JP5368932B2 - 複合加工工具および加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ワークに対して相対的に回転してワークを加工する第1加工部および第2加工部を備える複合加工工具および該複合加工工具による加工方法に関し、より詳細には、第2加工部に先立ってワークを加工する第1加工部の第1加工具の径方向位置を変更可能な複合加工工具に関する。
ワークの内周面を加工する複合加工工具として、切削加工とバニシング加工とを行なうことが可能な複合加工工具が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2000−317828号公報 特開平6−39607号公報
複合加工工具によるワークの内周面の加工において、例えば、複合加工工具が送り方向に移動して第1加工部による加工が行われた後、第2加工部による加工が行われる場合、複合加工工具が送り方向とは反対方向(以下、「反送り方向」という。)に移動するとき、第1加工部が第2加工部により加工された部分を傷つけないようにされる。
このように、第1加工部による加工の終了後や複合加工工具による加工終了後に、第1加工部による加工が不要なときには、複合加工工具自体が中心軸線を中心に回転する工具である場合も含めて、前記内周面を加工する第1加工部の第1加工具の径方向位置が加工時よりも径方向内方に確実に位置するように、該第1加工具を径方向内方に位置させることが望ましい。
また、加工されるワークの内周面の加工精度を高めるために、周方向に配置される加工具(例えば、切削刃)の数を増加させる方法がある。しかしながら、加工具が複合加工工具の本体に取り付けられるカートリッチに設けられる場合、加工具を有するカートリッチの数を増加させるだけの周方向でのスペースを確保できず、加工具の増加が困難なこともある。特に、ワークの内周面の径が小さい場合には、複合加工工具の本体の外径も小さくなるため、加工具の増加は一層困難になる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ワークの内周面が第1加工部の第1加工具により加工された後に第2加工部の第2加工具により加工される複合加工工具において、前記第1加工具を径方向内方に位置させるリトラクト機構の機能向上を図ることを目的とする。
また、本発明は、第1加工具を有するカートリッチの小型化を図ることを目的とし、さらには、3以上のカートリッチを備える複合加工工具の小径化を図ることを目的とする。
請求項1記載の発明は、ワーク(W)に対して中心軸線(L1)を中心に相対的に回転する本体(2)と、前記本体(2)に設けられた第1加工部(6)および第2加工部(7)とを備え、前記ワーク(W)の内周面(S)が前記第1加工部(6)の第1加工具(22)により加工された後に前記第2加工部(7)の第2加工具(63)により加工される複合加工工具において、前記第1加工具(22)の径方向位置を前記内周面(S)を加工する第1加工位置と、前記内周面(S)を加工しない第1非加工位置とに変更可能なリトラクト機構(8)と、前記第2加工具(63)の径方向位置を、前記内周面(S)を加工する第2加工位置と、前記内周面(S)を加工しない第2非加工位置とに変更可能な位置可変機構(70)と、を備え、前記第1加工部(6)は、前記第1加工具(22)を有する1以上のカートリッチ(20)を備え、前記リトラクト機構(8)は、前記第1加工具(22)の径方向位置を変更する位置設定部(31)を有すると共に前記本体(2)に対して移動可能に支持される操作部材(30)と、前記操作部材(30)を駆動する駆動機構(40)と、前記カートリッチ(20)を径方向内方に付勢して前記位置設定部(31)に当接させる付勢部材(35)とを備え、前記操作部材(30)は、前記駆動機構(40)により駆動されて前記位置設定部(31)を通じて前記カートリッチ(20)の位置を変更することにより、前記第1加工具(22)の径方向位置を変更するものであり、前記複合加工工具が前記ワーク(W)に対して相対的に送り方向に移動する場合、前記リトラクト機構(8)は前記第1加工具(22)に前記第1加工位置を占めさせる一方、前記位置可変機構(70)は前記第2加工具(63)に前記第2加工位置および前記第2非加工位置の一方の位置を占めさせ、前記複合加工工具が前記ワーク(W)に対して相対的に反送り方向に移動する場合、前記リトラクト機構(8)は前記第1加工具(22)に前記第1非加工位置を占めさせる一方、前記位置可変機構(70)は前記第2加工具(63)に前記第2加工位置および前記第2非加工位置の他方の位置を占めさせる複合加工工具である。
これによれば、第2加工部に先立ってワークの内周面を加工する第1加工部の第1加工具を有するカートリッチは、リトラクト機構が備える付勢部材により径方向内方に付勢された状態で、第1加工具の径方向位置を変更するリトラクト機構の操作部材の位置設定部に当接する。この結果、カートリッチを径方向内方に付勢する付勢部材の付勢力により、第1加工具を位置設定部により変更される各径方向位置に確実に位置させることができ、さらに第1加工部が回転するときの遠心力などの外力がカートリッチに作用する場合にも、第1加工具が位置設定部により設定された径方向位置から径方向に移動することを防止できる。
また、リトラクト機構と位置可変機構とを備えることにより、複合加工工具の送り方向移動時において、第1加工具および第2加工具がこの順でワークの内周面を連続して加工する一方、複合加工工具の反送り方向移動時において、第1,2加工具が内周面を加工しない1ウェイ方式の加工、または、複合加工工具の送り方向移動時において、第1加工具がワークの内周面を加工する一方で第2加工具は該内周面を加工せず、複合加工工具の反送り方向移動時において、第2加工具が第1加工具により加工された内周面を加工する一方で第1加工具が該内周面を加工しない2ウェイ方式の加工が可能になり、複合加工工具の1往復でワークの内周面に2つの加工を施すことができるので、加工効率の向上およびコスト削減が可能になる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の複合加工工具において、前記カートリッチ(20)は、前記第1加工具(22)の径方向位置を調整可能な調整部材(24)を有し、前記カートリッチ(20)は、前記調整部材(24)において前記位置設定部(31)に当接するものである。
これによれば、カートリッチにおいて、第1加工具の径方向位置を調整可能な調整部材がリトラクト機構の操作部材の位置設定部に当接する当接部を兼ねるので、カートリッチを小型化できる。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の複合加工工具において、前記カートリッチ(20)は、前記本体(2)に対して回動中心線(L2)を中心に回動可能に回動支持部(12)に支持され、前記回動中心線(L2)と前記付勢部材(35)とが、前記カートリッチ(20)における前記位置設定部(31)との当接部位(P)を挟んで配置されるものである。
これによれば、回動支持部により規定される回動中心線に対して、付勢部材は当接部位よりも遠方の位置でカートリッチを付勢することから、付勢部材の付勢力よりも大きな押付け力でカートリッチを操作部材の位置設定部に当接させることができるので、位置設定部により第1加工具の径方向位置を設定するリトラクト機構の機能を高めながら、付勢部材を小型化できる。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の複合加工工具において、前記第1加工部(6)は、周方向に等しい間隔を置いて配置された3以上の同一の前記カートリッチ(20)を備え、前記第1加工具(22)と前記第2加工具(63)とが、軸線方向に直列に配置され、前記付勢部材(35)は、前記カートリッチ(20)と同じ軸線方向位置での周方向幅が軸線方向幅よりも小さい板バネ(35)であるものである。
これによれば、付勢部材は、カートリッチと同じ軸線方向位置での周方向幅が軸線方向幅よりも小さい板バネであることから、付勢部材を周方向で小型化できるので、第1加工部が3以上のカートリッチを有する場合にも、付勢部材により付勢される各カートリッチも小型化することができる。この結果、第1加工部が備える3以上のカートリッチによる第1加工具の数の増加により内周面の加工精度を向上しながら、各カートリッチの小型化による第1加工部の小径化、ひいては複合加工工具の小径化が可能になり、該複合加工工具による小径の内周面の加工が可能になる。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項記載の複合加工工具において、前記第1加工部(6)は、複数の前記カートリッチ(20)と、互いに周方向に等しい間隔を置いて配置された複数の同一のガイドパッド(16,17)を備え、前記各ガイドパッド(16,17)は、周方向で隣接する前記第1加工具(22)の、周方向での中央に配置されるものである。
これによれば、周方向に等間隔に複数のガイドパッドが配置されることから、それらガイドパッドが周方向に不均等に配置される場合に比べて、動的バランス性能が向上して、第1加工部の中心軸線の振れを抑制する効果を高めることができるので、内周面の加工精度が向上する。
請求項6記載の発明は、請求項1から5記載のいずれか1項記載の複合加工工具による加工方法において、前記複合加工工具の送り工程時に、前記第1加工具(22)は前記リトラクト機構(8)により前記第1加工位置を占める一方、前記第2加工具(63)は前記位置可変機構(70)により前記第2加工位置および前記第2非加工位置の一方の位置を占め、前記複合加工工具の戻り工程時に、前記第1加工具(22)は前記リトラクト機構(8)により前記第1非加工位置を占める一方、前記第2加工具(63)は前記位置可変機構(70)により前記第2加工位置および前記第2非加工位置の他方の位置を占めるものである。
これによれば、第1加工部がリトラクト機構を備え、第2加工部が位置可変機構を備えることにより、複合加工工具の送り工程において、第1加工具および第2加工具がこの順でワークの内周面を連続して加工する一方、複合加工工具の戻り工程において、第1,2加工具が内周面を加工しない1ウェイ方式の加工、または、複合加工工具の送り工程において、第1加工具がワークの内周面を加工する一方で第2加工具は該内周面を加工せず、複合加工工具の戻り工程において、第2加工具が第1加工具により加工された内周面を加工する一方で第1加工具が該内周面を加工しない2ウェイ方式の加工が可能になり、複合加工工具の1往復でワークの内周面に2つの加工を施すことができるので、加工効率の向上およびコスト削減が可能になる。
本発明によれば、ワークの内周面が第1加工部の第1加工具により加工された後に第2加工部の第2加工具により加工される複合加工工具において、第1加工具を径方向内方に位置させるリトラクト機構の機能を向上させることができる。また、本発明によれば、第1加工具を有するカートリッチの小型化が可能になり、さらには、3以上のカートリッチを備える第1加工部、ひいては複合加工工具の小径化が可能になる。
また、リトラクト機構と位置可変機構とを備えることにより、複合加工工具の送り方向移動時において、第1加工具および第2加工具がこの順でワークの内周面を連続して加工する一方、複合加工工具の反送り方向移動時において、第1,2加工具が内周面を加工しない1ウェイ方式の加工、または、複合加工工具の送り方向移動時において、第1加工具がワークの内周面を加工する一方で第2加工具は該内周面を加工せず、複合加工工具の反送り方向移動時において、第2加工具が第1加工具により加工された内周面を加工する一方で第1加工具が該内周面を加工しない2ウェイ方式の加工が可能になり、複合加工工具の1往復でワークの内周面に2つの加工を施すことができるので、加工効率の向上およびコスト削減が可能になる。
本発明の実施形態である複合加工工具の全体図である。 図1のII−II線断面図である。 (a)は、図1のIIIa矢視図であり、(b)は、図1および図2のIIIb−IIIb線断面図であり、(c)は、図1および図2のIIIc−IIIc線断面図である。 (a)は、図2のスカイビング加工部の拡大図であり、(b)は、図3(a)のIVb矢視図であり、一部が図1のIVb−IVb線断面図である。
以下、本発明の実施形態を図1〜図4を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明が適用された複合加工工具1は、工作機械(図示されず)に装着されて中心軸線L1を中心に回転駆動される軸状の本体2と、いずれも本体2に設けられる第1加工部としての切削加工部であるスカイビング加工部6および第2加工部としてのバニシング加工部7と、リトラクト機構8とを備える。
図1,図2を参照すると、本体2と一体に運動可能な両加工部6,7は本体2に対して軸線方向に直列に配置されて、スカイビング加工部6は、バニシング加工部7に対して複合加工工具1の送り方向側に配置される。
そして、スカイビング加工部6によりワークWが加工された後に、バニシング加工部7により該ワークWが加工される。この実施形態では、複合加工工具1の送り方向への移動時には、スカイビング加工部6によりスカイビング加工が行なわれ、次いで複合加工工具1の反送り方向への移動時にバニシング加工部7によりバニシング加工が行なわれる。
なお、この明細書および特許請求の範囲において、軸線方向は中心軸線L1に平行な方向であるとし、径方向および周方向は、それぞれ、中心軸線L1を中心とする径方向および周方向であるとする。
複合加工工具1は、円筒状のワークWに対して相対的に中心軸線L1に平行な送り方向に送られて、スカイビング加工部6の第1加工具としての切削刃22およびバニシング加工部7の第2加工具としてのバニシングローラ63が、ワークWの内周面S(例えば、中空部または孔が形成されたワークWの内周面S)を加工する。そして、リトラクト機構8は、切削刃22の径方向位置を変更可能である。
ワークWは、例えば貫通孔が設けられた円筒状部材であり、例えば、油圧または空気圧用アクチュエータのシリンダ、ショックアブソーバのシリンダである。
ワークWに対して中心軸線L1を中心に相対的に回転する本体2は、前記工作機械に接続されるシャンク3と、シャンク3に対して送り方向側に配置されてバニシング加工部7がシャンク3と共に一体に回転するように取り付けられる第2取付部5と、第2取付部5に対して送り方向側に配置されてスカイビング加工部6がシャンク3と共に一体に回転するように取り付けられる第1取付部4とを有する。本体2は、シャンク3、第1,第2取付部4,5が一体成形された単一の部材であるが、別の例として、シャンク3、第1,第2取付部4,5の少なくとも一部が別個の部材から構成されて、それらシャンク3、第1,第2取付部4,5が一体に結合された部材であってもよい。
スカイビング加工部6は、第1取付部4に隙間嵌めされた後に止めネジ(図示されず)により固定された円筒状のボディ10と、ボディ10に着脱可能に取り付けられて固定された1以上の、この実施形態では複数である所定数としての3つの同一のカートリッチ20と、内周面Sに摺接してボディ10の振れを抑制する複数としての6つのガイドパッド16,17とを備える。そして、全てのカートリッチ20は、周方向に等しい間隔を置いて配置され、軸線方向で同じ位置に配置される。
図1〜図4を参照すると、ボディ10には、各カートリッチ20を収容する前記所定数の凹部11と、各カートリッチ20を回動中心線L2を中心に回動可能に支持する回動支持部としての支持軸12とが設けられる。
凹部11により形成される収容空間11a(図3(b),図3(c),図4参照)には、カートリッチ20が、切削刃22がボディ10の最大外周面10aよりも径方向内方に位置しない範囲で収容される。中心軸線L1に平行な回動中心線L2を規定する支持軸12は収容空間11aを貫通して、軸線方向でのカートリッチ20の基体21の移動を規制する凹部11の1対の規制部11b,11c内に挿通された状態で、固定手段としてのネジ13によりボディ10に固定される。
各カートリッチ20は、軸線方向に平行に貫通する支持軸12に回動可能に支持される基体21と、基体21に固定されて内面を切削する切削刃22と、切削刃22の径方向位置を調整する調整機構23とを有する。
調整機構23は、図3(c),図4によく示されるように、基体21の径方向内方側に配置されてリトラクトピン30に当接する調整部材24と、径方向でリトラクトピン30に対向するように基体21に設けられて調整部材24が軸線方向に摺動可能に嵌合する案内部としての案内溝25と、基体21に対する軸線方向での調整部材24の位置を調整する調整具としての調整ネジ26と、調整後の調整部材24を基体21に対して固定する固定具としてのネジ27とを有する。
案内溝25は、軸線方向での位置に応じて径方向での位置が変わる傾斜面からなる案内面25aを有し、調整部材24は、該案内面25aに面接触する接触面24aを有する。そして、調整ネジ26により調整部材24の軸線方向位置を変更することにより、接触面24aが案内面25aに接触した状態で調整部材24が案内面24aに沿って案内されて、基体21および切削刃22の径方向位置が変更される。したがって、調整機構23により、スカイビング加工による内周面Sの径が変更可能である。
同一のガイドパッド16,17は、軸線方向で各カートリッチ20に対して送り方向側に配置される前記所定数である3つのガイドパッド16から構成される第1ガイド群G1と、各カートリッチ20に対して反送り方向側に配置される前記所定数である3つのガイドパッド17から構成される第2ガイド群G2とを構成するように、軸線方向に間隔を置いて配置される。各ガイドパッド16,17は、固定具としてのネジ18(図4(a)参照)によりボディ10に固定される。
各ガイド群G1,G2に属する全てのガイドパッド16,17は、互いに周方向に等しい間隔を置いて配置され、かつ周方向で隣接する切削刃22の、周方向での中央に配置される。したがって、各ガイド群G1,G2において、各ガイドパッド16,17は、周方向で同じ位置にある。
第1ガイド群G1の各ガイドパッド16は、各切削刃22と同じ軸線方向位置(すなわち、軸線方向において各切削刃22と重なる位置)に、かつ軸線方向で切削刃22の軸線方向長さよりも長い範囲に渡って延びている。
合成樹脂から形成されている各ガイドパッド16,17は、内周面S(図2参照)に摺接する円柱面の一部である摺接面16a,17aを有し、ボディ10の振れ、したがって切削刃22の振れを抑制して、加工精度を向上させる。このため、摺接面16a,17aは、切削刃22に対して、後記する拡径位置の切削刃22の最大径方向位置と同じか、または該最大径方向位置よりも僅かに径方向外方に位置する。
図1,図2,図3(b),図3(c),図4を参照すると、リトラクト機構8は、ボディ10に対して、したがってボディ10が固定された本体2に対して移動可能に支持された操作部材としてのリトラクトピン30と、リトラクトピン30を駆動する駆動機構40と、カートリッチ20の当接部としての調整部材24をリトラクトピン30に当接するように付勢する第1付勢部材としてのバネ部材である板バネ35と、リトラクトピン30が第1位置を占めるように付勢する第2付勢部材としての戻しバネ37とを備える。
リトラクトピン30は、切削刃22の径方向位置を設定する位置設定部31を構成する拡径位置設定部としての大径部32および該大径部32よりも小径の縮径位置設定部としての小径部33と、ボディ10とリトラクトピン30との間に配置される圧縮コイルバネからなる戻しバネ37が当接するバネ受け部38と、リトラクトピン30の反送り方向での位置を規制するストッパ33aとを有する。小径部33は、大径部32に対して反送り方向側に位置する。ストッパ33aは、小径部33の一部である径方向での段部により構成される。リトラクトピン30は、バネ受け部38を固定する固定部材としてのボルト39を有する。該ボルト39は、リトラクトピン30における軸線方向での端部を構成すると共に、第2駆動ロッド42と軸線方向で当接する当接部30aを構成する。なお、当接部30aは、別の例として、リトラクトピン30に一体成形された部分により構成されてもよい。
図1,図2を参照すると、駆動機構40は、本体2においてシャンク3および第1,第2取付部4,5に渡って配置された駆動ロッドを構成する第1,第2駆動ロッド41,42と、第1駆動ロッド41に結合されて両駆動ロッド41,42を駆動する駆動体としてのピストン43と、シャンク3内で軸線方向に移動可能なピストン43に駆動力を作用させる駆動力発生部とを備える。該駆動力発生部は、ピストン43を第1方向としての送り方向に駆動する第1駆動力発生部としての圧力室44と、ピストン43を第2方向としての反送り方向に駆動する第2駆動力発生部としての付勢部材である戻しバネ45とから構成される。
シャンク3内に設けられる圧力室44は、シリンダを構成するシャンク3と、ピストン43と、作動流体供給源からの作動流体としての高圧の空気が流通する流体通路46aを形成するソケット46とから形成される。シャンク3に接続されるソケット46は、圧力室44の端壁を兼ねる。そして、前記作動流体供給源からの空気は、該空気の給排を制御する制御弁(図示されず)により、流体通路46aを通じて圧力室44に対して供給および排出される。
第1,第2駆動ロッド41,42、戻しバネ45は、本体2内にシャンク3および第1,第2取付部4,5に渡って設けられて中心軸線L1と同軸の第1中空部51内に配置され、リトラクトピン30、戻しバネ37および第2駆動ロッド42の端部42a(図4(a)も参照)は、ボディ10に設けられて中空部51と連通すると共に中心軸線L1と同軸の第2中空部52内に配置される。中空部52はボディ10の端部に着脱可能に取り付けられるカバー55により閉塞される。
第1駆動ロッド41の送り方向への移動は、第1駆動ロッド41に設けられたストッパとしての大径部41aがシャンク3に当接することにより規制され、第1駆動ロッド41の反送り方向への移動は、ピストン43がソケット46と当接することにより規制される。第2駆動ロッド42は、軸線方向での両端部42a,42bで、リトラクトピン30および第1駆動ロッド41にそれぞれ当接する。
第1駆動ロッド41との当接時に第1駆動ロッド41と共に送り方向に移動してリトラクトピン30の軸線方向位置を規定する第2駆動ロッド42が設けられることにより、軸線方向での長さが異なる複数の第2駆動ロッド42を交換することで、第1駆動ロッド41に対する軸線方向でのリトラクトピン30の移動量を変更できる。この結果、複数種類のリトラクトピン30に対しても、さらには異なる種類の複合加工工具1に対しても、第1駆動ロッド41を共通の部材として使用することが可能になるので、コストの削減ができる。
図1,図3(b)を参照すると、板バネ35は、軸線方向に細長い矩形状を呈し、反送り方向側の端部である固定部35aにおいてボディ10に固定手段としてのネジ36により固定され、送り方向側の端部である押圧部35bにおいて、基体21における反送り方向側の端部である被押圧部21bに当接して、その付勢力により該被押圧部21bを径方向内方に常時押し付けている。被押圧部21bは、基体21に設けられた凹部であり、該凹部内に押圧部35bが収容され、被押圧部21bから固定部35aに至る部分はボディ10に設けられた凹部10c内に収容されることにより、板バネ35が、ボディ10の外周面10aから径方向外方に突出することが防止される。
板バネ35において、カートリッチ20の基体21と同じ軸線方向位置(すなわち、軸線方向において基体21と重なる位置)にある重合部分でもある押圧部35bの周方向幅は、軸線方向幅の最大値よりも小さい。そして、図3(c)に示されるように、該重合部分である押圧部35bおよび該押圧部35bと固定部35aとの間の中間部分35cの板バネ35の周方向幅A2は、基体21の最大の周方向幅A1の1/3以下である。
図3(c)を参照すると、回動中心線L2または支持軸12と板バネ35とがカートリッチ20におけるリトラクトピン30との当接部位P(ここでは、調整部材24における部位である。)を挟んで配置され、または、回動中心線L2または支持軸12はカートリッチ20の一方の周方向端部寄りに配置され、板バネ35の押圧部はカートリッチ20の他方の周方向端部寄りに配置される。
このため、回動中心線L2が延びている方向(この実施形態で、軸線方向でもある。)から見たとき、回動中心線L2または支持軸12に対して、板バネ35の押圧部35bおよび基体21の被押圧部21bは、当接部位Pおよびカートリッチ20の重心よりも遠方に位置する。
図1,図2を参照すると、バニシング加工部7は、キー60により第2取付部5と一体に回転すると共に軸線方向に移動可能に第2取付部5に設けられたマンドレル61と、第2取付部5に設けられたネジ部5aに螺合して軸線方向でのマンドレル61の移動を阻止するストッパとしての固定ナット62と、複数のバニシングローラ63と、各バニシングローラ63をマンドレル61の外周面61a上で回転可能に保持する円筒状のフレーム64と、ブッシュ66を介して第2取付部5に軸線方向に移動可能に支持されると共にフレーム64に結合されたステム65と、ネジ部5aに螺合して軸線方向に移動可能であると共に軸線方向でのフレーム64の位置を調整可能な調整部材としての調整ナット67と、調整ナット67に対してフレーム64およびステム65を回転可能に支持するスラスト軸受68とを有する。
マンドレル61の外周面61aは、送り方向に大径となるテーパ面で構成され、各バニシングローラ63の外周面63aは、外周面61aに線接触可能であると共に送り方向に小径となるテーパ面で構成される。調整ナット67は、第2取付部5のネジ部5aに螺合し、調整後に固定具としてのネジ69により固定される。調整ナット67を回動させてブッシュ66,ステム65およびフレーム64の軸線方向位置を変更することにより、マンドレル61に対するバニシングローラ63の軸線方向位置が調整可能であると同時に、各バニシングローラ63の径方向位置が変更可能であり、この調整ナット67により、加工される内周面Sの径が調整される。
このように、バニシング加工部7は、各バニシングローラ63の径方向位置を変更可能な位置可変機構70を備える。そして、この位置可変機構70は、バニシングローラ63により加工される内周面Sの径を設定する設定部材でもある調整ナット67と、一体に結合されたスラスト軸受68、ブッシュ66、ステム65およびフレーム64から構成されるスライダ71と、第2取付部5に設けられた固定ナット62と、バニシングローラ63の径方向位置を定める位置決め部材としてのマンドレル61と、ネジ69とを有する。
スライダ71は、バニシングローラ63が内周面Sと接触する場合に生じる摩擦力により、複合加工工具1が送り方向に移動するとき、第2取付部5およびマンドレル61に対して反送り方向にバニシングローラ63と共に移動し、複合加工工具1が反送り方向に移動するとき、第2取付部5およびマンドレル61に対して送り方向にバニシングローラ63と共に移動する。
そして、反送り方向でのスライダ71の移動は、ステム65が固定ナット62と軸線方向で当接することにより規定され、反送り方向でのスライダ71およびバニシングローラ63の最大移動位置は、ストッパとしての固定ナット62により設定される。
また、送り方向でのスライダ7の移動は、スラスト軸受68が調整ナット67と軸線方向で当接することにより規定され、送り方向でのスライダ71およびバニシングローラ63の最大移動位置は、調整ナット67により設定される。したがって、そして、調整ナット67を有する位置可変機構70によりバニシング加工による加工孔の径が変更可能である。
さらに、マンドレル61との協働により軸線方向に移動することでバニシングローラ63の径方向位置を変更するスライダ71は、反送り方向にフリー移動する。ここでフリー移動とは、弾性部材(例えば、バネ)の弾性力による抵抗力を受けることなく移動することを意味する。
図2,図3(b),図3(c),図4(a)を参照して、リトラクト機構8およびカートリッチ20の動作について説明する。
駆動機構40の圧力室44に高圧空気が供給されず、ピストン43が戻しバネ45に付勢されてソケット46と当接する図2に示される位置にあるとき、第1駆動ロッド41は、第2駆動ロッド42およびリトラクトピン30を送り方向に駆動しない。このため、リトラクトピン30は、戻しバネ37により付勢されてストッパ33aにより規制された図4(a)に実線で示される軸線方向での第1位置を占める。リトラクトピン30がこの第1位置にあるとき、板バネ35により径方向内方に常時付勢されている各カートリッチ20が、その調整部材24にて位置設定部31の大径部32に当接し(図3(c),図4(a)参照)、各カートリッチ20、したがって各切削刃22が、内周面Sをスカイビング加工する第1加工位置である拡径位置を占める(図3(b),図4参照)。
そして、前記工作機械により駆動された複合加工工具1が中心軸線L1を中心に回転しながら送り方向に移動する送り工程において、この拡径位置にある切削刃22により、内周面S(図2参照)がスカイビング加工される。また、送り工程時に、バニシング加工部7では、スカイビング加工部6により加工された内周面Sとバニシングローラ63との接触により、スラスト軸受68、ブッシュ66、ステム65およびフレーム64から構成されるスライダ71が、バニシングローラ63と共にマンドレル61および第2取付部5に対して反送り方向に移動する。
このため、バニシングローラ63は、マンドレル61に案内されながら内周面Sに倣って径方向内方に移動して、後記する拡径位置よりも小径であって、バニシングローラ63が内周面Sを加工しない第2非加工位置である縮径位置を占める。そして、ステム65が固定ネジ62と当接するとき、バニシングローラ63は回転軸線L1からの距離が最小の縮径位置を占める。
また、反送り方向へのスライダ71の移動時は、スライダ71が前記フリー移動することから、バニシングローラ63は内周面Sとの間の小さな摩擦力で容易に移動するため、複合加工工具1の移動抵抗が小さくなる。
送り加工が終了して、切削刃22によるスカイビング加工が終了した後、駆動機構40の圧力室44に高圧空気が供給されると、圧力室44内の空気の圧力により駆動されたピストン43が戻しバネ45に抗して、大径部41aがシャンク3に当接するまで送り方向に移動する。そして、ピストン43の送り方向への移動と同時に第1駆動ロッド41が送り方向に移動して、第2駆動ロッド42およびリトラクトピン30を送り方向に駆動して、リトラクトピン30が図4(a)に二点鎖線で示される軸線方向での第2位置を占める。リトラクトピン30がこの第2位置にあるとき、板バネ35により付勢されている各カートリッチ20が、その調整部材24にて位置設定部31の小径部33に当接し(図3(c),図4(a)に二点鎖線で示される。)、各カートリッチ20、したがって各切削刃22が、前記拡径位置よりも径方向内方に位置する縮径位置(図3(b)に二点鎖線で示される。)を占める。この縮径位置は、切削刃22が内周面Sを加工しない第1非加工位置である。
次いで、複合加工工具1が回転しながら反送り方向に移動してワークWから抜き出される戻り工程において、バニシングローラ63はスカイビング加工された内周面Sとの接触により、スラスト軸受68、ブッシュ66、ステム65およびフレーム64がバニシングローラ63と共にマンドレル61および第2取付部5に対して送り方向に移動して、スラスト軸受68が調整ナット67に当接する。この状態で、送り工程時よりも径方向外方に移動したバニシングローラ63は、バニシングローラ63が内周面Sをバニシング加工する第2加工位置である拡径位置を占める。
そして、切削刃22が縮径位置にある状態の戻り工程において、拡径位置にあるバニシングローラ63により内周面S(図2参照)がバニシング加工される。
このとき、切削刃22は縮径位置にあるため、バニシング加工が施された内周面Sに切削刃22が接触すること、したがって傷を付けることが防止される。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
ワークWの内周面Sがスカイビング加工部6の切削刃22により加工された後にバニシング加工部7のバニシングローラ63により加工される複合加工工具1において、リトラクト機構8は、切削刃22の径方向位置を変更する位置設定部31を有すると共に本体2に対して移動可能に支持されるリトラクトピン30と、リトラクトピン30を駆動する駆動機構40と、切削刃22を有するカートリッチ20を径方向内方に付勢して位置設定部31に当接させる板バネ35とを備え、リトラクトピン30は、駆動機構40により駆動されて位置設定部31を通じてカートリッチ20の位置を変更することにより、切削刃22の径方向位置を変更する。
この構造により、バニシング加工部7に先立ってワークWの内周面Sを加工するスカイビング加工部6の切削刃22を有するカートリッチ20は、リトラクト機構8が備える板バネ35により径方向内方に付勢された状態で、切削刃22の径方向位置を変更するリトラクト機構8のリトラクトピン30の位置設定部31に当接する。この結果、カートリッチ20を径方向内方に付勢する板バネ35の付勢力により、切削刃22を位置設定部31により変更される各径方向位置に確実に位置させることができ、さらにスカイビング加工部6が回転するときの遠心力やクーラントの液圧などの外力がカートリッチ20に作用する場合にも、切削刃22が位置設定部31により設定された径方向位置から径方向に移動することを防止できて、リトラクト機構8の機能を向上させることができる。
カートリッチ20は、切削刃22の径方向位置を調整可能な調整部材24を有し、カートリッチ20は、調整部材24において位置設定部31に当接することにより、カートリッチ20において、調整部材24がリトラクトピン30の位置設定部31に当接する当接部を兼ねるので、切削刃の径方向位置を調整可能な調整部材とリトラクトピンの位置設定部に当接する当接部とが別々に設けられるカートリッチに比べて、動的バランス性能が向上して、カートリッチ20を小型化できる。
カートリッチ20は、基体21に対して回動中心線L2を中心に回動可能に支持軸12に支持され、回動中心線L2と板バネ35とが、カートリッチ20における位置設定部31との当接部位Pを挟んで配置されることにより、支持軸12により規定される回動中心線L2に対して、板バネ35は当接部位Pよりも遠方の位置でカートリッチ20を付勢することから、板バネ35の付勢力よりも大きな押付け力でカートリッチ20を位置設定部31に確実に当接させることができるので、位置設定部31により切削刃22の径方向位置を設定するリトラクト機構8の機能を高めながら、板バネ35を小型化できる。
スカイビング加工部6は、周方向に等間隔に配置された3つの同一のカートリッチ20を備え、切削刃22とバニシングローラ63とが軸線方向に直列に配置され、板バネ35は、カートリッチ20と同じ軸線方向位置での周方向幅が軸線方向幅よりも小さいことにより、板バネ35を周方向で小型化できるので、スカイビング加工部6が3つのカートリッチ20を有する場合にも、板バネ35に付勢される各カートリッチ20も小型化することができる。この結果、スカイビング加工部6が備える3つのカートリッチ20による切削刃22の数の増加によりワークWの内周面Sの加工精度(例えば、円形断面を有する内周面の真円度)を向上させながら、各カートリッチ20の小型化によるスカイビング加工部6の小径化、ひいては複合加工工具1の小径化が可能になり、該複合加工工具1による小径の内周面Sの加工が可能になる。
スカイビング加工部6は、3つのカートリッチ20と、互いに周方向に等しい間隔を置いて配置された3つの同一のガイドパッド16を備え、各ガイドパッド16は、周方向で隣接する切削刃22の、周方向での中央に配置されることにより、周方向に等間隔に3つのガイドパッド16が配置されることから、それらガイドパッド16が周方向に不均等に配置される場合に比べて、スカイビング加工部6の中心軸線L1の振れを抑制する効果を高めることができるので、内周面Sの加工精度が向上する。さらに、3つのガイドパッド16,17から構成される第1,第2ガイド群G1,G2が、カートリッチ20に対して、軸線方向での両側に、軸線方向での間隔をおいて設けられるので、スカイビング加工部6の中心軸線L1の振れ抑制効果を一層高めることができる。
各ガイドパッド16,17は合成樹脂から形成されていることにより、ガイドパッド16,17を軽量化できて、ガイドパッド16,17に作用する遠心力を小さくできるので、中心軸線L1の振れ抑制効果の向上に寄与する。そのうえ、ガイドパッド16,17と加工面との接触に起因する傷の発生に対する加工面の保護が容易になる。
リトラクト機構8は、切削刃22の径方向位置を内周面Sを加工する第1加工位置(拡径位置)と、内周面Sを加工しない第1非加工位置(縮径位置)とに変更し、複合加工工具1はバニシングローラ63の径方向位置を、内周面Sを加工する第2加工位置(拡径位置)と、内周面Sを加工しない第2非加工位置(縮径位置)とに変更可能な位置可変機構70を備え、複合加工工具1の送り工程時に、切削刃22はリトラクト機構8により第1加工位置を占める一方、バニシングローラ63は位置可変機構70により第2非加工位置を占め、複合加工工具1の戻り工程時に、切削刃22はリトラクト機構8により非加工位置を占める一方、バニシングローラ63は位置可変機構70により第2加工位置を占める。
この構造により、複合加工工具1の送り工程において、切削刃22がワークWの内周面Sを加工する一方でバニシングローラ63は該内周面Sを加工せず、複合加工工具1の戻り工程において、バニシングローラ63が切削刃22により加工された内周面Sを加工する一方で切削刃22が該内周面Sを加工しない2ウェイ方式の加工が可能になり、複合加工工具1の1往復でワークWの内周面Sに2つの加工を施すことができるので、加工効率の向上およびコスト削減が可能になる。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
マンドレル61の外周面61aが送り方向に小径となるテーパ面で構成され、バニシングローラ63の外周面63aが送り方向に大径となるテーパ面で構成されて、バニシングローラ63が、複合加工工具1の送り工程時に、位置可変機構70により第2加工位置を占め、複合加工工具1の戻り工程時に、位置可変機構70により第2非加工位置を占めるように、バニシング加工部7が構成されてもよい。
この構造により、複合加工工具1の送り工程において、切削刃22およびバニシングローラ63がこの順で内周面Sを連続して加工する一方、戻り工程において、切削刃22およびバニシングローラ63が内周面Sを加工しない1ウェイ方式の加工が行われる。この結果、前記実施形態と同様に、複合加工工具1の1往復でワークWの内周面Sに2つの加工を施すことができるので、加工効率の向上およびコスト削減が可能になる。
本体2がワークWに対して中心軸線L1を中心に相対的に回転する形態の別の例として、本体2が非回転であり、ワークWが回転する形態、本体2およびワークWが共に回転する形態であってもよい。
複合加工工具1がワークWに対して相対的に送り方向(または反送り方向)に移動する形態の別の例として、複合加工工具1が軸線方向に移動することなく、ワークWが軸線方向に移動する形態、複合加工工具1およびワークWが共に軸線方向に移動する形態であってもよい。
位置設定部31は、外径が異なる3以上の部分から構成されてもよく、また外径が連続的に変化する部分、例えばテーパ面を有する部分から構成されてもよい。このような位置設定部31によれば、最も径方向内方の縮径位置に対して複数の拡径位置を設定できる。
スカイビング加工部6が備えるカートリッチ20の数である前記所定数は、2または4以上の数であってもよい。
カートリッチ20を径方向内方に向けて付勢するバネ部材は、板バネ35以外に、コイルバネまたは皿バネであってもよい。
回動中心線L2は、中心軸線L1と交差する平面に含まれる直線であって、かつ中心軸線L1に平行でない直線であってもよい。
第1,第2駆動ロッド41,42を駆動する前記駆動体は、第1駆動ロッド41を押圧して送り方向に移動させるプッシュロッドであってもよく、また該駆動体に駆動力を作用させる前記駆動力発生部は、流体圧力を使用した機構以外に、電磁気力を使用した機構(例えばソレノイド)、またはマニュアル式の機構であってもよい。
第1加工部および第2加工部が、軸線方向において互いに重なる位置に配置されてもよい。
第1加工部は、スカイビング加工部6以外の切削加工部であってもよく、また研削加工部であってもよい。第2加工部は、バニシング加工部7以外に、切削加工部または研削加工部であってもよい。
1 複合加工工具、
2 本体
6 スカイビング加工部
7 バニシング加工部
8 リトラクト機構
16,17 ガイドパッド、
20 カートリッチ、
22 切削刃
24 調整部材
30 リトラクトピン
31 位置設定部
35 板バネ
40 駆動機構
63 バニシングローラ
70 位置可変機構
W ワーク
L1 中心軸線
L2 回動中心線

Claims (6)

  1. ワークに対して中心軸線を中心に相対的に回転する本体と、前記本体に設けられた第1加工部および第2加工部とを備え、前記ワークの内周面が前記第1加工部の第1加工具により加工された後に前記第2加工部の第2加工具により加工される複合加工工具において、
    前記第1加工具の径方向位置を前記内周面を加工する第1加工位置と、前記内周面を加工しない第1非加工位置とに変更可能なリトラクト機構と、
    前記第2加工具の径方向位置を、前記内周面を加工する第2加工位置と、前記内周面を加工しない第2非加工位置とに変更可能な位置可変機構と、を備え、
    前記第1加工部は、前記第1加工具を有する1以上のカートリッチを備え、
    前記リトラクト機構は、前記第1加工具の径方向位置を変更する位置設定部を有すると共に前記本体に対して移動可能に支持される操作部材と、前記操作部材を駆動する駆動機構と、前記カートリッチを径方向内方に付勢して前記位置設定部に当接させる付勢部材とを備え、
    前記操作部材は、前記駆動機構により駆動されて前記位置設定部を通じて前記カートリッチの位置を変更することにより、前記第1加工具の径方向位置を変更するものであり、
    前記複合加工工具が前記ワークに対して相対的に送り方向に移動する場合、前記リトラクト機構は前記第1加工具に前記第1加工位置を占めさせる一方、前記位置可変機構は前記第2加工具に前記第2加工位置および前記第2非加工位置の一方の位置を占めさせ、
    前記複合加工工具が前記ワークに対して相対的に反送り方向に移動する場合、前記リトラクト機構は前記第1加工具に前記第1非加工位置を占めさせる一方、前記位置可変機構は前記第2加工具に前記第2加工位置および前記第2非加工位置の他方の位置を占めさせることを特徴とする複合加工工具。
  2. 請求項1記載の複合加工工具において、
    前記カートリッチは、前記第1加工具の径方向位置を調整可能な調整部材を有し、
    前記カートリッチは、前記調整部材において前記位置設定部に当接することを特徴とする複合加工工具。
  3. 請求項1または2記載の複合加工工具において、
    前記カートリッチは、前記本体に対して回動中心線を中心に回動可能に回動支持部に支持され、
    前記回動中心線と前記付勢部材とが、前記カートリッチにおける前記位置設定部との当接部位を挟んで配置されることを特徴とする複合加工工具。
  4. 請求項1から3のいずれか1項記載の複合加工工具において、
    前記第1加工部は、周方向に等しい間隔を置いて配置された3以上の同一の前記カートリッチを備え、
    前記第1加工具と前記第2加工具とが、軸線方向に直列に配置され、
    前記付勢部材は、前記カートリッチと同じ軸線方向位置での周方向幅が軸線方向幅よりも小さい板バネであることを特徴とする複合加工工具。
  5. 請求項1から4のいずれか1項記載の複合加工工具において、
    前記第1加工部は、複数の前記カートリッチと、互いに周方向に等しい間隔を置いて配置された複数の同一のガイドパッドを備え、
    前記各ガイドパッドは、周方向で隣接する前記第1加工具の、周方向での中央に配置されることを特徴とする複合加工工具。
  6. 請求項1から5のいずれか1項記載の複合加工工具による加工方法において
    記複合加工工具の送り工程時に、前記第1加工具は前記リトラクト機構により前記第1加工位置を占める一方、前記第2加工具は前記位置可変機構により前記第2加工位置および前記第2非加工位置の一方の位置を占め、
    前記複合加工工具の戻り工程時に、前記第1加工具は前記リトラクト機構により前記第1非加工位置を占める一方、前記第2加工具は前記位置可変機構により前記第2加工位置および前記第2非加工位置の他方の位置を占めることを特徴とする加工方法。
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