JP5378940B2 - 表面性状測定機および表面性状測定方法 - Google Patents
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Description
また、被測定物によっては、スタイラスと被測定物とが干渉(衝突)し、スタイラスや被測定物の破損を招く場合も想定される。
従って、接触式検出器のスタイラスを被測定物の測定開始位置に自動的にセッティングできるから、つまり、従来のように、測定者が、目視でスタイラスの先端と被測定物の測定開始位置の相対位置を調整しながら、スタイラスの先端を被測定物の測定開始位置にセッティングしなくてもよいから、測定者への負担を軽減できるとともに、スタイラスと被測定物との干渉を防止できる。
また、接触式検出器のスタイラスと画像プローブとは、これらいずれか一方の測定時に他方が邪魔にならない位置にオフセットされて配置されているから、それぞれの測定時に他を退避させる機構を付けなくても、測定に支障を与えることがない。
しかも、接触式検出器のスタイラス先端と画像プローブとのオフセット量はオフセット量記憶手段に記憶され、このオフセット量記憶手段に記憶されたオフセット量に基づいて、接触式検出器のスタイラスが被測定物の測定開始位置に接触されるから、画像プローブで取得した画像を基に、接触式検出器のスタイラスを被測定物の測定開始位置に正確に接触させることができる。
このような構成によれば、第1〜第3移動機構を動作させると、接触式検出器および画像プローブとステージとを三次元方向へ相対移動させることができる。しかも、接触式検出器および画像プローブは、共に、スライド部材にオフセットして取り付けられているから、接触式検出器および画像プローブを別々に移動させる機構を設ける場合に比べ、構造を簡素化でき、安価に構成できる。
このような構成によれば、被測定物の表面画像を対物レンズを通じてCCDセンサで高精度に取得できる。しかも、対物レンズの周囲に光源が配置されているから、照明装置を別途設ける場合に比べ、コンパクト化できる。
この後、測定を実行すると、記憶された移動軌跡に従って相対移動機構が動作され、接触式検出器のスタイラスが被測定物の測定開始位置に接触される。この状態において測定工程が実行される。つまり、相対移動機構の動作により、接触式検出器のスタイラスと被測定物とを相対移動されながら被測定物の表面性状が測定される。
従って、接触式検出器のスタイラスを被測定物の測定箇所に自動的にセッティングできるから、つまり、従来のように、測定者が、目視でスタイラスの先端と被測定物の測定箇所の相対位置を調整しながら、スタイラスの先端を被測定物の測定開始位置にセッティングしなくてもよいから、測定者への負担を軽減できるとともに、スタイラスと被測定物との干渉を防止できる。
本実施形態に係る表面性状測定機は、図1および図2に示すように、設置台1と、この設置台1の上面に固定されたベース2と、このベース2上に載置され上面に被測定物を載置するステージ10と、被測定物の表面に接触されるスタイラス24を有する接触式検出器20と、被測定物の表面画像を撮像する画像プローブ30と、接触式検出器20および画像プローブ30とステージ10とを相対移動させる相対移動機構40と、制御装置50とを備える。
X軸駆動機構48は、駆動機構本体48AにX軸方向と平行に設けられXスライダ47を移動可能に支持したガイドレール48Bと、このガイドレール48Bに沿ってXスライダ47を往復移動させる駆動源(図示省略)等を含んで構成されている。
プローブヘッド33は、図4に示すように、対物レンズ35と、この対物レンズ35の外周に配置された光源としてのLED36と、対物レンズ35を透過した被測定物からの反射光を受光し被測定物の画像を撮像するCCDセンサ37と、LED36の周囲を覆うカバー38とを含んで構成されている、
入力装置51は、例えば、携帯型のキーボードやジョイスティックなどによって構成され、各種動作指令やデータの入力のほか、画像プローブ30で取得した画像から、スタイラス24をセットする位置(測定開始位置)を指定できるようになっている。
表示装置52には、画像プローブ30で取得した画像が表示されるとともに、接触式検出器20によって得られた形状や粗さデータが表示される。
記憶装置53には、測定プログラム等を記憶したプログラム記憶部54、接触式検出器20のスタイラス24と画像プローブ30のオフセット量OFz、OFyを記憶したオフセット記憶手段としてのオフセット量記憶部55、および、測定時に取り込んだ画像データや測定データなどを記憶するデータ記憶部56などが設けられている。
例えば、図6に示す被測定物60を測定する例について説明する。
被測定物60は、水平壁61と、この水平壁61の一端に直角に立設された垂直壁62と、これらの水平壁61と垂直壁62との間に傾斜状に形成された傾斜壁63とを有する形状である。傾斜壁63を挟んだ垂直壁62の両側には4つの孔62A〜62Dが形成され、水平壁61の両側には2つの孔61A,61Bが形成されている。傾斜壁63の中央位置には、1つの孔63Aが傾斜壁63に対して直角に形成されている。
まず、図7(A)に示すように、入力装置51からの指令で、画像プローブ30のプローブヘッド33を水平な姿勢に保持し、この状態において、画像プローブ30によって被測定物60の垂直壁62の画像を取得する。すると、被測定物60の垂直壁62の画像データがデータ記憶部56に格納されたのち、表示装置52に表示される。
その後、測定開始指令が出されると、プログラム記憶部54に記憶された移動軌跡に従って相対移動機構40を動作させる。つまり、図7(B)に示すように、指定した位置(孔62Aの下側内周面)に接触式検出器20のスタイラス24が接触するように、相対移動機構40を動作させる。
まず、図8(A)に示すように、入力装置51からの指令で、画像プローブ30のプローブヘッド33を回転させ、プローブヘッド33が傾斜壁63に対して対向する姿勢に保持した状態において、画像プローブ30によって被測定物60の傾斜壁63の画像を取得する。すると、被測定物60の傾斜壁63の画像データがデータ記憶部56に格納されたのち、表示装置52に表示される。
その後、測定開始指令が出されると、プログラム記憶部54に記憶された移動軌跡に従って相対移動機構40を動作させる。つまり、図8(B)に示すように、旋回機構45を回転させてX軸駆動機構48を傾斜させるとともに、相対移動機構40を動作させ、指定した孔63Aの下側内周面に接触式検出器20のスタイラス24を接触させる。
まず、図9に示すように、入力装置51からの指令で、画像プローブ30のプローブヘッド33を回転させ、プローブヘッド33が下向きの姿勢に保持した状態において、画像プローブ30によって被測定物60の水平壁61の画像を取得すると、被測定物60の水平壁61の画像データがデータ記憶部56に格納されたのち、表示装置52に表示される。
ここで、制御装置50は、データ記憶部56に格納された被測定物60の水平壁61の画像を、画像処理して、孔61A,61Bの形状や大きさなどを測定する。
本実施形態によれば、被測定物の表面に接触されるスタイラス24を有する接触式検出器20と、被測定物の表面画像を撮像する画像プローブ30とを備えたので、画像プローブ30によって被測定物の画像を取り込んだのち、この取り込んだ画像を基に、接触式検出器20のスタイラス24を被測定物の測定箇所に自動的に接触させるようにしたので、従来のように、測定者が、目視でスタイラスの先端と被測定物の測定箇所の相対位置を調整しながら、スタイラスの先端を被測定物の測定開始位置にセッティングしなくてもよいから、測定者への負担を軽減できるとともに、スタイラス24と被測定物との干渉を防止できる。
しかも、接触式検出器20のスタイラス24の先端と画像プローブ30とのオフセット量OFz、OFyはオフセット量記憶部55に記憶され、このオフセット量記憶部55に記憶されたオフセット量を考慮して、接触式検出器20のスタイラス24が被測定物の測定開始位置に接触するように、相対移動機構40の移動軌跡が算出され、この移動軌跡に従って相対移動機構40が動作されるから、接触式検出器20のスタイラス24を被測定物の測定開始位置に正確に接触させることができる。
例えば、画像プローブ30によって取得した画像から、線幅や孔径などを測定することができるほか、画像プローブ30のオートフォーカス機能を用いて、対物レンズ35の光軸方向の寸法(段差寸法)なども測定できる。
そのため、被測定物の水平面に限らず、垂直面や任意の傾斜面の画像を取得することができ、これらの面に設けられた孔や突起などの形状を接触式検出器20によって測定することができる。
しかも、接触式検出器20および画像プローブ30は、共に、Xスライダ47にオフセットして取り付けられているから、接触式検出器20および画像プローブ30を別々に移動させる機構を設ける場合に比べ、構造を簡素化でき、安価に構成できる。
本発明は、前述の実施形態に限定されるものでなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれる。
接触式検出器20は、先端にスタイラス24を有するアーム25と、このアーム25の揺動量を検出する検出部26とを有する接触式プローブ22を含んで構成されていたが、スタイラス24が被測定物に表面に接触しながら、被測定物の表面形状や粗さなどを測定できる機構であれば、他の構造であってもよい。
例えば、光源としてのLED36は、画像プローブとは別に設けてもよい。また、対物レンズ35を交換可能にして、倍率の異なる対物レンズ35に交換できるようにすれば、被測定物の測定箇所の大きさに応じて最適な作業が実施できる。
また、接触式検出器20と画像プローブ30とを別々の相対移動機構によって独立的に移動させるようにしてもよい。
20…接触式検出器、
24…スタイラス、
30…画像プローブ、
35…対物レンズ、
36…LED(光源)
37…CCDセンサ
40…相対移動機構、
41…Y軸駆動機構(第1移動機構)、
42…コラム、
43…Zスライダ、
44…Z軸駆動機構(第2移動機構)、
47…Xスライダ(スライド部材)、
48…X軸駆動機構(第3移動機構)
55…オフセット量記憶部(オフセット量記憶手段)
60…被測定物。
Claims (4)
- 被測定物の表面性状を測定する表面性状測定機において、
前記被測定物を載置するステージと、
前記被測定物の表面に接触されるスタイラスを有する接触式検出器と、
対物レンズを含み、前記対物レンズを透過した前記被測定物からの反射光を受光し、前記被測定物の表面画像を撮像する画像プローブと、
前記接触式検出器および前記画像プローブと前記ステージとを相対移動させる相対移動機構と、
オフセット量記憶手段と、
制御装置とを備え、
前記接触式検出器のスタイラスと前記画像プローブとは、これらいずれか一方の測定時に他方が邪魔にならない位置にオフセットされて配置され、
前記オフセット量記憶手段は、前記接触式検出器のスタイラス先端と前記画像プローブの前記対物レンズの焦点位置とのオフセット量を記憶し、
前記制御装置は、前記画像プローブによって取り込まれた被測定物の画像を基に測定開始位置が指定されると、前記オフセット量記憶手段に記憶されたオフセット量に基づいて前記接触式検出器のスタイラスが前記被測定物の測定開始位置に接するように、前記相対移動機構の移動軌跡を算出して記憶する移動軌跡算出手段と、この移動軌跡算出手段で求められた移動軌跡に従って前記相対移動機構を動作させるスタイラスセット手段とを含んで構成されている、
ことを特徴とする表面性状測定機。 - 請求項1に記載の表面性状測定機において、
前記相対移動機構は、前記ステージを水平面内の一方向へ移動させる第1移動機構と、コラムと、このコラムに上下方向へ移動可能に設けられた昇降部材と、この昇降部材を上下方向へ移動させる第2移動機構と、前記昇降部材に前記ステージの移動方向および前記昇降部材の昇降方向に対して直交する方向へ移動可能に設けられたスライド部材と、このスライド部材を移動させる第3移動機構とを備え、
前記スライド部材には、前記接触式検出器および前記画像プローブが取り付けられている、ことを特徴とする表面性状測定機。 - 請求項1または請求項2に記載の表面性状測定機において、
前記画像プローブは、前記対物レンズの外周に配置された光源と、前記対物レンズを透過した被測定物からの反射光を受光し被測定物の画像を撮像するCCDセンサとを含んで構成されている、ことを特徴とする表面性状測定機。 - 被測定物を載置するステージと、前記被測定物の表面に接触されるスタイラスを有する接触式検出器と、対物レンズを含み、前記対物レンズを透過した前記被測定物からの反射光を受光し、前記被測定物の表面画像を撮像する画像プローブと、前記接触式検出器および前記画像プローブと前記ステージとを相対移動させる相対移動機構と、オフセット量記憶手段とを備え、前記接触式検出器のスタイラスと前記画像プローブとが、これらいずれか一方の測定時に他方が邪魔にならない位置にオフセットされて配置され、前記オフセット量記憶手段が、前記接触式検出器のスタイラス先端と前記画像プローブの前記対物レンズの焦点位置とのオフセット量を記憶した表面性状測定機を用い、
前記相対移動機構を動作させて前記画像プローブによって被測定物の画像を取り込む画像取込工程と、
前記画像取込工程で取り込まれた画像を基に測定開始位置を指定する測定開始位置指定工程と、
前記測定開始位置が指定された際、前記オフセット量記憶手段に記憶されたオフセット量に基づいて前記接触式検出器のスタイラスが被測定物の測定開始位置に接するように、前記相対移動機構の移動軌跡を算出して記憶する移動軌跡算出工程と、
前記移動軌跡に従って前記相対移動機構を動作させて、前記接触式検出器のスタイラスが被測定物の測定開始位置に接触させるスタイラスセット工程と、
前記接触式検出器のスタイラスが被測定物に接触された状態において、前記相対移動機構を動作させて前記接触式検出器のスタイラスと被測定物とを相対移動させながら前記被測定物の表面性状を測定する測定工程と、
を備えることを特徴とする表面性状測定方法。
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