JP2007148398A - 光学フィルム、反射防止フィルム、偏光板、および画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明支持体上に少なくとも一種の粒径が5μm〜20μmの樹脂粒子とバインダーマトリックスを含有する光拡散層を有し、該樹脂粒子の圧縮強度が2〜10kgf/mm2
である光学フィルム、反射防止フィルム、偏光板、及び画像表示装置。
【選択図】なし
Description
反射防止フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような様々な画像表示装置において、外光の反射や像の映り込みによるコントラスト低下を防止するために、ディスプレイの表面に配置される。反射防止フィルムに反射防止能を付与するための一手段として光拡散層が設置される。この層は通常粒子を含有し、粒子は表面に凹凸を付与すること、または粒子表面で反射光を散乱することなどによって、画像の映り込みを減らす。
高硬度性膜として、高架橋コア部に反応性の外層を有する高屈折率層膜(特許文献1)、架橋剤含有によって体積膨潤率をある値以下に規定した樹脂粒子を含有する膜(特許文献2)、無機微粒子を含有してハードコート層の厚みをある範囲に規定した膜(特許文献3)等が知られているが、膜の高硬度性を向上させるためには、さらに適切な素材が求められていた。
ことを特徴とする光学フィルム。
(2)樹脂粒子を、分散溶媒に浸漬させた後の膨潤率が20体積%以下であることを特徴とする前記1に記載の光学フィルム。
(3)該光拡散層の厚みが10μm〜20μmであることを特徴とする前記1または
2に記載の光学フィルム。
(4)樹脂粒子が2官能以上のモノマーで架橋されており、架橋性モノマーの含有率が樹脂粒子を形成するための全モノマーに対して15質量%以上であることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の光学フィルム。
(5)樹脂粒子と該バインダーマトリックスの屈折率の差が0〜0.10であることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の光学フィルム。
(6)樹脂粒子が(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを重合してなる樹脂粒子であることを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載の光学フィルム。
(7)該光拡散層がバインダーとして1分子中に2基以上のエポキシ基を有するエポキシ系樹脂を全バインダーに対して20〜100質量%含有してなることを特徴とする前記1〜6のいずれかに記載の光学フィルム。
(8)前記1〜7のいずれかに記載の光学フィルムが反射防止フィルムであることを特徴とする反射防止フィルム。
(9)前記8に記載の反射防止フィルムが偏光膜の2枚の保護フィルムの少なくとも一方に用いられていることを特徴とする偏光板。
(10)前記1〜7のいずれかに記載の光学フィルム、前記8に記載の反射防止フィルム、または前記9に記載の偏光板が画像表示面に配置されていることを特徴とする画像表示装置。
本発明の光学フィルムは、透明支持体上に少なくとも一種の粒径が5μm〜20μmの樹脂粒子とバインダーマトリックスを含有する光拡散層を有し、該樹脂粒子の圧縮強度が2〜10kgf/mm2であることを特徴とする。
本発明に係る光拡散層は光学性能に影響を与える層に樹脂粒子を含む場合を凡て含む。例えば、高屈折率層、中屈折率層、低屈折率層、防眩層、防眩性反射防止層、中間層、ハードコート層等に樹脂粒子を含む場合に該当する。
光拡散層は、例えば主バインダー(モノマー類及び/又はポリマー類が熱及び/又は電離放射線等で硬化して形成される透光性ポリマー)、透光性粒子、膜強度を強くするための添加剤、および必要によっては屈折率調節等のための無機微粒子フィラー、防眩性や塗布液物性を制御するための高分子化合物等から形成される。
光拡散層の厚さは、通常3μm〜30μm程度で、好ましくは10μm〜20μm、さらに12μm〜17μmがより好ましい。厚さが上記範囲であると、カール、ヘイズ値、高コスト等の欠点が小さく、しかも防眩性や光拡散効果等の調整も容易である。
光拡散層を形成する主たるマトリックス形成用バインダー(以下、単にバインダーともいう)は、特に限定されないが、熱及び/又は電離放射線等でモノマー類及び/又はポリマー類が硬化して形成される透光性ポリマーであり、熱及び/又は電離放射線等による硬化後に飽和炭化水素鎖、又はポリエーテル鎖を主鎖として有する透光性ポリマーであることが好ましい。また、硬化後の主バインダーポリマーは架橋構造を有することが好ましい。
飽和炭化水素鎖を主鎖として有し、且つ架橋構造を有するバインダーポリマーとしては、2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの(共)重合体が好ましい。
高屈折率にするには、このモノマーの構造中に芳香族環や、フッ素以外のハロゲン原子、硫黄原子、リン原子、及び窒素原子から選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
硬化膜の硬化収縮低減のためには、以下で述べるエポキシ系化合物を用いることが好ましい。これらのエポキシ基を有するモノマー類としては、1分子中にエポキシ基を2基以
上有するモノマーが好ましく、これらの例としては特開2004−264563号、同2004−264564号、同2005−37737号、同2005−37738号、同2005−140862号、同2005−140862号、同2005−140863号、同2002−322430号等に記載されているエポキシ系モノマー類が挙げられる。
エポキシ基を有するモノマー類は層を構成する全バインダーに対して20〜100質量%含有することが硬化収縮低減のために好ましく、35〜100質量%含有することがより好ましく、50〜100質量%含有することがさらに好ましい。
上記の第一群の化合物及び第二群の化合物と以下で述べる高分子化合物を併用することも好ましい。
本発明に係る光学機能層(高屈折率層、中屈折率層、低屈折率層、防眩層、防眩性反射防止層、中間層、ハードコート層等)は、高分子化合物を含有してもよい。高分子化合物は塗布組成物に添加する時点で既に重合体を形成しており、主として樹脂粒子の分散安定性(凝集性)に関わる塗布組成物の粘度調整や、乾燥過程での固化物の極性を制御して樹脂粒子の凝集挙動を変えたり、乾燥過程での乾燥ムラを減じたりする目的で含有される。
また、高分子化合物の分子量は質量平均で0.3万〜40万が好ましく、0.5万〜30万がより好ましく、0.5万〜20万がさらに好ましい。分子量がこの範囲であると、塗布組成物の粘度増加効果が十分発現し、溶解時間が短時間であり、しかも不溶解物も少ない。
圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
紫外線による硬化は、窒素パージ等で酸素濃度が4体積%以下、更に好ましくは2体積%以下、最も好ましくは0.5体積%以下で硬化することが好ましい。
光拡散層には、平均粒径が5μm〜20μm、好ましくは6μm〜15μm、さらに好ましくは7μm〜12μmの樹脂粒子が含有される。これは、膜硬度を高めることやディスプレイ表面で反射する外光を散らして弱めたり、液晶表示装置の視野角(特に下方向視野角)を拡大し、観察方向の視角が変化してもコントラスト低下、黒白反転または色相変化を起こりにくくする目的等で用いられる。平均粒径が上記範囲であれば、防眩効果が発現し、しかもザラツキ感が起こらない。
S10強度(kgf/mm2)=2.8×荷重(kgf)/{(π×粒子径(mm)×粒子径(mm))
圧縮強度の測定は、上記のパラメーターが求められる測定方法であれば特に限定されない。例えば、島津製作所製微小圧縮試験機MCT―W201等を用いて樹脂粒子単体の一定の負荷速度で圧縮試験を行うことで圧縮強度は求められる。
膨潤率(体積%)={(r2/r1)3−1}×100
膨潤率は20体積%以下が好ましく、15体積%以下がより好ましく、10体積%以下がさらに好ましい。
樹脂粒子の塗布量は、形成された光学機能中の粒子量において好ましくは10mg/m2〜10000mg/m2、より好ましくは50mg/m2〜4000mg/m2、最も好ましくは100mg/m2〜1500mg/m2となるように含有層に含有される。
樹脂粒子の粒径と含有する層の膜厚との関係は、樹脂粒子の平均粒径が含有する層の膜厚の20%〜110%であることが好ましく、30%〜100%がより好ましく、35%〜80%が最も好ましい。平均粒径がこの範囲であると画面の黒しまりに優れ、かつ防眩性にも優れる。
粒子の粒度分布はコールターカウンター法により測定し、測定された分布を粒子数分布に換算する。平均粒径は得られた粒子分布から算出する。
また本発明に係る樹脂粒子のゲル分率は膜硬度向上のために80質量%〜99質量%が好ましい。ゲル分率は、以下の方法で求められる。
粒子粉体の一定量をメチルエチルケトン中で一定時間加温・攪拌した後、ろ過法で粒子を分離し、ろ過後液を、乾涸して残渣質量を求め、この値から元の質量に対してメチルエチルケトン中へ溶出せずに残った分の固形分の比率を算出する。
ジビニルフラン等の酸素含有モノマー、
ジビニルスルフィド、ジビニルスルフォン等の硫黄含有モノマー、
ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン等の脂肪族モノマー、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、イソシアヌル酸トリアリル、トリアリルアミン、テトラアリロキシエタン、並びにヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ソルビトールなどの多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのエステル化合物などが例示できる。これらは、1種を単独で使用する他、2種以上を併用してもよい。
これらの中で、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等が好ましい。
例えば、乳化重合、懸濁重合では水媒体中でモノマーを微細化して重合する方法が一例として挙げられる。分散安定の界面活性剤として、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ドデシル硫酸塩、ラウリル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノステアレート等のノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。さらに分散安定剤として、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体の加水分解物、アルギン酸ナトリウム、水溶性セルロース誘導体等のポリマーやオリゴマー類を挙げることもできる。また、無機塩類および/または分散安定剤の存在下で、水を分散媒体として油溶性重合開始剤により開始された付加重合反応で行う方法では、水溶性塩類として例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等を用いこともできる。重合開始剤としてはアゾビス化合物(アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス[シクロヘキサン-1-カルボニトリル]等)、過酸化物類(過酸化ベンゾイル、過酸化-t-ブチル等)などが挙げられる。
さらに、あらかじめ微小重合体を作っておき、これにモノマーを含浸させて粒子を太らせるような、所謂多段重合法も好ましい。
しくは0.01%以下である。このような粒子径分布を持つ粒子は通常の合成反応後に、分級によって得られ、分級の回数を上げることやその程度を強くすることにより、より好ましい分布の粒子を得ることができる。
また逆に、高屈折率の樹脂粒子を用いた光学機能層では、粒子との屈折率差を大きくするためにバインダーの屈折率を低くすることも好ましい。このためにシリカ微粒子、中空シリカ微粒子等を用いることができる。好ましい粒径は前記の高屈折率化微細無機フィラーと同じである。
光学機能層に用いられる微細無機フィラーの具体例としては、TiO2、ZrO2、Al2O3、In2O3、ZnO、SnO2、Sb2O3、ITOとSiO2等が挙げられる。TiO2およびZrO2が高屈折率化の点で特に好ましい。該無機フィラーは表面をシランカップリング処理又はチタンカップリング処理されることも好ましく、フィラー表
面にバインダー種と反応できる官能基を有する表面処理剤が好ましく用いられる。
これらの微細無機フィラーの添加量は、含有する層の全質量の10〜90%であることが好ましく、より好ましくは20〜80%であり、特に好ましくは30〜75%である。
なお、微細無機フィラーは、粒径が光の波長よりも十分短いために散乱が生じず、バインダーポリマーに該フィラーが分散した分散体は光学的に均一な物質の性質を有する。
低屈折率層は、含フッ素化合物を含有する。特に、含フッ素化合物を主体とする低屈折率層を構築することが好ましい。含フッ素化合物を主体とする低屈折率層は、通常反射防止フィルムの最外層として位置し、防汚層としての機能も有する。ここで、「含フッ素化合物を主体とする」とは、低屈折率層の中に含まれる構成成分のうち、含フッ素化合物の質量比が最も大きいことを意味し、含フッ素化合物の含有率が低屈折率層の全質量に対し50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上含まれることがより好ましい。
低屈折率層に含まれる含フッ素化合物の屈折率は1.35〜1.50であることが好ましい。より好ましくは1.36〜1.47、さらに好ましくは1.38〜1.45である。
含フッ素化合物には、含フッ素ポリマー、含フッ素シラン化合物、含フッ素界面活性剤、含フッ素エーテルなどが挙げられる。
含フッ素ポリマーとしては、フッ素原子を含むエチレン性不飽和モノマーの架橋又は重合反応により合成されたものが挙げられる。フッ素原子を含むエチレン性不飽和モノマーの例には、フルオロオレフィン(例、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、フッ素化ビニルエーテルおよびフッ素置換アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステルが含まれる。
上記共重合体は、フッ素原子を含むエチレン性不飽和モノマーとフッ素原子を含まないエチレン性不飽和モノマーの重合反応により得ることができる。
フッ素原子を含まないエチレン性不飽和モノマーとしては、オレフィン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレンおよびその誘導体、ビニルエーテル、ビニルエステル、アクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミドおよびアクリロニトリルが挙げられる。
共重合体のフッ素含率が20〜60質量%となるように含フッ素ビニルモノマーを導入することが好ましく、より好ましくは25〜55質量%であり、特に好ましくは30〜50質量%である。
側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する繰返し単位は、上記共重合体中に5〜90質量%を占めることが好ましく、30〜70質量%を占めることがより好ましく、40〜60質量%を占めることが特に好ましい。
併用可能なビニルモノマー単位には特に限定はなく、例えばオレフィン類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、スチレン誘導体、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、不飽和カルボン酸類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アクリロニトリル誘導体等を挙げることができる。
一般式(1)
好ましい例としては、*−(CH2)2−O−**、*−(CH2)2−NH−**、*−(CH2)4−O−**、*−(CH2)6−O−**、*−(CH2)2−O−(CH2)2−O−**、−CONH−(CH2)3−O−**、*−CH2CH(OH)CH2−O−**、*−CH2CH2OCONH(CH2)3−O−**(*はポリマー主鎖側の連結部位を表し、**は
(メタ)アクリロイル基側の連結部位を表す。)等が挙げられる。mは0または1を表わす。
一般式(2)
nは2≦n≦10の整数を表わし、2≦n≦6であることが好ましく、2≦n≦4であることが特に好ましい。
Bは任意のビニルモノマーから導かれる繰返し単位を表わし、単一組成であっても複数組成によって構成されていてもよい。例としては、前記一般式(1)におけるAの例として説明したものが当てはまる。
z1およびz2はそれぞれの繰返し単位のモル%を表わし、0≦z1≦65、0≦z2≦65を満たす値を表わす。それぞれ0≦z1≦30、0≦z2≦10であることが好ましく、0≦z1≦10、0≦z2≦5であることが特に好ましい。一般式(2)で表される共重合体としては、40≦x≦60、30≦y≦60、z2=0を満たすものが特に好ましい。
以下に、低屈折率層に用いる好ましい充填剤、滑り剤等について記載する。
充填剤(例えば、無機微粒子や有機微粒子等)は、低屈折率層の物理強度(耐擦傷性など)を改良する点で、添加することが好ましい。低屈折率層に添加する充填剤としては無機微粒子が好ましく、中でも屈折率が低い二酸化珪素(シリカ)、中空のシリカ、細孔を有するシリカ、含フッ素粒子(フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム)などが好ましい。特に好ましいのは二酸化珪素(シリカ)、中空シリカである。これらは化学的表面処理がなされていてもよい。
充填剤の添加量は、物理強度、白濁の回避等の観点から、低屈折率層の全質量に対し5質量%〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは10質量%〜50質量%、特
に好ましくは20質量%〜40質量%である。
充填剤の平均粒径は、低屈折率層の膜厚に対し20%〜100%が好ましく、より好ましくは30%〜80%、特に好ましくは30%〜50%である。
充填剤は、2種類以上を併用してもよい。
中空の二酸化珪素微粒子は粒子内の空洞の半径をa、粒子外殻の半径をbとすると、空隙率xが下記数式(1)で表される。
ることが最も好ましい。
滑り剤は、低屈折率層の物理強度(耐擦傷性など)、防汚性を改良する点で添加することが好ましい。
滑り剤としては、含フッ素エーテル化合物(パーフルオロポリエーテル、及び、その誘導体など)、ポリシロキサン化合物(ジメチルポリシロキサン、及び、その誘導体など)などが挙げられる。ポリシロキサン化合物が好ましい。
ジメチルシリルオキシ単位を繰り返し単位として含む化合物中にはジメチルシリルオキシ単位以外の構造単位(置換基)を含んでもよい。置換基は同一であっても異なっていても良く、複数個あることが好ましい。
越化学工業(株)製)、AK-5、AK-30、AK-32(東亜合成化学(株)製)、サイラプレーンFM-0275、FM-0721、FM-0725、FM-7725、DMS-U22、RMS-033、RMS-083、UMS-182(チッソ(株)製)等が挙げられる。また、市販のポリシロキサン化合物が含有する水酸基、アミノ基、メルカプト基等に架橋、又は重合性官能基を導入することで作製することもできる。
公報の[0041]〜[0045]に記載されたものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
低屈折率層は、上記含フッ素化合物、さらに必要に応じて、上記充填剤、上記ポリシロキサン化合物及びその誘導体の少なくともいずれかを溶媒に溶解、又は、分散した塗料を塗布することにより作製することが好ましい。
好ましい溶媒としては、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、水などを挙げることができる。
特に好ましい溶媒としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、エステル類であり、最も好ましい溶媒としては、ケトン類である。ケトン類の中でも、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが特に好ましい。溶媒には、ケトン系溶媒の含有量が塗料に含まれる全溶媒の10質量%以上であることが好ましい。好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。
2種類以上の溶剤を併用することもできる。
ラジカル重合開始剤としては熱の作用によりラジカルを発生するもの、あるいは光の作用によりラジカルを発生するものが好ましい。これらの重合開始剤は前記光学機能層の項で述べたものを用いることができ、前記光学機能層と同様に塗布後に熱硬化または光ラジカル硬化することが好ましい。また、カチオンで架橋又は重合する官能基を有していれば、カチオン重合開始剤、特に光カチオン重合開始剤を用いて架橋又は重合反応させることが好ましい。
また、低屈折率層の表面の水に対する接触角は後述する鹸化処理の前後で変わらないことが望ましく、鹸化処理の前後で変化量が10°以内であることが好ましく、特に好ましくは5°以内である。
低屈折率層には、後述の一般式(a)で表されるオルガノシラン化合物、及び、その誘導体(加水分解物、および該加水分解物が縮合して生成した架橋ケイ素化合物など)からなる群から選ばれた化合物を含有することも好ましい。
本発明の光学フィルムは表面に塵埃(埃など)が付着するのを防止するために、導電材として酸化錫、アンチモンをドープした酸化錫(ATO)、酸化インジウム、スズをドープした酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛、アルミニウムをドープした酸化亜鉛等を用いた帯電防止層を用いることも好ましい。防塵性は、表面の表面抵抗値を下げることで発現される。表面抵抗値は、1×1013Ω/□以下であることが好ましく、1×1012Ω/□以下であることがより好ましく、1×1010Ω/□以下であることが更に好ましい。
帯電防止層は、防眩層と低屈折率層の間、または透明支持体と防眩層の間に設けることが好ましい。
本発明の光学フィルムには、物理強度を付与するために透明支持体と最外層の間にハードコート層を設けることも好ましい。
ハードコート層は、電離放射線硬化性化合物の架橋又は重合反応により形成されることが好ましい。例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーを含む塗料を透明支持体上に塗布し、架橋又は重合反応させることにより形成することができる。
透明支持体としては、プラスチックフィルムであることが好ましい。プラスチックフィルムとしてはセルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレートおよびポリエーテルケトンが含まれる。トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートが好ましく、またレターデーション低下化合物を含有することによって、下記式(I)および(II)で定義されるRe(λ)およびRth(λ)が、下記式(III)かつ(IV)をみたすことを特徴とするようなセルロースアシレートフィルムを用いてもよい。
(I)Re(λ)=(nx−ny)×d
(II)Rth(λ)={(nx+ny)/2−nz}×d
(III)0≦Re(630)≦10かつ|Rth(630)|≦25
(IV)|Re(400)−Re(700)|≦10かつ|Rth(400)−Rth(700)|≦35
[式中、Re(λ)は波長λnmにおける正面レターデーション値(単位:nm)、Rth(λ)は波長λnmにおける膜厚方向のレターデーション値(単位:nm)である。またnxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、nzはフィルムの厚み方向の屈折率であり、dはフィルムの厚さである。]これらの中で、液晶表示装置に用いる場合、トリアセチルセルロースが好ましい。
本発明に好ましく用いられるトリアセチルセルロースフィルムについては、発明協会公開技報(公技番号2001−1745)に例示されている。
透明支持体の光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。
透明支持体のヘイズは低い方が好ましい。2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。
透明支持体の屈折率は、1.40〜1.70であることが好ましい。
また、透明支持体には、滑り剤として、不活性無機化合物の粒子を透明支持体に添加してもよい。無機化合物の例には、SiO2、TiO2、BaSO4、CaCO3、タルクおよびカオリンが含まれる。
皮膜の物理強度(耐擦傷性など)、皮膜と皮膜に隣接する層の密着性を改良する点でオルガノシラン化合物及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を透明支持体上のいずれかの層に添加することが好ましい。
R10は置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。アルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基か好ましく、より好ましくは炭素数1〜16である。
Zは、水酸基または加水分解可能な基を表す。Zとしては、アルコキシ基(炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましい。例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。)、ハロゲン原子(例えばCl、Br、I等が挙げられる。)、またはR2COO(R2は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。例えばCH3COO、C2H5COO等が挙げられる。)等が挙げられ、好ましくはアルコキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基またはエトキシ基である。
sは1〜3の整数を表し、好ましくは1または2である。
R10に含まれる置換基としては特に制限はないが、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基(メチル、エチル、i−プロピル、プロピル、t−ブチル等)、アリール基、芳香族ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルケニル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アシルアミノ基、シクロアルキル基等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていても良い。
R2は水素原子、メチル基、メトキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子、または塩素原子を表す。水素原子、メチル基、メトキシ基、メトキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子、および塩素原子が好ましく、水素原子、メチル基、メトキシカルボニル基、フッ素原子、および塩素原子が更に好ましく、水素原子およびメチル基が特に好ましい。
Yは単結合もしくは*−COO−**、*−CONH−**、または*−O−**を表し、単結合、*−COO−**、または*−CONH−**が好ましく、単結合または*−COO−**が更に好ましく、*−COO−**が特に好ましい。*は=C(R2)−に結合する位置を、**はLに結合する位置を表す。
R3〜R5は一価の基を表し、ハロゲン原子、水酸基、無置換のアルコキシ基、または無置換のアルキル基が好ましい。R3〜R5は、塩素原子、水酸基、無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であることがより好ましく、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基であることが更に好ましく、水酸基またはメトキシ基であることが特に好ましい。
R6は水素原子またはアルキル基を表す。アルキル基としてはメチル基、エチル基が好ましい。R6は、水素原子またはメチル基であることが特に好ましい。
R7は置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。アルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基か好ましく、より好ましくは炭素数1〜16である。
R4、R5、およびR7は複数存在するときは、複数のR4、R5、およびR7はそれぞれ同じであっても、異なっていてもよい。
M−49: C2H5−Si(OCH3)3
M−50: t−C4H9-Si(OCH3)3
加水分解縮合反応は加水分解性基(X)1モルに対して0.05〜2.0モル、好ましくは0.1〜1.0モルの水を添加し、本発明に用いられる触媒の存在下、25〜100℃で、撹拌することにより行われる。
オルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物における分子量が300以
上の成分のうち、分子量が20000より大きい成分は10質量%以下であることが好ましい。
オルガノシランの加水分解反応、それに引き続く縮合反応は、一般に触媒の存在下で行われる。触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸類;シュウ酸、酢酸、酪酸、マレイン酸、クエン酸、ギ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基類;トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類;トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム、テトラブチルチタネート、ジブチル錫ジラウレート等の金属アルコキシド類;Zr、TiまたはAlなどの金属を中心金属とする金属キレート化合物等;KF、NH4Fなどの含F化合物等が挙げられる。
上記触媒は単独で使用しても良く、或いは複数種を併用しても良い。
本発明においては、アルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示す)で表され
る化合物とを配位子とした、Zr、TiまたはAlから選ばれる金属を中心金属とする少なくとも1種の金属キレート化合物の存在下で加水分解を行うことが好ましい。
金属キレート化合物は、一般式Zr(OR3)p1(R4COCHCOR5)p2、Ti(OR3)q1(R4COCHCOR5)q2、およびAl(OR3)r1(R4COCHCOR5)r2で表される化合物群から選ばれるものが好ましい。
金属キレート化合物中のR3およびR4は、複数存在するときは、同一または異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基、具体的にはエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、フェニル基などである。
R5は、複数存在するときは、同一または異なってもよく、前記と同様の炭素数1〜10のアルキル基のほか、炭素数1〜10のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基などである。
また、金属キレート化合物中のp1、p2、q1、q2、r1、およびr2は、それぞれp1+p2=4、q1+q2=4、r1+r2=3となる様に決定される整数を表す。
合物およびβ−ケトエステル化合物の少なくともいずれかであり、本発明に用いられる組成物の安定性向上剤として作用するものである。β−ジケトン化合物およびβ−ケトエステル化合物の好ましい具体例としては、アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトン、アセチルアセトンが挙げられる。
本発明において光学フィルムを構成する各層は、塗布法により作製したものが好ましい。塗布で形成する場合、各層はディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2,681,294号明細書記載)またはダイコート法(特開2003−20097号、同2003−211052号、2003−236434号、同2003−260400号、同2003−260402号公報等に記載)により作製することができる。2層以上を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2,761,791号、同2,941,898号、同3,508,947号、同3,526,528号の各明細書および原崎勇次著、「コーティング工学」、253頁、朝倉書店(1973年)に記載がある。ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、ダイコートが好ましい。特に、マイクログラビアコート法、ダイコート法が好ましく、ダイコート法が最もこのましい。
マイクログラビアコート法では、グラビアロールに刻印されたグラビアパターンの線数は50〜800本/インチが好ましく、より好ましくは100〜300本/インチである。グラビアパターンの深度は1〜600μmが好ましく、より好ましくは5〜200μmである。グラビアロールの回転数は3〜800rpmであることが好ましく、より好ましくは5〜200rpmである。支持体の搬送速度は0.5〜100m/分であることが好ましく、より好ましくは1〜50m/分である。
内部にポケットが形成されているスロットダイから塗布液をビードにして塗布することにより、ウェブ上に塗膜を形成する。スロットダイの先端とウェブとの距離を、ウェブ進行方向に対するスロット部材の上流側と下流側で適度に調節することによって湿潤膜厚が数十μm以下の塗布を精度よく行うことができる。
本発明の透明支持体上のいずれかの層を作製するのに用いる塗料には、面状故障(塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥など)を改良するために、フッ素系及びシリコーン系の少なくともいずれかの面状改良剤を添加することが好ましい。
好ましくは、塗料の表面張力を1mN/m以上下げる効果がある面状改良剤であり、更に好ましく2mN/m以上下げる面状改良剤、特に好ましくは3mN/m以上下げる面状改良剤である。
このような単量体としては、Polymer Handbook 2nd ed.,J.Brandrup,Wiley lnterscience(1975)Chapter 2,Page1〜483記載のものを用いることが好ましい。
例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等をあげることができる。
原子又は−N(R22)−がより好ましく、特に酸素原子が好ましい。R22は水素原子又は、炭素数1〜8のアルキル基を表し、好ましくは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、特に好ましくは水素原子又はメチル基である。aは1〜6の整数を表し、1〜3がより好ましく、1であることが特に好ましい。bは1〜18の整数を表し、4〜12がより好ましく、6〜8が特に好ましい。
フッ素系面状改良剤中に一般式(i)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーが2種類以上構成成分として含まれていてもよい。
一般式(ii)
R24は水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、ポリ(アルキレンオキシ)基を含むアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族基(例えば、フェニル基またはナフチル基)を表す。炭素数1〜12の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、又は総炭素数6〜18の芳香族がより好ましく、炭素数1〜8の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基が更に好ましい。以下でポリ(アルキレンオキシ)基について説明する。
前記のポリ(オキシアルキレン)基中のオキシアルキレン単位(前記−OR−)はポリ(オキシプロピレン)におけるように同一であってもよく、また互いに異なる2種以上のオキシアルキレンが不規則に分布されたものであってもよく、直鎖もしくは分岐状のオキシプロピレンもしくはオキシエチレン単位であったり、または直鎖もしくは分岐状のオキシプロピレン単位のブロックもしくはオキシエチレン単位のブロックのように存在するものであってもよい。
ポリ(オキシアルキレン)アクリレート及びメタクリレートは、市販のヒドロキシポリ(オキシアルキレン)材料、例えば商品名“プルロニック”[Pluronic(旭電化工業(株)製)、アデカポリエーテル(旭電化工業(株)製)“カルボワックス”[Carbowax(グリコ・プロダクス)]、“トリトン”[Toriton(ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas製))およびP.E.G(第一工業製薬(株)製)として販売されているものを公知の方法でアクリル酸、メタクリル酸、アクリルクロリド、メタクリルクロリドまたは無水アクリル酸等と反応させることによって製造できる。別に、公知の方法で製造したポリ(オキシアルキレン)ジアクリレート等を用いることもできる。
50モル%以上であることが好ましく、より好ましくは70〜100モル%であり、特に好ましくは80〜100モル%の範囲である。
ここで、質量平均分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒THF、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した分子量であり、含有量は、分子量が300以上の成分のピーク面積を100%とした場合の、前記分子量範囲のピークの面積%である。
エーテル類(テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、芳香族炭化水素系溶媒(トルエン、キシレン等)を含有する塗料に用いることが好ましい。特に、ケトン系溶媒が好ましい。ケトン系溶媒の中でも、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが好ましい。
塗料の溶媒は、ケトン系溶媒以外の溶媒を含んでいてもよい。
また、特にケトン系溶媒を全溶媒の10質量%以上含有する塗料であることが好ましい。好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。
本発明に係る光学フィルムは、物理強度(耐擦傷性など)を改良するために、塗布した最外層を有する側の表面の動摩擦係数は0.25以下であることが好ましい。動摩擦係数は、直径5mmのステンレス剛球に0.98Nの荷重をかけ、速度60cm/分で最外層を有する側の表面を移動させたときの、最外層を有する側の表面と直径5mmのステンレス剛球の間の動摩擦係数をいう。好ましくは0.17以下であり、特に好ましくは0.15以下である。
さらに光学フィルムは、防汚性能を改良するために、最外層を有する側の表面の水に対する接触角が80゜以上であることが好ましい。更に好ましくは90゜以上であり、特に好ましくは100゜以上である。
さらに本発明に係る反射防止フィルムのヘイズは、0.5〜60%であることが好ましく、1〜50%であることがさらに好ましく、1〜40%であることが最も好ましい。
さらに本発明に係る光学機能フィルムの反射率は、低いほど好ましく、好ましくは3.0%以下、より好ましくは2.5%以下、更に好ましくは2.0%以下、特に好ましくは1.5%以下である。
本発明の光学フィルムを偏光膜の保護フィルム(偏光板用保護フィルム)として用いることができる。この場合、最外層を有する側とは反対側の透明支持体の表面、すなわち偏光膜と貼り合わせる側の表面の水に対する接触角が40°以下であることが好ましい。さらに好ましくは30°以下であり、特に好ましくは25°以下である。接触角を40°以下にすることは、ポリビニルアルコールを主成分とする偏光膜との接着性を改良するのに有効である。この接触角は下記の鹸化処理の処理条件により調整することができる。
(1)鹸化処理した透明支持体の一方の面に上記の各層(例、帯電防止層、ハードコート層、および光学機能層である防眩層、同低屈折率層、同高屈折率層、同最外層など)を塗設する手法。
(2)透明支持体の一方の面に上記の各層(例、帯電防止層、ハードコート層、防眩層、低屈折率層、最外層など)を塗設した後、偏光膜と貼り合わせる側を鹸化処理する手法。
合、各層を塗設する側の鹸化処理した透明支持体の表面をコロナ放電処理、グロー放電処理、火焔処理などの手法により表面処理し、その後、各層を塗設することが好ましい。
上記(2)において、光学フィルム全体を鹸化液に浸漬することが好ましい。この場合、光学フィルムは各層を有する側の表面を保護フィルムで保護して鹸化液に浸漬し、偏光膜と貼り合わせる側の透明支持体の表面を鹸化処理することもできる。
さらにまた、光学フィルムの偏光膜と貼り合わせる側の透明支持体の表面に鹸化処理液を塗布して、偏光膜と貼り合わせる側を鹸化処理することもできる。
鹸化処理は、保護フィルムの上に反射防止性能を付与した後に実施することで、よりコストを削減でき、特に(2)の手法が、偏光板用保護フィルムを安価に製造できる点で好ましい。
従って、最外層を有する側の表面の表面抵抗値が1×1013Ω/□以下であることが好ましく、1×1012Ω/□以下であることがより好ましく、1×1010Ω/□以下であることが更に好ましい。
最外層を有する側の表面の動摩擦係数は0.25以下であることが好ましい。好ましくは0.17以下であり、特に好ましくは0.15以下である。
また、最外層を有する側の表面の水に対する接触角は90゜以上であることが好ましい。更に好ましくは95゜以上であり、特に好ましくは100゜以上である。
上記の鹸化処理は、公知の手法、例えば、アルカリ液の中に透明支持体、又は、光学フィルムを適切な時間浸漬して実施するのが好ましい。
アルカリ液は、水酸化カリウム水溶液、及び/又は、水酸化ナトリウム水溶液であることが好ましい。好ましい濃度は0.5〜3mol/lであり、特に好ましくは1〜2mol/lである。好ましいアルカリ液の液温は30〜70℃、特に好ましくは40〜60℃である。
アルカリ液に浸漬した後は、フィルムの中にアルカリ成分が残留しないように、水で十分に水洗したり、希薄な酸に浸漬してアルカリ成分を中和することが好ましい。
親水化された表面は、ポリビニルアルコールを主成分とする偏光膜との接着性を改良するのに有効である。
鹸化処理は、防眩層や低屈折率層を有する側とは反対側の透明支持体の表面の水に対する接触角が40゜以下になるように実施することが好ましい。更に好ましくは30゜以下、特に好ましくは25゜以下である。
本発明の偏光板は、偏向膜の保護フィルム(偏光板用保護フィルム)の少なくとも一方に、本発明の光学フィルムを有する。偏光板用保護フィルムは、上記のように、最外層を有する側とは反対側の透明支持体の表面、すなわち偏光膜と貼り合わせる側の表面の水に対する接触角が40°以下であることが好ましい。
また、本発明の光学フィルムを2枚の保護フィルムの一方に用い、後述する光学異方性のある光学補償フィルムをもう一方に用いた偏光板は、さらに、液晶表示装置の明室での
コントラストを改良し、上下左右の視野角を非常に広げることができるので、好ましい。
上記光学補償フィルム(位相差フィルム)は、液晶表示画面の視野角特性を改良することができる。
光学補償フィルムとしては、公知のものを用いることができるが、視野角を広げるという点では、特開2001−100042号公報に記載されているディスコティック構造単位を有する化合物からなる光学異方性層を有し、該ディスコティック化合物とフィルム面とのなす角度が、光学異方性層の深さ方向で変化していることを特徴とする光学補償フィルムが好ましい。すなわち、ディスコティック構造単位を有する化合物の配向状態としては、例えば、ハイブリッド配向、ベント配向、ツイスト配向、ホモジニアス配向、ホメオトロピック配向等であることが好ましく、ハイブリッド配向であることが特に好ましい。該角度は、層全体で見ると光学異方性層中で光学補償フィルムの支持体面側からの距離の増加とともに総じて増加していることが好ましい。
光学補償フィルムを偏光膜の保護フィルムとして用いる場合、偏光膜と貼り合わせる側の表面が鹸化処理されていることが好ましく、前記の鹸化処理に従って実施することが好ましい。
層の厚さ(nm)である。
光学機能フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に適用することができる。反射防止フィルムは、反射防止フィルムの透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着する。
本発明に用いる光学フィルム及び偏光板は、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等のモードの透過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置に好ましく用いることができる。特にTNモードやIPSモードの液晶表示装置に対しては、特開2001−100043号公報等に記載されているように、上記の光学補償フィルムと光学フィルムを保護フィルムとして有する偏光板を用いることで、視野角特性と反射防止特性を大幅に改良できる。
また、さらに市販の輝度向上フィルム(偏光選択層を有する偏光分離フィルム、例えば住友3M(株)製のD−BEFなど)と併せて用いることにより、透過型または半透過型の液晶表示装置において、さらに視認性の高い表示装置を得ることができる。
また、λ/4板と組み合わせることで、反射型液晶用の偏光板や、有機ELディスプレイ用表面保護板として表面および内部からの反射光を低減するのに用いることができる。
限定されるものではない。
(高分子化合物K−1の合成)
水300mlにポリビニルアルコール0.6gを溶解し、これにアゾビスイソブチロニトリル2gを溶解したメタクリル酸メチル81.6gとアクリル酸メチル15.9gの混合液を加えた。この混合液をディスパーで5分間攪拌したあと、窒素の雰囲気下で75℃で4時間、弱い攪拌を行いながら反応させた。
反応後遠心分離器で弱く脱水し、生成物を水で洗浄したあと乾燥させて高分子化合物K−1を得た。
得られた反応液を大過剰のヘキサンに投入し、デカンテーションにより溶剤を除去することにより沈殿したポリマーを取り出した。さらにこのポリマーを少量の酢酸エチルに溶解してヘキサンから2回再沈殿を行うことによって残存モノマーを完全に除去した。乾燥後ポリマー生成物28質量部を得た。
次に該ポリマー生成物の20質量部をN,N−ジメチルアセトアミド100質量部に溶解、氷冷下で、アクリル酸クロライド11.4質量部を滴下した後、室温で10時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加えて水洗し、有機層を抽出後、濃縮し、得られたポリマーをヘキサンで再沈殿させることにより上記パーフルオロオレフィン共重合体PF−1を19質量部得た。得られたパーフルオロオレフィン共重合体の屈折率は1.42であった。
上記パーフルオロオレフィン共重合体PF−1をメチルエチルケトンに溶解し、固形分濃度30%の溶液を得た。
温度計、窒素導入管、滴下ロートを備えた1,000mlの反応容器に、アクリロキシオキシ
プロピルトリメトキシシラン187g(0.80mol)、メチルトリメトキシシラン29.0g(0.21mol)、メタノール320g(10mol)とKF0.06g(0.001mol)を仕込み、攪拌下室温で水17.0g(0.94mol)をゆっくり滴下した。滴下終了後室温で3時間攪拌した後、メタノール還溜下2時間加熱攪拌した。この後、低沸分を減圧留去し、更にろ過することによりオルガノシラン化合物A溶液を120g得た。このようにして得た物質をGPC測定した結果、質量平均分子量は1500であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は30%であった。
また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料のアクリロキシプロピルトリメトキシシランは5%以下の残存率であった。
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、水600質量部を充填し、これにポリビニルアルコール 0.7質量部とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 2.7質量部を加えて溶解した。次に、これにメタクリル酸メチル 96.0質量部とエチレングリコールジメタクリレート8.0質量部、過酸化ベンゾイル 2.0質量部の混合液を加え撹拌した。この混合液をホモジナイザーを用いて4000rpmで15分間分散して均一にした。次いで窒素ガスを吹き込みながら75℃で4時間撹拌を続けた。その後遠心分離法で軽く脱水し、生成物を水で洗浄したあと乾燥した。得られた架橋メタクリル酸メチル系樹脂粒子(J−1)の平均粒径は8μm、屈折率は1.50であった。
モノマー類の種類と量、調製した粒子の特性値を表1及び2に示す。
表1及び2中、膨潤率はトルエン30質量%分散液を調製し、経時で粒径変化がなくなった時点での膨潤率を示す。計算式は前記本文記載のとおりである。
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(KAYARAD PET−30、日本化薬(株)製)45.0質量部に、重合開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)2.0質量部、フッ素系面状改良剤(F−12)0.75質量部、オルガノシラン化合物(KBM−5103、信越化学工業(株)製)10.0質量部、ポリメタクリル酸メチル20質量%トルエン溶液(質量平均分子量12万、シグマアルドリッチジャパン(株)製)8.5質量部、トルエン28.5質量部を添加して撹拌した。この溶液を塗布したのち、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.51であった。
さらにこの溶液にポリトロン分散機にて10000rpmで分散した樹脂粒子J−1の30%トルエン分散液25.5質量部を添加して撹拌した。孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して光拡散層用塗布液H−1を調製した。
前記光拡散層用塗布液H−1に対して樹脂粒子J−1を、J−2〜J−23に変えた以外は塗布液H−1と同じにして、光拡散層塗布液H−2〜H−18、RH−1(比較)〜RH−5(比較)を調製した。さらにバインダー成分、光重合開始剤をH−1と等質量部置き換えてして光拡散層用塗布液H−19〜H−20を調製した。
各塗布液の組成の組み合わせは表3に記載のとおりである。
GT−401:エポリードGT−401、4官能エポキシ化合物(ダイセル化学工業(株)製)
UVI−6990:カチオン系重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製)
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(JN7228A、固形分濃度6%、JSR(株)製)15.0質量部に、シリカ微粒子のMEK分散液(MEK−ST、平均粒径
15nm、固形分濃度30%、日産化学工業(株)製)0.6質量部、シリカ微粒子のMEK分散液(MEK−ST−L、平均粒径45nm、固形分濃度30%、日産化学工業(株)製)0.8質量部、上記オルガノシラン化合物A溶液0.4質量部、およびメチルエチルケトン3.0質量部、シクロヘキサノン0.6質量部を添加して攪拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液L−2を調製した。この塗布液による塗膜の屈折率は1.42であった。
中空シリカ微粒子ゾル(イソプロピルアルコールシリカゾル、触媒化成工業(株)製、平均粒子径60nm、シェル厚み10nm、シリカ濃度20質量%、シリカ粒子の屈折率1.31、特開2002−79616の調製例4に準じサイズを変更して作成)500部に、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)30部、およびジイソプロポキシアルミニウムエチルアセテート(商品名:ケロープEP−12、ホープ製薬(株)製)1.5部加え混合した後に、イオン交換水を9部を加えた。60℃で8時間反応させた後に室温まで冷却し、アセチルアセトン1.8部を添加した。この分散液500gにほぼシリカの含量一定となるようにメチルエチルケトンを添加しながら、圧力20kPaで減圧蒸留による溶媒置換を行った。分散液に異物の発生はなく、固形分濃度をメチルエチルケトンで調整し20質量%にしたときの粘度は25℃で5mPa・sであった。得られた分散液A−1のイソプロピルアルコールの残存量をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1.5%であった。
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(JN7228A、固形分濃度6%、JSR(株)製)13.0質量部に、上記中空のシリカ微粒子のMEK分散液(屈折率1.31、平均粒径60nm、固形分濃度20%)1.95質量部、上記オルガノシラン化合物A溶液0.6質量部、およびメチルエチルケトン4.35質量部、シクロヘキサノン0.6質量部を添加して攪拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液L−3を調製した。この塗布液による塗膜の屈折率は1.40であった。
上記パーフルオロオレフィン共重合体PF−1の溶液(固形分濃度30%)10.5質量部に、シリカ微粒子のメチルエチルケトン分散液(MEK−ST−L、平均粒径45nm、固形分濃度30%、日産化学工業(株)製)4.5質量部、アクリロイル基を有するポリシロキサン化合物(X−22−164C,信越化学工業(株)製)0.15質量部、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.23質量部、上記オルガノシラン化合物A溶液2.0質量部、メチルエチルケトン81.2質量部及び、シクロヘキサノン2.8質量部を添加して撹拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液L−5を調製した。この塗布液による塗膜の屈折率は1.44であった。
膜厚80μm、幅1340mmのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製、屈折率1.48)上に、光拡散層用塗布液(H−1〜H−20)、比較用塗布液(RH−1〜RH−5)をスロットダイ塗布方式で、搬送速度25m/分の条件で膜厚を塗布量で調節して塗布した。
60℃で150秒乾燥の後、窒素パージ(酸素濃度0.5%以下)しながら、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量250mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させて、光拡散層を有するフィルム試料を作製した。
その後、L−1〜L−2についての乾燥、硬化条件は、以下で行った。
120℃で150秒乾燥の後、更に140℃で8分乾燥させてから窒素パージ(酸素濃度0.5%以下)しながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量900mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、低屈折率層(最外層)を形成した。
また、L−3についての乾燥、硬化条件は、以下のように行った。
90℃で30秒乾燥の後、窒素パージ(酸素濃度0.5%以下)しながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600mW/cm2、照射量600mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ低屈折率層(最外層)を形成した。
得られた光学フィルム試料について、以下の項目の評価を行った。結果を表5に示す。
作製した光学フィルム試料の光拡散層塗設側の反対側全面を黒の油性インクで塗りつぶした。光拡散層塗設側をルーバーなしのむき出し蛍光灯(8000cd/cm2)を映し、
その反射像のボケの程度と全面の白味を以下の基準で評価した。
◎ :蛍光灯の輪郭がほとんどわからない。
○ :蛍光灯の輪郭がわずかにわかる。
△ :蛍光灯の周囲が白っぽく見えるが、輪郭は識別できる(許容範囲内)
×(1) :蛍光灯がクッキリ見え、反射光が眩しい。
×(2) :蛍光灯の輪郭が全くわからないが、全面が白っぽい。
(2)平均反射率の評価
分光光度計(日本分光(株)製;V−550)を用いて、380〜780nmの波長領域において、積分球を用いて、入射角5°における分光反射率を測定した。分光反射率の評価において、450〜650nmの平均反射率を用いた。
光拡散層塗設側について、JIS K 5400に記載に則って鉛筆硬度評価を行なった。反射防止フィルムを温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿したあとJIS S 6006に規定する3H〜8Hの試験用鉛筆を用いて500g荷重で、硬度試験を行なった。柔らかい硬度の鉛筆から試験を行なって、同条件で繰り返し5回行なったうち、引っかき痕跡の見えない回数が3回以上である鉛筆硬度のうち最も硬度の高い鉛筆硬度をそのサンプルの硬度とした。
光拡散層塗設側について、ラビングテスターを用いてスチールウールによる擦り試験を行なった。こすり材としてスチールウール(日本スチールウール(株)製、グレードNo.0000)を用い、制動距離(片道)13cm、こすり速度13cm/秒、荷重4.9N/cm2、接触面積1cm×1cm、こすり回数10往復の条件で実施した。最外層の表面についた傷を目視観察して、下記4段階で評価した。
◎ : 注意深く見ても、全く傷が見えない。
○ : 注意深く見ると、僅かに傷が見える。
△ : 弱い傷が見える。
× : 一目見ただけで目立つ傷が見える。
光学フィルム試料を20cm×20cmのサイズに切り取り、4隅が浮き上がっている面を上向きにして、25℃、60%RHの環境下で水平な机上に置いた。24時間経過後に各4隅の机面からの浮き上がり距離を定規で測定し、4隅の平均をとった。平均値を以下の基準でクラス分けして評価した。
◎ : 5mm未満
○ : 5〜10mm未満
○△ : 10〜20mm未満
△ : 20〜40mm未満
× : 40mm以上
圧縮強度の高い大粒子を用いることと、さらに圧縮強度の高い大粒子を用いて膜厚も厚くして膜硬度を高めることは本発明によって初めて明らかになった。
(画像表示装置の評価)
実施例1の試料101〜126、132〜136の光学フィルムを、画像表示装置(TN、STN、IPS、VA、又はOCBのモードの、透過型、反射型又は半透過型の液晶表示装置、及び、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT))のディスプレイ面に装着した。本発明の光学フィルムを用いた画像表示装置は、反射防止性、表面硬度、耐擦傷性、防汚性に優れていた。
さらにまた、切断面の面積が100μm2以上の凹は存在せず、画素サイズが100ppi(100ピクセル/インチ:長さ1インチ当たりに100画素がある)における画像表示装置におけるギラツキ故障の発生が無かった。
(偏光板用保護フィルムの作製)
1.5Nの水酸化ナトリウム水溶液を50℃に保温した鹸化液を調整した。さらに、0.01Nの希硫酸水溶液を調製した。
実施例1の試料101〜126、132〜136の反射防止フィルムにおいて、低屈折率層(最外層)を有する側とは反対側の透明支持体の表面を、上記鹸化液を用いて鹸化処理した。
鹸化処理した透明支持体表面の水酸化ナトリウム水溶液を、水で十分に洗浄した後、上記の希硫酸水溶液で洗浄し、さらに希硫酸水溶液を水で十分に洗浄して、100℃で十分に乾燥させた。
光学フィルムの低屈折率層(最外層)を有する側とは反対側の、鹸化処理した透明支持体の表面の水に対する接触角を評価したところ、40°以下であった。このようにして、偏光板用保護フィルムを作製した。
特開2002−86554号公報に記載の偏向膜の一方の面に、PVA((株)クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として用いて、本発明の反射防止フィルム(偏光板用保護フィルム)の鹸化処理したトリアセチルセルロース面を貼り合わせた。さらに、偏光膜のもう片方の面には上記と同様にして鹸化処理したトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム(株)製フジタック、レターデーション値3.0nm)を同じ接着剤を用いて貼り合わせた。このようにして、本発明の偏光板を作製した。
このようにして作製した本発明の偏光板を装着したTN、STN、IPS、VA、OCBのモードの透過型、反射型、又は、半透過型の液晶表示装置は、反射防止性、防塵性、耐擦傷性、防汚性に優れていた。
なお、種々公知化されている偏向膜を用い、上記と同様に作製した偏光板においても同様の結果が得られた。
(偏光板の作製)
光学補償フィルム(ワイドビューフィルムSA 12B、富士写真フイルム(株)製)の、光学異方性層を有する側とは反対側の表面を実施例3と同様の条件で鹸化処理した。実施例3と同様にして、偏光膜の一方の面に、実施例3で作製した光学フィルム(偏光板用保護フィルム)の鹸化処理したトリアセチルセルロース面を貼り合わせた。さらに、偏光膜のもう一方の面に、鹸化処理した上記光学補償フィルムのトリアセチルセルロース面を同様にして貼り合わせた。
このようにして作製した本発明の偏光板を装着したTN、STN、IPS、VA、OCBのモードの透過型、反射型、又は、半透過型の液晶表示装置は、光学補償フィルムを用いていない偏光板を装着した液晶表示装置よりも明室でのコントラストに優れ、上下左右の視野角が広く、さらに、反射防止性、表面硬度、耐擦傷性、防汚性に優れていた。
特に、樹脂粒子の光散乱効果により、下方向の視野角が顕著に広がり、左右方向の黄色味が改善されていた。
なお、種々公知化されている偏向膜を用い、上記と同様に作製した偏光板においても同様の結果が得られた。
(画像表示装置の評価)
実施例1の試料101〜126、132〜136の反射防止フィルムを、有機EL表示装置に装着したところ、反射防止性、防塵性、耐擦傷性、防汚性に優れていた。
また、偏光膜の一方の面に実施例4で作製した偏光板用保護フィルム、もう一方の面にλ/4板を有する偏光板を実施例5と同様にして作製した。上記の偏光板を有機EL表示装置に装着したところ、偏光板を貼ったガラス表面からの光の反射もカットされ、極めて視認性の高い表示装置が得られた。
Claims (10)
- 透明支持体上に少なくとも一種の粒径が5μm〜20μmの樹脂粒子とバインダーマトリックスを含有する光拡散層を有し、該樹脂粒子の圧縮強度が2〜10kgf/mm2であることを特徴とする光学フィルム。
- 樹脂粒子を、分散溶媒に浸漬させた後の膨潤率が20体積%以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
- 該光拡散層の厚みが10μm〜20μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学フィルム。
- 樹脂粒子が2官能以上の架橋性モノマーで架橋されており、架橋性モノマーの含有率が樹脂粒子を形成するための全モノマーに対して15質量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム。
- 樹脂粒子と該バインダーマトリックスの屈折率の差が0〜0.10であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルム。
- 樹脂粒子が(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを重合してなる樹脂粒子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学フィルム。
- 該光拡散層がバインダーとして1分子中に2基以上のエポキシ基を有するエポキシ系樹脂を全バインダーに対して20〜100質量%含有してなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学フィルム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の光学フィルムが反射防止フィルムであることを特徴とする反射防止フィルム。
- 請求項8に記載の反射防止フィルムが偏光膜の2枚の保護フィルムの少なくとも一方に用いられていることを特徴とする偏光板。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の光学フィルム、請求項8に記載の反射防止フィルム、または請求項9に記載の偏光板が画像表示面に配置されていることを特徴とする画像表示装置。
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