JP5353445B2 - 密閉型圧縮機および冷凍冷蔵装置 - Google Patents

密閉型圧縮機および冷凍冷蔵装置 Download PDF

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Description

本発明は、主に冷凍冷蔵庫等の冷凍冷蔵装置に用いられる密閉型圧縮機に関するものである。
近年、家庭用冷凍冷蔵庫等の冷凍装置に使用される密閉型圧縮機については、より消費電力の低減効果の高いものが強く望まれている。
従来、この種の密閉型圧縮機は、ピストンの外形形状を改善することによりピストンとシリンダー間の摺動損失を低減して、高効率化したものがある(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の密閉型圧縮機を説明する。
図8は、特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機の縦断面図であり、図9は従来の密閉型圧縮機に用いるピストンの斜視図である。
図8、図9において、密閉容器1内には、固定子2と回転子3からなる電動要素4と、電動要素4によって駆動される圧縮要素5が複数のスプリング25で内部懸架されて収容され、密閉容器1内の下部にはオイル6を貯留する。
圧縮要素5を構成するクランクシャフト10は、回転子3を圧入固定した主軸部11および主軸部11に対し偏心して形成された偏心部12を有するとともに、主軸部11の内部にはオイルポンプ(図示せず)がオイル6中に開口するよう設けてある。
ブロック20は、略円筒形のシリンダー21を有するとともに主軸部11を軸支する軸受部22を有し、電動要素4の上方に形成されている。ピストン30はブロック20のシリンダー21内に往復摺動自在に挿入され、偏心部12との間を連結手段41によって連結されている。
ピストン30は、トップ側面31とスカート側面32と外周面33とから構成され、主軸部11と平行にピストンピン孔38を備え、ピストンピン孔38にピストンピン36を挿入して連結手段41と連結している。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
電動要素4に電気が供給されると回転子3が回転し、クランクシャフト10は回転駆動される。このとき、偏心部12の偏心回転運動が連結手段41を介してピストン30に伝わることで、ピストン30はシリンダー21内を往復運動する。
ピストン30の往復運動に伴って、密閉容器1内の冷媒ガス40は吸入マフラー45からシリンダー21内へ吸入されるとともに、低圧の冷媒ガス40が冷却システム(図示せず)から密閉容器1内に流入する。
シリンダー21内へ吸入された冷媒ガス40は圧縮され、再び冷却システムへと吐出される。
密閉型圧縮機の運転中は、ピストン30がシリンダー21内を往復運動し、オイルポンプによって上方に搬送されたオイル6がシリンダー21とピストン30の外周面33の摺動部に供給され、摺動部を潤滑するとともにシールしている。
特開2004−169684号公報
しかしながら、上記従来の構成では、圧縮行程において下死点から上死点へ向かう際、ピストン30のトップ側面31は冷媒の圧縮荷重を受け、連結手段41を介してクランクシャフト10が反ピストン方向へ強く押されることで、クランクシャフト10がたわむ。
その結果、ピストン30を上下方向に大きく傾きピストン30の姿勢が安定しないことになる。
しかしながら上記従来の構成では、ピストン30のシリンダー21に対する上下方向の傾きに対しては、ピストン30のトップ側面31の縁からスカート側面32の縁までの区間と、ピストン30の外周面33とシリンダー21の隙間とで規制されるに過ぎない。
その結果ピストン30は大きく傾き、ピストン30の上死点側から下死点側へと漏れる冷媒の量は、ピストン30の傾斜角度の増大によって拡大した隙間を介して多くなり、冷凍能力が低下する。
こういった課題は、特に23rpsといった低速回転では冷凍能力の低下に伴い、摺動ロスの割合が大きくなり、密閉型圧縮機の効率が悪化し冷凍サイクルの消費電力が増大する。
また、こういった課題は特に冷媒にR600aを用いた場合、ピストン30の外径は大きくなり、冷媒の漏れが生じやすくなるとともに、より上下方向のピストン30の傾斜振れが増大するので振動や衝突による摺動ロスといった効率の低下が顕著であった。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、信頼性が高く、冷凍能力と効率の高い密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機は、ピストンが軸心よりも鉛直方向下方または上方に重心が位置するように形成され、ピストンは、その軸心を通りクランクシャフトに対して垂直な平面を基準にして、鉛直方向上側と鉛直方向下側とでその重量がピストンの総重量の0.5から5%の範囲内で異なるように形成されていることを特徴とするもので、ピストンとシリンダーの摺動損失を低減するとともに圧縮室からの冷媒の漏れを低減でき、高い効率を最大に引き出せることができる密閉型圧縮機を提供することができる。
本発明の密閉型圧縮機は、ピストンの不安定挙動を抑制するので局所的な摺動による摺動ロスや摩耗を低減することができ、さらには体積効率の低下を防止できるので信頼性が高く、高い効率を最大に引き出せることができる密閉型圧縮機を提供することができる。
本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図 同実施の形態における密閉型圧縮機に用いるピストン周りの要素拡大図 同実施の形態における密閉型圧縮機に用いるピストンの上面図 図3におけるA方向の矢視図 同実施の形態における特性図 同実施の形態における密閉型圧縮機に用いる他のピストンの上面図 図6におけるB方向の矢視図 従来の密閉型圧縮機の縦断面図 従来の密閉型圧縮機に用いるピストンの斜視図
請求項1に記載の発明は、密閉容器内に潤滑油を貯溜するとともに、電動要素によって駆動され冷媒を圧縮する圧縮要素とを収容し、前記圧縮要素は、略鉛直方向に配設され主軸部および偏心部を有するクランクシャフトと、圧縮室を形成するブロックと、前記圧縮室内を往復動する円筒形状のピストンと、前記偏心部の回転運動を前記ピストンへ伝達するコンロッドとを備え、前記ピストンは、その軸心に対して鉛直方向上側または鉛直方向下側に重心が位置するように形成され、前記ピストンは、その軸心を通り前記クランクシャフトに対して垂直な平面を基準にして、鉛直方向上側と鉛直方向下側とでその重量が前記ピストンの総重量の0.5から5%の範囲内で異なるように形成されていることを特徴とするもので、摺動損失を低減し、密閉型圧縮機の高効率化を最大に引き出せることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記圧縮要素は前記電動要素の上方に配置され、前記ピストンは、その軸心に対して鉛直方向下側に重心が位置するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の密閉型圧縮機。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記ピストンは、その軸心を通り前記クランクシャフトに対して垂直な平面を基準にして、鉛直方向上側と鉛直方向下側とでその体積が異なるように形成されていることを特徴とするもので、異種金属を使用した際に生じるような温度変化時の熱膨張によるピストンとシリンダー間とのクリアランス変化がない。
これにより、クリアランスが極端に小さくなり摺動損失を増大したり、あるいはクリアランスが多くなってピストンとシリンダー間からのガス漏れが増大して体積効率が低下したりすることがない。
さらには、予め組立時に熱時の膨張を考慮して寸法管理するといった生産上極めて不高率な管理も不必要となり、請求項1に記載の発明の効果に加えてさらに、生産性の向上も図れる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記ピストンは、その外周面に径方向内側に落ち込む凹陥部を備え、前記凹陥部は鉛直方向上側の第1凹陥部と鉛直方向下側の第2凹陥部を有し、前記第1凹陥部と前記第2凹陥部の容積が異なるように形成されていることを特徴とするもので、ピストン外周面に設けた凹陥部によって摺動面積が低減されることから摺動損失の低減が図れ、さらにはシリンダーとピストンとの間により多くの潤滑油が供給され、その潤滑油が良好に保持され潤滑特性向上によってシール性が向上し、請求項3に記載の発明の効果に加えてさらに、冷凍能力アップを図ることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の発明おいて、前記凹陥部は、前記ピストンが下死点に位置するとき少なくとも一部が前記ブロックから露出するように形成されていることを特徴とするもので、シリンダーとピストンとの間により多くの潤滑油が供給されるとともに、その潤滑油が良好に保持されるので、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明の効果に加えてさらに、ピストンが上死点位置に近接した状態での摺動抵抗を軽減することができる。
また、圧縮時に凹陥に流入した冷媒ガスが吸入時に圧縮室側に逆流して再膨張損失を増大させることを防止することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の発明において、23rps以下の回転周波数で運転されるもので、固定損失が受け易く消費電力の低減高価の高い低速域において摺動ロスや低振動化が図れるので、請求項1からのいずれか一項に記載の発明の効果に加えてさらに、密閉型圧縮機の効率をより向上できる。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の発明において、冷媒は炭化水素系冷媒のR600aであるので、従来のR134a冷媒を使用した密閉型圧縮機と比べて気筒容積の拡大に伴うピストンの径大化により、冷媒の漏れが生じやすくなるが、ピストンがシリンダーに対して上下方向に傾きにくくして冷媒の漏れを抑制するので、請求項1からのいずれか一項に記載の発明の効果に加えてさらに、体積効率の低減を防止し高効率化を図ることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の密閉型圧縮機を搭載したもので、効率の良い密閉型圧縮機を用いるので、消費電力を低減できるとともに低騒音化が図れる冷凍装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図、図2は、同実施の形態における密閉型圧縮機に用いるピストン周りの要素拡大図、図3は、同実施の形態における密閉型圧縮機に用いるピストンの上面図、図4は、図3におけるA方向の矢視図である。
また、図5は、同実施の形態における特性図であり、横軸は密閉型圧縮機を運転する回転数とほぼ同じ電源周波数を示し、縦軸は効率を示す成績係数C.O.P(COEFFICIENT OF PERFORMANCE)を示したものである。
図1から図4において、密閉容器101内に、固定子102と回転子103からなり、電源周波数以下の運転周波数を含む複数の運転周波数でインバーター駆動される電動要素104および、電動要素104によって駆動される圧縮要素161を電動要素104の上方に配置して収容し、密閉容器101内には潤滑油であるオイル106を貯溜している。
本実施の形態において、密閉型圧縮機164に使用される冷媒160として、温暖化係数の低い炭化水素系冷媒であるR600aを使用している。
クランクシャフト110は、回転子103を圧入固定した主軸部111と、主軸部111に対し偏心して形成された偏心部112を備え、略鉛直方向に配設されている。
給油手段120は、オイル106中に開口した遠心ポンプ122と、下端が遠心ポンプ122に連通する粘性ポンプ121と、粘性ポンプ121の上方に配置され上端で密閉容器101内の空間と開口する縦孔部123と、横孔部124とから構成されている。
ブロック130は、圧縮室162を形成するシリンダー131を備えるとともに、主軸部111を軸支する主軸受132を備える。シリンダー131の上部には湾曲した当り部134を有する。
ピストン140は、ブロック130のシリンダー131に往復摺動自在に挿入され、偏心部112の回転運動をピストン140に伝達する連結機構であるコンロッド146は、一端は偏心部112に連結され、他端はピストンピン孔141内に挿入固定されたピストンピン142を介して、ピストン140に連結されている。
なお、ピストン140はスカート端面152に開口する空洞部198を備え、コンロッド146の一端が挿入されてピストンピン142で連結されている。
シリンダー131と、シリンダー131内に往復摺動自在に挿入されたピストン140と、シリンダー131の端面に配置されたバルブプレート166により、略円筒形の圧縮室162が形成されている。
ピストン140の外周面150には、径方向内側に落ち込む凹陥部163を形成し、凹陥部163は鉛直方向上側の第1凹陥部154と鉛直方向下側の第2凹陥部155を備え、第1凹陥部154と第2凹陥部155の容積が同じに形成されている。
この凹陥部163は、ピストン140のトップ端面151とスカート端面152のどちらにも連通しないように形成され、凹陥部163を平面展開したときの形状を表す輪郭線は、ピストン140の軸芯と一切平行線を形成しない形状となっている。
ピストン140が下死点に位置する状態を示す図1からわかるように、ピストン140が下死点付近に位置するときに、ピストン140のスカート端面152側の一部がブロック130のシリンダー131から密閉容器101内の空間に露出する構成となっている。
さらに同様に、ピストン140が下死点に位置する状態を示す図1からわかるように、ピストン140が下死点付近に位置するときに、凹陥部163の第1凹陥部154と第2凹陥部155はともに一部がブロック130のシリンダー131から密閉容器101内の空間に露出する構成となっている。
さらに、凹陥部163の第1凹陥部154と第2凹陥部155の形状については、ピストン140のスカート端面152側に張り出す部分157の曲率は、ピストン140のトップ端面151側の略直線の縁部158とのつなぎR形状156の曲率より小さく形成されている。
ピストン140は、その軸心170を通りクランクシャフト110に対して垂直な平面195を基準にして、鉛直方向上側192と鉛直方向下側193に分けられる。
この鉛直方向上側192において、スカート端面152からトップ端面151に向かって陥没した抜き部194が左右対称に形成されている。
この抜き部194を鉛直方向上側192に設けることにより、ピストン140の鉛直方
向上側192の重量は、鉛直方向下側193の重量よりも、ピストン140の総重量の0.5から5%の範囲内で軽くなり、同一材料で形成されているピストン140は、その軸心に対して鉛直方向下側193内に重心が位置している。
以上のように構成された密閉型圧縮機164について、以下その動作、作用を説明する。
電動要素104の回転子103は、クランクシャフト110を回転させ、偏心部112の回転運動がコンロッド146とピストンピン142を介してピストン140に伝えられることでピストン140はシリンダー131内を往復運動する。
これにより、冷媒160は冷却システム(図示せず)から圧縮室162内へ吸入、圧縮された後、再び冷却システムへと吐出される。
図5に示す通り、上記構成における密閉型圧縮機の効率を測定した結果、本実施の形態における密閉型圧縮機の効率は、従来の密閉型圧縮機の効率よりも、運転される回転数に係わらず向上するとの結果が得られた。
この効率が向上する効果は、ピストン140の鉛直方向上側192の重量が、鉛直方向下側193の重量よりも、ピストン140の総重量の0.5から5%の範囲内で軽くなるように形成することにより、特に顕著であることを確認している。
この効率向上の理由について、以下に推察する。
ピストン140が圧縮室162内を往復運動する際に、重心位置が鉛直方向下方にずれることによって、ピストン140の鉛直方向上側192と鉛直方向下側193のそれぞれに作用する慣性力が異なりアンバランスとなるため、ピストン140のスカート端面152側がシリンダー131内で鉛直方向下方に位置しトップ端面151側が鉛直方向上方に位置するとか、逆に、ピストン140のスカート端面152側がシリンダー131内で鉛直方向上方に位置しトップ端面151側が鉛直方向下方に位置するといったように、鉛直方向上下方向に傾いて摺動している、または傾いて摺動しやすくなっているのではないかと推測する。
この、ピストン140が傾いて摺動することによって、オイル106による潤滑のくさび効果としぼり効果が促進され、ピストン140とシリンダー131の圧縮室162を形成する内壁面との摺動において、油膜圧力が上昇し、ピストン140の往復運動する際に安定した潤滑状態を形成できるために、摺動損失を低減することができたのではないかと推察する。
また、本構成によれば、同一材料を用いてピストン140を形成するため、ピストン140を異種金属で形成し、ピストン140の重心を鉛直方向上側または鉛直方向下側に位置させるときに引き起こされる課題も解決することができる。
すなわち、ピストン140を異種金属で形成すると、運転時に温度変化によりピストン140とシリンダー131の熱膨張が異なり、ピストン140とシリンダー131間とのクリアランスが極端に小さくなって摺動損失を増大したり、あるいはクリアランスが大きくなってピストン140とシリンダー131間からの冷媒の漏れが増大して体積効率が低下したりする課題を有している。
本発明の実施の形態においては、ピストン140の重心位置を変化させるとともに、ピ
ストン140とシリンダー131の熱膨張を同等にすることで、ピストン140とシリンダー131間とのクリアランスを熱膨張にかかわらず略均一に維持することができ、上記課題を解決することができる。さらに、組立工程において、熱膨張を考慮して寸法管理するといった生産上極めて非効率な管理も不必要となり、生産性の向上も図ることができる。
次に、抜き部194の重量について説明する。
上記ピストン194の構成おいて説明した通り、ピストン140の鉛直方向上側192の重量は、鉛直方向下側193の重量よりも、ピストン140の総重量の0.5から5%の範囲内で軽くなるように形成され、効率向上効果が特に顕著であることを確認している。
ピストン194の鉛直方向上側192と鉛直方向下側193の重量差が、ピストン140の総重量の0.5%未満の場合、効率向上効果が小さくなるのは、オイル106による潤滑のくさび効果としぼり効果があまり促進されず、摺動損失の低減効果が小さいのではないかと推察する。
また、ピストン194の鉛直方向上側192と鉛直方向下側193の重量差が、ピストン140の総重量の5%超の場合、効率向上効果が小さくなるのは、ピストン140が傾いて摺動することで、ピストン140とシリンダー131間との摺動において局所的に摩擦係数が大きくなり、オイル106による潤滑のくさび効果やしぼり効果を相殺してしまうのではないかと推察する。
一方、給油手段120は、クランクシャフト110の回転に伴って遠心ポンプ122が回転することで発生する遠心力によって、オイル106を遠心ポンプ122内で上昇させ、さらに粘性ポンプ121に到達したオイル106を粘性ポンプ121内で上昇させ、縦孔部123と横孔部124から密閉容器101内に散布する。
散布されたオイル106は当り部134に当り、切り欠き部135を介して、上方からピストン140の外周面150に滴下し付着する。
このとき、ピストン140が下死点に位置する状態で、このピストン140の凹陥部163を含む一部がブロック130から露出するように形成されているので、散布されたオイル106は切り欠き部135を介して、上方から直接ピストン140の凹陥部163に多めに供給されて保持される。
また、ピストン140の外周面150に滴下し付着したオイル106はピストン140の往復動に伴って、凹陥部163以外のピストン140の外周面150、環状溝191などに供給され、ピストン140の外周面150とシリンダー131との間を潤滑する。
特に、ピストン140が下死点から上死点に向かうときに、ピストン140の動きに伴いシリンダー131とピストン140の外周面150との間にオイル106が効果的に引き込まれる。
ここで、凹陥部163を平面展開したときの形状がピストン140の軸芯との平行線を一切形成しないように、ピストン140のスカート方向に摺動幅が増大するような曲線形状を成すので、凹陥部163に入り込んだオイル106は、凹陥部163のトップ端面151側の略直線の縁部158付近に容易に運ばれて貯溜され、さらに環状溝191にも凹陥部163からオイルが供給されて貯溜される。
そのため、シリンダー131とピストン140の摺動部に多くのオイル106が供給されるとともに、その潤滑油106が良好な状態で保持される。
この作用によって、シリンダー131とピストン140の外周面150との間には十分な油膜が維持されるため、極めて高いシール性を得ることができ、体積効率の向上による冷凍能力の向上が得られる。
さらに、凹陥部163を平面展開したときの形状がピストン140の軸芯との平行線を一切形成しないことによって、ピストン140の軸芯との平行線を形成したときに生ずる、往復動方向の摩耗といった局所的な摩耗を防ぐことができ、潤滑性が高まることと相まって極めて高い信頼性を得ることができる。
上記のピストン140の潤滑性の向上技術と、ピストン140の重心を軸心に対して鉛直方向の上側または下側に位置させる効率向上技術とは、それぞれが効率向上に寄与するものであるが、ピストン140の潤滑性の向上技術により、ピストン140重心による効率向上技術がさらに高められ、従来技術を基本とする標準的な密閉型圧縮機と比較して、効率向上の割合が顕著であると結論付けられる。
さらに、23rps以下の回転数で運転する際には、密閉型圧縮機164の全損失に対する固定損失の比率が大きいものの、そういった消費電力の低減効果が高い低回転数の運転において、摺動損失の低減や低振動化を実現することができ、その効果は低回転数運転で特に顕著なものとなる。
また、冷媒R600aの密度は、従来から冷蔵庫などに用いられている冷媒R134aと比較して小さいため、冷媒R134aの密閉型圧縮機164と同じ冷凍能力を得るためには、冷媒R600aを用いる場合、気筒容積が大きくなり、ピストン140の外径が大きくなる。
そのため、シリンダー131とピストン140との隙間を介して密閉容器101内に冷媒160が漏れる流路断面積が大きくなり、冷媒160が漏れやすくなる。しかしながら本実施の形態におけるピストン140の潤滑性の向上技術により、ピストン140とシリンダー131との摺動部の潤滑性を向上させることができ、シリンダー131とピストン140との隙間のシールが向上する。
従って、冷媒R600aを用いピストン140の外径が大きくなっても、効果的に冷媒160の漏れを低減することができる。
また、以上のような効率の高い密閉型圧縮機164を搭載した冷凍装置では、より消費電力を低減することができる。
なお、本実施の形態においては、ピストン140の鉛直方向上側192において、スカート端面152からトップ端面151に向かって陥没した抜き部194が左右対称に形成されているが、このピストン140を逆に組立てて、抜き部194が鉛直方向の下方に位置するようにしても、同様に効率が向上することを実験で確認している。
また、ピストン140の鉛直方向上側192において、スカート端面152からトップ端面151に向かって陥没した抜き部194を設け、ピストン140の重心を、その軸心に対して鉛直方向下側193内に位置するようにしているが、抜き部194を設けず、第1凹陥部154を第2凹陥部155よりも大きい容積とすることで、ピストン140の重
心を、その軸心に対して鉛直方向下側193内に位置するようにしても、同様に実施可能である。
また、抜き部194、第1凹陥部154、第2凹陥部155をいずれも設けず、ピストン140の鉛直方向上側192と鉛直方向下側193とで、他の構成により両者の体積が異なるように形成しても、同様に実施可能である。例えば、運転中に、ピストン140とシリンダー131の圧縮室162を形成する内壁面とのクリアランス変化に殆ど影響しない程度に部分的に異なる金属を使用するといった構成などが考えられる。
以上のように、いずれにしても、ピストン140は、その軸心に対して鉛直方向上側192または鉛直方向下側193に重心が位置するように形成されていれば、運転時の効率が向上することを確認しており、その構成を実現するための詳細な構成は多数存在するものである。
例えば、抜き部194として、図3および図4に示した以外の構成を図6および図7に示す。
図6および図7において、抜き部194は、ピストン140のスカート端面152からトップ端面151に向かって設けられた穴であり、鉛直方向上側192でかつ軸心を通る垂直な平面199に対して対称位置に設けられている。もちろん、抜き部194が鉛直方向の下方に位置するようにしても、同様に実施可能である。
また、本実施の形態においては、圧縮要素161を電動要素104の上方に配置しているが、圧縮要素161を電動要素104の下方に配置しても同様に実施可能であるが、振動の観点からは、圧縮要素161を電動要素104の上方に配置し、加振源である圧縮要素161からスプリング196を介して密閉容器101への振動伝達を抑制することが好ましい。
また、上記密閉型圧縮機164を搭載した家庭用電気冷蔵庫のような冷凍冷蔵装置(図示せず)とすることで、消費電力を低減することができる。
以上のように、本発明にかかる密閉型圧縮機は、ピストン外周の摺動損失を低減しつつ保油性が高められるので高効率化が図れるとともに、ピストン摺動時の傾斜を抑制して摺動部の信頼性を向上することができるので、エアーコンディショナーや自動販売機等の密閉型圧縮機の用途にも広く適用でき、これを搭載した冷凍冷蔵庫の消費電力を低減することができる。
101 密閉容器
104 電動要素
106 オイル(潤滑油)
110 クランクシャフト
111 主軸部
112 偏心部
130 ブロック
140 ピストン
146 コンロッド
150 外周面
154 第1凹陥部
155 第2凹陥部
160 冷媒
161 圧縮要素
162 圧縮室
163 凹陥部
164 密閉型圧縮機

Claims (8)

  1. 密閉容器内に潤滑油を貯溜するとともに、電動要素によって駆動され冷媒を圧縮する圧縮要素とを収容し、前記圧縮要素は、略鉛直方向に配設され主軸部および偏心部を有するクランクシャフトと、圧縮室を形成するブロックと、前記圧縮室内を往復動する円筒形状のピストンと、前記偏心部の回転運動を前記ピストンへ伝達するコンロッドとを備え、前記ピストンは、その軸心に対して鉛直方向上側または鉛直方向下側に重心が位置するように形成され、前記ピストンは、その軸心を通り前記クランクシャフトに対して垂直な平面を基準にして、鉛直方向上側と鉛直方向下側とでその重量が前記ピストンの総重量の0.5から5%の範囲内で異なるように形成されていることを特徴とする密閉型圧縮機。
  2. 前記圧縮要素は前記電動要素の上方に配置され、前記ピストンは、その軸心に対して鉛直方向下側に重心が位置するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. 前記ピストンは、その軸心を通り前記クランクシャフトに対して垂直な平面を基準にして、鉛直方向上側と鉛直方向下側とでその体積が異なるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の密閉型圧縮機。
  4. 前記ピストンは、その外周面に径方向内側に落ち込む凹陥部を備え、前記凹陥部は鉛直方向上側の第1凹陥部と鉛直方向下側の第2凹陥部を有し、前記第1凹陥部と前記第2凹陥部の容積が異なるように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の密閉型圧縮機。
  5. 前記凹陥部は、前記ピストンが下死点に位置するとき少なくとも一部が前記ブロックから露出するように形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  6. 23rps以下の回転数で運転される請求項1からのいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  7. 冷媒は炭化水素系冷媒のR600aである請求項1からのいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  8. 請求項1からのいずれか一項に記載の密閉型圧縮機を搭載した冷凍冷蔵装置。
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