもの、すなわち、その表面近傍にさらなる架橋構造を有するものであってもよい。具体的には、本発明における吸水性樹脂は、後述するように、水性液の存在下で多価金属を中心原子とする錯体と混合する前に(詳しくは「吸水性樹脂を水性液の存在下におく前に」を意味する。)、予め表面架橋がなされているものであってもよい。
上記の表面架橋(予め行っておく表面架橋)の際に用い得る表面架橋剤(有機二次架橋剤)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリシドール等のエポキシ化合物;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン等の多価アミン化合物や、それらの無機塩ないし有機塩(例えば、アゼチジニウム塩等);2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の多価イソシアネート化合物;1,2−エチレンビスオキサゾリン等の多価オキサゾリン化合物;1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン、1,3−ジオキソパン−2−オン等のアルキレンカーボネート化合物;エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物、および、その多価アミン付加物(例えばハーキュレス製カイメン:登録商標);γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤;3−メチル−3−オキセタンメタノール、3−エチル−3−オキセタンメタノール、3−ブチル−3−オキセタンメタノール、3−メチル−3−オキセタンエタノール、3−エチル−3−オキセタンエタノール、3−ブチル−3−オキセタンエタノール、3−クロロメチル−3−メチルオキセタン、3−クロロメチル−3−エチルオキセタン、多価オキセタン化合物などのオキセタン化合物;等が挙げられる。表面架橋剤は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。これら表面架橋剤の中でも、安全性が高く、吸水性樹脂表面の親水性を向上させる点で、多価アルコールが好ましい。多価アルコールを使用することで、吸水性樹脂表面と多価金属錯体との馴染みが良くなり、多価アルコール残基と多価金属錯体表面との相互作用により吸水性樹脂表面に多価金属錯体(より詳細には、多価金属原子、多価金属原子に配位しうる配位子であって水以外の配位子)および/またはその変性物(吸水性樹脂と多価金属錯体との反応物等)をより均一に存在させることが可能となる。
上記表面架橋剤の使用量は、吸水性樹脂の固形分100質量部に対して0.001〜5質量部が好ましい。
上記表面架橋剤と吸水性樹脂との混合の際には水を用いてもよい。水の使用量は、吸水性樹脂の固形分100質量部に対して、0.5質量部を越え、10質量部以下が好ましく、1質量部〜5質量部の範囲内がより好ましい。
表面架橋剤やその水溶液を混合する際には、親水性有機溶媒や第三物質を混合助剤として用いてもよい。
親水性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、メトキシ(ポリ)エチレングリコール等のエーテル類;ε−カプロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール類;等が挙げられる。親水性有機溶媒は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
親水性有機溶媒の使用量は、吸水性樹脂の種類や粒径、含水率等にもよるが、吸水性樹脂の固形分100質量部に対して、10質量部以下の範囲が好ましく、5質量部以下の範囲内がより好ましい。
第三物質としては、例えば、欧州特許第0668080号明細書に示された無機酸、有機酸、ポリアミノ酸等が挙げられる。
これらの混合助剤(親水性有機溶媒や第三物質)は表面架橋剤として作用してもよいが、表面架橋後に吸水性樹脂の吸水性能を低下させないものが好ましい。沸点が150℃未満の揮発性アルコール類を用いると表面架橋処理時に揮発してしまい、残存物が残らない。
吸水性樹脂と表面架橋剤とを均一に混合するため、非架橋性の水溶性無機塩基類(好ましくは、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アルカリ金属水酸化物、および、アンモニアあるいはその水酸化物)や、非還元性アルカリ金属塩pH緩衝剤(好ましくは、炭酸水素塩、リン酸二水素塩、リン酸水素塩等)を、吸水性樹脂と表面架橋剤とを混合する際に共存させても良い。これら非架橋性の水溶性無機塩基類や非還元性アルカリ金属塩pH緩衝剤の使用量は、吸水性樹脂の種類や粒径等にもよるが、吸水性樹脂の固形分100質量部に対して、0.005〜10質量部の範囲内が好ましく、0.05〜5質量部の範囲内がより好ましい。
吸水性樹脂と表面架橋剤とを混合する方法は、限定されないが、例えば、吸水性樹脂を親水性有機溶剤に浸漬し、必要に応じて水および/または親水性有機溶媒に溶解させた表面架橋剤を混合する方法、吸水性樹脂に直接、水および/または親水性有機溶媒に溶解させた表面架橋剤を噴霧若しくは滴下して混合する方法等が例示できる。
吸水性樹脂と表面架橋剤とを混合した後には、通常、加熱処理を行い、架橋反応を遂行させる。加熱処理温度は、用いる表面架橋剤にもよるが、40℃以上250℃以下が好ましく、150℃以上250℃以下がより好ましく、160℃以上220℃以下がさらに好ましい。加熱処理温度が40℃未満の場合には、加圧下吸収倍率等の吸収特性が十分に改善されない場合がある。加熱処理温度が250℃を越える場合には、吸水性樹脂の劣化を引き起こし、性能が低下する場合があり注意を要する。加熱処理時間は1分〜2時間が好ましく、より好ましくは5分〜1時間である。
本発明における吸水性樹脂の粒径や粒径分布に特に制限は無いが、粒径が比較的小さく、小粒径成分の多い粒径分布のものを用いると、吸水速度、毛管吸収倍率などの吸収性能の向上が顕著であるので好ましい。
本発明における吸水性樹脂は、質量平均粒子径が600μm以下であることが好ましく、500〜300μmであることが性能を向上させるためにより好ましい。このような粒子径を有する吸水性樹脂は、水溶液重合で得られた吸水性樹脂を粉砕したもの、あるいはこれらを篩に掛けて粒度を調整する事によって好ましく得ることができる。また、300μm以下の粒子径の吸水性樹脂微紛を造粒し粒度調整したものを用いても良く、粉砕して得られる一次粒子の不定形破砕状の粒子に微紛の造粒物を一部混合した吸水性樹脂を用いても良い。吸水性樹脂の造粒物を一部混合した場合には、吸水速度や毛管吸収倍率などの吸収特性が一層優れた本発明にかかる表面処理された吸水性樹脂を得ることができる。微紛の造粒物の混合量は、吸水性樹脂全量中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上である。
微粉造粒物の作成方法としては、微粉を再生する公知の技術が使用可能である。例えば、温水と吸水性樹脂の微粉とを混合し乾燥する方法(米国特許第6228930号明細書)や、吸水性樹脂の微粉を単量体水溶液と混合し重合する方法(米国特許第5264495号明細書)、吸水性樹脂の微粉に水を加え特定の面圧以上で造粒する方法(欧州特許第844270号明細書)、吸水性樹脂の微粉を十分に湿潤させて非晶質のゲルを形成して乾燥・粉砕する方法(米国特許第4950692号明細書)、吸水性樹脂の微粉と重合ゲルを混合する方法(米国特許5478879号明細書)などを用いることが可能であるが、好ましくは、温水と吸水性樹脂の微粉とを混合し乾燥する方法が用いられる。
なお、粒子径は分級される篩目径(篩の目開き)で示される。
〔多価金属錯体〕
本発明でいう多価金属原子を中心原子とする錯体(多価金属錯体)については、その定義として、1つあるいはそれ以上の多価金属原子を中心原子として、それに他の原子または原子団すなわち配位子(陰性、中性、陽性のものがある)が結合して1つの原子集団をつくっているものをいう。その種類や構造は特に限定はされないが、好ましくは、多価金属原子を中心原子とし、その中心原子に、水以外の配位子が1個以上配位している錯体であり、前記水以外の配位子は、前記多価金属原子と水よりも強い結合力の配位結合を形成し得る配位子であることがより好ましい。このように、水よりも強い結合力の配位結合によって水以外の配位子の1個以上が多価金属原子に配位した錯体は、吸水性樹脂の表面により効率的に存在することができると考えられる。
中心原子となる多価金属原子としては、特に限定はされないが、例えば、Be、Mg、Ca、Sr、Al、Fe、Mn、TiおよびZrならびにその他の遷移金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属原子などが好ましく例示され、3価または4価の多価金属原子が好ましい。なかでも、カルボキシル基と共有結合性の結合を形成しやすい点で、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)およびハフニウム(Hf)からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属原子がより好ましく、ジルコニウム(Zr)が特に好ましい。
中心原子となる多価金属原子に配位結合する配位子としては、特に限定はされないが、例えば、OH基を有する配位子、CO基を有する配位子、SO基を有する配位子、酢酸やプロピオン酸等の有機酸、リン酸やアセチルアセトン等のキレート配位化合物、および、ハロゲンから選ばれる少なくとも1種が好ましく例示される。
中心原子となる多価金属原子に配位結合する配位子としては、後述の有機二次架橋剤となりうる配位子を1個以上有していても良いが、この場合、有機二次架橋剤となりうる配位子以外の配位子も1個以上有することが好ましい。このような配位子としては、例えば、多価アルコール化合物、多価アミン化合物、アルキレンカーボネート化合物、2−オキサゾリドンやその誘導体などが挙げられる。
有機二次架橋剤となりうる配位子を有する錯体を用いる場合には、吸水性樹脂に当該有機二次架橋剤が500ppm以上残存することが好ましく、1000ppm以上残存することがより好ましい。
本発明でいう多価金属錯体は水溶性であることが好ましい。水溶性であると、多価金属錯体を水性液の存在下で吸水性樹脂と混合した場合に、吸水性樹脂の表面により均一に存在させることができる。
本発明でいう多価金属錯体は、イオン性であっても非イオン性(ノニオン性)であってもよく、また、イオン性である場合、正電荷を有する錯イオン(カチオン錯体)の塩であっても、負電荷を有する錯イオン(アニオン錯体)の塩であってもよく、特に限定はされないが、非イオン性の錯体であるか、および/または、負電荷を有する錯イオンの塩であれば、吸水性樹脂の内部にまで吸収されにくく、より一層、吸水性樹脂の表面に局在しやすいため好ましい。これは、吸水性樹脂の全体に、単量体の主成分として用いたアクリル酸および/またはその塩に由来するカルボキシル基が存在しているため、正電荷を有する錯イオン(カチオン錯体)の塩との間には静電的引力が働くことになり、非イオン性の錯体や負電荷を有する錯イオンの塩に比べて、吸水性樹脂の内部にまで吸収されやすいからであると考えられる。
上記非イオン性の錯体としては、例えば、アセチルアセトンジルコニウム錯体、酢酸ジルコニウム、プロピオン酸ジルコニウムなどが好ましく例示される。これらは、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記負電荷を有する錯イオンの塩としては、例えば、硫酸ジルコニウム、6フッ化ジルコニウムカリウム、6フッ化ジルコニウムナトリウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、炭酸ジルコニウムナトリウムなどが好ましく例示される。なかでも、炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、炭酸ジルコニウムナトリウムは、前述した吸水性樹脂が有するカルボキシル基と、上記負電荷を有する錯イオン中の炭酸基との、脱炭酸を伴う化学結合反応により、錯体が樹脂表面に十分に固定され得るほか、樹脂表面の架橋効果をも合わせて発揮することができ、より好ましい。これらは、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
〔表面処理された吸水性樹脂の製造方法〕
<第1の製造方法>
本発明の製造方法のうち、第1の製造方法は、アクリル酸および/またはその塩を主成分とする単量体を重合してなり内部架橋構造を有する吸水性樹脂と、多価金属原子を中心原子とする錯体(多価金属錯体)および有機二次架橋剤と、を水性液の存在下で混合する工程と、前記吸水性樹脂に対し、前記有機二次架橋剤による表面架橋がなされるようにする工程と、を含む、表面処理された吸水性樹脂の製造方法である。
アクリル酸および/またはその塩を主成分とする単量体を重合してなり内部架橋構造を有する吸水性樹脂および多価金属原子を中心原子とする錯体(多価金属錯体)の詳細は、前述した通りであるが、上記吸水性樹脂は、予め表面架橋されていない吸水性樹脂であることが好ましい。
第1の製造方法においては、多価金属原子が吸水性樹脂の表面に存在してなるものを得るにあたり、(i)前記多価金属原子を予め錯体の形態として吸水性樹脂と混合している点、および、(ii)前記吸水性樹脂に対し有機二次架橋剤による表面架橋を施している点が重要である。これにより前述した本発明の課題が容易に解決できる。
第1の製造方法においては、多価金属錯体の混合割合は、前記吸水性樹脂の固形分に対して0.01〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5.0質量%、さらに好ましくは0.2〜2.0質量%である。多価金属錯体の混合割合が、前記吸水性樹脂の固形分に対して0.01質量%未満であると、多価金属錯体の添加効果が得られないおそれがあり、10質量%を超えると、無加圧下吸収倍率および加圧下吸収倍率が大幅に低下してしまうおそれがある。
第1の製造方法においては、多価金属錯体が水性液の存在下で吸水性樹脂と混合されることで、多価金属錯体による吸水性樹脂の表面処理がなされることになる。
第1の製造方法において用い得る有機二次架橋剤としては、例えば、前述の表面架橋剤として例示したものと同様のものが好ましく、なかでも多価アルコール化合物がより好ましい。
有機二次架橋剤の混合割合は、前記吸水性樹脂の固形分に対して0.01〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5.0質量%、さらに好ましくは0.2〜3.0質量%である。有機二次架橋剤の混合割合が、前記吸水性樹脂の固形分に対して0.01質量%未満であると、加圧下通液性が低くなるおそれがあり、10質量%を超えると、残存する有機二次架橋剤のために吸水時の取扱い性が悪くなるおそれがある。
有機二次架橋剤による表面架橋反応をより加速し、吸収特性をより向上させるために、例えば、欧州特許0668080号明細書に記載されている無機酸、有機酸、ポリアミノ酸等を、有機二次架橋剤と併用してもよい。これらの使用量は、吸水性樹脂のpH等によって異なるが、吸水性樹脂100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量部である。
第1の製造方法において用い得る水性液としては、限定されず、水等の公知の各種水系媒体を用いることができる。
第1の製造方法においては、水性液の存在下での混合は、実質的に有機溶媒の非存在下で行うことが好ましい。すなわち、上記水性液中には、アルコール類、エーテル類、エステル類、アルデヒド類、ケトン類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類などの有機溶媒が、実質的に混在しないことが好ましく、上記水性液に対して、より好ましくは10質量%未満、さらに好ましくは1質量%未満である。これら有機溶媒を含むと、多価金属錯体が析出しやすくなり、吸水性樹脂表面にこの錯体を均一に存在させることが困難となり、最終的に、無加圧下吸収倍率および加圧下吸収倍率や食塩水流れ誘導性のバランスに優れた吸水性樹脂を得ることが困難となるおそれがある。
水性液の配合割合は、限定はされないが、吸水性樹脂の固形分に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.2〜3質量%である。水性液の配合割合が、吸水性樹脂の固形分に対して0.01質量%未満であると、混合性が悪くなり、最終的に得られる吸水性樹脂の物性が低下するおそれがあり、10質量%を超えると、多価金属錯体や有機二次架橋剤が吸水性樹脂内部に浸透しすぎてしまい、最終的に得られる吸水性樹脂の物性が低下するおそれがある。
第1の製造方法においては、吸水性樹脂と、有機二次架橋剤および多価金属錯体とをより均一に混合するため、非架橋性の水溶性無機塩基類(好ましくは、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アルカリ金属水酸化物、および、アンモニアあるいはその水酸化物など)や、非還元性アルカリ金属塩pH緩衝剤(好ましくは、炭酸水素塩、リン酸二水素塩、リン酸水素塩など)を、上記混合系に共存させてもよい。これらの使用量は、吸水性樹脂の種類や大きさ(粒径)等に応じて好ましい範囲を適宜設定できるが、例えば、吸水性樹脂の固形分100質量部に対して、0.005〜10質量部が好ましく、より好ましくは0.05〜5質量部である。
第1の製造方法において、内部架橋構造を有する吸水性樹脂、多価金属錯体、および有機二次架橋剤などを混合する方法としては、有機二次架橋剤および多価金属錯体等を吸水性樹脂に均一に添加・混合できる方法であればよく、限定はされない。例えば、円筒型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、双腕型混合機、粉砕型ニーダー、レーディゲミキサー等の混合装置を用いた方法が好ましく挙げられる。これら混合装置への投入に関しては、吸水性樹脂、有機二次架橋剤、多価金属錯体等および水性液は、一括添加してもよいし、分割添加してもよいし、連続添加してもよく、限定はされない。また、これらの添加の順序についても限定はされず、具体的には、例えば、水性液の存在下で内部架橋構造を有する吸水性樹脂と多価金属錯体とを先に混合しておき、その後、該水溶液の存在下で、別途、有機二次架橋剤をも添加して混合するようにしてもよいし、逆に、水性液の存在下で内部架橋構造を有する吸水性樹脂と有機二次架橋剤とを先に混合しておき、その後、該水溶液の存在下で、別途、多価金属錯体をも添加して混合するようにしてもよい。
第1の製造方法においては、内部架橋構造を有する吸水性樹脂、多価金属錯体、および有機二次架橋剤などを混合する時間は、合計で10〜55分間であることが好ましく、より好ましくは15〜50分間である。混合する時間が10分未満であると、前述した本発明の課題を解決し得る所望の性能を有する吸水性樹脂が得られないおそれがあり、55分を超えると、吸水性樹脂が物理的(機械的)ダメージを受け、上記所望の性能が低下するおそれがある。
第1の製造方法においては、上述のように、内部架橋構造を有する吸水性樹脂、多価金属錯体、および有機二次架橋剤などを混合する工程を行い、さらに、該混合と同時またはその後に、この吸水性樹脂に対し有機二次架橋剤による表面架橋がなされるようにする。こうすることで、結果としては、吸水性樹脂の表面に多価金属錯体を存在させる過程において吸水性樹脂の表面架橋をも行うことができ、予め表面架橋されている吸水性樹脂を用いる場合(後述する第2の製造方法)と同様の効果が得られる。また、第1の製造方法においては特に、多価金属錯体を吸水性樹脂に混合している状態で有機二次架橋剤による表面架橋を行うようにするため、多価金属錯体を吸水性樹脂の表面近傍に均一かつ安定に存在させることが容易となり好ましい。なお、前記「混合の後」とは、吸水性樹脂が水性液の存在下にある状況を前提とした上での範囲とする。
表面架橋がなされるようにする方法としては、限定はされないが、例えば、内部架橋構造を有する吸水性樹脂、多価金属錯体、および有機二次架橋剤などの混合系を加熱する方法が好ましい。加熱により表面架橋がなされるようにする場合は、上記混合系を撹拌下で加熱することが好ましい。加熱の温度は、用いる有機二次架橋剤の種類に応じて好ましい範囲を適宜設定すればよいが、例えば、多価アルコール、多価オキサゾリン化合物、アルキレンカーボネート等を有機二次架橋剤として用いた場合は、130〜250℃が好ましく、より好ましくは160〜220℃である。加熱温度が130℃未満であると、吸水性樹脂に対して十分に表面架橋を施すことができないおそれがあり、250℃を超えると、吸水性樹脂が熱的ダメージを受け、上記所望の性能が低下するおそれがある。加熱方法は、公知の技術を採用すればよく、限定はされないが、例えば、撹拌型あるいは流動層型の乾燥機を用いた方法等が好ましく挙げられる。上記乾燥機としては、例えば、溝型混合乾燥機、ロータリー乾燥機、ディスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機などが挙げられる。
加熱により表面架橋がなされるようにした場合は、加熱後、吸水性樹脂を冷却することが好ましい。冷却温度は、100〜20℃が好ましく、より好ましくは80〜30℃である。冷却方法は、公知の技術を採用すればよく、限定はされないが、例えば、上記加熱の際に用いた乾燥機の熱媒体を冷却媒体に変換した装置を用いた方法等が好ましく挙げられる。
第1の製造方法においては、前述した混合する工程および表面架橋がなされるようにする工程を経て得られた吸水性樹脂の粒度分布を、所望の範囲に調整する整粒工程を含むことができる。
<第2の製造方法>
本発明の製造方法のうち、第2の製造方法は、アクリル酸および/またはその塩を主成分とする単量体を重合してなり内部架橋構造を有するとともに表面架橋されてなる吸水性樹脂と、多価金属原子を中心原子とする錯体(多価金属錯体)と、を水性液の存在下で混合する工程を含む方法である。
上記吸水性樹脂(原料として用いる吸水性樹脂)および多価金属錯体の詳細は、前述した通りであるが、第2の製造方法では、上記吸水性樹脂として、上記多価金属錯体との混合の前に、予め表面架橋されているものを原料として用いるようにする。具体的には、上記水性液の存在下におく時点で既に表面架橋されている吸水性樹脂を用いる態様や、上記水性液の存在下においた吸水性樹脂を上記多価金属錯体との混合までに表面架橋しておく態様などが例示されるが、限定はされない。
第2の製造方法においては、多価金属原子が吸水性樹脂の表面に存在してなるものを得るにあたり、該多価金属原子を予め錯体の形態にしたものを、予め表面架橋された吸水性樹脂と混合している点が重要である。これにより前述した本発明の課題が容易に解決できる。
第2の製造方法においては、多価金属錯体の混合割合は、前記吸水性樹脂の固形分に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5.0質量%、さらに好ましくは0.2〜2.0質量%である。多価金属錯体の混合割合が、前記吸水性樹脂の固形分に対して0.01質量%未満であると、多価金属錯体の添加効果が得られないおそれがあり、10質量%を超えると、無加圧下吸収倍率および加圧下吸収倍率が大幅に低下してしまうおそれがある。
第2の製造方法においては、多価金属錯体が水性液の存在下で吸水性樹脂と混合されることで、多価金属錯体による吸水性樹脂の表面処理がなされることになる。
第2の製造方法において用い得る水性液としては、限定されず、第1の製造方法と同様に、水等の公知の各種水系媒体を用いることができる。
上記水性液の存在下での混合は、実質的に有機溶媒の非存在下で行うことが好ましい。具体的には、第1の製造方法での説明が同様に適用できる。
上記水性液の配合割合は、限定はされないが、吸水性樹脂の固形分に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.2〜3質量%である。上記水性液の配合割合が、吸水性樹脂の固形分に対して0.01質量%未満であると、混合性が悪くなり、最終的に得られる吸水性樹脂の物性が低下するおそれがあり、10質量%を超えると、多価金属錯体が吸水性樹脂内部に浸透しすぎてしまい、最終的に得られる吸水性樹脂の物性が低下するおそれがある。
第2の製造方法においては、吸水性樹脂と多価金属錯体とをより均一に混合するため、非架橋性の水溶性無機塩基類や非還元性アルカリ金属塩pH緩衝剤を、上記混合系に共存させてもよい。具体的には、第1の製造方法での説明が同様に適用できる。
第2の製造方法において、前記混合の方法としては、多価金属錯体等を吸水性樹脂に均一に添加・混合できる方法であればよく、限定はされない。例えば、第1の製造方法において例示した混合方法と同様の方法が好ましく挙げられる。混合装置への投入に関しては、吸水性樹脂、多価金属錯体等および水性液は、一括添加してもよいし、分割添加してもよいし、連続添加してもよく、限定はされない。
第2の製造方法においては、前記混合の際の温度は、限定はされないが、例えば、室温〜100℃とすることが好ましく、より好ましくは40〜80℃である。
第2の製造方法においては、前記混合の時間は、10〜55分間であることが好ましく、より好ましくは15〜50分間である。前記混合の時間が10分未満であると、前述した本発明の課題を解決し得る所望の性能を有する吸水性樹脂が得られないおそれがあり、55分を超えると、吸水性樹脂が物理的(機械的)ダメージを受け、上記所望の性能が低下するおそれがある。
第2の製造方法においては、第1の製造方法と同様に、前述した混合する工程を経て得られた吸水性樹脂の粒度分布を、所望の範囲に調整する整粒工程を含むことができる。
〔表面処理された吸水性樹脂〕
本発明にかかる表面処理された吸水性樹脂は、アクリル酸および/またはその塩を主成分とする単量体を重合してなり内部架橋構造を有するとともに表面架橋されてなる吸水性樹脂の表面に、多価金属原子、および、多価金属原子に配位しうる配位子であって水以外の配位子が存在してなる吸水性樹脂である。
また、本発明にかかる別の表面処理された吸水性樹脂は、アクリル酸および/またはその塩を主成分とする単量体を重合してなり内部架橋構造を有するとともに表面架橋されてなる吸水性樹脂の表面に、多価金属原子が存在し、多価金属原子抽出率が80質量%以下である吸水性樹脂である。
ここで、上記吸水性樹脂(原料として用いる吸水性樹脂)および多価金属錯体の詳細は、前述した通りである。
本発明にかかる表面処理された吸水性樹脂において重要な点は、表面を(好ましくは、有機二次架橋剤によって)架橋処理された吸水性樹脂の表面に、多価金属錯体由来の成分が存在することである。これにより、膨潤後の吸水性樹脂粒子間に適度な隙間を保持することができ、高い加圧下通液性などの前述の効果を達成できると考えられる。多価金属錯体由来の成分とは、すなわち、多価金属原子および多価金属原子に配位しうる配位子であって水以外の配位子、または、多価金属錯体の変性物(吸水性樹脂と多価金属錯体との反応物等)である。
多価金属錯体由来の成分として、多価金属原子および多価金属原子に配位しうる配位子であって水以外の配位子が、吸水性樹脂表面に存在する場合には、多価金属原子が吸水性樹脂内部に浸透する際に配位子が作用し、分子レベルでのかさ高さが増加すると考えられる。このため、多価金属原子が吸水性樹脂内部に浸透しにくく、表面に効率的に存在できると考えられる。
多価金属錯体由来の成分として、多価金属錯体の変性物(吸水性樹脂と多価金属錯体との反応物等)が、吸水性樹脂表面に存在する場合には、多価金属原子は吸水性樹脂との反応などによって、液体中の拡散が著しく制限されている。このため、多価金属原子は吸水性樹脂内部に浸透しにくく、表面に効率的に存在できると考えられる。また、このような状態の多価金属原子は抽出操作によって抽出されにくい。表面を架橋処理された吸水性樹脂は、表面近傍の架橋密度が高く、分子鎖の網目構造が密であるため、多価金属錯体由来の成分の吸水性樹脂内部への浸透はさらに抑制されると考えられる。
本発明にかかる吸水性樹脂において、「多価金属原子に配位しうる配位子」は、先に説明した「中心原子となる多価金属原子に配位結合する配位子」と同様である。
本発明にかかる吸水性樹脂において、多価金属錯体の変性物という場合は、多価金属錯体に由来して変化した全てのものを含み、限定はされないが、例えば、当該多価金属錯体中の配位子や多価金属原子が吸水性樹脂中の官能基と反応した結果、多価金属原子が化学結合している場合等が挙げられる。具体的には、配位子として炭酸基(CO基)がある場合に吸水性樹脂中のカルボキシル基と脱炭酸を伴う反応をして結合した場合等が好ましく例示される。
多価金属原子が上記変性物として吸水性樹脂の表面に存在する指標として、本発明にかかる吸水性樹脂においては、後述の方法で測定される多価金属原子抽出率が、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。多価金属錯体が吸水性樹脂中の官能基(特に、カルボキシル基)と反応して変性物となった場合、変性物はカルボキシル基と結合しているなどの理由で、多価金属原子抽出率が低下すると考えられる。
本発明にかかる吸水性樹脂は、また、後述の測定方法で示されるArイオン放電研磨およびESCAによる表面多価金属濃度測定による、多価金属原子/炭素比率の最大値がスパッタ時間203秒以内にあるものが好ましく、スパッタ時間100秒以内にあるものがより好ましい。Arイオン放電研磨およびESCAによる表面多価金属濃度測定は、Arイオン放電研磨(以下、スパッタと略すことがある)により、吸水性樹脂表面をごくわずかに削っていき、その面の多価金属原子濃度をESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysisの略であり、XPS(X−Ray Photoelectron Spectroscopy)とも呼ばれ、X線光電子分光法と訳される)により定量するものである。これにより、吸水性樹脂表面の深さ方向の多価金属原子の濃度分布が明らかとなる。本発明にかかる吸水性樹脂は、吸水性樹脂表面で多価金属原子濃度が高く、内部に進むにつれて多価金属原子濃度(多価金属原子/炭素比率)が低下していくものが好ましい。本発明でいう「吸水性樹脂表面」とは、好ましくは、後述の条件でのスパッタ時間203秒以下の領域を示す。
「本発明にかかる吸水性樹脂」を製造する方法としては、限定されないが、例えば、前述した第1および第2の製造方法が好ましく採用できる。
本発明にかかる吸水性樹脂は、前述した吸水性樹脂(原料として用いる吸水性樹脂)を主成分としてなり、該吸水性樹脂(原料として用いる吸水性樹脂)を、好ましくは80〜99.99質量%含み、より好ましくは90〜99.90質量%含む、粒子状(球状あるいは不定形の粒子形状)の組成物(吸水性樹脂組成物)である。本発明にかかる吸水性樹脂中の、原料として用いる吸水性樹脂の含有割合が、80質量%未満であると、無加圧下吸収倍率や加圧下吸収倍率が低くなるおそれがあり、99.99質量%を超えると、加圧下通液性に劣ることとなるおそれがある。
本発明にかかる吸水性樹脂はまた、多価金属錯体(多価金属原子、および、多価金属原子に配位しうる配位子であって水以外の配位子)および/またはその変性物(吸水性樹脂と多価金属錯体との反応物等)を、これらの合計量として、好ましくは0.01〜5質量%含み、より好ましくは0.01〜2質量%含む。多価金属錯体および/またはその変性物の含有割合が、0.01質量%未満であると、加圧下通液性に劣ることとなるおそれがあり、5質量%を超えると、無加圧下吸収倍率や加圧下吸収倍率が低くなるおそれがある。
本発明にかかる吸水性樹脂はまた、多価金属原子、および、多価金属原子に配位しうる配位子であって水以外の配位子を、これらの合計量として、好ましくは0.008〜4質量%含み、より好ましくは0.008〜1.6質量%含む。
本発明にかかる吸水性樹脂はまた、後述の抽出操作によって抽出されない多価金属原子を、好ましくは0.002〜1質量%含み、より好ましくは0.002〜0.4質量%含む。
本発明にかかる吸水性樹脂は、粒子状であり、その質量平均粒子径は100〜600μmであることが好ましく、より好ましくは200〜500μmである。質量平均粒子径が100μm未満の場合は、加圧下通液性に劣ることとなるほか、粉塵の問題が生じるおそれがあり、質量平均粒子径が600μmより大きい場合は、吸収速度が遅くなるほか、例えば紙おむつ等に用いた場合にそのトップシートを破ったりするおそれがある。また、本発明にかかる吸水性樹脂は、粒径が300μm未満の粒子の含有比率が10質量%以上であることが好ましく、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上である。
本発明にかかる吸水性樹脂は、無加圧下吸収倍率(CRC)が、好ましくは20(g/g)以上であり、より好ましくは22(g/g)以上、さらに好ましくは24(g/g)以上、さらに好ましくは25(g/g)以上、特に好ましくは27(g/g)以上である。無加圧下吸収倍率(CRC)は、好ましくは500(g/g)以下である。無加圧下吸収倍率(CRC)が20(g/g)よりも低いと、おむつ等の衛生材料に使用する場合の吸収効率が悪くなる。
本発明にかかる吸水性樹脂は、加圧下吸収倍率(AAP)が、0.7psi(4.83kPa)の加圧下において、好ましくは16(g/g)以上であり、より好ましくは18(g/g)以上、さらに好ましくは20(g/g)以上、さらに好ましくは22(g/g)以上、特に好ましくは24(g/g)以上である。加圧下吸収倍率(AAP)は、好ましくは100(g/g)以下である。加圧下吸収倍率(AAP)が18(g/g)よりも低いと、おむつ等の衛生材料に使用する場合の吸収効率が悪くなる。
本発明にかかる吸水性樹脂は、加圧下通液性の評価に当たる、食塩水流れ誘導性(SFC)が、好ましくは30〜2000(×10−7cm・s/g)であり、より好ましくは50〜2000(×10−7cm・s/g)、さらに好ましくは80〜2000(×10−7cm・s/g)、特に好ましくは100〜2000(×10−7cm・s/g)である。食塩水流れ誘導性(SFC)は、衛生材料中の吸水性樹脂の含有率にもよるが、高含有率になる程、より高い食塩水流れ誘導性(SFC)が必要となる。
本発明にかかる吸水性樹脂は、加圧下吸収倍率(AAP)が、多価金属塩粉末を添加する前の吸水性樹脂の加圧下吸収倍率(AAP)(同一加圧下)と比較して低下が少ない事が望ましく、吸水性樹脂の加圧下吸収倍率(AAP)と比較して、0.85倍以上を維持しているものが好ましく、より好ましくは0.90倍以上、さらに好ましくは0.95倍以上である。
本発明にかかる吸水性樹脂は、衛生材料中での長時間の使用に対しても高い食塩水流れ誘導性(SFC)を維持すること、すなわち優れた加圧下通液性を維持することが可能である。
本発明にかかる吸水性樹脂は、膨潤時間120分後の食塩水流れ誘導性(SFC)の膨潤時間60分後の食塩水流れ誘導性(SFC)に対する割合、すなわち、食塩水流れ誘導性保持率(SFC保持率)が、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上である。従来の金属粒子を添加した吸水性樹脂(あるいは吸水性樹脂組成物)では、食塩水流れ誘導性(SFC)の試験において、膨潤時間を60分間を超えて測定を行うと急激に通液速度の低下が見られる。
本発明にかかる吸水性樹脂の吸湿ブロッキング性は、吸湿ブロッキング率(BR)で示すことができる。測定方法は後に詳述するが、25℃、相対湿度90%で、1時間の条件下での吸湿ブロッキング率(BR)が、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下、特に好ましくは10%以下である。吸湿ブロッキング率(BR)が40%を超える場合は、高湿下において吸水性樹脂の取扱い性が悪く、後述する衛生材料向けの薄型吸水体の作製時などに、製造プラントで、吸水性樹脂が搬送パイプ内で凝集して詰まりを発生させたり、親水性繊維と均一に混合できないという問題が生じる可能性がある。
本発明にかかる吸水性樹脂はまた、好ましくは、発塵しにくいという特徴も有する。本発明にかかる吸水性樹脂は、発塵度が、好ましくは0.25(mg/m)以下、より好ましくは0.23(mg/m)以下、さらに好ましくは0.20(mg/m)以下、さらに好ましくは0.17(mg/m)以下、特に好ましくは0.15(mg/m)以下である。
本発明にかかる吸水性樹脂は、吸水性樹脂(原料として用いる吸水性樹脂)および多価金属錯体(多価金属原子、および、多価金属原子に配位しうる配位子であって水以外の配位子)および/またはその変性物(吸水性樹脂と多価金属錯体との反応物等)の他に、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、タルク、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、珪酸またはその塩、粘土、珪藻土、ゼオライト、ベントナイト、カオリン、ハイドロタルサイト、活性白等塩類等の水不溶性微粒子状無機粉体;消臭剤、香料、抗菌剤、ポリアミン等のカチオン性高分子化合物、発泡剤、顔料、染料、肥料、酸化剤、還元剤、等の添加物を含有し、機能を付与されるか、あるいは、高めたものであってもよい。これら添加物の使用割合は、吸水性樹脂(原料として用いる吸水性樹脂)および多価金属錯体(それ由来の変性物であってもよい)の合計量に対して、10質量%未満であることが好ましく、より好ましくは5質量%未満、さらに好ましくは1質量%未満である。
本発明にかかる吸水性樹脂は、紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、医療用パッド等の衛生材料に使用される。その場合(a)着用者の体に隣接して配置される液体透過性のトップシート、(b)着用者の身体から遠くに、着用者の衣類に隣接して配置される、液体に対して不透過性のバックシート、および(c)トップシートとバックシートの間に配置された吸水体、を含んでなる構成で使用されることが好ましい。吸水体は二層以上であっても良いし、パルプ層などとともに用いても良い。
本発明の吸水性樹脂が衛生材料に用いられた場合、特に、水性液に対する濡れ性が良い上に、吸液したゲルがゲルブロッキングを起こし難く、ゲル粒子間の空隙がゲル同士の密着によって塞がることもないので、おむつなどの吸水体中に高濃度で使用した場合においても、2度目以降の尿や体液が吸水体表面で行き場を失うことなく吸水体の内部に拡散することができ、内部の吸水性樹脂に尿や体液を効果的に分配することができる。さらに、吸水性樹脂にその造粒品を混合したものは、吸水性樹脂粒子間の隙間の大きさが適度であるために、液体を毛管力で吸引する性質も併せ持つため、毛管吸引力によっても吸収液を吸水体全体に拡散することができる。
以下に、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下では、便宜上、「リットル」を単に「L」と記すことがある。また、「質量%」を「wt%」と記すことがある。
実施例および比較例における、測定方法および評価方法を以下に示す。
<無加圧下吸収倍率(CRC)>
吸水性樹脂0.20gを0.0001gのレベルまで正確に計り取り、不織布製(南国パルプ工業(株)製、商品名:ヒートロンペーパー、型式:GSP−22)の袋(85mm×60mm)に均一に入れてシールした。
1Lの容器に0.9wt%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)1Lを投入し、1容器あたりに1つの評価サンプルを1時間浸漬した。なお、本発明はイオン移動の効果に着目する発明であるため、複数のサンプルを1つの容器に浸漬してはならない。
1時間後、袋を引き上げ、遠心分離機(株式会社コクサン社製、遠心機:型式H−122)を用いて250Gの遠心力で3分間水切りを行った後、袋の質量W1(g)を測定した。また、同様の操作を吸水性樹脂を用いずに行い、その時の質量W0(g)を測定した。そして、これらW1、W0から、次式に従って無加圧下吸収倍率(g/g)を算出した。
CRC(g/g)=[(W1(g)−W0(g))/吸水性樹脂の質量(g)]−1
<加圧下吸収倍率(AAP)>
内径60mmのプラスチックの支持円筒の底に、ステンレス製400メッシュの金網(目の大きさ38μm)を融着させ、室温(20〜25℃)、湿度50RH%の条件下で、金網上に吸水性樹脂0.9gを均一に散布し、その上に、吸水性樹脂に対して、0.7psiの荷重を均一に加えることができるよう調整された、外径が60mmよりわずかに小さく支持円筒との隙間が生じず、かつ上下の動きが妨げられないピストンと荷重とをこの順に載置して、この測定装置一式の質量Wa(g)を測定した。
直径150mmのペトリ皿の内側に直径90mmのガラスフィルター(株式会社相互理化学硝子製作所社製、細孔直径:100〜120μm)を置き、0.9wt%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)(20〜25℃)をガラスフィルターの上面と同じレベルになるように加えた。その上に、直径90mmの濾紙1枚(ADVANTEC東洋株式会社、品名:(JIS P 3801、No.2)、厚さ0.26mm、保留粒子径5μm)を載せ、表面が全て濡れるようにし、かつ過剰の液を除いた。
測定装置一式を前記湿った濾紙上に載せ、液を荷重下で所定時間吸収させた。この吸収時間は、測定開始から算出して、1時間後とした。また、測定中は、0.9質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)の液面が測定開始時のレベルよりも下がらないように、少しずつ0.9質量%塩化ナトリウム水溶液を補充した。具体的には、1時間後、測定装置一式を持ち上げ、その質量Wb(g)を測定した。この質量測定はできるだけすばやく、かつ振動を与えないように行わなくてはならない。そして、Wa、Wbから、次式によって加圧下吸収倍率(AAP)(g/g)を算出した。
AAP(g/g)=[Wb(g)−Wa(g)]/吸水性樹脂の質量(g)
<食塩水流れ誘導性(SFC)>
特表平9−509591号公報の食塩水流れ誘導性(SFC)試験に準じて行った。
図1に示す装置を用い、容器40に均一に入れた吸水性樹脂(0.900g)を人工尿(1)中で0.3psi(2.07kPa)の加圧下、60分間(食塩水流れ誘導性(SFC)保持率測定の際には120分)膨潤させ、ゲル44のゲル層の高さを記録し、次に0.3psi(2.07kPa)の加圧下、0.69wt%塩化ナトリウム水溶液33を、一定の静水圧でタンク31から膨潤したゲル層を通液させた。このSFC試験は室温(20〜25℃)で行った。コンピューターと天秤を用い、時間の関数として20秒間隔でゲル層を通過する液体量を10分間記録した。膨潤したゲル44(の主に粒子間)を通過する流速F(t)は増加質量(g)を増加時間(s)で割ることによりg/sの単位で決定した。一定の静水圧と安定した流速が得られた時間をtとし、tと10分間の間に得たデータだけを流速計算に使用して、tと10分間の間に得た流速を使用してF(t=0)の値、つまりゲル層を通る最初の流速を計算した。F(t=0)はF(t)対時間の最小2乗法の結果をt=0に外挿することにより計算した。
SFC
=(F(t=0)×L)/(ρ×A×△P)
=(F(t=0)×L)/139506
ここで、
(t=0):g/sで表した流速
:cmで表したゲル層の最初の厚さ
ρ:NaC1溶液の密度(1.003g/cm
A:セル41中のゲル層上側の面積(28.27cm
△P:ゲル層にかかる静水圧(4920dyne/cm
SFCの単位は、「×10−7cm・s/g」である。
図1に示す装置としては、タンク31には、ガラス管32が挿入されており、ガラス管32の下端は、0.69wt%塩化ナトリウム水溶液33をセル41中の膨潤ゲル44の底部から、5cm上の高さに維持できるように配置した。タンク31中の0.69wt%塩化ナトリウム水溶液33は、コック付きL字管34を通じてセル41へ供給された。セル41の下には、通過した液を補集する容器48が配置されており、補集容器48は上皿天秤49の上に設置されていた。セル41の内径は6cmであり、下部の底面にはNo.400ステンレス製金網(目開き38μm)42が設置されていた。ピストン46の下部には液が通過するのに十分な穴47があり、底部には吸水性樹脂あるいはそれらの膨潤ゲルが、穴47へ入り込まないように透過性の良いガラスフィルター45が取り付けてあった。セル41は、セルを乗せるための台の上に置かれ、セルと接する台の面は、液の透過を妨げないステンレス製の金網43の上に設置した。
人工尿(1)は、塩化カルシウムの2水和物0.25g、塩化カリウム2.0g、塩化マグネシウムの6水和物0.50g、硫酸ナトリウム2.0g、りん酸2水素アンモニウム0.85g、りん酸水素2アンモニウム0.15g、および、純水994.25gを混合したものを用いた。
<食塩水流れ誘導性(SFC)保持率(SFC保持率)>
前記食塩水流れ誘導性(SFC)の測定法において0.3psi(2.07kPa)の加圧下、60分間膨潤させるところを、かわりに120分間膨潤させ、以後同様に測定を行う。60分間膨潤後に測定した食塩水流れ誘導性(SFC)をSFC(1hr)、120分間膨潤後に測定した食塩水流れ誘導性(SFC)をSFC(2hr)と表記した場合、SFC保持率は以下の式で表される。
SFC保持率(%)=[SFC(2hr)/SFC(1hr)]×100
<吸湿ブロッキング率(BR)>
吸水性樹脂2.0gを底面の内径50mm、高さ10mmのポリプロピレン製カップの底に均一に散布し、予め25℃、相対湿度90%に調整した恒温恒湿器(タバイエスペック製、PLATIOOUS LUCIFER PL−2G)にすばやく入れ、60分間放置した。その後、吸湿した吸水性樹脂を直径7.5cm、目開き2000μmのJIS標準ふるいに移し、振動分級器(IIDA SIEVE SHAKER、TYPE:ES−65型、SER.No.0501)により5分間ふるい、ふるい上に残存した吸水性樹脂の質量W4(g)およびふるいを通過した吸水性樹脂の質量W5(g)を測定した。なお、吸水性樹脂を恒温恒湿器から取り出してから質量W4(g)、W5(g)を測定するまでの作業を10分以内で行った。
次式に従って、吸湿ブロッキング率(BR)(%)を算出した。
吸湿ブロッキング率(BR)(%)=[質量W4(g)/(質量W4(g)+質量W5(g))]×100
吸湿ブロッキング率(BR)が低いほど、吸湿流動性に優れている。
<質量平均粒子径>
吸水性樹脂を、目開き850μm、710μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、45μmなどのJIS標準ふるいで節い分けし、残留百分率Rを対数確率紙にプロットした。これにより、R=50wt%に相当する粒子径を質量平均粒子径(D50)として読み取った。
質量平均粒子径(D50)を測定する際の分級方法は、吸水性樹脂10.0gを、室温(20〜25℃)、湿度50RH%の条件下で、目開き850μm、710μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、45μmのJIS標準ふるい(THEIIDATESTINGSIEVE:径8cm)に仕込み、振動分級器(IIDASIEVESHAKER、TYPE:ES−65型、SER.No.0501)により、5分間、分級を行った。
<多価金属原子抽出率>
(抽出操作A)
260mlの容量のポリプロピレン製ビーカーに吸水性樹脂1.0gを秤取し、抽出液(A)(生理食塩水(0.9質量%NaCl水溶液)190.0gおよび2Nの塩酸10.0g)を加え、室温下で30分間攪拌した。攪拌後、上澄み液をクロマトディスク(GLクロマトディスク25A、ジーエルサイエンス株式会社)でろ過し、ろ液をプラズマ発光分光分析器(堀場製作所製、ULTIMA)で分析することにより、多価金属濃度を求めた。なお、検量線は既知量の多価金属原子を含む抽出液(A)により作成した。求められた多価金属濃度より、吸水性樹脂から抽出される抽出多価金属原子の割合は次式で表される。
抽出多価金属原子(質量%)=溶液中の多価金属濃度(質量%)×200
(抽出操作B)
抽出液(A)を抽出液(B)(生理食塩水(0.9質量%NaCl水溶液)200.0g)に変更して、抽出操作Aと同様の操作を行った。
抽出操作Aおよび抽出操作Bの結果を比較し、抽出多価金属原子(質量%)の大きい方の結果を採用することとし、採用した抽出多価金属原子(質量%)から、次式に従って、多価金属原子抽出率を求めた。
多価金属原子抽出率(質量%)=[抽出多価金属原子(質量%)/吸水性樹脂中の多価金属原子(質量%)]×100
なお、吸水性樹脂中の多価金属原子(質量%)は次式で求められる。
吸水性樹脂中の多価金属原子(質量%)=[吸水性樹脂中の多価金属原子量(g)/吸水性樹脂量(g)]×100
吸水性樹脂中の多価金属原子量(g)は、例えば、蛍光X線、原子吸光光度法、プラズマ発光分光分析等の公知の方法で測定される。
<Arイオン放電研磨およびESCAによる表面多価金属濃度測定>
この測定は、Arイオン放電研磨(以下、スパッタと略することがある)により、吸水性樹脂表面をごくわずかに削っていき、その面の多価金属原子濃度をESCAにより定量するものである。これにより、吸水性樹脂表面の深さ方向の多価金属原子の濃度分布が明らかとなる。
装置は、JEOL製のJPS−9000MXを用いた。
以下に測定方法の詳細を示す。
約6cm×1cmの長方形の試料台に導電性テープを約1cm角に切断して貼り、その上に吸水性樹脂を約0.2g散布した。テープに接着しなかった吸水性樹脂を窒素ガスで吹き飛ばし、目視で隙間がほとんどなくなる程度に、吸水性樹脂をテープ状に固定した。この試料台を予備排気室に入れ、16時間予備排気した。
試料をESCA測定用の試料室に移動し、検出したい元素に応じて調整された条件(例えば、励起X線源としてMgのKα線を用い、加速電圧10kV、エミッション電流10mA、検出器のパスエネルギー10eV、エネルギー掃引間隔0.1eVに設定し、内殻準位をZrでは、3d5/2に帰属されるピークを含む176〜197eV、炭素では1sに帰属されるピークを含む280〜301eVの範囲に設定した。)で目的の多価金属原子と炭素原子につき、それぞれ10回スキャンを繰り返して光電子スペクトルを得た。バックグランド補正(Shirley法で実施)を行ったスペクトルから得られる面積値(eVcps)を対象に、装置付属の解析ソフトに備わった相対感度因子を用いて、定量補正計算を行い、各元素の値を算出した。これらの値から、スパッタ時間0秒の多価金属原子/炭素比率を計算した。多価金属原子/炭素比率は以下の式で計算される。
多価金属原子/炭素比率=(目的の多価金属原子の値)/(炭素原子の値)
次に、試料を予備排気室に移動し、熱陰極電子衝撃型(カウフマン型)イオンガン(イオンビーム電流50mA、イオンビーム径1.5mm)を用いて、Arイオンの加速電圧500V、加速電流8.5mA、Arガス圧は3×10−2Paの条件で、スパッタを3秒行った。Arガスを排気後、試料を測定用の試料室に移動し、前記と同様の条件でESCA測定し、スパッタ時間3秒の多価金属原子/炭素比率を計算した。
再び、試料を予備排気室に移動し、前記と同様の条件でスパッタを20秒行った。Arガスを排気後、試料を測定用の試料室に移動し、前記と同様の条件でESCA測定し、スパッタ時間23秒の多価金属原子/炭素比率を計算した。
以下、同様に、さらにスパッタを60秒間、120秒間、300秒間行い、それぞれスパッタ時間83秒、203秒、503秒の多価金属原子/炭素比率を計算した(スパッタ時間は任意に設定できる)。
〔参考例1〕
シグマ型羽根を2本有する内容積10リットルのジャケット付きステンレス型双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器中で、71.3モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5438g(単量体濃度39wt%)にポリエチレングリコールジアクリレート11.7g(0.10モル%)を溶解させて反応液とした。次に、この反応液から溶存酸素を窒素ガス雰囲気下で30分間除去した。続いて、反応液に10wt%過硫酸ナトリウム水溶液29.34gおよび0.1wt%L−アスコルビン酸水溶液24.45gを撹押しながら添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。そして、生成したゲルを粉砕しながら、20〜95℃で重合を行い、重合が開始して30分後に含水ゲル状架橋重合体を取り出した。得られた含水ゲル状架橋重合体は、その径が約5mm以下に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状架橋重合体を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、180℃で40分間熱風乾燥した。このようにして、不定形で、容易に粉砕される粒子状や粉末状や粒子状乾燥物凝集体の吸水性樹脂(A)を得た。得られた吸水性樹脂(A)をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmのJIS標準節で分級した。次に、前記の操作で850μmを通過した粒子を目開き150μmのJIS標準飾で分級することで、目開き150μmのJIS標準節を通過した吸水性樹脂を除去した。このようにして粒子状の吸水性樹脂(A1)を得た。また、同様に得られた吸水性樹脂(A)をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き710μmのJIS標準飾で分級した。次に、前記の操作で710μmを通過した粒子を目開き150μmのJIS標準節で分級することで、目開き150μmのJIS標準飾を通過した吸水性樹脂粒子を除去した。このようにして粒子状の吸水性樹脂(A2)を得た。また、同様に得られた吸水性樹脂(A)をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き600μmのJIS標準飾で分級した。次に、前記の操作で600μmを通過した粒子を目開き150μmのJ1S標準節で分級することで、目開き150μmのJIS標準飾を通過した吸水性樹脂粒子を除去した。このようにして粒子状の吸水性樹脂(A3)を得た。
〔実施例1〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(A1)100gにエチレングリコール1.0g、純水3.0g、Bacote20(炭酸ジルコニウムアンモニウム、酸化ジルコニウム分として20wt%の水溶液、MELchemicals製)1.0gの混合液からなる表面処理剤を均一に混合した後、混合物をモルタルミキサー中で撹拌しながら180℃で30分間加熱処理した。さらに、その粒子を目開き850μmのJIS標準飾を通過するまで解砕し、吸水性樹脂(1)を得た。吸水性樹脂(1)の諸物性を測定した結果を表1に示した。
〔比較例1〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(A1)100gにエチレングリコール1.0g、純水3.0g、硫酸アルミニウム14水和物0.5gの混合液からなる表面処理剤を均一に混合した後、混合物をモルタルミキサー中で撹拌しながら180℃で30分間加熱処理した。さらに、その粒子を目開き850μmのJ1S標準飾を通過するまで解砕し、吸水性樹脂(c1)を得た。吸水性樹脂(c1)の諸物性を測定した結果を表1に示した。
〔比較例2〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(A1)30gにエチレングリコール3.6gを均一に混合した。その後、炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液(酸化ジルコニウム分として13.1wt%の水溶液)7.2gを均一に混合した後、混合物を100℃で60分間加熱処理した。さらに、その粒子を目開き850μmのJIS標準飾を通過するまで解砕し、吸水性樹脂(c2)を得た。吸水性樹脂(c2)の諸物性を測定した結果を表1に示した。
〔比較例3〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(A1)100gにエチレングリコール10g、純水30gの混合液からなる表面処理剤を均一に混合した後、混合物をモルタルミキサー中で撹拌しながら180℃で30分間加熱処理した。さらに、その粒子を目開き850μmのJIS標準節を通過するまで解砕し、吸水性樹脂(c3)を得た。吸水性樹脂(c3)の諸物性を測定した結果を表1に示した。
Figure 0005386517
〔実施例2〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(A2)100gに炭酸エチレン0.7g、純水2.2g、酢酸ジルコニウム水溶液(酸化ジルコニウム分として30wt%の水溶液)1.0gの混合液からなる表面処理剤を均一に混合した後、混合物をモルタルミキサー中で撹拌しながら180℃で30分間加熱処理した。さらに、その粒子を目開き710μmのJIS標準節を通過するまで解砕し、吸水性樹脂(2)を得た。吸水性樹脂(2)の諸物性を測定した結果を表2に示した。
〔比較例4〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(A2)100gに炭酸エチレン0.7g、純水2.2g、硫酸アルミニウム18水和物0.8gの混合液からなる表面処理剤を均一に混合した後、混合物をモルタルミキサー中で撹拌しながら180℃で30分間加熱処理した。さらに、その粒子を目開き710μmのJIS標準飾を通過するまで解砕し、吸水性樹脂(c4)を得た。吸水性樹脂(c4)の諸物性を測定した結果を表2に示した。
Figure 0005386517
〔実施例3〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(A3)100gに1,4−ブタンジオール0.3g、プロピレングリコール0.5g、純水0.77g、Bacote20(炭酸ジルコニウムアンモ=ウム、酸化ジルコニウム分として20wt%の水溶液、MELchcmicals製)1.0gの混合液からなる表面処理剤を均一に混合した後、混合物をモルタルミキサー中で撹拌しながら180℃で35分間加熱処理した。さらに、その粒子を目開き600μmのJIS標準飾を通過するまで解砕し、吸水性樹脂(3)を得た。吸水性樹脂(3)の諸物性を測定した結果を表3に示した。
〔実施例4〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(A3)100gに1,4−ブタンジオール0.3g、プロピレングリコール0.5g、純水2.5g、Zirmel1000(炭酸ジルコニウムカリウム、酸化ジルコニウム分として20wt%の水溶液、MELchemicals製)1.0gの混合液からなる表面処理剤を均一に混合した後、混合物をモルタルミキサー中で撹拌しながら180℃で35分間加熱処理した。さらに、その粒子を目開き600μmのJIS標準節を通過するまで解砕し、吸水性樹脂(4)を得た。吸水性樹脂(4)の諸物性を測定した結果を表3に示した。
〔比較例5〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(A3)100gに1,4−ブタンジオール0.3g、プロピレングリコール0.5g、純水2.5g、塩化アルミニウム6水和物0.5gの混合液からなる表面処理剤を均一に混合した後、混合物をモルタルミキサー中で撹拌しながら180℃で35分間加熱処理した。さらに、その粒子を目開き600μmのJIS標準節を通過するまで解砕し、吸水性樹脂(c5)を得た。吸水性樹脂(c5)の諸物性を測定した結果を表3に示した。
〔比較例6〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(A3)100gに1,4−ブタンジオール0.3g、プロピレングリコール0.5g、純水2.5gの混合液からなる表面処理剤を均一に混合した後、混合物をモルタルミキサー中で撹拌しながら180℃で35分間加熱処理した。さらに、その粒子を目開き600μmのJIS標準飾を通過するまで解砕し、吸水性樹脂(c6)を得た。吸水性樹脂(c6)の諸物性を測定した結果を表3に示した。
Figure 0005386517
〔実施例5〕
比較例6で得られた吸水性樹脂(c6)100gに酢酸ジルコニウム水溶液(酸化ジルコニウム分として30wt%の水溶液)2.0gを均一に混合した後、混合物を100℃で20分間乾燥した。さらに、その粒子を目開き600μmのJIS標準節を通過するまで解砕し、吸水性樹脂(5)を得た。吸水性樹脂(5)の諸物性を測定した結果を表4に示した。
〔実施例6〕
比較例6で得られた吸水性樹脂(c6)100gにBacote20(炭酸ジルコニウムアンモニウム、酸化ジルコニウム分として20wt%の水溶液、MELchemicals製)2.0gを均一に混合した後、混合物を100℃で20分間乾燥した。さらに、その粒子を目開き600μmのJIS標準節を通過するまで解砕し、吸水性樹脂(6)を得た。吸水性樹脂(6)の諸物性を測定した結果を表4に示した。
〔実施例7〕
比較例6で得られた吸水性樹脂(c6)100gにZirmel1000(炭酸ジルコニウムカリウム、酸化ジルコニウム分として20wt%の水溶液、MELchemicals製)2.0gを均一に混合した後、混合物を100℃で20分間乾燥した。さらに、その粒子を目開き600μmのJIS標準篩を通過するまで解砕し、吸水性樹脂(7)を得た。吸水性樹脂(7)の諸物性を測定した結果を表4に示した。
また、吸水性樹脂(7)および吸水性樹脂(c6)の、Arイオン放電研磨およびESCAによる表面多価金属濃度測定によるスパッタ時間と多価金属(Zr)原子/炭素比率を表5に示した。
図2に、吸水性樹脂(7)のArイオン放電研磨およびESCAによる表面多価金属濃度測定によるスパッタ時間と多価金属(Zr)原子/炭素比率の関係を示した。横軸はスパッタ時間、縦軸は多価金属(Zr)原子/炭素比率である。スパッタ時間が長くなるほど(吸水性樹脂の内部であればあるほど)、多価金属(Zr)原子/炭素比率が低下していくことがわかる。
〔比較例7〕
比較例6で得られた吸水性樹脂(c6)100gに硫酸アルミニウム18水和物水溶液(硫酸アルミニウム18水和物として20wt%の水溶液)2.0gを均一に混合した後、混合物を100℃で20分間乾燥した。さらに、その粒子を目開き600μmのJIS標準飾を通過するまで解砕し、吸水性樹脂(c7)を得た。吸水性樹脂(c7)の諸物性を測定した結果を表4に示した。
Figure 0005386517
Figure 0005386517
〔吸湿ブロッキング率(BR)の評価〕
参考例1、実施例1〜4、比較例1〜6で得られた吸水性樹脂(A)、(1)〜(4)、(c1)〜(c6)について、吸湿ブロッキング率(BR)を測定した。結果を表6に示した。
Figure 0005386517
〔多価金属原子抽出率の評価〕
実施例1〜6、比較例1、4、5、7で得られた吸水性樹脂(1)〜(6)、(c1)、(c4)、(c5)、(c7)について、多価金属原子抽出率を測定した。結果を表7に示した。
Figure 0005386517
本発明の吸水性樹脂は、例えば、紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パッドおよび医療用パッド等の衛生材料に好適に使用される。
本発明の製造方法は、上記本発明の吸水性樹脂の製造に好ましく用いることができる。
31 タンク
32 ガラス管
33 0.69質量%塩化ナトリウム水溶液
34 コック付きL字管
35 コック
40 容器
41 セル
42 ステンレス製金網
43 ステンレス製金網
44 膨潤ゲル
45 ガラスフィルター
46 ピストン
47 ピストン中の穴
48 補集容器
49 上皿天秤

Claims (10)

  1. アクリル酸および/またはその塩を主成分とする単量体を重合してなり内部架橋構造を有するとともに有機二次架橋剤により表面架橋されてなる吸水性樹脂の表面に、多価金属原子、および、多価金属原子に配位しうる配位子であって水以外の配位子が存在してなる、表面処理された吸水性樹脂。
  2. 前記多価金属原子に前記配位子を配位させると、当該多価金属原子を中心原子とする錯体となりうる、請求項1に記載の表面処理された吸水性樹脂。
  3. 前記配位子は、前記多価金属原子と水よりも強い結合力の配位結合を形成し得る配位子である、請求項1または2に記載の表面処理された吸水性樹脂。
  4. 前記配位子は、OH基を有する配位子、CO基を有する配位子、SO基を有する配位子、有機酸、キレート配位化合物、ハロゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1から3までのいずれかに記載の表面処理された吸水性樹脂。
  5. 価金属原子抽出率が80質量%以下である、請求項1から4までのいずれかに記載の表面処理された吸水性樹脂。
    <多価金属原子抽出率>
    抽出操作A;260mlの容量のポリプロピレン製ビーカーに吸水性樹脂1.0gを秤取し、抽出液(A)(生理食塩水(0.9質量%NaCl水溶液)190.0gおよび2Nの塩酸10.0g)を加え、室温下で30分間攪拌し、攪拌後、上澄み液をクロマトディスクでろ過し、ろ液をプラズマ発光分光分析器で分析することにより、溶液中の多価金属濃度(抽出操作Aによる値)を求め、この多価金属濃度に基づき、下式1で、吸水性樹脂から抽出される抽出多価金属原子の割合(抽出多価金属原子(質量%))を算出する。
    抽出操作B;抽出液(A)を抽出液(B)(生理食塩水(0.9質量%NaCl水溶液)200.0g)に変更して、抽出操作Aと同様の操作を行い、溶液中の多価金属濃度(抽出操作Bによる値)を求め、この多価金属濃度に基づき、下式1で、吸水性樹脂から抽出される抽出多価金属原子の割合(抽出多価金属原子(質量%))を算出する。
    式1;抽出多価金属原子(質量%)=溶液中の多価金属濃度(質量%)×200
    次に、抽出操作Aと抽出操作Bの結果を比較して、抽出多価金属原子(質量%)の大きい方の結果を採用し、採用した抽出多価金属原子(質量%)から、下式2に従って、多価金属原子抽出率(質量%)を算出する。
    式2;多価金属原子抽出率(質量%)=[抽出多価金属原子(質量%)/吸水性樹脂中の多価金属原子(質量%)]×100
    なお、式2における、吸水性樹脂中の多価金属原子(質量%)は下式3で求められる。
    式3;吸水性樹脂中の多価金属原子(質量%)=[吸水性樹脂中の多価金属原子量( g ) /吸水性樹脂量(g)]×100
  6. 前記多価金属原子は、3価または4価の多価金属原子である、請求項1から5までのいずれかに記載の表面処理された吸水性樹脂。
  7. 無加圧下吸収倍率(CRC)が24(g/g)以上であり、食塩水流れ誘導性(SFC)が30〜2000(×10−7cm・s/g)である、請求項1から6までのいずれかに記載の表面処理された吸水性樹脂。
  8. Arイオン放電研磨およびESCAによる表面多価金属濃度測定による、多価金属原子/炭素比率の最大値がスパッタ時間203秒以内にある、請求項1から7までのいずれかに記載の表面処理された吸水性樹脂。
  9. 有機二次架橋剤が多価アルコールである、請求項1から8までのいずれかに記載の表面処理された吸水性樹脂。
  10. 有機二次架橋剤による表面架橋処理が150℃以上250℃以下の加熱処理により行われる、請求項1から9までのいずれかに記載の表面処理された吸水性樹脂。
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