第1の実施の形態
図1乃至図10を用いて、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブ、並びにサスペンション用基板の製造方法について説明する。
図1に示すように、サスペンション用基板1は、後述するスライダ72(図7参照)が実装されるヘッド部2から図示しない外部接続基板が接続されるテール部3に延びるように形成され、実装されるスライダ72の中心を通る直線状の長手方向軸線(X)を有している。ヘッド部2には、スライダ72に接続される複数のヘッド端子5が設けられ、テール部3には、外部機器に接続される複数の外部機器接続端子6が設けられており、ヘッド端子5と外部機器接続端子6とが、後述する複数の配線12を介してそれぞれ接続されている。
図1および図5に示すように、サスペンション用基板1は、絶縁層10と、絶縁層10の一方の面に設けられ、導電性を有するバネ性材料層(金属支持基板)11と、絶縁層10の他方の面に設けられた複数(例えば、6つ)の配線12とを備えている。これら6つの配線12のうち2つの配線12が、互いに隣接する一対の書込用配線15(第1書込用配線20および第2書込用配線25)を構成すると共に、他の2つの配線12が、互いに隣接する一対の読取用配線16を構成している。
図2および図4に示すように、第1書込用配線(一の配線)20は、ヘッド部2から延びる第1ヘッド側配線部21と、この第1ヘッド側配線部21から分岐する複数(例えば、2つ)の第1分割配線部22a、22bとを有している。このうち、第1ヘッド側配線部21は、絶縁層10の配線12側の面上において、一方の第1分割配線部22aのヘッド側端部に接続されている。各第1分割配線部22a、22bのヘッド側端部には、後述する導電接続部34を形成するためのヘッド側配線貫通孔30が設けられている(図5参照)。また、第1書込用配線20は、テール部3に延びる第1テール側配線部(図示せず)を更に有しており、各第1分割配線部22a、22bは、絶縁層10の配線12側の面上において、後述する第2ヘッド側配線部26と第2分割配線部27a、27bと同様にして、第1テール側配線部に接続されている。
第2書込用配線(他の配線)25は、ヘッド部2から延びる第2ヘッド側配線部26と、この第2ヘッド側配線部26から分岐する2つの第2分割配線部27a、27bとを有している。各第2分割配線部27a、27bは、絶縁層10の配線12側の面上において、第2ヘッド側配線部26に接続されている。また、第2書込用配線25は、テール部3に延びる第2テール側配線部(図示せず)を更に有しており、各第2分割配線部27a、27bは、第2テール側配線部から分岐して接続するようになっている。すなわち、第2テール側配線部と各第2分割配線部27a、27bとの接続構造は、第1ヘッド側配線部21と各第1分割配線部22a、22bとが接続されるヘッド側分岐部分と同様の構造となっている。
このような第1書込用配線20の各第1分割配線部22a、22bと、第2書込用配線25の各第2分割配線部27a、27bとは、交互に配置されている。すなわち、2つの第1分割配線部22a、22bの間に、一方の第2分割配線部27aが介在されており、2つの第2分割配線部27a、27bの間に、一方の第1分割配線部22bが介在されている。なお、図1においては、図面を明瞭にするために、第1書込用配線20および第2書込用配線25の詳細形状は省略している。
図5に示すように、絶縁層10に、絶縁層10を貫通する一対のヘッド側絶縁貫通孔32が設けられている。各ヘッド側絶縁貫通孔32は、第1書込用配線20のヘッド側分岐部分に対応する位置(すなわち、ヘッド側配線貫通孔30に対応する位置)に設けられている。
各ヘッド側配線貫通孔30および各ヘッド側絶縁貫通孔32に、絶縁層10を貫通する導電接続部34が設けられている。
図2および図3に示すように、バネ性材料層11は、バネ性材料層本体40と、バネ性材料層本体40から分離されると共に、互いに分離された第1バネ性材料層分離体41および第2バネ性材料層分離体42と、を有している。第1バネ性材料層分離体41および第2バネ性材料層分離体42は、長手方向軸線(X)に沿って矩形状に形成され、第1バネ性材料層分離体41は、長手方向軸線(X)に対して一方の側に配置され、第2バネ性材料層分離体42は、長手方向軸線(X)に対して他方の側に第1バネ性材料層分離体41と線対称に配置されている。また、第1バネ性材料層本体41は、第1書込用配線20のヘッド側分岐部分に対応する位置に設けられている。なお、線対称とは、当然のことながら厳密に線対称という意味ではなく、ヘッド部2の側におけるサスペンション用基板1の柔軟性が長手方向軸線(X)に対して線対称とみなすことができる程度の誤差を含むものとして用いている。
図2および図4に示すように、第1書込用配線20の一方の第1分割配線部22aは、一方の導電接続部34を介して、第1バネ性材料層分離体41に接続され、他方の第1分割配線部22bは、他方の導電接続部34を介して、第1バネ性材料層分離体41に接続されている。このようにして、第1バネ性材料層分離体41が、各第1分割配線部22a、22bを導通接続している。なお、第2バネ性材料層分離体42は、いずれの配線12にも接続されていない。
図2および図3に示すように、第1バネ性材料層分離体41および第2バネ性材料層分離体42は、実装されるスライダ72よりもサスペンション用基板1の先端側(テール部3とは反対側、図1乃至図3における上方側)に配置されている。すなわち、第1書込用配線20のヘッド側分岐部分が、スライダ72よりもサスペンション用基板1の先端側に、かつ、当該スライダ72に近接して配置されている。これに伴い、第2書込用配線25のヘッド側分岐部分も、スライダ72よりもサスペンション用基板1の先端側に、かつ、当該スライダ72に近接して配置されている。また、図示しないが、第1書込用配線20および第2書込用配線25のテール側分岐部分は、外部機器接続端子6に近接して配置されることが好ましい。このことにより、各分割配線部22a、22b、27a、27bを交互に配置させる領域を長くすることができ、一対の書込用配線15のインピーダンスをより一層低減することができる。
バネ性材料層本体40は、実装されるスライダ72を支持するタング部40aと、タング部40aの両側方に離間して設けられ、長手方向軸線(X)に沿って延びる一対のアウトリガー部40bとを有している。タング部40aと各アウトリガー部40bとは、連結部40cによって連結されている。各配線12は、タング部40aと各アウトリガー部40bとの間に配置されている。すなわち、図2に示すように、一方(図2における右側)のアウトリガー部40bの長手方向軸線(X)の側(内側、図2における左側)に、一対の書込用配線15が配置され、他方(図2における左側)のアウトリガー部40bの長手方向軸線(X)の側(内側、図2におけるに右側)に、一対の読取用配線16が配置されている(インナートレース配置)。
また、第1バネ性材料層分離体41および第2バネ性材料層分離体42は、対応するアウトリガー部40bより先端側に配置されている。すなわち、第1バネ性材料層分離体41の長手方向軸線(X)とは反対側(図2における右側)および先端側は、バネ性材料層本体40に囲まれていない。同様に、第2バネ性材料層分離体42の長手方向軸線(X)とは反対側(図2における左側)および先端側は、バネ性材料層本体40に囲まれていない。
図1に示すように、絶縁層10およびバネ性材料層本体40には、バネ性材料層11を保持する後述のロードビーム61を実装する際に、ロードビーム61との間でアライメント(位置合わせ)を行うための2つの治具孔38aおよび38bが設けられている。各治具孔38a、38bは、長手方向軸線(X)上に配置されている。すなわち、当該長手方向軸線(X)は、各治具孔38a、38bを通っている。
絶縁層10には、図5に示すように、各配線12を覆う保護層50が設けられている。この保護層50は、各導電接続部34を外方へ露出する開口部51を有している。このことにより、各導電接続部34の上面が、外方へ露出するようになっている。なお、図1乃至図4においては、図面を明瞭にするために、保護層50は省略されている。
なお、図9および図10に示すように、絶縁層10と配線12との間に、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、もしくはそれらの合金(銅を含んでも良い)からなる金属薄膜層36を介在させても良い。この場合、絶縁層10と配線12との間の密着性を向上させることができる。また、図10に示すように、各導電接続部34と配線12との間に、ニッケルめっきおよび金(Au)めっきが施されることにより形成されためっき層37を介在させても良い。
次に、各構成部材について詳細に述べる。
絶縁層10の材料としては、所望の絶縁性を有する材料であれば特に限定されることはないが、例えば、ポリイミド(PI)を用いることが好適である。なお、絶縁層10の材料は、感光性材料であっても非感光性材料であっても用いることができる。また、絶縁層10の厚さは、5μm〜30μm、とりわけ5μm〜15μmであることが好ましい。このことにより、バネ性材料層11と各配線12との間の絶縁性能を確保するとともに、サスペンション用基板1全体としての剛性が喪失されることを防止することができる。
各配線12は、電気信号を伝送するための導体として構成されており、各配線12の材料としては、所望の導電性を有する材料であれば特に限定されることはないが、銅(Cu)を用いることが好適である。銅以外にも、純銅に準ずる電気特性を有する材料であれば用いることもできる。ここで、各配線12の厚さは、例えば1μm〜18μm、とりわけ5μm〜12μmであることが好ましい。このことにより、各配線12の伝送特性を確保するとともに、サスペンション用基板1全体としての柔軟性が喪失されることを防止することができる。
各導電接続部34の材料としては、所望の導電性を有する材料であれば特に限定されることはないが、ニッケルまたは銅が挙げられ、より好ましくは、ニッケルを用いることが好適である。このことにより、各導電接続部34の露出された上面に、導通検査器(プローブ)の先端を押し付けた場合においても、導電接続部34の上面が変形することを防止することができる。
バネ性材料層11の材料としては、所望の導電性、弾力性、および強度を有するものであれば特に限定されることはないが、例えば、ステンレス、アルミニウム、ベリリウム銅、またはその他の銅合金を用いることができ、好ましくはステンレスを用いることが好適である。なお、バネ性材料層11の厚さは、配線12の厚さよりも大きいことが好ましい。なお、バネ性材料層11の厚さは、一例として、10μm〜30μm、とりわけ15μm〜25μmとすることができる。
保護層50の材料としては、樹脂材料、例えば、ポリイミドを用いることが好適である。なお、保護層50の材料は、感光性材料であっても非感光性材料であっても用いることができる。保護層50の厚さは、2μm〜30μmであることが好ましい。
次に、図6により、本実施の形態におけるサスペンション61について説明する。図6に示すサスペンション61は、上述したサスペンション用基板1と、サスペンション用基板1の後述するスライダ72(図7参照)が実装される面とは反対側の面に設けられ、スライダ72をディスク83(図8参照)に対して保持するためのロードビーム62とを有している。
次に、図7により、本実施の形態におけるヘッド付サスペンション71について説明する。図7に示すヘッド付サスペンション71は、上述したサスペンション61と、サスペンション用基板1のヘッド部2に実装されるスライダ72とを有している。
次に、図8により、本実施の形態におけるハードディスクドライブ81について説明する。図8に示すハードディスクドライブ81は、ケース82と、このケース82に回転自在に取り付けられ、データが記憶されるディスク83と、このディスク83を回転させるスピンドルモータ84と、ディスク83に所望のフライングハイトを保って近接するように設けられ、ディスク83に対してデータの書き込みおよび読み取りを行うスライダ72を含むヘッド付サスペンション71とを有している。このうちヘッド付サスペンション71は、ケース82に対して移動自在に取り付けられ、ケース82にはヘッド付サスペンション71のスライダ72をディスク83上に沿って移動させるボイスコイルモータ85が取り付けられている。また、ヘッド付サスペンション71は、ボイスコイルモータ85にアーム86を介して取り付けられている。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用、すなわち本実施の形態によるサスペンション用基板1の製造方法について説明する。なお、第2書込用配線25の図示しない第2テール側配線部と各第2分割配線部27a、27bとの接続構造は、第1ヘッド側配線部21と各第1分割配線部22a、22bとが接続されるヘッド側分岐部分と同様の構造となっているため、ここでは、説明を省略する。
まず、絶縁層10と、絶縁層10の一方の面に設けられた導電性を有するバネ性材料層11と、絶縁層10の他方の面に設けられた配線材料層12aとを有する積層体13を準備する。
この場合、まず、バネ性材料層11を準備し(図9(a)参照)、このバネ性材料層11上に、非感光性材料からなる絶縁層10が形成される(図9(b)参照)。次に、絶縁層10上に、金属薄膜層36が形成され(図9(c)参照)、この金属薄膜層36上に、配線材料層12aが形成される(図9(d)参照)。ここで、配線材料層12aは、電解銅めっきにより形成されても良い。このようにして、絶縁層10と、バネ性材料層11と、配線材料層12aとを有する積層体13が得られる。なお、絶縁層10上に金属薄膜層36を形成することなく、絶縁層10上に配線材料層12aを形成するようにしても良いが、金属薄膜層36を介在させることにより、絶縁層10と配線材料層12aとの密着性を向上させることができる。なお、絶縁層10上に、金属薄膜層36ではなく接着剤層(図示せず)を形成して、この接着剤層を介して配線材料層12aを形成するようにしても良い。
続いて、積層体13の配線材料層12aから複数の配線12(一対の書込用配線15および一対の読取用配線16)が形成される(図9(e)参照)。この場合、フォトファブリケーションの手法により、配線材料層12a上にパターン状のレジスト(図示せず)が形成され、レジストの開口部から、塩化第二鉄水溶液などの腐食液により金属薄膜層36および配線材料層12aがエッチングされる。このようにして、一対の読取用配線16と、上述したヘッド側配線部21、26と分割配線部22a、22b、27a、27bとを有する書込用配線20、25が形成されると共に、各分割配線部22a、22b、27a、27bに配線貫通孔30が形成される。その後、レジストは除去される。
次に、絶縁層10上に、各配線12を覆う保護層50が形成される(図9(f)参照)。この場合、まず、絶縁層10に、非感光性材料からなる保護層50が形成され、この保護層50上に、パターン状のレジストが形成される。次に、パターン状のレジストの開口部から、有機アルカリ液などのエッチング液により保護層50がエッチングされる。このことにより、保護層50に、開口部51が形成される。なお、保護層50のエッチングは、プラズマエッチングで行っても良い。その後、レジストは除去される。
その後、絶縁層10の配線貫通孔30に対応する位置に、絶縁貫通孔32が形成される(図9(g)参照)。この場合、まず、パターン状のレジストが形成され、レジストの開口部から有機アルカリ液などのエッチング液により絶縁層10がエッチングされて、絶縁層10に絶縁貫通孔32が形成される。その後、レジストは除去される。なお、絶縁層10のエッチングは、プラズマエッチングで行っても良い。
次に、配線貫通孔30および絶縁貫通孔32に、導電接続部34が形成される。この場合、まず、配線貫通孔30において、各分割配線部22a、22b、27a、27bの露出されている部分に、書込用配線20、25をめっき用給電層として、ニッケルめっきおよび金めっきが順次施されて、めっき層37が形成される(図10(a)参照)。このめっき層37は、スライダ72や、ヘッド端子5および外部機器接続端子6に施されるめっき処理と同時に行われることが好ましい。このことにより、めっき層37を効率良く形成することができる。次に、絶縁貫通孔32および配線貫通孔30にニッケルめっきが施され、ニッケルからなる導電接続部34が形成される(図10(b)参照)。この場合、導電接続部34は、めっき層37を介して分割配線部22a、22b、27a、27bに接続される。また、保護層50の開口部51から、導電接続部34の上面が外方に露出される。このことにより、露出した導電接続部34の上面から、分岐した分割配線部22a、22b、27a、27bの断線検査を行うことが可能になる。
次に、バネ性材料層11がバネ性材料層本体40(図2等参照)と、第1バネ性材料層分離体41および第2バネ性材料層分離体42とに分離される(図10(c)参照)。この場合、バネ性材料層11にパターン状のレジストが形成され、このレジストの開口部から、塩化第二鉄水溶液などの腐食液によりバネ性材料層11がエッチングされて、バネ性材料層本体40と各バネ性材料層分離体41、42とが分離される。その後、レジストは除去される。
このようにして得られたサスペンション用基板1の下面に、ロードビーム62が取り付けられて図6に示すサスペンション61が得られる。この場合、治具孔38a、38bと、ロードビーム61に設けられた治具孔(図示せず)とを用いてアライメントが行われる。このサスペンション61のヘッド部2に、スライダ72が実装されて図7に示すヘッド付サスペンション71が得られる。この場合、スライダ72のスライダパッドが各配線12に接続される。さらに、このヘッド付サスペンション71がハードディスクドライブ81のケース82に取り付けられて、図8に示すハードディスクドライブ81が得られる。
図8に示すハードディスクドライブ81においてデータの書き込みおよび読み取りを行う際、ボイスコイルモータ85によりヘッド付サスペンション71のスライダ72がディスク83上に沿って移動し、スピンドルモータ84により回転しているディスク83に所望のフライングハイトを保って近接する。このことにより、スライダ72とディスク83との間で、データの受け渡しが行われる。この間、サスペンション用基板1のヘッド部2とテール部3との間を延びる各配線12により電気信号が伝送される。
このように本実施の形態によれば、複数の配線12のうち第1書込用配線20を、分岐して配線することができ、第1書込用配線20の電気特性を向上させることができる。とりわけ、第1書込用配線20の第1ヘッド側配線部21から分岐した第1分割配線部22a、22bと、第2書込用配線25の第2ヘッド側配線部26から分岐した第2分割配線部27a、27bとが、交互に配置されている。このことにより、第1書込用配線20と第2書込用配線25との間のキャパシタンス(線間容量)を増大して、各書込用配線20、25のインピーダンスを低減し、電気特性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、第1書込用配線20の各第1分割配線部22a、22bに接続された第1バネ性材料層分離体41が、実装されるスライダ72の中心を通る長手方向軸線(X)に対して一方の側に配置され、第2バネ性材料層分離体42が、長手方向軸線(X)に対して他方の側に配置されている。このことにより、配線12に比べて面積や質量の大きい第1バネ性材料層分離体41を長手方向軸線(X)に対して、一方の側に偏らないように配置することができ、バネ性材料層11の形状を長手方向軸線(X)に対してバランス良くし、スライダ72の浮上特性を安定させることができる。とりわけ、本実施の形態によれば、第1バネ性材料層分離体41と第2バネ性材料層分離体42とが、長手方向軸線(X)に対して線対称に配置されていることから、バネ性材料層11の形状を長手方向軸線(X)に対して線対称にしてバランスを向上させ、サスペンション用基板1の柔軟性を、長手方向軸線(X)に対して線対称にすることができる。このため、サスペンション用基板1の空気抵抗バランスおよび質量バランスを向上させることができ、スライダ72の浮上特性を安定させることができる。
また、本実施の形態によれば、バネ性材料層本体40の各アウトリガー部40bの先端側に、第1バネ性材料層分離体41および第2バネ性材料層分離体42が配置され、各バネ性材料層分離体41、42が、バネ性材料層本体40により囲まれていない。この場合、ヘッド部2の先端部の剛性が不足し、ディスク83が回転している間、エアベアリング(空気の流れ)の影響を受けてスライダ72の浮上が不安定になる。しかしながら、本実施の形態のように第1バネ性材料層分離体41および第2バネ性材料層分離体42を設けることによって、当該先端部に剛性を付与することができる。このため、ディスク83を回転させている間、エアベアリングの影響を受けてサスペンション用基板1が反ることを抑制することができ、スライダ72の浮上特性を安定させることができる。
また、本実施の形態によれば、第1バネ性材料層分離体41および第2バネ性材料層分離体42が、実装されるスライダ72よりも先端側に配置され、第1書込用配線20と第2書込用配線25のヘッド側分岐部分が、スライダ72に近接して配置されている。この場合、各分割配線部22a、22b、27a、27bを交互に配置させる領域を長くすることができ、一対の書込用配線15のインピーダンスをより一層低減することができる。
また、本実施の形態によれば、各第1分割配線部22a、22bが、絶縁層10を貫通する導電接続部34を介して、バネ性材料層本体40から分離された第1バネ性材料層本体41に接続されている。このことにより、配線12同士が積層されるような多層構造となることを回避することができ、第1分割配線部22a、22bと第2分割配線部27a、27bとを交互に配置させることができる。このため、上述のようにインピーダンスを低減して電気特性を向上させると共に、サスペンション用基板1を容易に製造することができる。この場合、製造コストを低減することもできる。
また、本実施の形態によれば、第1書込用配線20が、そのヘッド側分岐部分において、第1バネ性材料層分離体41を介して分岐されると共に、第2書込用配線25が、第1書込用配線20のヘッド側分岐部分と同様の構造により、テール部3側において分岐されている。このことにより、第1書込用配線20と第2書込用配線25の経路を同様にして形成することができ、インピーダンスを略同一にすることができる。
また、本実施の形態によれば、バネ性材料層11の厚さが、配線12の厚さよりも大きくなっている。この場合、ヘッド部2の先端部において、配線12よりも厚い第1バネ性材料層分離体41および第2バネ性材料層分離体42が設けられるため、当該先端部に剛性を付与することができる。このため、ディスク83を回転させている間、エアベアリングの影響を抑制し、浮上特性を安定させることができる。
さらに、本実施の形態によれば、バネ性材料層11と絶縁層10と配線材料層12aとを有する積層体13から、配線材料層12aをエッチングして、サブトラクティブ法により配線12を形成することができる。このことにより、各配線12と絶縁層10との間の密着性を向上させることができると共に、各配線12の厚みを均一にすることができる。また、バネ性材料層11をバネ性材料層本体40と第1バネ性材料層分離体41および第2バネ性材料層分離体42とに分離する前に、絶縁貫通孔32および配線貫通孔30にニッケルめっきが施されて導電接続部34が形成されている。このため、ニッケルめっきを行う際、バネ性材料層11全体をめっき用給電層として使用することができ、めっきの作業性を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、第1バネ性材料層分離体41および第2バネ性材料層分離体42は、長手方向軸線(X)に対して互いに線対称に配置されている例について説明した。しかしながら線対称の配置に限られることはなく、第1バネ性材料層分離体41が長手方向軸線(X)に対して一方の側に配置され、第2バネ性材料層分離体42が、長手方向軸線(X)に対して他方の側に配置されていればよい。この場合においても、長手方向軸線(X)の両側におけるバネ性材料層11の形状のバランスを向上させることができ、スライダ72の浮上特性を安定させることができる。
また、本実施の形態においては、配線貫通孔30において各書込用配線20、25の露出されている部分に、ニッケルめっきおよび金めっきからなるめっき層37を形成した後、絶縁貫通孔32および配線貫通孔30にニッケルめっきが施されて導電接続部34が形成される例について説明した。しかしながらこのことに限られることはなく、各書込用配線20、25の露出されている部分に、めっき層37を形成することなく、バネ性材料層11をめっき用給電層として、絶縁貫通孔32および配線貫通孔30にニッケルめっきを施して導電接続部34を形成するようにしても良い(図11(a)参照)。なお、この場合においても、導電接続部34を形成した後に、図11(b)に示すように、バネ性材料層11が、バネ性材料層本体40と第1バネ性材料層分離体41および第2バネ性材料層分離体42とに分離することが好ましい。
また、本実施の形態においては、各書込用配線20、25が、2つの分割配線部22a、22b、27a、27bを有している例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、各書込用配線20、25が、3つ以上の分割配線部を有して、各第1分割配線部と各第2分割配線部とが交互に配置されるようにしても良い。この場合、第1書込用配線20と第2書込用配線25との間のキャパシタンスをより一層増大させて、各書込用配線20、25のインピーダンスをより一層低減することができる。また、この場合、各ヘッド側配線部21、26と、各分割配線部とは、種々の形態で接続することができる。例えば、第1ヘッド側配線部21は、単一の第1バネ性材料層分離体41を介して、3つ以上の分割配線部に接続されるようにしてもよい。別の形態としては、第1バネ性材料層分離体41を2つ以上に分離させて、第1ヘッド側配線部21と各分割配線部とを接続するようにしてもよい。例えば、第1ヘッド側配線部21に、分離された一のバネ性材料層分離体を介して2つの分割配線部が接続され、当該2つの分割配線部のうちの一の分割配線部と第3の分割配線部とが、分離された他のバネ性材料層分離体を介して、接続されるようにしてもよい。このように第1バネ性材料層分離体41を分離させた場合、第2バネ性材料層分離体42も同様にして2つ以上に分離させて、分離された第1バネ性材料層分離体41と、分離された第2バネ性材料層分離体42とを、長手方向軸線(X)に対して線対称となるように配置することが好ましい。
また、本実施の形態においては、バネ性材料層11と絶縁層10と配線材料層12aとを有する積層体13から、配線材料層12aをエッチングして、サブトラクティブ法により配線12を形成する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、アディティブ法によりサスペンション用基板1を作製しても良い。
この場合、まず、図12(a)に示すように、バネ性材料層11を準備する。
次に、バネ性材料層11に、絶縁貫通孔32を有する絶縁層10が形成される(図12(b)参照)。この場合、まず、バネ性材料層11に、非感光性材料からなる絶縁層10が形成され、この絶縁層10上に、パターン状のレジストが形成される。次に、レジストの開口部から、有機アルカリ液などのエッチング液により絶縁層10がエッチングされて、絶縁層10に絶縁貫通孔32が形成される。その後、レジストは除去される。
続いて、絶縁層10上に、金属薄膜層36が形成される(図12(c)参照)。この場合、絶縁貫通孔32内にも金属薄膜層36が形成される。
次に、絶縁層10上に複数の配線12(一対の書込用配線15および一対の読取用配線16)と共に、絶縁貫通孔32に導電接続部34が形成される(図12(d)参照)。この場合、まず、絶縁層10上に、パターン状のレジストが形成され、レジストの開口部に、電解銅めっき法により、配線12が形成される。この際、絶縁貫通孔32に、書込用配線20、25と一体に導電接続部34が形成される。その後、レジストが除去される。
その後、金属薄膜層36のうち露出されている部分が、エッチングにより除去される(図12(e)参照)。
次に、絶縁層10上に、各配線12を覆う保護層50が形成される(図12(f)参照)。この場合、導電接続部34も保護層50に覆われる。
続いて、バネ性材料層11が、バネ性材料層本体40(図2等参照)と第1バネ性材料層分離体41および第2バネ性材料層分離体42とに分離される(図12(g)参照)。この場合、バネ性材料層11に、パターン状のレジストが形成され、このレジストの開口部から、塩化第二鉄水溶液などの腐食液によりバネ性材料層11がエッチングされる。このことにより、バネ性材料層本体40と各バネ性材料層分離体41、42とが形成される。その後、レジストが除去される。
このように、図12に示す形態によれば、バネ性材料層11上に絶縁層10をパターン状に形成して、この絶縁層10上にアディティブ法により配線12を形成することができる。また、導電接続部34を配線12と同時に形成することができ、製造工程を簡素化することができる。さらに、導電接続部34は、外方に露出することなく、保護層50により覆われる。このため、銅からなる導電接続部34が、腐食することを防止することができる。
また、図12に示す形態においては、絶縁層10が非感光性材料からなり、パターン状のレジストを形成して、絶縁層10をエッチングにより所望の形状にパターニングする例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、絶縁層10が感光性材料からなり、レジストを形成することなく、パターン状に露光して現像することにより絶縁層10を所望の形状にパターニングしても良い。また、図9および図12に示す形態において、保護層50を、同様にして、感光性材料により形成しても良い。
また、本実施の形態においては、図2および図3に示すように、第1バネ性材料層分離体41の長手方向軸線(X)とは反対側(図2における右側)および先端側は、バネ性材料層本体40に囲まれておらず、第2バネ性材料層分離体42の長手方向軸線(X)とは反対側(図2における左側)および先端側は、バネ性材料層本体40に囲まれていない例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第1バネ性材料層分離体41および第2バネ性材料層分離体42が、対応するアウトリガー部40bによって囲まれていても良い。すなわち、図13に示すように、バネ性材料層本体40の各アウトリガー部40bが、第1バネ性材料層分離体41および第2バネ性材料層分離体42を囲むようにして、タング部40aの先端部に連結するようにしても良い。この場合、ヘッド部2の先端部に、剛性を付与することができ、ディスク83を回転させている間、エアベアリングの影響を受けてサスペンション用基板1が反ることをより一層抑制することができる。このため、スライダ72の浮上特性をより一層安定させることができる。
また、本実施の形態においては、各配線12が、タング部40aと各アウトリガー部40bとの間に配置された例(インナートレース配置)について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、各配線12、並びに、第1バネ性材料層分離体41および第2バネ性材料層分離体42が、対応するアウトリガー部40bに対して長手方向軸線(X)とは反対側に配置されるようにしても良い(アウタートレース配置)。すなわち、図14に示すように、一方(図14における右側)のアウトリガー部40bの長手方向軸線(X)とは反対側(外側、図14における右側)に一対の書込用配線15が配置され、他方の(図14における左側)のアウトリガー部40bの長手方向軸線(X)とは反対側(外側、図14における左側)に一対の読取用配線16が配置されるようにしても良い。この場合においても、第1バネ性材料層分離体41の長手方向軸線(X)とは反対側(図14における右側)および先端側は、バネ性材料層本体40に囲まれておらず、第2バネ性材料層分離体42の長手方向軸線(X)とは反対側(図14における左側)および先端側は、バネ性材料層本体40のアウトリガー部40bによって囲まれていない。ところで、一般に、アウタートレース配置とする場合には、配線12がアウトリガー部40bよりも長手方向軸線(X)とは反対側(外側)に配置されるため、ヘッド部2の先端部の剛性が低下し、エアベアリングの影響を受けてスライダ72の浮上が不安定になりやすい。しかしながら、図14に示すように、第1バネ性材料層分離体41および第2バネ性材料層分離体42が、対応するアウトリガー部40bに対して長手方向軸線(X)とは反対側(外側)に配置されるため、ヘッド部2の先端部に、剛性を付与することができる。このため、ディスク83を回転させている間、エアベアリングの影響を受けてサスペンション用基板1が反ることを抑制することができ、スライダ72の浮上特性を安定させることができる。また、図14に示す例においては、各配線12と実装されるスライダ72との間の距離を増大させることができ、スライダ72への各配線12の発熱の影響を低減することができる。
さらに、本実施の形態においては、図15に示すように、第1バネ性材料層分離体41および第2バネ性材料層分離体42において、長手方向軸線(X)とは反対側かつ先端側の角部は、面取りされていても良い。すなわち、第1バネ性材料層分離体41において、図15における左上側の角部に、直線状の面取部43が設けられると共に、第2バネ性材料層分離体42において、図15における右上側の角部に、直線状の面取部43が設けられていても良い。この場合、図15に示すように、絶縁層10の対応する角部も、同様にして直線状に面取りされることが好ましい。このことにより、エアベアリングの影響を低減することができ、スライダ72の浮上特性を安定させることができる。
第2の実施の形態
次に、図16により、本発明の第2の実施の形態におけるサスペンション用基板について説明する。
図16に示す第2の実施の形態においては、バネ性材料層分離体が、長手方向軸線上に配置されている点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図10に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図16において、図1乃至図10に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図16に示す本実施の形態においては、バネ性材料層11は、バネ性材料層本体40と、バネ性材料層本体40から分離された矩形状のバネ性材料層分離体90と、を有している。バネ性材料層分離体90は、長手方向軸線(X)上に配置されている。より具体的には、バネ性材料層分離体90の中心軸線(一対の導電接続部34を通る線)が、長手方向軸線(X)上に配置されている。
第1書込用配線20の一方の第1分割配線部22aは、一方の導電接続部34を介して、バネ性材料層分離体90に接続され、他方の第1分割配線部22bは、他方の導電接続部34を介して、バネ性材料層分離体90に接続されている。このようにして、バネ性材料層分離体90が、各第1分割配線部22a、22bを導通接続している。
バネ性材料層分離体90は、実装されるスライダ72よりもサスペンション用基板1の先端側に配置され、第1書込用配線20と第2書込用配線25のヘッド側分岐部分が、スライダ72よりもサスペンション用基板1の先端側に、かつ、当該スライダ72に近接して配置されている。
図16に示す本実施の形態においては、図14に示す形態と同様に、各配線12が、対応するアウトリガー部40bに対して長手方向軸線(X)とは反対側(外側)に配置されている(アウタートレース配置)。また、バネ性材料層分離体90は、図16に示すように、スライダ72の先端側において、アウトリガー部40bにより囲われていてもよい。この場合、ヘッド部2の先端部に剛性を付与することができ、ディスク83を回転させている間、エアベアリングの影響を受けてサスペンション用基板1が反ることをより一層抑制することができる。このため、スライダ72の浮上特性をより一層安定させることができる。
このように本実施の形態によれば、複数の配線12のうち第1書込用配線20を、分岐して配線することができ、第1書込用配線20の電気特性を向上させることができる。また、第1書込用配線20の第1ヘッド側配線部21から分岐した第1分割配線部22a、22bと、第2書込用配線25の第2ヘッド側配線部26から分岐した第2分割配線部27a、27bとが、交互に配置されている。このことにより、第1書込用配線20と第2書込用配線25との間のキャパシタンス(線間容量)を増大して、各書込用配線20、25のインピーダンスを低減し、電気特性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、第1書込用配線20の各第1分割配線部22a、22bに接続されたバネ性材料層分離体90が、実装されるスライダ72の中心を通る長手方向軸線(X)上に配置されている。このことにより、バネ性材料層11の形状を長手方向軸線(X)に対して線対称にしてバランスを向上させ、サスペンション用基板1の柔軟性を、長手方向軸線(X)に対して線対称にすることができる。このため、サスペンション用基板1の空気抵抗バランスおよび質量バランスを向上させることができ、スライダ72の浮上特性を安定させることができる。
第3の実施の形態
次に、図17により、本発明の第3の実施の形態におけるサスペンション用基板について説明する。
図17に示す第3の実施の形態においては、接地用配線が、長手方向軸線に対して互いに線対称に配置された一対の接地接続部を介してバネ性材料層に接続されている点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図10に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図17において、図1乃至図10に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図17に示すように、複数の配線12のうち一の配線12は、実装されるスライダ72の接地をとるための接地用配線91となっている。また、絶縁層10には、絶縁層10を貫通する一対の接地接続部(導電接続部34)92が設けられている。接地用配線91は、各接地接続部92を介して、バネ性材料層11のバネ性材料層本体40(タング部40aの先端部)に接続されている。なお、本実施の形態においては、バネ性材料層本体40から分離されたバネ性材料層分離体は設けられていない。
一方の接地接続部92は、長手方向軸線(X)に対して一方の側に配置され、他方の接地接続部92は、長手方向軸線(X)に対して他方の側に当該一方の接地接続部92と線対称に配置されている。
このように本実施の形態によれば、スライダ72の接地を取るための接地用配線91が、長手方向軸線(X)に対して互いに線対称に配置された一対の接地接続部92を介してバネ性材料層11に接続されている。このことにより、サスペンション用基板1の柔軟性を、長手方向軸線(X)に対して線対称にすることができ、サスペンション用基板1の空気抵抗バランスおよび質量バランスを向上させて、スライダ72の浮上特性を安定させることができる。
なお、本実施の形態においては、一対の接地接続部92が、長手方向軸線(X)に対して互いに線対称に配置されている例について説明した。しかしながらこのことに限られることはなく、一方の接地接続部92が長手方向軸線(X)に対して一方の側に配置され、他方の接地接続部92が、長手方向軸線(X)に対して他方の側に配置されていればよい。この場合においても、長手方向軸線(X)の両側におけるサスペンション用基板1の空気抵抗バランスおよび質量バランスを向上させることができ、スライダ72の浮上特性を安定させることができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明によるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブ、並びにサスペンション用基板の製造方法は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、上述した第1の実施の形態または第2の実施の形態において、図17に示す第3の実施の形態のように、導電接続部34とは異なる位置で長手方向軸線(X)に対して互いに線対称に一対の接地接続部92を設けて、スライダ72の接地をとるための接地用配線91が、各接地接続部92を介してバネ性材料層本体40に接続されるようにしても良い。この場合においても、サスペンション用基板1の柔軟性を長手方向軸線(X)に対して線対称にすることができ、スライダ72の浮上特性を安定させることができる。