JP5355910B2 - シリカ成形体 - Google Patents
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Description
流動層反応プロセスにおいて良好な流動状態を実現するには、触媒粒子が好適な性状を有することが必要であり、例えば、流動ハンドブック(日本粉体工業技術教会 培風館1999年)p.16には、「気泡と触媒を含むエマルジョン相との物質移動が十分早いことが反応率・選択率の向上に望ましい。このためには気泡が小さいことが望ましく、粒子が細かく表面が滑らかですべりやすいことがよいとされる。一般に、粒子の嵩密度が0.6〜1.0g・m−3と軽く、平均直径も60〜80μmのものがよいといわれている。」と記載されている。また、触媒の流動に伴い、触媒粒子間、触媒粒子と反応器、触媒粒子と反応ガスとの衝突や接触による触媒粒子の摩耗や破砕が発生すると、触媒粒子の流動性低下や破砕粒子の飛散が発生するため、流動層反応触媒の性状としては、摩耗や破砕に耐えうるのに充分な機械的強度も求められる。
[1]
ゼオライト、シリカ及びリンを含有し、下記式(I):
ゼオライト/シリカ/リン=1/A/B (I)
(式中、Aはゼオライト重量に対するシリカの重量比、Bはゼオライトとシリカの合計重量に対するリン元素の重量比を示し、0<A≦10、0<B≦0.05である。)
で表される組成を有するシリカ成形体であって、
前記ゼオライトは、SiO2/Al2O3モル比が15〜1000、平均粒子径が0.05〜10μmの非凝集型のゼオライトであり、
下記式(II)で表される摩耗損失が3重量%以下である、シリカ成形体:
摩耗損失(重量%)=D/(E−C)×100 (II)
(式中、Cは0〜5時間に摩耗逃散したシリカ成形体の重量(g)、Dは5〜20時間に摩耗逃散したシリカ成形体の重量(g)、Eは試験に供したシリカ成形体の重量(g)を示す。)。
[2]
原料シリカゾル中のシリカ一次粒子の平均粒子径が3〜50nmである、上記[1]記載のシリカ成形体。
[3]
安息角が20〜30°である、上記[1]又は[2]記載のシリカ成形体。
[4]
嵩密度が0.8〜1.2g/cm3である、上記[1]〜[3]のいずれか記載のシリカ成形体。
[5]
以下の各工程:
(i)ゼオライト、シリカゾル及びリン化合物を混合して、原料混合物を調製する工程、
(ii)前記原料混合物を噴霧乾燥して乾燥粉体を得る工程、
を含む、シリカ成形体の製造方法であって、
前記ゼオライトは、SiO2/Al2O3モル比が15〜1000、平均粒子径が0.05〜10μmの非凝集型のゼオライトであり、
前記シリカゾルに含まれるシリカ一次粒子の平均粒子径が3〜50nmであり、
前記リン化合物が水溶性リン化合物である、シリカ成形体の製造方法。
[6]
(iii)前記乾燥粉体を焼成する工程をさらに含む、上記[5]記載のシリカ成形体の製造方法。
[7]
前記水溶性リン化合物がリン酸である、上記[5]又は[6]記載のシリカ成形体の製造方法。
[8]
上記[1]〜[4]のいずれか記載のシリカ成形体を流動層反応触媒として用いるプロピレンの製造方法であって、
シリカ成形体と、エチレンを含有する炭化水素原料とを接触させる工程を含む、製造方法。
本実施の形態のシリカ成形体は、ゼオライト、シリカ及びリンを含有し、下記式(I):
ゼオライト/シリカ/リン=1/A/B (I)
(式中、Aはゼオライト重量に対するシリカの重量比、Bはゼオライトとシリカの合計重量に対するリン元素の重量比を示し、0<A≦10、0<B≦0.05である。)
で表される組成を有するシリカ成形体であって、前記ゼオライトは、SiO2/Al2O3モル比が15〜1000、平均粒子径が0.05〜10μmの非凝集型のゼオライトである。
摩耗損失(重量%)=D/(E−C)×100 (II)
(式中、Cは0〜5時間に摩耗逃散したシリカ成形体の重量(g)、Dは5〜20時間に摩耗逃散したシリカ成形体の重量(g)、Eは試験に供したシリカ成形体の重量(g)を示す。)
レーザー回折・散乱式粒度分析計により測定した値を意味する。また、粒子の形状観察は電子顕微鏡(SEM)により行うことができる。
本実施の形態のシリカ成形体の製造方法は、以下の各工程:
(i)ゼオライト、シリカゾル及びリン化合物を混合して、原料混合物を調製する工程、
(ii)前記原料混合物を噴霧乾燥して乾燥粉体を得る工程、
を含む、シリカ成形体の製造方法であって、
前記ゼオライトは、SiO2/Al2O3モル比が15〜1000、平均粒子径が0.05〜10μmの非凝集型のゼオライトであり、前記シリカゾルに含まれるシリカ一次粒子の平均粒子径が3〜50nmである。
工程(i)は、ゼオライト、シリカゾル及びリン化合物を混合して、原料混合物(原料混合スラリー)を調製する工程である。
工程(ii)は、上記工程(i)で得られた原料混合物を噴霧乾燥して乾燥粉体を得る工程である。原料混合物は調製後、直ちに噴霧乾燥しても、調製後に長時間の混合撹拌を行って噴霧乾燥してもよい。原料混合物の噴霧は、工業的に通常用いられる回転円盤方式、二流体ノズル方式又は高圧ノズル方式等の方法を採用することができるが、特に、回転円盤方式で行うことが好ましい。乾燥熱源は、スチーム、電気ヒーター等によって加熱された空気を用いることが好ましい。乾燥機入口の温度は、好ましくは100〜400°C、より好ましくは150〜300°Cである。乾燥機出口の温度は、好ましくは80〜170°C、より好ましくは90°C〜150°Cである。
本実施の形態の製造方法においては、より耐摩耗性の高いシリカ成形体を得ることを目的として、必要に応じて、(iii)前記乾燥粉体を焼成する工程をさらに含んでもよい。乾燥粉体の焼成は、マッフル炉、回転炉、トンネル炉、管状炉、流動焼成炉等を用いて行うことができる。焼成温度としては、好ましくは500〜900°C、より好ましくは550〜850°C、さらに好ましくは600〜700°Cである。焼成時間としては、好ましくは0.5〜8時間、より好ましくは1〜5時間である。焼成工程は大気雰囲気下、イナート雰囲気下、又は、真空下等で実施することができる。また、焼成工程は反復して実施してもよい。焼成後、シリカ成形体中の余剰のリン成分は水又は熱水で洗浄することができる。
本実施の形態におけるプロピレンの製造方法においては、シリカ成形体を流動層反応触媒として用いて、シリカ成形体とエチレンを含有する炭化水素原料とを接触させる工程を含む。
[測定方法]
物性の測定方法は以下の通りである。
(1)シリカ成形体の組成
シリカ成形体の組成は、蛍光X線定量分析を行って算出した。ケイ素、アルミニウム、リンの各元素の固有X線量から、ケイ素、アルミニウム、リンのモル数を決定し、シリカ成形体の組成を求めた。
ゼオライト重量に対するシリカの重量比を示すA
=(60x−30Fy)/(51y+30Fy)
ゼオライトとシリカの合計重量に対するリン元素の重量比を示すB
=31z/((51y+30Fy)+(60x−30Fy))
(式中、xはシリカ成形体中のケイ素のモル数、yはシリカ成形体中のアルミニウムのモル数、zはシリカ成形体中のリンのモル数、FはゼオライトのSiO2/Al2O3モル比である)
(2)シリカ成形体の摩耗損失
シリカ成形体の耐摩耗性の指標である摩耗損失は、噴流式流動装置を用いて測定した。噴流式流動装置は、ガス導入口に0.4mm孔三個を有するオリフィスを設置した内径35mm長さ700mmの粉体上昇部、内径110mm長さ600mmの粉体分離部、微粉末捕集部とからなる。室温で水分2.5gを含むシリカ成形体52.5gを投入後、蒸気圧相当量の水分を含む空気を空塔線速度10cm/秒でガス導入口から流し、測定開始後0〜5時間及び5〜20時間に微粉末捕集部に回収されたシリカ成形体微粉末重量を測定し、下式に従って、摩耗損失を求めた。
摩耗損失(重量%)=D/(E−C)×100
(式中、Dは測定開始後0〜5時間に摩耗逃散したシリカ成形体重量(g)、Eは測定開始後5〜20時間に摩耗逃散したシリカ成形体重量(g)、Cは試験に供したシリカ成形体重量(g)である。)
(3)シリカ成形体の安息角
シリカ成形体の安息角は、PT−D型パウダテスタ(ホソカワミクロン株式会社製)を用いて測定した。具体的には、内径5mmのノズルのある漏斗を水平基板から225mmの位置に漏斗上部、135mmの位置にノズル下部が来るように保持器を用いて設置し、ノズル下部から75mmの位置に粉体捕集台を置いた。振動を与えないように注意しながら漏斗にシリカ成形体を静かに注ぎ、粉体捕集台上に形成された円錐状の粉体層の斜面が水平面となす角を測定した。同様の実験を3回繰り返し、その測定角の平均値を安息角とした。
(4)シリカ成形体の嵩密度
JIS規格Z−2504かさ比重測定器(筒井理化学器械株式会社製)を用い、付属のマニュアルに従い、嵩密度を測定した。
(5)シリカ成形体の形状
シリカ成形体の形状は、電子顕微鏡(SEM、株式会社日立製作所製S−800)で観察した。
(6)ゼオライトの平均粒子径
レーザー回折・散乱式粒度分析計(Microtrac社製MT3000)を用い、付属のマニュアルに従い、ゼオライトの平均粒子径を測定した。
(7)ゼオライトの凝集状態
電子顕微鏡(SEM、株式会社日立製作所製S−800)を用い、得られた視野像からゼオライトの凝集状態を下式により算出し、凝集割合が50%以下のゼオライトを非凝集ゼオライトとした。
凝集割合=他の1次粒子と部分的に結合しているゼオライト粒子の個数/任意のゼオライト粒子100個×100
(8)エチレン転化率及びプロピレン収率
(a)エチレン転化率=
(反応器入口の供給流中のエチレン濃度−反応器出口の供給流中のエチレン濃度)
/反応器入口の供給流中のエチレン濃度×100
(b)プロピレン収率=
反応生成したプロピレン量/反応転化したエチレン量×100
シリカ一次粒子の平均粒子径が5nmであるアンモニウム安定型シリカゾル3333g(シリカ15重量%)にリン酸77g、非凝集ゼオライト(MFI型ZSM−5、SiO2/Al2O3モル比=27、平均粒子径2.9μm、ゼオライトの凝集割合10%以下、)500gを添加し、室温大気下で2時間撹拌した。この原料混合物のpHは2.3であった。回転円盤式噴霧乾燥機の熱風入口温度が約180°C、熱風出口温度が約100°Cに維持されるように乾燥空気を導入しながら、得られた原料混合物を供給速度12Kg/hr、回転円盤回転数12000rpmで噴霧乾燥した。得られた乾燥粉体を大気下700°Cで2時間マッフル炉にて静置焼成して、ゼオライト/シリカ/リン=1/A/B(A=1、B=0.024)の組成を有するシリカ成形体を得た。得られたシリカ成形体の摩耗損失、安息角、嵩密度を測定した。測定結果を表1に示す。
また、得られたシリカ成形体を電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、平滑な表面を有する球状粒子であり、割れや欠けはほとんど見られなかった。粒子のSEM像を図1に示す。
実施例1で得られたシリカ成形体の水洗浄を以下にように行った。シリカ成形体の濃度が10重量%となるように水を加え、得られたシリカ成形体スラリーを室温大気下で1時間撹拌した。シリカ成形体を濾取し、大気下120°Cで5時間乾燥させ、ゼオライト/シリカ/リン=A/B(A=1、B=0.019)の組成を有するシリカ成形体を得た。得られたシリカ成形体の摩耗損失、安息角、嵩密度を実施例1と同様に測定した。測定結果を表1に示す。
また、得られたシリカ成形体を電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、平滑な表面を有する球状粒子であり、割れや欠けはほとんど見られなかった。粒子のSEM像を図2に示す。
シリカゾル3333gに代えて9999g、リン酸77gに代えて228gを用い、得られた乾燥粉体を大気下、850°Cで5時間静置焼成したこと以外は実施例1と同様の方法により、ゼオライト/シリカ/リン=1/A/B(A=3、B=0.036)で示される組成を有するシリカ成形体を得た。得られたシリカ成形体の摩耗損失、安息角、嵩密度を実施例1と同様に測定した。測定結果を表1に示す。
また、得られたシリカ成形体を電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、平滑な表面を有する球状粒子であり、割れや欠けはほとんど見られなかった。
リン酸77gに代えて38gを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、ゼオライト/シリカ/リン=A/B(A=1、B=0.012)で示される組成を有するシリカ成形体を得た。得られたシリカ成形体の摩耗損失、安息角、嵩密度を実施例1と同様に測定した。測定結果を表1に示す。
また、得られたシリカ成形体を電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、平滑な表面を有する球状粒子であり、割れや欠けはほとんど見られなかった。
実施例1で得られた乾燥粉体を大気下600°Cで5時間静置焼成してシリカ成形体を得た。得られたシリカ成形体の摩耗損失、安息角、嵩密度を実施例1と同様に測定した。測定結果を表1に示す。
また、得られたシリカ成形体を電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、球状で、平滑な表面を有する球状粒子であり、割れや欠けはほとんど見られなかった。
実質的にアルミニウムを含まないハイシリカゼオライトである非凝集ゼオライト(MFI型ZSM−5、SiO2/Al2O3モル比=1000、平均粒子径3.7μm、ゼオライトの凝集割合40%以下)500gを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、ゼオライト/シリカ/リン=1/A/B(A=1、B=0.024)で示される組成を有するシリカ成形体を得た。得られたシリカ成形体の摩耗損失、安息角、嵩密度を実施例1と同様に測定した。測定結果を表2に示す。
また、得られたシリカ成形体を電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、平滑な表面を有する球状粒子であり、割れや欠けはほとんど見られなかった。図3にSEM像を示す。
リン酸26gを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、ゼオライト/シリカ/リン=1/A/B(A=1、B=0.008)で示される組成を有するシリカ成形体を得た。得られたシリカ成形体の摩耗損失、安息角、嵩密度を実施例1と同様に測定した。測定結果を表2に示す。
また、得られたシリカ成形体を電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、平滑な表面を有する球状粒子であり、割れや欠けはほとんど見られなかった。
非凝集ゼオライト(MFI型ZSM−5、SiO2/Al2O3モル比=42、平均粒子径4.7μm、ゼオライトの凝集割合40%以下)500g、シリカ一次粒子の平均粒子径が12nmのアンモニウム安定型シリカゾル1667g(シリカ30重量%)を用い、得られた乾燥粉体を大気下700°Cで5時間静置焼成したこと以外は、実施例1と同様の方法により、ゼオライト/シリカ/リン=1/A/B(A=1、B=0.024)で示される組成を有するシリカ成形体を得た。得られたシリカ成形体の摩耗損失、安息角、嵩密度を実施例1と同様に測定した。測定結果を表2に示す。
シリカ一次粒子の平均粒子径が20nmであり、粒径分布が10〜40nmの広い粒径分布を持つカリウム安定型シリカゾル1667g(シリカ30重量%)を用い、得られた乾燥粉体を大気下700°Cで2時間静置焼成したこと以外は、実施例1と同様の方法により、ゼオライト/シリカ/リン=1/A/B(A=1、B=0.024)で示される組成を有するシリカ成形体を得た。得られたシリカ成形体の摩耗損失、安息角、嵩密度を実施例2と同様に測定した。測定結果を表1に示す。
リン酸16gを用い、得られた乾燥粉体を大気下850°Cで5時間静置焼成したこと以外は、実施例1と同様の方法により、ゼオライト/シリカ/リン=1/A/B(A=1、B=0.005)で示される組成を有するシリカ成形体を得た。得られたシリカ成形体の摩耗損失、安息角、嵩密度を実施例2と同様に測定した。測定結果を表1に示す。
また、得られたシリカ成形体を電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、平滑な表面を有する球状粒子であり、割れや欠けはほとんど見られなかった。
非凝集ゼオライト(ベータゼオライト、SiO2/Al2O3モル比=40、平均粒子径5μm、ゼオライトの凝集割合40%以下)500gを用い、得られた乾燥粉体を大気下850°Cで5時間静置焼成したこと以外は、実施例1と同様の方法により、ゼオライト/シリカ/リン=1/A/B(A=1、B=0.024)で示される組成を有するシリカ成形体を得た。得られたシリカ成形体の摩耗損失、安息角、嵩密度を実施例1と同様に測定した。測定結果を表3に示す。
また、得られたシリカ成形体を電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、平滑な表面を有する球状粒子であり、割れや欠けはほとんど見られなかった。
非凝集ゼオライトに代えて平均粒子径15μmの凝集したゼオライト(MFI型ZSM−5、SiO2/Al2O3モル比=27、ゼオライトの凝集割合80%以上)を用い、得られた乾燥粉体を大気下850°Cで5時間静置焼成したこと以外は、実施例1と同様の方法により、ゼオライト/シリカ/リン=1/A/B(A=1、B=0.024)で示される組成を有するシリカ成形体を得た。得られたシリカ成形体の安息角、嵩密度を実施例1と同様に測定した。測定結果を表4に示す。
また、開始後5時間の摩耗損失を下記式から求めたところ、31重量%と大きく、機械的強度に著しく劣ることが明らかになったため、摩耗損失試験は5時間で終了した。
開始後5時間の摩耗損失(重量%)=A/B×100
(式中、Aは0〜5時間後に摩耗逃散したシリカ成形体の重量(g)、Bは試験に供したシリカ成形体の重量(g)である。)
また、得られたシリカ成形体を電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、凹凸状の表面でかつ開孔部が存在する粒子で、割れ、欠けが観察された。粒子のSEM像を図4に示す。
リン酸77gを含むリン酸水溶液500gに、比較例1で用いたゼオライト500gを添加し、室温大気下で2時間撹拌後、水を蒸発乾固させ、大気下120°Cで5時間乾燥し、次いで、大気下600°Cで3時間焼成してリン酸含浸ゼオライトを調製した。得られたリン酸含浸ゼオライト500gを、実施例1で用いたシリカゾル3333gに添加し、実施例1と同様の方法により、ゼオライト/シリカ/リン=1/A/B(A=1、B=0.024)で示される組成を有するシリカ成形体を得た。得られたシリカ成形体の摩耗損失、安息角、嵩密度を実施例1と同様に測定した。測定結果を表4に示す。
比較例1で用いたゼオライト500gを、直径2cm及び2.5cmのSUS−304球(合計重量3Kg)の入った容積2900cm3のSUS−304製ボールミルを用いて12時間処理したこと以外は、比較例1と同様の方法により、ゼオライト/シリカ/リン=1/A/B(A=1、B=0.024)で示される組成を有するシリカ成形体を得た。なお、ボールミル処理後のゼオライトの凝集割合は70%以上であった。得られたシリカ成形体の安息角、嵩密度を実施例1と同様に測定した。測定結果を表4に示す。
また、開始後5時間の摩耗損失が30重量%と大きく、機械的強度に著しく劣ることが明らかになったため、摩耗損失試験は5時間で終了した。
平均粒子径4.7μmのゼオライト(SiO2/Al2O3モル比42)に代えて15μmの凝集したゼオライト(SiO2/Al2O3モル比=27、ゼオライトの凝集割合80%以上)を用いたこと以外は、実施例8と同様の方法により、ゼオライト/シリカ=1/1で示される組成を有するシリカ成形体を得た。得られたシリカ成形体の安息角、嵩密度を実施例1と同様に測定した。測定結果を表4に示す。
また、開始後5時間の摩耗損失が42重量%と大きく、機械的強度に著しく劣ることが明らかになったため、摩耗損失試験は5時間で終了した。
得られたシリカ成形体を電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、凹凸状の表面でかつ開孔部が存在する粒子で、割れ、欠けが観察された。粒子のSEM像を図5に示す。
(実施例12)
実施例1で得られたシリカ成形体25g内径1インチのステンレス製流動層反応器に充填し、エチレン9.9g/hr、水素0.7g/hr、水4.9g/hr、窒素5.3g/minの流量で反応器に流通させ、反応温度550°C、反応圧力0.14MPaの条件で反応を行った。反応生成物の分析は反応器と直結したガスクロマトグラフィー(TCD−FID直列連結)で行った。反応開始後、所定時間における反応結果を表5に示す。
また、本実施の形態のシリカ成形体を、流動層反応によりエチレン含有炭化水素原料からプロピレンを製造する際の触媒として用いた場合、エチレン転化率、プロピレン収率が共に良好であり、プロピレンを収率良くかつ安定に製造することが可能であった。
これに対して、比較例1〜4のシリカ成形体は、ゼオライトとして、凝集型のゼオライトを使用しているため、摩耗損失が大きく、耐摩耗性に劣るものであった。また、安息角、嵩密度に関しても、流動層反応の触媒として好適な範囲内にはなかった。
Claims (8)
- ゼオライト、シリカ及びリンを含有し、下記式(I):
ゼオライト/シリカ/リン=1/A/B (I)
(式中、Aはゼオライト重量に対するシリカの重量比、Bはゼオライトとシリカの合計重量に対するリン元素の重量比を示し、0<A≦10、0<B≦0.05である。)
で表される組成を有するシリカ成形体であって、
前記ゼオライトは、SiO2/Al2O3モル比が15〜1000、平均粒子径が0.05〜10μmの非凝集型のゼオライトであり、
下記式(II)で表される摩耗損失が3重量%以下である、シリカ成形体:
摩耗損失(重量%)=D/(E−C)×100 (II)
(式中、Cは0〜5時間に摩耗逃散したシリカ成形体の重量(g)、Dは5〜20時間に摩耗逃散したシリカ成形体の重量(g)、Eは試験に供したシリカ成形体の重量(g)を示す。)。 - 原料シリカゾル中のシリカ一次粒子の平均粒子径が3〜50nmである、請求項1に記載のシリカ成形体。
- 安息角が20〜30°である、請求項1又は2記載のシリカ成形体。
- 嵩密度が0.8〜1.2g/cm3である、請求項1〜3のいずれか1項記載のシリカ成形体。
- 以下の各工程:
(i)ゼオライト、シリカゾル及びリン化合物を混合して、原料混合物を調製する工程、
(ii)前記原料混合物を噴霧乾燥して乾燥粉体を得る工程、
を含む、シリカ成形体の製造方法であって、
前記ゼオライトは、SiO2/Al2O3モル比が15〜1000、平均粒子径が0.05〜10μmの非凝集型のゼオライトであり、
前記シリカゾルに含まれるシリカ一次粒子の平均粒子径が3〜50nmであり
前記リン化合物が水溶性リン化合物である、シリカ成形体の製造方法。 - (iii)前記乾燥粉体を焼成する工程をさらに含む、請求項5記載のシリカ成形体の製造方法。
- 前記水溶性リン化合物がリン酸である、請求項5又は6記載のシリカ成形体の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載のシリカ成形体を流動層反応触媒として用いるプロピレンの製造方法であって、
シリカ成形体と、エチレンを含有する炭化水素原料とを接触させる工程を含む、製造方法。
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