JP2001213303A - 負圧ブースタ - Google Patents

負圧ブースタ

Info

Publication number
JP2001213303A
JP2001213303A JP2000024795A JP2000024795A JP2001213303A JP 2001213303 A JP2001213303 A JP 2001213303A JP 2000024795 A JP2000024795 A JP 2000024795A JP 2000024795 A JP2000024795 A JP 2000024795A JP 2001213303 A JP2001213303 A JP 2001213303A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
negative pressure
piston
valve seat
cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000024795A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayoshi Shinohara
孝義 篠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nissin Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissin Kogyo Co Ltd filed Critical Nissin Kogyo Co Ltd
Priority to JP2000024795A priority Critical patent/JP2001213303A/ja
Publication of JP2001213303A publication Critical patent/JP2001213303A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Systems And Boosters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 気圧差による弁ピストン及び弁体の前方への
引き込み力を減少させて,入力杆を後退方向へ付勢する
入力戻しばねのセット荷重を下げること。 【解決手段】 制御弁38の弁体34を,負圧導入弁座
30及び大気導入弁座31に着座可能に対向する環状の
弁部34a,弁筒10の内周面に固定的に保持される環
状の取付けビード部34b,取付けビード部34bから
半径方向内方へ延びる環状の第1可撓膜部34c,及び
この第1可撓膜部34cの内周端から軸方向へ延びて弁
部34aに結合する環状の第2可撓膜部34dから構成
した負圧ブースタ において,第2可撓膜部34dを囲
繞して第1可撓膜部34cの前面に当接する支承板43
を弁筒10に固定する。第1可撓膜部34cに働く気圧
差による前方引き込み力を支承板43で受けて,入力杆
20への伝達を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,自動車のブレーキ
マスタシリンダの倍力作動のために用いられる負圧ブー
スタに関し,特に,ブースタシェルに,その内部を負圧
源に連なる前側の負圧室と後側の作動室とに区画するブ
ースタピストンを収容し,このブースタピストンに連設
される弁筒に,該弁筒に前後方向摺動自在に嵌合する弁
ピストンと,この弁ピストンに前端部を連結する入力杆
と,該弁ピストン及び該弁筒間で前記入力杆の前後動に
応じて前記作動室を前記負圧室と大気とに連通切換えす
る制御弁と,前記入力杆を後退方向へ付勢する入力戻し
ばねとを配設し,この制御弁を,前記弁筒に形成された
環状の負圧導入弁座と,前記弁ピストンに形成されて前
記負圧導入弁座の内側に配置される大気導入弁座と,前
記弁筒に前記負圧導入弁座及び大気導入弁座に着座可能
に対向する環状の弁部,前記弁筒の内周面に固定的に保
持される環状の取付けビード部,前記取付けビード部か
ら半径方向内方へ延びる環状の第1可撓膜部,及びこの
第1可撓膜部の内周端から軸方向へ延びて前記弁部に結
合する環状の第2可撓膜部からなる弁体と,前記弁部を
前記負圧導入弁座及び大気導入弁座との着座方向へ付勢
する弁ばねとで構成し,前記負圧導入弁座及び弁体間の
弁筒内周面に前記負圧室に連通する第1ポートを開口
し,また前記負圧導入弁座及び大気導入弁座間の弁筒内
周面に前記作動室に連通する第2ポートを開口し,前記
弁部の内周側を大気に連通した負圧ブースタの改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】かゝる負圧ブースタは,例えば実公昭5
8−48923号公報に開示されているように,既に知
られている。
【0003】上記公報に開示された負圧ブースタの制御
弁周りを図6に示す。同図より明らかなように,従来の
負圧ブースタの制御弁38は,弁筒10に形成された環
状の負圧導入弁座30と,入力杆20に連結した弁ピス
トン18に形成されて負圧導入弁座30の内側に配置さ
れる大気導入弁座31と,弁筒10に負圧導入弁座30
及び大気導入弁座31に着座可能に対向する環状の弁部
34a,弁筒10の内周面に固定的に保持される環状の
取付けビード部34b,この取付けビード部34bから
半径方向内方へ延びる環状の第1可撓膜部34c,及び
この第1可撓膜部34cの内周端から軸方向へ延びて弁
部34aに結合する環状の第2可撓膜部34dからなる
弁体34と,その弁部34aを前記負圧導入弁座30及
び大気導入弁座31との着座方向へ付勢する弁ばね36
とで構成される。そして,負圧導入弁座30及び弁体3
4間の弁筒10内周面に負圧室2に連通する第1ポート
28が開口し,また前記負圧導入弁座30及び大気導入
弁座31間の弁筒10内周面に作動室3に連通する第2
ポート29が開口し,弁部34aの内周側に連なる大気
導入口39が弁筒10の後端に設けられる。また弁筒1
0と入力杆20との間には,入力杆20を後退方向へ付
勢する入力戻しばね41が縮設される。符号4は,弁筒
10が一体的に結合されるブースタピストンである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に,かゝる負圧ブ
ースタにおいて,入力杆の初期操作入力は,入力戻しば
ねのセット荷重によって決定されるので,この入力戻し
ばねのセット荷重を極力小さく設定することが操作力の
軽減のために望まれる。
【0005】ところで,入力戻しばね41のセット荷重
は,入力杆20から操作入力を解除して,大気導入弁座
31を弁体34の弁部34aに着座させる共に,該弁部
34aを負圧導入弁座30から離座させているとき,弁
ピストン18及び弁体34の内外に作用する負圧室2の
負圧と大気圧との気圧差による弁ピストン18及び弁体
34の前方への引き込み力に抗して入力杆20を後退限
に保持するに足る大きさが必要がある。
【0006】しかしながら,従来の負圧ブースタでは,
弁体34の第1可撓膜部34cの前面にまで負圧室2の
負圧が作用するようになっているため,前記気圧差によ
る弁ピストン18及び弁体34の前方への引き込み力
は,前記気圧差に第1可撓膜部34cの有効直径Dを乗
じた比較的大きな値を持つことになり,入力戻しばね4
1のセット荷重を下げるにも限界がある。
【0007】本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたも
ので,前記気圧差による弁ピストン及び弁体の前方への
引き込み力を減少させて,入力戻しばねのセット荷重を
下げ,入力杆の初期操作入力を軽減させ得るようにし
た,前記負圧ブースタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明は,ブースタシェルに,その内部を負圧源に
連なる前側の負圧室と後側の作動室とに区画するブース
タピストンを収容し,このブースタピストンに連設され
る弁筒に,該弁筒に前後方向摺動自在に嵌合する弁ピス
トンと,この弁ピストンに前端部を連結する入力杆と,
該弁ピストン及び該弁筒間で前記入力杆の前後動に応じ
て前記作動室を前記負圧室と大気とに連通切換えする制
御弁と,前記入力杆を後退方向へ付勢する入力戻しばね
とを配設し,この制御弁を,前記弁筒に形成された環状
の負圧導入弁座と,前記弁ピストンに形成されて前記負
圧導入弁座の内側に配置される大気導入弁座と,前記弁
筒に前記負圧導入弁座及び大気導入弁座に着座可能に対
向する環状の弁部,前記弁筒の内周面に固定的に保持さ
れる環状の取付けビード部,前記取付けビード部から半
径方向内方へ延びる環状の第1可撓膜部,及びこの第1
可撓膜部の内周端から軸方向へ延びて前記弁部に結合す
る環状の第2可撓膜部からなる弁体と,前記弁部を前記
負圧導入弁座及び大気導入弁座との着座方向へ付勢する
弁ばねとで構成し,前記負圧導入弁座及び弁体間の弁筒
内周面に前記負圧室に連通する第1ポートを開口し,ま
た前記負圧導入弁座及び大気導入弁座間の弁筒内周面に
前記作動室に連通する第2ポートを開口し,前記弁部の
内周側を大気に連通した負圧ブースタにおいて,前記第
2可撓膜部を囲繞して第1可撓膜部の前面に当接する支
承板を前記弁筒に固定したことを特徴する。
【0009】この特徴によれば,第1可撓膜部に前記気
圧差による引き込み力が加わっても,この第1可撓膜部
に対する引き込み力は,弁筒に固定された支承板に受け
止められるので,その分,弁ピストン及び弁体から入力
杆に作用する前記気圧差による引き込み力が減少する。
したがって入力戻しばねのセット荷重を下げることが可
能となり,入力杆への初期操作入力の低減を図ることが
できる。
【0010】
【実施例の形態】本発明の実施の形態を,添付図面に示
す本発明の実施例に基づいて説明する。
【0011】図1は本発明の一実施例に係るシングル型
負圧ブースタを入力杆の休止状態で示す縦断面図,図2
は図1の2部拡大図,図3は倍力作動状態を示す,図2
に対応した作用説明図,図4は倍力解除過程を示す,図
2に対応した作用説明図,図5は上記負圧ブースタの倍
力特性線図である。
【0012】先ず,図1及び図2において,負圧ブース
タBのブースタシェル1は,対向端を相互に結合する前
後一対のシェル半体1a,1bとから構成され,その後
部シェル半体1bが自動車の車室前壁Fにボルト8によ
り固定して支持され,前部シェル半体1aには,該ブー
スタBにより作動されるブレーキマスタシリンダMのシ
リンダボディMaがボルト9により固着される。
【0013】ブースタシェル1の内部は,それに前後往
復動可能に収容されるブースタピストン4と,その後面
に重ねて結着されると共に両シェル半体1a,1b間に
挟止されるダイヤフラム5とにより,前側の負圧室2と
後側の作動室3とに区画される。そして負圧室2は,負
圧導入管14を介して負圧源V(例えば内燃機関の吸気
マニホールド内部)と接続される。
【0014】ブースタピストン4は鋼板により環状に成
形されており,このブースタピストン4及びダイヤフラ
ム5の中心部に合成樹脂製の弁筒10が一体的に結合さ
れる。この弁筒10は,後部シェル半体1bの中心部に
後方へ突設された支持筒部12にシールリップ付き軸受
部材13を介して摺動自在に支承される。
【0015】弁筒10内には,弁ピストン18,この弁
ピストン18に連結する入力杆20,及びこの入力杆2
0の前後動に応じて作動室3を負圧室2と大気とに連通
切換えする制御弁38とが配設される。
【0016】弁ピストン18は,弁筒10に設けられた
ガイド孔11に摺動自在に嵌合されるもので,その前端
には頸部18aを介して反力ピストン17が,また後端
には環状の大気導入弁座31がそれぞれ形成される。そ
の大気導入弁座31を囲繞するように配置される環状の
負圧導入弁座30が弁筒10に形成される。
【0017】弁ピストン18には,大気導入弁座31の
後端面に開口する連結孔18aが設けられ,この連結孔
18aに入力杆20の球状前端部20aが嵌合されると
共に,その抜け止めのために弁ピストン18の一部がか
しめられ,こうして入力杆20は弁ピストン18に首振
り可能に連結される。
【0018】また弁筒10には,前記負圧導入弁座30
及び大気導入弁座31に対向する共通一個の弁体34が
配設される。この弁体34は,負圧導入弁座30及び大
気導入弁座31に着座可能に対向する環状の弁部34a
と,弁筒10の内周面に固定される環状の取付けビード
部34bと,この取付けビード部34bから半径方向内
方へ延びる環状の第1可撓膜部34cと,この第1可撓
膜部34cの内周端から軸方向前方に延びて弁部34a
に結合する環状の第2可撓膜部34dとから構成され,
その弁部34aを両弁座30,31との着座方向へ付勢
する弁ばね36が弁部34aと入力杆20との間に縮設
される。 上記負圧導入弁座
30,大気導入弁座31,弁体34及び弁ばね36によ
って制御弁38が構成される。
【0019】前記弁体34の取付けビード部34b及び
第1可撓膜部34cの前面には,第2可撓膜部34dを
囲繞する環状の支承板43が当接するように配置され,
この支承板43は,弁筒10の内周面に形成された環状
段部44に当接して前方への移動が阻止される。また取
付けビード部34bは,弁筒10の内周面に嵌合する筒
状の弁ホルダ35の外周溝35aに係合されると共に,
この弁ホルダ35と支承板43とで挟持される。この弁
ホルダ35を,その挟持位置に保持するために,弁ホル
ダ35に後端外周に突設された係止爪47が,弁筒10
内周面に形成された環状溝46に係合される。こうして
取付けビード部34bは,支承板43と共に弁筒10の
内周面に固定される。
【0020】上記弁ホルダ35と入力杆20との間に
は,入力杆20を後退方向へ付勢する入力戻しばね41
が縮設される。
【0021】さらに弁筒10には第1及び第2ポート2
8,29が設けられる。第1ポート28は,前記負圧室
2に連なると共に負圧導入弁座30及び取付けビード部
34b間の弁筒10内周面に開口し,第2ポート29
は,前記作動室3に連なると共に負圧導入弁座30及び
大気導入弁座31間の弁筒10内周面に開口する。
【0022】前記後部シェル半体1bの支持筒部12の
後端と入力杆20とに,弁筒10を被覆する伸縮可能の
ブーツ40の両端が取付けられ,このブーツ40の後端
部に,前記弁体34の内側に連通する大気導入口39が
設けられる。この大気導入口39に流入する空気を濾過
するフィルタ42が入力杆20の外周面と弁筒10の内
周面との間に介裝される。このフィルタ42は,入力杆
20及び弁筒10の相対移動を阻害しないよう,柔軟性
を有する。
【0023】さらにまた弁筒10には,ブースタピスト
ン4及び弁ピストン18の後退限を規定するキー32が
一定距離の範囲で軸方向移動可能に取付けられる。この
キー32は,前記弁ピストン18及び反力ピストン17
間の頸部18bを跨ぐフォーク部32aを内端に有する
と共に,その外端32bが前記後部シェル半体1bの支
持筒部12に設けられたストッパ壁19の前面に対向す
るように配置される。而して,キー32がストッパ壁1
9に当接することによりブースタピストン4及び弁筒1
0の後退限が規定され,また反力ピストン17の後端面
がキー32に当接することにより弁ピストン18及び入
力杆20の後退限が規定される。前記頸部18bの軸方
向長さはキー32の板厚より大きく設定されていて,弁
ピストン18とキー32とが僅かに相対移動ができるよ
うになっている。
【0024】さらにまた弁筒10には,前方に突出する
作動ピストン15と,この作動ピストン15の中心部を
貫通する小径シリンダ孔16とが設けられ,この小径シ
リンダ孔16に前記反力ピストン17が摺動自在に嵌合
される。作動ピストン15の外周にはカップ体21が摺
動自在に嵌合され,このカップ体21には作動ピストン
15及び反力ピストン17に対向する偏平な弾性ピスト
ン22が充填される。その際,反力ピストン17及び弾
性ピストン22間には,負圧ブースタBの非作動時に一
定の間隙ができるようになっている。
【0025】カップ体21の前面には出力杆25が突設
され,この出力杆25は前記ブレーキマスタシリンダM
のピストンMbに連接される。
【0026】以上において,作動ピストン15,反力ピ
ストン17,弾性ピストン22及びカップ体21は,出
力杆25の出力の一部を入力杆20にフィードバックす
る反力機構24を構成する。
【0027】カップ体21及び弁筒10の前端面にリテ
ーナ26が当接するように配設され,このリテーナ26
とブースタシェル1の前壁との間にブースタピストン4
及び弁筒10を後退方向へ付勢するブースタ戻しばね2
7が縮設される。
【0028】次にこの実施例の作用について説明する。
【0029】負圧ブースタBの休止状態では,図1及び
図2に示すように,弁筒10に取付けられたキー32が
後部シェル半体1bのストッパ壁19前面に当接し,こ
のキー32に反力ピストン17の後端面が当接すること
により,ブースタピストン4及び入力杆20が後退限に
位置している。このとき,大気導入弁座31は弁体34
の弁部34aに密着しながら,この弁部34aを押圧し
て負圧導入弁座30から僅かに離座させている。これに
よって大気導入口39及び第2ポート29間の連通が遮
断される一方,第1及び第2ポート28,29間が連通
され,したがって負圧室2の負圧が両ポート28,29
を通して作動室3に伝達し,両室2,3は同圧となって
いるため,ブースタピストン4及び弁筒10はブースタ
戻しばね27の付勢力により前記後退位置に保持され
る。
【0030】また負圧室2の負圧は,弁ピストン18及
び大気導入弁座31の前面や,弁体34の弁部34a及
び第1可撓膜部34cの前面にも作用するため,この負
圧と,大気導入弁座31の外側の大気圧との気圧差によ
り,弁ピストン18及び弁体34に前方への引き込み力
が働くが,第1可撓膜部34cに働く前方引き込み力
は,弁筒10に固定された支承板43に受け止められる
ため,弁ピストン18及び弁体34から入力杆20に伝
達する前方引き込み力は,環状の支承板43の内径dに
前記気圧差を乗じた値となる。こうして,弁体34の第
1可撓膜部34cに働く前方引き込み力の,入力杆20
への伝達が阻止されるので,その分だけ入力戻しばね4
1のセット荷重を下げても,弁ピストン18及び弁体3
4の前方引き込み力に抗して入力杆20を所定の後退限
に保持することができる。このことは,ブレーキペダル
Pによる入力杆20への初期操作入力を軽減し得ること
を意味する。
【0031】したがって,いま,車両を制動すべくブレ
ーキペダルPを軽く踏み込んでも,入力戻しばね41の
セット荷重に抗して入力杆20を弁ピストン18と共に
前進させることができる。すると,図3に示すように,
弁ピストン18の前進に伴い,弁ばね36の付勢力が第
2可撓膜部34dを伸ばしながら弁部34aを負圧導入
弁座30に着座させると同時に,大気導入弁座31が弁
体34から離れ,これにより第1及び第2ポート28,
29間の連通が遮断されると共に,第2ポート29が弁
体34の内側を通して大気導入口39と連通される。そ
の結果,大気導入口39から弁筒10内に流入した大気
は大気導入弁座31を通過し,第2ポート29を経て作
動室3に導入され,作動室3を負圧室2より高圧にする
ので,それらの気圧差に基づく前方推力を得てブースタ
ピストン4は,弁筒10,作動ピストン15,弾性ピス
トン22,カップ体21及び出力杆25を伴いながらブ
ースタ戻しばね27の力に抗して前進するので,出力杆
25によりブレーキマスタシリンダMのピストンMbを
駆動するようになる。この駆動に伴い生ずる反力により
弾性ピストン22が圧縮されて,その一部を小径シリン
ダ孔16に膨出させるが,その膨出部が反力ピストン1
7の前面に当接するまでは,上記反力は入力杆20に伝
わらないので,出力杆25の出力は,図5に線a−bで
示すように急速に立ち上がるジャンピング特性を示す。
このように,比較的小さい初期操作入力によりジャンピ
ング特性が得られので,ブレーキマスタシリンダM及び
各車輪ブレーキの無効ストロークを素早く排除して,各
車輪ブレーキの応答性を高めることができる。
【0032】弾性ピストン22が反力ピストン17に当
接してからは,出力杆25の作動反力の一部が弾性ピス
トン22を介して入力杆20にフィードバックされるこ
とになるので,操縦者は出力杆25の出力の大きさを感
受することができる。そして出力杆25の出力は,弾性
ピストン22に当接する作動ピストン15及び反力ピス
トン17の受圧面積の比によって定まる倍力比をもっ
て,図5の線b−cで示すように増加する。
【0033】負圧室2及び作動室3間の気圧差が最大と
なる倍力限界点cに達してからは,出力杆25の出力
は,線c−dに示すように,ブースタピストン4の上記
気圧差による最大推力と,入力杆20への操作入力との
和となる。
【0034】車両の制動状態を解除すべく,ブレーキペ
ダルPから踏力を解放すると,先ず入力杆20及び弁ピ
ストン18が入力戻しばね41の力をもって後退する。
これに伴い,弁ピストン18は,図4に示すように,大
気導入弁座31を弁体34に着座させながら,その弁体
34を負圧導入弁座30から大きく離間させるので,作
動室3が第2ポート29及び第1ポート28を介して負
圧室2と連通する。その結果,作動室3への大気の導入
が阻止される一方,作動室3の空気が負圧室2を経て負
圧限Vに吸入され,それらの気圧差が無くなるため,ブ
ースタピストン4も,ブースタ戻しばね27の弾発力を
もって後退し,マスタシリンダMの作動を解除してい
く。そして,ブースタピストン4及び入力杆20は,再
び図1及び図2の休止状態に戻る。
【0035】本発明は,上記実施例に限定されるもので
はなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が
可能である。例えば,負圧ブースタBは,前後一対のブ
ースタピストンを同一の弁筒に結合したタンデム型に構
成することもできる。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば,ブースタ
シェルに,その内部を負圧源に連なる前側の負圧室と後
側の作動室とに区画するブースタピストンを収容し,こ
のブースタピストンに連設される弁筒に,該弁筒に前後
方向摺動自在に嵌合する弁ピストンと,この弁ピストン
に前端部を連結する入力杆と,該弁ピストン及び該弁筒
間で前記入力杆の前後動に応じて前記作動室を前記負圧
室と大気とに連通切換えする制御弁と,前記入力杆を後
退方向へ付勢する入力戻しばねとを配設し,この制御弁
を,前記弁筒に形成された環状の負圧導入弁座と,前記
弁ピストンに形成されて前記負圧導入弁座の内側に配置
される大気導入弁座と,前記弁筒に前記負圧導入弁座及
び大気導入弁座に着座可能に対向する環状の弁部,前記
弁筒の内周面に固定的に保持される環状の取付けビード
部,前記取付けビード部から半径方向内方へ延びる環状
の第1可撓膜部,及びこの第1可撓膜部の内周端から軸
方向へ延びて前記弁部に結合する環状の第2可撓膜部か
らなる弁体と,前記弁部を前記負圧導入弁座及び大気導
入弁座との着座方向へ付勢する弁ばねとで構成し,前記
負圧導入弁座及び弁体間の弁筒内周面に前記負圧室に連
通する第1ポートを開口し,また前記負圧導入弁座及び
大気導入弁座間の弁筒内周面に前記作動室に連通する第
2ポートを開口し,前記弁部の内周側を大気に連通した
負圧ブースタにおいて,前記第2可撓膜部を囲繞して第
1可撓膜部の前面に当接する支承板を前記弁筒に固定し
たので,弁体の第1可撓膜部に前記気圧差による引き込
み力が加わっても,この第1可撓膜部に対する引き込み
力を支承板に受け止めさせることにより,その分,弁ピ
ストン及び弁体から入力杆に作用する前記気圧差による
引き込み力を減少させることができ,したがって入力戻
しばねのセット荷重を下げることが可能となり,入力杆
への初期操作入力の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るシングル型負圧ブース
タを入力杆の休止状態で示す縦断面図。
【図2】図1の2部拡大図。
【図3】倍力作動状態を示す,図2に対応した作用説明
図。
【図4】倍力解除過程を示す,図2に対応した作用説明
図。
【図5】上記負圧ブースタの倍力特性線図。
【図6】従来の負圧ブースタにおける制御弁部の断面
図。
【符号の説明】
B・・・・負圧ブースタ V・・・・負圧源 1・・・・ブースタシェル 2・・・・負圧室 3・・・・作動室 4・・・・ブースタピストン 10・・・弁筒 18・・・弁ピストン 20・・・入力杆 28・・・第1ポート 29・・・第2ポート 30・・・負圧導入弁座 31・・・大気導入弁座 34・・・弁体 34a・・弁部 34b・・取付けビード部 34c・・第1可撓膜部 34d・・第2可撓膜部 36・・・弁ばね 38・・・制御弁 43・・・支承板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブースタシェル(1)に,その内部を負
    圧源(V)に連なる前側の負圧室(2)と後側の作動室
    (3)とに区画するブースタピストン(4)を収容し,
    このブースタピストン(4)に連設される弁筒(10)
    に,該弁筒(10)に前後方向摺動自在に嵌合する弁ピ
    ストン(18)と,この弁ピストン(18)に前端部を
    連結する入力杆(20)と,該弁ピストン(18)及び
    該弁筒(10)間で前記入力杆(20)の前後動に応じ
    て前記作動室(3)を前記負圧室(2)と大気とに連通
    切換えする制御弁(38)と,前記入力杆(20)を後
    退方向へ付勢する入力戻しばね(41)とを配設し,こ
    の制御弁(38)を,前記弁筒(10)に形成された環
    状の負圧導入弁座(30)と,前記弁ピストン(18)
    に形成されて前記負圧導入弁座(30)の内側に配置さ
    れる大気導入弁座(31)と,前記弁筒(10)に前記
    負圧導入弁座(30)及び大気導入弁座(31)に着座
    可能に対向する環状の弁部(34a),前記弁筒(1
    0)の内周面に固定的に保持される環状の取付けビード
    部(34b),前記取付けビード部(34b)から半径
    方向内方へ延びる環状の第1可撓膜部(34c),及び
    この第1可撓膜部(34c)の内周端から軸方向へ延び
    て前記弁部(34a)に結合する環状の第2可撓膜部
    (34d)からなる弁体(34)と,前記弁部(34
    a)を前記負圧導入弁座(30)及び大気導入弁座(3
    1)との着座方向へ付勢する弁ばね(36)とで構成
    し,前記負圧導入弁座(30)及び弁体(34)間の弁
    筒(10)内周面に前記負圧室(2)に連通する第1ポ
    ート(28)を開口し,また前記負圧導入弁座(30)
    及び大気導入弁座(31)間の弁筒(10)内周面に前
    記作動室(3)に連通する第2ポート(29)を開口
    し,前記弁部(34a)の内周側を大気に連通した負圧
    ブースタにおいて,前記第2可撓膜部(34d)を囲繞
    して第1可撓膜部(34c)の前面に当接する支承板
    (43)を前記弁筒(10)に固定したことを特徴す
    る,負圧ブースタ。
JP2000024795A 2000-01-28 2000-01-28 負圧ブースタ Pending JP2001213303A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000024795A JP2001213303A (ja) 2000-01-28 2000-01-28 負圧ブースタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000024795A JP2001213303A (ja) 2000-01-28 2000-01-28 負圧ブースタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001213303A true JP2001213303A (ja) 2001-08-07

Family

ID=18550729

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000024795A Pending JP2001213303A (ja) 2000-01-28 2000-01-28 負圧ブースタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001213303A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7549711B2 (en) * 2002-06-21 2009-06-23 Nissin Kogyo Co., Ltd. Vacuum pressure booster
CN116447179A (zh) * 2023-06-20 2023-07-18 烟台亮远液压技术有限公司 一种同时输出推力和拉力的液压增压器

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7549711B2 (en) * 2002-06-21 2009-06-23 Nissin Kogyo Co., Ltd. Vacuum pressure booster
CN116447179A (zh) * 2023-06-20 2023-07-18 烟台亮远液压技术有限公司 一种同时输出推力和拉力的液压增压器
CN116447179B (zh) * 2023-06-20 2023-08-18 烟台亮远液压技术有限公司 一种同时输出推力和拉力的液压增压器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1216906B1 (en) Vacuum booster
JPS627019B2 (ja)
JPS628345B2 (ja)
JP5363301B2 (ja) 負圧ブースタ
US7021724B2 (en) Vacuum booster
US6397723B1 (en) Negative pressure booster
GB2104989A (en) Pneumatic servo booster
JP2001213303A (ja) 負圧ブースタ
US7549711B2 (en) Vacuum pressure booster
JP4590119B2 (ja) 負圧ブースタ
JP4608573B2 (ja) 負圧ブースタ
JP3999416B2 (ja) 負圧ブースタ
JP2001063549A (ja) 負圧ブースタ
JP5078796B2 (ja) 負圧ブースタ
JP3856269B2 (ja) 負圧ブースタ
JP4664529B2 (ja) ブレーキ用ブースタの反力機構
JP4073583B2 (ja) 負圧ブースタ
JP4502527B2 (ja) 負圧ブースタ
JP4167354B2 (ja) 負圧ブースタ
JP3759308B2 (ja) 電磁補助制御手段付き負圧ブースタ
JP6368541B2 (ja) 負圧ブースタ
US20040182238A1 (en) Sealing structure and master cylinder and brake booster combination incorporating the same
US10005440B2 (en) Pneumatic booster
JPH11208454A (ja) 電磁補助制御手段付き負圧ブースタ
JP2816911B2 (ja) 負圧ブースタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070926

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080305