JP5373307B2 - 軽量ポリイミド成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、実質的に芳香族ポリイミドによって形成された発泡体チップを、バインダーを用いることなしに加圧成形及び加熱処理して得られる、密度が300〜1000kg/m3の軽量ポリイミド成形体の製造方法に関する。
特許文献1〜3には、耐熱性発泡体としてのポリイミド発泡体、及びその製造方法が記載されている。また、特許文献4には、予め発泡されたポリイミド樹脂塊を粉砕し、これを耐熱性バインダーと混合し、この混合物を所定の型枠に投入後、所定の密度まで加圧、焼成してなる発泡ポリイミド成形体について開示されている。ここで具体的に用いられたバインダーは、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸の溶液であった。
米国特許第4241193号公報 特開平4−211440号公報 特開2002−12688号公報 特開2004−323715号公報
特許文献4の耐熱性バインダーと混合する方法では、発泡体チップとバインダー溶液とを均一に混合することが容易ではなく、またバインダー溶液の溶媒を除去する必要が有るため加工成形性において改良の余地があった。
本発明者らは、ポリイミド発泡体を粉砕したポリイミド発泡体チップの加工成形方法を改良するために種々検討した結果、実質的に芳香族ポリイミドによって形成された発泡体チップを、バインダーを用いることなしに加圧成形及び加熱処理することによって、好適には密度が300〜1000kg/m3程度の軽量ポリイミド成形体を得ることができることを見出してこの発明に到達した。
すなわち、本発明は以下の項に関する。
. 芳香族ポリイミドによって形成された発泡体チップの所定量を金型内に入れて、バインダーを用いることなしに、100℃以下の温度で加圧成形して加圧成形体を得る工程と、前記加圧成形体を目的形状の金型内に入れて250〜500℃の温度で加熱処理する工程とを含むことを特徴とする密度が300〜1000kg/m3の軽量ポリイミド成形体の製造方法。
本発明によって、実質的に芳香族ポリイミドによって形成された発泡体チップを、バインダーを用いることなしに加圧成形及び加熱処理することによって、密度が300〜1000kg/m3の軽量ポリイミド成形体を容易に得ることができる。バインダーを用いないので加工成形工程が簡便であり、密度の調整が容易であり、種々の形状物の軽量ポリイミド成形体を好適に得ることができる。この軽量ポリイミド成形体は、比較的低密度であるにも拘わらず良好な機械的特性を有している。また、本発明によって、発泡後のポリイミド発泡体バルクから製品を切り出した後の、残りのポリイミド発泡体を有効に利用をすることができる。
本発明において「軽量ポリイミド成形体」は、例えばポリイミド粉末を加熱圧縮して得られるような緻密なポリイミド成形体と区別する目的で用いた用語である。「軽量ポリイミド成形体」は、原料の発泡体チップよりも気泡(気孔)空間の割合が小さくなって高密度化しているが、成形体中に発泡体チップの気泡に起因した空間を有しており、前記のような緻密なポリイミド成形体よりも軽量なポリイミド成形体である。
本発明において発泡体チップを形成するポリイミドは、テトラカルボン酸成分が芳香族テトラカルボン酸類、ジアミン成分が芳香族ジアミンからなり、ガラス転移温度が250℃以上、好ましくは300℃以上、より好ましくは330℃以上、特に好ましくは350℃以上の実質的に芳香族ポリイミドによって形成されたものが好適である。ガラス転移温度が低くいポリイミドによって形成された発泡体チップを用いると、加熱処理時に発泡体の気泡(気孔)構造が容易に軟化して不均一な変形が生じるために、得られる軽量ポリイミド成形体は密度が不均一になり、形状も歪んだものになるので好ましくない。
したがって、本発明において発泡体チップを形成するポリイミドは、実質的に芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミンとで構成されて前記ガラス転移温度を有するものである。芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン以外の少量成分を、例えば発泡成形時の可塑性を改良する目的で用いても構わない。得られるポリイミドのガラス転移温度が前記値以下にならないようにすることが重要である。前記少量成分を用いる場合には、テトラカルボン酸成分及びジアミン成分中、それぞれ独立に、10モル%程度以下、好ましくは5モル%以下、より好ましくは2モル%以下である。
テトラカルボン酸成分としては、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸類などのビフェニルテトラカルボン酸類、ピロメリット酸類、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸類などのベンゾフェノンテトラカルボン酸類、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸類、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸類、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸類、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸類などのナフタレンテトラカルボン酸類、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル類などのビス(ジカルボキシフェニル)エーテル類、2,2−ビス(2,5−ジカルボキシフェニル)プロパン類などのビス(ジカルボキシフェニル)プロパン類、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン類などのビス(ジカルボキシフェニル)エタン類、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン類などのビス(ジカルボキシフェニル)スルホン類などの芳香族テトラカルボン酸類を単独又は混合して好適に用いることができる。これらの中でも特にビフェニルテトラカルボン酸類が、発泡体を容易に得ることができ且つガラス転移温度が高いので、テトラカルボン酸成分の主成分(50モル%以上、好ましくは80モル%以上)として用いるのが好適である。
ここでテトラカルボン酸類とは、テトラカルボン酸、そのエステル化物、その無水化物などのポリイミドを形成し得るテトラカルボン酸及びその誘導体を意味する。
成形性などを考慮して用いられる少量成分としては、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン類などのビス(ジカルボキシフェニル)テトラメチルジシロキサン類や、シクロペンタンテトラカルボン酸類、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2,4,5−テトラカルボン酸などのシクロヘキサンテトラカルボン酸類などの脂肪族テトラカルボン酸類が挙げられる。
ジアミン成分としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、3,5−ジアミノ安息香酸などのベンゼン核を1つ有する芳香族ジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホンなどのベンゼン核を2つ有する芳香族ジアミン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンなどのベンゼン核を3つ有する芳香族ジアミン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパンなどのベンゼン核を4つ有する芳香族ジアミン、ジアミノナフタレン等のナフタレン環を有する芳香族ジアミン、2,6−ジアミノピリジンなどの複素環を有する芳香族ジアミンなどを単独又は混合して好適に用いることができる。これらの中でも、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、及び2,6−ジアミノピリジンからなる群から選択された少なくとも一つの芳香族ジアミンを主成分(50モル%以上、好ましくは80モル%以上)として用いることが好適である。
成形性などを考慮して用いられる少量成分としては、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルシランのようなジアミノシロキサンや、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンなどの脂環式ジアミンや、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノドデカンなどの脂肪族ジアミンを挙げることができる。
ポリイミド発泡体は従来公知の方法で好適に製造することができる。例えば、低級アルコール溶媒中でテトラカルボン酸二無水物と前記低級アルコールとを反応させてテトラカルボン酸エステル化物の溶液とし、それにジアミンを加えて混合してポリイミド前駆体溶液組成物を得、次いでその溶液組成物のアルコール溶媒を低温で蒸発除去し、粉末のポリイミド前駆体組成物を得る。この粉末のポリイミド前駆体組成物を必要に応じて予備成形してグリーン体にした後で、マイクロ波加熱などによって加熱して発泡させることで好適に得ることができる。また、前記粉末のポリイミド前駆体組成物に再度低級アルコールを加えて溶液乃至サスペンジョンのポリイミド前駆体組成物とした後で、マイクロ波加熱などによって加熱して発泡させることで好適に得ることができる。
ポリイミド前駆体溶液組成物の調製は、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とが略等モルになるような組成比で混合して行われるが、発泡を均一化するために、例えばジアミノジシロキサンがジアミン成分の少量成分として好適に用いられる。溶媒の低級アルコールとしてはメタノ−ル、エタノ−ル、プロパノールなどが用いられ、他の溶媒と混合されることもある。テトラカルボン酸エステル化物の溶液にジアミンを加えて混合してポリイミド前駆体溶液組成物を得る際には、各成分の濃度はジアミンの溶解度限界以下が好適であり、不揮発成分量は全量中の3〜50質量%程度になる。このポリイミド前駆体溶液組成物には、1,2−ジメチルイミダゾ−ル、ベンズイミダゾ−ル、イソキノリン、置換ピリジンなどのイミド化触媒、界面活性剤、或いは、他の公知の添加剤、例えば無機フィラ−、無機あるいは有機顔料などを加えてもよい。
ポリイミド前駆体溶液組成物は、実験室的にはエバポレ−タ、工業的にはスプレ−ドライヤ−などを用いて、蒸発乾固して粉末化される。この時の温度は100℃以下特に80℃以下が好ましい。高温で蒸発乾固するとポリイミド前駆体組成物の発泡性が極端に低下する。蒸発乾固は、常圧でも、加圧下でも、あるいは減圧下で行ってもよい。
グリ−ン体の作成は、例えば、粉末のポリイミド前駆体組成物を室温で圧縮成形する方法、スラリ−溶液として流延乾固する方法、テフロン(登録商標)製などのマイクロ波に不活性な容器へ充填する方法などによって行うことができる。概略均一な状態のグリ−ン体を得ることができれば、発泡時の均一化は達成できる。
ポリイミド前駆体組成物の発泡は、好適にはマイクロ波加熱による加熱によって好適に行うことができる。この際に、一般的には2.45GHzで行う。これは日本の国内法(電波法)に基づく。粉末重量当たりのマイクロ波出力を目安とすることが好ましい。これは実験を重ねることによって定義すべきである。例えば、100g/1kW程度のマイクロ波を約1分照射すると発泡を開始し、2〜3分で発泡は収束する。
発泡した状態の発泡体は非常に脆いので、直ちにオーブンなどを用いて加熱するのが好適である。加熱は、200℃程度から徐々に昇温(一応の目安として、100℃/10分程度の昇温速度)して行うのが好適である。最終的にはポリイミドのガラス転移温度+α(10〜100℃位)の温度にて5〜60分間、好適には10分間程度加熱する。
以上の製造方法によって、密度が3〜20kg/m3であって、均一な発泡構造を有した、弾力性がありかつ復元力に優れたポリイミド発泡体を好適に得ることができる。
本発明で用いる発泡体チップは、前記ポリイミド発泡体を、例えば開砕整粒装置を用いて解砕整粒して得られたチップを好適に用いることができる。発泡体チップの密度は3〜20kg/m3、特に5〜20kg/m3が好適である。発泡体チップの形状は特に限定がないが、好ましい形状は所定の金型に投入する際に送粒可能な球状に近い形状である。また、発泡体チップの最大径は好ましくは50mm以下、より好ましくは全体積に対して最大径が10〜50mmのチップが80体積%以上を占めるようにすることが好適である。発泡体チップの最大径が50mmを越えると均一な密度を有する軽量ポリイミド成形体を得ることが難しくなるので好ましくない。チップの最小径については5mm以下のものを使用することも可能であり、得られる軽量ポリイミド成形体の特性には特に問題はないが、ポリイミド発泡体から最大径が5mm以下に解砕するには相当の時間がかかるので非効率になる。
本発明の軽量ポリイミド成形体は、前記発泡体チップの所定量を、バインダーを用いることなしに、加圧成形及び加熱処理して得ることができる。本発明において、加圧成形及び加熱処理の工程を一段で行っても構わないが、発泡体チップの所定量を金型内に入れて100℃以下の温度で加圧成形して加圧成形体を得る工程と、次いで前記加圧成形体を目的形状の金型内に入れて250〜500℃の温度で加熱処理する工程とを含む多段の方法が、軽量ポリイミド成形体を効率よく且つ品質的に安定して製造することができるので好適である。
以下、前記多段の製造方法について説明する。
先ず金型内に所定量の発泡体チップを投入して加圧成形する。投入量は最終的な軽量ポリイミド成形体の体積と目的密度から算出される量である。これを例えばプレス機にて加圧成形し、発泡体チップが圧縮されてなる加圧成形体(グリーン体)を得る。加圧成形体の密度は、加圧成形後に起こるスプリングバックによる寸法の戻りを考慮しなければならないので、加圧成形時には、加圧成形体の(目的)密度に対し102〜120%好ましくは105〜110%の密度になるように成形圧力、金型寸法、発泡体チップの投入量を調節することが好ましい。このスプリングバックによって、空隙をなくし、より均一な状態の加圧成形体を得ることが容易になる。また、加圧成形工程で均一な密度の加圧成形体を得るためにチップの形状や寸法を前記のようにしておくことが好ましい。
加圧成形体の(目的)密度は、製品である軽量ポリイミド成形体の(目的)密度に対し好ましくは85〜115%より好ましくは90〜100%の密度に設定される。
この工程では特に加熱の必要はなく加圧成形体が金型から容易に取出せるなどの取り扱いができる程度に密に一体化される程度まで加圧成形されればよい。すなわち、加圧温度は100℃以下、好ましくは−10〜100℃、より好ましくは0〜50℃、更に好ましくは室温(15〜30℃程度)であり、いわゆる冷間加圧成形であることが好適である。
また、ポリイミド発泡体は容易に変形するので、十分に圧縮できる程度の圧力(通常200〜5000kg/cm2、好ましくは500〜2000kg/cm2)を加えることができるものであれば、特別な圧力条件は要求されない。加圧時間は、特に限定はないが1秒間から10分間程度の短時間が好ましく、短時間の加圧を複数回繰り返すことが好適である。
加圧成形するときに使用する金型は、所定量の発泡体チップを加圧成形できるものであれば特に限定はない。形状は最終製品の形状に準じた形状(複数の加圧成形体を組み合せて一つの製品を製造する際にはそれぞれの部分形状)であることが好適である。例えば板状のものを製造するのであれば、箱状容器を内蓋(パンチ)で圧縮するようにした金型と一軸式油圧成形機を組み合せて好適に行うことができる。
次いで加熱処理するために、加圧成形体を通常は加熱装置が備わった別の金型へ移す。この金型内で、加圧成形体を、製品の目的形状(目的密度)になるようにし、目的形状を保持した状態で加熱処理する。この時、加圧成形体の密度が製品の目的密度よりも小さい場合は金型に圧縮されて高密度になる。一方、加圧成形体の密度が製品の目的密度よりも大きい場合は加熱によって加圧成形体が膨張するので低密度になる。加熱処理は、好ましくは250〜500℃の温度範囲で0.1〜10時間程度が好適である。なお、加熱処理後もスプリングバックが起こることがある。その際には、金型形状を経験的に求められるスプリングバック量を考慮して決定するのが好適である。加熱処理の温度範囲の下限は、好ましくは300℃、より好ましくは330℃、更に好ましくは350℃、特に好ましくは380℃である。加熱処理の温度範囲の上限は、好ましくは450℃である。加熱処理する温度は、発泡体チップを形成しているポリイミドのガラス転移温度が一つの基準になる。すなわち、発泡体チップを形成しているポリイミドのガラス転移温度に対して−20℃〜+100℃、好ましくは−10℃〜+50℃、より好ましくは0〜50℃である。ポリイミドにガラス転移温度が見られない場合には400〜500℃の温度範囲で行うのが好適である。
加熱処理の温度が低すぎる場合には、軽量ポリイミド成形体の機械的強度が低くなるので好ましくない。また、500℃よりも高温で加熱処理を行うとポリイミドの炭化が始まるので好ましくない。
発泡体チップを形成しているポリイミドのガラス転移温度は、動的粘弾性測定装置を使用し、発泡材料の動的粘弾性からガラス転移点を測定することができる。
加熱処理の際に用いる金型は、その内形状が製品である軽量ポリイミド成形体の形状になる。したがって、容易に変形しない金属製のものが好適に用いられる。板状の軽量ポリイミド成形体を得る場合には、2枚の金属板の間に所定厚みの金属製のスペーサーを組み合せたものを好適に用いることができる。そして、形状を整えるための加圧機能と加熱処理ができるものであれば特に限定はなく、金属板とスペーサーに加熱プレス装置を組み合せて好適に用いることができる。
本発明の軽量ポリイミド成形体は、使用する発泡体チップの密度の15〜330倍、好ましくは20〜200倍程度まで高密度化して好適に得られる。本発明の軽量ポリイミド成形体の密度は、300〜1000kg/m3、好ましくは400〜1000kg/m3、より好ましくは500〜900kg/m3、更に好ましくは550〜850kg/m3のものが軽量にも拘わらず優れた機械的強度を有するので好適である。
本発明の軽量ポリイミド成形体の形状は、シート状、板状、半割のパイプ状、柱状、キューブ状、箱状などいずれの形状でも構わないが、成形のし易さから板状が特に好適である。これらの軽量ポリイミド成形体は、耐熱性や機械的物性などの優れた特性を有するので高温下で使用される断熱材やクッション材などとして好適に用いることができる。
以下本発明について実施例に基づいて更に詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の例で用いた測定方法は以下のとおりである。
(密度の測定)
ASTM D 3574 TEST Aに準拠して測定した。
(引張り強度の測定)
ASTM D 3574 TEST Eに準拠し、テンシロンUTM−100(株式会社オリエンテック製)を用いて測定した。
〔参考例1〕ポリイミド発泡体の調製
1m3のジャケット仕様の攪拌機付反応槽に、55.519kgの2,3,3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と15.201kgの3,3’,4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物と139.7kgのメタノールとを仕込み、反応槽内を窒素置換した後、ジャケット内を90℃の温水を循環させて加熱し、反応液が90℃になってから90分間還流してエステル化反応を行った。その後、反応液を30℃以下まで冷却した後、反応液に25.052kgのp−フェニレンジアミンと0.628kgの1,3−ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンとを添加した。更に2.892kgの1,2-ジメチルイミダゾールを添加し、撹拌して反応液を均一な溶液にした。次いで、スプレードライヤーを使用し、前記反応液を乾燥温度が50℃以下となるように噴霧量を調整しながら乾燥して、発泡ポリイミド前駆体の乾燥粉を得た。次いで、この発泡ポリイミド前駆体乾燥粉の2kgを300mmφ×200mmtの型枠に充填し、プレス機で加圧してグリーン体を圧縮成形した。得られたグリーン体は300mmφ×15mmtの寸法であった。このグリーン体をマイクロ波照射装置に入れ、出力5kwで10分間マイクロ波を照射し、発泡ポリイミド前駆体発泡物を得、これを120℃に昇温されたオーブン中に投入し375℃まで、10℃/分の昇温速度で昇温した後、375℃で5分間保持し、その後室温まで冷却して発泡ポリイミドを得た。得られた発泡ポリイミドは緻密で均一な発泡であり、密度は7.5kg/m3あった。
〔実施例1〕
参考例1で得られたポリイミド発泡体を解砕装置(解砕整粒機フィオーレ、株式会社寿工作所製)に投入して解砕した。前記解砕整粒機の概略の模式図を図1に示す。孔径30mmのスクリーンを通過した粒径が30mm以下のチップを、315×315×80mmのステンレス製金型に345g入れ、プレス装置(一軸式油圧成形機、東邦マシナリー株式会社製)を用いて圧力710kg/cm2で10秒間室温にて冷間成型して板状の加圧成形体を得た。この工程の概略の断面図を図2に示す。この加圧成形体の寸法は、315×315×7.5mmtであって、密度は460kg/m3であった。その加圧成形体を330×330×10mmのステンレス製平板2枚の間に厚み8mmのスペーサーとともに挟み、図3のようにボルトで四角を固定して、均一な厚みにし、熱風焼成炉(バッチ式焼成炉DF−200HS、株式会社二葉科学製)で400℃、3時間加熱処理して寸法が315×315×8.1mmtの軽量ポリイミド成形体を得た。この軽量ポリイミド成形体は、密度が430kg/m3であり、引張り強度が4.9MPaであった。
〔実施例2〕
発泡体チップの量を482gとし、加圧成形体を製造する際の圧力を992kg/cm2に変えた以外は実施例1と同様にして寸法が315×315×8.1mmtの軽量ポリイミド成形体を得た。この軽量ポリイミド成形体は、密度が600kg/m3であり、引張り強度が6.2MPaであった。
〔実施例3〕
発泡体チップ量を642gとし、成形圧力を1480kg/cm2とした以外は実施例1と同様にして寸法が315×315×8.1mmtの軽量ポリイミド成形体を得た。この軽量ポリイミド成形体は密度が800kg/m3であり、引張強度が8.3MPaであった。
〔比較例1〕
参考例1で得られたポリイミド発泡体から厚みが96mmの板状発泡体を切り出し、これをステンレス製平板2枚の間にスペーサーとともに挟み、加熱プレス装置(一軸式油圧成形機、東邦マシナリー株式会社製)で、厚みが2mmになるように加圧し、400℃で30分間加熱処理した。得られた成形体は、密度が432kg/m3であり、引張り強度が4.0MPaであった。
〔比較例2〕
比較例2と同様にして、密度が異なる成形体を得た。得られた成形体は、密度が603kg/m3であり、引張り強度が5.5MPaであった。
ポリイミド発泡体を解砕するための解砕装置を説明するための概略図である。 加圧成形体を得るための工程を説明するための概略図である。 加圧成形体から軽量ポリイミド成形体を得る工程を説明するための概略図である。

Claims (1)

  1. 芳香族ポリイミドによって形成された発泡体チップの所定量を金型内に入れて、バインダーを用いることなしに、100℃以下の温度で加圧成形して加圧成形体を得る工程と、前記加圧成形体を目的形状の金型内に入れて250〜500℃の温度で加熱処理する工程とを含むことを特徴とする密度が300〜1000kg/m3の軽量ポリイミド成形体の製造方法。
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