JP5381952B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関においてクランク軸からの機関トルクの伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来、クランク軸と連動回転する駆動回転体並びにカム軸と連動回転する従動回転体に遊星歯車を連繋させ、当該遊星歯車の遊星運動によってクランク軸及びカム軸間の相対位相(以下、「機関位相」という)を変化させるバルブタイミング調整装置が、知られている。
こうした構成のバルブタイミング調整装置として特許文献1に開示の装置では、従動回転体により軸受されると共に機関トルクが伝達される本体部材に対して、遊星歯車と連繋する連繋部材が締結部材により締結されることで、駆動回転体が形成されている。ここで特に、特許文献1に開示の装置では、連繋部材に挿通された締結部材が本体部材に螺合されている。これによれば、締結部材の螺合による連繋部材の歪みが回避され得るので、歪んだ連繋部材と遊星歯車との間で異音や磨耗が発生する事態につき、抑制可能となる。
特開2009−162109号公報
さて、特許文献1に開示の装置では、駆動回転体を構成する筒状の本体部材において、従動回転体により軸受されるジャーナル部が内周部に、また環状のタイミングチェーンを掛け渡されて機関トルクを伝達される伝達部が外周部に、それぞれ形成されている。これにより、トルク伝達時にタイミングチェーンの張力が伝達部に作用する本体部材は、ジャーナル部を軸受する従動回転体により伝達部の内周側にて支持されることで、傾き難くなっているので、当該傾きに起因する異音や磨耗の発生につき、抑制可能となる。
しかし、このような構成の下、特許文献1の開示装置では、ジャーナル部及び伝達部の間において締結部材が本体部材に螺合している。そのため、本体部材において締結部材の螺合箇所の内周側に位置するジャーナル部は、当該螺合による歪みに起因して従動回転体との間で異音や磨耗を発生するおそれがあった。また、本体部材において締結部材の螺合箇所の外周側に位置する伝達部は、当該螺合による歪みに起因してタイミングチェーンとの間で異音や磨耗を発生するおそれがあった。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、バルブタイミング調整装置における異音及び磨耗の抑制効果を高めて、静粛性及び耐久性を確保することにある。
請求項1に記載の発明は、内燃機関においてクランク軸からの機関トルクの伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、クランク軸と連動回転する駆動回転体と、カム軸と連動回転する従動回転体と、駆動回転体及び従動回転体に連繋し、遊星運動することによりクランク軸及びカム軸間の機関位相を変化させる遊星歯車と、を備え、駆動回転体は、従動回転体により軸受されるジャーナル部を、内周部に形成し、環状のトルク伝達部材が掛け渡されることにより機関トルクが伝達される伝達部を、外周部に形成する筒状の本体部材と、遊星歯車に連繋する連繋部材と、連繋部材に挿通されて本体部材に螺合することにより、連繋部材を本体部材に締結する締結部材と、を有するバルブタイミング調整装置において、
本体部材におけるジャーナル部及び伝達部間に、通し孔部が設けられ、本体部材においてジャーナル部及び伝達部間から外れる箇所に、螺子孔部が設けられ、締結部材は、通し孔部に連繋部材側から遊挿されて、螺子孔部に螺合することを特徴とする。
このように、請求項1に記載の発明において駆動回転体は、連繋部材に挿通された締結部材が本体部材に螺合することにより、形成されることとなる。これによれば、締結部材の螺合による連繋部材の歪みは回避され得るので、歪んだ連繋部材と遊星歯車との間で異音や磨耗が発生する事態につき、抑制可能となる。さらに請求項1に記載の発明では、筒状の本体部材において、従動回転体により軸受されるジャーナル部が内周部に、また環状のトルク伝達部材を掛け渡されて機関トルクを伝達される伝達部が外周部に、それぞれ形成される。これにより、トルク伝達時にトルク伝達部材の張力が伝達部に作用する本体部材は、ジャーナル部を軸受する従動回転体により伝達部の内周側にて支持されることで、傾き難くなるので、当該傾きに起因する異音や磨耗の発生についても、抑制可能となる。
しかも、請求項1に記載の発明において締結部材は、本体部材に対して、ジャーナル部及び伝達部間の通し孔部に連繋部材側から遊挿されて、それらの部間から外れた螺子孔部に螺合する。これにより、本体部材において締結部材の螺合箇所の内周側を外れて、同締結部材の遊挿箇所の内周側に位置することとなるジャーナル部は、当該螺合による歪みに起因して従動回転体との間で異音や磨耗を発生する事態につき、抑制可能である。それと共に、本体部材において締結部材の螺合箇所の外周側を外れて、同締結部材の遊挿箇所の外周側に位置することとなる伝達部は、当該螺合による歪みに起因してトルク伝達部材との間で異音や磨耗を発生する事態につき、抑制可能である。
以上説明したことから、請求項1に記載の発明は、異音及び磨耗の抑制効果の高いバルブタイミング調整装置となり得る。したがって、バルブタイミング調整装置の静粛性及び耐久性を確保することができる。
請求項2に記載の発明によると、本体部材において通し孔部は、ジャーナル部及び伝達部が軸方向に沿って重なる箇所に、設けられる。この発明において、軸方向に沿って伝達部と重なるジャーナル部は、トルク伝達部材の張力を伝達部の内周側にて径方向に受けることになるので、歪みが生じている場合には、従動回転体との間で異音や磨耗を発生し易くなる。しかし、そうしたジャーナル部及び伝達部の重なり箇所の通し孔部に遊挿される締結部材は、当該重なり箇所を外れた螺子孔部に螺合することになるので、ジャーナル部の歪みを招き難い。したがって、ジャーナル部の歪みに起因する異音及び磨耗の発生に対して、抑制効果を高めることができるのである。
請求項3に記載の発明によると、本体部材において通し孔部は、ジャーナル部の外周側の軸方向全域及び伝達部の内周側の軸方向全域を包含する箇所に、設けられる。この発明の本体部材において通し孔部は、ジャーナル部の外周側の軸方向全域及び伝達部の内周側の軸方向全域を包含する箇所に設けられることで、それら部の双方と軸方向に沿って重なるだけでなく、それら部の一方のみと軸方向に沿って重なることとなる。こうした通し孔部に締結部材が遊挿されることによれば、同締結部材が本体部材の螺子孔部に螺合することによる歪みを、ジャーナル部及び伝達部の双方において確実に低減し得る。したがって、ジャーナル部の歪みに起因する異音や磨耗の発生に対しても、伝達部の歪みに起因する異音や磨耗の発生に対しても、抑制効果を高めることができる。
請求項4に記載の発明によると、筒状の本体部材は、連繋部材が圧入される圧入部を、内周部のうちジャーナル部と隣接する箇所に形成し、本体部材において通し孔部は、ジャーナル部及び伝達部間から圧入部の外周側に跨って、設けられる。この発明では、筒状の本体部材の内周部においてジャーナル部と隣接する圧入部は、連繋部材の圧入により歪む事態につき、懸念される。しかし、ジャーナル部及び伝達部間から圧入部の外周側に跨る通し孔部に遊挿される締結部材は、当該圧入部の外周側から外れた螺子孔部に螺合することになるので、当該圧入部の歪みが螺子孔部への螺合状態に影響し難い。これによれば、本体部材及び連繋部材の締結部材による締結強度につき、ばらつきが抑制され得るので、バルブタイミング調整装置の耐久性の向上に貢献可能である。
請求項5に記載の発明によると、伝達部は、金属製の本体部材に対して焼き入れ処理が施されてなる。この発明において、金属製の本体部材に対して焼き入れ処理が施されてなる伝達部は、剛性が高くなる一方で靭性が低くなる傾向にあるため、歪みの発生により割れる事態が懸念される。しかし、締結部材の螺合箇所の外周側を外れて同締結部材の遊挿箇所の外周側に位置することとなる伝達部は、当該螺合による歪みに起因した割れを抑制され得るので、バルブタイミング調整装置の耐久性の向上に貢献可能である。
本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置の基本構成を示す図であって、図2のI−I線断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のIII−III線断面図である。 図1の遊星歯車機構の要部を拡大して示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置1を示している。バルブタイミング調整装置1は車両に搭載され、内燃機関のクランク軸(図示しない)からカム軸2へ機関トルクを伝達する伝達系に設置されている。尚、本実施形態においてカム軸2は、内燃機関の「動弁」のうち吸気弁(図示しない)を機関トルクの伝達によって開閉するものであり、バルブタイミング調整装置1は、クランク軸及びカム軸2間の機関位相に応じて当該吸気弁のバルブタイミングを調整する。
(基本構成)
以下、バルブタイミング調整装置1の基本構成を説明する。図1に示すようにバルブタイミング調整装置1は、アクチュエータ3、通電制御回路部4及び遊星歯車機構5等を組み合わせてなる。
アクチュエータ3は、例えばブラシレスモータ等の電動モータであり、内燃機関の固定節に固定されるケース6と、当該ケース6により正逆回転自在に支持される制御軸7とを有している。通電制御回路部4は、例えば駆動ドライバ及びその制御用マイクロコンピュータ等から構成されており、ケース6の外部及び/又は内部に配置されてアクチュエータ3と電気的に接続されている。通電制御回路部4は、機関位相を内燃機関の運転状態に応じた位相に調整するよう、アクチュエータ3への通電によって制御軸7の回転状態を制御する。遊星歯車機構5は、駆動回転体10、従動回転体20、遊星キャリア40及び遊星歯車50を備えている。
図1〜3に示すように全体として筒状の駆動回転体10は、遊星歯車機構5の他の構成要素20,40,50を内部に収容している。駆動回転体10は、本体部材11に対して連繋部材12及びカバー部材13を、複数の締結部材14により螺子留めしてなる。
有底円筒状の本体部材11は、従動回転体20により軸受されるジャーナル部15と、連繋部材12が圧入される圧入部16とを、内周部のうち互いに軸方向に隣接する箇所に形成している。また、本体部材11は、スプロケット歯17aが駆動回転体10の回転方向に複数並んでなる伝達部17を、外周部に形成している。伝達部17は、それらのスプロケット歯17aとクランク軸の複数のスプロケット歯との間でタイミングチェーン8が「環状のトルク伝達部材」として掛け渡されることにより、クランク軸と連繋する。かかる連繋により、クランク軸から出力される機関トルクがチェーン8を通じて伝達部17に伝達されると、駆動回転体10が当該クランク軸と連動して回転する。このときの駆動回転体10の回転方向は、常に一定方向(図2の反時計方向且つ図3の時計方向)となる。
図1,2に示すように円環板状の連繋部材12は、圧入部16の円筒面状内周面に圧入されて本体部材11に同軸上に締結されており、内周部に駆動側内歯車部18を形成している。駆動側内歯車部18は、遊星歯車50と歯車連繋可能に、歯先円を歯底円の内周側に有している。連繋部材12と同軸上に配置される円環状のカバー部材13は、本体部材11に対して当該連繋部材12を軸方向に挟んで締結されている。
図1,3に示すように有底円筒状の従動回転体20は、ジャーナル部15の円筒面状内周面に嵌合することにより本体部材11を軸受する軸受部21を、外周部に形成している。また、従動回転体20は、カム軸2に同軸上に連結される連結部22を、底部に形成している。かかる要素22,2同士の連結によって従動回転体20は、カム軸2と連動して回転可能且つ駆動回転体10に対して相対回転可能となっている。ここで、従動回転体20の回転方向は、駆動回転体10と同一方向(図3の時計方向)に設定されている。
さらに従動回転体20は、内周部に従動側内歯車部24を形成している。従動側内歯車部24は、遊星歯車50と歯車連繋可能に、歯先円を歯底円の内周側に有している。従動側内歯車部24の内径は駆動側内歯車部18の内径よりも小さく設定され、また従動側内歯車部24の歯数は駆動側内歯車部18の歯数よりも少なく設定されている。従動側内歯車部24は、駆動側内歯車部18から軸方向にずれて配置されている。
図1,2に示すように円筒状の遊星キャリア40は、内周部に連結部41を形成している。連結部41は、回転体10,20及び制御軸7と同心の円筒面状内周面に、制御軸7の継手部43と嵌合する嵌合溝42が開口形成されてなる。かかる要素43,42同士の嵌合によって遊星キャリア40は、制御軸7と一体に回転可能且つ駆動側内歯車部18に対して相対回転可能となっている。
さらに遊星キャリア40は、図1〜3に示すように、外周部に偏心部44を形成している。偏心部44は、回転体10,20及び制御軸7とは偏心する円筒面状外周面に対して、遊星ベアリング45を挟んで連繋する遊星歯車50を、遊星運動可能に支持している。ここで遊星運動とは、遊星歯車50が偏心部44の偏心中心線周りに自転しつつ、遊星キャリア40の回転方向へ公転する運動をいう。したがって、制御軸7と共に遊星キャリア40が遊星歯車50の公転方向へ回転するときには、当該遊星歯車50が遊星運動することになる。
段付円筒状の遊星歯車50は、駆動側外歯車部52と従動側外歯車部54とをそれぞれ、大径外周部と小径外周部とに形成している。駆動側内歯車部18の内周側に偏心配置される駆動側外歯車部52は、歯底円の外周側に歯先円を有することにより、当該駆動側内歯車部18と噛合している。駆動側外歯車部52から軸方向にずれて従動側内歯車部24の内周側に偏心配置される従動側外歯車部54は、歯底円の外周側に歯先円を有することにより、当該従動側内歯車部24と噛合している。従動側外歯車部54の外径は駆動側外歯車部52の外径よりも小さく設定され、またそれら従動側外歯車部54及び駆動側外歯車部52の歯数は、それぞれ従動側内歯車部24及び駆動側内歯車部18の歯数よりも同数ずつ少なく設定されている。
このようにして回転体10,20間を歯車連繋してなる遊星歯車機構5は、制御軸7の回転状態に応じた機関位相を実現して、バルブタイミングを調整する。具体的には、制御軸7が駆動回転体10と同速に回転することで、遊星キャリア40が駆動側内歯車部18に対して相対回転しないときには、遊星歯車50が遊星運動せずに回転体10,20と連れ回りする。その結果、機関位相は変化しないので、バルブタイミングが保持される。
制御軸7が駆動回転体10よりも高速に回転することで、遊星キャリア40が駆動側内歯車部18に対する進角側へ相対回転するときには、遊星歯車50の遊星運動によって従動回転体20が駆動回転体10に対する進角側へ相対回転する。その結果、機関位相は進角側へと変化するので、バルブタイミングが進角することになる。一方、制御軸7が駆動回転体10よりも低速に回転する又は駆動回転体10とは逆に回転することで、遊星キャリア40が駆動側内歯車部18に対する遅角側へ相対回転するときには、遊星歯車50の遊星運動によって従動回転体20が駆動回転体10に対する遅角側へ相対回転する。その結果、機関位相は遅角側へと変化するので、バルブタイミングが遅角することになる。
(特徴構成)
以下、バルブタイミング調整装置1の特徴構成を説明する。図1〜3に示すように、駆動回転体10において回転方向に間隔をあけた複数個所(本実施形態では、四箇所)には、金属製の構成部材11,12,13を軸方向に沿って貫通する締結孔100が設けられ、それら各締結孔100には、金属ボルトからなる締結部材14が個別に挿入されている。尚、締結孔100及び締結部材14の各組の構成は、配設位置以外は互いに実質同一であるので、以下では、図4に示す一組の構成について詳細を説明する。
締結孔100において、カバー部材13及び連繋部材12がそれぞれ形成する挿通孔部113,112には、締結部材14の軸部114aのうち螺子部114bの設けられていない円筒部114cが、挿通されている。ここで各挿通孔部113,112は、円筒部114cの外径よりも大きな内径をもって軸方向にストレートに延伸する円筒孔状に、それぞれ形成されている。これにより円筒部114cは、各挿通孔部113,112を非螺合状態で貫通して、同じ締結部材14の頭部114dをカバー部材13の軸方向端面に当接させている。尚、本実施形態において円筒部114cの外径は、螺子部114bの螺子山の径よりも小さく設定されており、当該外径に応じて各挿通孔部113,112の内径が設定される。
締結孔100において、挿通孔部112との接続箇所に本体部材11が形成する通し孔部111aには、締結部材14の軸部114aのうち雄螺子状の螺子部114bの一部が、挿通されている。ここで通し孔部111aは、螺子部114bの螺子山の径よりも大きな内径をもって軸方向にストレートに延伸する円筒孔状に、形成されている。これにより螺子部114bは、連繋部材12側から通し孔部111aに遊挿されて、当該通し孔部111aを非螺合状態で貫通している。尚、通し孔部111aは、螺子部114bの螺子山との間に径方向のクリアランス111cを確保して遊挿状態を維持可能な寸法範囲に、内径設定されていればよく、例えば当該寸法範囲内で挿通孔部113,112の内径未満となるように、内径設定される。尚、図4においてクリアランス111cは、説明の理解を容易にするために、誇張して大きく描かれている。
またここで、本実施形態の通し孔部111aは、本体部材11における特定箇所、具体的には、ジャーナル部15の外周側の軸方向全域Jと圧入部16の外周側の軸方向全域Pと伝達部17の内周側の軸方向全域Tとのいずれも包含する箇所に、形成されている。これにより通し孔部111aは、ジャーナル部15と伝達部17とが軸方向に沿って重なる箇所に設けられ、それら部15,17の間から圧入部16の外周側に跨って軸方向に延伸する形となっている。
締結孔100において、通し孔部111aとの接続箇所に本体部材11が形成する雌螺子状の螺子孔部111bには、締結部材14の軸部114aのうち当該通し孔部111a側から突き出た螺子部114bの残部が、螺合している。これにより、螺子部114bの螺着された本体部材11は、頭部114dとの間に連繋部材12及びカバー部材13を挟持する状態で、それら部材12,13と締結されている。
ここで、本実施形態の螺子孔部111bは、本体部材11における特定箇所、具体的には、ジャーナル部15の外周側の軸方向全域Jと圧入部16の外周側の軸方向全域Pと伝達部17の内周側の軸方向全域Tとのいずれからも外れる箇所に、形成されている。これにより螺子孔部111bは、ジャーナル部15及び伝達部17が軸方向に沿って重なる箇所には設けられず、それら部15,17の間から外れると共に、圧入部16の外周側からも外れる形となっている。
ここまで説明したように、バルブタイミング調整装置1において駆動回転体10は、カバー部材13及び連繋部材12に挿通された締結部材14が本体部材11に螺合することにより、形成されている。これによれば、締結部材14の螺合による連繋部材12の歪みは回避され得るので、歪んだ連繋部材12と遊星歯車50との間で異音や磨耗が発生する事態につき、抑制可能となる。さらに、バルブタイミング調整装置1において円筒状の本体部材11では、従動回転体20の軸受部21により軸受されるジャーナル部15が内周部に、また環状のタイミングチェーン8を掛け渡されて機関トルクを伝達される伝達部17が外周部に、それぞれ形成されている。これにより、トルク伝達時にチェーン8の張力が伝達部17に作用する本体部材11は、ジャーナル部15を軸受する従動回転体20により伝達部17の内周側にて支持されることで、傾き難くなるので、当該傾きに起因する異音や磨耗の発生についても、抑制可能となる。
しかも、バルブタイミング調整装置1において締結部材14は、本体部材11に対して、ジャーナル部15及び伝達部17間の通し孔部111aに連繋部材12側から遊挿されて、それらの部15,17間から外れた螺子孔部111bに螺合している。これにより、本体部材11において締結部材14の螺合箇所の外周側を外れて、同締結部材14の遊挿箇所の外周側に位置している伝達部17は、当該螺合による歪みに起因してタイミングチェーン8との間で異音や磨耗を発生する事態につき、抑制可能である。それと共に、本体部材11において締結部材14の螺合箇所の内周側を外れて、同締結部材14の遊挿箇所の内周側に位置しているジャーナル部15は、当該螺合による歪みに起因して従動回転体20との間で異音や磨耗を発生する事態につき、抑制可能となる。ここで特に、軸方向に沿って伝達部17と重なるジャーナル部15は、チェーン8の張力を伝達部17の内周側にて径方向に受けるため、歪みに起因する異音や磨耗の発生が懸念されるが、そうした重なり箇所では締結部材14が遊挿状態にあるため、当該歪み自体を招き難い。また特に、ジャーナル部15の外周側の軸方向全域J及び伝達部17の内周側の軸方向全域Tを包含する箇所では、締結部材14の遊挿される通し孔部111aが、それら部15,17の少なくとも一方に対して軸方向に沿って重なることになる。その結果として締結部材14は、ジャーナル部15の外周側からも伝達部17の内周側からも外れた螺子孔部111bに、螺合されているので、当該螺合よる各部15,17の歪みを確実に低減して、異音及び磨耗の抑制効果を高めることができるのである。
以上より、バルブタイミング調整装置1では、異音及び磨耗の抑制効果が高められ得て、静粛性及び耐久性が確保されることになる。但し、バルブタイミング調整装置1では、円筒状の本体部材11の内周部においてジャーナル部15と軸方向に隣接する圧入部16については、連繋部材12の圧入による歪みが懸念される。しかし、締結部材14は、圧入部16の外周側に形成される通し孔部111aに遊挿されて、当該外周側から外れる螺子孔部111bに螺合しているので、圧入部16の歪みが螺子孔部111bへの螺合状態(例えば軸力や内部応力等)に影響し難い。これによれば、部材11〜13の締結部材14による締結強度につき、ばらつきが抑制され得るので、バルブタイミング調整装置1の耐久性の向上に貢献可能である。
また、バルブタイミング調整装置1では、金属製の本体部材11のうち伝達部17に対して剛性を高めるための高周波焼き入れ処理を施すような場合、靭性が低くなる傾向にあるため、当該焼き入れ処理後の伝達部17は、歪みに起因する割れが生じ易くなる。しかし、締結部材14の螺合箇所の外周側を外れて同締結部材14の遊挿箇所の外周側に位置している伝達部17は、焼き入れ処理後にあっても、当該螺合による歪みに起因した割れを抑制され得るので、バルブタイミング調整装置1の耐久性の向上に貢献可能である。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、当該実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
具体的には、通し孔部111a及び螺子孔部111bを有する締結孔100の配設数は、バルブタイミング調整装置1の仕様に応じて適宜設定してもよい。また、通し孔部111aは、ジャーナル部15及び伝達部17が軸方向に沿って重なる箇所のみに、即ち図4の領域J,Tが重なる箇所のみに設けてもよい。さらに、その場合を含めて、圧入部16の外周側に通し孔部111aを設けない構成を採用してもよいし、あるいは、圧入部16自体を設けない構成を採用してもよい。またさらに、締結部材14の軸部114aにおいて円筒部114cの外径を螺子部114bの螺子山の径以上に設定し、当該外径に応じて各挿通孔部113,112の内径を設定してもよい。
駆動回転体10については、カバー部材13を連繋部材12によって一体に形成してもよいし、本体部材11と連繋部材12との間に介装した中間部材を、それらの部材11,12と共に締結部材14によって締結してもよい。また、「環状のトルク伝達部材」としては、タイミングチェーン8の代わりに、タイミングベルトを採用してもよい。さらに、「伝達部」としては、スプロケット歯17aを有するものの代わりに、「環状のトルク伝達部材」が掛け渡されるプーリを設けてもよい。またさらに、遊星歯車機構5としては、回転体10,20の双方に直接的に遊星歯車50が歯車連繋するもの以外に、例えば回転体10のみに歯車連繋する遊星歯車を、リンク機構等を介して間接的に回転体20に連繋させたものを、採用してもよい。
そして、本発明は、吸気弁のバルブタイミングを調整する装置以外に、「動弁」としての排気弁のバルブタイミングを調整する装置や、吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置にも、適用することができる。
1 バルブタイミング調整装置、2 カム軸、3 アクチュエータ、4 通電制御回路部、5 遊星歯車機構、6 ケース、7 制御軸、8 タイミングチェーン(トルク伝達部材)、10 駆動回転体、11 本体部材、12 連繋部材、13 カバー部材、14 締結部材、15 ジャーナル部、16 圧入部、17 伝達部、17a スプロケット歯、18 駆動側内歯車部、20 従動回転体、21 軸受部、22 連結部、24 従動側内歯車部、40 遊星キャリア、50 遊星歯車、52 駆動側外歯車部、54 従動側外歯車部、100 締結孔、111a 通し孔部、111b 螺子孔部、111c クリアランス、112,113 挿通孔部、114a軸部、114b 螺子部、114c 円筒部、114d 頭部

Claims (5)

  1. 内燃機関においてクランク軸からの機関トルクの伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
    前記クランク軸と連動回転する駆動回転体と、
    前記カム軸と連動回転する従動回転体と、
    前記駆動回転体及び前記従動回転体に連繋し、遊星運動することにより前記クランク軸及び前記カム軸間の相対位相を変化させる遊星歯車と、
    を備え、前記駆動回転体は、
    前記従動回転体により軸受されるジャーナル部を、内周部に形成し、環状のトルク伝達部材が掛け渡されることにより前記機関トルクが伝達される伝達部を、外周部に形成する筒状の本体部材と、
    前記遊星歯車に連繋する連繋部材と、
    前記連繋部材に挿通されて前記本体部材に螺合することにより、前記連繋部材を前記本体部材に締結する締結部材と、
    を有するバルブタイミング調整装置において、
    前記本体部材における前記ジャーナル部及び前記伝達部間に、通し孔部が設けられ、前記本体部材において前記ジャーナル部及び前記伝達部間から外れる箇所に、螺子孔部が設けられ、
    前記締結部材は、前記通し孔部に前記連繋部材側から遊挿されて、前記螺子孔部に螺合することを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記本体部材において前記通し孔部は、前記ジャーナル部及び前記伝達部が軸方向に沿って重なる箇所に、設けられることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記本体部材において前記通し孔部は、前記ジャーナル部の外周側の軸方向全域及び前記伝達部の内周側の軸方向全域を包含する箇所に、設けられることを特徴とする請求項2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 筒状の前記本体部材は、前記連繋部材が圧入される圧入部を、内周部のうち前記ジャーナル部と隣接する箇所に形成し、
    前記本体部材において前記通し孔部は、前記ジャーナル部及び前記伝達部間から前記圧入部の外周側に跨って、設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記伝達部は、金属製の前記本体部材に対して焼き入れ処理が施されてなることを特徴とする請求項1〜4いずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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