以下、本発明による制御装置の実施形態について説明する。
図1及び図3には、車両外部の電源から車両に搭載された高圧の蓄電装置(以下、「高圧バッテリ」と記す。)140を直接充電することが可能なプラグインハイブリッド車両1(以下、単に「ハイブリッド車両」と記す。)が示されている。
ハイブリッド車両1は、動源力として、燃料タンクに充填されたガソリン等で駆動されるエンジン100、主に発電機として機能する第1モータジェネレータ(以下、モータジェネレータを「MG」と記す。)110、主に電動機として機能する第2MG120を備えている。
第1MG110及び第2MG120は交流回転電機で構成され、例えば、U相コイル、V相コイル及びW相コイルを備える三相交流同期回転機が用いられる。
第1MG110による発電電力により第2MG120が駆動され、或いは高圧バッテリ140が充電される。高圧バッテリ140に充電された電力は必要に応じて第2MG120に供給されて車両の走行に消費される。
エンジン100または第2MG120の少なくとも一方からの駆動力によって車両が走行可能なように、エンジン100と第1MG110及び第2MG120が動力分割機構130に連結されている。
動力分割機構130は、サンギヤと、ピニオンギヤと、キャリアと、リングギヤとを含み、ピニオンギヤがサンギヤ及びリングギヤと係合する遊星歯車機構で構成されている。ピニオンギヤを自転可能に支持するキャリアがエンジン100のクランクシャフトに連結され、サンギヤが第1MG110の回転軸に連結され、リングギヤが第2MG120の回転軸及び減速機構150に連結され、減速機構150を介して車軸160に駆動力が伝達される。尚、図1中、符号170で示される部位は、車軸160に固定された車輪170を示している。
図2に示すように、遊星歯車機構は、サンギヤ、リングギヤ、及びプラネタリキャリヤのうちの何れか二つについて回転数が決定されると、残り一つの回転数は一定に定まり、エンジン100、第1MG110、及び第2MG120の回転数が共線図上に直線で結ばれるように関係付けられている。
図2(a)に示す停車時から車両が発進するときには、図2(b)に示すように、エンジン100が停止された状態で、第2MG120が駆動される。軽負荷での走行時も、同様にエンジン100が停止された状態で、第2MG120が駆動される。エンジン効率のよい運転領域で定常走行する場合には、主にエンジン100の出力で走行し、動力分割機構130を介して駆動される第1MG110による発電電力で第2MG120が駆動され、エンジン出力がアシストされる。
図2(c)に示すように、エンジン100の始動時には、スタータとして機能する第1MG110が駆動され、エンジン100の始動後は第1MG110による発電電力で高圧バッテリ140が充電される。図2(d)に示すように、定常走行から加速する場合には、エンジン100の回転数を上昇させると同時に、第1MG110による発電電力により第2MG120を駆動し、発電電力が不十分な場合には、高圧バッテリ140から第2MG120に電力が供給される。
図1及び図3に示すように、ハイブリッド車両1には、高圧バッテリ140から充電される低圧バッテリ150と、エンジン100を制御するエンジンECU(以下、「ENG−ECU」と記す。)11、第1MG110及び第2MG120を制御するモータECU(以下、「MG−ECU」と記す。)12、車両外部の電源から供給される電力によって高圧バッテリ140を制御する充電ECU(以下、「CHG−ECU」と記す。)15が設けられ、これらのECU11,12,15を統括して車両の走行システムを制御するプラグインハイブリッドビークルECU(以下、「PIHV−ECU」と記す。)10が設けられている。
さらに、ナビゲーションシステムを制御するナビECU14、各種の情報を運転席前部のインスツルメントパネルに表示するメータECU13、盗難防止機能を実現する防盗ECU、スマートキーで車両のロックまたはロック解除を制御するスマートECUなどの電子制御装置(以下、「ECU」と記す。尚、ECUは、Electric Control Unitを意味する)が搭載されている。
各ECUには、CPU、CPUで実行される制御プログラムが格納されたROM、ワーキングエリアとして使用されるRAMを備えた単一または複数のマイクロコンピュータと、入出力インタフェース回路等の周辺回路、必要に応じて重要な制御情報を格納するためのEEPROM等の不揮発性メモリが設けられている。
各ECUには、低圧バッテリ150から供給されるDC12Vの直流電圧から所定レベルの制御電圧(例えば、DC5V)を生成するDCレギュレータが設けられ、DCレギュレータの出力電圧がマイクロコンピュータ等の制御回路に供給され、CPUにより制御プログラムが実行されることにより、ECU毎に所期の機能が実現される。
各ECUは、バス型ネットワークであるCAN(Controller Area Network)やBEAN(Body Electronics Area Network)等の通信ライン180を介して接続され、ECU間で各種の制御情報が授受される。尚、CAN通信ラインにはパワートレーン系のECUが接続され、BEAN通信ラインには電装系のECUが接続され、双方の通信ラインの交信のためにゲートウェイECUが設けられている。
システムスイッチが投入されると、PIHV−ECU10は、運転者により操作されるアクセルペダルの踏込み量等に基づいて算出した運転者の要求出力と、高圧バッテリ140の充電状態に基づいて算出した充電要求値とから、車両に必要とされる全出力を算出し、エンジン動力が必要な場合にENG−ECU11にエンジン制御指令を出力し、モータ動力が必要な場合にMG−ECU12にモータ制御指令を出力する走行制御処理を実行する。
PIHV−ECU10により所定インタバルで高圧バッテリ140の電流、電圧、温度が監視され、それらの値を変数とする所定の演算式に基づいて、高圧バッテリ140の充電状態SOC(State of Charge)が算出され、PIHV−ECU10に備えたRAMに記憶される。尚、RAMに記憶されたSOC等の重要な制御情報は、システムスイッチが遮断されたときにEEPROMに退避され、システムスイッチが投入されたときに、EEPROMからRAMに読み出される。
ENG−ECU11は、PIHV−ECU10からのエンジン制御指令に基づいて、目標回転数と目標トルクを満たすようにエンジン100を駆動制御する。エンジンの動力の一部が車両の走行に用いられ、一部が第1MG11による発電動力に用いられる。
高圧バッテリ140からの給電経路には、システムメインリレーSMRを介して昇降圧DC−DCコンバータ21が設けられ、昇降圧DC−DCコンバータ21に第1インバータ22、第2インバータ23が並列に接続され、第1インバータ22、第2インバータ23の出力端子が第1MG110及び第2MG120のU相,V相,W相の各コイルに接続されている。
また、当該給電経路には、降圧回路を介して鉛蓄電池でなる低圧バッテリ150が高圧バッテリ140の給電線を介して充電可能に接続されるとともに、エアコンディショナ(以下、「AC」と記す。)160、低圧バッテリ150から給電されるヘッドライト、及びワイパーモータ等の補機が接続されている。
MG−ECU12は、PIHV−ECU10からのモータ制御指令に基づいて、動力分割機構130を介して駆動される第1MG110からの発電電力を、第1インバータ22を介して取り出して、第2インバータ23を介して第2MG120に供給し、或いは、第1インバータ22を介して取り出した電力を昇降圧DC−DCコンバータ21を介して所定の充電電圧に降圧して高圧バッテリ140を充電する。
また、モータ単独走行時には、MG−ECU12は、PIHV−ECU10からのモータ制御指令に基づいて、高圧バッテリ140の出力電圧を昇降圧DC−DCコンバータ21により昇圧するとともに第2インバータ23を制御して、第2MG120を所定のトルクで駆動する。
高圧バッテリ140としてニッケル水素二次電池やリチウムイオン二次電池が用いられ、その充電状態SOCが所定の上限値及び下限値の範囲に維持されるように、PIHV−ECU10により管理される。
システムスイッチが遮断されているときに、車両に備えた充電用のインレット25に、外部の商用電源29のコンセントに接続された充電ケーブル26のコネクタ27が装着されると、PIHV−ECU10は、プラグイン用の充電処理を実行し、そのときの高圧バッテリ140の充電状態に基づいて必要な充電量を算出し、CHG−ECU15に充電指令を出力する。
CHG−ECU15には、高圧バッテリ140への充電を制御するマイクロコンピュータと、外部電源から供給される交流電力を直流電力に変換するAC/DC変換器を備え、AC/DC変換器により変換された直流電力を高圧バッテリ140に供給して充電する。
以下、PIHV−ECU10によって実行されるプラグイン充電処理について詳述する。
図4に示すように、充電ケーブル26は、車両外部の電源から車両に搭載された高圧バッテリ150に給電する電力ケーブル26aと、電力ケーブル26aに介装された充電回路遮断装置(以下、「CCID(Charging Circuit Interrupting Device)」と記す。)30と、CCID30から出力されるコントロールパイロット信号CPLT(以下、「パイロット信号」とも記す。)を伝送する信号線26bを備えている。
CCID30には、電力ケーブル26aに介装された給電リレー31と、車両側の充電処理を起動するパイロット信号CPLTを生成する信号生成部32と、パイロット信号CPLTの信号レベルを検出する電圧検知部38と、信号生成部32を制御するマイクロコンピュータでなる制御部35と、信号生成部32や制御部35等に制御用の直流電力を生成する電源回路33等を備えている。
さらに、電力ケーブル26aの漏電を検知する漏電検知回路34と、給電リレー31より車両側の電力ケーブル26aの電圧を検知する交流電圧検知回路36と、モニタ表示用のLED37等を備えている。
漏電検知回路34の出力が制御部35に入力され、漏電時に制御部35によりLED37が点灯制御される。電圧検知回路36の出力が制御部35に入力され、充電時に異常電圧が検知されると制御部35によりLED37が点灯制御される。
PIHV−ECU10は、サブCPU10aが組み込まれた第一マイクロコンピュータと、メインCPU10bが組み込まれた第二マイクロコンピュータを備えて構成され、第一マイクロコンピュータと第二マイクロコンピュータがDMA転送可能な通信ライン10cで接続されている。第一マイクロコンピュータ及び第二マイクロコンピュータの内部にROM,RAMが組み込まれ、第二マイクロコンピュータの外部にEEPROMが接続されている。
サブCPU10aは、低圧バッテリ150から常時給電され、メインCPU10bは、低圧バッテリ150の給電ラインに介装された電源リレーを介して給電されるように構成されている。尚、ENG−ECU11やMG−ECU12等の他のECUも当該電源リレーを介して給電される。
サブCPU10aは、主に電源管理処理を実行するCPUで、低消費電力状態であるスリープ状態のときにポートP1からシステムスイッチの投入信号が入力されると、ポートP3から制御信号を出力して電源リレーを閉じることによりメインCPU10bを起動し、通信ライン10cを介して通常モードとであることを通知する。通常モードとは、以下に説明するプラグイン充電モードとは異なり、車両の走行制御が許容されるモードをいう。
また、サブCPU10aは、システムスイッチの遮断信号が入力されると、メインCPU10bにシャットダウン処理を起動するように、通信ライン10cを介してシャットダウン要求信号を出力し、自らはスリープ状態に入る。スリープ状態とは、例えばCPUがストップ命令やホルト命令等を実行して、CPUの一部の回路以外の動作を停止する低消費電力状態に移行した状態を意味する。
メインCPU10bは、システムスイッチが投入されると、EEPROMに退避した制御情報をRAMに読み出して、上述した走行制御処理を実行し、システムスイッチが遮断されシャットダウン要求信号を受信すると、シャットダウン処理を実行して、その後電源リレーを開放する。
シャットダウン処理とは、メインCPU10bに接続されている負荷を停止させ、RAMに記憶されたSOC等の重要な制御情報をEEPROMに退避するとともに、ポートSPからCAN(通信ライン180)を介して他のECUに電源スイッチが遮断された旨の情報を送信する等の処理である。
尚、サブCPU10aのポートP3、及びメインCPU10bのポートP10の双方から出力される電源リレーに対する制御信号線がOR回路を介して電源リレーに接続されており、サブCPU10aから出力される制御信号により電源リレーがオンされ、その後メインCPU10bから出力される制御信号により電源リレーのオン状態が維持されるように構成されている。
サブCPU10aがスリープ状態に移行する際に、サブCPU10aから電源リレーをオフする制御信号が出力されるが、メインCPU10bから電源リレーをオフする制御信号が出力されるまでの間は、メインCPU10bにより電源リレーのオン状態が維持される。
さらに、サブCPU10aは、スリープ状態のときにポートP2に入力されるパイロット信号の立ち上がりエッジによりスリープ状態から復帰して、電源リレーを閉じることによりメインCPU10bを起動し、通信ライン10cを介してプラグイン充電モード(以下、「充電モード」と記す。)であることを通知する。尚、当該充電モードでは走行制御が禁止される。
メインCPU10bは、主に車両の走行システムを制御する走行制御処理と、プラグイン充電処理等を実行するCPUで、通常モードでは上述したENG−ECU11及びMG−ECU12等を制御して、走行システムに関する制御処理を実行し、充電モードではCHG−ECU15を制御して、高圧バッテリ140に対する充電処理を実行する。
尚、高圧バッテリ140への充電処理の実行中に、低圧バッテリ150への充電が実行されるように、高圧バッテリ140の給電線と低圧バッテリ150の間に降圧充電回路が設けられている。
メインCPU10b側のマイクロコンピュータの入力用ポートP4にはPISW信号が入力され、入力用ポートP5及びポートP6にはパイロット信号が入力されている。更に出力用のポートP7,P8にはパイロット信号の信号レベルを切り替えるスイッチSW1,SW2が接続されている。
PISW信号とは、充電ケーブル26のコネクタ27がインレット25に挿入されたことを検知するスイッチ信号で、コネクタ27をインレット25へ固定するロック機構を操作するロックレバーの操作により断続されるスイッチSW5の信号で、当該スイッチSW5はコネクタ27に収容されている。
コネクタ27がインレット25に挿入されると、入力用ポートP4にローレベルの信号が入力され、コネクタ27がインレット25から引き抜かれ、或いはロックレバーが操作されると、入力用ポートP4にハイレベルの信号が入力される。
メインCPU10bは、PISW信号の状態に基づいて、充電ケーブル26が車両に接続されているか否かを判断する。尚、PISW信号は、充電ケーブル26が車両に接続された状態で車両が誤って発進しないように制御するための信号でもある。
CCID30から信号線26bを介して伝送されるパイロット信号により充電処理が起動される。
図5に示すように、充電ケーブル26のコネクタ27がインレット25に挿入されて、時刻t1で所定電圧V1(例えば、DC12V)のパイロット信号がPIHV−ECU10に入力されると、その信号エッジで発生するウェイクアップ割込みによりサブCPU10aがスリープ状態から起動され、続いてサブCPU10aにより起動されたメインCPU10bは充電モードに入る。
メインCPU10bは、ポートP6に入力されるパイロット信号が所定電圧V1であることを検知すると、時刻t2でスイッチSW2をオンして抵抗R8による電圧降下によりパイロット信号CPLTの電圧レベル(ハイレベル)をV2(例えば、DC9V)に低下させる。
これに応答してCCID30から出力されるパイロット信号CPLTが所定のデューティ比で所定周波数(例えば、1KHz)のパルス信号に変化する。当該パルス信号の信号レベルは±V1であるが、上限レベルはスイッチSW2によりV2に降圧されている。
図6(a),(b)に示すように、デューティ比は、電力ケーブル26aを介して車両へ供給可能な電流容量に基づいて設定される値で、充電ケーブル26毎に予め設定されている。例えば、電流容量が12Aの場合には20%、電流容量が24Aの場合には40%に設定されている。
メインCPU10bは、ポートP6に入力されるパイロット信号のデューティ比を検知すると、時刻t3でスイッチSW1をオンして抵抗R8と抵抗R7の合成抵抗による電圧降下により、更にパイロット信号CPLTの電圧レベルをV3(例えば、DC6V)に低下させる。
これに応答してCCID30は、給電リレー31を閉じて商用電源29からの電力を車両側に供給する。メインCPU10bは、システムメインリレーSMR(図3参照)を閉じて高圧バッテリ140への充電経路を確保し、CHG−ECU15に必要な充電量を示すPWM信号でなる充電指令を出力する。
充電指令が入力されたCHG−ECU15は、高圧バッテリ140への充電処理を開始する。このとき、CHG−ECU15は、充電電流、充電電圧、及び高圧バッテリ140に設けられた温度センサの出力をモニタして、モニタ値を所定の演算式に基づいてSOCを算出し、時刻t4で充電指令に対応したSOCの充電が完了すると、メインCPU10bに充電完了通知を出力する。尚、PIHV−ECU10がCHG−ECU15から受信した充電電流、充電電圧、及び高圧バッテリ140に設けられた温度センサの出力をモニタして、モニタ値を所定の演算式に基づいてSOCを算出するように構成されているのであってもよい。
メインCPU10bは、その後スイッチSW1をオフしてパイロット信号CPLTの電圧レベルをV2に復帰させ、システムメインリレーSMRを開放する。これに応答してCCID30は、給電リレー31を開放する。
更にメインCPU10bは、その後スイッチSW2をオフしてパイロット信号CPLTの電圧レベルをV1に復帰させると、これに応答してCCID30は、パイロット信号CPLTの発振を停止して待機状態に移行する。
その後、メインCPU10bは、上述したシャットダウン処理を実行した後、通信ライン10cを介してサブCPU10aに充電終了通知を出力する。その後、サブCPU10aはスリープ状態に移行し、メインCPU10bは電源リレーをオフする。
一方、CCID30は、上述したパイロット信号に基づいてPIHV−ECU10の充電処理に応答して以下のように動作する。
充電ケーブル26のプラグ28が商用電源29のコンセントに挿入されると、CCID30の電源回路33から制御部35に制御電圧が印加され、制御部35が起動する。
制御部35は漏電検知回路34により電力ケーブル26aに異常が無いことを検知すると、信号生成部32から所定電圧V1のパイロット信号CPLTが出力されるように制御する。
制御部35は漏電検知回路34により電力ケーブル26aに異常が検知されると、信号生成部32から所定電圧−V1(例えばDC−12V)のパイロット信号CPLTが出力されるように制御するとともに、モニタ用のLED37を点滅する。
尚、車両側では、−V1に維持されたパイロット信号CPLTがポートP5から入力されたことがメインCPU10bにより検知されると、充電処理が中断され、異常情報がメータECU13に出力される。
メインCPU10bにより制御されるパイロット信号CPLTの信号レベルは、バッファ回路38を介して制御部35のポートP11に入力される。
制御部35は、信号レベルがV2に低下すると、信号生成部32からパルス信号が出力されるように制御し、信号レベルがV3に低下すると給電リレー31を閉じて車両側に交流電力を供給する。
その後信号レベルがV2に復帰すると、制御部35は、充電が終了したと判断して給電リレー31を開放し、更に信号レベルがV1に復帰すると、信号生成部32から出力されるパイロット信号CPLTの発振を停止させ、V1の信号レベルが維持されるように制御する。
CCID30とPIHV−ECU10間で、このようなパイロット信号CPLTを介した一連の処理が実行されることにより、商用電源29の電力により高圧バッテリ140が充電されるのである。
さらに、本発明によるPIHV−ECU10は、上述した充電処理を予め設定された時刻に開始する予約充電機能を備えている。
運転席前部のインスツルメントパネルには、充電予約時刻を設定するための複数の操作ボタンと、メッセージや設定時刻等を表示する画面を備えた操作部が設けられている。操作部に対する入出力処理は、通信線180を介して接続されるPIHV−ECU10の指令に基づいて、メータECU13により実行される。
操作ボタンとして時刻設定用の操作ボタン、充電予約時刻として充電開始時刻を設定するのか、充電終了時刻を設定するのかを選択する選択ボタン、設定した時刻を確定する確定ボタン、予約充電のキャンセルボタン等を備えている。尚、これらの操作ボタンは、メッセージ等を表示するタッチパネル式の液晶画面上に、ソフトウェアスイッチとして表示されるように構成されていてもよい。
システムスイッチが投入されている状態で、運転者等の操作者が操作部を操作して充電予約時刻を設定入力すると、設定入力された充電予約時刻が表示部に表示され、確定ボタンを操作することにより充電予約操作が終了する。
ナビゲーションシステムが搭載されている車両では、充電予約時刻を設定する専用の操作部を設ける必要は無く、ナビゲーションシステムに備えたタッチパネル式の操作部を、充電予約時刻を設定する操作部及び表示部として機能させてもよい。この場合には、操作部に対する入出力処理は、通信線180を介して接続されるPIHV−ECU10の指令に基づいて、ナビECU14により実行される。
つまり、PIHV−ECU10は、操作者による操作部への操作入力に基づいて車両外部の電源29からバッテリ140への充電予約時刻を設定し、設定した充電予約時刻を記憶部であるRAMに記憶する充電時刻設定処理を実行する。
その後、システムスイッチが遮断されると、サブCPU10aは、充電予約時刻に起動するようにRAMに記憶された充電予約時刻を読み出して、CPU内部のタイマレジスタを当該充電予約時刻に対応する値にセットしてタイマを起動し、その後にスリープ状態に移行する。メインCPU10bは、シャットダウン処理を実行して電源リレーをオフする。
スリープ状態で作動したタイマがカウントアップすると、内部割込みを発生させる。当該内部割込みによりウェイクアップしたサブCPU10aは、充電モードとなり、上述の手順で高圧バッテリ140に対する充電処理が実行される。
尚、充電予約時刻として充電終了時刻が設定された場合には、高圧バッテリ140の現在のSOCから目標SOCに充電するのに必要な時間(充電に必要な総充電量を時間当たりの充電量で除算した値に所定のマージンを加算した値)を算出して、充電予約時刻から当該時間だけ遡った時刻を充電開始時刻として、タイマレジスタを当該充電予約時刻に対応する値にセットすればよい。
PIHV−ECU10により、このような充電時刻設定処理が実行されることにより、安価な深夜電力を利用して高圧バッテリ140を充電する環境が実現される。
しかし、操作者が充電時刻を設定入力した後に、充電ケーブル26をインレット25に接続する操作や、プラグ28を商用電源29に接続する操作を失念し、その場を立ち去ると、PIHV−ECU10は、充電開始時刻に適正に充電処理を実行することができなくなる。
また、充電開始時刻に、商用電源29に停電している場合や、充電ケーブルや車両に異常が生じていると、操作者にその状態を報知することもできないという問題が生じる。
そこで、PIHV−ECU10は、充電ケーブル26が車両に接続され、充電可能な状態であるか否かを判定する接続判定処理と、報知部を介して接続判定処理による判定結果を報知する報知処理と、接続判定処理により充電可能な状態であると判定された場合にのみ、充電時刻設定処理の実行を許容するように構成されている。
システムスイッチが投入され、充電ケーブル26が車両に接続されていない状態で、操作者により、充電予約時刻設定用の操作部に備えた何れかの操作ボタが操作されると、PIHV−ECU10は、操作部に『充電ケーブルを接続してください』等のメッセージを表示して、操作者に充電ケーブル26の接続を促す。
その後、PIHV−ECU10は、充電予約時刻の設定を受け付けて、充電予約時刻を操作部に表示するが、接続判定処理で充電可能な状態であると判定されるまで、確定ボタンの操作は受け付けない。尚、接続判定処理で充電可能な状態であると判定されるまで、充電予約時刻の設定を受け付けないように構成してもよい。また、接続判定処理の前に充電予約時刻の設定を受け付ける場合、接続判定処理で充電可能な状態であると判定されると、確定ボタンの操作を待たずに、自動的に充電予約時刻を確定して、当該充電予約時刻をRAMに記憶してもよい。
充電可能な状態とは、充電ケーブル26のコネクタ27がインレット25に接続され、且つ充電ケーブル26のプラグ28が外部の商用電源29に挿入された状態で、直ちに充電処理が実行可能な状態をいう。
接続判定処理では、充電ケーブル26のコネクタ27がインレット25に接続されているか否かがPISW信号に基づいて判定され、充電ケーブル26のプラグ28が外部の商用電源29に挿入されているか否かがCCID30から入力されるパイロット信号CPLTに基づいて判定される。
PISW信号により充電ケーブル26のコネクタ27がインレット25に接続されていることが確認され、パイロット信号CPLTが所定電圧V1を示していれば充電可能な状態と判断され、それ以外の場合には、充電不可能な状態と判断される。
例えば、PISW信号により充電ケーブル26のコネクタ27がインレット25に接続されていることが確認されても、パイロット信号CPLTが所定電圧V1を示していなければ、充電ケーブル26のプラグ28が外部の商用電源29に挿入されていないか、或いは商用電源29が停電している状態であるため、充電不可能な状態と判断される。また、パイロット信号CPLTが−V1を示していれば、充電ケーブル26の異常により充電不可能な状態であると判断される。
PIHV−ECU10は、報知処理として、接続判定処理による判定結果を、通信線180を介してメータECU13に送信し、メータECU13により判定結果に対応したメッセージを表示させるとともに、ポートP20からインレット25の近傍に備えたLEDランプへの駆動信号を出力する処理を実行する。
具体的に、接続判定処理で充電可能な状態と判定されると、『充電ケーブルは正常に接続されています』等のメッセージを表示し、LEDランプを点灯させる。接続判定処理で充電不可能な状態と判定されると、『充電ケーブルが接続されていません』等のメッセージを表示し、LEDランプを点滅させる。
さらに、メータECU13に音声メモリやスピーカを備えている場合には、同様の音声メッセージを出力してもよい。接続判定処理で充電不可能な状態と判定される場合には、ブザーを鳴動させてもよい。
PIHV−ECU10は、報知処理により報知された状態を所定時間継続し、当該所定時間が経過すると報知処理を終了する。報知処理の継続時間は、操作者に充電ケーブル26が充電可能な状態で接続されているか否かを運転者に報知するための十分な時間であれば、特に制限されるものではないが、数分から十数分の間の値に設定することが好ましい。必要以上に報知状態を継続すると電力の無駄となるからである。
さらに、PIHV−ECU10は、報知処理の継続時間に、操作者により確認スイッチが入力されると、直ちに報知処理を終了する。操作者により確認された後に報知する必要が無いためである。確認スイッチは、充電予約時刻を設定するための複数の操作ボタンの近傍に配置されたスイッチであるが、専用の確認スイッチを設けずに、充電予約時刻を設定するための複数の操作ボタンの何れか一つまたは全てを確認スイッチとして機能させてもよい。操作部がタッチパネル式の液晶画面で構成されている場合には、当該液晶画面に表示されるソフトウェアスイッチでもよい。
尚、PIHV−ECU10は、操作者により、充電予約時刻設定用の操作部に備えた何れかの操作ボタンが操作され、操作部に『充電ケーブルを接続してください』等のメッセージを表示するタイミングで、所定時間、例えば10分程度のタイマをセットし、当該タイマがカウントアップされるまでに充電ケーブル26の接続が確認されない場合に、報知部を介して充電ケーブル26が未接続である旨の報知処理を実行して、操作者に充電ケーブル26の接続を促すように構成することが好ましい。
図7に基づいて、上述したPIHV−ECU10により実行される充電予約設定処理の一例を説明する。
上述したように、システムスイッチが投入され、充電ケーブル26が車両に接続されていない状態で、操作者により、充電予約時刻設定用の操作部に備えた何れかの操作ボタンが操作されると、PIHV−ECU10は、メータECU13を介して操作部に『充電ケーブルを接続してください』等のメッセージを表示させて、充電ケーブル26が車両に接続されるまで待機する(SA1)。
PIHV−ECU10は、PISW信号に基づいて充電ケーブル26が車両に接続されたことを認識すると(SA1)、メータECU13を介して充電予約画面を表示させて(SA2)、操作者による充電予約時刻の設定処理を許容する(SA3)。
ステップSA3で、充電予約のキャンセル操作がなされると(SA3,N)、直ちに高圧バッテリ140の充電処理を実行する(SA4)。
ステップSA3の充電予約時刻の設定処理と並行して、上述の接続判定処理を実行して判定結果をRAMに記憶し(SA5)、接続判定処理により充電可能な状態であると判定されると(SA6,Y)、上述の報知処理を実行して『充電ケーブルは正常に接続されています』等のメッセージを表示する(SA7)。
その後、引き続き、充電予約時刻の設定操作を受け付けて(SA8)、確定ボタンが操作されると、設定された充電予約時刻をRAMに記憶する(SA9)。
その後、システムスイッチが遮断されると、上述したように、充電予約時刻まで待機する(SA10)。
ステップSA6で、接続判定処理で充電不可能な状態と判定されると(SA6,N)、上述の報知処理を実行して『充電ケーブルが接続されていません』等のメッセージを表示する(SA11)。
報知処理の実行中に確認スイッチが操作され(SA12)、或いは確認スイッチが操作されずに、報知処理が実行されてから所定時間(例えば、10分)が経過すると(SA13)、当該報知処理を終了する(SA14)。尚、ステップSA7の報知処理も、ステップSA12〜SA14と同様に処理されるが、ステップSA8の充電開始時刻の設定処理で何らかの操作ボタンが操作されると報知処理を終了するように構成してもよい。
次に、図8に基づいて、PIHV−ECU10により実行される予約充電処理について説明する。
サブCPU10aは、充電予約時刻になるまでスリープ状態を維持し、充電予約時刻に達すると(SB1)、内部タイマの割込みによりスリープ状態から起動して、電源リレーを閉じてメインCPU10bを起動する。メインCPU10bは、上述した高圧バッテリ140に対する充電処理を実行する(SB2)。
高圧バッテリ140が目標SOCになるまで充電処理を継続して(SB3,N)、目標SOCに達すると(SB3,Y)、充電処理を完了して、サブCPU10aに充電の終了を通知した後、上述したシャットダウン処理を実行して、電源リレーをオフする。サブCPU10aは、充電の終了の通知を受信すると、電源リレーをオフしてスリープ状態に移行する(SB4)。
以下、別実施形態を説明する。PIHV−ECU10が、ステップSB2の予約充電処理の開始前に、再度、上述の接続判定処理を実行するように構成されていてもよい。充電開始時に充電ケーブル26が車両から離脱されている場合や、商用電源が停電している場合があるからである。
ステップSB2の予約充電処理の開始前に実行される接続判定処理で、充電ケーブル26が充電可能な状態で接続されていると判定されると、報知処理を実行せずに、直ちに充電処理が実行されるように構成すればよい。
当該接続判定処理で、充電ケーブル26が充電不可能な状態であると判定されると、通信装置を介して操作者が所持する携帯電話機等の外部機器に状態を通知する通報処理を実行することが好ましい。既に車両の近傍に操作者がいないため、上述した操作部やLEDランプを点滅させても意義が無いからである。
例えば、ナビゲーションシステムに携帯電話機と交信するBluetooth(ブルートゥース:商標登録)用のインタフェース回路を備えることにより、当該通報処理を実行することができるようになる。
通信線18を介してPIHV−ECU10から充電不可能な状態である旨の制御情報を受信したナビECU14は、当該インタフェース回路を介してナビゲーションシステムにセットされている携帯電話回線網にアクセス可能な通信端末と交信して、当該携帯電話機から予め登録された操作者の携帯電話機に、携帯電話回線網を介して音声通報し、或いは電子メールを送信するのである。
尚、上述したBlutoothのような無線通信で交信するだけでなく、携帯電話回線網にアクセス可能な通信端末、及びナビECU14の双方に通信ポートを備え、有線通信(例えば、USB)を介して接続可能に構成されているのであってもよい。
接続判定処理による判定結果が、上述の通信装置を介して、操作者のパーソナルコンピュータに電子メールで通知されるように構成してもよいし、データセンタのサーバに構築されたWEBサイトに送信され、操作者がサーバに構築されたホームページ上で確認できるように構成してもよい。
通信装置は、携帯電話機に限るものではなく、車両に登録されたBluetoothデバイスが通信圏内にある場合には、Bluetooth通信を実行して充電に関する情報を送信するように構成してもよいし、ナビECU14にWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)を利用して通信する通信端末や無線LANを備えて通信可能に構成してもよく、所定の外部機器に送信可能な通信装置であれば特に限定されるものではない。
図9に基づいて、この場合のPIHV−ECU10の処理を説明する。メインCPU10bは、接続判定処理を実行して(SC1)、判定結果が正常であれば(SC2)、高圧バッテリ140に対する充電処理を実行する(SC3)。
メインCPU10bは、高圧バッテリ140が目標SOCに達するまで充電処理を継続し、目標SOCに達すると充電処理を終了して(SC4)、ナビECU14を介して通信処理を実行し、操作者に充電処理の完了を報知する(SC5)。
その後、サブCPU10aに充電の終了を通知した後、上述したシャットダウン処理を実行して、電源リレーをオフする。サブCPU10aは、充電の終了の通知を受信すると、電源リレーをオフしてスリープ状態に移行する(SC6)。
ステップSC2で、判定結果が異常であれば、メインCPU10bは、ナビECU14を介して通信処理を実行して、操作者に充電ケーブル26の接続状態が異常であることを報知し(SC5)、サブCPU10aに充電が不可能である旨を通知した後、上述したシャットダウン処理を実行して、電源リレーをオフする。サブCPU10aは、当該通知を受信すると、電源リレーをオフしてスリープ状態に移行する(SC6)。
尚、PISWにより充電ケーブル26の接続確認がなされ、コントロールパイロット信号が出力されていないために充電が不可能である判定されたことにより、サブCPU10aがスリープ状態に移行する際には、例えば数十分の所定時間経過後に再度起動するようにタイマをセットし、所定時間間隔でステップSC1からの処理を実行するように構成してもよい。停電で充電できなかった場合に、停電が回復する可能性があるからである。
上述した実施形態では、PIHV−ECU10が、接続判定処理により充電可能な状態であると判定した場合にのみ、充電時刻設定処理の実行を許容するように構成する例を説明したが、PIHV−ECU10が、充電時刻設定処理の終了後に接続判定処理及び報知処理を実行するように構成してもよい。
プラグイン充電モードとは異なり、車両の走行制御が許容される通常モードで充電時刻設定処理が実行された後、つまり操作者が、車両を駐車場に入庫させる前後に充電予約時刻を設定した後に、システムスイッチが遮断された時点で、PIHV−ECU10が接続判定処理を実行するように構成してもよい。
例えば、システムスイッチが遮断されたことを検知したメインCPU10bが、上述したシャットダウン処理を実行する前に、RAMを参照して充電予約時刻が設定されているか否かを判断し、充電予約時刻が設定されている場合に、接続判定処理を実行するのである。
接続判定処理により、充電ケーブル26が充電可能な状態で車両に接続されていないと判定されると、充電ケーブル26が接続されていない旨の報知処理が実行され、操作者に注意を促すことができるようになる。
その後、メインCPU10bは、所定時間以内に操作者により充電ケーブル26が車両に接続されたことをPISW信号により検知すると、再度の接続判定処理を実行し、その結果を報知する報知処理を実行することにより、確実に充電可能な状態で車両に充電ケーブル26が接続されるようになる。
メインCPU10bは、報知処理を継続する所定時間が経過し、或いは確認スイッチが操作されると、充電ケーブル26の接続状態にかかわらず、シャットダウン処理を実行した後に電源リレーをオフする。
また、通常モードで充電時刻設定処理が実行された後の所定時間内(例えば数分以内)にPISW信号を介した充電ケーブル26の接続が確認されない場合に、報知部を介して充電ケーブル26が未接続である旨の報知処理を実行することが好ましい。この場合、メインCPU10bは、所定時間内にPISW信号に基づいて充電ケーブル26の接続を認識すると、上述と同様の接続判定処理を実行し、その判定結果を操作者に報知する報知処理を実行するように構成すればよい。
さらに、操作者が車両を駐車場に入庫させた後にシステムスイッチを遮断し、その後、車両に充電ケーブル26を接続することにより、メインCPU10bにより充電処理が開始された後に、操作者が充電予約時刻を設定する充電時刻設定処理が実行されるように構成してもよい。
この場合には、設定した時刻を確定する確定ボタンが操作者により操作された時点で、メインCPU10bが充電処理を中断した後、具体的には上述したパイロット信号CPLTの電圧レベルを上昇させて、システムメインリレーSMRをオフする充電終了シーケンスを実行した後に、シャットダウン処理を実行し、サブCPU10aがスリープ状態に移行するように構成すればよい。確定ボタンが操作者により操作される前に実行されていた充電処理が、実質的な接続判定処理となる。
また、充電時刻設定処理が実行されない通常の充電処理の場合でも、PIHV−ECU10が、PISW信号またはパイロット信号CPLTに基づいて、充電ケーブル26が車両に接続されたことを検知して接続確認処理及び報知処理を実行するように構成してもよい。
この場合には、PISW信号とパイロット信号CPLTをOR回路に入力し、その出力信号をサブCPU10aのポートP2に入力すればよい。尚、論路整合のためPISW信号はインバータを介してOR回路に入力される。
上述した実施形態では、接続判定処理として、PISW信号及びパイロット信号CPLTの信号レベルに基づいて充電ケーブル26が充電可能な状態であるか否かを判定する例を説明したが、さらに、上述した充電処理の初期、つまり、パイロット信号CPLTの発振を確認する処理まで実行してもよい。
さらに、システムメインリレーSMRを閉じて、短時間充電処理を実行し、SOCを算出するために監視する電流センサ、電圧センサ、温度センサ等のセンサの検出値に基づいて、高圧バッテリ140に正常に充電できることまでを確認してもよい。システムメインリレーSMRの溶着故障等を判断してもよい。
接続判定処理の結果、充電ケーブル26が充電不可能な状態であると判定され、その原因が、CCID30を含む回路系の異常である場合には、故障情報をメータECU13に送信して、インスツルメントパネルに故障情報を表示するように構成してもよい。
上述したプラグイン車両は、システムスイッチが遮断され、PIHV−ECU10のサブCPU10aがスリープ状態に移行している場合に、車両に充電ケーブル26が接続されると、PIHV−ECU10により充電処理が実行され、システムスイッチが投入された状態では充電処理が禁止される。
しかし、システムスイッチが投入された状態で、車両に充電ケーブル26が接続された場合であっても、シフトレバーがパーキング位置に操作されている等の一定の条件下で、充電処理が実行されるように構成することも可能である。この場合にも、サブCPU10aがパイロット信号CPLTの立上りエッジを検知して充電処理を起動するように構成すればよい。
上述した実施形態では、CCID30を備えた充電ケーブル26を用いて充電処理が実行される場合を例に本発明を説明したが、CCID30を備えていない充電ケーブル26が充電処理に使用される場合にも本発明を適用することができる。
この場合、PISW信号やパイロット信号CPLTを検知できないため、CHG−ECU15の交流入力端子に備えた電圧センサにより、充電ケーブル26から印加される交流電圧を検知するように構成すればよい。交流電圧が検知されると充電可能な状態で接続されていると判定できる。
また、交流電圧を検知した後に、システムメインリレーSMRを閉じて、短時間充電処理を実行し、SOCを算出するために監視する電流センサ、電圧センサ、温度センサ等のセンサの検出値に基づいて、高圧バッテリ140に正常に充電できることまでを確認してもよい。
以上の説明では、本発明による制御装置が、PIHV−ECU10で構成され、制御部がサブCPU10a、及びメインCPU10bで構成される例を説明したが、本発明による制御装置が充電ケーブル26に備えたCCID30で構成されるものであってもよい。
図10に示すように、充電ケーブル26に備えたCCID30のケーシングには、充電予約時刻の設定ボタン30bと入力確定ボタン30c、設定された時刻を表示する表示部30a、モニタ表示用の赤、緑の二色切替LED37を備えている。
図4に示した制御部35により、充電ケーブル26が車両に接続され、充電可能な状態であるか否かを判定する接続判定処理と、報知部を介して接続判定処理による判定結果を報知する報知処理と、操作部への操作入力に基づいて車両外部の電源からバッテリ140への充電予約時刻を設定し、設定した充電予約時刻を記憶部に記憶する充電時刻設定処理と、記憶部に記憶された充電予約時刻に基づいて、車両外部の電源からバッテリ140へ電力を供給する充電処理が実行される。
図11に示すように、充電ケーブル26のプラグ28が商用電源29のコンセントに挿入されると、電源回路から制御部35に給電され、制御部35が起動し、信号生成部32を介してパイロット信号CPLTをV1の直流レベルで出力し、モニタLED37を赤色で点灯させる。漏電検知回路34により漏電検知され、或いは電圧検知回路36により異常電圧が検知されると、モニタLED37を赤色で点滅させる(SF1)。
充電ケーブル26のコネクタ27が車両のインレット25に接続された後に、制御部35は、PIHV−ECU10によりパイロット信号がV2に低下されたことを検知すると(SF2)、モニタLED37を緑色で点灯させ、充電ケーブル26が充電可能な状態で車両に接続されたことを報知する(SF3)。
ステップSF2で、パイロット信号がV2に低下しないと判定すると、モニタLED37を緑色で点滅させ、充電ケーブル26が充電可能な状態で車両に接続されていないことを報知する(SF11)。
この場合にも、所定時間報知を継続し、所定時間内に確認スイッチが操作されると報知を終了し、モニタLED37を赤色で点灯させる(SF12〜SF14)。尚、設定ボタン30bと入力確定ボタン30cの双方または一方が確認スイッチとして機能する。
充電ケーブル26が充電可能な状態で車両に接続されると(SG3)、信号生成部32からの出力をハイインピーダンスに切り替える(SF4)。PIHV−ECU10は、パイロット信号を検知できず、停電していると判定して、充電処理を中止してスリープ状態に移行する。
制御部35は、この状態で充電予約時刻の設定入力を受け付け(SF6)、充電時刻設定処理を実行する(SF7)。設定ボタン30bで時刻が設定された後に入力確定ボタン30cが操作されると、RAMに充電予約時刻を記憶し(SF8)、充電予約時刻まで待機する(SF9)。充電予約時刻になると、制御部35は、信号生成部32から電圧V1のパイロット信号を出力して、充電を開始する。
ステップSF6で、充電予約時刻の設定が無い場合には、信号生成部32から電圧V1のパイロット信号を出力して、充電を開始する(SF10)。尚、モニタLED37を緑色で点灯させた後の所定時間内に設定ボタン30bが操作されない、或いは、設定ボタン30bの操作無しに入力確定ボタン30cが操作されることにより、充電予約時刻の設定が無いと判断する。
さらに別の実施形態として、制御部35は、充電ケーブル26の車両側への接続にかかわらず、先ず充電時刻設定処理を実行し、その後に接続判定処理を実行してもよい。この場合も、充電時刻設定処理の終了後の所定時間内に充電ケーブル26の接続が確認されない場合に、モニタLEDを介して充電ケーブル26が未接続である旨の報知処理を実行するように構成すればよい。
上述した何れの実施形態であっても、接続判定処理が実行されてから充電予約時刻まで、長期間の待機が必要である場合には、周期で接続判定処理を繰り返し実行するように構成してもよい。
例えば、車両側で接続判定処理をする場合には、一度接続判定処理を実行した後の待機中に、例えば、3時間程度の周期でサブCPU10aが起動して、接続判定処理及び報知処理を実行した後に再度スリープ状態に移行するように構成すればよい。この場合の報知処理は、上述した通信装置を介した報知が好ましい。
上述した実施形態では、本発明が、動力分割機構130によりエンジン100の動力を分割して駆動輪160と第1MG110とに伝達可能なシリーズ/パラレル型のプラグインハイブリッド車両に適用される場合について説明したが、本発明は、その他の形式のハイブリッド車両にも適用可能である。
例えば、第1MG110を駆動するためにのみエンジン100を用い、第2MG120のみで車両の駆動力を発生する、所謂シリーズ型のハイブリッド車両や、エンジン100で生成した運動エネルギーのうち回生エネルギーのみが発電機を介して電気エネルギーとして回収されるハイブリッド車両や、エンジン100を主動力として必要に応じてモータがアシストするモータアシスト型のハイブリッド車両等にも本発明を適用することができる。
さらに、エンジン100を備えずに電力で走行するモータのみを備えた電気自動車等、蓄電装置を備えたプラグイン車両であれば本発明を適用することができる。
上述した実施形態は、何れも本発明の一例であり、該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能であることはいうまでもない。