JP5353463B2 - 溶銑の脱りん方法 - Google Patents

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本発明は、転炉において、精錬用フラックス粉体およびガスを溶銑浴面に吹き付けて溶銑脱りんする方法に関する。
近年、低りん鋼の需要が増大し、転炉による脱炭精錬に先立って溶銑予備処理による脱りんを行うのが通例となっている。この技術は、脱りん反応を脱炭精錬よりも低温の溶銑で行うことにより、熱力学的な優位性から効率的に脱りんを行うことが目的である。但し、低温という条件によりスラグの融点を下げてその溶融状態を良好に保つことが必要となり、精錬用フラックス、具体的には例えば塊状生石灰等の脱りん用フラックスに加え、スラグの融点降下剤として蛍石(主成分はCaF)等のアルカリ金属やアルカリ土類金属のフッ化物や塩化物を添加する方法が採られている。
しかし、精錬の総コストを低減するためには、スラグ発生量を減らすこと、およびスラグを有効利用することが必要である。スラグの有効利用のためには、環境保護のためCaF等のフッ素源を用いることは好ましくない。従って、CaFの使用をできるだけ少なく抑えることが必要となる。
すなわち、溶銑脱りんで蛍石を用いずにCaOを滓化して脱りん反応を促進する方法が求められている。
この目的を達成するために提案されている従来技術の一つに、蛍石の代わりにアルミナ含有物を用いる方法がある(特許文献1)。
しかしながら、アルミナの滓化促進効果は蛍石ほど強力では無かったため、塊状生石灰の滓化率および脱りん率にはバラツキが生じてしまうという問題があった。
そこで、生石灰等のフラックスがより滓化し易いように、粉体にして溶銑脱りんに用いる方法が検討された。
ところが、スクラップシュートや炉上ホッパーから添加すると、フラックス粉体が溶銑浴面へ着地・補足されずに炉外へ飛散してしまい、このため、フラックス歩留まりが著しく低下し、また脱りん率も低下してしまった。
特許第3312536号公報 特許第3496522号公報 特開昭60−165313号公報
そこで鋭意検討を重ねた結果、上底吹き転炉内の溶銑浴面へ、ランスの中心孔からフラックス粉体を不活性ガスとともに吹き付けて、且つ中心孔の周囲に同一円周上に等間隔に配置された複数孔から酸素ガスを吹き付けて溶銑脱りんする方法を本発明者らは想到した。
この方法では、フラックス粉体の大部分を溶銑浴面へ着地・補足させることができるので、飛散ロスを大幅に低減できた。
しかしながら、この方法には以下の問題点があった。
すなわち、酸素ガス含有ジェットと溶銑との衝突部(火点)にCaO系フラックス粉体が吹き付けられれば、火点で生成した高温の(FeO)とCaO粉体が接触・反応して、脱りん能の極めて高いCaO・FeO融体が生成される。
その場合、上吹きしたCaO系フラックス粉体のほとんど全てが速やかに滓化し、その結果、実塩基度(スラグ中CaO質量濃度(未滓化CaO分は除く。)とSiO質量濃度との比、すなわち(%CaO)/(%SiO))が高いスラグが形成され、高い脱りん率が得られる。
ところが、上述のごとくランスの中心孔からCaO系フラックス粉体を不活性ガスとともに吹き付けて、且つ中心孔の周囲に同一円周上に等間隔に配置された複数孔から酸素ガスを吹き付ける場合、CaO系フラックス粉体が酸素ジェットとあまり干渉しないために火点で滓化しきれず、実塩基度が上がらないことが明らかになった。
このように実塩基度の高いスラグが形成されないため、この方法では脱りん率も低値となってしまった。
かかる現状を背景とし、本発明は、「上底吹き転炉内の溶銑浴面へ、ランスの中心孔からフラックス粉体を不活性ガスとともに吹き付けて、且つ中心孔の周囲に同一円周上に等間隔に配置された複数孔から酸素ガスを吹き付けて溶銑脱りんする方法」において、フラックス粉体と酸素ジェットとの干渉率を高めて、フラックスの滓化率および脱りん率を向上させる手段を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本出願人が特許文献2において開示したランス先端形状を複雑にせずにジェットの流速分布を平滑化することができる溶融金属精錬用上吹きランス(以下、「ねじれランス」といい、このランス構造を「ねじれ構造」ともいう。)に本発明者らは着目した。
すなわち、中心孔から噴出するフラックス粉体と不活性ガスとからなるジェットと、周囲の複数孔から噴出される酸素ジェットを干渉させるには、同一円周上に等間隔で配置された3孔以上の孔である周縁孔をねじるのが有効と考えた。
図1に特許文献2に記載のねじれを有するランスを示す。図1における符号1はランス、2は周縁孔に基づくノズルである。ねじれランス1では、各ノズル2の方向は相互にねじれた位置関係となっている。
特許文献2には、6孔ねじれランス1において、ランスの中心軸から半径方向のジェットの動圧分布を調査し、ランス中心からみて動圧が最大となる方位と、そこから30°ずれた隣接するノズル2との境界に相当する方位(最も動圧が小さくなる方位)で、各方位でのピーク動圧値が近い値になる(円周方向の動圧変動が小さくなる)ようなねじれランス1(ねじれ度δの範囲を規定)が開示されている。
しかしながら、特許文献2では中心孔からのジェットと周囲の複数孔からのジェットとの干渉については何ら開示していない。そこで、本発明者らはこの点について検討を行い、中心孔周囲の複数孔、すなわち同一円周上に等間隔で配置された3孔以上の孔である周縁孔をねじることで、中心孔から噴出するフラックス粉体と不活性ガスとからなるジェットと周囲の複数孔(周縁孔)から噴出される酸素ジェットを干渉させれば、フラックス粉体と酸素ジェットとの干渉率を高めて、フラックスの滓化率および脱りん率を向上させることが可能になると考えに至った。この考えに基づいて本発明者らがさらに検討を行い、完成させた本発明は次のとおりである。
(1)転炉を用いた溶銑脱りん法において、同一円周上に等間隔で配置された3孔以上の孔である周縁孔および中心孔を有するランスを用いて、前記周縁孔から酸素含有ガスを上吹きしかつ中心孔からCaO含有粉体および不活性ガスを上吹きするに際し、前記周縁孔のそれぞれについて、ランス中心軸がz軸、周縁孔の出口位置がx軸上となるように定めたxyz直交座標系において、yz平面およびxz平面へのその周縁孔の孔軸の投影がz軸となす角度をそれぞれαおよびβとしたとき、αとβが下記(1)式を満足し、かつ中心孔から噴出する不活性ガスの圧力(CaO含有粉体を上吹きしない場合の圧力)が前記周縁孔から噴出される酸素含有ガスの圧力よりも小さいことを特徴とする溶銑の脱りん方法。
0<tanα/tanβ<2.75 (1)
溶銑浴面に酸素含有ガスおよび精錬用フラックス粉体を吹き付ける溶銑脱りんプロセスにおいて、本発明のランスを使用することにより、CaO系フラックス粉体の溶銑浴面への着地・補足効率が高まり、火点での滓化率が高まってスラグの実塩基度が向上して、処理後溶銑中りん濃度を低減することができる。
図1(a)は通常の多孔ランスの先端部を示す概要図であり、図1(b)は特許文献2により開示されたねじれランスの先端部を示す概要図である。 本発明に係るねじれランス構造を有する上吹きランス先端部の6孔ランスの例を示す概要図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のB−B断面のyz平面への投影図、同図(c)は同図(a)のC−C断面のxz平面への投影図である。なお、説明し易いように、図(a)中のノズルAについてのみを図(b)、図(c)に示す。 本発明に係る溶融金属精錬用上吹きランスを溶融金属精錬炉で使用する場合における一のノズルとそれに対応する火点の幾何学的位置関係を示す概要図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照しながら説明する。
1.ねじれランス
図2は、本発明に係る溶融金属精錬用上吹きランス1の先端部の例を示す概要図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のB−B断面のyz平面への投影図、同図(c)は同図(a)のC−C断面のxz平面への投影図である。なお、説明し易いように、図(a)中のノズルAについてのみを図(b)、図(c)に示す。すなわち、図2において、ランス中心軸がz軸、同一円周上に等間隔で配置された3孔以上の孔(周縁孔)であるノズルAの出口位置がx軸上となるxyz直交座標系を用いて、説明する。
このランス1には、ノズルのひねりに相当する、yz平面へのノズル軸の投影とz軸とがなす角度α(以下、「ノズル旋回角」という)、およびノズルの外側方向の傾斜に相当するxz平面へのノズル軸の投影とz軸とのなす角度β(以下、「ノズル傾斜角」という)とを有する6つのノズル2(そのうちでx軸上にある一つの孔を「ノズルA」と称する。)が、ランス軸の周りに等間隔で軸対象に配置されている。
ノズル軸がz軸上の1点で交わる通常の多孔ランス(そのようなランスとして、特許文献3に開示されたものが例示される。)を同図の角度に適用すると、αは0°であり、βは通常のランス(すなわちねじれ構造を有していないランス)におけるノズルの角度に相当する。
図3はねじれランスを溶融金属精錬炉で使用する場合の、ノズル2とそれに対応する火点5の幾何学的位置関係を示す概要図である。
同図でノズル1本分のみを示す。同図に示すように、火点5の中心(ノズル軸の延長が溶融金属浴面4と交わる位置)からz軸に降ろした垂線のxy平面への投影とx軸とがなす角度をねじれ度δと定義すると、δ、α、β、ねじれランス1−浴面4間距離H、ノズル2の孔出口位置とランス中心軸との距離D(図2参照)との間に(2)式の関係が得られる。
tanδ=H・tanα/(H・tanβ+D) (2)
ここで、(2)式において、DがHに比べて十分に小さいとすると、δについて、近似的に(3)式の関係が得られる。
δ=tan−1(tanα/tanβ) (3)
また、浴面上の火点5の中心とランス中心軸位置関係の距離Rは(4)式で与えられる。
R=H・(tanα+tanβ)1/2 (4)
かかるねじれランス1に関し、特許文献2には、低スピッティング化に適正な範囲として(5)式が開示されている。
0<tanα/tanβ<2.75 (5)
2.ねじれランスを用いた試験
上底吹き転炉内に溶銑を約250ton装入し、上記のねじれ構造を有する上吹きランス1の中心孔からCaO粉体を窒素ガスと共に溶銑浴面へ吹き付け、また中心孔の周囲に同一円周上に等間隔に配置された6孔、すなわち周縁孔をなすノズル2から酸素ガスを溶銑浴面へ吹き付けて、溶銑脱りん吹錬を行った。
ランスの中心孔からは、CaO粉体を窒素ガスと共に上吹きし、中心孔周囲の複数孔(周縁孔)からは、酸素ガスを上吹きした。
上記条件での溶銑脱りん吹錬を例として、ノズル傾斜角度、ランス高さ、中心孔の直径を検討した。その結果を以下に示す。
後述の実施例でも示すように、上記(3)式により求められるノズル2のねじれ度δが70°以上であると、ジェットの旋回流速が大きくなり過ぎて、CaO系粉体が飛散し、脱りん反応に寄与しない割合が増加する。したがって、ねじれ度δは70°未満とすることで、CaO系フラックス粉体の溶銑浴面4への着地・補足効率が高まり、火点5での滓化率が高まってスラグの実塩基度が向上して、処理後溶銑中りん濃度を低減することが実現される。
好適なねじれ度δは70°未満であるから、上記(3)式から、0°<tan−1(tanα/tanβ)<70°である。したがって、αとβとの好適な関係は0<tanα/tanβ<2.75となる。
すなわち、ねじれランス1を構成するノズルのそれぞれについて、上記の0<tanα/tanβ<2.75を満たすようにαとβとを設定することにより、各ノズルから噴出するジェットは溶銑浴面4上に旋回流を作る。この旋回流の中心部にCaO系フラックス粉体に供給されるため、CaO系フラックス粉体が炉外に飛散することが抑制され、火点5での滓化率が高まり、溶銑の脱りん反応を効率的に進行させることが可能となる。この旋回流を適切に形成する観点からは、ノズル全体のtanα/tanβのばらつきは小さいことが好ましく、少なくとも設計上は全てのノズルについてtanα/tanβを同一とすることが好ましい。なお、このばらつきの許容範囲は、ノズル数、ノズルから供給される酸素の流速、CaO系フラックス粉体の質量や形状などが影響するため、これらを考慮して適宜設定すればよい。
ここで、ねじれランス1と液面4間の距離Hについて述べる。Hを小さくし過ぎると、溶銑飛散によるランス1の溶損や熱変形が発生しやすく、ランス寿命を短くすることになる。一方、Hが大きすぎるとジェットの広がりが大きくなり、ノズル傾斜角度を大きくし過ぎたときと同様COガスの二次燃焼や耐火物損耗の問題を生じてしまう。また、ランス中心孔から噴出されるCaO粉体の溶銑浴面4への着地・補足率が低下してしまう。したがって、溶銑脱りん操業におけるHは2000〜4000mm程度とすることが望ましい。
また、本発明に係るランス1では、中心孔を除くノズル2(周縁孔)の設置数は3以上とする。その設置数が2以下では転炉内での反応の対称性が失われるためである。ねじれノズル2の設置数の上限は定めないが、その設置数が過大であるとランス1の先端の構造が複雑になること、ノズル2の1本当たりのジェットの運動量が過小になること等から、10以下とするのが望ましい。
ランス中心孔径は、中心孔から噴出する不活性ガスの圧力(粉体は供給していない状態)が、中心孔周囲の複数孔から噴出する酸素ガスの圧力を超えないように適宜定めればよい。
これにより、上吹き酸素ガス流量と不活性ガス流量とから、中心孔径と周囲に同一円周上に等間隔に配置された複数孔(周縁孔)であるノズル2の径(もしくは中心孔の断面積と周囲の孔の総断面積)との関係が決まる。
なお、各ガスの圧力は、バルブステーション出口からランスまでの配管のいずれかで測定した値を用いればよい。
中心孔から噴出する不活性ガスの圧力の方が高いと、中心孔からのジェットが強いため、周囲の複数孔から噴出する酸素ジェットと干渉し難くなる。
その結果、CaO系フラックス粉体が着地した溶銑浴面4付近に(FeO)があまり生成されておらず、CaO系フラックス粉体が未滓化のままスラグ中に残留してしまう。そして脱りん率が悪化してしまう。
本発明を、実施例を参照しながら、より具体的に説明する。
・上底吹き転炉内に溶銑(Si濃度:約0.3質量%、P濃度:約0.1質量%)を約250ton装入し、上吹きランスの中心孔からCaO粉体を約1.4〜1.8kg/min/tの速度で窒素ガス0.2Nm/min/tと共に溶銑浴面へ吹き付けた。また中心孔の周囲に同一円周上に等間隔に配置された6孔または5孔(一部のランスについては、これらの孔を上述のごとくねじってある。)から酸素ガスを1.6〜2.1Nm/min/tで溶銑浴面へ吹き付けた。さらに、底吹き羽口からはNガスを0.35〜0.4Nm/min/tで吹き込み、ランス高さを2.5〜2.6mとして溶銑脱りん吹錬を行った。
ランスはねじれの無い従来ランスまたは各ノズルの方向が互いにねじれの位置関係となり、ねじれ度δは10°〜70°かつ中心孔があり、中心孔から噴出する不活性ガスの圧力(粉体は供給していない状態、値は絶対圧)と、中心孔周囲の6孔または5孔から噴出する酸素ガスの圧力との差を変化させた。なお、各ランスにおける中心孔周囲の6孔または5孔のα、β、δは同一とした。
処理後溶銑中C濃度は3.4〜3.6質量%、処理後鍋中温度は1351〜1380℃、装入塩基度(CaO/SiOの質量濃度比)は2.6であった。
処理後スラグの実塩基度(採取したスラグのCaO質量濃度から未滓化CaO質量濃度を差し引いた値を、SiO質量濃度で除した値、すなわち、{(%CaO)−(%f−CaO)}/(%SiO))、および処理後溶銑中[P](りん濃度、単位:質量%)を調査した。
表1に本発明および比較例のランスを用いた操業時の処理後スラグの実塩基度と処理後溶銑中[P]を示す。
これらの値は、各ランスを10〜20Ch使用したときの平均値である。
総合評価は比較例1を基準として、実塩基度が2.4以上となった場合且つ処理後[P]が所望の値(0.0020質量%以下)に到達した場合にのみ効果有り(表中、「○」)とした。
Figure 0005353463
実験結果について、まずは、比較例1、2について述べる。
ねじれ度δが0°のランスを基準にした場合、ねじれ度δを70°まで大きくすると、ジェットの旋回流が強くなりすぎてCaO系フラックス粉体の飛散ロスが増えて実塩基度が低下して、処理後[P]が0.025〜0.027質量%と高かった。
比較例3では、ねじれ度δを30°としても、中心孔から上吹きする窒素の圧力が0.2MPaと低かったため、中心孔から上吹きしたCaO粉体の溶銑浴面への着地・補足効率が低く、実塩基度が低かった。このため、処理後[P]が0.028質量%と高かった。
比較例4、5では、ねじれ度δを30°としても、中心孔から上吹きする窒素の圧力が中心孔周囲の6孔から噴出する酸素ガスの圧力と同等かそれ以上であったため、中心孔から噴出したジェットの運動量が非常に大きくなった。このため、中心孔から噴出したジェットと周囲の6孔から噴出した酸素ジェットの干渉が弱くなり、CaO系フラックス粉体の滓化率が低下して実塩基度が低値になった。
続いて、実施例1〜4について述べる。中心孔から上吹きする窒素の圧力が中心孔周囲の6孔から噴出する酸素ガスの圧力より低い場合、ランスのねじれ度δを10〜60°とすることで、中心孔から噴出したCaO粉体が周囲の6孔または5孔から噴出した酸素ガスジェットと接触・混合しながら溶銑浴面へ衝突したと考えられる。このため、酸素ガス含有ジェットと溶銑との衝突部(火点)で生成した高温の(FeO)とCaO粉体が接触・反応して、脱りん能の極めて高いCaO・FeO融体が生成されて、処理後[P]が0.017〜0.019質量%にまで低下した。
1 ランス
2 ノズル
3 中心孔
4 浴面
5 火点
α ノズル旋回角
β ノズル傾斜角
δ ねじれ度
D ノズル出口とランス中心間距離
ランスと浴面間距離

Claims (1)

  1. 転炉を用いた溶銑脱りん法において、同一円周上に等間隔で配置された3孔以上の孔である周縁孔および中心孔を有するランスを用いて、前記周縁孔から酸素含有ガスを上吹きしかつ中心孔からCaO含有粉体および不活性ガスを上吹きするに際し、
    前記周縁孔のそれぞれについて、ランス中心軸がz軸、周縁孔の出口位置がx軸上となるように定めたxyz直交座標系において、yz平面およびxz平面へのその周縁孔の孔軸の投影がz軸となす角度をそれぞれαおよびβとしたとき、αとβが下記(1)式を満足し、かつ
    中心孔から噴出する不活性ガスの圧力(CaO含有粉体を上吹きしない場合の圧力)が前記周縁孔から噴出される酸素含有ガスの圧力よりも小さいことを特徴とする溶銑の脱りん方法。
    0<tanα/tanβ<2.75 (1)
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