JP5370015B2 - ロック装置 - Google Patents
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Description
一般に、ロック装置には、ベース部材の凹部に入り込んだストライカをこの凹部とフックによって挟持されたロック状態を保持するためのポールが構成されており、このポールを分割構成にして、フックをロック位置状態に保持すると共にフックがストライカを挟持する方向に更に回動される機能を付加した技術が知られている(例えば特許文献1、2)。
先ず、第1の発明は、車両内の可動部材を車両内の固定部材に固定するために、該可動部材又は固定部材の一方に配設されたストライカと係合する該可動部材又は固定部材の他方に装備されたロック装置であって、前記ストライカと係合する凹部が形成されているベース部材と、該ベース部材に第1軸によって回動可能に軸支され、前記ストライカが前記ベース部材に形成された凹部内に入り込んでくる係合動作に連動して回動し、該回動により前記凹部の開口部を塞ぐ挟持腕により該凹部に入り込んだ前記ストライカを該凹部の底部との間で挟持することのできるロック位置状態とすることのできるフックと、前記ベース部材に配設され、前記フックとの間にバネ部材が引っ張りばね連結状態として掛けられて、前記フックがロック位置状態まで回動したとき前記バネ部材の付勢力により前記フックを該ロック位置状態に保持する働きをなすポールと、を備えており、前記ポールは、前記ベース部材に第2軸によって回動可能に軸支され、前記バネ部材の付勢力が前記フックをロック位置状態に保持させる回動方向に付勢される第1のポールと、該第1のポールと前記フックとの間に前記ベース部材に対してスライド移動可能に配設されて、該第1のポールの作動を前記フックに伝達することのできる第2のポールとから構成されており、前記第1のポールの回動に伴う第2のポールとの当接には圧力角当接となる回動範囲が設定されており、該圧力角当接となる回動範囲は該ポールによりフックをロック位置状態に保持する作動状態であり、該フックのロック位置状態において前記バネ部材の付勢力により第1のポールが回動されて前記第2のポールとの圧力角当接により該第2のポールを介して前記フックを前記ストライカを挟持する方向に更に回動させて、前記ストライカを前記フックの挟持腕と前記ベース部材に形成された凹部の底部との間に隙間なく挟持することを特徴とする。
図1は、実施例1に係るロック装置20が車両用シート10に配設された概略構成を示した側面図である。図2は、実施例1に係るロック装置20の各構成を示した分解斜視図である。同図は、ロック装置20の各構成を図示するものであり、シートクッション11の各構成の図示を省略している。図3から図5は、実施例1に係るロック装置20とストライカSの係合及び解除の各構成の状態を示した側面図である。図3から図5の各図は、ロック装置20の内部構成をよく表すために、ベース部材の構成であるベースプレート22a、22bのうち片方のベースプレート22bを省略して図示している。なお、図3及び図4において、(a)図にロック装置20の全体を図示し、(b)図に、フック30とポール40の係合状態を拡大して図示している。
実施例1では、図1に図示されるように、車両内の可動部材の構成として、シートバック12、シートクッション11から構成される車両用シート10と、車両内の固定部材の構成として、車体フロアFに配設されたストライカSと係合するロック装置20の構成について説明する。なお、本実施例において、車両用シート10が本発明の「可動部材」に相当し、車体フロアFが本発明の「固定部材」に相当する。なお図1に図示されるように、ストライカSの設置箇所は概略的に図示するのみであるが、車両を構成する車両構造体において設置されるものである。実施例1においては、ストライカSは金属製の棒状部材が折り曲げ形成され、シートクッション11の後方下端部に備えられるロック装置20と係合可能に車体フロアF上に配設されている。
この車両用シート10の可動構成は、シートバック12、シートクッション11をコンパクトに折り畳んだ状態でシートクッション11の前方下端部を中心として車両前後方向に回動可能に姿勢変更することができ、車両用シート10が不使用のときは車両用シート10を姿勢変更させて、車両用シート10の設置スペースを空けて荷室スペースとするものである。
このロック装置20に対するストライカSの係合は、ベース部材22のストライカ係合凹部24にストライカSが入り込み、ストライカSをこのストライカ係合凹部24とフック30によって挟持することでロック状態とする構成である。ここで、このロック装置20は、ロック装置20とストライカSのロック位置状態30B(図4参照)において、ストライカ係合凹部24とフック30に挟持されるストライカSとの隙間を減少するための機能を有している。かかる機能は、ポール40を分割構成にして、フック30をロック位置状態30Bに保持すると共にフック30がストライカSを挟持する方向に更に回動されることで達成している。
以下にこのロック装置20の詳細な構成とその作用について説明する。
図1に図示されるように、ロック装置20は、このベース部材22を介してシートクッション11を構成するシートクッションフレーム(図示省略)に対して固定設置されるものである。このベース部材22は、後述するフック30及びポール40等のロック装置20に構成される部品を支持する構成とされている。このベース部材22は、車体フロアFに配設されたストライカSと係合する凹部が形成されたものである。
図2に図示されるように、このベース部材22は、金属製の板状部材で形成されたベースプレート22a、22bの2枚構成からなるものであり、ベースプレート22a、22bは、フック30及びポール40を挟み込んで支持するように構成されている。このベースプレート22a、22bは共にストライカ係合凹部24を備える。
図2に図示されるように、このフック30は、ベース部材22の回動支持孔28aにフックヒンジピン39が挿通されて回動可能に軸支されている。このフック30は、ストライカS(図1参照)がベース部材22に形成されたストライカ係合凹部24内に入り込んでくる係合動作に連動して回動し、この回動によりストライカ係合凹部24の開口部を塞ぐ挟持腕34によりストライカ係合凹部24に入り込んだストライカSを底部24aとの間で挟持してロック位置状態30Bとするものである。このフック30は、ストライカS及び後に説明するポール40との係合により以下の三つの状態に切り替えられるものである。
回動支持用孔31は、フック30の略中央箇所に貫通形成されており、フックヒンジピン39が挿通される。このフックヒンジピン39は、ベース部材22に対しフック30を回動可能に支持するものである。フック30は、ベースプレート22a、22bに挟みこまれた状態で、ベースプレート22a、22bに形成された回動支持孔28aと、フック30の回動支持用孔31が同軸上の位置に配設される。この状態でフックヒンジピン39が挿通されて取り付けられている。これにより、フック30は、この回動支持用孔31に挿通されたフックヒンジピン39によってベース部材22に対して回動可能に支持される。換言すれば、回動支持用孔31に挿通されるフックヒンジピン39が、フック30の回動中心となる。
挟持腕34は、ストライカSの係合の際、フック30の回動によりストライカSをストライカ係合部32に取り込んで、ベース部材22に形成されたストライカ係合凹部24の開口部を塞ぐために構成されたものである。この挟持腕34のフック30の内方側から外方側に向かった突き出し量は、ストライカ係合凹部24の開口部を塞ぐのに必要な長さに突き出し形成されている。
図4に図示されるように、一方、ストライカSが係合されるときにおいては、フック30がストライカSに押されてバネ部材80の付勢力に抗して反時計回り方向に回動してポール40に構成されるスライドポール70とフック30のフック係合凹部35bが係合して、係合が保持されるロック位置状態30Bとなる。
図3から図5に図示されるように、このポール40は、ベース部材22に配設されており、フック30との間にバネ部材80が引っ張りばね連結状態として掛けられて、このバネ部材80の付勢によって作動し、また、後述する操作伝達部材90の引き操作にしたがって作動するものであり、上記フック30のロック解除位置状態30Aと、ロック位置状態30Bと、フック追い込み位置状態30Cを切り替えるものである。
図3から図5に図示されるように、この回動ポール50は、フック30との間で引っ張りばね連結状態として掛けられたバネ部材80による付勢に連動して回動することによって、フック30をロック位置状態30Bに保持させる回動方向に付勢させる働きをなすものである。この回動ポール50は、概略、スライドポール係合部材52と、ロック解除部材60とから構成されており、ベース部材22の回動支持孔28b(図2参照)に挿通されたポールヒンジピン49によって回動可能に軸支されており、このポールヒンジピン49を中心に一体として回動する構成である。
図2から図5に図示されるように、このスライドポール70は、回動ポール50とフック30との間にベース部材22に対してスライド移動可能に配設されて、回動ポール50の作動をフック30に伝達する働きをなすものである。
このスライドポール70は、金属性の板状部材が略台形状に形成されている。図3の図示上、左側端部はフック30のフック係合凹部35bの凹部に収容可能に形成されたフック側係合部72が構成されており、本実施例では、かかるフック係合凹部35bの凹部に収容可能な傾斜部が形成されている。また、このフック側係合部72の先端部はフック30の角部35の外周に構成された摺動部位35a上に当接して摺動するフック側摺動先端部74を備える。
図3の図示上、右側端部は回動ポール50の構成であるスライドポール係合部材52のポール係合凹部56bの凹部に収容可能に形成されたポール側係合部76が構成されており、本実施例では、かかるポール係合凹部56bの凹部に収容可能な傾斜部が形成されている。また、このポール側係合部76の先端部は回動ポール50の構成であるスライドポール係合部材52に構成された摺動部位56a上に当接して摺動するポール側摺動先端部78を備える。
また、図2に図示されるように、ベース部材22のベースプレート22aに対向する面には、かかるベースプレート22aの板面上に形成されたスライド溝26に係合する突起部79が形成されており、スライドポール70はスライド溝26の形成領域内に規制されてベース部材22に対してスライド移動し回動ポール50の作動をフック30に伝達する。
図3から図5に図示されるように、このロック装置20の回動ポール50には、かかる回動ポール50の回動に伴うスライドポール70との当接において圧力角当接となる回動範囲が設定されている。この圧力角当接の構成によって、スライドポール70をフック30方向にスライド移動させて、フック30をストライカSを挟持する方向に更に回動させて(ロック位置状態30Bからフック追い込み位置状態30C)、ストライカSをフック30の挟持腕34とベース部材22に形成されたストライカ係合凹部24の底部24aとの間に隙間なく挟持するものである。
図3から図5に図示されるように、バネ部材80は、所謂コイルバネで構成されている。フック30のバネ係止部37となる一端と、ポール40のバネ係止部62となる他端とを、互いに接近させるように付勢するものである。これにより、上記したように、図3の図示上、フック30を時計回り方向に付勢し、ポール40を反時計回り方向に付勢することとなる。
図3から図5に図示されるように、この操作伝達部材90は、上記した、ロック装置20によるストライカSの係合を解除するための操作を行なう操作レバー装置の一構成であり、車両用シート10に配設される操作レバー(図示省略)に及ぼされる着座者の操作力が、車両用シート10の内部を通ってシートクッション11に設置されたロック装置20まで伝達させるものである。
図3に図示されるように、この状態がロック装置20とストライカSが係合しないロック解除位置状態30Aである。この状態から、ストライカSがベース部材22のストライカ係合凹部24内に進入するとストライカ検知腕33がストライカSを検知する。そしてフック30は、バネ部材80の付勢に抗してフックヒンジピン39を中心に反時計回り方向に回動する。そして、フック30の挟持腕34はストライカSをストライカ係合部32内に取り込むと共にベース部材22のストライカ係合凹部24を塞ぐ。このストライカSは、挟持腕34とストライカ係合凹部24の底部24aに挟持された状態となる。このときフック30の角部35に構成される摺動部位35a上をスライドポール70の左側端部に構成されたフック側摺動先端部74が摺動する。フック30が、さらに反時計回り方向に回動すると摺動部位35aとフック側摺動先端部74の係合が外れる。そして、フック側係合部72がフック係合凹部35bに収容される。これにより、スライドポール70はフック30方向にスライド移動する。スライドポール70は、上記のフック30方向へのスライド移動によって、スライドポール70の右側端部に構成されたポール側係合部76がポール係合凹部56bに収容されている位置から外れて、ポール側摺動先端部78が摺動部位56a上に当接した状態となる。こうして、フック30はロック位置状態30Bの状態に保持される。
例えば、上記した実施例1におけるロック装置20は、車両内の可動部材としての車両用シート10側にロック装置20が構成され、車両内の固定部材としての車体フロアF側にストライカSが構成されるものについて示した。しかしながら、本発明におけるロック装置は、これに限定されるものでなく、可動部材又は固定部材の一方に配設されたストライカと係合する可動部材又は固定部材の他方に装備されるロック装置であればよく、ロック装置が車体フロア側に構成され、ストライカが車両用シートに構成されるものであってもよい。
10B 格納姿勢状態位置
10A 着座姿勢状態位置
11 シートクッション
12 シートバック
13 ヘッドレスト
14 回動軸
20 ロック装置
22 ベース部材
22a ベースプレート
22b ベースプレート
24 ストライカ係合凹部
24a 底部
24b ストライカ案内部
26 スライド溝
28a 回動支持孔
28b 回動支持孔
29 側壁部
30 フック
30A ロック解除位置状態
30B ロック位置状態
30C フック追い込み位置状態
31 回動支持用孔
32 ストライカ係合部
33 ストライカ検知腕
34 挟持腕
35 角部
35a 摺動部位
35b フック係合凹部
37 バネ係止部
38 フック当接部位
39 フックヒンジピン
40 ポール
48 嵌合部
48a 円筒部位
48b 平面部位
49 ポールヒンジピン
50 回動ポール
52 スライドポール係合部材
54 基部
56 係合突起
56a 摺動部位
56b ポール係合凹部
58 嵌合孔
60 ロック解除部材
62 バネ係止部
64 操作伝達部材連結部
68 嵌合孔
70 スライドポール
72 フック側係合部
74 フック側摺動先端部
76 ポール側係合部
78 ポール側摺動先端部
79 突起部
80 バネ部材
90 操作伝達部材
F 車体フロア
R 円弧線
S ストライカ
θ 圧力角
Claims (1)
- 車両内の可動部材を車両内の固定部材に固定するために、該可動部材又は固定部材の一方に配設されたストライカと係合する該可動部材又は固定部材の他方に装備されたロック装置であって、
前記ストライカと係合する凹部が形成されているベース部材と、
該ベース部材に第1軸によって回動可能に軸支され、前記ストライカが前記ベース部材に形成された凹部内に入り込んでくる係合動作に連動して回動し、該回動により前記凹部の開口部を塞ぐ挟持腕により該凹部に入り込んだ前記ストライカを該凹部の底部との間で挟持することのできるロック位置状態とすることのできるフックと、
前記ベース部材に配設され、前記フックとの間にバネ部材が引っ張りばね連結状態として掛けられて、前記フックがロック位置状態まで回動したとき前記バネ部材の付勢力により前記フックを該ロック位置状態に保持する働きをなすポールと、を備えており、
前記ポールは、前記ベース部材に第2軸によって回動可能に軸支され、前記バネ部材の付勢力が前記フックをロック位置状態に保持させる回動方向に付勢される第1のポールと、該第1のポールと前記フックとの間に前記ベース部材に対してスライド移動可能に配設されて、該第1のポールの作動を前記フックに伝達することのできる第2のポールとから構成されており、
前記第1のポールの回動に伴う第2のポールとの当接には圧力角当接となる回動範囲が設定されており、該圧力角当接となる回動範囲は該ポールによりフックをロック位置状態に保持する作動状態であり、該フックのロック位置状態において前記バネ部材の付勢力により第1のポールが回動されて前記第2のポールとの圧力角当接により該第2のポールを介して前記フックを前記ストライカを挟持する方向に更に回動させて、前記ストライカを前記フックの挟持腕と前記ベース部材に形成された凹部の底部との間に隙間なく挟持することを特徴とするロック装置。
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