JP5363301B2 - 負圧ブースタ - Google Patents

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Description

本発明は、自動車のブレーキマスタシリンダの倍力作動のために用いられる負圧ブースタに関し、特に、ブースタシェルに、その内部を負圧源に連なる前側の負圧室と後側の作動室とに区画するブースタピストンを収容し、このブースタピストンに、入力杆と、この入力杆の前後動に応じて作動室を負圧室と大気とに連通切換えする制御弁とを内部に配設する弁筒を連接し、ブースタシェルの後壁に設けられる支持筒部には、前記弁筒の外周面に密接するシール部材と、該弁筒の外周面を摺動自在に支承する軸受ブッシュとを軸方向に隣接して装着すると共に、前記弁筒に取り付けられるキー部材を受け止めて前記ブースタピストン及び入力杆の後退限を規定するキーストッパ手段を設けてなる負圧ブースタの改良に関する。
かゝる負圧ブースタは、特許文献1に開示されるように既に知られている。
特開2005−349867号公報
かゝる負圧ブースタでは、ブースタシェルの後壁の支持筒部に、弁筒の外周面を摺動自在に支承する軸受ブッシュと弁筒の外周面に密接するシール部材とを並設することで、軸受ブッシュ及びシール部材に対し、それぞれの機能に対応した材料を選択して、それぞれに対応した物性を個別に付与し、弁筒の円滑な摺動性と、その摺動部の確実なシール性とを確保することができる利点がある。
ところが、従来の負圧ブースタでは、ブースタシェルの後壁に設けられる支持筒部に、前記軸受ブッシュ及びシール部材を収容する共通ハウジングを設け、この共通ハウジングの前端に環状肩部を介して連なる、前記共通ハウジングより大径のストッパハウジングとを形成し、キー部材を強固に受け止め得る環状のストッパ板を前記環状段部に当接保持しているので、前記キーストッパ手段として特別なストッパ板を用いることになり、これが部品点数及び組立工数を増やし、コスト高の一因となっていた。
本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたもので、前記利点を活かしつゝ、特別なストッパ板を使用することなく、キー部材を強固に受け止め得るようにした構造簡単な負圧ブースタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ブースタシェルに、その内部を負圧源に連なる前側の負圧室と後側の作動室とに区画するブースタピストンを収容し、このブースタピストンに、入力杆と、この入力杆の前後動に応じて作動室を負圧室と大気とに連通切換えする制御弁とを内部に配設する弁筒を連接し、ブースタシェルの後壁に設けられる支持筒部には、前記弁筒の外周面に密接するシール部材と、該弁筒の外周面を摺動自在に支承する軸受ブッシュとを軸方向に隣接して装着すると共に、前記弁筒に取り付けられるキー部材を受け止めて前記ブースタピストン及び入力杆の後退限を規定するキーストッパ手段を設けてなる負圧ブースタにおいて、前記支持筒部の内周に、前記シール部材を収容する円筒状のシールハウジングと、このシールハウジングの前端に環状肩部を介して連なる、前記シールハウジングより大径で円筒状の軸受ハウジングとを形成して、この軸受ハウジングに前記軸受ブッシュを収容し、この軸受ブッシュの前面に当接する環状板部と、この環状板部の外周から斜め前方に各々突出して前記軸受ハウジングの内周面に係止する、弾性を有した複数の一方向爪とを一体化して成る押え環により、該軸受ブッシュを前記環状肩部との当接位置に保持し、前記軸受ブッシュと前記環状肩部とで前記キーストッパ手段を構成して前記キー部材を、前記押え環及び前記軸受ブッシュを介して前記環状肩部に受け止めさせるようにし、前記軸受ブッシュを、これが前記キー部材の当接衝撃を吸収し得るよう合成樹脂製としたことを第1の特徴とする。
また本発明は、第1の特徴に加えて、前記軸受ブッシュに、前記シールハウジングに突入して前記弁筒の外周面を摺動自在に支承するブッシュ延長部を一体に形成したことを第2の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば、ブースタシェル後壁の支持筒部の内周に、シール部材を収容する円筒状のシールハウジングと、このシールハウジングの前端に環状肩部を介して連なる、シールハウジングより大径で円筒状の軸受ハウジングとを形成し、この軸受ハウジングに前記軸受ブッシュを収容、保持したことで、従前同様に、軸受ブッシュ及びシール部材に対し、それぞれの機能に対応した材料を選択して、それぞれに対応した物性を個別に付与し、弁筒の円滑な摺動性と、その摺動部の確実なシール性とを確保することができる。
しかも前記軸受ブッシュと、シールハウジング及び軸受ハウジング間の環状肩部とでキーストッパ手段を構成して前記キー部材を、軸受ブッシュを介して環状肩部で受け止めるようにしたので、前記軸受ブッシュが従来のストッパ板を兼ねることになり、したがって、特別なストッパ板を使用することなく、キー部材を強固に受け止めることができ、部品点数及び組立工数の削減をもたらし、コストの低減に寄与し得る。
また特にキー部材が軸受ブッシュに衝撃的に当接したときでも、その衝撃を合成樹脂製の軸受ブッシュ自体の弾性により吸収し、当接騒音の発生を極力抑えることができる。その上、軸受ハウジングに軸受ブッシュを保持する押え環を介してキー部材を軸受ブッシュに受け止めさせるようにしたことで、キー部材と合成樹脂製の軸受ブッシュとの接触を回避して、軸受ブッシュの摩耗を防ぎ、その耐久性を確保しながら、キー部材の当接衝撃を押え環及び軸受ブッシュの弾性により効果的に吸収できる。
本発明の第2の特徴によれば、軸受ブッシュは、ブッシュ延長部により、弁筒に対する有効支持長さが増加し、弁筒の支持をより安定させることができる。しかもブッシュ延長部は、シールハウジングの内径に対応して小径に形成されるので、ブッシュ延長部の付加による軸受ブッシュの素材の増量を極力抑え、軸受ブッシュの軽量化及びコストの低減に寄与することができ、またこのブッシュ延長部により、シール部材の軸受ハウジング側へのはみ出しを確実に防ぐことができる。
本発明の一実施例に係る負圧ブースタの縦断面図(図3の1−1線断面図)。 図1の要部縦断拡大図。 図2の3−3線断面図。
本発明の実施の形態を、添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて説明する。
図1及び図2において、負圧ブースタBのブースタシェル1は、対向端を相互に結合する前後一対のシェル半体1a,1bとから構成され、前部シェル半体1aの前壁にブレーキマスタシリンダMのシリンダボディMaが複数のボルト6により固着され、後部シェル半体1bは、自動車の車室前壁Fにボルト7により固着される。
ブースタシェル1の内部は、それに前後往復動可能に収容されるブースタピストン4と、その後面に重ねて結着されると共に両シェル半体1a,1b間に挟止されるダイヤフラム5とにより、前側の負圧室2と後側の作動室3とに区画される。負圧室2は、負圧導入管14を介して負圧源V(例えば内燃機関の吸気マニホールド内部)と接続される。
ブースタピストン4は鋼板により環状に成形されており、このブースタピストン4及びダイヤフラム5の中心部に合成樹脂製の弁筒10が一体的に結合される。この弁筒10は、後部シェル半体1bの中心部に後方へ突設された支持筒部12に軸受ブッシュ9及びシール部材13を介して摺動自在に支承される。
こゝで、上記軸受ブッシュ9及びシール部材13の支持筒部12への取り付け構造について説明する。図2に示すように、支持筒部12の内周には、後端壁12aeを有する円筒状のシールハウジング12aと、このシールハウジング12aの前端に環状肩部12beを介して連なる、シールハウジング12aより大径で円筒状の軸受ハウジング12bとが形成される。上記シールハウジング12aには、弁筒10の外周面に密接するゴム製の前記シール部材13が、また上記軸受ハウジング12bには、弁筒10を摺動自在に支承する前記軸受ブッシュ9がそれぞれ収容され、その軸受ブッシュ9を、第1環状肩部12beとの当接位置に保持する押え環19が軸受ハウジング12bの内周面に係止される。上記軸受ブッシュ9及び第1環状肩部12beは、後述のキー部材32を受け止めるキーストッパ手段Sを構成する。
上記押え環19はばね鋼板製であって、図3に示すように、環状板部19aと、この環状板部19aの外周から斜め前方に突出する多数の一方向爪19b,19b…とよりなっており、この押え環19を軸受ハウジング12bに前方から押し込むと、環状板部19aが軸受ブッシュ9の前端面に重なると共に、一方向爪19b,19b…が軸受ハウジング12bの内周面に食い込んでその後退を阻止するようになっている。
軸受ブッシュ9は適度な弾性を有する合成樹脂製であり、この軸受ブッシュ9には、シールハウジング12a内に突入して弁筒10の外周面を摺動自在に支承するブッシュ延長部9aが一体に形成される。このブッシュ延長部9aは、シールハウジング12aの後端壁12aeと協働してシール部材13の軸方向の動きを規制する。
而して、ブッシュ延長部9aの外径は、シールハウジング12aの内径に対応するので、軸受ブッシュ9全体は、断面L字状をなすことになる。
弁筒10内には、弁ピストン18、この弁ピストン18に連結する入力杆20、及びこの入力杆20の前後動に応じて作動室3を負圧室2と大気とに連通切換えする制御弁38とが配設される。入力杆20の後端には、これを操作するブレーキペダルPが連結される。
弁ピストン18は、弁筒10に設けられたガイド孔11に摺動自在に嵌合されるもので、その前端には頸部18bを介して反力ピストン17が、また後端にはフランジ状の大気導入弁座31がそれぞれ形成される。その大気導入弁座31を囲繞するように同心配置される環状の負圧導入弁座30が弁筒10に形成される。
弁ピストン18には、大気導入弁座31の後端面に開口する連結孔18aが設けられ、この連結孔18aに入力杆20の前端に形成されるボールジョイント20aが嵌合されると共に、その抜け止めのために弁ピストン18の一部がかしめられる。こうして入力杆20は弁ピストン18に首振り可能に連結される。
また弁筒10には、前記負圧導入弁座30及び大気導入弁座31と協働する環状の弁部34aを有する伸縮可能な筒状の弁体34が弁ホルダ35により取り付けられる。この弁体34は全体がゴム等の弾性材で成形されたもので、弁部34aには、その内周側から環状の補強板44が埋設される。また弁部34aの外周には、後方へ屈曲した環状のシールリップ37が一体に形成される。
弁部34aは大気導入弁座31及び負圧導入弁座30に着座可能に対向して配置される。この弁部34aの補強板44と入力杆20との間には、弁部34aを両弁座30,31との着座方向へ付勢する弁ばね36が縮設される。而して、上記負圧導入弁座30、大気導入弁座31、弁体34及び弁ばね36によって制御弁38が構成される。
弁ホルダ35と入力杆20との間には入力戻しばね41が縮設され、これによって入力杆20は後退方向へ付勢され、一方、弁ホルダ35は弁筒10内の固定位置に保持される。
弁筒10内周の環状***部10aには、負圧導入弁座30を囲繞する前部環状室45Aが形成され、該室45Aに弁部34aの前面が臨む。前部環状室45Aの半径方向外側の内周面は負圧導入弁座30よりも後方へ延びており、その内周面に弁部34a外周のシールリップ37が摺動可能に密接する。したがって、前部環状室45Aは、弁部34aが負圧導入弁座30に着座することで閉じられるようになっている。
さらに環状***部10aに内側には、シールリップ37付き弁部34aによって、弁部34aの背面が臨む後部環状室45Bが画成される。
弁筒10には第1及び第2ポート28,29が設けられる。第1ポート28は、一端が負圧室2に、他端が前部環状室45Aに開口するように形成され、第2ポート29は、一端が作動室3に、他端が負圧導入弁座30及び大気導入弁座31間に開口するように形成される。この第2ポート29は、また、環状***部10aの根元に形成された、弁筒10の軸線と平行な連通孔47を介して後部環状室45Bとも連通する。
前記支持筒部12の後端部と入力杆20とに、弁筒10を被覆する伸縮可能のブーツ40の両端が取り付けられ、このブーツ40の後端部に、前記弁体34の内側に連通する大気導入口39が設けられる。この大気導入口39に流入する空気を濾過するフィルタ42が入力杆20の外周面と弁筒10の内周面との間に介裝される。このフィルタ42は、入力杆20及び弁筒10の相対移動を阻害しないよう、柔軟性を有する。
弁筒10には、前記キーストッパ手段Sと協働して弁筒10及び入力杆20の後退限を規定するキー部材32が取り付けられる。図2及び図3に示すように、キー部材32は、比較的厚肉で高剛性の鋼板製で、一対のフォーク片32a,32aの基端部を連結部32bを介して相互に一体に連結してなる二股状のもので、その両フォーク片32a,32aの互いに反対方向を向く外側面には、各フォーク片32aの長手方向に並ぶ一対の位置決め突起32c,32cが形成される。また両フォーク片32a,32aの相対向する内側面には、その長手方向中間部で両フォーク片32a,32aの間隔を急激に絞る円弧状の挟み面32d,32dが形成される。
一方、弁筒10には、前記ガイド孔11の前端側で弁筒10の直径線に沿って延びて作動室3に開口するキー取り付け孔23が設けられ、前記キー部材32は、そのキー取り付け孔23に嵌合されて両端部を弁筒10の外周面から突出するようになっており、その状態は、両フォーク片32a,32aの位置決め突起32c,32cが前記第2ポート29の内周面に弾性的に係合することで保持される。また両フォーク片32a,32aは、弁ピストン18及び反力ピストン17間の頸部18bを跨ぐと共に、それらの挟み面32d,32dを頸部18bに外周面に摺動自在に係合させるようになっており、これによってもキー部材32は、両端部を弁筒10の外周面から突出した所定位置に保持される。
而して、ブースタピストン4の後退時、弁筒10の外周面から突出したキー部材32の両端部が前記押え環19を介して前記軸受ブッシュ9に当接することにより、ブースタピストン4の後退限が規定され、また同キー部材32が反力ピストン17の後端を受け止めることにより、弁筒10に対する入力杆20の後退限が規定される。
尚、前記頸部18bの軸方向長さはキー部材32の板厚より大きく設定されていて、弁ピストン18とキー部材32とが僅かに相対移動ができるようになっている。
さらにまた弁筒10には、前方に突出する作動ピストン15と、この作動ピストン15の中心部を貫通する小径シリンダ孔16とが設けられ、この小径シリンダ孔16に前記反力ピストン17が摺動自在に嵌合される。作動ピストン15の外周にはカップ体21が摺動自在に嵌合され、このカップ体21には作動ピストン15及び反力ピストン17に対向する偏平な弾性ピストン22が充填される。その際、反力ピストン17及び弾性ピストン22間には、負圧ブースタBの非作動時に一定の間隙ができるようになっている。
カップ体21の前面には出力杆25が連設される。したがって、出力杆25は、カップ体21を介して弁筒10に摺動可能に支持されることになる。この出力杆25は、前記ブレーキマスタシリンダMの、前部シェル半体1aの中心部を貫通するマスタピストンMbの後端部に連接される。
以上において、作動ピストン15、反力ピストン17、弾性ピストン22及びカップ体21は、出力杆25の出力の一部を入力杆20にフィードバックする反力機構24を構成する。
ブースタシェル1の前壁と弁筒10の前端面との間には、弁筒10を後退方向へ付勢するコイル状のブースタ戻しばね27が縮設される。このブースタ戻しばね27を構成する線材の後端部は、半径方向内向きに屈曲して前記カップ体21の前端面に当接する抜け止め片27aに形成され、これにより前記カップ体21の弁筒10から抜け出しが阻止される。
次に、この実施例の作用について説明する。
負圧ブースタBの休止状態では、弁筒10に取り付けられたキー部材32が、押え環19を介して軸受ブッシュ9の前端面に当接し、このキー部材32に反力ピストン17の後端面が当接することにより、ブースタピストン4及び入力杆20が後退限に保持される。このとき、大気導入弁座31は弁体34の弁部34aに密着しながら、この弁部34aを押圧して負圧導入弁座30から僅かに離座させている。これによって大気導入口39及び第2ポート29間の連通が遮断される一方、第1及び第2ポート28,29間が連通され、したがって負圧室2の負圧が両ポート28,29を通して作動室3に伝達し、両室2,3は同圧となっているため、ブースタピストン4及び弁筒10はブースタ戻しばね27の付勢力により後退位置に保持される。
いま、車両を制動すべくブレーキペダルPを踏み込むことにより、入力戻しばね41のセット荷重に抗して入力杆20を弁ピストン18と共に前進させると、弁ばね36の付勢力が弁部34aを負圧導入弁座30に着座させると同時に、大気導入弁座31が弁体34から離れ、これにより第1及び第2ポート28,29間の連通が遮断されると共に、第2ポート29が弁体34の内側を通して大気導入口39と連通される。
その結果、大気導入口39から弁筒10内に流入した大気が大気導入弁座31を通過し、第2ポート29を経て作動室3に導入され、作動室3を負圧室2より高圧にするので、それらの気圧差に基づく前方推力を得てブースタピストン4は、弁筒10、作動ピストン15、弾性ピストン22、カップ体21及び出力杆25を伴いながらブースタ戻しばね27の力に抗して前進し、出力杆25がマスタピストンMbを前進駆動するようになる。この駆動に伴い生ずる反力により弾性ピストン22が圧縮されて、その一部を小径シリンダ孔16に膨出させるが、その膨出部が反力ピストン17の前面に当接するまでは、上記反力は入力杆20に伝わらないので、出力杆25の出力は、急速に立ち上がるジャンピング特性を示す。
このような入力杆20の前進操作時には、弁筒10の前部環状室45Aに臨む弁部34aの前面には、第1ポート28から前部環状室45Aに伝達する負圧が作用するのに対して、弁筒10の後部環状室45Bに臨む弁部34aの背面には、第2ポート29から連通孔47を介して後部環状室45Bに伝達する大気圧が作用するので、弁部34aは、弁ばね36のセット荷重による他、前部及び後部環状室45A,45B間の気圧差によっても負圧導入弁座30との着座方向へ付勢されることになる。したがって、上記気圧差による付勢力分、弁ばね36のセット荷重を低減することが可能となり、それに伴い入力杆20を後退方向へ付勢する入力戻しばね41のセット荷重の低減も可能となり、その結果、比較的小さい初期操作入力によりジャンピング特性が得られので、ブレーキマスタシリンダM及び各車輪ブレーキの無効ストロークを素早く排除して、各車輪ブレーキの応答性を高めることができる。
またこの状態において、弁部34a外周のシールリップ37は、後方に屈曲して、弁筒10の内周面に密接しているので、前部及び後部環状室45A,45B間の気圧差により、上記内周面への密接力が高められ、両環状室45A,45B間の気密を確保することができる。
弾性ピストン22が反力ピストン17に当接してからは、出力杆25の作動反力の一部が弾性ピストン22を介して入力杆20にフィードバックされることになるので、操縦者は出力杆25の出力の大きさを感受することができる。そして出力杆25の出力は、弾性ピストン22に当接する作動ピストン15及び反力ピストン17の受圧面積の比によって定まる倍力比をもって増加する。
負圧室2及び作動室3間の気圧差が最大となる倍力限界点に達してからは、出力杆25の出力は、ブースタピストン4の上記気圧差による最大推力と、入力杆20への操作入力との和となる。
車両の制動状態を解除すべく、ブレーキペダルPから踏力を解放すると、先ず入力杆20及び弁ピストン18が入力戻しばね41の力をもって後退する。これに伴い、弁ピストン18は、大気導入弁座31を弁体34に着座させながら、その弁体34を負圧導入弁座30から大きく離間させるので、作動室3が第2ポート29及び第1ポート28を介して負圧室2と連通する。その結果、作動室3への大気の導入が阻止される一方、作動室3の空気が負圧室2を経て負圧限Vに吸入され、それらの気圧差が無くなるため、ブースタピストン4も、ブースタ戻しばね27の弾発力をもって後退し、マスタシリンダMの作動を解除していく。そして、弁筒10に取り付けられたキー部材32の両端部が、前述のように、押え環19を介して軸受ブッシュ9の前端面に当接することにより、ブースタピストン4及び入力杆20は、再び休止状態に戻ることになる。
ところで、後部シェル半体1bの支持筒部12の内周には、シール部材13を収容する円筒状のシールハウジング12aと、このシールハウジング12aの前端に第1環状肩部12beを介して連なる、シールハウジング12aより大径で円筒状の軸受ハウジング12bとを形成し、この軸受ハウジング12bに弁筒10の外周面を摺動自在に支承する軸受ブッシュ9を収容、保持しているから、従前同様に、軸受ブッシュ9及びシール部材13に対し、それぞれの機能に対応した材料を選択して、それぞれに対応した物性を個別に付与し、弁筒10の円滑な摺動性と、その摺動部の確実なシール性との両方を満足させることができる。
しかも軸受ブッシュ9と、シールハウジング12a及び軸受ハウジング12b間の第1環状肩部12beとでキーストッパ手段Sを構成してキー部材32を受け止めるようにしたので、軸受ブッシュが従来のストッパ板を兼ねることになり、したがって、特別なストッパ板を使用することなく、キー部材32を強固に受け止めることができ、部品点数及び組立工数の削減をもたらし、コストの低減に寄与し得る。
また軸受ブッシュ9には、シールハウジング12aに突入して弁筒10の外周面を摺動自在に支承するブッシュ延長部9aを一体に形成したので、ブッシュ延長部9aにより、軸受ブッシュ9の弁筒10に対する有効支持長さが増加し、弁筒10の支持をより安定性させることができる。しかもブッシュ延長部9aは、シールハウジング12aの内径に対応して小径に形成されるので、ブッシュ延長部9aの付加による軸受ブッシュ9の素材の増量を極力抑え、軸受ブッシュ9の軽量化及びコストの低減に寄与し得る。さらにこのブッシュ延長部9aは、シールハウジング12a内でシール部材13の前端を受け止めることにより、シール部材13の軸受ハウジング12b側へのはみ出しを確実に阻止することができる。
さらに軸受ブッシュ9は、これがキー部材32の当接衝撃を吸収し得るよう合成樹脂製とされるので、ブースタ戻しばね27の弾発力によるブースタピストン4の急速後退時、キー部材32が軸受ブッシュ9に衝撃的に当接するが、その衝撃を合成樹脂製の軸受ブッシュ9自体の弾性により吸収し、当接騒音の発生を極力抑えることができる。
さらにまた軸受ブッシュ9を軸受ハウジング12bに保持すべく軸受ハウジング12bの内周面に係止される、弾性を有する押え環19を介してキー部材32を軸受ブッシュ9に受け止めさせるようにしたので、キー部材32と合成樹脂製の軸受ブッシュ9との接触を回避して、軸受ブッシュ9の摩耗を防ぎ、その耐久性の確保に貢献しながら、キー部材32の当接衝撃を押え環19及び軸受ブッシュ9の弾性により効果的に吸収することができる。
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、押え環19を、これにキー部材32が当接しないように構成して、キー部材32を軸受ブッシュ9に直接当接させることもできる。また押え環19に代えて、支持筒部12に、その外周からのかしめにより軸受ブッシュ9の外周部前端に係合する押え突起を形成することもできる。
B・・・・負圧ブースタ
M・・・・マスタシリンダ(ブレーキマスタシリンダ)
S・・・・キーストッパ手段
V・・・・負圧源
1・・・・ブースタシェル
2・・・・負圧室
3・・・・作動室
4・・・・ブースタピストン
9・・・・軸受ブッシュ
9a・・・ブッシュ延長部
10・・・弁筒
13・・・シール部材
19・・・押え環
20・・・入力杆
23・・・キー取り付け孔
38・・・制御弁

Claims (2)

  1. ブースタシェル(1)に、その内部を負圧源(V)に連なる前側の負圧室(2)と後側の作動室(3)とに区画するブースタピストン(4)を収容し、このブースタピストン(4)に、入力杆(20)と、この入力杆(20)の前後動に応じて作動室(3)を負圧室(2)と大気とに連通切換えする制御弁(38)とを内部に配設する弁筒(10)を連接し、ブースタシェル(1)の後壁に設けられる支持筒部(12)には、前記弁筒(10)の外周面に密接するシール部材(13)と、該弁筒(10)の外周面を摺動自在に支承する軸受ブッシュ(9)とを軸方向に隣接して装着すると共に、前記弁筒(10)に取り付けられるキー部材(32)を受け止めて前記ブースタピストン4及び入力杆(20)の後退限を規定するキーストッパ手段(S)を設けてなる負圧ブースタにおいて、
    前記支持筒部(12)の内周に、前記シール部材(13)を収容する円筒状のシールハウジング(12a)と、このシールハウジング(12a)の前端に環状肩部(12be)を介して連なる、前記シールハウジング(12a)より大径で円筒状の軸受ハウジング(12b)とを形成して、この軸受ハウジング(12b)に前記軸受ブッシュ(9)を収容し、
    この軸受ブッシュ(9)の前面に当接する環状板部(19a)と、この環状板部(19a)の外周から斜め前方に各々突出して前記軸受ハウジング(12b)の内周面に係止する、弾性を有した複数の一方向爪(19b)とを一体化して成る押え環(19)により、該軸受ブッシュ(9)を前記環状肩部(12be)との当接位置に保持し、
    前記軸受ブッシュ(9)と前記環状肩部(12be)とで前記キーストッパ手段(S)を構成して前記キー部材(32)を、前記押え環(19)及び前記軸受ブッシュ(9)を介して前記環状肩部(12be)に受け止めさせるようにし、
    前記軸受ブッシュ(9)を、これが前記キー部材(32)の当接衝撃を吸収し得るよう合成樹脂製としたことを特徴とする負圧ブースタ。
  2. 請求項1記載の負圧ブースタにおいて、
    前記軸受ブッシュ(9)に、前記シールハウジング(12a)に突入して前記弁筒の外周面を摺動自在に支承するブッシュ延長部(9a)を一体に形成したことを特徴とする負圧ブースタ。
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