JP5348520B2 - ポリウレタン水分散液の製造方法およびそのシステム - Google Patents

ポリウレタン水分散液の製造方法およびそのシステム Download PDF

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Description

本発明は、ポリウレタン水分散液の製造方法およびそのシステムに関する。
ポリウレタン水分散液(水系ポリウレタン樹脂)は、本来疎水性のポリウレタン樹脂を種々の方法で親水性を向上させ、水分散したものである。ポリウレタン水分散液は、塗料、接着、表面処理剤、建材等の幅広い分野に使用される。
従来、ポリウレタン樹脂の製造には溶媒として有機溶剤が用いられてきたが、環境対策や安全衛生対策の観点から有機溶剤を使用しないポリウレタン水分散液の開発が進められている。
ポリウレタン水分散液は、強制乳化型、水溶性型および自己乳化型の3つの型に大別される。
強制乳化型は、溶液重合ポリウレタン樹脂を外部乳化剤(界面活性剤)で水分散させた後、溶剤を除去する強制乳化法、末端NCOのプレポリマーを外部乳化剤で水分散させた後、ジアミンで鎖延長した後、溶剤を除去するプレポリマー強制乳化法等によりエマルジョン状態のポリウレタン水分散液を得るものである。
しかしながら、強制乳化型ポリウレタン水分散液は、粒子径が大きく貯蔵安定性が悪い、乳化剤が残存し接着性を低下させる等の問題がある。
水溶性型は、親水性ポリオールを使用してウレタン化して水溶液状態のポリウレタン水分散液を得るものである。
しかしながら、水溶性型ポリウレタン水分散液は、耐水性が低いという問題がある。
自己乳化型は、ポリウレタン樹脂またはポリウレタンプレポリマーの構造内にイオン基を導入してアイオノマー化し、コロイド状態のポリウレタン水分散液を得るものである。
自己乳化型ポリウレタン水分散液は、粒子径が小さく貯蔵安定性が高い、分子設計の幅が広く、高物性、高機能化を行ううえで好ましい等、上記2つの他の型に比べて優れるとされている。
自己乳化型ポリウレタン水分散液は、他の型のものと同様に、通常、撹拌羽根を備えた1つの反応釜を用いて回分式で製造を行う。すなわち、例えばこの反応釜にイソシアネートおよびポリオール等のポリウレタン原料とともに、さらに例えばジメチロールプロピオン酸等の親水基付与剤および例えばメチルエチルケトン等の水と親和性のある低沸点溶剤を入れてウレタン化反応させてプレポリマーを得、ついで水および鎖延長剤を加えて水分散させる。そして、さらに減圧蒸留して低沸点溶剤を除去する。低沸点溶剤に代えて例えばグリコールエーテル等の成膜助剤である高沸点溶剤を少量加える場合もあり、このときは減圧蒸留を行う工程が省略される。
自己乳化型ポリウレタン水分散液の製造方法においては、水分散して転相する際に大きな粘度上昇を生じる問題があり、これにより、反応釜の混合、撹拌能力によって処理能力が制限され、あるいは製品の分散性が低下するおそれがある。また、撹拌が不十分あるいは不均一になることにより、重合した一部のプレポリマーが反応釜の内壁や底に付着するため、一回の処理が終わる都度、反応釜を清掃してプレポリマーの残さを取り除くことが必要である。これらのことと、上記したように1つの反応釜で一連の処理を行う回分式システムであることとが相俟って、生産性が大きく制限され、例えば、1トンの製品ポリウレタン水分散液を得るのに3〜4日の日数を要しているのが実情である。
この不具合を改善するために、連続式乳化機(分散機)を用い、かつその撹拌歯の形状等の構造を工夫して、プレポリマーおよび水の混合物単位体積に対してより高いせん断力等を加える技術が提案されている。この技術によれば、上記したプレポリマーの残さの除去が不要で、さらに、プレポリマーの十分な乳化(分散)が行われるとされている(特許文献1参照)。
特開平4−31439号公報
しかしながら、特許文献1のポリウレタン水分散液製造技術は、より効率的に分散することができ、ひいてはより高い生産性を得る技術としてはさらに改良の余地がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、より効率的に分散することができるポリウレタン水分散液の製造方法およびそのシステムを提供することを目的とする。
本発明に係るポリウレタン水分散液の製造方法は、
ウレタンプレポリマーと水と、成膜助剤を混合、撹拌して、ポリウレタン濃度が20〜30質量%の自己乳化型ポリウレタン水分散液である第一のポリウレタン水分散液を得る第一の工程と、
該第一のポリウレタン水分散液と、成膜助剤を含むウレタンプレポリマーを少なくとも混合、撹拌して該第一のポリウレタン水分散液よりもポリウレタン濃度の高い、自己乳化型ポリウレタン水分散液である第二のポリウレタン水分散液を得る第二の工程と、
該第二のポリウレタン水分散液に鎖延長剤を添加する第三の工程と、
を有し、
該第一の工程および該第二の工程において、それぞれ連続式分散装置で混合、撹拌し、
かつ、該第一の工程および該第二の工程において、それぞれ該連続式分散装置から連続的に抜き出されるポリウレタン水分散液の一部を循環してウレタンプレポリマーおよび水とともに該連続式分散装置に連続的に供給し、
ポリウレタン濃度が40〜50質量%であるポリウレタン水分散液を得ることを特徴とする。
本発明に係るポリウレタン水分散液の製造方法は、ウレタンプレポリマーと水を混合、撹拌して第一のポリウレタン水分散液を得る第一の工程と、該第一のポリウレタン水分散液と少なくともウレタンプレポリマーを混合、撹拌して第一のポリウレタン水分散液よりもポリウレタン濃度の高い第二のポリウレタン水分散液を得る第二の工程と、を有し、または、ウレタンプレポリマーと水を連続式分散装置で混合、撹拌してポリウレタン水分散液を製造する方法であって、連続式分散装置から連続的に抜き出されるポリウレタン水分散液の一部を循環してウレタンプレポリマーおよび水とともに連続式分散装置に連続的に供給するため、より効率的に分散されたポリウレタン水分散液を得ることができる。
また、本発明に係るポリウレタン水分散液の製造システムは、ウレタンプレポリマーおよび水をそれぞれ独立して供給可能な連続分散装置と、連続分散装置で得られるポリウレタン水分散液が供給されるタンクと、タンクに貯留されるポリウレタン水分散液が連続分散装置に供給される循環ラインとを備えるため、上記本発明に係るポリウレタン水分散液の製造方法を好適に実現することができる。
本発明の実施の形態について、以下に説明する。
本発明者らは、より効率的に分散されたポリウレタン水分散液(水系ポリウレタン樹脂)を得、ひいては水分散工程が抱えるウレタンプレポリマー残さの除去作業等に起因する生産性低下等の課題を改善すべく鋭意検討した結果、以下の結論を得るに至った。
既に説明したように、従来のポリウレタン水分散液の製造方法は、1つの反応釜を使用してウレタン化処理、水分散処理、さらには必要に応じて減圧蒸留処理等の一連の処理を順次行うシステムであるため、元来生産性が低いという課題を抱えている。
特に、水分散工程では、高粘度のウレタンプレポリマーと低粘度の水を反応釜で混合、撹拌して分散させるために、さらには転相する際の粘度上昇も伴い、高粘度の液を処理するうえでの装置の撹拌能力の問題も相俟って、不均一な混合となりがちである。この結果、水分散が十分でないという問題やウレタンプレポリマー残さが反応釜の内壁に付着し、その除去作業に多大な負荷と時間を要するという問題を生じうる。
ポリウレタン水分散液の製造方法における生産性の向上は、水分散工程で適宜の連続式分散装置(乳化装置、撹拌・混合装置)を採用することである程度実現可能である。また、このとき、撹拌・混合特性に優れる連続式分散装置を採用することで、分散効率を高め、これにより、生産性を高め、さらにはウレタンプレポリマー残さの問題を軽減することもある程度可能であると考えられる。
しかしながら、上記のアプローチでは、分散効率を抜本的に改善するうえでは未だ不十分と考えられ、処理装置というハード面と合わせて処理方法のソフト面からアプローチすることが必須である。
本発明者らは、従来の方法において、たとえば50質量部の水と50質量部のウレタンプレポリマー、すなわち、極端に粘度の異なる2種の成分を撹拌、混合することに起因する分散上の障害を軽減し解消することが必須ではないかと考えた。そして、粘度が比較的近い成分同士で分散処理することで分散効率を大きく改善できることを見出し、本発明を想達するに至った。
すなわち、本実施の形態の第一の例に係るポリウレタン水分散液の製造方法は、ウレタンプレポリマーと水を混合、撹拌して第一のポリウレタン水分散液を得る第一の工程と、第一のポリウレタン水分散液と少なくともウレタンプレポリマーを混合、撹拌して第一のポリウレタン水分散液よりもポリウレタン濃度の高い第二のポリウレタン水分散液を得る第二の工程と、を有する。
この場合、第一のポリウレタン水分散液のポリウレタン濃度が高いときには、第二の工程において、第一のポリウレタン水分散液およびウレタンプレポリマーとともにさらに水を加えてもよい。また、各工程のポリウレタン水分散液のポリウレタン濃度を適宜調整することにより、必要に応じて、第一の工程および第二の工程それぞれのいずれか一方または双方を2回以上繰り返してもよい。
これにより、第一の工程において、水分散処理が必要なウレタンプレポリマーのうちの一部と水を分散処理することで、従来の水分散処理が必要なウレタンプレポリマー全量と水とを一度に分散処理する方法に比べて、分散効率を高めることができる。また、第二の工程において、第一のポリウレタン水分散液とウレタンプレポリマーの残量および必要に応じてさらに水とを分散処理することで、分散効率を高めることができる。この結果、分散処理工程全体としての分散効率を高めることができる。また、これにより、ウレタンプレポリマー残さの生成も抑制される。
第一のポリウレタン水分散液および第二のポリウレタン水分散液それぞれのポリウレタン濃度は、適宜設定することができるが、第一のポリウレタン水分散液のポリウレタン濃度が20〜30質量%であり、製品とされるポリウレタン水分散液のポリウレタン濃度が40〜50質量%であると、第一の工程および第二の工程をそれぞれ1回経ることで製品ポリウレタン濃度のポリウレタン水分散液を得ることができる。
使用するウレタンプレポリマーの種類は特に限定するものではなく、末端NCOのプレポリマーであってもよく、構造内にイオン基を導入してアイオノマー化したプレポリマーであってもよい。
粘度低減のために例えばメチルエチルケトン等の低沸点溶剤を用いる場合は、水分散処理の後に、減圧蒸留等の方法によりポリウレタン水分散液から低沸点溶剤を除去する。また、低沸点溶剤に代えて少量の成膜助剤としてグリコールエーテル等の高沸点溶剤を用いる場合は、減圧蒸留等は不要である。
この方法を実現するための方法・装置は、回分式であってもよく、また、連続式(厳密には半連続式)であってもよい。
回分式の場合、例えば、水分散処理が必要なウレタンプレポリマーを満たした第一の反応釜から全体の半量のウレタンプレポリマーを別の第二の反応釜に移すとともにこの第二の反応釜に水分散処理に必要な水全量を入れて水分散処理し(第一の工程)、ついで、分散液(第一のポリウレタン水分散液)の入ったこの第二の反応釜に第一の反応釜に残ったウレタンプレポリマーを入れて水分散処理して、第一のポリウレタン水分散液よりもポリウレタン濃度の高い分散液(第二のポリウレタン水分散液)を得る(第二の工程)。
この方法によれば、反応釜を2つ準備し、また、分散工程が2回繰り返されることになるものの、分散処理を効率的に行うことができ、かつこれにより、ウレタンプレポリマーの残さの生成が軽減され、全体としての生産性も改善されることが期待できる。また、この方法によれば、反応釜の数を増やす必要はあるものの、製造に必要な装置を抜本的に更新する必要はない。
連続式の場合、第一の工程および第二の工程において、それぞれ連続式分散装置で混合、撹拌する。
このとき、連続式分散装置を2機準備してこれらを直列に配置し、第一の連続式分散装置を用いて第一の工程の処理を行い、第一の連続式分散装置から抜き出される分散液(第一のポリウレタン水分散液)とウレタンプレポリマーおよび水とを第二の連続式分散装置に供給して製品ポリウレタン濃度の分散液(第二のポリウレタン水分散液)を得るようにしてもよい(第二の工程)。これにより、第一のポリウレタン水分散液を一時的に貯留する中間タンクのようなものを設けることなく連続処理ができ、また1機あたりの連続式分散装置に加わる処理負荷を軽減することができる。
また、これに代えて、連続式分散装置を1機準備し、例えば水分散処理が必要なウレタンプレポリマーの半量と水分散処理に必要な水の全量とを連続式分散装置で分散処理し(第一の工程)、抜き出される分散液(第一のポリウレタン水分散液)を中間タンクに貯留し、第一の工程の処理が終わった時点で、中間タンクに貯留した第一のポリウレタン水分散液を連続式分散装置に戻し、第一のポリウレタン水分散液とウレタンプレポリマーの残り半量、さらには必要に応じて水を連続式分散装置に供給して製品ポリウレタン濃度の分散液(第二のポリウレタン水分散液)を得るようにしてもよい(第二の工程)。これにより、1機の連続式分散装置のみで本発明の効果を得ることができる。
また、これらの連続式処理によれば、回分式処理に比べて処理能力(生産性)が高く、さらにまた、装置の狭い空間域で流体にせん弾力等を加えることによってもプレポリマー残さの生成が抑制される。
つぎに、本実施の形態の第二の例に係るポリウレタン水分散液の製造方法は、ウレタンプレポリマーと水を連続式分散装置で混合、撹拌してポリウレタン水分散液を製造する方法であって、完全連続式の製造方法であり、連続式分散装置から連続的に抜き出されるポリウレタン水分散液の一部を循環してウレタンプレポリマーおよび水とともに連続式分散装置に連続的に供給する。
これにより、粘度の極端に異なる成分がミクロ的に見ていわば相分離した状態での撹拌混合を避けることができ、分散効率を高めることができる。また、これにより、プレポリマー残さの生成が抑制される。また、このとき、供給する各液の流量バランスを調製して、連続式分散装置から抜き出される分散液をそのまま製品ポリウレタン濃度のポリウレタン水分散液とすることで中間タンクが不要である。
本実施の形態の第一の例または第二の例に係るポリウレタン水分散液の製造方法において、製造するポリウレタン水分散液は、好ましくは、自己乳化型ポリウレタン水分散液である。循環等して再度混合、撹拌されるポリウレタン濃度の低いポリウレタン水分散液は粒子径が小さく貯蔵安定性が高いものであるため、循環時に変質等して分散性を損ねるおそれ等をより確実に避けることができる。
また、このとき、ウレタンプレポリマーが成膜助剤を含むと、グリコールエーテル等の成膜助剤による粘度低減効果を得ることができるとともに、かつ、ポリウレタン水分散液にアミン等の鎖延長剤を添加することで、長鎖のウレタンプレポリマーを直接水分散処理するときの高粘度化を軽減することができて、好適である。
つぎに、本実施の形態の第三の例に係るポリウレタン水分散液の製造システムについて図1を参照して説明する。
ポリウレタン水分散液の製造システム10は、連続分散装置12と、タンク14を備える。連続分散装置12は、例えば分散性能(乳化性能、あるいは混合、撹拌性能)のよい市販の装置から適宜選定して用いることができる。タンク14は処理方法や処理量に応じた適宜の容量とすることができ、例えば製品ポリウレタン濃度50質量%のポリウレタン水分散液10トンを製造する場合、中間製品であるポリウレタン濃度25質量%の7.5トンを余裕を持って貯留できる15m程度とする。
連続分散装置12の入口にはウレタンプレポリマー供給ライン16および水供給ライン18それぞれの一端が接続され、連続分散装置12の出口にはタンク14に繋がるポリウレタン水分散液送出ライン20が接続される。また、タンク14の製品を抜き出すためのポリウレタン水分散液抜き出しライン22から分岐して連続分散装置12の入口に繋がる分散液循環ライン24が設けられる。
ウレタンプレポリマー供給ライン16の他の一端は、例えばプレポリマー製造釜17に接続される。プレポリマー製造釜17の容量は、例えば、製品ポリウレタン濃度50質量%の10トンを製造する場合であれば5m程度であればよく、これには通常使用されている反応釜を用いることができる。ウレタンプレポリマー供給ライン16および水供給ライン18それぞれに設けられる図示しない流量調整弁によってそれぞれの流体の連続分散装置12への供給量が独立して制御され、あるいは比率制御される。また、ポリウレタン水分散液抜き出しライン22および分散液循環ライン24それぞれに設けられる図示しない流量調整弁によってポリウレタン水分散液抜き出し量および分散液循環量が独立して制御され、あるいは分散液循環量とウレタンプレポリマー供給量等が比率制御される。また、タンク14の上部には、必要に応じてアミン投下槽26が設けられる。
本実施の形態の第三の例に係るポリウレタン水分散液の製造システム10によれば、上記した本実施の形態の第一の例または第二の例に係るポリウレタン水分散液の製造方法を好適に実現することができる。
実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではない。
(ウレタンプレポリマー溶液の調製)
容量30L(リットル)のプレポリマー製造釜に、イソホロンジイソシアネート(IPDI)を1,450g、ニッポラン(登録商標)980N(ポリカーボネートポリオール、日本ポリウレタン工業株式会社製、数平均分子量=2,000)を3,916g、ジメチルプロピオン酸(DMPA)を257gの割合で入れて、80℃、3時間でウレタン化した。ついで、中和剤としてトリメチルアミンを194g、コロネート(登録商標)HX(ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート変性ポリイソシアネート、日本ポリウレタン工業株式会社製、イソシアネート含量=21.2質量%)を1,132g、成膜助剤としてジプロピレングリコールジメチルエーテルを2,000gの割合で加えて、60℃で1時間中和・混合した。
得られたウレタンプレポリマー溶液は、総量が8,949g、プレポリマー濃度が75.6質量%、60℃での粘度が8,400mPa・sであった。
(ポリウレタン水分散液の調製 実施例1〜3、参考例)
上記のウレタンプレポリマー溶液の調製により得られたウレタンプレポリマー溶液を、図1に示した製造システムで、以下の要領で処理してポリウレタン水分散液を調製した。ここで、連続分散装置は、大平洋機工社製CAVTRON CD1010型(駆動モータ:7.5kW×2P×220V 定格電流26A,定格回転数:11,200min−1at60Hz,最大吐出量(水基準):1.3m/H,プーリー比:モータ側/本体側=200/63=3.175)を用いた。ポリウレタン水分散液を貯留するタンクの容量は、50Lである。
予め、製造システム全体を0〜10℃に冷却した脱塩素水で循環、洗浄した。ついで、プレポリマー製造釜に貯留したウレタンプレポリマー溶液の所定量(実施例によって異なる)の半量を製造システムで処理した。すなわち、485g/minの流量で抜き出した温度64℃のウレタンプレポリマー溶液とともに1,065g/minの流量の温度5℃の脱塩素水を連続分散装置に送入してポリウレタン水分散液を調製し、タンクに貯留した。得られたポリウレタン水分散液は、タンクから1550g/minの流量で抜き出してさらに連続分散装置に送入して循環する処理を行った。
ついで、プレポリマー製造釜に残るウレタンプレポリマー溶液を374g/minの流量で連続分散装置に送入するとともに、既に調製した温度5℃のウレタンプレポリマー水分散液を1,065g/minの流量で連続分散装置に送入して、高濃度のウレタンプレポリマー水分散液を調製し、タンクに貯留した。得られたウレタンプレポリマー水分散液は、タンクから1439g/minの流量で抜き出してさらに連続分散装置に送入して循環する処理を行った。
その後、ウレタンプレポリマー水分散液にジエチレントリアミンを総量で93g添加してポリウレタンの鎖延長を行うとともに、ポリウレタン水分散液中に残る未反応のイソシアネート基に水を反応させる熟成を行って、ポリウレタン液(ポリウレタン水分散液)を得た。
上記の調製を、ポリウレタン液の総製造量 (調製量)および分散時間(上記の各処理の総時間。ただし、熟成時間は含まない。)を変えて行った実施例1〜3のポリウレタン液の物性データ等を表1に示す。なお、製造システムを用いて、ウレタンプレポリマー溶液全量を1回のみ連続分散装置で処理したポリウレタン液の物性データ等を参考例として表1に合わせて示す。
(ポリウレタン水分散液の調製 比較例1、2)
上記のウレタンプレポリマー溶液の調製により得られたウレタンプレポリマー溶液の入った容量30Lのプレポリマー製造釜に水を添加し、総量5,000gのポリウレタン液(ポリウレタン水分散液)を調整した。分散時間を変えた比較例1、2のポリウレタン液の物性データ等を表1に示す。
Figure 0005348520
*濾過残分 目視評価の結果 ○:ほとんど無い △:有り(ただし、濾過が困難な程度ではない) ×:有り(濾過が困難な程度)
本実施の形態の第三の例に係るポリウレタン水分散液の製造システムの概略構成を示す図である。
符号の説明
10 ポリウレタン水分散液の製造システム
12 連続分散装置
14 タンク
16 ウレタンプレポリマー供給ライン
17 プレポリマー製造釜
18 水供給ライン
20 ポリウレタン水分散液送出ライン
22 ポリウレタン水分散液抜き出しライン
24 分散液循環ライン
26 アミン投下槽

Claims (1)

  1. ウレタンプレポリマーと水と、成膜助剤を混合、撹拌して、ポリウレタン濃度が20〜30質量%の自己乳化型ポリウレタン水分散液である第一のポリウレタン水分散液を得る第一の工程と、
    該第一のポリウレタン水分散液と、成膜助剤を含むウレタンプレポリマーを少なくとも混合、撹拌して該第一のポリウレタン水分散液よりもポリウレタン濃度の高い、自己乳化型ポリウレタン水分散液である第二のポリウレタン水分散液を得る第二の工程と、
    該第二のポリウレタン水分散液に鎖延長剤を添加する第三の工程と、
    を有し、
    該第一の工程および該第二の工程において、それぞれ連続式分散装置で混合、撹拌し、
    かつ、該第一の工程および該第二の工程において、それぞれ該連続式分散装置から連続的に抜き出されるポリウレタン水分散液の一部を循環してウレタンプレポリマーおよび水とともに該連続式分散装置に連続的に供給し、
    ポリウレタン濃度が40〜50質量%であるポリウレタン水分散液を得ることを特徴とするポリウレタン水分散液の製造方法。
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