JP5361956B2 - 電磁波を用いる検査装置、及び検査方法 - Google Patents

電磁波を用いる検査装置、及び検査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5361956B2
JP5361956B2 JP2011170583A JP2011170583A JP5361956B2 JP 5361956 B2 JP5361956 B2 JP 5361956B2 JP 2011170583 A JP2011170583 A JP 2011170583A JP 2011170583 A JP2011170583 A JP 2011170583A JP 5361956 B2 JP5361956 B2 JP 5361956B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electromagnetic wave
unit
detection
propagation
information
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011170583A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011215167A (ja
Inventor
信太郎 笠井
敏彦 尾内
健明 井辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2011170583A priority Critical patent/JP5361956B2/ja
Publication of JP2011215167A publication Critical patent/JP2011215167A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5361956B2 publication Critical patent/JP5361956B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/25Colour; Spectral properties, i.e. comparison of effect of material on the light at two or more different wavelengths or wavelength bands
    • G01N21/31Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry
    • G01N21/35Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry using infrared light
    • G01N21/3581Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry using infrared light using far infrared light; using Terahertz radiation
    • G01N21/3586Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry using infrared light using far infrared light; using Terahertz radiation by Terahertz time domain spectroscopy [THz-TDS]
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/75Systems in which material is subjected to a chemical reaction, the progress or the result of the reaction being investigated
    • G01N21/77Systems in which material is subjected to a chemical reaction, the progress or the result of the reaction being investigated by observing the effect on a chemical indicator
    • G01N21/7703Systems in which material is subjected to a chemical reaction, the progress or the result of the reaction being investigated by observing the effect on a chemical indicator using reagent-clad optical fibres or optical waveguides

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Length-Measuring Devices Using Wave Or Particle Radiation (AREA)

Description

本発明は、テラヘルツ波の時間波形に関する情報を取得するための装置、電磁波を用いて検体(検査対象)の情報を取得するための検査装置、検査方法などに関する。特には、30GHz以上30THz以下の周波数領域の電磁波(本明細書において、テラヘルツ波と呼ぶ。)を用いて検体の情報を取得するための検査装置、検査方法などに関する。
近年、テラヘルツ波を利用した技術開発が盛んである。特に、分光学的手法によって得られる30GHz以上30THz以下の周波数帯域のスペクトルを用いて、物質の分析を行うことができる。
こうした技術状況において、基板上にテラヘルツ波伝送路を作製し、伝送路上にDNA水溶液を滴下し乾燥させることで、伝送路のテラヘルツ波伝播特性が変化することを利用して、DNAの分析を行う技術が非特許文献1に開示されている。非特許文献1には、DNAの1本鎖と2本鎖の間で、テラヘルツ波に対する誘電率が異なることを利用している。これにより、テラヘルツ波の伝播特性の相違から、DNAが1本鎖か2本鎖であるのかを検査することができる。
上述した様に、テラヘルツ波を用いて、その伝播状態の変化から物質の吸収係数や複素屈折率などの光学特性を求めることで、物質の分析・検出・同定などができる。ところで、非特許文献1の方法では、折り返し光学系とリトロリフレクターを用いて時間遅延を生じさせている。この時間遅延により伝播するテラヘルツ波の時間波形を得ることができる。
一般的に、テラヘルツ波の測定は、テラヘルツ時間領域分光法によりテラヘルツ波の時間波形を取得することにより行われる。従来、プローブ光が伝播する光路長を変える手段が用いられている。これにより、前記検出部でテラヘルツ波を検出(検出部にパルス状のレーザ光(プローブ光)を照射)するタイミングを変化(時間遅延)させることができる。このとき、テラヘルツ波が前記検出部に到達(前記発生部で発生)するタイミングは一定である。
Phys.Med. Biol. 48, 3625 (2003)
非特許文献1の方法では、折り返し光学系とリトロリフレクターを用いるために、検査素子は小型であってもこの検査素子を駆動させる検査装置全体が大きくなる可能性がある。
本発明は、従来技術とは異なる手法によってテラヘルツ時間領域分光法を行い、テラヘルツ波の時間波形に関する情報を取得するための装置を提供する。
本発明に係るテラヘルツ波の時間波形に関する情報を取得するための装置は、
テラヘルツ波を第1の位置で発生させるための発生部と、
前記テラヘルツ波の波形情報を第2の位置で検出するための検出部と、
前記テラヘルツ波が前記発生部で発生してから、該テラヘルツ波の波形情報として前記検出部で検出されるまでの時間を変えるように、前記第1の位置と前記第2の位置との相対位置で決まる前記テラヘルツ波の伝播距離を変えるための距離変化部と、を有し、
前記距離変化部は、前記第1の位置或いは前記第2の位置に照射する励起光の入射角度を変えるための角度可変ミラー、或いは、前記発生部と前記検出部との相対位置を変えるための可動ステージであり、
前記発生部により発生したテラヘルツ波ごとに、前記検出部で検出されたテラヘルツ波の波形情報と前記伝播距離とを関連付けることを特徴とする。
また、上記課題に鑑み、別の本発明の検査装置は次の特徴を有する。すなわち、検査装置は、電磁波を発生するための発生部と、前記電磁波を検出するための検出部と、前記発生部で発生する電磁波を前記検出部に伝播するための伝播部と、距離変化部と、処理部と、を有する。前記距離変化部は、前記発生部の電磁波を発生する電磁波発生位置と前記検出部の電磁波を検出する電磁波検出位置との間の、前記伝播部を介する電磁波の伝播距離を変化させる。前記処理部は、前記伝播距離の変化の情報と、前記検出部で検出される電磁波の情報とを関連付けて、前記伝播部を伝播してきた電磁波の時間波形の少なくとも一部を取得する。検査装置は、前記電磁波の伝播状態の変化から、前記電磁波発生位置と前記電磁波検出位置との間に置かれる検体の情報を取得する。更に、検査装置において、前記電磁波発生位置で発生する電磁波のパルスを発生させるタイミングを決めるパルス周波数と、前記電磁波検出位置に伝播してきた電磁波を取り込むタイミングを決めるサンプリング周波数との比がn:1(nは1以上の自然数)になっている。典型的には、パルス周波数とサンプリング周波数は一致している。
一例では、前記発生部と前記検出部の少なくとも一方は、前記電磁波を発生または検出するための光伝導部を有し、前記光伝導部は、複数の電極と、光伝導性を有する半導体膜を含んで構成される。前記光伝導部の前記複数の電極は互いに接触せず且つ前記半導体膜に接して形成される。また、前記光伝導膜上の前記電磁波発生位置または前記電磁波検出位置に、前記パルス周波数または前記サンプリング周波数のレーザ光を照射して前記電磁波の発生または検出が行われる。更に、前記距離変化部は、前記電磁波発生位置と前記電磁波検出位置の少なくとも一方を変化させて前記伝播距離を変化させる。
また、上記課題に鑑み、別の本発明の検査素子は次の特徴を有する。すなわち、検査素子は、電磁波を発生するための発生部と、前記電磁波を検出するための検出部と、前記発生部で発生する電磁波を前記検出部に伝播するための伝播部と、を有する。検査素子は、前記電磁波の伝播状態の変化から、前記伝播部に置かれる検体の情報を取得する。前記発生部と前記検出部の少なくとも一方は、電磁波を発生または検出するための光伝導部を有し、前記光伝導部は、第1電極と第2電極を含む複数の電極と、光伝導性を有する半導体膜を含んで構成される。前記光伝導部の前記第1電極と前記第2電極を含む複数の電極は互いに接触せず且つ前記半導体膜に接して形成され、前記伝播部は、前記第1電極と前記第2電極と誘電体を含んで構成される。更に、前記光伝導膜上の電磁波発生位置または電磁波検出位置に、レーザ光を照射して電磁波の発生または検出が行われ、前記レーザ光に対する反射率が前記半導体膜とは異なる反射部を、前記複数の電極の何れかに沿って前記半導体膜上に一つ以上備える。
また、上記課題に鑑み、別の本発明の検査方法は次の特徴を有する。すなわち、検査方法は、電磁波を発生する発生工程と、前記電磁波を検出する検出工程と、距離変化工程と、時間波形取得工程と、を含む。前記距離変化工程では、前記電磁波を発生する電磁波発生位置と前記電磁波を検出する電磁波検出位置との間の、電磁波の伝播距離を変化させる。前記時間波形取得工程では、前記伝播距離の変化の情報と、前記検出される電磁波の情報とを関連付けて、前記電磁波検出位置に伝播してきた電磁波の時間波形の少なくとも一部を取得する。検査方法は、前記電磁波の伝播状態の変化から、前記電磁波発生位置と前記電磁波検出位置との間に置かれる検体の情報を取得する。更に、検査方法において、前記電磁波発生位置で発生する電磁波のパルスを発生させるタイミングを決めるパルス周波数と、前記電磁波検出位置に伝播してきた電磁波を取り込むタイミングを決めるサンプリング周波数との比をn:1(nは1以上の自然数)に設定する。典型的には、パルス周波数とサンプリング周波数は一致している。
本発明に係るテラヘルツ波の時間波形に関する情報を取得するための装置は、前記発生部により発生したテラヘルツ波ごとに、前記検出部で検出されたテラヘルツ波の波形情報と前記伝播距離とを関連付ける。これにより、テラヘルツ波の時間波形を得るために、テラヘルツ波の伝播距離を変える手法を提供することができる。
本実施形態に係るテラヘルツ波の時間波形に関する情報を取得するための装置(或いは波形情報取得装置)について、図1(a)を用いて説明する。
まず、11は、テラヘルツ波を発生させるための発生部である。前記発生部11は、低温成長させたGaAs(LT−GaAs)、InGaAs、AlGaAsなどの光伝導性を有する半導体(単一の層構造、光伝導膜とも呼ぶ。)であることが望ましい。また、前記発生部11は、前記光伝導性を有する半導体を含み構成される構造体(複数の層構造)であることが望ましい。前記構造体は、励起光の光子エネルギーより小さなバンドギャップエネルギーを持つ半導体を含み構成されるダイオード構造(整流性を持たせた構造)のことである。例えば、p-i-nダイオード構造、metal-i-nダイオード構造、metal-i-metalダイオード構造、ショットキーバリアダイオード構造などを用いることができる。これらは、素子に逆バイアスを印加することにより、励起光の照射で発生するキャリアにより流れる電流を小さくすることができる。このため、発生部11の抵抗が小さくても、効率良くキャリアに電界を印加することができる。ここで、i層の材料には、例えば、LT−GaAsよりも抵抗の低いInGaAsなどを用いることが好ましいが、本発明はこれに限らない。また、前記発生部11には、共鳴トンネルダイオード、半導体超格子、超伝導体などを用いても良い。
次に、12は、テラヘルツ波の波形情報を検出するための検出部である。前記検出部12は、上述の発生部11と同様の構成が考えられる。ここで、テラヘルツ波の波形情報とは、例えば、時間波形(横軸を時間軸としたテラヘルツ波の波形)上の、ある時間における振幅の値のことである。また、前記波形情報は、少なくとも波形の一部の情報であれば良い。
また、14は、テラヘルツ波が前記発生部11で発生してから、該テラヘルツ波の波形情報として前記検出部12で検出されるまでの時間を変えるための遅延部である。前記遅延部14は、上述したテラヘルツ時間領域分光法(THz−TDS:Terahertz Time Domain Spectroscopy)を行うための機構である。遅延部13の具体的な構成については、後述するが、図1(a)の14は、角度可変ミラーである。
そして、前記遅延部14は、前記発生部11により発生したテラヘルツ波の伝播距離を変えるように構成される。ここで、前記伝播距離は、テラヘルツ波が前記発生部11で発生してから前記検出部12で検出されるまでに伝播する距離のことである。
さらに、前記発生部11により発生したテラヘルツ波(或いは異なるテラヘルツ波)ごとに、前記検出部12で検出されたテラヘルツ波の波形情報(例えば、電場情報、磁場情報または強度情報)と前記伝播距離とを関連付ける。なお、異なるテラヘルツ波とは、前記発生部11により発生したテラヘルツ波のうち、第1のテラヘルツ波と該第1のテラヘルツ波とは異なる第2のテラヘルツ波などである。ここで、前記関連付けられた情報を用いて、前記伝播距離に対する前記波形情報からテラヘルツ波の時間波形に関する情報を取得するための波形情報取得部を備えることが好ましい。
以上により、従来技術とは異なる手法によってテラヘルツ時間領域分光法を行い、テラヘルツ波の時間波形に関する情報を取得することができる。なお、前記時間波形に関する情報とは、テラヘルツ波の振幅や位相に関する情報なども含まれる。ここで、テラヘルツ時間領域分光方法とは、前記検出したテラヘルツ波に関する情報からテラヘルツ波の時間波形を構築する手法である。本実施形態は、前記時間波形の取得を、テラヘルツ波の伝播距離を変えることにより行う手法である。
(遅延部)
次に、前記遅延部14について、図1(b)を用いて説明する。
前記遅延部14は、テラヘルツ波が前記発生部11で発生する位置(第1の位置17とも呼ぶ。)と、該テラヘルツ波の波形情報を前記検出部12で検出する位置(第2の位置18とも呼ぶ。)との相対位置を変える機能を有することが好ましい。前記第1の位置17と前記第2の位置18との距離を変化させるもの(距離変化部とも呼ぶ。)であれば何でも良い。
図1(a)及び(b)において、前記距離変化部(或いは前記遅延部14)は、前記第1の位置17に照射する励起光15の入射角度を変えるための角度可変ミラーである。なお、前記入射角度とは、前記励起光15が前記角度可変ミラーに入射する角度のことである。また、前記角度可変ミラーは、前記励起光15が前記角度可変ミラーでの反射角度を変える機能を有するとも換言できる。
このとき、図1(b)のように、前記励起光15が分割され、前記第2の位置18と前記角度可変ミラーとに照射されるように、固定ミラー16(ハーフミラー)を配置することが好ましい。また、前記角度可変ミラー(或いは前記遅延部14)は、図1(c)のように、前記第2の位置18に照射する励起光15の角度を変えるように配置しても良い。
なお、13は、テラヘルツ波が伝播する伝播部であり、テラヘルツ波が伝播している領域のことである。前記伝播部13としては、例えば、ストリップ形状の電極を含み構成される伝送線路(マイクロストリップ線路)などがある。さらに、伝播部13は、テラヘルツ波が伝播する空気(間隙、空間)で構成(すなわち、テラヘルツ波が空間を伝播するように構成)しても良い。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、図1(d)において、前記距離変化部(或いは前記遅延部14)は、前記発生部11と前記検出部12との相対位置を変えるための可動ステージである。前記検出部12に対する前記発生部11の位置を変えるように構成しても良い。また、前記発生部11に対する前記検出部12の位置を変えるように構成しても良い。なお、29は、空気などの空間を伝播するテラヘルツ波を表している。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、前記距離変化部(或いは前記遅延部14)として、前記角度可変ミラーを用いて、前記発生部により発生したテラヘルツ波を前記検出部12に伝播させるための可動放物面鏡を併用するように構成することもできる。このとき、前記角度可変ミラーと前記可動放物面鏡とは関連付けて動作させることが好ましい。これについては、実施例で詳述する。
ここで、前記発生部11は、テラヘルツ波が発生する第1の位置を含み構成される。また、前記検出部12は、テラヘルツ波の波形情報が検出される第2の位置を含み構成される。これにより、前記第1の位置と前記第2の位置との相対位置によって、前記伝播距離を決めることができる。
なお、テラヘルツ時間領域分光法において、パルス周波数とサンプリング周波数との比が、n:1(nは1以上の自然数)であることが好ましい。ここで、パルス周波数により、前記第1の位置からテラヘルツ波のパルスを発生させるタイミングが決まる。また、サンプリング周波数により、前記第2の位置でテラヘルツ波の波形情報を検出するタイミングが決まる。これについては、後述する。
(方法)
別の本実施例に係るテラヘルツ波の時間波形に関する情報を取得するための方法(或いは波形情報取得方法)は、以下の工程を有する。
1)テラヘルツ波を伝播させる工程。
2)第1の伝播距離を伝播したテラヘルツ波の波形情報を取得する工程。
3)前記テラヘルツ波の伝播距離を第2の伝播距離に変化させる工程。
4)前記第2の伝播距離を伝播したテラヘルツ波の波形情報を取得する工程。
5)前記第1の伝播距離及び前記第2の伝播距離で伝播したテラヘルツ波の波形情報から取得される時間波形に関する情報を取得する工程。
なお、前記時間波形に関する情報は、前記波形情報から時間波形全体を構築しても良い。また、前記時間波形に関する情報は、時間波形上の数点の情報から時間波形全体を構築しても良い。さらに、時間波形を構築しなくても良い。
(検査装置)
本実施形態に係る検査装置及び検査方法は、上記効果を達成するために、次の基本的な構成要素ないし工程を有する。すなわち、検査装置は、発生部で発生する電磁波を検出部に伝播するための伝播部を有して、距離変化手段により、上記発生部の電磁波を発生する電磁波発生位置と上記検出部の電磁波を検出する電磁波検出位置との間の、上記電磁波の伝播距離を変化させる。また、検査方法は、電磁波を発生する発生工程と、上記電磁波を検出する検出工程と、上記電磁波を発生する電磁波発生位置と上記電磁波を検出する電磁波検出位置との間の、電磁波の伝播距離を変化させる距離変化工程とを含む。
上記基本構成において、上記伝播距離の変化の情報と、上記検出される電磁波の情報とを処理部で関連付けて、上記電磁波検出位置に伝播してきた電磁波の時間波形の少なくとも一部を取得する。こうして、上記電磁波の伝播状態の変化から、上記電磁波発生位置と上記電磁波検出位置との間に置かれる検体の情報を取得する。ここにおいて、上記時間波形の取得のために、上記電磁波発生位置で発生する電磁波のパルス周波数と、上記電磁波検出位置に伝播してきた電磁波を取り込むサンプリング周波数との比がn:1(nは1以上の自然数)になっている。典型的には、パルス周波数とサンプリング周波数は一致している。更に、ここでは、発生部で発生する電磁波のパルスの時間幅は、上記サンプリングの時間幅より十分大きく、且つ電磁波パルスの発生とサンプリングはほぼ同時に行われる様に設定される。上記距離変化手段ないし工程により上記電磁波の伝播距離を変化させるという構成により、上記効果を達成するのであるが、上記基本構成の範囲内で、以下に示す様な種々の態様が可能である。
後述する実施形態と実施例では、半導体の光伝導スイッチ素子を用い、上記電磁波パルスの発生は、ポンプ光で光学的に励起することで行われ、上記サンプリングは、プローブ光で光学的にゲートすることで行われる。しかし、他に、電気光学結晶、半導体結晶、共鳴トンネルダイオードやガンダイオードなどの半導体素子等を用いて、電磁波を発生することもできる。また、電気光学効果のポッケルス効果を用いるサンプリング法、ショットキーバリアダイオードなどの検波素子を用いて、サンプリングして電磁波を取り込むこともできる。
また、上記伝播部は、後述する伝送線路の他に、空間を含む部分であってもよい。こうした場合、例えば、発生部からアンテナにより電磁波を空間に放出し、検出部においてアンテナにより電磁波を取り込む。また、検体は、伝送線路の場合は伝送線路上に置かれるが、空間の場合は、例えば、空間中の保持部で保持される。
また、後述する実施形態や実施例では、電磁波発生位置と電磁波検出位置の少なくとも一方を変化させて上記電磁波の伝播距離を変化させている。しかし、例えば、上記伝播部が空間を含む場合、空間距離変化手段により発生部または検出部自体を移動させて伝播距離を変化させることもできる。
以下、本発明を実施するための形態を、図を交えて説明する。本検査装置は、検査に用いるデバイス(検査素子)と、デバイスを駆動する駆動系からなる。図2-1(a)及び(b)に、デバイス主要部分と駆動系の一部の平面図及び断面図(AA´で切断)を記す。また、図2-2にデバイス・駆動系の全体を記す。
(デバイス)
図2-1(a)及び(b)に示す様に、本デバイスの主要部分は、基板114上の、基準電極113、第1光伝導膜110、第2光伝導膜112、第1誘電体111、第2誘電体116、第3誘電体117、第1電極109、第2電極115を含む。基準電極とは、本実施形態の検査で用いる検査素子118において電位の基準となる電極を意味する。
誘電体111、116、117は、第1、第2の光伝導膜110、112を取り囲む様に形成される。本実施形態では、第1、第2の光伝導膜110、112の間にある部分の誘電体を、便宜的に第1誘電体111と呼ぶこととする。また、図2-1(b)において、第1光伝導膜110の左側にある部分の誘電体を第2誘電体116と呼び、第2光伝導膜112の右側にある部分の誘電体を第3誘電体117と呼ぶこととする。ただし、第1、第2、第3の誘電体111、116、117は明確な境界を持って分離しているのではなく、ここでは、一体となっているものとする。
第1電極109は、第1、第2、第3の誘電体111、116、117及び第1、第2の光伝導膜110、112の上面に形成される。第2電極115は、第2光伝導膜112上に一端を有し、且つ第1電極109と交差しない様に形成される。
以上が、本検査装置に用いるデバイス主要部分の構成である。第1光伝導膜110の部分が上記発生部であり、第2光伝導膜112の部分が上記検出部であり、第1誘電体111の部分と第1、第2の光伝導膜110、112の第1誘電体111に隣接する部分が上記伝播部である。
(駆動系)
次に、本デバイスを駆動させる駆動系と駆動方法について説明する。
基準電極113を電気的に接地(アース)させ、第1電極109にバイアス電圧(10V程度)を印加する。また、第2電極115に、高利得電流電圧変換増幅器106を接続する。
一方、図2-2の駆動系において、レーザ光源201から出射したレーザ光を、ビームスプリッター202で分割する。レーザ光源201には、例えばモードロック・チタンサファイアレーザを用い、レーザ光には、パルス時間幅が100フェムト秒程度のいわゆる超短パルスレーザ光を用いる。ビームスプリッター202で分割されたレーザ光のうち、ビームスプリッター202で反射した方のレーザ光をポンプ光208と呼び、ビームスプリッター202を透過した方のレーザ光をプローブ光209と呼ぶことにする。なお、図2-1と図2-2において、レーザ光は実線で描かれ、電気信号の流れは点線で描かれている。また、ミラーは太い実線、ビームスプリッターは太い点線でそれぞれ描かれている。
ポンプ光208はオプティカルチョッパー210を経て、アクチュエータ204が設置されたポンプ光側ミラー203で光路を曲げられ、レンズ206を経てデバイス207に入射する。ここで、図2-2に描かれているデバイス207は、図2-1(a)及び(b)で詳細を説明したデバイス118と同じである。また、プローブ光209も同様に、プローブ光側ミラー205で光路を曲げられ、レンズ206を経てデバイス207に入射する。ポンプ光208とプローブ光209の光軸を接近させるために、プローブ光側ミラー205は半透過ミラーを用い、ポンプ光208の一部が透過できる様にする。このため、プローブ光側ミラー205は太い点線で記す。ビームスプリッター202からデバイス207に至るまでの光路長は、ポンプ光208とプローブ光209で略一致するよう調節する。すなわち、ポンプ光208とプローブ光209はほぼ同時にそれぞれの所定の位置を照射する様になっている。より厳密には、ポンプ光208の照射により発生した電磁波の一部がプローブ光209照射位置に到達するのと同時に、プローブ光209が所定の位置に照射されるよう、光路長を調節する。
図2-2に示すポンプ光側ミラー203、プローブ光側ミラー205及びアクチュエータ204は、それぞれ、図2-1(a)に示すポンプ光側ミラー102、プローブ光側ミラー105及びアクチュエータ101と同じ物である。図2-1(a)のミラー102及びアクチュエータ101の配置は、図2-2の配置がより実際の配置を良く表している。また、煩雑になるのを避けるため、図2-2に示されているレンズ206は、図2-1(a)及び(b)では描かれていないように必ずしも要しない。図2-1(a)においては、103がポンプ光、104がプローブ光である。
プローブ光104は、デバイス118上のプローブ光照射位置108に集光照射される。プローブ光照射位置108は上記電磁波検出位置であり、第1電極109と第2電極115の間隙とする。また、ポンプ光103は、デバイス118上のポンプ光照射位置107に集光照射される。ポンプ光照射位置107は上記電磁波発生位置であり、第1電極109近傍で、且つ第1光伝導膜110上である。ここで述べた近傍とは、ポンプ光107によって第1光半導体膜110中に生ずるフォトキャリアが、第1電極109と基準電極113間の電界で加速される程度の近さを意味する。すなわち、生じた電荷キャリアが両電極間を伝導し、電流が生じる程度の近さの距離である。典型的には、ポンプ光照射位置107は、第1電極109の縁から第1電極の幅の3倍程度以内にある。
こうして、ポンプ光照射位置107にポンプ光103が到達すると、第1光伝導膜110中にフォトキャリアが発生する。発生したフォトキャリアは、第1電極109と基準電極113間の電界により加速される。上記フォトキャリアが加速されることにより、電磁波が生じる。ここでは、この電磁波の周波数が30GHzから30THzの範囲内なので、以後テラヘルツ波とも呼ぶ。
生じた上記テラヘルツ波は、第1電極109、基準電極113、第1光伝導膜110で構成されるマイクロストリップライン伝送線路を伝播する。更に、テラヘルツ波は、第1電極109、基準電極113、第1誘電体111で構成されるマイクロストリップライン伝送線路に伝播する。更に、テラヘルツ波は、第1電極109、基準電極113、第2光伝導膜112で構成されるマイクロストリップライン型の伝送線路を伝播し、プローブ光照射位置108に到達する。ここでは、これらの伝送線路が上記伝播部を構成する。
上記テラヘルツ波がプローブ光照射位置108に到達するのと同時に、プローブ光104のパルスがプローブ光照射位置108に到達すると、次のことが起こる。すなわち、プローブ光104によって第2光伝導膜112中に生じたフォトキャリアがテラヘルツ波の電場によって加速される。加速されたフォトキャリアは電流を生じさせる。生じた電流は、増幅器106によって増幅され、ロックインアンプ119にて検出される。この時、ロックインアンプ119にオプティカルチョッパー210の参照信号を入力することで、同期を取る。ロックインアンプ119からの出力信号はコンピュータ120で記録する。ここで、コンピュータ120は上記処理部を構成する。信号が充分強い場合には、オプティカルチョッパー210とロックインアンプ119を省略し、増幅器106の信号をADコンバータなど(図示せず)を経て直接コンピュータ120で記録しても良い。なお、図2-2に示す増幅器211、ロックインアンプ212、コンピュータ213は、それぞれ、図2-1(a)に示した増幅器106、ロックインアンプ119、コンピュータ120と同じ物である。
(時間波形の取得)
本実施形態では、上述した様なパルス時間幅が100フェムト秒程度の超短パルスレーザ光を分割してポンプ光とプローブ光を得ている。よって、ポンプ光照射位置(電磁波発生位置)で発生する電磁波のパルス周波数と、プローブ光照射位置(電磁波検出位置)に伝播してくる電磁波を取り込むサンプリング周波数との比が1:1になっている。また、検出部に伝播してくる電磁波のパルスの時間幅は、プローブ光によるサンプリングの時間幅より十分大きくなっている。よって、後述する様に、検出部に伝播してくる電磁波の時間波形の少なくとも一部を取得することができる。
上記テラヘルツ波がプローブ光照射位置108に到達する時間と、プローブ光104がプローブ光照射位置108に到達する時間を相対的にずらす(時間遅延を生じさせる)ことで、テラヘルツ波の時間波形の全体像或いは一部が得られる。本実施形態では、図2-1(a)に示すアクチュエータ101を用いてポンプ光側ミラー102の角度を変化させ、ポンプ光照射位置107を第1電極109に沿って移動させる。このことで、上記伝播部の伝播距離が変化し、テラヘルツ波がプローブ光照射位置108に到達する時間を前後させることができる。ここで、アクチュエータ101は上記距離変化手段を構成する。
この原理を図3に模式的に示す。ポンプ光照射位置107がそれぞれx1、x2、x3の時の、プローブ光入射時刻と、検出部に伝播してくる上記電磁波の時間波形の相対的な関係を、(a)、(b)、(c)に示した。ここで、ポンプ光照射位置107は、プローブ光照射位置108に近い方からx1、x2、x3とした。横軸は時刻であり、縦軸は、検出部に伝播してくるテラヘルツ波の電界強度とする。また、図示した様に時間原点をプローブ光入射時刻とする。
ロックインアンプ119で検出されるのは、検出部に伝播してくる上記テラヘルツ波の時間波形とプローブ光入射時刻が重なった部分(すなわちサンプリングされた部分)の値である。ポンプ光照射位置107をずらすことで、得られる出力値も変化する。図3の(a)、(b)、(c)を合成することで、図3の(d)の様に、横軸をポンプ光照射位置、縦軸を、検出部に伝播してくる上記テラヘルツ波の電界強度とした波形が得られる。
ポンプ光照射位置107と実際の時間には、下記の式1の関係式が成り立つ。
t=nMSLx/c 式1
ここで、tは時間、nMSLは、光伝導膜上におけるマイクロストリップライン型伝送路を伝播するテラヘルツ波の実効屈折率、xはポンプ光照射位置107の移動距離、cは光速である。この式より、ポンプ光照射位置と各照射位置で得られた出力値の組み合わせが得られれば、時間波形を得られることが分かる。本実施形態では、アクチュエータ101からの信号をコンピュータ120に取り込むことで、ポンプ光照射位置107の位置情報を得る。こうして、コンピュータ120は、伝播距離の変化の情報と、検出部で検出される電磁波の情報とを関連付けて、伝播部を伝播してきた電磁波の時間波形の少なくとも一部を取得する。
こうして、本実施形態では、上記距離変化手段は、レーザ光を光伝導膜に入射させるために設けられたミラーの角度を変化させて上記電磁波発生位置または上記電磁波検出位置を変化させる。上記処理部であるコンピュータは、ミラーの角度の情報を受けて伝播距離の変化の情報を得る。
本実施形態の検査装置及び検査方法によれば、ポンプ光の照射位置を変化させることで電磁波の時間遅延を生じさせ、これにより電磁波の時間波形を取得する。そのため、折り返し光学系やリトロリフレクターが不要となり、検査装置全体が小型になる。尚、上述した様に、本実施形態における電磁波の発生部、電磁波の検出部、処理部、距離変化手段の構成は一例である。
なお、以下のような形態も可能である。すなわち、上記に述べた実施形態のうち、発生部と検出部を異なる基板上に集積し、伝播部にマイクロストリップラインの替わりに空間(空気)を用いても良い。またこの場合、空間にテラヘルツ波を放射することになるが、空間との結合効率を向上させるためにアンテナを基板に集積させても良い。また、本発明は、いわゆるテラヘルツ時間領域分光測定装置(THz-TDS)に適用することができ、本発明の他の一形態は、テラヘルツ時間領域分光測定装置である。具体的には、ポンプ光の照射によってテラヘルツ波が発生するテラヘルツ波発生部と、発生したテラヘルツ波が伝播する伝播領域と、プローブ光の照射によって前記伝播領域を伝播してくるテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部とを備えている。そして、前記プローブ光の照射タイミングを一定にしたまま、前記ポンプ光の照射位置を変えることによって、前記テラヘルツ波が前記伝播領域を伝播する伝播距離を変えるのである。この伝播距離を変える手法に関しては、下記実施例に記載の技術を適用できる。この構成により、前記伝播領域を伝播してくる前記テラヘルツ波の遅延時間を変化させることができ、通常、プローブ光の照射タイミングを遅延させることによって行なわれる時間波形パルスの特定点の計測手法を代替し得る。
(実施例)
(実施例1:角度可変ミラーにより入射角度を変化)
以下に、数値を交えてより具体的な実施例を示す。
図2-1と図2-2を用いて実施例1を説明する。実施例1では、基板114は例えばシリコン基板を用い、真空蒸着法でチタン及び金を積層することで基準電極113を形成する。基準電極113は厚さ300nm程度とする。第1光伝導膜110及び第2光伝導膜112は、200℃〜300℃で分子ビームエピタキシー法にて結晶成長させた低温成長ガリウムヒ素(LT−GaAs)膜(厚さ1μm〜2μm程度)などを用いる。上記LT−GaAs膜を基準電極113上に設置する方法は、いわゆるエピタキシャルリフトオフ法や、AuSn(金スズ)ボンディング後に基板をウェットエッチングで除去する方法などを用いることができる。第1光伝導膜110と第2光伝導膜112は1mm程度隔てて設置される。
誘電体111、116、117には、例えばBCB(ベンゾシクロブテン)を用いる。BCBの厚さは3μm〜6μm程度とする。光伝導膜及び誘電体上に、フォトリソグラフィーと真空蒸着法を用いたリフトオフプロセスなどにより、チタン及び金を積層させて第1電極109を形成する。また同様の方法で、第2電極115を形成する。第1電極109と第2電極115は、第2光伝導膜112上で10μm程度の間隙を有するよう形成する。第1、第2の電極109、115は、いずれも幅5μm〜10μm程度とする。以上が、本実施例における検査素子の具体的構成である。
次に、本実施例における検査装置の駆動方法について述べる。ポンプ光103を第1電極109近傍に照射する(ポンプ光照射位置107)。ここで言う近傍とは、第1電極109の縁より約15μm以内の領域である。
例えば、図2-2に図示されるレンズ206に焦点距離20mmの対物レンズを使用した場合、ポンプ光103の入射角度を2.86°変更させることで、ポンプ光集光位置107は約1mm移動する。そのためには、ピエゾアクチュエータなどのアクチュエータ101を用いてポンプ光用ミラー102の角度を1.43°傾ければ良い。ただし、これは焦点距離20mmの対物レンズを薄肉単レンズと仮定した場合の近似値である。
本デバイス118で発生、伝播するテラヘルツ波は、持続時間幅がピコ秒オーダーのパルス状(周波数にして1THz前後の帯域を持つ)となることが、上記非特許文献1で知られている。1THzにおけるGaAsの屈折率は約3.6であり、マイクロストリップラインの誘電体にGaAsを用いた場合の実効屈折率は約3強である(ただし、GaAs膜厚が2μm程度、線路幅が5μm程度の場合)。よって、ポンプ光集光位置107が1mm移動した場合、上記テラヘルツ波の伝播時間に換算すると約10psに相当する。すなわち、ここでは、アクチュエータ101を用いてポンプ光照射位置107を1mm程度移動させることで、10psの時間遅延を生じさせられるので、検出部に伝播してくる上記電磁波の時間波形の大部分を取得することができる。
本実施例においては、オプティカルチョッパー210とロックインアンプ212を用いて同期検波を行っている。その場合、ポンプ光照射位置107を第1電極109に沿って移動させる方法として、数μm(例えば5μm)ずつステップ状に移動させる方法を用いても良い。すなわち、5μm移動してデータを取得し、また5μm移動してデータを取得する、と言う動作を繰り返し、合計1mm程度の距離を移動させて、検出部に伝播してくるテラヘルツ波の時間波形を取得する。
上述した様に、本実施例では、次の様になっている。すなわち、上記発生部と上記検出部の少なくとも一方は、電磁波を発生または検出するための光伝導部を有し、光伝導部は、複数の電極と、光伝導性を有する半導体膜を含んで構成される。光伝導部の複数の電極は互いに接触せず且つ半導体膜に接して形成され、光伝導膜上の電磁波発生位置または電磁波検出位置に、上記パルス周波数または上記サンプリング周波数のレーザ光を照射して電磁波の発生または検出が行われる。また、上記距離変化手段は、上記電磁波発生位置と上記電磁波検出位置の少なくとも一方を変化させて上記伝播距離を変化させる。
またこの他、オプティカルチョッパー210を用いず、第1電極109に印加する電圧を10kHz程度で変調させ、印加電圧変調と同期した同期検波を行っても良い。この場合、印加電圧は高速変調できるので、ポンプ光照射位置107は連続的に高速に移動させても良い。またシグナル・ノイズ比を向上させるために、ポンプ光照射位置107を1mm程度移動させる動作を繰り返し行い、得られた時間波形を積算する方法を採用しても良い。
本実施例のデバイスと駆動系からなる検査装置を用いた検体検査の実施例を以下に述べる。第1誘電体111と第1電極109の重なる部分の上に、マイクロピペットなどを用いてDNA水溶液を滴下する。DNAには例えばvector pcDNA3 5.4kbのものを用い、濃度0.5μg/μl程度の水溶液を100nl程度滴下する。また、DNA水溶液は、二本鎖の物と、湯煎により一本鎖に変性した物の二種類を用意する。滴下されたDNA水溶液はやがて乾燥し、DNAが析出する。DNAが第1電極109上及び近傍に析出することで、第1誘電体111、第1電極109、基準電極113で構成されるマイクロストリップラインの実効屈折率が変化し、伝播電磁波に数100fs程度の時間遅延が生じる。一本鎖のDNAと二本鎖のDNAでは、生じさせる時間遅延量が異なることから、滴下された検体が一本鎖DNAであったか二本鎖DNAであったかを判別することができる。
本実施例では、折り返し光学系やリトロリフレクターが不要になり、装置全体が小型になると言う効果がある。また、ポンプ光の照射位置変更にアクチュエータ付きミラーを用いることで、ポンプ光の減衰などがなく、レーザ光の位置合わせなども容易である。また、小型のミラーを用いることにより、ストロークの周波数を速くすることができる。大型の機構を高速で動作すると、動作時の振動によるノイズの影響が大きくなるので好ましくない。
上記に述べた時間遅延量は、第1誘電体111の厚さや第1電極109の幅により異なる。上に挙げたのはあくまで一例である。
(実施例2:音響光学素子により回折角を変化)
実施例2を以下に記す。上記実施例1では、アクチュエータ204を使用してポンプ光側ミラー203の傾きを変え、ポンプ光照射位置107を第1電極109に沿って移動させるが、本実施例では音響光学素子404を用いる(図4参照)。例えばカルコゲナイトガラスなどの音響光学媒体を使用し、これを数10MHzの超音波で駆動することで、音響光学媒体に入射しこれを通過する電磁波の数10ミリrad(1°〜2°)程度のビーム偏向が得られる。ここでは、制御用電気信号を超音波発生部に印加して超音波を発生させ、これを音響光学媒体に入れてビーム偏向させる。このとき、制御用電気信号を制御して超音波の駆動周波数を変化させることで偏向角を変化させ、ポンプ光照射位置を第1電極109に沿って移動させる。なお、その他の付番について、本実施例を示す図4では、図2-1と図2-2に示すものと同じ機能を有する部分を、十の位まで同じ四百番台の数字で示す。
本実施例では、ポンプ光照射位置107は音響光学素子404を駆動する超音波の周波数によって決定される。よって、上記超音波の周波数すなわち音響光学素子の動作周波数の情報を処理部であるコンピュータ413に入力することで、上記時間波形が得られる。
本実施例においては、音響光学素子を用いることで、より高速な駆動が可能になり、また高速駆動を行っても可聴音域においては静粛性を保てる、と言う利点がある。
(実施例3:照射位置に反射部を設置)
実施例3を以下に記す。上記実施例1では、アクチュエータ101からの信号をコンピュータ120に取り込むことで、ポンプ光照射位置107の位置情報を得ている。本実施例では、より正確にポンプ光照射位置を求めるために、図5に示す様に第1電極509に沿ってこの付近に高反射率マーカー514を複数設置している。高反射率マーカー514は、第1電極509と同じく、フォトリソグラフィーと真空蒸着法によるリフトオフプロセスでチタンと金を積層させて作製することができる。高反射率マーカー514は第1電極509から或る程度離して形成することで、第1電極509を信号線とするマイクロストリップラインを伝播するテラヘルツ波に影響を与えない様にできる。
具体的には、第1電極509の縁からその幅の約3倍以上の距離だけ離した位置に、第1電極509に沿って等間隔に複数設置する。その形状は、図示例では三角形状であるが、場合に応じて、線状など種々の形状を取り得る。なお、その他の付番について、本実施例を示す図5では、一部を除いて、図2-1と図2-2に示すものと同じ機能を有する部分を、十の位まで同じ五百番台の数字で示す。
上述した様に、本実施例の検査素子は、次の構成を備える。すなわち、電磁波を発生するための発生部と、電磁波を検出するための検出部と、発生部で発生する電磁波を検出部に伝播するための伝播部とを有し、電磁波の伝播状態の変化から、伝播部に置かれる検体の情報を取得する。上記発生部と上記検出部の少なくとも一方は、電磁波を発生または検出するための光伝導部を有し、光伝導部は、第1電極と第2電極を含む複数の電極と、光伝導性を有する半導体膜を含んで構成される。光伝導部の上記第1電極と上記第2電極を含む複数の電極は互いに接触せず且つ上記半導体膜に接して形成され、伝播部は、上記第1電極と上記第2電極と誘電体を含んで構成される。上記光伝導膜上の電磁波発生位置または電磁波検出位置に、レーザ光を照射して電磁波の発生または検出が行われる。そして、レーザ光に対する反射率が上記半導体膜とは異なる反射部(高反射率マーカー)を、上記複数の電極の何れかに沿って半導体膜上に一つ以上備える。
本実施例において、ポンプ光503は、図示した様に細長い楕円形に集光すると良い。第1電極509の近傍に中心を持ち、一部が高反射率マーカー514と重なる様にポンプ光503を集光する。こうすることで、ポンプ光照射位置507が第1電極509に沿って移動すると、ポンプ光が高反射率マーカー514に入射する度に周期的に反射(または散乱)される。高反射率マーカー514で反射されたポンプ光を、近傍に設置した光検出器515で検出する。光検出器515の信号をコンピュータ513に入力することで、コンピュータ513はポンプ光照射位置507の位置情報を得ることができる。
図6は、得られる信号の模式図である。(a)は、横軸がデータポイント番号、縦軸が伝播電磁波の電界強度である。(b)は、横軸がデータポイント番号、縦軸が光検出器515からの出力である。ポンプ光が高反射率マーカー514に重なった時に、パルス状の信号が得られる。例えば、高反射率マーカー514を100μmの距離で等間隔に配置すれば、隣り合うパルス状の信号でポンプ光503が100μm移動したことが分かる。この結果を利用して、上記式1より座標変換すれば、図6(c)に示す様な伝播電磁波の時間波形を得ることができる。
本実施例では、検出部に伝播して来るテラヘルツ波の時間波形や遅延時間などをより正確に求めることができる。
(実施例4:バンドパスフィルター)
実施例4を以下に述べる。上記実施例1ではポンプ光照射位置のみを第1電極に沿って移動させるが、本実施例ではポンプ光703とプローブ光704の両方をそれぞれ第1電極708a、708bに沿って移動させる。
本実施例では、第1誘電体702上に、金属の平面パターンで作製したバンドパスフィルター701を設置する。上記金属平面パターンは、チタンと金を積層したものを用いる。バンドパスフィルター701は特定の長さと幅を持った金属線で構成されており、特定の周波数の電磁波は伝播するが、それ以外の周波数の電磁波は減衰する。
第1電極708はバンドパスフィルター701の左右に接続されている。第1電極(左側)708aと第1電極(右側)708bは直流的にはバンドパスフィルター701によって絶縁されている。従って、電流電圧変換増幅器705を、直接、第1電極(右側)708bに接続して、時間波形を得ることができる。なお、その他の付番について、本実施例を示す図7では、一部を除いて、図2-1と図2-2に示すものと同じ機能を有する部分を、十の位まで同じ七百番台の数字で示す。
上記構成において、第1電極(左側)708aに10V程度の電圧を印加し、ポンプ光703を第1電極708a近傍且つ第1光伝導膜709上に照射する。また同様に、第1電極(右側)708bを増幅器705に接続し、プローブ光704を第1電極(右側)708b近傍且つ第2光伝導膜710上に照射する。ポンプ光703及びプローブ光704はいずれもアクチュエータなどで偏向できる様にすることで、ポンプ光照射位置706及びプローブ光照射位置707をそれぞれ第1電極(左側)708a及び第1電極(右側)708bに沿って移動できる。
ポンプ光照射位置706を移動させることで、伝播する電磁波の遅延時間を前後させることができるのは実施例1と同じである。それに加え、プローブ光照射位置707を移動させることで、図3におけるプローブ光照射時刻を前後させることができる。
図8に模式図を示す。横軸が時刻、縦軸が伝播電磁波の電界強度である。バンドパスフィルター701を挿入したことにより、振動波形となっている。ポンプ光照射位置706を前後させることで、テラヘルツ波がプローブ光照射位置707に到達する時刻が変化する。他方で、プローブ光照射位置707を前後させることで、観測する時刻(タイミング)が前後する。ポンプ光照射位置706とプローブ光照射位置707の距離を変化させることで時間遅延が生じ、時間波形を得ることができる。図7において、特に、ポンプ光照射位置706を第1光伝導部709の左端から右端へ移動させ、同時にプローブ光照射位置707を第2光伝導部710の右端から左端へ移動させることで、より広い時間領域でテラヘルツ波波形を取得できる。具体的には、実施例1で示した様なポンプ光照射位置のみを前後させる場合に比べ、倍の時間領域で、検出部に伝播してくるテラヘルツ波の時間波形を取得することが可能となる。よって、伝播するテラヘルツ波の時間波形に大きな変化を与える様な屈折率の大きい検体を検査する時などに適している。また、限られた時間領域のテラヘルツ波の時間波形を得るのであれば、実施例1に比べ、倍のスピードで信号取得を完了することが可能となる。
(実施例5:コプレーナストリップ線路型の伝送路)
実施例5を以下に述べる。上記実施例1では、発生した電磁波は第1電極、第1誘電体、基準電極で構成されるマイクロストリップライン型伝送路を伝播するが、本実施例では、いわゆるコプレーナストリップ線路型伝送路を使用する。
図9に本実施例の概略図を示す。Siなどの基板907上にBCBなどの誘電体904の層を形成し、その上に第1光伝導膜905及び第2光伝導膜906を設置する。誘電体904の厚さは5μm程度である。第1、第2の光伝導膜905、906は、エピタキシャルリフトオフ法などで設置したLT−GaAs膜を用いる。光伝導膜とBCBは、ファンデルワールスボンディングにより接着させる方法と、エポキシ樹脂などを用いて接着させる方法があるが、いずれでも良い。その上に、リフトオフ法を用いてチタンと金を積層させた第1電極901、第2電極902、第3電極903を作製する。
第1電極901に10V程度の電圧を印加し、第2電極902を接地し、第3電極903を増幅器908に接続する。第2電極902は、実施例1における基準電極に相当する。実施例1と同様の方法で、モードロック・チタンサファイアレーザ光源からのレーザ光をポンプ光911とプローブ光912に分割する。ポンプ光911は第1光伝導膜905上の第1電極901近傍に照射する。プローブ光912は、第2光伝導膜906上にある第2電極902と第3電極903の間隙に集光照射する。ポンプ光911は、アクチュエータ(図示せず)でミラー(図示せず)の角度を変更することで、ポンプ光照射位置913を第1電極901に沿って変更することができる。
本実施例でも、ポンプ光を照射する位置は、ポンプ光の照射によって半導体膜に生じた電荷キャリアが複数の電極の間を伝導し得る位置である。この位置とは、第1電極901または第2電極902の近傍である。より具体的には、第1電極と第2電極と間に生じる電位差によって、レーザ光の照射によって生じた電荷キャリアが伝導し、電流が生じる程度の近傍の距離である。第1電極と第2電極との間に生じる電位差は、外部から電圧を印加することによって生じる電位差のほか、伝播してきた電磁波によって誘起される電位差も含む。
ポンプ光照射により発生したテラヘルツ波は、第1電極901、第2電極902、誘電体904により構成されるコプレーナストリップ線路を伝播し、検出部の第2光伝導膜906に到達する。第2光伝導膜906にテラヘルツ波が到達するのと同時に、プローブ光912が第2電極902と第3電極903の間隙(5μm程度)のプローブ光照射位置914に照射される。
プローブ光912の照射によって第2光伝導膜906中に生じたフォトキャリアが、到達したテラヘルツ波によって加速され、電流が生じる。生じた電流は増幅器908によって増幅され、ロックインアンプ909にて検出され、コンピュータ910によって記録される。
ポンプ光照射位置913を第1電極901に沿って移動させることで、テラヘルツ波の時間波形が得られる。本実施例では、伝播部である伝送路の構造をコプレーナストリップ線路型にすることで、作製が容易になる場合があるなどの利点がある。本実施例においても、ポンプ光照射位置913の移動に音響光学素子などを用いても良いし、またポンプ光照射位置を正確に求めるために高反射率マーカーなどを設置しても良い。その他の点は実施例1と同様である。
(実施例6:光路に設けたシャッターを開閉)
実施例6を以下に述べる。上記実施例1では、ポンプ光を第1電極に沿って移動させることで、検出部に伝播してくるテラヘルツ波の時間波形を取得するが、本実施例ではポンプ光を複数として各々異なる位置に照射し、各ポンプ光の光路に設置したシャッターを開閉する。こうして、シャッターによりポンプ光を切り替えることで、ポンプ光照射位置を移動させる。
すなわち、本実施例では、上記距離変化手段は、複数に分岐されたレーザ光をシャッターの開閉で切り替えて上記電磁波発生位置または上記電磁波検出位置に照射して電磁波発生位置または電磁波検出位置を変化させる。そして、上記処理部は、上記レーザ光の切り替えの情報を受けて上記伝播距離の変化の情報を得る。
図10及び図11を用いて説明する。レーザ光源1001を出射したレーザ光は、第1ビームスプリッター1002及び第2ビームスプリッター1003により、プローブ光1004、第1ポンプ光1005、第2ポンプ光1006に分割される。第1ポンプ光1005及び第2ポンプ光1006は、それぞれ第1シャッター1008及び第2シャッター1009を通って、レンズ1007を経て検査素子であるデバイス1010に入射する。
図11に、図10におけるデバイス1010の拡大図を示す。プローブ光1106は第2光伝導膜1104上にある第1電極1101と第2電極1105の間隙に集光照射される。第1ポンプ光1107及び第2ポンプ光1108は、第1シャッター1109及び第2シャッター1110を経て、第1光伝導膜1103上の第1電極1101近傍の異なる二箇所にそれぞれ集光照射される。ここで、図10に示した第1シャッター1008と図11に示した第1シャッター1109は同じ物であり、同様に図10に示した第2シャッター1009と図11に示した第2シャッター1110も同じ物である。また同様に、図10のプローブ光1004、第1ポンプ光1005、第2ポンプ光1006は、それぞれ図11のプローブ光1106、第1ポンプ光1107、第2ポンプ光1108と同じ物を示している。
第1シャッター1109を開き、第2シャッター1110を閉じた時、第1ポンプ光1107によって発生するテラヘルツ波を、プローブ光1106を照射することで検出できる。この時、第1ポンプ光1107によって発生するテラヘルツ波とプローブ光1106の時間軸上における関係を、図12(a)の実線で示す。第1ポンプ光1107の光路長とプローブ光1106の光路長を適切に設定することで、発生部で発生して検出部に伝播してくるテラヘルツ波の時間波形のピークより前側の値を検出できる。
一方、第2シャッター1110を開き、第1シャッター1109を閉じた時、第2ポンプ光1108によって発生するテラヘルツ波を、プローブ光1106を照射することで検出できる。この時、第2ポンプ光1108によって発生するテラヘルツ波とプローブ光1106の時間軸上における関係を、図12(a)の点線で示す。第2ポンプ光1108の光路長とプローブ光1106の光路長を適切に設定することで、検出部に伝播してくるテラヘルツ波の時間波形のピークより後側の値を検出する。こうした検出の違いは、第1ポンプ光1107に比べ第2ポンプ光1108の照射位置がプローブ光1106の照射位置からより離れているために生じる時間遅延に由来する。
上述したことに対して、実施例1と同様に上記式1の時間・空間の座標変換を行うと、図12(b)の様になる。すなわち、第1ポンプ光1107に係わる点と第2ポンプ光1108に係わる点は、それぞれ、検出部に伝播してくるテラヘルツ波の時間波形のピークを挟んだ両側に対応する。
第1シャッター1109と第2シャッター1110を交互に開閉し、その時に検出部で得られる値の各々の差分値を求めることで、検出部に伝播してくるテラヘルツ波の時間波形のおおよそのピーク位置を知ることができる。例えば、差分値がゼロに近ければ、ピークは第1ポンプ光1107に係わる点と第2ポンプ光1108に係わる点の中間付近に存在することが分かる。ここで、実施例1と同様に第1誘電体1102上の第1電極1101に検体を滴下ないし設置することで、伝播するテラヘルツ波に時間遅延が生じると、ピーク位置が図12(b)の第1ポンプ光照射位置側へシフトする。よって、差分値がゼロ以外の値をとり、検体が滴下されたことが検出できる。また、差分値の大きさから、検体の種類を推測することも可能となる。
本実施例では、第1シャッター1109と第2シャッター1110を交互に開閉することで、時間軸上の2点のみの測定を高速に行うことができる。もちろん、ポンプ光とシャッターの数を2より増やすこともできる。この場合、それぞれのポンプ光を第1光伝導膜1103上の第1電極1101近傍に電極伸張方向に沿って少しずつ距離を開けて照射する様にシャッターを順次開閉することで、伝播してくるテラヘルツ波の時間波形をより正確に測定することが可能となる。
(実施例7:光伝導膜を伝播)
本発明の第7の実施例を、図13-1及び図13-2を用いて説明する。図13-1(a)及び(b)に示す様に、本実施例では1枚の横長のLT−GaAs膜を設置することにより、実施例1における第1誘電体部分をLT−GaAs膜が兼ねる。すなわち、実施例1における第1光伝導膜110、第1誘電体111、第2光伝導膜112を、実施例7では第1光伝導膜1310で置き換えた構造となっている。第1光伝導膜1310上のポンプ光照射位置1307で発生したテラヘルツ波は、第1光伝導膜1310を誘電体とし、第1電極1309及び基準電極1312で構成されるマイクロストリップ線路を伝播する。そして、第1光伝導膜1310上のプローブ光照射位置1308で検出される。この様な構成にすることで、マイクロストリップ線路のインピーダンス不整合に伴う反射パルスを低減する効果がある。その他の点は実施例1と同様である。
また本実施例では、ポンプ光照射位置1307を図13-2に示す様に第1電極1309に沿って移動させると同時に、第1電極1309を跨ぐ様に波状にスキャンさせることもできる。これは、アクチュエータ1301を用いで行う。ポンプ光照射位置1307が第1電極1309を跨ぐことで、発生するテラヘルツ波が変調される。この変調と同期してロックインアンプ1317にて同期検波を行う。この為に、アクチュエータ1301の動作状況を変調の参照信号としてロックインアンプ1317に入力する。すなわち、ここでは、レーザ光を照射する位置を変化させて上記電磁波発生位置で発生する電磁波を変調し、変調された電磁波を同期検波する。この様な方法を実行することで、より高速な時間波形取得が実現できる。なお、その他の付番について、本実施例を示す図13-1と図13-2では、一部を除いて、図2-1と図2-2に示すものと同じ機能を有する部分を、十の位まで同じ千三百番台の数字で示す。
(実施例8:角度可変ミラーと可動放物面鏡)
本発明の第8の実施例を、図14-1を用いて説明する。図14-1に示す光伝導アンテナアレイ素子1501は、テラヘルツ波を発生する素子である。ガリウムヒ素基板に結晶成長させたLT−GaAs薄膜上に、いわゆるダイポールアンテナ型の電極を複数配列させたものである。ダイポールアンテナを構成する2つの電極間のギャップは典型的には5μm、隣り合うアンテナ間の間隔は500μm程度である。両電極間に10V程度の電圧を印加し、アンテナギャップにポンプ光1502(パルス時間幅100fs程度以下のフェムト秒レーザ)を照射することで、パルス状のテラヘルツ波が発生する。
ポンプ光1502は、角度可変ミラー1503によって光伝導アンテナアレイ素子1501に入射される。光伝導アンテナアレイ素子1501上に複数並んだうちの任意の一つのダイポールアンテナの電極間ギャップに、ポンプ光1502は照射される。発生したテラヘルツ波の一部は光伝導アンテナアレイ素子1501の裏側から放射し、可動放物面鏡1504にてコリメートされ、固定放物面鏡1505へと送られる。固定放物面鏡1505はテラヘルツ波を光伝導アンテナ素子1506へ集光照射する。光伝導アンテナ素子1506は、同じくLT−GaAs上にダイポールアンテナが形成されたものであるが、アンテナの個数は1つである。アンテナを構成する電極間ギャップに、テラヘルツ波のパルスと、プローブ光1507(ポンプ光と同じくフェムト秒レーザ)パルスを同時に入射させる。このとき発生する電流を検出することで、テラヘルツ波を検出する。
ここで、角度可変ミラー1503の角度を変えて、ポンプ光1502が照射する位置を光伝導アンテナアレイ素子1501の端からもう一方の端まで移動させたとする。このとき、ダイポールアンテナは500μm間隔で10個並んでいたとすると、テラヘルツ波発生位置が5mm移動したことになる。光伝導アンテナアレイ素子1501と角度可変ミラー1503は充分離れており、角度可変ミラーの角度を変えたことによるポンプ光1502の光路長に変化は無いとみなせるものとする。
テラヘルツ波発生位置の移動に合わせて、可動放物面鏡1504も図14-1に示す方向に5mm移動させる。すると、光伝導アンテナ素子1506において、プローブ光1507とテラヘルツ波が入射するタイミングにズレが生じ、これによってテラヘルツ波の時間波形を得ることができる。
テラヘルツ波発生位置が500μm間隔で5mm移動(移動方向は、可動放物面鏡1504が固定放物面鏡1505から遠ざかる方向)する場合、1.67ps間隔で16.7psの時間幅でテラヘルツ波時間波形を得ることができる。
本実施例の方法では、空間へ放射したテラヘルツ波の時間波形を、折り返し光学系なしに取得することができる。
(実施例9:角度可変ミラーと固定放物面鏡)
本発明の第9の実施例を、図14-2を用いて説明する。テラヘルツ波を発生する、発生側光伝導アンテナ素子1601は、LT−GaAs薄膜上にコプレーナストリップライン1602とアンテナ1603が形成されたものである。コプレーナストリップライン1602は、20μm程度の幅を有する金属線が100μm程度の間隔を有して形成されているものである。コプレーナストリップライン1602の一方はアンテナ1603と接続されている。
コプレーナストリップライン1602の両金属線間に10V〜100V程度の電圧を印加し、その間隙にポンプ光1604を照射する。ポンプ光1604は、角度可変ミラー1605によってコプレーナストリップライン1602の伸びる方向に沿って照射位置を移動させることができる。ポンプ光照射位置で発生したテラヘルツ波は、コプレーナストリップライン1602を伝播し、アンテナ1603で空間へ放射される。なお、図14-2で示しているアンテナは模式的なものであり、実際のアンテナ形状を示しているものではない。
空間へ放射されたテラヘルツ波は、固定放物面鏡1606、1607を経て、検出側光伝導アンテナ素子1608にて検出される。ここで、コプレーナストリップライン1602が5mmの長さを有していて、ポンプ光1604はコプレーナストリップライン1602に沿って照射位置が5mm移動できるとする。すると、テラヘルツ波発生位置が5mm移動することにより、光路長に変化が生ずる。これを利用して、テラヘルツ波の時間波形を得ることができる。
LT−GaAs上のコプレーナストリップライン1602における実効屈折率を概ね3とすると、光路長で15mmとなる。よって、時間領域で概ね50psの範囲で、テラヘルツ波時間波形を取得することができる。
本実施例では、テラヘルツ波発生位置を連続的に移動させることができるため、滑らかな時間波形取得が可能となる。
(実施例10:可動ステージ)
本発明の第10の実施例を、図15を用いて説明する。
テラヘルツ波を発生する発生側光伝導アンテナ素子1702は、LT−GaAs上にダイポールアンテナ(不図示)が形成されたものである。発生側光伝導アンテナ1702へのポンプ光は、光ファイバー1701を伝播して直接前記ダイポールアンテナの所定の位置に照射される。発生側光伝導アンテナ素子1702から発生したテラヘルツ波は、放物面鏡1703にてコリメートされ、放物面鏡1705を経て検出側光伝導アンテナ素子1706に入射する。テラヘルツ波が検出側光伝導アンテナ素子1706に入射するのと同時にプローブ光が光ファイバー1707を伝播して入射する。
ここで、発生側光伝導アンテナ素子1702と放物面鏡1703は、ステージ1704(可動ステージ)上に保持されている。ステージ1704(可動ステージ)を図15の矢印の方向(左方向)へ移動させると、テラヘルツ波の光路長が変化するため、検出側光伝導素子1706にテラヘルツ波が入射するタイミングが変化する。これを利用して、テラヘルツ波の時間波形を取得することができる。
例えばステージ1704(可動ステージ)を10mm左へ移動させることで、テラヘルツ波が検出側光伝導素子1706に到達する時間が約33.3ps遅れる。すなわち、時間領域で33.3psに渡るテラヘルツ波の時間波形を取得することができる。
ポンプ光・プローブ光を、光ファイバーを用いて発生側・検出側それぞれの光伝導アンテナ素子に入射させることで、いわゆる光学調整の手間が大幅に軽減され、また振動等に対して堅牢な装置を作ることができる。しかし、従来の方法であるリトロリフレクターを用いた遅延光学系では、リトロリフレクター部分で光ファイバーを用いることができない。このため、一度レーザ光を光ファイバーから取り出し、遅延光学系を経た後に再び光ファイバーに入射する手段がとられてきた。これに対して、本実施例の方法では、リトロリフレクターを用いないため全レーザ行路で光ファイバーを用いることができる。
本実施形態に係るテラヘルツ波の時間波形に関する情報を取得するための装置を説明するための模式図である。 本発明の検査装置、検査方法の実施形態及び実施例1を説明するための図である。 本発明の検査装置、検査方法の実施形態及び実施例1を説明するための駆動系を含む図である。 上記実施形態及び実施例1における時間遅延の発生原理を説明するための図である。 音響光学素子を用いる実施例2を説明するための駆動系を含む図である。 高反射率マーカーを備えた検査素子を用いる実施例3を説明するための図である。 実施例3における時間波形取得原理を説明するための図である。 バンドパスフィルターを用いる実施例4を説明するための図である。 実施例4における時間遅延の発生原理を説明するための図である。 コプレーナストリップ線路型検査素子を用いる実施例5を説明するための図である。 シャッターを用いる実施例6を説明するための駆動系を含む図である。 実施例6を説明するための検査素子の図である。 実施例6における時間遅延の発生原理を説明するための図である。 実施例7を説明するための図である。 実施例7を説明するための図である。 実施例8におけるポンプ光照射位置の移動を説明するための図である。 実施例9におけるポンプ光照射位置の移動を説明するための図である。 実施例10におけるテラヘルツ波発生位置移動を説明するための図である。
11、21 発生部
12、22 検出部
13 伝播部
14 遅延部
15 励起光
16 固定ミラー
17 第1の位置
18 第2の位置
29 テラヘルツ波
101,204,501,1301 アクチュエータ(距離変化手段)
103,208,408,503,703,911,1005,1006,1107,1108,1303,1502,1604 ポンプ光(レーザ光)
104,209,409,504,704,912,1004,1106,1304,1507,1609 プローブ光(レーザ光)
107,507,706,913,1307 ポンプ光照射位置(電磁波発生位置)
108,508,707,914,1308 プローブ光照射位置(電磁波検出位置)
113,1312 基準電極(発生部、検出部、伝播部)
114,907,1313 基板
118,207,407,1010,1316 デバイス(検査素子)
120,213,413,513,712,910,1318 コンピュータ(処理部)
201,401,1001 レーザ光源(発生部、検出部)
404 音響光学素子(距離変化手段)
524 高反射率マーカー
701 バンドパスフィルター(伝播部)
1002 第1ビームスプリッター(距離変化手段)
1003 第2ビームスプリッター(距離変化手段)
1008,1109 第1シャッター(距離変化手段)
1009,1110 第2シャッター(距離変化手段)
110,510,709,905,1103,1310 第1光伝導膜(発生部、伝播部、検出部)
109,509,708a,708b,901,1101,1309 第1電極(発生部、伝播部、検出部)
111,702,1102,1311 第1誘電体(伝播部)
112,511,710,906,1104 第2光伝導膜(伝播部、検出部)
115,902,1105,1314 第2電極(発生部、検出部、伝播部)
903 第3電極(検出部)
1501 光伝導アンテナアレイ素子
1503,1605 角度可変ミラー
1504 可動放物面鏡
1505,1606,1607 固定放物面鏡
1506 光伝導アンテナ素子
1508,1610 固定ミラー
1601,1702 発生側光伝導アンテナ素子
1602 コプレーナストリップライン
1603 アンテナ
1608,1706 検出側光伝導アンテナ素子
1701,1707 光ファイバー
1703,1705 放物面鏡
1704 ステージ

Claims (6)

  1. 電磁波を発生するための発生部と、
    前記電磁波を検出するための検出部と、
    前記発生部で発生する電磁波を前記検出部に伝播するための伝播部と、
    前記発生部の電磁波を発生する電磁波発生位置と前記検出部の電磁波を検出する電磁波検出位置との間の、前記伝播部を介する電磁波の伝播距離を変化させるための距離変化部と、
    前記伝播距離の変化の情報と、前記検出部で検出される電磁波の情報とを関連付けて、前記伝播部を伝播してきた電磁波の時間波形の少なくとも一部を取得するための処理部と、を有し、
    前記電磁波の伝播状態の変化から、前記電磁波発生位置と前記電磁波検出位置との間に置かれる検体の情報を取得する検査装置であって、
    前記電磁波発生位置で発生する電磁波のパルスを発生させるタイミングを決めるパルス周波数と、前記電磁波検出位置に伝播してきた電磁波を取り込むタイミングを決めるサンプリング周波数との比がn:1(nは1以上の自然数)になっており、
    前記発生部と前記検出部の少なくとも一方は、前記電磁波を発生または検出するための光伝導部を有し、
    前記光伝導部は、複数の電極と、光伝導性を有する半導体膜を含んで構成され、
    前記光伝導部の前記複数の電極は互いに接触せず且つ前記半導体膜に接して形成され、
    前記光伝導膜上の前記電磁波発生位置または前記電磁波検出位置に、前記パルス周波数または前記サンプリング周波数のレーザ光を照射して前記電磁波の発生または検出が行われ、
    前記距離変化部は、前記電磁波発生位置と前記電磁波検出位置の少なくとも一方を変化させて前記伝播距離を変化させることを特徴とする検査装置。
  2. 前記レーザ光を照射する位置が、前記レーザ光の照射によって前記半導体膜に生じた電荷キャリアが前記複数の電極の間を伝導し得る位置であることを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記距離変化部は、前記レーザ光を前記光伝導膜に入射させるために設けられたミラーの角度を変化させて前記電磁波発生位置または前記電磁波検出位置を変化させ、
    前記処理部は、前記ミラーの角度の情報を受けて前記伝播距離の変化の情報を得ることを特徴とする請求項1または2に記載の検査装置。
  4. 前記距離変化部は、前記レーザ光が通過する音響光学素子を用いて前記電磁波発生位置または前記電磁波検出位置を変化させ、
    前記処理部は、前記音響光学素子の動作周波数の情報を受けて前記伝播距離の変化の情報を得ることを特徴とする請求項1または2に記載の検査装置。
  5. 前記距離変化部は、複数に分岐された前記レーザ光をシャッターの開閉で切り替えて前記電磁波発生位置または前記電磁波検出位置に照射して前記電磁波発生位置または前記電磁波検出位置を変化させ、
    前記処理部は、前記レーザ光の切り替えの情報を受けて前記伝播距離の変化の情報を得ることを特徴とする請求項1または2に記載の検査装置。
  6. 電磁波を発生する発生工程と、
    前記電磁波を検出する検出工程と、
    前記電磁波を発生する電磁波発生位置と前記電磁波を検出する電磁波検出位置との間の、電磁波の伝播距離を変化させる距離変化工程と、
    前記伝播距離の変化の情報と、前記検出される電磁波の情報とを関連付けて、前記電磁波検出位置に伝播してきた電磁波の時間波形の少なくとも一部を取得する時間波形取得工程と、を含み、
    前記電磁波の伝播状態の変化から、前記電磁波発生位置と前記電磁波検出位置との間に置かれる検体の情報を取得する検査方法であって、
    前記電磁波発生位置で発生する電磁波のパルスを発生させるタイミングを決めるパルス周波数と、前記電磁波検出位置に伝播してきた電磁波を取り込むタイミングを決めるサンプリング周波数との比をn:1(nは1以上の自然数)に設定し、
    前記発生工程において、前記電磁波発生位置は、レーザ光を照射して前記パルス周波数の電磁波を発生する位置であり、前記レーザ光を照射する位置を変化させて前記電磁波発生位置で発生する電磁波を変調し、
    前記検出工程において、前記変調された電磁波を同期検波することを特徴とする検査方法。
JP2011170583A 2007-11-30 2011-08-04 電磁波を用いる検査装置、及び検査方法 Expired - Fee Related JP5361956B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011170583A JP5361956B2 (ja) 2007-11-30 2011-08-04 電磁波を用いる検査装置、及び検査方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007310462 2007-11-30
JP2007310462 2007-11-30
JP2011170583A JP5361956B2 (ja) 2007-11-30 2011-08-04 電磁波を用いる検査装置、及び検査方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008288815A Division JP4807707B2 (ja) 2007-11-30 2008-11-11 波形情報取得装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011215167A JP2011215167A (ja) 2011-10-27
JP5361956B2 true JP5361956B2 (ja) 2013-12-04

Family

ID=40433627

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008288815A Expired - Fee Related JP4807707B2 (ja) 2007-11-30 2008-11-11 波形情報取得装置
JP2011170583A Expired - Fee Related JP5361956B2 (ja) 2007-11-30 2011-08-04 電磁波を用いる検査装置、及び検査方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008288815A Expired - Fee Related JP4807707B2 (ja) 2007-11-30 2008-11-11 波形情報取得装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8344324B2 (ja)
EP (1) EP2217910A2 (ja)
JP (2) JP4807707B2 (ja)
WO (1) WO2009069818A2 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5148381B2 (ja) * 2008-06-18 2013-02-20 株式会社アドバンテスト 光測定装置
JP5665305B2 (ja) * 2008-12-25 2015-02-04 キヤノン株式会社 分析装置
JP5632599B2 (ja) 2009-09-07 2014-11-26 キヤノン株式会社 発振器
JP5612842B2 (ja) 2009-09-07 2014-10-22 キヤノン株式会社 発振器
JP5735824B2 (ja) 2011-03-04 2015-06-17 キヤノン株式会社 情報取得装置及び情報取得方法
JP5979774B2 (ja) * 2011-12-20 2016-08-31 日本電信電話株式会社 イメージング装置
JP2013190350A (ja) * 2012-03-14 2013-09-26 Canon Inc テラヘルツ波帯の電磁波を用いた装置
CN103632023A (zh) * 2012-08-24 2014-03-12 中国科学院空间科学与应用研究中心 一种减小深空探测器天线波束宽度的方法及***
JP6044893B2 (ja) 2013-03-08 2016-12-14 株式会社Screenホールディングス 検査装置および検査方法
WO2015073807A1 (en) * 2013-11-15 2015-05-21 Picometrix, Llc System for determining at least one property of a sheet dielectric sample using terahertz radiation
CN104062981B (zh) * 2014-04-25 2017-01-18 中国工程物理研究院电子工程研究所 一种太赫兹无线收发***的自动对准跟踪方法和***
US9599555B2 (en) 2014-11-13 2017-03-21 Rochester Institute Of Technology Doping profile measurement using terahertz time domain spectroscopy (THz-TDS)
CN105870582B (zh) * 2016-05-24 2017-07-18 深圳市太赫兹***设备有限公司 太赫兹近场探测器、光电导天线及其制作方法
GB2566409A (en) * 2016-09-16 2019-03-13 Halliburton Energy Services Inc Systems and methods for terahertz modulation for telemetry
CN109239015B (zh) * 2018-10-19 2024-02-06 北京环境特性研究所 一种太赫兹波段反射弓形架装置
KR102268383B1 (ko) * 2019-08-02 2021-06-23 삼성전기주식회사 칩 안테나
JP7362409B2 (ja) 2019-10-17 2023-10-17 キヤノン株式会社 照明装置およびカメラシステム
US11474033B2 (en) * 2020-02-12 2022-10-18 Canon Kabushiki Kaisha Terahertz wave camera system and method for controlling terahertz wave camera system

Family Cites Families (41)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5710430A (en) * 1995-02-15 1998-01-20 Lucent Technologies Inc. Method and apparatus for terahertz imaging
US6448553B1 (en) 1999-04-26 2002-09-10 Canon Kabushiki Kaisha Signal detector to be used with scanning probe and atomic force microscope
US6573737B1 (en) * 2000-03-10 2003-06-03 The Trustees Of Princeton University Method and apparatus for non-contact measurement of electrical properties of materials
JP2002310882A (ja) 2001-04-17 2002-10-23 Canon Inc 走査型プローブによる信号検出装置、該装置によるプローブ顕微鏡、及び走査型プローブによる信号検出方法、該方法を用いてサンプル表面を観察する観察方法
JP2003005238A (ja) * 2001-06-21 2003-01-08 Inst Of Physical & Chemical Res テラヘルツ波発生装置とその高速同調方法
AU2003288479A1 (en) 2002-11-27 2004-06-18 Optical Metrology Patents Limited Apparatus for modulating a light beam
EP1642153B1 (en) 2003-06-25 2009-10-28 Canon Kabushiki Kaisha High frequency electrical signal control device and sensing system
JP4136858B2 (ja) 2003-09-12 2008-08-20 キヤノン株式会社 位置検出装置、及び情報入力装置
JP2005157601A (ja) 2003-11-25 2005-06-16 Canon Inc 電磁波による積層状物体計数装置及び計数方法
JP4217646B2 (ja) 2004-03-26 2009-02-04 キヤノン株式会社 認証方法及び認証装置
JP4147487B2 (ja) * 2004-04-28 2008-09-10 独立行政法人科学技術振興機構 テラヘルツ電磁波を用いた物性測定装置
US9178282B2 (en) 2004-07-14 2015-11-03 William Marsh Rice University Method for coupling terahertz pulses into a coaxial waveguide
JP4250573B2 (ja) 2004-07-16 2009-04-08 キヤノン株式会社 素子
JP4546326B2 (ja) 2004-07-30 2010-09-15 キヤノン株式会社 センシング装置
JP2006121643A (ja) 2004-09-21 2006-05-11 Canon Inc 平面アンテナ
US7242010B2 (en) 2005-03-22 2007-07-10 Rensselaer Polytechnic Institute GaSe crystals for broadband terahertz wave detection
JP4878180B2 (ja) 2005-03-24 2012-02-15 キヤノン株式会社 電磁波を用いる検査装置
JP4250603B2 (ja) 2005-03-28 2009-04-08 キヤノン株式会社 テラヘルツ波の発生素子、及びその製造方法
JP4390147B2 (ja) 2005-03-28 2009-12-24 キヤノン株式会社 周波数可変発振器
JP2006275910A (ja) 2005-03-30 2006-10-12 Canon Inc 位置センシング装置及び位置センシング方法
JP4402026B2 (ja) * 2005-08-30 2010-01-20 キヤノン株式会社 センシング装置
JP4955966B2 (ja) * 2005-09-05 2012-06-20 キヤノン株式会社 導波路、それを用いた装置及び検出方法
JP4773839B2 (ja) 2006-02-15 2011-09-14 キヤノン株式会社 対象物の情報を検出する検出装置
JP5132146B2 (ja) 2006-03-17 2013-01-30 キヤノン株式会社 分析方法、分析装置、及び検体保持部材
JP4481946B2 (ja) 2006-03-17 2010-06-16 キヤノン株式会社 検出素子及び画像形成装置
JP4898472B2 (ja) 2006-04-11 2012-03-14 キヤノン株式会社 検査装置
JP4807136B2 (ja) * 2006-04-27 2011-11-02 日産自動車株式会社 波形観測方法と波形観測装置
JP4709059B2 (ja) 2006-04-28 2011-06-22 キヤノン株式会社 検査装置及び検査方法
JP5196750B2 (ja) 2006-08-25 2013-05-15 キヤノン株式会社 発振素子
JP4873746B2 (ja) 2006-12-21 2012-02-08 キヤノン株式会社 発振素子
JP4977048B2 (ja) 2007-02-01 2012-07-18 キヤノン株式会社 アンテナ素子
US8067739B2 (en) 2007-06-22 2011-11-29 Canon Kabushiki Kaisha Photoconductive element for generation and detection of terahertz wave
US7869036B2 (en) 2007-08-31 2011-01-11 Canon Kabushiki Kaisha Analysis apparatus for analyzing a specimen by obtaining electromagnetic spectrum information
JP5144175B2 (ja) 2007-08-31 2013-02-13 キヤノン株式会社 電磁波を用いる検査装置及び検査方法
JP5354971B2 (ja) 2007-08-31 2013-11-27 キヤノン株式会社 イメージング方法及び装置
EP2031374B1 (en) 2007-08-31 2012-10-10 Canon Kabushiki Kaisha Apparatus and method for obtaining information related to terahertz waves
JP4975000B2 (ja) 2007-12-07 2012-07-11 キヤノン株式会社 電磁波発生素子、電磁波集積素子、及び電磁波検出装置
JP4834718B2 (ja) 2008-01-29 2011-12-14 キヤノン株式会社 パルスレーザ装置、テラヘルツ発生装置、テラヘルツ計測装置及びテラヘルツトモグラフィー装置
JP5328319B2 (ja) 2008-01-29 2013-10-30 キヤノン株式会社 テラヘルツ波を用いた検査装置及び検査方法
JP5357531B2 (ja) 2008-02-05 2013-12-04 キヤノン株式会社 情報取得装置及び情報取得方法
JP5178398B2 (ja) 2008-08-27 2013-04-10 キヤノン株式会社 光伝導素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP4807707B2 (ja) 2011-11-02
US20100252738A1 (en) 2010-10-07
US8344324B2 (en) 2013-01-01
WO2009069818A4 (en) 2010-02-25
WO2009069818A2 (en) 2009-06-04
JP2011215167A (ja) 2011-10-27
EP2217910A2 (en) 2010-08-18
WO2009069818A3 (en) 2009-12-23
JP2009150873A (ja) 2009-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5361956B2 (ja) 電磁波を用いる検査装置、及び検査方法
JP4975001B2 (ja) 波形情報取得装置及び波形情報取得方法
JP4829669B2 (ja) 検体情報取得装置、及び検体情報取得方法
US7681434B2 (en) Sensing device
US8982451B2 (en) Pump probe measuring device
CN103954802B (zh) 长波长扫描近场显微分析***
US6734974B2 (en) Terahertz imaging with dynamic aperture
JP5341488B2 (ja) テラヘルツ波を測定するための装置及び方法
US7615749B2 (en) Infrared light emitting device, infrared light detecting device, time-domain pulsed spectrometer apparatus, and infrared light emitting method
JP6075822B2 (ja) センサ装置
WO2004106900A1 (ja) 反射型テラヘルツ分光測定装置及び測定方法
TWI453440B (zh) Light transmission elements, lenses, megahertz radiation microscopes and components
US9134182B2 (en) Measurement apparatus and method, tomography apparatus and method
JP2010048721A (ja) テラヘルツ計測装置
JP2014219306A (ja) 光学系、テラヘルツ放射顕微鏡、及びデバイスの製造方法
CN112284510B (zh) 一种多层二维半导体中相干声学声子回波诱导与探测方法
EP2157420A1 (en) Apparatus and method for investigating a sample using an electro-optic THz-transceiver with the reflected pump beam being used as the probe beam
JP2010050287A (ja) 光伝導素子
JP4958278B2 (ja) 検査装置
WO2009146561A1 (en) Dual mode terahertz spectroscopy and imaging systems and methods
JP2005026347A (ja) 光伝導素子及びそれを用いた赤外放射素子並びにその検出素子
JP2004085359A (ja) テラヘルツパルス光計測装置
JP4859250B2 (ja) 検査物に関する距離調整装置及び方法、検査装置及び方法
CN108680500A (zh) 一种小型化的太赫兹时域光谱仪装置及分析方法
WO2009084712A1 (en) Waveform information acquisition apparatus and method

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130716

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130903

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees