JP5381683B2 - 接着剤層を有する複数の支持体の層間接着性の評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、接着剤層を有する複数の支持体の接着剤層同士の層間接着性の評価方法に関し、主にマルチワイヤ配線板の製造における基板の接着剤層およびワイヤ接着剤層に用いられる樹脂組成物の層間接着性の評価方法に関する。
マルチワイヤ配線板は、基板上に接着剤層を設け、導体回路形成のための絶縁被覆ワイヤ(以下、ワイヤとも称する)を布線して固定し、スルーホールによって層間を接続したものであり、高密度な配線ができ、さらに特性インピーダンスの整合やクロストークの低減に有利なプリント配線板として知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
マルチワイヤ配線板の製造において、ワイヤを接着剤層に布線し固定させる際には、超音波による布線装置が用いられ、高密度のマルチワイヤ配線板を製造するために、スタイラスチップの改良や、超音波発振器の改良などが行われている(例えば、特許文献5〜7参照)。
この布線装置では、ワイヤを順次布線ヘッドから送り出すと共に、スタイラスという治具に超音波と荷重をかけ、その先端部分でワイヤを基板の接着剤層に接触させ、その超音波振動による熱エネルギーによって基板の接着剤層とワイヤの最外層に形成された接着剤層を活性化し溶融接着させる。このためマルチワイヤ配線板の製造において、ワイヤの最外層に形成された接着剤層(以下、ワイヤ接着剤層と称する)と基板の接着剤層との間の接着性およびワイヤが交差した部分のワイヤ接着剤層同士の接着性が重要となる。
また、マルチワイヤ配線板を含むプリント配線板は、鉛フリーはんだ実装に対応するための耐熱性の要求や、高速信号に対応するための高周波化の要求が高まっている。このためマルチワイヤ配線板において基板の接着剤層およびワイヤ接着剤層に使用される樹脂組成物は、これらの要求に対応する特性のものを使用する必要がある。
上記により基板の接着剤層およびワイヤ接着剤層に使用される樹脂組成物を改良する場合、特に、ワイヤ接着剤層に使用される樹脂組成物を改良する場合、従来は、ワイヤの最外層に当該樹脂組成物を塗布した後、布線を行い、基板の接着剤層とワイヤ接着剤層に使用される樹脂組成物との接着性の良否を判定している。
しかしながら、ワイヤへの樹脂組成物の塗布は、塗布された接着層の膜厚や焼付け度合の制御に熟練を要するため、ワイヤへの接着剤層の形成が煩雑であり、このため接着剤を塗布したワイヤの作製に長時間要し、接着性の評価に多くの時間と労力を要している。
米国特許第4097684号公報 米国特許第3646572号公報 米国特許第3674914号公報 米国特許第3674602号公報 米国特許第4641773号公報 特開平11−150353号公報 特開2000−269630号公報
本発明の目的は、以上のような状況から、マルチワイヤ配線板の製造における基板の接着剤層およびワイヤ接着剤層に用いられる樹脂組成物の開発に際して、ワイヤへ樹脂組成物を塗布する作業を行うことなく、基板の接着剤層とワイヤ接着剤層の層間接着性の評価を短時間で容易にできる評価方法を提供することである。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究した結果、マルチワイヤ配線板の製造における基板の接着剤層およびワイヤ接着剤層に用いられる樹脂組成物の開発に際して、基板の接着剤層〔接着剤層(I-1)〕とワイヤの接着剤層〔接着剤層(II-1)〕が対向するように基板上に接着剤層を配置し、ワイヤ接着剤層側から超音波振動と荷重を与えたスタイラスチップの先端を押付けながら移動させ、基板の接着剤層(I-1)とワイヤ接着剤層(II-1)の接着剤が溶融接着可能な最大速度を評価することにより、基板の接着剤およびワイヤ接着剤層に使用された樹脂組成物の接着性を短時間で容易に評価できることを見出し、本発明を完成した。ここで、第1のワイヤ接着剤層(I-2)と第2のワイヤ接着剤層(II-2)の接着性についても一方の接着剤層(I-2)を基板に設けて同様に評価することが出来る。
すなわち、本発明は、以下の層間接着性の評価方法を提供するものである。
1.接着剤付支持体Aの接着剤層(I)と接着剤付支持体Bの接着剤層(II)が対向するように配置し、支持体B側から超音波振動と荷重を与えたスタイラスチップの先端を押付けながら移動させ、前記接着剤付支持体Aの接着剤層(I)と前記接着剤付支持体Bの接着剤層(II)が溶融接着可能な最大速度を評価することにより、前記接着剤付支持体Aの接着剤層(I)と前記接着剤付支持体Bの接着剤層(II)に使用される樹脂組成物の接着性を評価することを特徴とする層間接着性の評価方法。
2.前記接着剤付支持体Aの接着剤層(I)がマルチワイヤ配線板の基板の接着剤層(I-1)に用いられる樹脂組成物、前記接着剤付支持体Bの接着剤層(II)がマルチワイヤ配線板のワイヤの接着剤層(II-1)に用いられる樹脂組成物であり、マルチワイヤ配線板製造用布線装置を用いて基板の接着剤層(I-1)とワイヤの接着剤層(II-1)に用いられる樹脂組成物の層間接着性を評価する請求項1に記載の層間接着性の評価方法。
3.前記接着剤付支持体Aの接着剤層(I)がマルチワイヤ配線板の第1ワイヤの接着剤層(I-2)に用いられる樹脂組成物、前記接着剤付支持体Bの接着剤層(II)がマルチワイヤ配線板の第2ワイヤの接着剤層(II-2)に用いられる樹脂組成物であり、マルチワイヤ配線板製造用布線装置を用いてマルチワイヤ配線板の交叉する絶縁被覆ワイヤの接着剤層に用いられる樹脂組成物の層間接着性を評価する請求項1に記載の層間接着性の評価方法。
4.前記マルチワイヤ配線板製造用布線装置のスタイラスチップの先端が平坦である上記2又は3に記載の層間接着性の評価方法。
5.前記接着剤付支持体Aの支持体が、導体回路を形成した両面板に絶縁層を形成した多層回路基板である上記1〜4のいずれかの層間接着性の評価方法。
6.前記接着剤付支持体Bの支持体が有機フィルムである請求項1〜のいずれかに記載の層間接着性の評価方法。
本発明の層間接着性の評価方法をマルチワイヤ配線板における基板の接着剤層およびワイヤ接着剤層に用いられる樹脂組成物の選択や組合せの評価に適用することより、熟練を有するワイヤへ樹脂組成物を塗布する作業を行うことなく、基板の接着剤層とワイヤ接着剤層の層間接着性の評価を短時間で容易に行うことができ、高性能のマルチワイヤ配線板の材料の開発を促進することができる。
支持体Aに多層回路基板を用いた接着剤付支持体Aの製造工程の説明図(断面図)である。 支持体Bに有機フィルムを用いた接着剤付支持体Bの断面図である。 本発明の層間接着性の評価方法の説明図(断面図)である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、接着剤付支持体Aの接着剤層(I)と接着剤付支持体Bの接着剤層(II)が対向するように配置し、支持体B側から超音波振動と荷重を与えたスタイラスチップの先端を押付けながら移動させ、支持体Aの接着剤層(I)と支持体Bの接着剤層(II)が溶融接着可能な最大速度を評価することにより、支持体Aの接着剤層(I)と支持体Bの接着剤層(II)に使用された樹脂組成物の接着性を評価する方法であり、主にマルチワイヤ配線板の製造における基板の接着剤層およびワイヤ接着剤層に用いられる樹脂組成物の選択やその組合せの開発に用いられるものである。
本発明の層間接着性の評価方法は上記のようにマルチワイヤ配線板の製造における基板の接着剤層およびワイヤ接着剤層に用いられる樹脂組成物の開発に主に用いられるものであり、マルチワイヤ配線板の製造において絶縁被覆ワイヤを用いて最終的に性能を確認されることになるが、樹脂組成物の開発段階においては支持体へ樹脂組成物を塗布した接着剤付支持体を用いて評価を行うことができる。
即ち本発明は、マルチワイヤ配線板の基板の接着剤層および絶縁被覆ワイヤの接着剤層に用いられる樹脂組成物の層間接着性を評価する方法であって、スタイラスチップを有するマルチワイヤ配線板製造用布線装置を用いることが好ましい。
本発明では、説明図(図3)において接着剤付支持体A(6)の接着剤層(I)に基板の接着剤層(I-1)又は第1ワイヤの接着剤層(I-2)に使用する樹脂組成物を用い、接着剤付支持体B(5)の接着剤層(II)にワイヤの接着剤層(II-1、II-2) に使用する樹脂組成物を用いることによって樹脂組成物の層間接着性の評価を行うことができる。
即ち、本発明において、接着剤付支持体A(6)の接着剤層(I)に基板の接着剤層を接着剤層(I-1) に使用する樹脂組成物、接着剤付支持体B(5)の接着剤層(II)にワイヤの接着剤層を接着剤層(II-1)に使用する樹脂組成物を用いることによって基板とワイヤ間の樹脂組成物の接着性を評価することができ、接着剤付支持体A(6)の接着剤層(I)に第1ワイヤの接着剤層(I-2)に使用する樹脂組成物、接着剤付支持体B(5)の接着剤層(II)に第2ワイヤの接着剤層(II-2) に使用する樹脂組成物を用いることによって交叉するワイヤ同士の接着性を評価することができる。
上記の場合、本発明の層間接着性の評価方法おける支持体A(6)としてマルチワイヤ配線板が用いられ、導体回路を形成した両面板に絶縁層を形成した多層回路基板が好適に用いられる。
基板の導体回路は、ガラス布エポキシ樹脂銅張積層板やガラス布ポリイミド樹脂銅張積層板等を公知のエッチング法等により形成できる。必要に応じてこの導体回路は多層回路とすることもでき、また全く回路の無い基板を用いることもできる。
回路基板の表面に形成される絶縁層には絶縁樹脂組成物を繊維シート状補強基材に含浸・塗工し、Bステージ化して得られたプリプレグ、或いは繊維シート状補強基材を含まないBステージ化した樹脂シートが好適に使用される。
絶縁層が形成された回路基板上に設けられる接着剤層は、アプリケーターを用いて樹脂組成物を塗布し、乾燥することにより形成することができる。
接着剤付支持体Aの接着剤層(I)は、通常マルチワイヤ配線板で用いられている厚みと同じであることが好ましく、基板の接着剤層(I-1)の評価の場合50〜150μm、ワイヤ接着剤層(I-2)の評価の場合10〜25μmが好適である。
本発明の層間接着性の評価方法における支持体Bとしては、ポリエチレンテレフタレートやポロプロピレン等の有機フィルムを使用することが好適であり、この場合には有機フィルムの接着剤が塗布されない面が離形処理を施してあることがより好ましい。スタイラスチップが直接接触する接着剤付支持体Bの支持体の剛性が高いと接着剤界面での溶融性が低下することや、離形処理により表面の摩擦力を低減することから、有機フィルムの片面に離形処理を施すことにより、スタイラスチップの移動を容易に行うことができるようになる。有機フィルム上に設けられる接着剤層は、アプリケーターを用いて樹脂組成物を塗布し、乾燥することにより形成することができる。この接着剤層(II)は、通常マルチワイヤ配線板で用いられている厚みと同じであることが好ましく、基板の接着剤層(I-1)との評価の場合、接着剤層(II-1)の厚さ50〜150μmが好適であり、ワイヤ接着剤層(I-2)との評価の場合、接着剤層(II-2)の厚さ10〜25μmが好適である。
支持体Aの接着剤層(I)と支持体Bの接着剤層(II)に用いる樹脂組成物は、同一樹脂組成物でも、異なる樹脂組成物でも良い。
次に本発明の図面を用いて層間接着性の具体的な評価方法を説明する。図1は支持体Aに絶縁回路基板を用いた接着剤付支持体Aの製造工程説明図、図2は支持体Bに有機フィルムを用いた接着剤付支持体Bの説明図、図3は本発明の層間接着性の評価方法の説明図であり、何れも断面図で示したものである。
マルチワイヤ配線板の製造における基板の接着剤層およびワイヤ接着剤層に用いられる樹脂組成物の評価方法では、図1に示す(a)、(b)および(c)の工程を経て、絶縁回路基板に接着剤層を形成した接着剤付支持体Aが製造される。
図1において、(a)は導体回路を予め設けた回路基板(1)を示す。この回路基板(1)は、ガラス布エポキシ樹脂銅張積層板やガラス布ポリイミド樹脂銅張積層板等を公知のエッチング法等により形成できる。必要に応じてこの導体回路は多層回路とすることもでき、また導体回路を全く無くすこともできる。
図1の(b)は、回路基板(1)にアンダーレイ層として絶縁層(2)を形成した図である。この絶縁層は、通常のガラス布エポキシ樹脂やガラス布ポリイミド樹脂のBステージのプリプレグ、あるいは、ガラス布を含まないBステージの樹脂シート等が使用出来る。絶縁層(2)は、回路基板にプリプレグや樹脂シート等をラミネートした後、必要に応じて熱処理あるいは積層による硬化等を行うことにより形成される。
図1の(c)は、絶縁層(2)を有する回路基板(1)に接着剤層(3)を形成した図である。基板の接着剤層(I-1)〜ワイヤ接着剤層(II-1)の評価であれば接着剤層(3)として基板の接着剤層(I-1)に用いる樹脂組成物を、ワイヤ接着剤層同士の評価であれば、ワイヤ接着剤層(I-2)に用いる樹脂組成物を接着剤層(3)として形成する。接着剤層(3)を形成する手法としては、前記樹脂組成物をスプレーコーティング、ロールコーティング、スクリーン印刷法等で絶縁基板に直接塗布し乾燥する方法等がある。
図2は、ワイヤ接着剤層(II-1、II-2)に用いる樹脂組成物を有機フィルム(4)に接着剤層(3)として形成した場合の断面図である。この有機フィルム(4)には前記のように離形処理を施したものを使用することが好ましく、離形処理が施されていない面に接着剤層(3)を形成することがより好ましい。接着剤層(3)を形成する手法としては、前記樹脂組成物をスプレーコーティング、ロールコーティング、スクリーン印刷法等で有機フィルムに塗布し乾燥する方法等がある。
図3は本発明の層間接着性の評価方法の説明図(断面図)であり、接着剤付支持体B(5)が接着剤付支持体A(6)の上に配置されており、その上に設置したスタイラスチップ(8)の先端を押付けながら移動させ、支持体Aの接着剤層(I)と支持体Bの接着剤層(II)が溶融接着可能な最大速度を評価することにより、支持体Aの接着剤層(I)と支持体Bの接着剤層(II)に使用された樹脂組成物の層間接着性を評価する。この層間接着性の評価は、図3に示すように、接着剤付支持体A(6)をテーブル(7)の上に載せて行うことが好ましい。
即ち、図3において接着剤付支持体A(6)をテーブル(7)上に固定し、接着剤付支持体B(6)を接着剤面が対向するように接着剤付支持体A(6)の上に配置し、接着剤付支持体B(5)の支持体上面から一定の超音波振動と荷重を与えたスタイラスチップ(8)を押付けながら移動させる。その時、スタイラスチップ(8)の移動速度を変化させることにより、単位面積当りの発熱量を変化させ、移動速度とその移動速度での接着の可否を判定することによって、評価することができる。より速い移動速度(単位面積当りの発熱量が小さい)で接着が可能なものほど接着性が高いと評価する。
なお、本発明の層間接着性の評価方法では、マルチワイヤ配線板の製造において使用されるものと同様のスタイラスチップを有する布線装置が使用されることが好ましい。
即ち、マルチワイヤ配線板は接着シートを有する多層回路基板上に接着剤付絶縁被覆電線を這わせて行くと同時に接着して製造してされるが、本発明の層間接着性の評価方法では、この多層回路基板が接着剤付支持体Aとなり、接着剤付絶縁被覆電線に代えて接着剤付支持体Bを用いて、接着剤付支持体Aの接着剤層(I)および接着剤付支持体Bの接着剤層(II)に使用された樹脂組成物の層間接着性を評価することになる。
この層間接着は、スタイラスチップの超音波振動により接着剤を加熱し、加圧することにより接着剤層に使用された樹脂組成物が融着することにより行われる。
マルチワイヤ配線板の製造において使用されるものと同様のスタイラスチップを有する布線装置が使用する場合の超音波振動は10〜40kHzの範囲とすることが好ましく、スタイラスチップの荷重を30〜150g程度とすることが好ましい。
マルチワイヤ配線板の製造においてワイヤの布線に用いられるスタイラスチップの先端は、ワイヤが動かないよう凹形状となっているが、本発明により接着剤層に使用された樹脂組成物の層間接着性を評価する場合には、スタイラスチップの先端が平坦であることが好ましい。
先端が凹形状となっているスタイラスチップで押付けた場合、接着剤付支持体Bの支持体との接触面積が小さく溶融接着性の差が顕著に現れないが、スタイラスチップの先端を平坦とすることにより接触面積が大きくなり、評価精度を高めることができる。
スタイラスチップ先端の大きさは0.3mm×0.3mm程度とすることが好ましい。
本発明の層間接着性の評価方法において、支持体Aには、通常100mm×50mm程度であると評価時に扱い易い。
支持体Bに有機フィルムを用いる場合、スタイラスチップの移動速度は、マルチワイヤ配線板の製造において使用される布線装置によるが、通常、1mm/秒程度以上でスタイラスチップを移動し、接着剤層(I)と接着剤層(II)の溶融接着が可能な最大速度を評価することが好ましい。
接着剤付支持体Aの接着剤層(I)と接着剤付支持体Bの接着剤層(II)との溶融接着は、溶融接着されたであろう接着剤付支持体Aの接着剤層(I)と接着剤付支持体Bの接着剤層(II)を支持体A側が支持体B側の下になるように置いた後、支持体Bを持ち上げて支持体AとBが剥がれないことを確認することにより容易に判断することができる。
なお、マルチワイヤ配線板の製造におけるスタイラスチップの移動速度は、本発明の層間接着性の評価方法で得られた最大速度とは直接には関係せずに、マルチワイヤ配線板の製造において使用された布線装置においてワイヤの接着剤層と基板の接着剤層又はワイヤの接着剤層同士が溶融接着し固定されるスタイラスチップ移動速度を選定する必要がある。
即ち、本発明の層間接着性の評価方法はマルチワイヤ配線板の製造における基板の接着剤層およびワイヤ接着剤層に用いられる最適の樹脂組成物やそのワニス濃度を選択するために行われるものであり、マルチワイヤ配線板の製造におけるスタイラスチップの具体的な移動速度は、本発明の層間接着性の評価方法で得られたスタイラスチップの移動速度の最大速度と相関するが、マルチワイヤ配線板を製造する際に本発明の層間接着性の評価方法とは別に確認する必要がある。
また、本発明の層間接着性の評価方法でスタイラスチップの先端の形状が異なるので、スタイラスチップ超音波振動や荷重についてもマルチワイヤ配線板を製造する場合とは異なり、スタイラスチップの先端の形状や各接着剤付支持体の特性に適した条件を選定する必要がある。
基板の接着剤層やワイヤの接着剤層に用いられる最適の樹脂組成物の選定に際して、従来の方法では、選定された樹脂組成物を塗布した基板と、選定された樹脂組成物を絶縁被覆ワイヤに塗布したワイヤを布線して層間接着性を用いて評価するが、絶縁被覆ワイヤへの樹脂組成物の塗布には熟練を要する作業が必要であり、一対の樹脂組成物の組合わせの評価に正味10時間程度を要する。
これに対して本発明の方法では熟練を要する絶縁被覆ワイヤへの樹脂組成物の塗布の作業の代わりに、熟練を要さず容易に形成できる支持体へ塗布したものを使用することにより、一対の樹脂組成物の組合わせの評価を正味5時間程度で行うことが可能となるので、接着剤層に使用される樹脂組成物の選定が容易となり、該樹脂組成物の開発が促進される。
次に、下記の実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの記載に限定されるものではない。
評価例1(従来の接着性評価方法1)
板厚0.1mmのポリイミド基材両面銅張り積層板(日立化成工業(株)製、商品名:MCL−I−671)の銅を一般的なエッチング工法により導体回路を形成し、ガラス布ポリイミドプリプレグ(日立化成工業(株)製、商品名:GIA−671)を積層接着した絶縁層付2層回路板を支持体とし、その上にアプリケータを用いて約50μmの厚みとなるようにフェノキシ樹脂系樹脂組成物の接着剤(日立化成工業(株)製、商品名:AS−U01)を塗布し、塗布後の軟化点が約30℃となるよう乾燥し、接着剤付積層板(A1)を得た。
次に絶縁被覆ワイヤ(外形0.125mm、ポリイミド被覆)にエポキシ樹脂系樹脂組成物の接着剤(日立化成工業(株)製、HAW216D)をワイヤ専用塗布機を用いて約15μmの厚みとなるように塗布し、塗布後の軟化点が約55℃となるよう乾燥し、接着剤付絶縁被覆ワイヤ(A2)を得た。
続いて、布線装置(日立化成工業(株)製、KT型布線機)を用いて、超音波振動(25KHz)と荷重(80g)を与えたスタイラスチップ(先端凹型)、上記の接着剤付積層板(A1)と接着剤付絶縁被覆ワイヤ(A2) が接着する最大速度を評価した結果、40mm/秒であった。
評価例2(従来の接着性評価方法2)
評価例1において、絶縁層付2層回路板の上に用いる接着剤をポリアミドイミド樹脂系樹脂組成物(日立化成コーテッドサンド(株)製、商品名:CSD170S)とした接着剤付積層板(B1)と、絶縁被覆ワイヤに塗布する接着剤をポリアミドイミド樹脂系樹脂組成物(日立化成コーテッドサンド(株)製、商品名:CSD170W)とした接着剤付絶縁被覆ワイヤ(B2)として、評価例1と同様、上記の接着剤付積層板(B1)と接着剤付絶縁被覆ワイヤ(B2)が接着する最大速度を評価した結果、20mm/秒であった。
接着剤付積層板と接着剤付絶縁被覆ワイヤが接着する最大速度は、評価例1では40mm/秒であったが、評価例2では約半減であった。
実施例1
板厚0.1mmのポリイミド基材両面銅張り積層板(日立化成工業(株)製、商品名:MCL−I−671)の銅を一般的なエッチング工法により導体回路を形成し、ガラス布ポリイミドプリプレグ(日立化成工業(株)製、商品名:GIA−671)を積層接着した絶縁層付2層回路板を支持体とし、アプリケータを用いて約50μmの厚みとなるようにフェノキシ樹脂系樹脂組成物の接着剤(日立化成工業(株)製、商品名:AS−U01)塗布し、塗布後の軟化点が約30℃となるよう乾燥し、接着剤付支持体C1を得た。
次に、片面離形処理を施した離形フィルム(帝人(株)製、商品名:A−31)を支持体とし、離形フィルムの離形未処理面に、アプリケータを用いて約15μmの厚みとなるようにエポキシ樹脂系樹脂組成物の接着剤(日立化成工業(株)製、商品名:HAW216D)を塗布し、塗布後の軟化点が55℃となるように乾燥し、接着剤付支持体C2を得た。
次に、評価例1と同様の布線装置を用いて、接着剤付支持体C1をテーブルに固定し、その上に接着剤面が対向するように接着剤付支持体C2上に配置し、接着剤付支持体C2の支持体上部から超音波振動(25KHz)と荷重80gを与えたスタイラスチップ(先端平坦約0.1mm2)を押付けながら移動させ、接着剤同士が溶融接着可能な最大速度を評価した。接着剤同士が接着する最大速度を評価した結果、7mm/秒であった。
実施例2
実施例1において絶縁層付2層回路板の上に用いる接着剤をポリアミドイミド樹脂系樹脂組成物(日立化成コーテッドサンド(株)製、商品名:CSD170S)とした接着剤付支持体D1と、離形フィルム上に塗布する接着剤をポリアミドイミド樹脂系樹脂組成物(日立化成コーテッドサンド(株)製、商品名:CSD170W)とした接着剤付支持体D2として、実施例1と同様、接着剤同士が溶融接着可能な最大速度を評価した結果、3mm/秒であった。
実施例1では接着剤同士が接着する最大速度は7mm/秒であったが、実施例2では約半減であった。
また、評価例では、接着可能な最大速度の評価に約10時間かかったが、実施例では、約5時間となり、評価の効率向上が可能であった。
以上の実施例より、本発明の層間接着性の評価方法によれば、長時間の熟練した作業を要する絶縁被覆ワイヤへの樹脂組成物の塗布の作業が不要であり、基板の接着剤層やワイヤ接着剤層に用いられる樹脂組成物の選定を短時間で容易に行うことができることが分かる。
即ち、本発明の層間接着性の評価方法は、被覆ワイヤへ接着剤層を塗布したワイヤを用いた従来の評価方法による接着性と相対比較することが可能であり、信頼性を有するものであることが分かる。
1.回路基板
2.絶縁層
3.接着剤層
4.有機フィルム
5.接着剤付支持体B
6.接着剤付支持体A
7.テーブル
8.スタイラスチップ

Claims (6)

  1. 接着剤付支持体Aの接着剤層(I)と接着剤付支持体Bの接着剤層(II)が対向するように配置し、支持体B側から超音波振動と荷重を与えたスタイラスチップの先端を押付けながら移動させ、前記接着剤付支持体Aの接着剤層(I)と前記接着剤付支持体Bの接着剤層(II)が溶融接着可能な最大速度を評価することにより、前記接着剤付支持体Aの接着剤層(I)と前記接着剤付支持体Bの接着剤層(II)に使用される樹脂組成物の接着性を評価することを特徴とする層間接着性の評価方法。
  2. 前記接着剤付支持体Aの接着剤層(I)がマルチワイヤ配線板の基板の接着剤層(I-1)に用いられる樹脂組成物、前記接着剤付支持体Bの接着剤層(II)がマルチワイヤ配線板のワイヤの接着剤層(II-1)に用いられる樹脂組成物であり、マルチワイヤ配線板製造用布線装置を用いて基板の接着剤層(I-1)とワイヤの接着剤層(II-1)に用いられる樹脂組成物の層間接着性を評価する請求項1に記載の層間接着性の評価方法。
  3. 前記接着剤付支持体Aの接着剤層(I)がマルチワイヤ配線板の第1ワイヤの接着剤層(I-2)に用いられる樹脂組成物、前記接着剤付支持体Bの接着剤層(II)がマルチワイヤ配線板の第2ワイヤの接着剤層(II-2)に用いられる樹脂組成物であり、マルチワイヤ配線板製造用布線装置を用いてマルチワイヤ配線板の交叉する絶縁被覆ワイヤの接着剤層に用いられる樹脂組成物の層間接着性を評価する請求項1に記載の層間接着性の評価方法。
  4. 前記マルチワイヤ配線板製造用布線装置のスタイラスチップの先端が平坦である請求項2又は3に記載の層間接着性の評価方法。
  5. 前記接着剤付支持体Aの支持体が、導体回路を形成した両面板に絶縁層を形成した多層回路基板である請求項1〜4のいずれかに記載の層間接着性の評価方法。
  6. 前記接着剤付支持体Bの支持体が有機フィルムである請求項1〜5のいずれかに記載の層間接着性の評価方法。
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