JP5350060B2 - 木質セメント板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セメント系無機材と、木質補強材と、ゾノトライトとからなる単層構造の木質セメント板、及びその製造方法に関するものである。
従来から、セメントなどのセメント系無機材と、パルプなどの木質補強材とを主成分とする木質セメント板がある。この木質セメント板は比重が高く、強度、耐凍結融解性能などの物性に優れる。しかし、近年、耐火性に対する関心が高く、耐火性能の向上が求められている。
そのため、様々な材料を配合することが検討されている。
たとえば、特許文献1には、ケイ酸質原料と石灰原料とを含むスラリーを高温高圧下で反応せしめて、ケイ酸カルシウム反応により生成した水和物であるゾノトライトと、セメント系無機材と、木質補強材とからなる無機質板状体及びその製造方法が記載されている。
ゾノトライトは約1000℃まで分解しない構造であり、木質セメント板の耐火性能を向上させる材料であるが、上述したように、ゾノトライトはケイ酸質材料と石灰材料とを含むスラリーを高温高圧下で反応せしめて合成するので、得られるゾノトライト生成物は通常スラリーである。
特許文献1の製造方法は、原料を水の中に混合して原料スラリーとし、ハチェック方式、フローオン方式などの湿式方式により抄造してマットを製造し、得られたマットをプレス脱水する、湿式製法と呼ばれる製造方法である。ゾノトライトは通常スラリーであるため、湿式製法での使用に適しているが、湿式製法は大量の水を使用するとともに、抄造及び脱水を行うので、大量の排水が発生し、かつ、原料の一部が排水とともに流出しやすい。そのため、該排水は凝集剤などにより凝集沈殿処理を行わなければならず、大規模な排水処理設備が必要となるとともに、排水の処理に費用がかかる。また、セメント系無機材を水に混合するとカルシウムが溶出するので、原料スラリー及び排水を搬送する配管や、原料スラリーを抄造する設備や、プレス脱水を行う設備は、セメント系無機材に起因する詰まりを起こしやすい。
別の製造方法として、使用する水の量を原料の硬化に寄与する必要最小限の量とする、乾式製法と呼ばれる製造方法があり、該乾式製法は特許文献2に記載されている。乾式製法では、各原料を低含水率の状態で混合するとともに、原料の硬化に寄与する必要最小限の量の水を加えて原料混合物を製造し、得られた原料混合物を型板又は搬送板の上に散布してマットを製造し、該マットをプレス、硬化養生することにより木質セメント板を製造するので、湿式製法に比べると、製造において発生する排水の量は極めて少なく、排水処理設備は小規模で良く、排水の処理費は極めて安い。また、原料が排水とともに流出することがなく、セメント系無機材に起因する詰まりも発生しにくい。
しかし、乾式製法にゾノトライトのスラリーを配合すると、ゾノトライトは通常スラリーであるため、マットをプレスした際に、マットの含水率が高すぎて脱水割れを起こす、硬化後の型板脱型の際に、板の含水率が高すぎて曲げ強度が低下し、ライン上でハンドリングできないなどの問題が発生する。
ゾノトライトを乾式製法で使用するため、ゾノトライトの乾燥品が用いられることがある。しかし、ゾノトライトは針状結晶物であり、乾燥時の凝集が著しいので、ミルなどで粉砕することで粉末化させなければならず、大規模な設備が必要になるとともに、エネルギーコストが高くなり、処理時間も長い。
特開2007−238397号公報 特開2000−16848号公報
本発明は、耐火性能に優れた木質セメント板、及び生産性に優れた該木質セメント板の製造方法を提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明は単層構造の木質セメント板であって、セメント系無機材を20〜70質量%、木質補強材を5〜18質量%、ゾノトライトを5〜10質量%含有し、該木質補強材は、該セメント系無機材で被覆され、更にその上を該ゾノトライトで被覆されていることを特徴とする木質セメント板を提供するものである。
また、本発明は、単層構造の木質セメント板の製造方法として、複数の製造方法を提供するものである。
まず第1の製造方法としては、セメント系無機材を20〜70質量%、木質補強材を5〜18質量%、ゾノトライトを5〜10質量%含有する原料混合物を製造し、型板の上に散布して、マットを製造する工程と、得られたマットをプレス、硬化養生する工程とを有し、該原料混合物の製造が、該木質補強材を分散させた後に、該セメント系無機材の粉体を添加して混合し、その後、濃度が10〜30%のゾノトライトの脱水ケーキを添加して混合することにより行うことを特徴とする。なお、本発明では、原料混合物が散布される前の型板は、凹凸柄が形成された表面が上側になるよう配置してあり、原料混合物は型板の表面上に散布されることとなる。
第2の製造方法としては、セメント系無機材を20〜70質量%、木質補強材を5〜18質量%、ゾノトライトを5〜10質量%含有する原料混合物を製造し、搬送板の上に散布して、マットを製造する工程と、得られたマットの上に型板を積載し、プレス、硬化養生する工程とを有し、該原料混合物の製造が、該木質補強材を分散させた後に、該セメント系無機材の粉体を添加して混合し、その後、濃度が10〜30%のゾノトライトの脱水ケーキを添加して混合することにより行うことを特徴とする。なお、本発明では、型板は、凹凸柄が形成された表面を下側として、マットの表面と型板の表面とが接するように配置する。
本発明によれば、耐火性能に優れた木質セメント板、及び生産性に優れた該木質セメント板の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の木質セメント板は、セメント系無機材と、木質補強材と、ゾノトライトとからなる。
セメント系無機材としては、ポルトランドセメント、早強セメント、アルミナセメント、フライアッシュセメント、高炉セメント、シリカセメントなどのセメントや、スラグなどがあり、いずれか1種を使用しても良いし、2種類以上併用しても良いが、少なくともセメントのいずれかを使用することが好ましい。なお、本発明では粉体品を使用する。
木質補強材としては、木粉、木毛、木片、木質パルプ、木質繊維、木質繊維束、故紙、マイクロフィブリルセルロースなどがあり、いずれか1種を使用しても良いし、2種類以上併用しても良い。竹繊維、麻繊維、バガス、モミガラ、稲わらなどのリグノセルロースを主成分とする材料を混合しても良い。好ましい木質補強材としては、巾0.5〜2.0mm、長さ1〜20mm、アスペクト比(長さ/厚み)20〜30の木片や、直径0.1〜2.0mm、長さ2〜35mmの分枝及び/又は彎曲及び/又は折曲した木質繊維束がある。
ゾノトライトは、ケイ酸質材料と石灰質材料とを含むスラリーを高温高圧下で反応させて、ケイ酸カルシウム反応により生成した水和物であり、ケイ酸質材料とは、珪砂、珪石粉、珪藻土、シリカフューム、長石類、粘土鉱物、フライアッシュなどのSiOを主成分とするものであり、石灰質材料とは、生石灰、消石灰などのCaOを主成分とするものである。
これら上記ケイ酸質材料と石灰質材料とを水に分散させてスラリーとし、該スラリーを加圧下で攪拌しながら加熱すると、ケイ酸カルシウム反応により、該スラリー中にケイ酸カルシウム水和物が生成する。該ケイ酸カルシウム水和物がゾノトライトである。
より詳しくは、ケイ酸質材料に含まれるSiOと、石灰質材料に含まれるCaOとのモル比をSiO:CaO=7:3〜3:7の範囲とし、スラリーの固形分濃度は5〜40質量%とし、圧力1.0〜2.2MPa、温度170〜220℃のオートクレーブ中で攪拌しながら、1〜12時間反応させて、ゾノトライトを生成する。
そして、得られたゾノトライトを濾過機、遠心分離機、フィルタープレス、スクリュープレスなどにより脱水して、ゾノトライトの濃度が10〜30%である脱水ケーキを得て、該脱水ケーキを使用する。
その他、本発明においては、水ガラス、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、炭酸ナトリウム、ミョウバンなどの1種又は2種以上からなる硬化促進剤を使用することができる。
また、本発明においては、珪砂、珪石粉、珪藻土、シリカフューム、長石類、粘土鉱物、フライアッシュなどのケイ酸質材料や、パーライト、フライアッシュバルーン、シラスバルーン、膨張頁岩、膨張粘土、焼成珪藻土などの無機質軽量体を使用することができるが、いずれも粉体品である。
更に所望なれば、マイカ、バーミキュライトなどの鉱物や、ワックス、パラフィン、シリコン、コハク酸、高級脂肪酸の金属塩などの防水剤や、ナイロン、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、ガラス繊維などの化学繊維や、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水性糊料、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリル樹脂エマルジョンなどの合成樹脂エマルジョンの強化剤などを使用しても良い。
また、原料の一つとして、木質セメント板の廃材を衝撃式粉砕機および/または擦過式粉砕機で平均粒径50〜150μm程度に粉砕することによって製造された木質セメント板の廃材粉砕物を使用しても良い。該木質セメント板の廃材粉砕物を使用することで、製造コストを安くすることができるとともに、産業廃棄物を減らすことができる。
そして、本発明の木質セメント板は、単層構造であり、セメント系無機材を20〜70質量%、木質補強材を5〜18質量%、ゾノトライトを5〜10質量%含有しており、該木質補強材は、該セメント系無機材で覆われ、更にその上を該ゾノトライトで覆われている。
セメント系無機材が20〜70質量%含有されているのは、20質量%より少ないと、得られる木質セメント板は強度を発現できず、脆くなるためであり、70質量%より多いと、得られる木質セメント板の比重が高くなるとともにたわみが少なくなり、堅くて重く、運搬しづらく、作業性、釘打ち性能等の施工性に問題が発生するためである。
木質補強材が5〜18質量%含有されているのは、5質量%より少ないと、得られる木質セメント板のたわみが少なくなり、十分な補強効果が得られないためであり、18質量%より多いと、得られる木質セメント板の耐火性が損なわれるためである。
ゾノトライトが5〜10質量%含有されているのは、5質量%より少ないと、木質補強材を十分に覆うことができず、木質セメント板は十分な耐火性が得られないためであり、10質量%より多いと、プレス圧時の保形が困難なためである。
本発明によれば、木質補強材はセメント系無機材で覆われ、更にその上をゾノトライトで覆われているので、得られた木質セメント板は十分な耐火性を発現することができる。ゾノトライトの含有率が木質補強材の含有率以上であると、より確実に該ゾノトライトが該木質補強材を被覆することができるので、好ましい。
次に、本発明の木質セメント板の製造方法について説明する。
本発明の第1の製造方法は、セメント系無機材を20〜70質量%、木質補強材を5〜18質量%、ゾノトライトを5〜10質量%含有する原料混合物を製造し、型板の上に散布して、マットを製造する工程と、得られたマットをプレス、硬化養生する工程とを有する。
マットを製造する工程において、原料混合物の製造は、木質補強材を分散させた後に、セメント系無機材の粉体及びその他の粉体原料を添加、攪拌して混合し、各原料を十分に混合させた後に、濃度が10〜30%のゾノトライトの脱水ケーキを添加、攪拌して混合することにより行う。なお、ゾノトライトの脱水ケーキの濃度を10〜30%とするのは、濃度が10%より小さいと、得られるマット、及び板の含水率が高くなりすぎるので、プレスの際に脱水割れを起こす、硬化後の型板脱型の際に曲げ強度が低下し、ライン上でハンドリングできないなどの問題が発生するためであり、濃度が30%より大きいと、脱水するために要する設備、エネルギーコスト、時間が大きくなりすぎるためである。
このように、マットを製造する工程では、含水率の高いゾノトライトの脱水ケーキを最後に添加するので、各原料が均一に分散することができ、得られる木質セメント板の品質が安定するとともに、十分な強度、耐凍結融解性能などの性能が得られる。また、木質補強材を、最初にセメント系無機材が覆い、更にその上をゾノトライトが覆うことができるので、得られる木質セメント板の耐火性能が向上する。
なお、原料混合物の含水率は30〜50%とする必要があり、ゾノトライトの脱水ケーキを混合させても水分が不足する場合は、水を添加、攪拌し、十分に混合させる。その場合、水は、セメント系無機材及びその他の粉体原料を添加する前、及び/又はゾノトライトの脱水ケーキを添加する前、及び/又はゾノトライトの脱水ケーキを添加した後に添加することができるが、セメント系無機材及びその他の粉体原料を添加する前に添加すると、木質補強材の表面にセメント系無機材がより被覆しやすくなるので、好ましい。
マットをプレス、硬化養生する工程において、プレスは、温度60〜100℃で2〜5MPaの圧力を加えることにより行う。プレスされたマットは、型板を外して脱型した上で、常温養生又はオートクレーブ養生を行い、更に硬化させる。なお、オートクレーブ養生は、湿度85%RH以上、温度150〜180℃で10〜18時間行う。
常温養生又はオートクレーブ養生後は、乾燥工程を経て、製品とする。
以上のように、第1の製造方法によれば、木質セメント板に含有される木質補強材はセメント系無機材で覆われ、更にその上をゾノトライトで覆われるので、得られた木質セメント板は十分な耐火性を発現することができる。また、湿式製法に比べると、製造において発生する排水の量は極めて少なく、排水処理設備は小規模で良く、排水の処理費は極めて安い。更に、原料が排水とともに流出することがなく、セメント系無機材に起因する詰まりも発生しにくく、プレスした際に、マットの含水率が高すぎて脱水割れを起こすことや、硬化後の型板脱型の際に、板の含水率が高すぎて曲げ強度が低下し、ライン上でハンドリングできないなどの問題が発生することはない。
本発明の第2の製造方法は、セメント系無機材を20〜70質量%、木質補強材を5〜18質量%、ゾノトライトを5〜10質量%含有する原料混合物を製造し、搬送板の上に散布して、マットを製造する工程と、得られたマットの上に型板を積載し、プレス、硬化養生する工程とを有する。
マットを製造する工程において、原料混合物の製造は、木質補強材を分散させた後に、セメント系無機材及びその他の粉体原料を添加、攪拌して混合し、各原料を十分に混合させた後に、濃度が10〜30%のゾノトライトの脱水ケーキを添加、攪拌して混合することにより行う。なお、ゾノトライトの脱水ケーキの濃度を10〜30%とするのは、濃度が10%より小さいと、得られるマット、及び板の含水率が高くなりすぎるので、プレスの際に脱水割れを起こす、硬化後の型板脱型の際に曲げ強度が低下し、ライン上でハンドリングできないなどの問題が発生するためであり、濃度が30%より大きいと、脱水するために要する設備、エネルギーコスト、時間が大きくなりすぎるためである。
このように、マットを製造する工程では、含水率の高いゾノトライトの脱水ケーキを最後に添加するので、各原料が均一に分散することができ、得られる木質セメント板の品質が安定するとともに、十分な強度、耐凍結融解性能などの性能が得られる。また、木質補強材を、最初にセメント系無機材が覆い、更にその上をゾノトライトが覆うことができるので、得られる木質セメント板の耐火性能が向上する。
なお、原料混合物の含水率は30〜50%とする必要があり、ゾノトライトの脱水ケーキを混合させても水分が不足する場合は、水を添加、攪拌し、十分に混合させる。その場合、水は、セメント系無機材及びその他の粉体原料を添加する前、及び/又はゾノトライトの脱水ケーキを添加する前、及び/又はゾノトライトの脱水ケーキを添加した後に添加することができるが、セメント系無機材及びその他の粉体原料を添加する前に添加すると、木質補強材の表面にセメント系無機材がより被覆しやすくなるので、好ましい。
マットをプレス、硬化養生する工程において、プレスは、温度60〜100℃で2〜5MPaの圧力を加えることにより行う。プレスされたマットは、型板を外して脱型した上で、常温養生又はオートクレーブ養生を行い、更に硬化させる。なお、オートクレーブ養生は、湿度85%RH以上、温度150〜180℃で10〜18時間行う。
常温養生又はオートクレーブ養生後は、乾燥工程を経て、製品とする。
以上のように、第2の製造方法によれば、木質セメント板に含有される木質補強材はセメント系無機材で覆われ、更にその上をゾノトライトで覆われるので、得られた木質セメント板は十分な耐火性を発現することができる。また、湿式製法に比べると、製造において発生する排水の量は極めて少なく、排水処理設備は小規模で良く、排水の処理費は極めて安い。更に、原料が排水とともに流出することがなく、セメント系無機材に起因する詰まりも発生しにくく、プレスした際に、マットの含水率が高すぎて脱水割れを起こすことや、硬化後の型板脱型の際に、板の含水率が高すぎて曲げ強度が低下し、ライン上でハンドリングできないなどの問題が発生することはない。
次に、本発明の実施例をあげる。
表1に示す原料配合比率、製造条件にて原料を混合し、得られた原料混合物を型板の表面上に散布し、プレス、養生して、実施例1、2、及び比較例1〜3を製造した。なお、ゾノトライトは、フィルタープレスにより脱水した、濃度が20%の脱水ケーキを使用した。また、プレスは得られるマットの厚さが16mmとなるように2〜5MPaの圧力を加えることにより行い、プレスされたマットは、型板を外して脱型した上で、湿度85%RH以上、温度150〜180℃で11時間オートクレーブ養生した。
そして、散布する際に原料混合物の混合具合を確認するとともに、得られた実施例1、2、及び比較例1〜3の各木質セメント板について、比重、厚さ、曲げ強度、コーンカロリーメーターによる総発熱量を測定したので、その結果も表1に示す。
なお、曲げ強度は、JIS A 1408に準じて測定し、コーンカロリーメーターによる総発熱量は、ISO5660に準じて測定した。
実施例1、2の木質セメント板は、曲げ強度がゾノトライトを添加していない比較例1に比べるとやや劣るが、8N/mm以上あり、運搬、及び施工作業を行うのに支障はなかった。また、コーンカロリーメーターによる総発熱量は比較例1に比べて低く、得られた木質セメント板の耐火性能が向上していた。
ゾノトライトを添加していない比較例1は、曲げ強度は高いが、コーンカロリーメーターによる総発熱量は11.27MJ/mと高く、耐火性能に劣った。
ゾノトライトを全固形分の対し20%添加した比較例2は、コーンカロリーメーターによる総発熱量は低く耐火性能に優れるが、曲げ強度が低かった。比較例2はプレス時に原料混合物の一部が流出しており、それにより曲げ強度が低下したと考えられる。
木片、ゾノトライト、粉体原料の順に原料を混合した比較例3は、原料の混合順番のみが異なる同一配合の実施例2に比べ、曲げ強度、コーンカロリーメーターによる総発熱量のいずれも劣っていた。これは、比較例3では原料が均一に混合されず、原料の固まりが存在したためだと考えられる。
以上に本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載の発明の範囲内において種々の変形態を取り得る。
以上説明したように、本発明によれば、耐火性能に優れた木質セメント板、及び生産性に優れた該木質セメント板の製造方法を提供することができる。

Claims (3)

  1. 単層構造の木質セメント板であって、
    セメント系無機材を20〜70質量%、木質補強材を5〜18質量%、ゾノトライトを5〜10質量%含有し、
    上記セメント系無機材は、セメント、スラグの1種以上であり、
    上記木質補強材は、上記セメント系無機材で被覆され、更にその上を上記ゾノトライトで被覆されている
    ことを特徴とする木質セメント板。
  2. 単層構造の木質セメント板の製造方法であって、
    セメント系無機材を20〜70質量%、木質補強材を5〜18質量%、ゾノトライトを5〜10質量%含有する原料混合物を製造し、型板の上に散布して、マットを製造する工程と、
    得られたマットをプレス、硬化養生する工程とを有し、
    上記セメント系無機材は、セメント、スラグの1種以上であり、
    上記原料混合物の製造が、上記木質補強材を分散させた後に、上記セメント系無機材の粉体を添加して混合し、その後、濃度が10〜30%のゾノトライトの脱水ケーキを添加して混合することにより行う
    ことを特徴とする木質セメント板の製造方法。
  3. 単層構造の木質セメント板の製造方法であって、
    セメント系無機材を20〜70質量%、木質補強材を5〜18質量%、ゾノトライトを5〜10質量%含有する原料混合物を製造し、搬送板の上に散布して、マットを製造する工程と、
    得られたマットの上に型板を積載し、プレス、硬化養生する工程とを有し、
    上記セメント系無機材は、セメント、スラグの1種以上であり、
    上記原料混合物の製造が、上記木質補強材を分散させた後に、上記セメント系無機材の粉体を添加して混合し、その後、濃度が10〜30%のゾノトライトの脱水ケーキを添加して混合することにより行う
    ことを特徴とする木質セメント板の製造方法。
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