JP5380255B2 - 吐出キャップ - Google Patents
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Description
この容器は、吐出口(注ぎ口)と空気穴とを同じ方向に働くスプリングの付勢力により同一方向から同時に密閉し、さらに空気穴を利用した釦をスプリングの付勢に抗して押すことで、吐出口と空気穴とを同時に開口させて内容物を吐出できるようにした開閉機構を備えている。
また、内容物の吐出時にあっても、毎回釦を押すといった手動による開閉操作を行う必要があり、このような操作が不要な開閉構造が望まれていた。
(1)本発明に係る吐出キャップは、内容物が収容される容器体の口部に装着される吐出キャップであって、前記口部に装着され、前記容器体の内部に連通する連通路を有する装着体と、前記装着体に装着され、前記連通路に連通する流出開口が天壁部に形成された有頂筒状の吐出ヘッドと、前記流出開口を上方から覆うように前記天壁部上に重ねられ、流出開口の径方向外側に位置する外周縁部が周方向に沿って天壁部にシールされたフィルムと、着脱自在に前記装着体に被着され、前記吐出ヘッドを覆う蓋体と、を備え、前記装着体は、前記口部を径方向外側から囲むと共に、外周面に前記蓋体を開閉可能に連結するヒンジ部が形成された外筒部と、前記口部内に嵌入されると共に、内周面に縦溝が形成された中間筒部と、該中間筒部よりも径方向内側に配設され、その内側が前記連通路とされた内筒部と、を備え、前記吐出ヘッドは、前記中間筒部と前記内筒部との間に入り込み、アンダーカット嵌合により前記装着体に装着されると共に、外周面に前記縦溝に入り込む縦リブが形成されている筒部を備え、前記フィルムの外周縁部には、部分的に前記シールが解かれた非シール部が形成されており、該非シール部と前記天壁部とで前記流出開口から流出された前記内容物を吐出させる吐出口を画成していることを特徴とする。
また、ばね部材を利用した複雑な弁体機構を用いる従来のものとは異なり、装着体と、フィルムが天壁部に設けられた吐出ヘッドと、蓋体と、だけの簡単な構造であるので、容易に組み立てることができ、製造効率を高めることができる。
また、内容物の種類等によって口部のサイズが変更されたとしても、装着体を設計変更するだけで吐出ヘッドをそのまま利用することも可能である。従って、この点においても使い易く利便性に優れている。
一方、流通時或いは販売陳列時の段階では、切取片が天壁部のうち吐出口を画成している部分に連結されており、吐出口が密封されている状態であるので、容器体を傾けたとしても内容物が吐出されることがない。よって、使用前の段階で内容物の漏出を確実に防止することができる。
また、容器体2の中心軸Oに直交する方向を径方向、中心軸Oを中心に周回する方向を周方向とする。また、中心軸Oに沿って容器体2から蓋体5に向かう方向を上側とし、容器体2の図示しない底部側に向かう方向を下側とする。
口部キャップ3は、容器体2の口部2aを径方向外側から囲む外筒部10と、口部2aの内周に沿って配設され、この口部2a内に嵌入される中間筒部11と、この中間筒部11の径方向内側に配設された内筒部12と、を備えている。
外筒部10の上端と中間筒部11の上端とは、口部2aの開口端に接する第1フランジ部13を介して連設されており、中間筒部11の下端と内筒部12の下端とは、第2フランジ部14を介して連設されている。
また、外筒部10の上端側の外周面には、後述する蓋体5の周壁部50の下端が嵌合する段部10bが形成されている。さらに、この外筒部10の外周面には、蓋体5を開閉可能に連結するヒンジ部15が段部10bの下側に位置するように形成されている。
中間筒部11と内筒部12との間の隙間は、後述する吐出ヘッド4の筒部20が入り込む隙間とされている。そして、内筒部12の外周面には、この隙間に突出するように環状の係合突起12aが形成されている。また、中心軸Oを挟んでヒンジ部15の反対側に位置する中間筒部11の内周面には、吐出ヘッド4に形成された縦リブ23が入り込む縦溝11aが中心軸Oに沿って形成されている。
そして、吐出ヘッド4は、図1及び図2に示すように、縦リブ23が口部キャップ3側の縦溝11a内に入り込むように装着されている。そのため、吐出ヘッド4は、周方向に位置決めされた状態で口部キャップ3に組み合わされるようになっている。よって、後述する吐出口42が、中心軸Oを挟んでヒンジ部15とは反対側に向くように設計されている。
具体的には、まず天壁部22は、図4に示すように、筒部20の上端を塞ぐように形成されていると共に縦リブ23が形成されている側において、この縦リブ23を覆うように筒部20よりも径方向外側に突出するように形成されている。以下、この突出している側を天壁部22の先端部22aといい、中心軸Oを挟んで先端部22aとは反対側(ヒンジ部15側)を基端部22bという。
具体的に、この切取片30は、弱化部31を介して天壁部22のうち後述する吐出口42を画成している部分である先端部22aに、径方向外側に突設するように連結されている。弱化部31は、下側に切り欠きが形成された薄肉部とされており、切取片30を上方や下方に向けて捩ったり、側方に引っ張ったりするように操作することで図5に示すように容易に破断できるようになっている。なお、図5は、図2に示す吐出ヘッド4及び切取片30を上方から見た図である。
なお、前記フィルム40としては、破れ難い一般的なフィルムを使用することもできるが、伸縮性を有するフィルムを用いることが好ましい。
このフィルム40は、切取片30を天壁部22から分離させると共に破断する。そして、分離後の天壁部22に着目すると、図4に示すようにフィルム40の外周縁部の一部は、部分的にシールが解かれた非シール部41となっている。この非シール部41は、フィルム40の破断部分に形成される。
本実施形態では、天壁部22の先端部22aに非シール部41が形成されている。そして、この非シール部41と天壁部22とで、流出開口25から流出された内容物Wを吐出させる吐出口42を画成している。
また、上述したように天壁部22は、先端部22aの方が基端部22bよりも上方に位置するように傾斜しているので、吐出口42の方が流出開口25よりも上方に位置するようになっている。
本実施形態の蓋体5は、ヒンジ部15を介して口部キャップ3と周壁部50とが連結されており、ヒンジ部15回りに開閉することで口部キャップ3に被着されるようになっている。
なお、周壁部50が口部キャップ3の段部10bに嵌り込むことで、蓋体5はがたつき等なく安定して口部キャップ3に被着するようになっている。
本実施形態の押付部材53は、鍔部50a側の周壁部50の内面及び頂壁部51の下面にそれぞれ連設されるように形成された板片であり、直交方向L2に間隔を開けて平行に並ぶように3つ形成されている。これにより、切取片30の全体を均等に上方から押し付けて、口部2a側に折り曲げ可能とされている。
はじめに、流通時或いは販売陳列時の段階では、図1に示すように、蓋体5が吐出ヘッド4を覆うように口部キャップ3に被着されており、押付部材53によって切取片30が押し付けられて口部2a側に折れ曲がった状態となっている。
ところで、蓋体5を閉めると、頂壁部51に形成された規制部材52がフィルム40を天壁部22に押さえ付ける。しかも、流出開口25と吐出口42との間でフィルム40を天壁部22に押さえ付ける。そのため、フィルム40は、内容物Wの自重に抗して変形が規制されるので、フィルム40と天壁部22との間に隙間が生じて吐出路R3となることを防止することができる。従って、容器体2を傾けたとしても、流出開口25から吐出口42に向かう内容物Wの流れを遮断することができ、内容物Wの漏出を防止することができる。
また、ばね部材を利用した複雑な弁体機構を用いる従来のものとは異なり、口部キャップ3と、フィルム40が天壁部22に設けられた吐出ヘッド4と、蓋体5と、だけの簡単な構造であるので、容易に組み立てることができ、製造効率を高めることができる。
また、内容物Wの種類等によって口部2aのサイズが変更されたとしても、口部キャップ3を設計変形するだけで吐出ヘッド4をそのまま利用することも可能である。従って、この点においても使い易く利便性に優れている。
この場合、蓋体5によって吐出ヘッド4が覆われているので、フィルム40を外部に露出させることなく、口部2aへの装着を行える。従って、装着時にフィルム40に傷等が付き難く、フィルム40の品質を維持することができる。しかも、フィルム40に格別の注意を払うことなく、口部キャップ3或いは蓋体5を保持しながら装着作業を行えるので、作業が容易になり、作業効率を高めることができる。
即ち、流通時或いは販売陳列時の段階では、切取片30が天壁部22に連結されており、吐出口42が密封されている状態であるので、容器体2を傾けたとしても内容物Wが吐出されることがない。よって、使用前の段階で、内容物Wの漏出を確実に防止することができる。
また、切取片30を天壁部22から分離する際、摘み部35aを摘みながらバンド35を介して切取片30に力を効率良く伝えることができるので、スムーズに弱化部31を破断することができる。従って、切取片30を弱化部31に沿って分離し易くなる。
しかも天壁部22は、傾斜しているだけでなく凹曲面状に形成されており、最深部に流出開口25が形成されている。よって、この点においても吐出路R3内に残っている内容物Wが天壁部22の湾曲を利用して自然に流出開口25側に戻り、この流出開口25を通じて容器体2の内部に流れ易い。
いずれの場合であっても、同様の作用効果を奏することができる。なお、天壁部22を平坦に形成した場合には、伸縮性を有するフィルムを採用することになるが、実施形態のように凹曲面状とした場合には、フィルム40が反転変形可能となるため、伸縮性を有さない一般的なフィルムを採用することもできる。伸縮性を有するフィルムを採用することで、容器体2を傾けた際に、内容物Wの自重によりフィルム40を天壁部22から離反するように弾性変形させることができ、フィルム40を上方に凸に膨らむドーム状にして吐出路R3を確実に形成することができる。
このように、天壁部22の形状に応じてフィルム40の材料を適宜変更し、内容物Wの自重によって反転変形や弾性変形等の各種変形を起こさせて、吐出口42に繋がる吐出路R3が確実に画成されるようにすれば良い。
特に、少なくとも流出開口25と吐出口42との間を規制部材52によって押さえ付けることで、密閉性を確保することができる。
更に、切取片30を備えることで吐出口42を確実に密封できるので、密閉性を高めるためには、より好ましい。
また、上記実施形態では、蓋体5に形成された押付部材53を利用して切取片30を口部2a側に折り曲げる構成としたが、押付部材53を設けずに切取片30をフリーな状態にしたままでも構わない。
図8及び図9に示すように、本変形例における蓋体5には、規制部材52が設けられているだけで、押付部材53が形成されていない。そのため、吐出ヘッド4の天壁部22の先端部22aに弱化部31を介して連結された切取片30は、蓋体5が口部キャップ3に被着されている状態において、蓋体5の内部でフリーな状態となっている。
また、本変形例の口部キャップ3は、縦溝11aがなく、内筒部12が容器体2の中心軸Oを中心として形成されている。また、吐出ヘッド4も同様に、嵌入筒部21が中心軸Oを中心として形成されている。
W…内容物
1…吐出キャップ
2…容器体
3…口部キャップ(装着体)
4…吐出ヘッド
5…蓋体
22…吐出ヘッドの天壁部
25…流出開口
30…切取片
31…弱化部
35…バンド
35a…摘み部
40…フィルム
41…非シール部
42…吐出口
52…規制部材
53…押付部材
Claims (7)
- 内容物が収容される容器体の口部に装着される吐出キャップであって、
前記口部に装着され、前記容器体の内部に連通する連通路を有する装着体と、
前記装着体に装着され、前記連通路に連通する流出開口が天壁部に形成された有頂筒状の吐出ヘッドと、
前記流出開口を上方から覆うように前記天壁部上に重ねられ、流出開口の径方向外側に位置する外周縁部が周方向に沿って天壁部にシールされたフィルムと、
着脱自在に前記装着体に被着され、前記吐出ヘッドを覆う蓋体と、を備え、
前記装着体は、前記口部を径方向外側から囲むと共に、外周面に前記蓋体を開閉可能に連結するヒンジ部が形成された外筒部と、前記口部内に嵌入されると共に、内周面に縦溝が形成された中間筒部と、該中間筒部よりも径方向内側に配設され、その内側が前記連通路とされた内筒部と、を備え、
前記吐出ヘッドは、前記中間筒部と前記内筒部との間に入り込み、アンダーカット嵌合により前記装着体に装着されると共に、外周面に前記縦溝に入り込む縦リブが形成されている筒部を備え、
前記フィルムの外周縁部には、部分的に前記シールが解かれた非シール部が形成されており、該非シール部と前記天壁部とで前記流出開口から流出された前記内容物を吐出させる吐出口を画成していることを特徴とする吐出キャップ。 - 請求項1に記載の吐出キャップにおいて、
前記蓋体には、前記流出開口と前記吐出口との間で前記フィルムを前記天壁部に押さえ付けて、フィルムの変形を規制する規制部材が形成されていることを特徴とする吐出キャップ。 - 請求項1又は2に記載の吐出キャップにおいて、
前記天壁部のうち前記吐出口を画成している部分には、破断可能な弱化部を介して切取片が前記径方向外側に向けて突設され、
前記フィルムは、前記切取片の上面を覆うように延在していると共に、その外周縁部が周方向に沿って前記切取片上にシールされて前記吐出口を密封していることを特徴とする吐出キャップ。 - 請求項3に記載の吐出キャップにおいて、
前記切取片には、摘み部が形成されたバンドが連結されていることを特徴とする吐出キャップ。 - 請求項3又は4に記載の吐出キャップにおいて、
前記蓋体には、前記切取片を上方から押し付けて、該切取片を前記弱化部に沿って前記口部側に折り曲げる押付部材が形成されていることを特徴とする吐出キャップ。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の吐出キャップにおいて、
前記天壁部は、前記流出開口よりも前記吐出口の方が上方に位置するように傾斜していることを特徴とする吐出キャップ。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の吐出キャップにおいて、
前記天壁部は、凹曲面状に形成され、
前記流出開口は、前記天壁部の最深部に形成されていることを特徴とする吐出キャップ。
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