JP5376283B2 - 位相差体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、製造工程において、滑り性、ブロッキング防止性、異物混入回避性に優れた、位相差体及びその製造方法に関する。
液晶表示装置は、その基本構成として、液晶セル、偏光素子および位相差体(光学補償シート)を備えてなる。位相差体は、ディスプレイに表示される画像の着色を防止し、また、ディスプレイに表示される画像の視野角を広げるために、使用されるものである(特許文献1:特開2007−304375)。位相差体は、一般に、光透過性基材に、光学異方性層、配向層等の任意の機能層を形成させることにより製造される。位相差体の製造にあっては、生産効率及び運搬性、ディスプレイ生産高率の向上等の観点から、比較的幅広(1m乃至2m)で、かつ、薄膜な板状体のものを形成し、ロール状に巻き取ることが一般的である。
しかし、ディスプレイの大画面化に伴う幅広化、ディスプレイの薄型に伴う薄膜化等に対応した位相差体を製造する場合に、その製造工程中において、或いは製造後に位相差体をロール状に巻き取る際に、ブロッキング又はロール状体の円周上に黒い帯状に見えるブラックバンドが生じることがあり、歩留まり低下の原因となることがあった。また、ブロッキング現象により、巻き取り形状に異常が生じ、ロール状の位相差体自体が変形を生ずることがあった。この為、ロール状態から切り出した位相差体自体が使用できないものであるか、または、ディスプレイへの実装が困難となることがあった。
従って、位相差体の製造において、特に、巻き取り工程において、ブロッキング及びブラックバンドの発生を防止することが急務となっている。
特開2007−304375
本発明者は、本発明時において、位相差体を構成する光学異方性層の表面を凹凸形状とすることにより、位相差体の巻き取り工程において、ブロッキング及びブラックバンドの発生を有効に防止すると共に、特定の微粒子を添加することでその着脱により液晶装置内の光学機能層に異物が混入することを有効に回避することができることを見出した。本発明は係る知見に基づいてなされたものである。
従って、本発明は、光透過性基材と、光学異方性層とを備えてなる位相差体であって、
前記光学異方性層が、ブッロキング防止剤として微粒子を含有してなり、
前記光学異方性層の表面が凹凸形状を有して成るものである。
また、本発明は、光透過性基材と、光学異方性層とを備えてなる位相差体の製造方法を提案することができ、その製造方法は、
前記光透過性基材と、ブッロキング防止剤としての微粒子を含んでなる光学異方性層形成用組成物とを用意し、
前記光透過性基材に、前記光学異方性層形成用組成物を付与し、凹凸形状の表面を有した光学異方性層を形成することを含んでなるものである。
本発明による位相差体及びその製造方法によれば、位相差体の製造工程において、滑り性を向上させると伴に、位相差体の巻き取り時におけるブロッキング及びブラックバンドの発生を有効に抑制することができ、また、異物の混入を回避し、優れた液晶構造を構成することができる。
I.定義
黒輝度
液晶パネルは原理的に黒を表示しても光が漏れるため、どれだけ引き締まった黒が表示されるか指標となるのが「黒輝度」と呼ばれるパラメータであり、一般的に言われる黒輝度とはパネル黒表示時に測定される輝度値(cd/m2)で表される。本発明にあっては、「黒輝度」とは、予め受光部側に偏光板(日東電工(株)製、商品名:G1220DUN)を設置した可視光分光器(日本分光(株)製、商品名:JASCO V−7100)を用いて、位相差体を測定したときに表示されたY値を示す。本発明にあっては、黒輝度(Y)値は使用目的において適宜定めることが出来るが、0.02以下であり、好ましくは0.015以下である。Y値が上記の数値内にあることにより、偏光板化された場合、表示パネルのコントラストが優れたものとなる。
凹凸の平均間隔Sm(μm)および平均傾斜角θa(度)および平均粗さRa(μm)
本発明による位相差体を構成する光学異方性層は凹凸形状を有する。Sm(μm)とは、この光学異方性層の凹凸の平均間隔を表し、θa(度)は凹凸部の平均傾斜角を表す。これらは、JIS B0601 1994に準拠し、表面粗さ測定器(型番:SE−3400/社小坂研究所製)の取り扱い説明書(1995,07,20改訂)に記載の内容と同様に定義することができる。θa(度)は角度単位であり、傾斜を縦横比率で表したものがΔaである場合、Δa=tanθaが成立する(各凹凸の極小部と極大部の差(各凸部の高さに相当)の総和/基準長さ)で求められる。ここで、「基準長さ」とは、下記の測定条件と同じで、SE-3400で実際に蝕針測定する測定長さ(カットオフ値λc)である。
測 定
本発明による光学積層体の表面粗さを表すパラメーター(Sm、θa、Ra)を測定する場合、例えば、上記表面粗さ測定器を用いて、表面粗さ測定器の測定条件 JIS B0601 1994に準拠し、基準長さ、評価長さを選択して測定を行うことができ、この測定は本発明にあっては好ましいものである。
1)表面粗さ検出部の触針:
型番/SE2555N(2μ標準)(株)小坂研究所製
(先端曲率半径2μm/頂角:90度/材質:ダイヤモンド)
2)表面粗さ測定器の測定条件:
基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):
1]0.25、または2]0.8、または3]1.25、または4]2.5mm
評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):
1]1.25、または2]4.0、または3]6.25、または4]12.5mm
触針の送り速さ:0.1〜0.5mm/s
(基準長さ、1]〜4]のとき、評価長さは対応して1]〜4]となる)
樹脂
モノマー、オリゴマー、プレポリマーなどの硬化性樹脂前駆体を、特別な記載がない限り、総称して「樹脂」という。
II.位相差体
本発明は、光透過性基材と、光学異方性層とを備えてなる、位相差体である。本発明にあっては、位相差体がロール状に形成されてなるものであってよい。
1)光学異方性層
本発明における光学異方性層はブッロキング防止剤としての微粒子と、光学異方性を有する材料(主に液晶材料)を備えてなり、光学異方性層の表面が凹凸形状を有して成る。この凹凸形状の存在が、位相差体の製造工程において、滑り性の向上、ブロッキング及びブラックバンドの発生を有効に抑制する。
表面の凹凸形状
光学異方性層は、その表面に凹凸形状を有する。この凹凸形状は微粒子の存在により、達成される。本発明にあっては、この凹凸形状における凸構造の高さは、凸構造の基底から垂直方向で計測して、60nm以上1000nm以下程度であり、好ましくは上限値が500nm以下程度であり、より好ましくは上限値が200nm以下程度である。
Sm、θa、Ra
本発明における光学異方性層は、凹凸形状の凹凸の平均間隔をSmとし、凹凸部の平均傾斜角をθaとし、凹凸の平均粗さをRaとした場合に、下記数値を満たすものが好ましい。
Smが0.01μm以上5μm以下であり、好ましくは下限値が0.05μm以上であり、上限値が3μm以下である。
θaが0.1度以上1.2度以下であり、好ましくは下限値が0.3度以上であり、上限値が0.9度以下である。
Raが1000nm以下であり、好ましくは下限値が3nm以上であり、下限値が500nm以下であり、より好ましくは下限値が5nm以上であり、下限値が100nm以下である。
微粒子
本発明による微粒子は、ブロッキング防止剤として使用される。本発明による微粒子は、液晶構造を構成する他の部材に混入しないものが好ましい。特に、位相差体が鹸化処理された場合にも、脱落しない微粒子であることが好ましい。微粒子の形状は、球状、例えば真球状、楕円状、不定形等のものであってよい。また、微粒子は凝集型微粒子であってよい。本発明にあっては、微粒子の平均粒子径R(nm)が10nm以上1000nm以下であり、好ましくは上限が500nm以下であり、より好ましくは200nm以下であり、好ましくは下限が、20nm以上であるものが好ましい。微粒子の平均粒子径Rが上記の範囲内にあることにより、適切な凹凸形状を形成することができ、ブロッキング性の向上となるからである。上記平均粒子径とは、微粒子が、単分散型の粒子(形状が単一な粒子)であれば、その平均粒子径を表し、ブロードな粒度分布を持つ粒子であれば、粒度分布測定により、最も多く存在する粒子の粒径を平均粒子径として表している。上記微粒子の粒径は、主に、コールターカウンター法により計測できる。また、この方法以外に、レーザー回折法、SEM写真撮影による測定によっても計測できる。
本発明では、前記微粒子の全体の80%以上(好ましくは90%以上)において、前記微粒子の粒径平均分布がR±100nm、好ましくはR±50nm、さらに好ましくはR±30nmの範囲内にあるものが好ましい。微粒子の粒径平均分布が上記の範囲とされてなることにより、光学異方性層の凹凸形状の均一性を良好なものとすることが可能となる。また、前記微粒子を、第一微粒子とし、その平均粒径が異なる第二微粒子、第三微粒子又は第n微粒子(nは自然数)等の複数の微粒子をさらに含んでなるものを有するものであってもよく、例えば、第一微粒子の平均粒子径R(nm)が100nm程度の小粒子径については、単分散微粒子ではなく、平均粒子径が100nmの粒度分布をもつ微粒子で効率良く凹凸形状を形成させることが可能となる。平均粒子径が異なる複数の微粒子を含む場合、第二、第三、第n微粒子の各平均粒子径は、上記微粒子(第一微粒子)と同じ範囲であることが好ましい。
〔凝集型微粒子〕
本発明では、微粒子の中でも凝集型微粒子を用いることができる。凝集型微粒子は、同一の微粒子であっても、または平均粒径が異なる複数の微粒子で構成されてよい。従って、複数の凝集微粒子を使用する場合は、(凝集)第一微粒子とその平均粒径が異なる(凝集)第二微粒子、(凝集)第三微粒子又は(凝集)第n微粒子(nは自然数)を含んでなるものを用いてもよい。凝集型微粒子の場合は、二次粒子径が上記平均粒子径範囲内であることが好ましい。
本発明にあっては、第一微粒子の平均粒子径をR(nm)とし、第二微粒子の平均粒子径をR(nm)とした場合に、下記式:
0.25R(好ましくは0.50)≦R≦1.0R(好ましくは0.70)
を満たすものが好ましい。
が上記範囲内にあることにより、組成物の分散が容易となり、粒子が凝集することがない。また、塗布後の乾燥工程においてフローティング時の風の影響を受けることなく、均一な凹凸形状を形成することができる。第三微粒子及び第n微粒子が存在する場合には、第一微粒子と第二微粒子と同じような粒径関係になるようにするとよい。この場合は、第二微粒子がR、第三微粒子がRとなる。
〔種類〕
微粒子(第一、第二、第三、第n微粒子)は、特に限定されず、無機系、有機系のものが使用することができ、好ましくは透明性のものがよい。有機系材料により形成されてなる微粒子の具体例としては、プラスチックポリマービーズを挙げることができる。プラスチックビーズとしては、スチレンビーズ(屈折率1.60)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49〜1.535)、アクリル−スチレンビーズ(屈折率1.54〜1.58)、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒドビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ等が挙げられる。上記プラスチックビーズは、その表面に疎水性基を有することが好ましく、例えば、スチレンビーズを挙げることができる。無機系微粒子としては、不定形シリカ(SiO2)・酸化アルミニウム・ジルコニア・チタニア・酸化亜鉛・酸化ゲルマニウム・酸化インジウム・酸化スズ・インジウムスズ酸化物(ITO)・酸化アンチモン・酸化セリウム等の金属酸化物微粒子を挙げられる。
硬度が高い点からは、シリカ・酸化アルミニウムが好ましい。また、本発明においては、あまり重要ではないが、相対的に高屈折率層とするためには、ジルコニア・チタニア・酸化アンチモン等の膜形成時に屈折率が高くなる微粒子を適時選択して用いることができる。
〔化学処理微粒子〕
また、本発明にあっては、粒子表面への有機物処理等を施すことも可能である。粒子表面に有機物処理を施す場合には、疎水化処理が好ましい。この有機物処理には、ビーズ表面に化合物を化学的に結合させる方法、ビーズ表面と化学的な結合をせずに、ビーズを形成する組成物にあるボイドなどに浸透させるような物理的な方法があり、どちらを使用してもよい。一般的には、水酸基またはシラノール基等のシリカ表面の活性基を利用する化学的処理法が、処理効率の観点で好ましく用いられる。
処理に使用する化合物の具体例としては、上述活性基と反応性の高いシラン系、シロキサン系、シラザン系剤料などが用いられる。例えば、メチルトリクロロシラン等の、直鎖アルキル単基置換シリコーン剤料、分岐アルキル単置換シリコーン剤料、或いはジ-n-ブチルジクロロシラン、エチルジメチルクロロシラン等の多置換直鎖アルキルシリコーン化合物や、多置換分岐鎖アルキルシリコーン化合物が挙げられる。同様に、直鎖アルキル基若しくは分岐アルキル基の単置換、多置換シロキサン剤料、シラザン剤料も有効に使用することができる。
必要機能に応じ、アルキル鎖の末端又は中間部位に、ヘテロ原子、不飽和結合基、環状結合基、芳香族官能基等を有するものを使用してもよい。これらの化合物は、含まれるアルキル基が疎水性を示すため、被処理剤料表面を、親水性から疎水性に容易に変換することが可能となり、未処理では親和性の乏しい高分子剤料とも、高い親和性を得ることができる。
前記微粒子において、複数のものを混合して用いる場合は、各微粒子は、平均粒子径が異なるもの以外に、素剤が異なるもの、形状が異なるもの、これら全て異なるものなどを、前記したように、各微粒子の役割を区分しながら、適宜選択して用いることができる。
〔空隙を有する微粒子〕
本発明の好ましい態様によれば、「空隙を有する微粒子」を利用してもよい。本発明において、「空隙を有する微粒子」とは、微粒子の内部に気体が充填された構造及び/又は気体を含む多孔質構造体を形成し、微粒子本来の屈折率に比べて微粒子中の気体の占有率に反比例して屈折率が低下する微粒子を意味する。また、本発明にあっては、微粒子の形態、構造、凝集状態、塗膜内部での微粒子の分散状態により、内部、及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子も含まれる。
空隙を有する無機系の微粒子の具体例としては、特開2001−233611号公報で開示されている技術を用いて調製したシリカ微粒子が好ましくは挙げられる。その他、特開平7−133105、特開2002−79616号公報、特開2006−106714号公報等に記載された製法によって得られるシリカ微粒子であってよい。空隙を有するシリカ微粒子は製造が容易でそれ自身の硬度が高いため、バインダーと混合して光学異方性層を形成した際、その層強度が向上される。空隙を有する有機系の微粒子の具体例としては、特開2002−80503号公報で開示されている技術を用いて調製した中空ポリマー微粒子が好ましく挙げられる。
塗膜の内部及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子としては先のシリカ微粒子に加え、比表面積を大きくすることを目的として製造され、充填用のカラムおよび表面の多孔質部に各種化学物質を吸着させる除放剤、触媒固定用に使用される多孔質微粒子、または断熱剤や低誘電剤に組み込むことを目的とする中空微粒子の分散体や凝集体を挙げることができる。そのような具体的としては、市販品として日本シリカ工業株式会社製の商品名NipsilやNipgelの中から多孔質シリカ微粒子の集合体、日産化学工業社製のシリカ微粒子が鎖状に繋がった構造を有するコロイダルシリカUPシリーズ(商品名)から、本発明の好ましい粒子径の範囲内のものを利用することが可能である。
「空隙を有する微粒子」の平均粒子径は、5nm以上500nm以下であり、好ましくは下限が8nm以上であり上限が300nm以下であり、より好ましくは下限が10nm以上であり上限が200nm以下である。
〔コロイダルシリカ〕
本発明にあっては、コロイダルシリカも使用することができる。「コロイダルシリカ」とは、コロイド状態のシリカ粒子を水又は有機溶媒に分散させたコロイド溶液を意味する。上記コロイダルシリカの粒子径(直径)は、1〜200nm程度の超微粒子のものであることが好ましい。なお、本発明におけるコロイダルシリカの粒子径は、BET法による平均粒子径である。平均粒子径は、具体的には、BET法により表面積を測定し、粒子が真球であるとして換算して算出する。
上記コロイダルシリカは、公知のものであり、市販のものとしては、例えば、「メタノールシリカゾル」、「MA−ST−M」、「IPA−ST」、「EG−ST」、「EG−ST−ZL」、「NPC−ST」、「DMAC−ST」、「MEK」、「XBA−ST」、「MIBK−ST」(以上、日産化学工業(株)製品、いずれも商品名)、「OSCAL1132」、「OSCAL1232」、「OSCAL1332」、「OSCAL1432」、「OSCAL1532」、「OSCAL1632」、「OSCAL1132」、(以上、触媒化成工業(株)製品、いずれも商品名)で市販されているものを挙げることができる。
微粒子の添加量は、光学異方性層形成用組成物の全量に対して、0.10重量%以上5.0重量%以下であり、好ましくは下限値が0.2重量%以上であり上限値が3.0重量%以下であり、より好ましくは下限値が0.25重量%以上であり上限値が1.0重量%以下である。添加量が上記範囲内にあることにより、製造工程における滑り性が好ましく、また、製造された位相差体の黒輝度が十分となり、コントラスト比を所望の値とすることが可能となる。
〔反応性無機微粒子〕
本発明の好ましい態様によれば、反応性無機微粒子、例えば、少なくとも表面の一部を有機成分で被覆され、当該有機成分により導入された反応性官能基を表面に有する無機微粒子を利用することができる。反応性無機微粒子は、硬度が高いため外部から粒子にかかる圧力(外圧)で潰れ難く、耐圧性に優れる為、優れた耐擦傷性を有する。また、反応性無機微粒子を使用した光学異方性層の表面を鹸化処理した際に、その表面からアルカリ溶液に溶出又は脱落する反応性無機微粒子の数を相当程度低減することができるので、耐鹸化性を向上させることが可能となる。この結果、光学異方性層を鹸化処理する際の保護膜が不要となり、工程数及び材料費の削減が可能となる。ここで、「反応性無機微粒子」とは、コアとなる無機微粒子の少なくとも表面の一部に有機成分が被覆し、当該有機成分により導入された反応性官能基を表面に有する無機微粒子のことである。反応性無機微粒子には、1粒子あたりコアとなる無機微粒子の数が2つ以上のものも含まれる。
本明細書中の反応性官能基には、光硬化性官能基及び熱硬化性官能基が含まれる。光硬化性官能基とは、光照射により重合反応やまたは架橋反応等を進行させて塗膜を硬化させることができる官能基を意味し、例えば、光ラジカル重合、光カチオン重合、光アニオン重合のような重合反応、あるいは、光二量化を経て進行する付加重合または縮重合等の反応形式により反応が進行するものが挙げられる。「熱硬化性官能基」とは、加熱によって同じ官能基同士または他の官能基との間で重合反応または架橋反応等を進行させて塗膜を硬化させることができる官能基を意味し、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基等を例示することができる。本発明に用いられる反応性官能基としては、特に、硬化膜の硬度を向上させる観点から、重合性不飽和基が好適に用いられ、好ましくは光硬化性不飽和基であり、特に好ましくは電離放射線硬化性不飽和基である。その具体例としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合及びエポキシ基等が挙げられる。
無機微粒子としては、例えば、シリカ(SiO)、酸化アルミニウム、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化アンチモン、酸化セリウム等の金属酸化物微粒子、フッ化マグネシウム、フッ化ナトリウム等の金属フッ化物微粒子などが挙げられる。金属微粒子、金属硫化物微粒子、金属窒化物微粒子等を用いても良い。
反応性無機微粒子は、中空粒子のような粒子内部に空孔や多孔質組織を有する粒子よりも、粒子内部に空孔や多孔質組織を有しない中実粒子を用いることが好ましい。中空粒子では、当該粒子内部に空孔や多孔質組織を有するため、中実粒子に比べ硬度が低く、また、中空粒子は見かけ上の比重(中空部を含めて平均化した単位体積当たりの質量)が中実粒子に比べて小さい。このことから、反応性無機微粒子は、硬度が高く、中空粒子に比べ比重が大きい中実粒子を用いることが好ましい。
反応性無機微粒子は、少なくとも表面の一部に有機成分が被覆され、この有機成分により導入された反応性官能基を表面に有する。ここで、「有機成分」とは、炭素を含有する成分であってよい。また、少なくとも表面の一部に有機成分が被覆されている態様としては、例えば金属酸化物微粒子の表面に存在する水酸基にシランカップリング剤等の有機成分を含む化合物が反応して、表面の一部に有機成分が結合した態様の他、金属酸化物微粒子の表面に存在する水酸基に水素結合等の相互作用により有機成分を付着させた態様や、ポリマー粒子中に1個又は2個以上の無機微粒子を含有する態様などが含まれる。
当該被覆している有機成分は、無機微粒子同士の凝集を抑制し、且つ無機微粒子表面への反応性官能基数を多く導入して膜の硬度を向上させる点から、粒子表面のほぼ全体を被覆していることが好ましい。このような観点から、無機微粒子を被覆している前記有機成分は、反応性無機微粒子中に1.00×10−3g/m以上含まれることが好ましい。無機微粒子表面に有機成分を付着乃至結合させた態様においては、無機微粒子を被覆している前記有機成分が、反応性無機微粒子中に2.00×10−3g/m以上含まれることが更に好ましく、反応性無機微粒子中に3.50×10−3g/m以上含まれることが特に好ましい。ポリマー粒子中に無機微粒子を含有する態様においては、無機微粒子を被覆している前記有機成分が、反応性無機微粒子中に3.50×10−3g/m以上含まれることが更に好ましく、反応性無機微粒子中に5.50×10−3g/m以上含まれることが特に好ましい。この被覆している有機成分の割合は、通常、乾燥粉体を空気中で完全に燃焼させた場合の重量減少の恒量値として、例えば空気中で室温から通常800℃までの熱重量分析により求めることができる。
例えば、単位面積当りの有機成分量は、以下の方法により求めることができる。まず、示差熱重量分析(Differential Thermogravimetry:DTG)により、有機成分重量を無機成分重量で割った値(有機成分重量/無機成分重量)を測定する。次に、無機成分重量と用いた無機微粒子の比重から無機成分全体の体積を計算する。また、被覆前の無機微粒子が真球状であると仮定し、被覆前の無機微粒子の平均粒子径から被覆前の無機微粒子1個当りの体積、及び表面積を計算する。次に、無機成分全体の体積を被覆前の無機微粒子1個当たりの体積で割ることにより、反応性無機微粒子の個数を求める。更に、有機成分重量を反応性無機微粒子の個数で割ることにより、反応性無機微粒子A1個当たりの有機成分量を求める。最後に、反応性無機微粒子1個当りの有機成分重量を、被覆前の無機微粒子1個当りの表面積で割ることにより、単位面積当たりの有機成分量を求めることができる。
反応性無機微粒子の平均粒子径は、10nm以上1000nm以下であるが、特に好ましくは20nm以上300nm以下である。反応性無機微粒子の平均粒子径を20nm以上とすることにより、適切な凹凸形状を形成することが出来、ブロッキング性の向上が得られる。また、前記反応性無機微粒子は、透明性を損なうことなく、黒輝度を著しく向上させない点から、粒径分布が狭く、単分散であることが好ましい。反応性無機微粒子の平均粒子径は、溶液中の当該粒子を動的光散乱方法で測定し、粒子径分布を累積分布で表したときの50%粒子径(d50 メジアン径)を意味する。この平均粒子径は、日機装(株)製のMicrotrac粒度分析計を用いて測定することができる。反応性無機微粒子は、凝集粒子であっても良く、凝集粒子である場合は、一次粒子径だけでなく二次粒子径も上記範囲内であれば良い。
少なくとも表面の一部に有機成分が被覆され、当該有機成分により導入された反応性官能基を表面に有する反応性無機微粒子を調製する方法としては、当該無機微粒子に導入したい反応性官能基により、従来公知の方法を適宜選択して用いることができる。中でも、本発明においては、被覆している有機成分が反応性無機微粒子中に、被覆前の無機微粒子の単位面積当たり1.00×10−3g/m以上含まれることが可能で、無機微粒子同士の凝集を抑制し、膜の硬度を向上させる点から、以下の(i)(ii)の無機微粒子のいずれかを適宜選択して用いることが好ましい。
(i)飽和又は不飽和カルボン酸、当該カルボン酸に対応する酸無水物、酸塩化物、エステル及び酸アミド、アミノ酸、イミン、ニトリル、イソニトリル、エポキシ化合物、アミン、β‐ジカルボニル化合物、シラン、及び官能基を有する金属化合物よりなる群から選択される1種以上の分子量500以下の表面修飾化合物の存在下、分散媒としての水及び/又は有機溶媒の中に無機微粒子を分散させることにより得られる、表面に反応性官能基を有する無機微粒子。
(ii)被覆前の無機微粒子に導入する反応性官能基、下記化学式(1)に示す基、及びシラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基を含む化合物と、金属酸化物微粒子とを結合することにより得られる、表面に反応性官能基を有する無機微粒子。
−Q−C(=Q)−NH− (1)
(上記式中、
は、NH、O(酸素原子)、またはS(硫黄原子)を示し、
はO又はSを示す。)
以下、上記本発明において好適に用いられる反応性無機微粒子を順に説明する。
(i)の無機微粒子
上記(i)の反応性無機微粒子に用いられる上記表面修飾化合物は、カルボキシル基、酸無水物基、酸塩化物基、酸アミド基、エステル基、イミノ基、ニトリル基、イソニトリル基、水酸基、チオール基、エポキシ基、第一級、第二級及び第三級アミノ基、Si−OH基、シランの加水分解性残基、又はβ−ジカルボニル化合物のようなC−H酸基等の、分散条件下において上記無機微粒子の表面に存在する基と化学結合可能な官能基を有する。ここでの化学結合は、好ましくは、共有結合、イオン結合又は配位結合が含まれるが、水素結合も含まれる。配位結合は錯体形成であると考えられる。例えば、ブレンステッド又はルイスに従う酸性/塩基反応、錯体形成又はエステル化が、上記表面修飾化合物の官能基と無機微粒子表面の基の間で生じる。上記(i)の反応性無機微粒子に用いられる上記表面修飾化合物は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
上記表面修飾化合物は通常、無機微粒子の表面の基との化学結合に関与できる少なくとも1つの官能基(以下、第1の官能基という)に加えて、当該官能基を介して上記表面修飾化合物に結びついた後に、無機微粒子に新たな特性を付与する分子残基を有する。分子残基又はその一部は疎水性又は親水性であり、例えば無機微粒子を安定化、融和化、又は活性化させる。例えば、疎水性分子残基としては、不活性化又は反発作用をもたらす、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキル又はフッ素含有アルキル基等が挙げられる。親水性基としてはヒドロキシ基、アルコキシ基又はポリエステル基等が挙げられる。
反応性無機微粒子が後述の樹脂と反応できるように表面に導入される反応性官能基を採用してもよく、このような反応性官能基は、この樹脂に応じて、適宜選択される。反応性官能基としては、重合性不飽和基が好適に用いられ、好ましくは光硬化性不飽和基であり、特に好ましくは電離放射線硬化性不飽和基である。その具体例としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合及びエポキシ基等が挙げられる。表面修飾化合物の上記分子残基中に、樹脂と反応できる反応性官能基が含まれる場合には、上記表面修飾化合物中に含まれる第1の官能基を無機微粒子表面に反応させることによって、上記(i)の反応性無機微粒子の表面に樹脂と反応できる反応性官能基を導入することが可能である。例えば、第1の官能基のほかに、更に重合性不飽和基を有する表面修飾化合物が、好適なものとして挙げられる。一方で、上記表面修飾化合物の上記分子残基中に、第2の反応性官能基を含有させ、当該第2の反応性官能基を足掛かりにして、上記(i)の反応性無機微粒子の表面に樹脂と反応できる反応性官能基が導入されても良い。例えば、第2の反応性官能基として水酸基及びオキシ基のような水素結合が可能な基(水素結合形成基)を導入し、当該微粒子表面上に導入された水素結合形成基に、更に別の表面修飾化合物の水素結合形成基が反応することにより、上記バインダー成分Bと反応できる反応性官能基を導入されることが好ましい。すなわち、表面修飾化合物として、水素結合形成基を有する化合物と、重合性不飽和基などの上記バインダー成分Bと反応できる反応性官能基と水素結合形成基を有する化合物とを併用して用いることが好適な例として挙げられる。水素結合形成基の具体例としては、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、グリシジル基、アミド基、といった官能基、もしくはアミド結合を示すものである。ここで、アミド結合とは、−NHC(O)、及び>NC(O)−を結合単位に含むものを示す旨である。本発明の表面修飾化合物に用いられる水素結合形成基としては、中でもカルボキシル基、水酸基、アミド基が好ましい。
上記(i)の反応性無機微粒子に用いられる上記表面修飾化合物は500以下、より好ましくは400、特に200を超えない分子量を有する。このような低分子量を有するため、無機微粒子表面を急速に占有し、無機微粒子同士の凝集を妨げることが可能であると推定される。上記(i)の反応性無機微粒子に用いられる上記表面修飾化合物は、表面修飾のための反応条件下で好ましくは液体であり、分散媒中で溶解性又は少なくとも乳化可能であるのが好ましい。中でも分散媒中で溶解し、分散媒中で離散した分子又は分子イオンとして一様に分布して存在することが好ましい。
飽和又は不飽和カルボン酸としては、1〜24の炭素原子を有しており、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、クエン酸、アジピン酸、琥珀酸、グルタル酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びステアリン酸、並びに対応する酸無水物、塩化物、エステル及びアミド、例えばカプロラクタム等が挙げられる。また、不飽和カルボン酸を用いると、重合性不飽和基を導入することができる。
好ましいアミンの例は、化学式Q−nNHn(n=0,1又は2)を有するものであり、残基Qは独立して、1〜12、特に1〜6、特別好ましくは1〜4の炭素原子を有するアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル及びブチル)、並びに6〜24の炭素原子を有するアリール、アルカリル又はアラルキル(例えば、フェニル、ナフチル、トリル及びベンジル)を表す。また、好ましいアミンの例としては、ポリアルキレンアミンが挙げられ、具体例は、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、アニリン、N−メチルアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、トルイジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンである。
好ましいβ−ジカルボニル化合物は4〜12、特に5〜8の炭素原子を有するものであり、例えば、ジケトン(アセチルアセトンなど)、2,3−ヘキサンジオン、3,5−ヘプタンジオン、アセト酢酸、アセト酢酸−C1−C4−アルキルエステル(アセト酢酸エチルエステルなど)、ジアセチル及びアセトニルアセトンが挙げられる。 アミノ酸の例としては、β−アラニン、グリシン、バリン、アミノカプロン酸、ロイシン及びイソロイシンが挙げられる。
好ましいシランは、少なくとも1つの加水分解性基又はヒドロキシ基と、少なくとも1つの非加水分解性残基を有する加水分解性オルガノシランである。ここで加水分解性基としては、例えば、ハロゲン、アルコキシ基及びアシルオキシ基が挙げられる。非加水分解性残基としては、反応性官能基を有する及び/又は反応性官能基を有しない非加水分解性残基が用いられる。また、フッ素で置換されている有機残基を少なくとも部分的に有するシランを使用しても良い。
用いられるシランとしては特に限定されないが、例えば、CH=CHSi(OOCCH、CH=CHSiCl、CH=CHSi(OC、CH=CH−Si(OCOCH、CH=CH−CH−Si(OC、CH=CH−CH−Si(OOCCH、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS)、γ−グリシジルオキシプロピルジメチルクロロシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTS)、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−[N'−(2'−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ヒドロキシメチルトリメトキシシラン、2−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、ビス−(ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアミノプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン及び3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
官能基を有する金属化合物としては、元素周期表の第1群III〜V及び/又は第2群II〜IVからの金属Mの金属化合物が挙げられる。ジルコニウム及びチタニウムのアルコキシド、M(OR)(M=Ti、Zr)、(式中、OR基の一部はβ−ジカルボニル化合物又はモノカルボン酸などの錯生成剤により置換される。)が挙げられる。重合性不飽和基を有する化合物(メタクリル酸など)が錯生成剤として使用される場合には、重合性不飽和基を導入することができる。
分散媒として、水及び/又は有機溶媒が好適に使用される。特に好ましい分散媒は、蒸留された(純粋な)水である。有機溶媒として、極性及び非極性及び非プロトン性溶媒が好ましい。それらの例として、炭素数1〜6の脂肪族アルコール(特にメタノール、エタノール、n−及びi−プロパノール及びブタノール)等のアルコール、アセトン及びブタノン等のケトン類、酢酸エチルなどのエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン及びテトラヒドロピランなどのエーテル類;ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド類;スルホラン及びジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類及びスルホン類;及びペンタン、ヘキサン及びシクロヘキサン等の脂肪族(任意にハロゲン化された)炭化水素類が挙げられる。これらの分散媒は混合物として使用することができる。分散媒は、蒸留(任意に減圧下)により容易に除去できる沸点を有することが好ましく、沸点が200℃以下、特に150℃以下の溶媒が好ましい。
(i)の反応性無機微粒子の調製に際し、分散媒の濃度は、通常40〜90、好ましくは50〜80、特に55〜75重量%である。分散液の残りは、未処理の無機微粒子および上記表面修飾化合物から構成される。ここで、無機微粒子/表面修飾化合物の重量比は、100:1〜4:1とすることが好ましく、更に50:1〜8:1、より更に25:1〜10:1とすることが好ましい。
(i)の反応性無機微粒子の調製は、好ましくは室温(約20℃)〜分散媒の沸点で行われる。特に好ましくは、分散温度は50〜100℃である。分散時間は、特に使用される材料のタイプに依存するが、一般に数分から数時間、例えば1〜24時間である。
(ii)の無機微粒子
(ii)の無機微粒子は、被覆前の無機微粒子に導入する反応性官能基、下記化学式(1)に示す基、及びシラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基を含む化合物と、コアとなる無機微粒子としての金属酸化物微粒子とを結合することにより得られる、表面に反応性官能基を有するものである。
−Q−C(=Q)−NH− (1)
(化学式(1)中、Qは、NH、O(酸素原子)、またはS(硫黄原子)を示し、QはO又はSを示す。)
上記(ii)の反応性無機微粒子を用いる場合には、有機成分量が高まり、分散性、および膜強度がより高まるというメリットがある。
まず、被覆前の無機微粒子に導入したい反応性官能基、上記化学式(1)に示す基、及びシラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基を含む化合物(以下、反応性官能基修飾加水分解性シランという場合がある。)について説明する。反応性官能基修飾加水分解性シランにおいて、当該無機微粒子に導入したい反応性官能基は、樹脂と反応可能なように適宜選択することも可能である。上述したような重合性不飽和基を導入するのに適している。
反応性官能基修飾加水分解性シランにおいて、上記化学式(1)に示す基[−Q−C(=Q)−NH−]は、具体的には、[−O−C(=O)−NH−]、[−O−C(=S)−NH−]、[−S−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=S)−NH−]、及び[−S−C(=S)−NH−]の6種である。これらの基は、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。中でも、熱安定性の観点から、[−O−C(=O)−NH−]基と、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1種を併用することが好ましい。前記化学式(1)に示す基[−Q−C(=Q)−NH−]は、分子間において水素結合による適度の凝集力を発生させ、硬化物にした場合、優れた機械的強度、基材との密着性及び耐熱性等の特性を付与することが可能になると考えられる。
また、加水分解によってシラノ−ル基を生成する基としては、ケイ素原子上にアルコキシ基、アリールオキシ基、アセトキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等を有する基を挙げることができ、アルコキシシリル基又はアリールオキシシリル基が好ましい。シラノール基又は、加水分解によってシラノ−ル基を生成する基は、縮合反応又は加水分解に続いて生じる縮合反応によって、金属酸化物微粒子と結合することができる。
上記反応性官能基修飾加水分解性シランの好ましい具体例としては、例えば、下記化学式(2)に示す化合物を挙げることができる。
(OR
| H H
3−m−Si−R−S−C−N−R−N−C−O−R−(Y’) (2)
‖ ‖
O O
化学式(2)中、Ra、Rbは同一でも異なっていてもよいが、水素原子又はC1からC8のアルキル基若しくはアリール基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、フェニル、キシリル基等を挙げることができる。ここでmは1、2又は3である。[(RaO)mRb‐mSi−]で示される基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリフェノキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基等を挙げることができる。このような基のうち、トリメトキシシリル基又はトリエトキシシリル基等が好ましい。
RcはC1からC12の脂肪族又は芳香族構造を有する2価の有機基であり、鎖状、分岐状又は環状の構造を含んでいてもよい。そのような有機基としては例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキサメチレン、シクロヘキシレン、フェニレン、キシリレン、ドデカメチレン等を挙げることができる。これらのうち好ましい例は、メチレン、プロピレン、シクロヘキシレン、フェニレン等である。
また、Rdは2価の有機基であり、通常、分子量14から1万、好ましくは、分子量76から500の2価の有機基の中から選ばれる。例えば、ヘキサメチレン、オクタメチレン、ドデカメチレン等の鎖状ポリアルキレン基;シクロヘキシレン、ノルボルニレン等の脂環式又は多環式の2価の有機基;フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ポリフェニレン等の2価の芳香族基;及びこれらのアルキル基置換体、アリール基置換体を挙げることができる。また、これら2価の有機基は炭素及び水素原子以外の元素を含む原子団を含んでいてもよく、ポリエーテル結合、ポリエステル結合、ポリアミド結合、ポリカーボネート結合、さらには前記化学式(1)に示す基を含むこともできる。
Reは(n+1)価の有機基であり、好ましくは鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基の中から選ばれる。
Y’は反応性官能基を有する1価の有機基を示す。上述のような反応性官能基そのものであっても良い。例えば反応性官能基を重合性不飽和基から選択する場合、(メタ)アクリロイル(オキシ)基、ビニル(オキシ)基、プロペニル(オキシ)基、ブタジエニル(オキシ)基、スチリル(オキシ)基、エチニル(オキシ)基、シンナモイル(オキシ)基、マレエート基、(メタ)アクリルアミド基等を挙げることができる。また、nは好ましくは1〜20の正の整数であり、さらに好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜5である。
本発明で用いられる反応性官能基修飾加水分解性シランの合成は、例えば特開平9−100111号公報に記載された方法を用いることができる。すなわち、例えば重合性不飽和基を導入したい場合、(イ)メルカプトアルコキシシランと、ポリイソシアネート化合物と、イソシアネート基と反応可能な活性水素基含有重合性不飽和化合物との付加反応により行うことができる。また、(ロ)分子中にアルコキシシリル基及びイソシアネート基を有する化合物と、活性水素基含有重合性不飽和化合物との直接的反応により行うことができる。さらに、(ハ)分子中に重合性不飽和基及びイソシアネート基を有する化合物と、メルカプトアルコキシシラン又はアミノシランとの付加反応により直接合成することもできる。
(ii)の反応性無機微粒子の製造においては、反応性官能基修飾加水分解性シランを別途加水分解操作を行った後、これと無機微粒子を混合し、加熱、攪拌操作を行う方法、もしくは反応性官能基修飾加水分解性シランの加水分解を無機微粒子の存在下に行う方法、また、他の成分、例えば多価不飽和有機化合物、単価不飽和有機化合物、放射線重合開始剤等の存在下、無機微粒子の表面処理を行う方法を選ぶことができるが、反応性官能基修飾加水分解性シランの加水分解を無機微粒子の存在下行う方法が好ましい。(ii)の反応性無機微粒子を製造する際、その温度は、通常20℃以上150℃以下であり、また処理時間は5分〜24時間の範囲である。
加水分解反応を促進するため、触媒として酸、塩もしくは塩基を添加してもよい。酸としては有機酸および不飽和有機酸;塩基としては3級アミンまたは4級アンモニウムヒドロキシドが好適な物として挙げられる。これら酸もしくは塩基触媒の添加量は反応性官能基修飾加水分解性シランに対して0.001〜1.0重量%、好ましくは0.01〜0.1重量%である。
反応性無機微粒子としては、分散媒を含有しない粉末状の微粒子を用いてもよいが、分散工程を省略でき、生産性が高い点から微粒子を溶剤分散ゾルとしたものを用いることが好ましい。反応性無機微粒子の含有量は全固形分に対し、0〜5重量%であることが好ましく、更に0.25〜1重量%であることが好ましい。含有量が上記範囲内にあることにより、光学異方性層の凹凸が十分となりブロッキングを有効に防止することができるとともに、表面凹凸を適切な大きさにすることがきるので、黒輝度の大幅な上昇を抑制することができる。
光学異方性剤(液晶材料)
本発明に用いられる光学異方性剤は、所望の位相差性を発現できる材料であれば特に限定されない。本発明にあっては、ネマチック相を示す光学異方性剤が好適に用いられる。ネマチック液晶は、他の液晶相を示す光学異方性剤と比較して規則的に配列させることが可能なものである。
本発明に用いられる光学異方性剤としては、重合性官能基を有する重合性光学異方性剤を用いることが好ましい。重合性光学異方性剤は重合性官能基を介して互いに重合して、分子の配向状態を固定化することができるため、光学異方性層の機械強度を向上することができる。また、光学異方性剤の配向の安定性も向上させ、かつ、経時変化及び高温環境下における分子配向変動に起因するReやRthの変動等を有効に防止することが可能となる。
重合性官能基としては、紫外線、電子線等の電離放射線、或いは熱の作用によって重合する各種重合性官能基が用いられる。これら重合性官能基の代表例としては、ラジカル重合性官能基或いはカチオン重合性官能基等が挙げられる。さらにラジカル重合性官能基の代表例としては、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が挙げられ、具体例としては、置換基を有するもしくは有さないビニル基、アクリレート基(アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を包含する総称)等が挙げられる。又、カチオン重合性官能基の具体例としては、エポキシ基等が挙げられる。その他、重合性官能基としては、例えば、イソシアネート基、不飽和3重結合等が挙げられる。本発明においては、これらの重合性官能基のなかでもプロセス上の点から、エチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が好適に用いられる。
重合性光学異方性剤は、上記した重合性官能基を一又は複数有するものであって良い。また、重合性官能基を複数有する重合性光学異方性剤と、重合性官能基を1つのみを有する重合性光学異方性剤とを混合して用いても良い。重合性光学異方性剤の具体例としては、例えば、特開平7−258638号公報、特表平10−508882号公報、及び特開2003−287623号公報に記載されている化合物を挙げることができる。これらに開示された事項は本願明細書の一部をなす。
本発明にあっては、重合性光学異方性剤として、下記化学式(1)〜(10)で表される化合物を用いることが好ましい。
Figure 0005376283
光学異方性剤は一種又は二種以上を混合して用いても良い。本発明において、二種類以上の光学異方性剤を混合して用いる場合は、重合性光学異方性剤と、重合性官能基を有さない光学異方性剤とを混合して用いても良い。
その他材料
光学異方性層には、光学異方性剤以外のその他の剤が含まれていても良い。その他材料は、光学異方性剤の配列状態や、光学異方性層の光学特性発現性を損なわないものであれば特に限定されるものではなく、用途等に応じて適宜選択して用いることができる。その他の剤としては、例えば、重合開始剤、重合禁止剤、樹脂、カイラル剤、可塑剤、界面活性剤、および、シランカップリング剤等を挙げることができる。
〔重合開始剤/重合禁止剤〕
重合性光学異方性剤を用いる場合、重合開始剤または重合禁止剤を用いることが好ましい。重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン、α−アミノ・アセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンジルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、n−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、アデカ社製N1717、四臭化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイン、エオシン、メチレンブルー等の光還元性色素とアスコルビン酸やトリエタノールアミンのような還元剤との組み合わせ等を例示できる。
本発明では、これらの光重合開始剤を1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。さらに、上記光重合開始剤を用いる場合には、光重合開始助剤を併用することができる。このような光重合開始助剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等の3級アミン類や、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミド安息香酸エチル等の安息香酸誘導体を例示することができるが、これらに限られるものではない。
重合禁止剤としては、例えば、ジフェニルピクリルヒドラジド、トリ−p−ニトロフェニルメチル,p−ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、ピクリン酸、塩化銅、メチルハイドロキノン、メトキノン、tert−ブチルハイドロキノン等の反応の重合禁止剤を挙げることができ、保存安定性の点からハイドロキノン系重合禁止剤が好ましく、メチルハイドロキノンを用いるのが特に好ましい。
〔樹脂等〕
本発明にあっては、樹脂等を添加することができ、例えば、多価アルコールと1塩基酸または多塩基酸を縮合して得られるポリエステルプレポリマーに、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート;ポリオール基と2個のイソシアネート基を持つ化合物を互いに反応させた後、その反応生成物に(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸ポリグリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエーテル、脂肪族または脂環式エポキシ樹脂、アミノ基エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート等の光重合性化合物;アクリル基やメタクリル基を有する光重合性の液晶性化合物等が挙げられる。
〔カイラル剤〕
光学異方性層中の光学異方性剤の配列状態としては、例えば、光透過性基材に対して光学異方性剤が平行に配向した状態や、光透過性基材に対して光学異方性剤が垂直に配向した状態を挙げることができる。前者の液晶構造はホモジニアス構造(平行配向構造)と称され、このような構造を有することにより、本発明に用いられる位相差体に光学的にAプレートとしての性質を付与することができる。また、後者の液晶構造はホメオトロピック構造(垂直配向構造)と称され、このような構造を有することにより、本発明の位相差体に光学的に正のCプレートとしての性質を付与することができる。
光学異方性剤の配列状態としては、光学異方性剤が規則的な螺旋構造を示すコレステリック配列状態であっても良い。このような配列状態を有することにより、本発明に用いられる位相差体に光学的に負のCプレートとしての性質を付与することができる。
光学異方性剤の配列状態をコレステリック配列状態とする場合は、通常、光学異方性層に螺旋構造を誘起させるカイラル剤が添加される。このようなカイラル剤としては、分子内に軸不斉を有する低分子化合物が好ましく用いられる。本発明に用いられるカイラル剤としては、例えば、下記一般式(11)、(12)又は(13)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0005376283
〔上記一般式(11)又は(12)中、
は水素又はメチル基を示し、
c及びdは、アルキレン基の鎖長を示し、それぞれ個別に2〜12の範囲の整数であり、好ましくは4〜10の範囲であり、より好ましく6〜9の範囲であり、
Yは下記一般式(i)〜(xxiv)の任意の一つであり、式(i)、(ii)、(iii)、(v)及び(vii)のいずれか一つであることが好ましい。〕
Figure 0005376283
Figure 0005376283
光学異方性層の厚さは特に限定されないが、10μm以下程度の範囲であり、好ましくは下限値が0.1μm以上であり上限値が8μm以下程度であり、より好ましくは下限値が0.5μm以上であり上限値が5μm以下程度であることが好ましい。
光学異方性層は位相差性を示すものであるが、このような位相差性は用途等に応じて任意に調整することができる。好ましくは、波長550nmにおけるReが0.1nm以上400nm以下程度の範囲内であることが好ましい。これは、液晶パネルの各モードを光学補償するために必要な範囲であるためである。
「Re」とは、光学異方性層の面内方向において、遅相軸方向(屈折率が最も大きい方向)の屈折率Nx、および、進相軸方向(屈折率が最も小さい方向)の屈折率Nyと、光学異方性層の厚みdとにより、Re=(Nx−Ny)×dの式で表される値である。「Rth」とは、光学異方性層の面内における遅相軸方向(面内屈折率が最も大きい方向)の屈折率Nx、および、進相軸方向(面内屈折率が最も小さい方向)の屈折率Nyと、厚み方向の屈折率Nzと、光学異方性層の厚みdとにより、Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×dの式で表される値である。これらの値は、自動複屈折測定装置(王子計測機器株式会社製、商品名:KOBRA−21ADH)により測定することができる。
本発明の好ましい態様によれば、位相差体は、光学異方性層の面内の、遅相軸方向xの屈折率をNx、進相軸方向yの屈折率をNy、厚み方向zの屈折率をNzとした場合に、下記一般式(I):
Nx>Ny≧Nz (I)
を充足するものが好ましい。
また、本発明の好ましい別の態様によれば、位相差体は、
前記光学異方性層の面内の、遅相軸方向xの屈折率をNx、進相軸方向yの屈折率をNy、厚み方向zの屈折率をNzとした場合に、下記一般式(II):
Nx≦Ny<Nz (II)
を充足するものが好ましい。
また、本発明の好ましいさらに別の態様によれば、位相差体は、前記光学異方性層の面内の、遅相軸方向xの屈折率をNx、進相軸方向yの屈折率をNy、厚み方向zの屈折率をNzとした場合に、下記一般式(III):
Nx≒Ny>Nz (III)
を充足するものが好ましい。
本発明にあっては、位相差値は、使用目的において適宜定めることができるが、以下の通りとすることができる。VA用光学補償フィルムの場合、位相差値の範囲は、Reは0nm以上10nm以下程度であり、Rthは120nm以上400nm以下程度であり、又は、Reが40nm以上70nm以下程度であり、Rthが150nm以上300nm以下程度である。また、IPS用光学補償フィルムの場合、Reが60nm以上140nm以下程度であり、Rthが−400nm以上200nm以下程度である。さらに、本発明にあっては、TN用光学補償フィルムの場合、Reが120nm以上280nm以下程度であり、Rthは60nm以上140nm以下程度である。
2)光透過性基材
光透過性基材は、透明性を有するものであり、光学異方性層及びその他層を支持する機能を有するものである。また、必要に応じて、添加剤を含有する光透過性基材であっても好適に用いることができる。
本発明に用いられる光透過性基材の透明度は、好ましくは、可視光領域における透過率が80%以上であり、好ましくは90%以上である。透過率が上記範囲であることにより、例えば、本発明の位相差体を液晶表示装置の視野角補償フィルムとして用いた場合に、液晶表示装置の表示輝度が低下すること等を防止することができる。光透過性基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチックー透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
光透過性基材は、可撓性を有するフレキシブル材でも、可撓性のないリジッド材であってもよく、フレキシブル材を用いることが好ましい。フレキシブル材を用いることにより、本発明の位相差体の製造工程をRoll to Roll(基材を帯状の薄膜(ウェブの形態とし、巻芯上に巻き取ったRollの状態から巻き出して、加工し、その後再度巻芯上に巻き取る加工形態)プロセスとすることが可能になるため、生産性に優れた位相差体を得ることができる。
フレキシブル材を構成する材料としては、後述の各種セルロース誘導体、ノルボルネン系ポリマー、シクロオレフィン系ポリマー、アモルファスポリオレフィン等のポリオレフィン系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、変性アクリル系ポリマー等のアクリル系ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリオレフィン、変性アクリル系ポリマー、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル類などを例示することができ、セルロース誘導体またはシクロオレフィン系ポリマーが好ましい。セルロース誘導体は特に光学的等方性に優れ、シクロオレフィン系ポリマーは耐久性に優れるからである。
セルロース誘導体としては、セルロースエステルを用いることが好ましく、さらに、セルロースエステル類のなかでも、セルロースアシレート類を用いることが好ましい。セルロースアシレート類は工業的に広く生産され、入手が容易である。
セルロースアシレート類としては、炭素数2〜4の低級脂肪酸エステルが好ましい。このような低級脂肪酸エステルとしては、例えばセルロースアセテートのように、単一の低級脂肪酸エステルのみを含むものでもよく、また、例えばセルロースアセテートブチレートやセルロースアセテートプロピオネートのような複数の脂肪酸エステルを含むものであっても良い。
本発明においては、低級脂肪酸エステルのなかでもセルロースアセテートを特に好適に用いることができる。また、セルロースアセテートとしては、平均酢化度が57.5〜62.5%(置換度:2.6〜3.0)のトリアセチルセルロースを用いることが最も好ましい。ここで、酢化度とは、セルロース単位質量当りの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の測定および計算により求めることができる。なお、トリアセチルセルロースフィルムを構成するトリアセチルセルロースの酢化度は、フィルム中に含まれる可塑剤等の不純物を除去した後、上記の方法により求めることができる。
上記シクロオレフィン系ポリマーとしては、シクロオレフィンポリマー(COP)またはシクロオレフィンコポリマー(COC)を挙げることができ、シクロオレフィンポリマーが好ましい。シクロオレフィンポリマーは、水分の吸収性および透過性が低いため、位相差体の光学特性を経時的に安定させることが可能となる。シクロオレフィンポリマーの具体例としては、例えば、JSR株式会社製、商品名:ARTONや日本ゼオン株式会社製、商品名ゼオノア等を挙げることができる。
光透過性基材の厚みは、特に限定されないが、25μm以上1000μm以下程度の範囲内であり、好ましくは下限値が30μm以上であり上限値が100μm以下程度であることが好ましい。光透過性基材の厚みが上記の範囲内にあることにより、支持体としての性能を発揮することができると共に、裁断工程等において加工屑が少なく、又裁断刃の磨耗を防止することが可能となる。光透過性基材は、単一又は複数の層から構成されてよく、また、同一又はことなる組成のもので構成されてもよい。
(基材自体が延伸化されたものを下記に記載しました。)
延伸化
本発明の好ましい態様によれば、光透過性基材それ自体が延伸化されたものであっても用いることができる。延伸化された光透過性基材は、それ自体が配向能を有するものであり、その延伸方向に沿って液晶材料を配向させることが可能となる。従って、延伸化された光透過性基材は、上記した光透過性基材を延伸処理したものを使用することができる。
また、市販の延伸化光透過性基材を用いることも可能であり、また必要に応じて種々の材料の光透過性基材を延伸化処理することも可能である。具体的には、ポリカーボネート系高分子、ポリアリレートやポリエチレンテレフタレートの如きポリエステル系高分子、ポリイミド系高分子、ポリスルホン系高分子、ポリエーテルスルホン系高分子、ポリスチレン系高分子、ポリエチレンやポリプロピレンの如きポリオレフィン系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、酢酸セルロース系高分子、ポリ塩化ビニル系高分子、ポリメチルメタクリレート系高分子等の熱可塑性ポリマーなどからなるフィルムや、液晶ポリマーからなるフィルムなどを挙げることができる。本発明においては、中でもポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが、延伸倍率のレンジ幅が広い点、さらには入手のしやすさ等の観点から好ましく用いられる。
本発明に用いられる延伸フィルムの延伸率としては、配向能が発揮し得る程度の延伸率であれば特に限定されるものはない。したがって、2軸延伸フィルムであっても2軸間で延伸率が異なるものであれば用いることが可能である。
3)その他の層
本発明にあっては、光透過性基材及び光学異方性層以外に、配向層、表面処理層、遮蔽層、応力緩和層等の他の層を備えてなるものであってもよい。本発明にあっては、配向層について以下に説明する。
配向層
配向層は、光学異方性層に含有される液晶材料に対する配向規制力を備えたものである。本発明に用いられる配向膜としては、高分子フィルムの表面をラビング処理することにより配向規制力を発現させたラビング膜、または、光配向法により配向規制力を発現する光配向材料を含有する光配向膜が挙げられ、光配向膜を用いることが好ましい。光配向膜を用いることにより液晶材料の配列方向を調整することが容易となるため、任意方向の遅相軸を有する位相差体を得ることが容易になるからである。また、上記ラビング膜は、配向規制力を発現させるためのラビング処理で発生する塵に起因して、例えば、本発明の位相差体を液晶表示装置等に用いた場合に輝点欠陥が生じる可能性があるが、上記光配向膜は光を照射することにより非接触で配向規制力を発現することが可能であるためそのような問題が少ないからである。「光配向法」とは、任意の偏光状態を有する光(偏光)を配向層に照射することにより配向層の配向規制力(異方性)を発現させる方法である。
光配向材料は、偏光を照射することにより分子形状のみを変化させて配向規制力を可逆的に変化させる光異性化材料と、偏光を照射することにより分子そのものを変化させる光反応材料とに大別することができる。本発明においては光反応材料を用いることがより好ましい。光反応材料は、偏光が照射されることによって分子が反応して配向規制力を発現するものであるため、不可逆的に配向規制力を発現することが可能にとなり、配向規制力の経時安定性が優れる。
光反応材料は、偏光照射によって生じる反応の種類によってさらに分別することができる。具体的には、光二量化反応を生じることによって配向規制力を発現する光二量化型材料、光分解反応を生じることによって配向規制力を発現する光分解型材料、光結合反応を生じることによって配向規制力を発現する光結合型材料、および、光分解反応と光結合反応とを生じることによって配向規制力を発現する光分解−結合型材料等に分けることができる。本発明においては光二量化型材料を用いることがより好ましい。
光二量化型材料は、光二量化反応を生じることにより配向規制力を発現できる材料であれば特に限定されない。なかでも本発明においては光二量化反応を生じる光の波長が200nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。
光二量化型材料としては、例えば、シンナメート、クマリン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、ウラシル、キノリノン、マレインイミド、または、シンナミリデン酢酸誘導体を有するポリマーを挙げることができ、シンナメート、または、クマリンの少なくとも一方を有するポリマー、シンナメートおよびクマリンを有するポリマーが好ましく用いられる。このような光二量化型材料の具体例としては、例えば特開平9−118717号公報、特表10−506420号公報、および、特表2003−505561号公報に記載された化合物を挙げることができる。シンナメート、および、クマリンとしては、下記一般紙式Ia、Ibで表されるものが好適に用いられる。
Figure 0005376283
〔上記式中、
Aは、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、2,5−チオフェニレン、2,5−フラニレン、1,4−もしくは2,6−ナフチレンを表すか、非置換であるか、フッ素、塩素または炭素原子1〜18個の環式、直鎖状もしくは分岐鎖状アルキル残基(非置換であるか、フッ素、塩素によって一または多置換されており、1個以上の隣接しない−CH2−基が独立して基Cによって置換されていてもよい)によって一または多置換されているフェニレンを表し、
Bは、水素原子を表すか、第二の物質、たとえばポリマー、オリゴマー、モノマー、光活性ポリマー、光活性オリゴマーおよび/または光活性モノマーもしくは表面と反応または相互作用することができる基を表し、
Cは、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR1−、−NR1−CO−、−CO−NR1−、−NR1−CO−O−、−O−CO−NR1−、−NR1−CO−NR1−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−および−Si(CH32−O−Si(CH32−(R1は水素原子または低級アルキルを表す)から選択される基を表し、
Dは、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR1−、−NR1−CO−、−CO−NR1−、−NR1−CO−O−、−O−CO−NR1−、−NR1−CO−NR1−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−および−Si(CH32−O−Si(CH32−(R1は水素原子または低級アルキルを表す)から選択される基、芳香族基または脂環式基を表し、
1およびS2は、互いに独立して、単結合またはスペーサー単位、たとえば炭素原子1〜40個の直鎖状もしくは分岐鎖状アルキレン基(非置換であるか、フッ素、塩素によって一または多置換されており、1個以上の隣接しない−CH2−基が独立して基Dによって置換されていてもよいが、酸素原子が互いに直接的には結合していない)を表し、
Qは、酸素原子または−NR1−(R1は水素原子または低級アルキルを表す)を表し、
XおよびYは、互いに独立して、水素、フッ素、塩素、シアノ、炭素原子1〜12個のアルキル(場合によってはフッ素によって置換されており、場合によっては1個以上の隣接しない−CH2−基が−O−、−CO−O−、−O−CO−および/または−CH=CH−によって置換されている)を表す。〕
本発明においては、上記式で表されるシンナメート、および、クマリンのなかでも、特表2004−536185号公報に記載のものを用いることが好ましい。
光配向膜を用いる場合、光配向材料以外に他の材料が含まれていても良い。このような他の材料としては、通常、一つ以上の官能基を持つモノマー又はオリゴマーが用いられる。このようなモノマー又はオリゴマーとしては、例えば、アクリレート系の官能基を有する単官能モノマー(例えば、反応性エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン)及び多官能モノマー(例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリエチレン(ポリプロピレン)グリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ポリ(メタ)アクリレート(例えば、イソシアヌル酸EOジアクリレート等))や、ビスフェノールフルオレン誘導体(例えば、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ビスフェノールフルオレンジエポキシアクリレート)等を単体もしくは混合したものとして用いることができる。
モノマー又はオリゴマーは重合性液晶材料であることが好ましい。光学異方性層に重合性液晶材料が含まれる場合、重合性液晶材料は、光学異方性層に含まれる重合性液晶材料と同一種類のものを含むことが好ましい。モノマー又はオリゴマーは、本発明に用いられる位相差体を製造する方法として、光透過性基材上に配向層が積層された時点でロール巻きされる方法を用いる場合は、配向層が常温(20〜25℃)で固体になるものを用いることが好ましい。この場合、モノマー又はオリゴマーの種類としては、常温(20〜25℃)において固体であるものを用いることが好ましい。これにより、光透過性基材上に配向層が積層された時点でロール巻きされる場合でも、光透過性基材の裏面に配向層が貼り付くことに起因するブロッキングが生じることを防止できる。
モノマー又はオリゴマーの含有量は、配向層と光学異方性層とを所望の強度で密着できる範囲内であれば特に限定されるものではない。光反応材料の質量に対して0.01倍〜3倍の範囲内が好ましく、特に0.05倍〜1.5倍の範囲内であることが好ましい。含有量が上記範囲内にあることにより、配向層と、光学異方性層とを所望の強度で密着することが可能となり、かつ、配向層の配向規制力を十分に発揮することが可能となる。配向層の厚みは、0.01μm以上0.5μm以下程度の範囲内、好ましくは下限値が0.02μm以上であり上限値が0.2μm以下程度が好ましい。
配向層形成用組成物として、溶媒を使用することができる。溶剤は、光配向材料およびモノマー又はオリゴマーを所望の濃度に溶解できるものであれば特に限定されるものではない。例えば、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、およびジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、シクロヘキサン等のアノン系溶媒、メタノール、エタノール、およびプロパノール等のアルコール系溶媒を例示することができるが、これらに限られるものではない。また、本発明に用いられる溶媒は、1種類でもよく、2種類以上の溶媒の混合溶媒でもよい。
II.位相差体の製造方法
本発明の位相差体の製造方法は、光透過性基材に、光学異方性層と、その他の層を形成させることを含んでなるものである。本発明による製造方法の概要を以下に説明する。
(1)材料の準備工程
光透過性基材、光学異方性層及びその他の層形成用組成物を用意する。
(2)光学異方性層と、その他の層形成工程
光学異方性層形成組成物の塗膜を形成した後、当該塗膜に含まれる液晶材料を配列させることにより光学異方性層を形成する。本工程において液晶材料を配列させる方法としては、通常、上記塗膜を液晶材料の液晶層形成温度以上に加温する方法が用いられる。また、光学異方性層を形成する前に、配向層を形成することができる。本発明にあっては、配向層は、配向膜用組成物の吸収波長をカットしながら、モノマーもしくはオリゴマーを硬化させ、その後、任意の偏光状態を持つ紫外線を照射して配向規制力を発現させることにより配向層とすることができる。
光透過性基材の上に、光学異方性層、又はその他の層形成用組成物を塗工する方法の具体例としては、グラビアコート法、リバースコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、ロールコート法、プリント法、カーテンコート法、ダイコート法、キャスティング法、バーコート法、エクストルージョンコート法、E型塗布方法などを例示することができる。
乾燥方法は、加熱乾燥方法、減圧乾燥方法、ギャップ乾燥方法等、一般的に用いられる乾燥方法を用いることができる。また、本発明における乾燥方法は、単一の方法に限られず、例えば残留する溶媒量に応じて順次乾燥方式を変化させる等の態様により、複数の乾燥方式を採用してもよい。
(3)延伸化処理
本発明においては、光学異方性層及びその他の層を形成した後に、光透過性基材を延伸化してもよい。本発明にあっては、延伸化した光透過性基材を用いる以外に、偏光体を構成した後に、延伸化することが可能であり、より好ましい。各層が形成された光透過性基材を延伸することから、延伸条件のバラツキによる屈折率異方性の発現の程度のバラツキを少なくして、屈折率異方性を安定化させやすいという利点を有する。
本発明においては、上記乾燥工程の後に、上記高分子フィルムを延伸する延伸工程を有し、さらに当該延伸工程の後に、前記高分子フィルム内に浸透した上記屈折率異方性材料を固定化する固定化工程を有しても良い。このように上記屈折率異方性材料を固定化する前に延伸する場合には、延伸工程において位相差フィルムのリタデーション値の変化を大きくすることが可能である。
また、本発明においては、上記高分子フィルムを延伸する延伸工程の後に、前記位相差強化領域形成用塗工液を塗布する塗布工程を有しても良い。このような場合にも、面内方向及び厚み方向の両方のリタデーション値を強化することが可能であり、延伸後に屈折率異方性材料を塗布、浸透させることにより、塗布後に延伸したものよりも、後に行われる高温高湿試験において延伸戻りが少なくなるというメリットを有する。
III.位相差体の物性及び用途
位相差体は、薄膜(フィルム)、板、シート等の形態として形成することができる。位相差体の厚さは、30μm以上200μm以下程度の範囲内、好ましくは下限値が30μm以上であり上限値が100μm以下程度が好ましい。
位相差体のReの波長分散は、波長が短くなるほどRe値が小さくなる逆分散型であっても良く、波長が短くなるほどRe値が大きくなる正分散型であっても良く、または、Re値に波長依存性を有さないフラット型であっても良い。
本発明による位相差体は、例えば、液晶表示装置に用いられる光学補償フィルム(例えば、視野角補償フィルム)、楕円偏光板、輝度向上板等を挙げることができる。なかでも本発明の位相差体は、液晶表示装置の視野角依存性改善のための光学補償フィルムとして好適に用いることができる。
実施例
本発明の内容を下記の例により詳細に説明するが、本発明の内容は下記例により限定して解釈されるものではない。
反応性無機微粒子の調製
反応性無機微粒子1
(1)表面吸着イオン除去
粒子径90nmの水分散コロイダルシリカ(スノーテックスZL、商品名、日産化学工業(株)製、pH9〜10)を陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンSK1B、三菱化学(株)製)400gを用いて3時間イオン交換を行い、次いで、陰イオン交換樹脂(ダイヤイ
オンSA20A、三菱化学(株)製)200gを用いて3時間イオン交換を行った後、洗浄し固形分濃度20重量%の無機微粒子の水分散体を得た。この時、無機微粒子の水分散体のNaO含有量は、無機微粒子当たり各7ppmであった。
(2)表面処理(単官能モノマーの導入)
上記(1)の処理を行った無機微粒子の水分散液10gに150mlのイソプロパノール、4.0gの3,6,9−トリオキサデカン酸、及び4.0gのメタクリル酸を加え、30分間撹拌し混合した。得られた混合液を、60℃で5時間加熱しながら撹拌する事で、無機微粒子表面にメタクリロイル基が導入された無機微粒子分散液を得た。得られた無機微粒子分散液を、ロータリーエバポレーターを用いて蒸留水、及びイソプロパノールを留去させ、乾固させないようにメチルエチルケトンを加えながら、最終的に残留する水やイソプロパノールを0.1重量%とし、固形分50重量%のシリカ分散メチルエチルケトン溶液を得た。このようにして得られた反応性無機微粒子1は、日機装(株)社製Microtrac粒度分析計により測定した結果、d50=93nmの平均粒子径を有していた。また、無機微粒子表面を被覆する有機成分量は、熱重量分析法により測定した結果4.05×10−3g/mであった。
反応性無機微粒子2
メタクリル酸をジペンタエリスリトールペンタアクリレート(SR399、商品名、サートマー(株)製)に変更した以外は、反応性無機微粒子1の調製と同様の手法で表面処理を行った。このようにして得られた反応性無機微粒子2は、上記粒度分析計により測定した結果、d50=93nmの平均粒子径を有していた。また、無機微粒子表面を被覆する有機成分量は熱重量分析法により測定した結果3.84×10−3g/mであった。
反応性無機微粒子3
乾燥空気中、メルカプトプロピルトリメトキシシラン7.8部、ジブチルスズジラウレート0.2部からなる溶液に対し、イソフォロンジイソシアネート20.6部を撹拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間撹拌した。これにペンタエリスリトールトリアクリレート71.4部を30℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間加熱撹拌することで化合物を得た。次に、窒素気流下、メタノールシリカゾル(触媒化成(株)製、商品名、OSCALシリーズ、メタノール分散液、数平均粒子径45nm)88.5部(固形分26.6部)、上記で合成した化合物8.5部、p−メトキシフェノール0.01部の混合液を、60℃、4時間撹拌した。続いて、この混合溶液に化合物(2)としてメチルトリメトキシシラン3部を添加し、60℃、1時間撹拌した後、オルト蟻酸メチルエステル9部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱撹拌することで架橋性無機微粒子を得た。このようにして得られた反応性無機微粒子3は、上記粒度分析計により測定した結果、d50=49nmの平均粒子径を有していた。また、表面を被覆する有機成分量は熱重量分析法により測定した結果7.08×10−3g/mであった。
反応性無機微粒子4
(1)表面吸着イオン除去
粒子径20nmの水分散コロイダルシリカを反応性無機微粒子1と同様の製法により精製したところ、d50=23nmの平均粒子径を有していた。また、無機微粒子表面を被覆する有機成分量は、熱重量分析法により測定した結果4.00×10−3g/mであった。
反応性無機微粒子5
(1)表面吸着イオン除去
粒子径300nmの水分散コロイダルシリカを反応性無機微粒子1と同様の製法により精製したところ、d50=350nmの平均粒子径を有していた。また、無機微粒子表面を被覆する有機成分量は、熱重量分析法により測定した結果5.00×10−3g/mであった。
位相差体の製造
例1
光重合性ネマチック液晶をシクロヘキサノンに20重量%溶解した溶液にラジカル重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名:イルガキュア184)を固形分に対して4重量%添加したのち、反応性無機微粒子1を液晶固形分に対して0.5重量%添加させた光学異方性層形成用組成物を調製した。この光学異方性層形成用組成物をTACフィルム(富士フィルム株式会社製、商品名:TF80UL)から成る光透過性基材の表面に、バーコーティングにより乾燥後の塗工量が2.5g/mとなるように塗布し、50℃で4分加熱して溶剤を除去した後、塗布面に紫外線を100mJ/cm照射することにより、上記光重合性液晶を固定した位相差フィルムを作製した。
例2
反応性無機微粒子1の代わりに反応性無機微粒子2を0.5重量%添加した以外は、例1と同様にして位相差フィルムを得た。
例3
反応性無機微粒子1の代わりに反応性無機微粒子3を0.5重量%添加した以外は、例1と同様にして位相差フィルムを得た。
例4
例1で作製した位相差フィルムを、延伸実験装置により延伸倍率が1.2倍となるように160℃で加熱しながら面内方向に一軸延伸して位相差フィルムを作製した。
例5
ホメオトロピック配向を示す光重合性液晶をトルエンに20重量%溶解した溶液にラジカル重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名:イルガキュア184)を固形分に対して4重量%添加したのち、反応性無機微粒子1を液晶固形分に対して0.3重量%添加させた光学異方性層形成用組成物を調製した。そして、この光学異方性層形成用組成物をTACフィルム(富士フィルム株式会社製、商品名:TF80UL)から成る光透過性基材の表面に、バーコーティングにより乾燥後の塗工量が1.5g/mとなるように塗布し、50℃で4分加熱して溶剤を除去した後、塗布面に紫外線を100mJ/cm照射することにより、上記光重合性液晶を固定した位相差フィルムを作製した。
比較例1
反応性無機微粒子1を添加せずに光学異方性層形成用組成物を用いた以外は、例1と同様にして位相差フィルムを作製した。
比較例2
比較例1の位相差フィルムを用いて実施例4と同様の延伸を行った。
比較例3
比較例2の位相差フィルムを用いて実施例5と同様の塗工を行った。
比較例4
反応性無機微粒子4を固形分に対し0.5重量%添加した以外は、例1と同様にして位相差フィルムを得た。
比較例5
反応性無機微粒子1を固形分に対し1.0重量%添加した以外は、例1と同様にして位相差フィルムを得た。
比較例6
反応性無機微粒子5を固形分に対し0.5重量%添加した以外は、例1と同様にして位相差フィルムを得た。
評価試験
例と比較例の位相差フィルムについて以下の評価試験を行い、その結果を下記表1に記載した。
評価1:貼り合わせ評価試験
位相差フィルムの凹凸形状が存在する面と、その反対側の光透過性基材の面とをφ1.5cmの円形の金属の間で貼り合せ、3kg/cmの加重をかけた状態で5日間(120hr)室温放置した後、引き剥がして、その状態を下記評価基準にて評価した。この試験条件は、比重が0.8〜1.2程度であり、膜厚が40〜100μm程度である光透過性基材が、4000M巻のロールの中心部に存在する場合に受ける荷重と同等の数値である。
評価基準
評価◎:光透過性基材の面に、凹凸形状の跡が全く確認されなかった。
評価○:光透過性基材の面に、凹凸形状の跡が3分の1未満の面積で確認された。
評価△:光透過性基材の面に、凹凸形状の跡が3分の1以上3分の2未満の面積で確認された。
評価×:光透過性基材の面に、凹凸形状の跡が全面に確認された。
評価2,3:Re,Rth測定
位相差フィルムについて、自動複屈折測定装置(王子計測機器株式会社製、商品名:KOBRA−21ADH)を用いてNx、Ny、Nzを測定し、それぞれのRe及びRthの値を下記式に導入して得た。
(1) Re =(Nx−Ny)×d
(2) Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×d
評価4:黒輝度測定評価
黒輝度測定は、予め受光部側にクロスニコルとなるように偏光板(日東電工(株)製、商品名:G1220DUN)を設置した可視光分光器(日本分光(株)製、商品名:JASCO V−7100)をもちい(このときのY値は0.005となるようにする)、位相差体を偏光板と投光器との間で光学積層体を面内の法線方向が入射方向と一致するように設置したときのY値を示す。
評価5:凹凸構造の高さ
凹凸高さは原子間力顕微鏡(Veeco社製、商品名:AFM NanoscopeV Multimode)にて以下の条件で測定し、光学積層体表面を評価したときの高さ方向の最大値と最小値の差を表す。
AFM測定条件
測定方法:タッピングモード
走査範囲:1μm,5μm
スキャンレート:1.1Hz
ピクセル数:512×512
Figure 0005376283

Claims (9)

  1. 光透過性基材と、光学異方性層とを備えてなる、位相差体であって、
    前記光学異方性層が、ブッロキング防止剤としての反応性無機微粒子を含む光学異方性層形成用組成物を用いて形成され、
    前記反応性無機微粒子が、無機微粒子と、前記無機微粒子の表面に存在し、かつ光硬化性官能基および熱硬化性官能基からなる群から選択された少なくともいずれかの反応性官能基とを有し、
    前記光学異方性層の表面が凹凸形状を有して成るものであり、
    前記凹凸形状の凹凸の平均間隔をSmとし、凹凸の平均傾斜角をθaとし、凹凸の平均粗さをRaとした場合に、
    Smが0.01μm以上5μm以下であり、
    θaが0.1度以上1.2度以下であり、
    Raが3nm以上500nm以下である、位相差体。
  2. 前記光学異方性層の面内の、遅相軸方向xの屈折率をNx、進相軸方向yの屈折率をNy、厚み方向zの屈折率をNzとした場合に、下記一般式(I):
    Nx>Ny≧Nz (I)
    を充足する、請求項1に記載の位相差体。
  3. 前記光学異方性層の面内の、遅相軸方向xの屈折率をNx、進相軸方向yの屈折率をNy、厚み方向zの屈折率をNzとした場合に、下記一般式(II):
    Nx≦Ny<Nz (II)
    を充足する、請求項1に記載の位相差体。
  4. 前記光学異方性層の面内の、遅相軸方向xの屈折率をNx、進相軸方向yの屈折率をNy、厚み方向zの屈折率をNzとした場合に、下記一般式(III):
    Nx≒Ny>Nz (III)
    を充足する、請求項1に記載の位相差体。
  5. 前記凹凸形状における凸構造の高さが60nm以上200nm以下である、請求項1〜4の何れか一項に記載の位相差体。
  6. 前記光学異方性層が付与された前記光透過性基材が延伸されてなる、請求項1〜5の何れか一項に記載の位相差体。
  7. 偏光板の表面に使用される、請求項1〜6の何れか一項に記載の位相差体。
  8. 光透過性基材と、光学異方性層とを備えてなる位相差体の製造方法であって、
    前記光透過性基材と、ブッロキング防止剤としての反応性無機微粒子を含んでなる光学異方性層形成用組成物とを用意し、
    前記光透過性基材に、前記光学異方性層形成用組成物を付与し、凹凸形状の表面を有した光学異方性層を形成することを含み、
    前記反応性無機微粒子が、無機微粒子と、前記無機微粒子の表面に存在し、かつ光硬化性官能基および熱硬化性官能基からなる群から選択された少なくともいずれかの反応性官能基とを有し、
    前記凹凸形状の凹凸の平均間隔をSmとし、凹凸の平均傾斜角をθaとし、凹凸の平均粗さをRaとした場合に、
    Smが0.01μm以上5μm以下であり、
    θaが0.1度以上1.2度以下であり、
    Raが3nm以上500nm以下である、製造方法。
  9. 前記光学異方性層が付与された前記光透過性基材を延伸してなることをさらに含んでなる、請求項8に記載の製造方法。
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