JP5362483B2 - アルキルエーテル化カルボキシアルキルセルロースの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アルキルエーテル化セルロース誘導体の製造方法に関する。詳しくは、アルキルエーテル化置換度の高いアルキルエーテル化セルロース誘導体の製造方法に関する。
従来より、セルロースやその誘導体のアルキルエーテル化方法としては、苛性ソーダなどの強アルカリの存在下、例えばカルボキシアルキルセルロースにアルキルハロゲン化物を反応させる方法が知られている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、カルボキシアルキルセルロースとアルカリとの反応により、まずアルコラートと水が生成し、次に、生成したアルコラートとアルキル化剤との反応により、疎水性が高いアルキルエーテル化セルロース誘導体と塩が生成するため、反応の進行に伴い反応系の不均一化が増し、アルキルエーテル化セルロース誘導体の凝集が進むため、アルキルエーテル化置換度の高いものが得られにくいという問題があった。
特開昭55−118901号公報
本発明は、アルキルエーテル化置換度の高いアルキルエーテルセルロース誘導体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意研究した結果、アルカリ(C)と一緒に、特定の化学構造を有する相間移動触媒(D)も存在させて反応させることにより解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、セルロースまたはその誘導体(A)とアルキル化剤(B)を、アルカリ(C)と特定の化学構造の相間移動触媒(D)の存在下で反応させることを特徴とするアルキルエーテル化セルロース誘導体(E)の製造方法である。
本発明によれば、特定の化学構造を有する相間移動触媒を選択することにより、アルキルエーテル化反応に伴い進行する凝集による反応性の低下が抑制されるため、アルキルエーテル化置換度の高いアルキルエーテルセルロース誘導体が得られる。
本発明は、セルロースまたはその誘導体(A)とアルキル化剤(B)を、アルカリ(C)と特定の化学構造を有する相間移動触媒(D)の存在下で反応させることを特徴とするアルキルエーテル化セルロース誘導体(E)の製造方法である。
本発明において、出発物質としてのセルロースまたはそのセルロース誘導体(A)としては、綿リンター、木材パルプもしくは溶解パルプなどから得られる植物系セルロース;アセトバクター属などに属する微生物の産出するバクテリアセルロース;カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシプロピルセルロースなどのカルボキシアルキルセルロース;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロース;メチルセルロース、エチルセルロース、イソプロピルセルロースなどのアルキルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどが挙げられる。
好ましくは、カルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースおよびアルキルセルロースであり、特に好ましくは、カルボキシアルキルセルロースである。
本発明において、セルロースまたはその誘導体(A)のアルキルエーテル化のために使用するアルキル化剤(B)としては、メチルクロライド、エチルクロライド、プロピルクロライド、ブチルクロライド、イソプロピルクロライドなどのアルキルクロライド;メチルブロマイド、エチルブロマイド、プロピルブロマイド、ブチルブロマイド、イソプロピルブロマイドなどのアルキルブロマイド;ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジプロピル硫酸、ジブチル硫酸、ジイソプロピル硫酸などのジアルキル硫酸などが挙げられる。
好ましくは、アルキルクロライドであり、特に好ましくは、エチルクロライド、メチルクロライドである。
セルロースまたはその誘導体(A)とアルカリ(C)の仕込み比率は、(A)の水酸基/アルカリ(C)の当量比として、通常1/0.8〜1/10であり、1/1〜1/8が好ましい。
アルカリ(C)としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムの固形物が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムであり、より好ましくは水酸化ナトリウムである。これらの固形アルカリ金属水酸化物は単独でも、2種類以上の混合物であっても良い。
これらの固形アルカリ金属水酸化物の形状は、粒状、フレーク状、粉状の何れでも良い。大きさは、粒状物は好ましくは直径1〜5mm、フレーク状物は好ましくは0.5〜3cm角、粉状物は好ましくは30〜100μmであるが、本発明はこれに限定されない。作業従事者の取り扱い上、粒状が好ましい。
セルロースまたはその誘導体(A)とアルカリ(C)の重量比(A)/(C)は、通常1/0.1〜1/2.0であり、1/0.3〜1/1.5が好ましい。
本発明の高いアルキルエーテル化置換度を得るための製造方法では相間移動触媒(D)の存在下で反応させることは必須要件であり、かつこの相間移動触媒(D)は、下記一般式(1)で表されるものに限られる。
[式(1)中、R1とRはそれぞれ独立に炭素数が1〜8の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基;Rは炭素数が1〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基を表す。Rは、炭素数が8〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基または炭素数が7〜22のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基;Xは酸(F)のモノアニオンを表す。]
1とRはそれぞれ独立に炭素数が1〜の直鎖の脂肪族炭化水素基を表し、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。
は炭素数が1〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基を表し、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、オレイル基、ヤシ油由来のアルコールから水酸基を除いたアルキル基(以下、ヤシ油アルキル基と略記する)、オレイル基などが挙げられ、分岐の炭化水素基としては、イソプロピル基、2−エチルヘキシル基が挙げられる。これらのうち、炭素数が1〜20の直鎖の脂肪族炭化水素基が好ましく、さらに好ましいのは炭素数が1〜18の直鎖の脂肪族炭化水素基である。
は、炭素数が8〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基、または炭素数が7〜22のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基を表す。
直鎖の脂肪族炭化水素基としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ヤシ油アルキル基およびオレイル基などが挙げられ、分岐の脂肪族炭化水素基としては、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。これらのうち、炭素数が8〜20の直鎖の脂肪族炭化水素基が好ましく、さらに好ましいのは炭素数が10〜18の直鎖の脂肪族炭化水素基である。
炭素数が7〜22のアリールアルキル基としては、ベンジル基およびフェネチル基など、アリールアルケニル基としてはスチリル基およびシンナミル基などが挙げられる。これらのうち、炭素数が7〜15のアリールアルキル基が好ましく、さらに好ましいのは炭素数が7〜10のアリールアルキル基である。
式(1)で表される相間移動触媒(D)を構成する第4級アンモニウムカチオンとしては、Rが脂肪族炭化水素基とアリールアルキル基の場合が挙げられる。
が脂肪族炭化水素基の具体例は、1つの長鎖アルキル基を有するもの(トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテトラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、トリメチルヤシ油アルキルアンモニウム、トリメチル−2−エチルヘキシルアンモニウム、ジメチルエチルドデシルアンモニウム、ジメチルエチルテトラデシルアンモニウム、ジメチルエチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルエチルオクタデシルアンモニウム、ジメチルエチルヤシ油アルキルアンモニウム、ジメチルエチル−2−エチルヘキシルアンモニウム、メチルジエチルドデシルアンモニウム、メチルジエチルテトラデシルアンモニウム、メチルジエチルヘキサデシルアンモニウム、メチルジエチルオクタデシルアンモニウム、メチルジエチルヤシ油アルキルアンモニウムおよびメチルジエチル−2−エチルヘキシルアンモニウムなど)、2つの長鎖アルキル基(炭素数6〜22)を有するもの(ジメチルジヘキシルアンモニウム、ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウムおよびジメチルジドデシルアンモニウムなど)、1つの長鎖アルケニル基(炭素数8〜22)を有するもの(トリメチルオレイルアンモニウム、ジメチルエチルオレイルアンモニウムおよびメチルジエチルオレイルアンモニウムなど)が挙げられる。
好ましくはジメチルジデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、メチルジエチルドデシルアンモニウム、およびメチルジエチルヤシ油アルキルアンモニウムが挙げられる。
また、Rがアリールアルキル基の具体例は、たとえば、ジメチルデシルベンジルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウム、ジメチルテトラデシルベンジルアンモニウム、ジメチルヘキサデシルベンジルアンモニウム、ジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウム、ジメチルオレイルベンジルアンモニウムおよびジメチル−2−エチルヘキシルベンジルアンモニウムなどが挙げられる。
好ましくはジメチルドデシルベンジルアンモニウム、ジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウム、ジメチルオレイルベンジルアンモニウムおよびジメチル−2−エチルヘキシルベンジルアンモニウムが挙げられる。
これらのうち、耐熱性の観点から好ましいのは、ジメチルジデシルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウム、ジメチルオレイルベンジルアンモニウムおよびジメチル−2−エチルヘキシルベンジルアンモニウムである。
一般式(1)におけるXは酸(F)のモノアニオンを表す。
酸(F)としては、無機酸、有機酸が挙げられ、無機酸が好ましい。
無機酸の具体例としては、塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、重亜硫酸、燐酸、亜燐酸、次燐酸、メタ燐酸、次亜燐酸、アミド燐酸、炭酸、重炭酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、オルトホウ酸、メタホウ酸、スルファミン酸などが挙げられる。
これらのうち、好ましいのは、塩酸、硫酸、臭化水素酸、硝酸、燐酸、亜燐酸である。
(D)のうち、反応性の観点から好ましいのは、ジメチルジデシルアンモニウムクロリドおよびブロミド、ジメチルドデシルベンジルアンモニウムクロリドおよびブロミド、トリメチルヘキサデシルアンモニウムクロリドおよびブロミド、ジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウムクロリド、およびジメチル−2−クロリドである。
これら相間移動触媒(D)の添加量は、セルロースまたはその誘導体(A)に対して、通常、0.1〜20重量%であり、好ましくは0.1〜10重量%である。
本発明において、アルキルエーテル化反応時、セルロースまたはその誘導体(A)を溶解、膨潤、または分散させる目的で、溶媒を用いることが好ましい。
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリンなどの芳香族炭化水素系溶剤;n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、シクロヘキサンなどの脂肪族または脂環式炭化水素系溶剤;塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、メチレンジクロライド、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレンなどのハロゲン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエステル系またはエステルエーテル系溶剤;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;t−ブタノールなどのアルコール系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶剤;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤、N−メチルピロリドンなどの複素環式化合物系溶剤、ならびにこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
アルキルエーテル化反応開始時の溶媒と、セルロースまたはその誘導体(A)の重量比[溶媒/(A)]は通常、0/1〜10/1、好ましくは0.1/1〜4/1である。
また、セルロースまたはその誘導体(A)を膨潤させて反応を促進する目的で、水を用いることができる。
アルキルエーテル化反応開始時の水と(A)の重量比[水/(A)]は通常、0/1〜0.3/1、好ましくは0.01/1〜0.15/1である。この範囲より多くの水の量になると、不均一性が増してスラリー状反応系を保持できなくなり、凝集を生じるだけではなく、アルキル化剤の主反応への効率が低下する。
本発明の目的の化合物であるアルキルエーテル化セルロース誘導体(E)は、セルロースまたはその誘導体(A)とアルキル化剤(B)を、アルカリ(C)と相間移動触媒(D)の存在下で反応させることにより、(E)のアルキルエーテル化置換度を、70〜100%と高くすることができる。好ましくは80%〜100%、さらに好ましくは85%〜100%である。
ここで、本発明における「アルキルエーテル化置換度」とは、セルロースまたはその誘導体(A)のグルコース環単位当りの水酸基のうち、アルキルエーテル化された官能基数の割合の平均値を百分率で表わした値として定義する。
例えば、(A)としてグルコース環単位当り0.5個がカルボキシメチル基で置換されたカルボキシメチルセルロースを原料とし、残りの2.5個のうち2.1個がさらにアルキルエーテル化された場合のアルキルエーテル化置換度は、84%である。
具体的には、(E)のアルキルエーテル結合をヨウ化水素酸で開裂し、生じたヨウ素酸からヨウ素を遊離させ、これをチオ硫酸ナトリウムで測定することで求められる。詳細は後述する。
アルキルエーテル化反応の反応温度は通常40℃〜180℃であり、好ましくは60〜160℃であり、より好ましくは80〜140℃である。40℃未満であると反応の進行が非常に遅く効率的でない。160℃を超えると、容器の材質が耐久性の良いSUS316Lであっても腐食を起こす可能性がある。
反応は、好ましくは窒素等の不活性ガス雰囲気下(酸素濃度が好ましくは100ppm以下)で行うことが好ましい。
セルロースまたはその誘導体(A)、アルキル化剤(B)、アルカリ(C)、相間移動触媒(D)の投入の順序は、急激な反応が生じなければ特に限定されないが、(A)、(D)、および必要により水と溶媒を混合した後、攪拌下に(C)を分散させ、室温で減圧と窒素等による不活性ガスでの置換を繰り返した後、減圧にして(B)を滴下する方法が好ましい。
(A)、(B)、(C)を混合し、最後に(C)を投入する方法では、(C)の溶解熱や急激な反応により生成物が着色し易くなり、好ましくない。
本発明において、アルキルエーテル化後、反応物に、水と硫酸、塩酸、燐酸などの酸を加え、析出物をろ過水洗し、乾燥することによって、アルキルエーテル化セルロース誘導体(E)を分離し、精製することができる。
本発明によって得られるアルキルエーテル化セルロース誘導体の用途は特に限定しないが、本品のpH変化による水への溶解性が変化する性質や、フィルム形成能が用いられる用途に使用される。
通常、医薬品等の薬剤の添加剤、特に腸溶性のコーティング剤、苦みマスキング剤、あるいは頭髪用セット剤として使用することができる。
以下、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、特に記載のないかぎり、「部」は「重量部」、%は重量%を意味する。
アルキルエーテル化置換度の測定法は以下の通りである。
<アルキルエーテル化置換度>
(1)試料15mgとヨウ化水素酸6mLを分解フラスコに入れた後、窒素を通じて、150℃で1時間加熱する。生成するヨウ化エチルを気相に追い出し,この後1重量%の赤リン懸濁液で洗浄し、吸収管に送る。吸収管には、酢酸カリウム15gを酢酸/無水酢酸混液(9/1)150mLに溶解し、その溶液145mLを量り、臭素5mLを加えておく。
(2)酢酸ナトリウム三水和物溶液が入った共栓三角フラスコに、吸収管の内容物を加える。吸着管の内壁に付着した内容物は、水を加えることで流し出す。次に、振り混ぜながら臭素の赤色が消えるまで、ギ酸を加える。
(3)共栓三角フラスコにヨウ化カリウム3gと希硫酸15mLを加え、栓をして軽く振り混ぜ、5分間放置する。遊離したヨウ素を0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定する。
(4)下記式からまずエトキシ基含量(C)を算出し、これを用いて本発明のアルキルエーテル化置換度(C)を算出する。
エトキシ基含量(C)(%)=滴定量(mL)×75.10/試料量(mg)
アルキルエーテル化置換度(C)(%)=95×C/(45−44C)×100
<実施例1>
オートクレーブ反応容器にカルボキシメチルセルロース(カルボキシメチル化置換度16.6%、グルコース環単位当りのカルボキシアルキル基の置換基数0.5)(A−1)45.7部、水酸化ナトリウム(C−1)20.8部、ジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウムクロライド(D−1)1.8部、トルエン80.5部、および水3.5部を投じ、窒素置換後、120℃で圧力を見ながらエチルクロライド(B−1)33.5部を徐々に加え、12時間反応した。反応終了後、反応物をグラス容器に移し、水215.9部と硫酸13.3部を加え、析出した粒子を遠心分離機で水洗および脱水し、90℃で減圧乾燥して、カルボキシメチルエチルセルロースを得た。結果を表1に示した。
なお、表1中のアルキルエーテル化反応終了後の外観を示す「凝集」とは、凝集物が多く、不均一な状態であることを示し、「溶液状」とは、これら凝集物が無く、均一な外観であることを示す。
<実施例2>
実施例1において、相間移動触媒のジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウムクロライド(D−1)の代わりにジメチルジn−デシルアンモニウムクロライド(D−2)1.8部とした以外は実施例1と同様に操作した。
参考例1
実施例1において、相間移動触媒のジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウムクロライド(D−1)の代わりにセチルトリメチルアンモニウムクロライド(D’−4)1.8部とした以外は実施例1と同様に操作した。
<比較例1>
実施例1において、相間移動触媒のジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウムクロライド(D−1)の代わりにテトラメチルアンモニウムクロライド(D’−1)1.8部とした以外は実施例1と同様に操作した。
<比較例2>
実施例1において、相間移動触媒のジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウムクロライド(D−1)の代わりにトリメチルブチルアンモニウムクロライド(D’−2)1.8部とした以外は実施例1と同様に操作した。
<比較例3>
実施例1において、相間移動触媒のジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウムクロライド(D−1)の代わりにトリヤシ油メチルアンモニウムクロライド(D’−3)1.8部とした以外は実施例1と同様に操作した。
<比較例4>
実施例1において、相間移動触媒を使用しなかったこと以外は実施例1と同様に操作した。
以上の結果から明らかな通り、特定の化学構造の相間移動触媒を用いた本発明の製造方法は、アルキルエーテル化置換度が高いアルキルエーテル化セルロース誘導体が得られる。
また、反応終了後の均一性が高く、溶液状となるため、ハンドリングが容易になり、生成物の分離、精製の作業性が向上する。
本発明によって得られるアルキルエーテル化置換度が高いアルキルエーテル化セルロース誘導体は、pH変化による水への溶解性が変化する性質や、フィルム形成能が用いられる用途に使用される。通常、医薬品等の薬剤の添加剤、特に腸溶性のコーティング剤、苦みマスキング剤、あるいは頭髪用セット剤として使用することができる。

Claims (5)

  1. セルロースまたはその誘導体(A)とアルキル化剤(B)を、アルカリ(C)と下記一般式(1)で表される相間移動触媒(D)の存在下で反応させることを特徴とするアルキルエーテル化セルロース誘導体(E)の製造方法。
    [式中、R1とRはそれぞれ独立に炭素数が1〜4の直鎖の脂肪族炭化水素基;Rはノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、オレイル基からなるアルキル基を表す。Rは炭素数が8〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基または炭素数が7〜22のアリールアルキルもしくは.アリールアルケニル基;Xは酸(F)のモノアニオンを表す。]
  2. 相間移動触媒(D)を表す一般式(1)中、Rが炭素数が7〜22のアリールアルキル基である請求項1記載のアルキルエーテル化セルロース誘導体の製造方法。
  3. 該酸(F)が、無機酸である請求項1または2に記載のアルキルエーテル化セルロース誘導体の製造方法。
  4. セルロース誘導体(A)の重量に基づいて(D)を0.1〜20重量%含有する請求項1〜3いずれか記載のアルキルエーテル化セルロース誘導体の製造方法。
  5. セルロース誘導体(A)がカルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースおよびアルキルセルロースからなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜4いずれか記載の製造方法。
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