JP2008215314A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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憲 堀
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Abstract

【課題】生産性を高めると共に、耐久性の低下と異音の発生を抑制するバルブタイミング調整装置の提供。
【解決手段】装置は、径方向の相反側に突出する一対の連結突部76が設けられた回転軸体7を有し、回転軸体7から出力の制御トルクを発生する電動モータと、各連結突部76に連結される一対の連結構造90が設けられて回転軸体7と一体に回転する遊星キャリア40を有し、遊星キャリア40に回転軸体7から入力の制御トルクに応じてクランク軸及びカム軸間の相対位相を調整する位相調整機構とを備え、各連結構造90は、回転軸体7の筒状の本体部材80よりも高硬度に形成されて本体部材80の径方向に略平行となるように本体部材80の内周側に固定される一対の嵌合部94を有し、各連結突部76は、対応する連結構造90の一対の嵌合部94間に嵌合することで回転軸体7に連結されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来、電動モータや電動ブレーキ等のトルク発生手段により制御トルクを発生させ、バルブタイミングを決めるクランク軸及びカム軸間の相対位相(以下、「機関位相」という)を当該制御トルクに応じて調整するバルブタイミング調整装置が知られている。この種のバルブタイミング調整装置としては、トルク発生手段の出力回転体と位相調整機構の入力回転体とを連結し、出力回転体から入力回転体に入力される制御トルクに応じて位相調整機構により機関位相を調整するようにしたものが、特許文献1に開示されている。
さて、特許文献1に開示のバルブタイミング調整装置では、出力回転体において径方向の相反する側に突出させた一対の連結突部を、入力回転体において内周側に開口させた一対の連結凹部にそれぞれ嵌合させている。これにより、組立時における入力回転体及び出力回転体間の連結作業を容易にして、生産性を高めているのである。
特開2004−003419号公報
さて、特許文献1に開示のバルブタイミング調整装置において、組立時に各連結突部を各連結凹部に嵌入し易くするには、連結突部と連結凹部との間に嵌合クリアランスを確保することが重要となる。しかし、こうした嵌合クリアランスを確保する場合、組立後の作動時には、入力回転体及び出力回転体間の軸ずれや傾き等に伴って各連結突部と各連結凹部とが相対摺動し、それによって大きな接触圧力が発生することで、材料によっては磨耗が進行することになる。このような磨耗の進行は、耐久性を低下させたり、嵌合クリアランスを必要以上に増大させて異音の発生を招くおそれがあるため、改善が望まれている。
尚、磨耗を抑制するために、連結凹部が設けられた入力回転体を金属で形成して熱処理を施すことにより、入力回転体全体の硬度を高める方法が考えられる。しかし、この方法では、熱処理による歪みが入力回転体に発生し易いため、特に寸法精度が入力回転体に要求される場合等においては、好ましくない。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、生産性を高めると共に、耐久性の低下並びに異音の発生を抑制するバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、径方向の相反する側に突出する一対の連結突部が設けられた出力回転体を有し、当該出力回転体から出力する制御トルクを発生するトルク発生手段と、各連結突部にそれぞれ連結される一対の連結構造が設けられて出力回転体と一体に回転する入力回転体を有し、当該入力回転体に出力回転体から入力される制御トルクに応じてクランク軸及びカム軸間の機関位相を調整する位相調整機構とを備え、各連結構造は、入力回転体の筒状の本体部材よりも高硬度に形成されて本体部材の径方向に略平行となるように本体部材の内周側に固定される一対の嵌合部材を有し、各連結突部は、対応する連結構造の一対の嵌合部材間に嵌合することより入力回転体と連結されることを特徴とする。
このように請求項1に記載の発明によると、トルク発生手段の出力回転体において径方向の相反する側に突出する一対の連結突部は、位相調整機構の出力回転体に設けられた一対の連結構造にそれぞれ連結される。ここで各連結突部は、対応する連結構造において本体部材の径方向に略平行な一対の嵌合部材間に嵌合するが、それら嵌合部材は、入力回転体の筒状の本体部材よりも高硬度に形成されて当該本体部材の内周側に固定される。故に、嵌合クリアランスを相互間に形成する嵌合部材と連結突部とが入力回転体及び出力回転体間の軸ずれや傾斜等に伴って相対摺動したとしても、高硬度の嵌合部材は磨耗し難い。したがって、組立時における入力回転体及び出力回転体間の連結作業を嵌合クリアランスの確保により容易にして生産性を高めることができるのみならず、嵌合部材の磨耗に起因する耐久性の低下並びに異音の発生を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によると、各嵌合部材は、各連結突部と略同じ硬度を有する。これによれば、嵌合クリアランスを相互間に形成する嵌合部材と連結突部とは、入力回転体及び出力回転体間の軸ずれや傾斜等に伴って相対摺動したとしても、共に磨耗し難くなる。したがって、嵌合部材及び連結突部の磨耗に起因する耐久性の低下並びに異音の発生を抑制することができる。
請求項3に記載の発明によると、各連結構造は、一対の嵌合部材間を接続部材により接続してなる連結体を有する。これによれば、本体部材に対して一対の嵌合部材を、それぞれ個別にではなく、一つの連結体として一挙に固定することができるので、その固定作業が容易となって生産性が高められる。
請求項4に記載の発明によると、連結体は、本体部材の軸方向における各嵌合部材の一端部間を接続部材により接続してなり、本体部材の内周側に開口する固定凹部に収容固定される。これによれば、各連結構造の連結体が本体部材に固定されてなる入力回転体の内周側において、それら連結構造に各連結突部が連結される出力回転体の配置スペースを、可及的に大きく形成することができる。したがって、外周側の入力回転体と一体に回転する出力回転体を径方向に大きく形成してその強度を高めることにより、耐久性の向上に貢献することが可能となるのである。
請求項5に記載の発明によると、連結体は、本体部材の固定凹部に圧入される。これによれば、圧入という比較的簡単な作業により連結体を本体部材の固定凹部に収容固定することができるので、生産性が高められる。
請求項6に記載の発明によると、入力回転体は、本体部材の軸方向に開口する固定凹部に連結体が接続部材側から圧入されてなる。このように、本体部材の軸方向に開口する固定凹部に対し、接続部材により補強された側から連結体が圧入されることによれば、連結体の変形を抑制し得る。したがって、固定凹部に圧入された連結体の嵌合部材と連結突部との間の嵌合クリアランスを正確に設定して、磨耗に起因する耐久性の低下並びに異音の発生を確実に抑制することができるのである。
請求項7に記載の発明によると、各嵌合部材の接続部材とは反対側の端部間並びに固定凹部は、本体部材の軸方向においてトルク発生手段側に開口する。これによれば、固定凹部に収容固定された連結体の各嵌合部材間に、本体部材の軸方向のトルク発生手段側から当該手段の連結突部を嵌入させることができる。したがって、組立時における入力回転体及び出力回転体間の連結作業を容易にして、生産性を高めることができるのである。
請求項8に記載の発明によると、位相調整機構は、クランク軸と連動して回転する第一回転体と、カム軸と連動して回転する第二回転体と、第一回転体及び第二回転体のうち少なくとも一方に設けられる歯車部と、歯車部に噛合しつつ遊星運動することによりクランク軸及びカム軸間の相対位相を変化させる遊星歯車と、本体部材により遊星歯車を遊星運動自在に支持する入力回転体としての遊星キャリアとを有する。これによれば、第一及び第二回転体と連動回転するクランク軸及びカム軸間の機関位相を高い応答性にて変化させるために、それら回転体のうち少なくとも一方の歯車部に噛合する遊星歯車の遊星運動を円滑にするには、遊星キャリアにおける遊星歯車の支持部分に寸法精度が要求される。ここで、入力回転体としての遊星キャリアは、遊星歯車を支持する本体部材に対して各連結構造の嵌合部材が高硬度であればよい。したがって、遊星歯車を支持する本体部材の寸法精度が当該本体部材の高硬度化を目的とした熱処理によって悪化する事態を回避可能となる。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第一実施形態)
図2は、本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置1を示している。バルブタイミング調整装置1は車両に搭載され、内燃機関のクランク軸(図示しない)からカム軸2に機関トルクを伝達する伝達系に設置される。バルブタイミング調整装置1は電気駆動系4及び位相調整機構8等を組み合わせてなり、バルブタイミングを決めるクランク軸及びカム軸2間の機関位相を調整する。尚、本実施形態においてカム軸2は内燃機関の吸気弁(図示しない)を開閉するものであり、バルブタイミング調整装置1は当該吸気弁のバルブタイミングを調整する。
まず、電気駆動系4について説明する。電気駆動系4は、電動モータ5及び通電制御回路6を備えている。
電動モータ5は例えばブラシレスモータ等であり、回転軸体7から出力する制御トルクを通電によって発生する。通電制御回路6は例えばマイクロコンピュータ及びモータドライバ等から構成されており、電動モータ5の外部及び/又は内部に配置されている。通電制御回路6は電動モータ5と電気的に接続されており、内燃機関の運転状況に応じて電動モータ5への通電を制御する。この制御された通電を受けて電動モータ5は、回転軸体7から出力する制御トルクを保持又は増減する。
次に、位相調整機構8について説明する。位相調整機構8は、駆動側回転体10、従動側回転体20、遊星キャリア40及び遊星歯車50を備えている。
図2〜4に示すように駆動側回転体10は、共に有底筒状を呈する歯車部材12及びスプロケット13を同軸上に螺子止めしてなる。歯車部材12の周壁部は、歯先円が歯底円の内周側にある駆動側内歯車部14を形成している。スプロケット13には、径方向外側に突出する複数の歯16が設けられている。スプロケット13は、それらの歯16とクランク軸の複数の歯との間で環状のタイミングチェーン(図示しない)が巻き掛けられることにより、クランク軸と連繋する。したがって、クランク軸から出力された機関トルクがタイミングチェーンを通じてスプロケット13に入力されるときには、駆動側回転体10はクランク軸と連動して、当該クランク軸に対する相対位相を保ちつつ回転する。このとき駆動側回転体10の回転方向は、図3,4の反時計方向となる。
図2,3に示すように、従動側回転体20は有底筒状を呈しており、スプロケット13の内周側に同心的に配置されている。従動側回転体20の周壁部は、歯先円が歯底円の内周側にある従動側内歯車部22を形成している。
図2に示すように従動側回転体20の底壁部は、カム軸2に同軸上にボルト固定されて連結する連結部24を形成している。この連結部24とカム軸2との連結によって従動側回転体20は、カム軸2と連動して当該カム軸2に対する相対位相を保ちつつ回転可能となっており、また駆動側回転体10に対して相対回転可能となっている。尚、駆動側回転体10に対して従動側回転体20が進角する相対回転方向が図3,4の方向Xであり、駆動側回転体10に対して従動側回転体20が遅角する相対回転方向が図3,4の方向Yである。
図2に示すように、遊星キャリア40は全体として筒状を呈しており、電気駆動系4の回転軸体7から制御トルクが入力される入力壁42を一端部側に形成している。回転体10,20に対して同心的な入力壁42には、回転軸体7が連結されている。この連結により遊星キャリア40は、回転軸体7と一体に回転可能となっており、また回転体10,20に対して相対回転可能となっている。
図2〜4に示すように、遊星キャリア40はさらに、回転体10,20に対して外周面が偏心する支持壁44を入力壁42とは反対の端部側に形成している。支持壁44は、遊星歯車50の中心孔部51の内周側に転がり軸受45を介して嵌合している。この嵌合により支持壁44は、遊星歯車50を遊星運動自在に支持している。ここで遊星歯車50の遊星運動とは、支持壁44の外周面の偏心軸線周りに自転しつつ支持壁44の回転方向に公転する遊星歯車50の運動をいう。
遊星歯車50は段付筒状を呈しており、支持壁44に対して同心的に配置されている。この配置により遊星歯車50は、回転体10,20の歯車部14,22に対して常に偏心した状態となっている。遊星歯車50は、歯先円が歯底円の外周側にある駆動側外歯車部52及び従動側外歯車部54を、それぞれ大径部分及び小径部分によって形成している。駆動側外歯車部52は駆動側内歯車部14の内周側に配置され、当該歯車部14と噛合している。従動側外歯車部54は従動側内歯車部22の内周側に配置され、当該歯車部22と噛合している。
以上の構成により位相調整機構8には、遊星キャリア40の回転運動を減速してカム軸2に伝達する差動歯車式の遊星機構部60が形成されている。そして、このような遊星機構部60を備えた位相調整機構8は、回転軸体7から遊星キャリア40に入力される制御トルクに応じて機関位相を調整することにより、内燃機関に適したバルブタイミングを実現する。
具体的には、制御トルクが保持されること等により遊星キャリア40が駆動側回転体10に対して相対回転しないときには、遊星歯車50が歯車部14,22との噛合位置を保ちつつ、回転体10,20と一体に回転する。したがって、機関位相は変化せず、その結果としてバルブタイミングが一定に保たれる。
制御トルクが方向Xに増大すること等により遊星キャリア40が駆動側回転体10に対して方向Xに相対回転するときには、遊星歯車50が歯車部14,22との噛合位置を変化させつつ遊星運動することにより、従動側回転体20が駆動側回転体10に対して方向Xに相対回転する。したがって、機関位相が進角側に変化し、その結果としてバルブタイミングが進角する。
制御トルクが方向Yに増大すること等により遊星キャリア40が駆動側回転体10に対して方向Yに相対回転するときには、遊星歯車50が歯車部14,22との噛合位置を変化させつつ遊星運動することにより、従動側回転体20が駆動側回転体10に対して方向Yに相対回転する。したがって、機関位相が遅角側へ変化し、その結果としてバルブタイミングが遅角する。
次に、第一実施形態の特徴部分について詳細に説明する。図2,5に示すように電動モータ5の回転軸体7は、軸部材70と継手部材72とを組み合わせて構成されている。
軸部材70は金属製であり、ストレートな丸棒状を呈している。軸部材70は、電動モータ5の発生した制御トルクを受けて周方向に回転する。
継手部材72は金属製であり、例えば銅含有合金鋼粉を焼結して熱処理を施すこと等により形成される。図1,5に示すように継手部材72は、スリーブ部74及び連結突部76を一体に形成している。スリーブ部74は円筒状を呈しており、遊星キャリア40の入力壁42の内周側に同心的に配置されている。スリーブ部74の内周側には、軸部材70の一端部が遊挿されている。スリーブ部74と軸部材70とには、接続ピン78が径方向に嵌挿されており、それによって継手部材72は、軸部材70と一体に回転可能となっている。連結突部76は、スリーブ部74から径方向の相反する側へ突出するようにして、一対設けられている。各連結突部76は、スリーブ部74の軸方向の平面視(図1参照)において矩形柱状を呈している。
図1,5に示すように遊星キャリア40は、各連結突部76にそれぞれ連結される一対の連結構造90を、入力壁42及び支持壁44を形成する本体部材80に設けてなる。
本体部材80は金属製であり、例えば銅含有合金鋼粉を焼結すること等によって形成される。本体部材80は全体として筒状であり、その内周側に開口する固定凹部82を一対形成している。図5,6に示すように各固定凹部82は、本体部材80の径方向において互いに向き合っており、本体部材80の軸方向全域に延びる矩形溝状を呈している。したがって、各固定凹部82の一端部84側はいずれも、本体部材80の軸方向において電動モータ5(図5参照)側に開口した状態となる。
図1,5,7に示すように各連結構造90は、本体部材80の内周側に固定される連結体92を有している。この連結体92は金属製であり、本体部材80よりも高い硬度であって継手部材72とは略同じ硬度を有している。ここで連結体92の硬度は、例えばHRC15の硬度を有する本体部材80及びHRC55以上の硬度を有する継手部材72に対して、HRC55以上となるように設定される。また、こうした硬度を実現する連結体92は、例えば高炭素クロム軸受鋼を鍛造して得られた成形物に熱処理、具体的には焼き入れ及び焼き鈍し処理を施すこと等によって形成される。
各連結構造90の連結体92は、図6に示すように全体としてU字状を呈しており、嵌合部94及び接続部96を一体に形成している。図1,5,7に示すように嵌合部94は、本体部材80の径方向と軸方向とに略平行となるように、一対設けられている。ここで各嵌合部94は、本体部材80の径方向と軸方向とに直交する方向の平面視(図5参照)において矩形平板状を呈している。図6に示すように接続部96は、本体部材80の軸方向における各嵌合部94の一端部98間を接続しており、当該軸方向の平面視(図1参照)において矩形平板状を呈している。
図5,7に示すように各連結構造90の連結体92は、それぞれ対応する固定凹部82に圧入されている。この圧入により連結体92は、対応する固定凹部82の側壁86及び底壁88に各嵌合部94が密着し且つそれら嵌合部94において接続部96とは反対側の端部99間が本体部材80の軸方向の電動モータ5(図5参照)側に開口する状態で、当該凹部82に収容固定されている。そして図1,5に示すように、かかる固定状態における連結体92の各嵌合部94間に連結突部76が嵌合することによって、回転軸体7の継手部材72と遊星キャリア40の本体部材80とが一体回転可能に連結されているのである。
以上説明した第一実施形態によると、回転軸体7に設けられた一対の連結突部76は、それぞれ対応する連結構造90の連結体92において略平行な嵌合部94間に嵌合することで、遊星キャリア40に連結される。ここで嵌合部94の硬度は、遊星キャリア40の大半を構成する本体部材80の硬度よりも高く且つ連結突部76の硬度と略同じであるので、嵌合クリアランスを相互間に形成する嵌合部94と連結突部76とは、回転要素7,40間の軸ずれや傾斜等に伴って相対摺動しても、共に磨耗し難い。したがって、組立時における回転要素7,40間の連結作業を嵌合クリアランスの確保により容易にして生産性を高めることができるのみならず、相互嵌合する要素94,76が磨耗することに起因した耐久性の低下並びに異音の発生を抑制できるのである。
また、第一実施形態によると、各連結構造90として、連結突部76に嵌合する一対の嵌合部94間を接続部96により接続してなる連結体92が本体部材80の固定凹部82に圧入固定されるので、その固定作業を容易にして生産性を高めることができる。しかも、第一実施形態によると、連結体92の嵌合部94間が本体部材80の軸方向の一端部98側にて接続され、本体部材80の内周側に開口する固定凹部82に当該連結体92が収容固定されるので、遊星キャリア40の内周側スペースが可及的に大きくなる。したがって、遊星キャリア40の内周側に配置される回転軸体7の継手部材72を径方向に大きく形成して、その強度を高めることにより、耐久性を高めることが可能となるのである。
さらに、例えば図6に一点鎖線矢印で示すように第一実施形態においては、本体部材80の軸方向の電動モータ5側に開口する固定凹部82に対し、補強された接続部96側から連結体92を圧入することで、連結体92の変形を抑制することができる。この場合、固定凹部82に圧入された連結体92の嵌合部94と連結突部76との間の嵌合クリアランスを正確に設定することができるので、それら要素94,76の磨耗に起因する耐久性の低下並びに異音の発生を確実に抑制することができるのである。
またさらに、第一実施形態によると、各連結構造90の連結体92において連結突部76に嵌合する一対の嵌合部94間は、本体部材80の軸方向において電動モータ5と反対側では接続されるが、電動モータ5側では固定凹部82と共に開口した形となる。したがって、本体部材80の内周側に固定された連結体92の嵌合部94間に連結突部76を電動モータ5側から嵌入することで、回転要素7,40間を容易に連結することができるので、生産性が高められる。
加えて、第一実施形態によると、駆動側及び従動側回転体10,20と連動回転するクランク軸及びカム軸2間の機関位相を高い応答性にて変化させるには、それら回転体10,20の歯車部14,22に噛合する遊星歯車50の遊星運動を円滑にする必要がある。ここで、遊星歯車50の遊星運動を円滑にするには、遊星キャリア40における遊星歯車50の支持部分について寸法精度を高めることが要求される。第一実施形態の遊星キャリア40では、支持壁44により遊星歯車50を支持する本体部材80が金属製とされるものの、高硬度の連結体92を本体部材80とは別に採用したことにより、高硬度化のための熱処理を本体部材80に施す必要がない。したがって、遊星歯車50を支持壁44により支持する本体部材80の寸法精度が高硬度化のための熱処理により悪化する事態を回避して、電動モータ5の制御トルクに対する機関位相の応答性を高めることができるのである。
尚、第一実施形態では、電動モータ5が特許請求の範囲に記載の「トルク発生手段」に相当し、回転軸体7が特許請求の範囲に記載の「出力回転体」に相当し、遊星キャリア40が特許請求の範囲に記載の「入力回転体」に相当している。また、嵌合部94が特許請求の範囲に記載の「嵌合部材」に相当し、接続部96が特許請求の範囲に記載の「接続部材」に相当している。さらに、駆動側回転体10が特許請求の範囲に記載の「第一回転体」に相当し、従動側回転体20が特許請求の範囲に記載の「第二回転体」に相当し、駆動側内歯車部14及び従動側内歯車部22が特許請求の範囲に記載の「内歯車部」に相当している。
(第二実施形態)
図8,9に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。第二実施形態において各連結構造100の連結体102は、全体としてU字状を呈しているが、本体部材80の径方向における各嵌合部104の一端部108間を接続部106により接続したものとなっている。
したがって、図8に示すように連結体102が圧入によって固定凹部82に収容固定された状態では、当該凹部82の側壁86及び底壁88に各嵌合部104が密着し且つそれら嵌合部104間が本体部材80の軸方向の両側に開口する形となる。したがって、第二実施形態によっても、本体部材80の内周側に固定された連結体102の嵌合部104間に連結突部76を電動モータ5側から嵌入することで、回転要素7,40間を容易に連結することができるので、生産性が高められるのである。
尚、第二実施形態では、嵌合部104が特許請求の範囲に記載の「嵌合部材」に相当し、接続部106が特許請求の範囲に記載の「接続部材」に相当している。
(第三実施形態)
図10,11に示すように、本発明の第三実施形態は第一実施形態の変形例である。第三実施形態では、第一実施形態の連結体92から接続部96を取り除いて、一対の嵌合部94に対応する一対の嵌合部材204のみを有するように、各連結構造200を構成している。そのため、各連結構造200の一対の嵌合部材204は、対応する固定凹部82の側壁86及び底壁88に接着又は溶着されることによって、本体部材80の内周側に互いに略平行に固定されている。
したがって、図10に示すように各連結構造200の一対の嵌合部材204が固定凹部82に収容固定された状態では、それら嵌合部材204間が本体部材80の軸方向の両側に開口する形となる。したがって、第三実施形態によっても、本体部材80に固定された嵌合部材204間に連結突部76を電動モータ5側から嵌入することで、回転要素7,40間を容易に連結することができるので、生産性が高められるのである。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
具体的に第一〜第三実施形態では、連結体92,102又は嵌合部材204について、本体部材80よりも高硬度であれば、高硬度化のための熱処理を施さずに、例えば高炭素クロム軸受鋼の鍛造のみによって形成してもよい。また逆に、第一〜第三実施形態では、本体部材80について、連結体92,102又は嵌合部材204よりも低硬度であれば、例えば銅含有合金鋼粉を焼結して得られた焼成物に、高硬度化のための熱処理を施すようにしてもよい。さらに、第一〜第三実施形態では、連結突部76を有する継手部材72について、連結体92,102又は嵌合部材204と略同じ硬度であれば、高硬度化のための熱処理を施さずに、例えば銅含有合金鋼粉の焼結のみによって形成してもよい。
加えて、第一及び第二実施形態では、第三実施形態に準じて、連結体92,102を接着又は溶着によって固定凹部82に収容固定するようにしてもよい。また、第三実施形態では、嵌合部材204毎に個別の固定凹部を設けて、各嵌合部材204を当該個別の固定凹部に圧入固定するようにしてもよい。
また加えて、第一〜第三実施形態では、継手部材72を軸部材70に固着してなる回転軸体7を採用してもよい。またあるいは、第一〜第三実施形態では、連結突起76を軸部材70に直接形成してなる回転軸体7を採用してもよい。
さらに加えて、第一〜第三実施形態では、例えば電磁ブレーキ又は流体ブレーキ等の電動ブレーキや油圧モータを、「トルク発生手段」として採用してもよい。また、第一〜第三実施形態では、本発明の作用効果が得られる限りにおいて、各種の位相調整機構を採用することができる。例えば、クランク軸及びカム軸とそれぞれ連動して回転する二つの回転体のうちいずれか一方に設けられた歯車部に遊星歯車を噛合させて、それら回転体のうちいずれか他方を当該遊星歯車の遊星運動によって回転駆動することで機関位相を変化させる位相調整機構等を採用してもよい。
そして、本発明は、吸気弁のバルブタイミングを調整する装置以外にも、排気弁のバルブタイミングを調整する装置や、吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置にも適用することができる。
本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部を示す図であって、図5のI−I線断面図である。 本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す図であって、図3のII−II線断面図である。 図2のIII−III線断面図である。 図2のIV−IV線断面図である。 図2のV−V線断面図である。 本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部を示す分解斜視図である。 本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部を示す斜視図である。 本発明の第二実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部を示す斜視図である。 本発明の第二実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部を示す分解斜視図である。 本発明の第三実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部を示す斜視図である。 本発明の第三実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部を示す分解斜視図である。
符号の説明
1 バルブタイミング調整装置、2 カム軸、4 電気駆動系、5 電動モータ(トルク発生手段)、7 回転軸体(出力回転体)、8 位相調整機構、10 駆動側回転体(第一回転体)、14 駆動側内歯車部(歯車部)、20 従動側回転体(第二回転体)、22 従動側内歯車部(歯車部)、40 遊星キャリア(入力回転体)、42 入力壁、44 支持壁、50 遊星歯車、70 軸部材、72 継手部材、74 スリーブ部、76 連結突部、78 接続ピン、80 本体部材、82 固定凹部、90,100,200 連結構造、92,102 連結体、94,104 嵌合部(嵌合部材)、96,106 接続部(接続部材)、98 一端部、99 反対側の端部、204 嵌合部材

Claims (8)

  1. 内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
    径方向の相反する側に突出する一対の連結突部が設けられた出力回転体を有し、当該出力回転体から出力する制御トルクを発生するトルク発生手段と、
    前記各連結突部にそれぞれ連結される一対の連結構造が設けられて前記出力回転体と一体に回転する入力回転体を有し、当該入力回転体に前記出力回転体から入力される前記制御トルクに応じて前記クランク軸及び前記カム軸間の相対位相を調整する位相調整機構とを備え、
    前記各連結構造は、前記入力回転体の筒状の本体部材よりも高硬度に形成されて前記本体部材の径方向に略平行となるように前記本体部材の内周側に固定される一対の嵌合部材を有し、
    前記各連結突部は、対応する前記連結構造の前記一対の嵌合部材間に嵌合することより前記入力回転体と連結されることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記各嵌合部材は、前記各連結突部と略同じ硬度を有することを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記各連結構造は、前記一対の嵌合部材間を接続部材により接続してなる連結体を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記連結体は、前記本体部材の軸方向における前記各嵌合部材の一端部間を前記接続部材により接続してなり、前記本体部材の内周側に開口する固定凹部に収容固定されることを特徴とする請求項3に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記連結体は、前記固定凹部に圧入されることを特徴する請求項4に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記入力回転体は、前記本体部材の軸方向に開口する前記固定凹部に前記連結体が前記接続部材側から圧入されてなることを特徴とする請求項5に記載のバルブタイミング調整装置。
  7. 前記各嵌合部材の前記接続部材とは反対側の端部間並びに前記固定凹部は、前記本体部材の軸方向において前記トルク発生手段側に開口することを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  8. 前記位相調整機構は、前記クランク軸と連動して回転する第一回転体と、前記カム軸と連動して回転する第二回転体と、前記第一回転体及び前記第二回転体のうち少なくとも一方に設けられる歯車部と、前記歯車部に噛合しつつ遊星運動することにより前記相対位相を変化させる遊星歯車と、前記本体部材により前記遊星歯車を遊星運動自在に支持する前記入力回転体としての遊星キャリアとを有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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