JP5347499B2 - 車両制御装置及び車両制御方法 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の車両制御装置は、目標ヨーレートと実際のヨーレートとの偏差(ヨーレート誤差)および目標横加速度と実際の横加速度との偏差(横加速度誤差)の何れか一方が所定値以上となったときに、ブレーキ液圧調整手段を制御する。これにより、左右輪のブレーキ液圧に偏差を発生させるブレーキ制御を介入し、車両の特性をニュートラルステアに近づける。
そこで、本発明は、緊急操舵時における車両の安定性を確保することができる車両制御装置及び車両制御方法を提供することを課題としている。
《第1の実施の形態》
《構成》
図1は、本発明に係る車両制御装置の実施形態を示す全体構成図である。
この図1に示すように、コラムシャフト13は、ステアリングホイール10と、前輪11L,11Rを操舵させる前輪操舵機構12とを連結する。そして、そのコラムシャフト13に操舵角センサ1と前輪操舵アクチュエータ7とを設ける。
後輪操舵コントローラ5は、操舵制御コントローラ3で生成した目標後輪舵角(後輪の目標転舵角)と、後輪転舵角センサ17で検出した実際の後輪転舵角との偏差を無くすような舵角指令値を算出し、算出した舵角指令値を後輪操舵アクチュエータ8に出力する。
また、前輪11L,11R及び後輪14L,14Rには、夫々制動力を発生する例えばディスクブレーキで構成したブレーキアクチュエータ9を設ける。そして、これらブレーキアクチュエータ9の制動油圧は、ブレーキコントローラ6によって制御する。
操舵制御コントローラ3は、操舵角センサ1で検出した操舵角と、車速センサ2で検出した車体速とに応じて、目標前輪舵角と目標後輪舵角とを生成する。そして、操舵制御コントローラ3は、目標前輪舵角を前輪操舵コントローラ4へ出力し、目標後輪舵角を後輪操舵コントローラ5へ出力する。さらに、操舵制御コントローラ3は、目標前輪舵角と目標後輪舵角と後述する車両挙動目標値である目標ヨーレート及び目標横速度とに応じて、目標ヨーモーメントを生成し、これをブレーキコントローラ6へ出力する。
図2は、操舵制御コントローラ3の制御ブロック図である。
操舵制御コントローラ3は、目標値生成部31と、緊急回避操作度合演算部32と、目標出力値生成部33と、を備えている。
目標値生成部31は、操舵角センサ1からの操舵角θと車速センサ2からの車体速Vとに基づいて、2輪モデルを用いて車両パラメータを演算し、車両の目標ヨーレートφ´tと目標横速度Vytとを生成する。生成した目標ヨーレートφ´tと目標横速度Vytとは目標出力値生成部33へ出力する。また、目標ヨーレートφ´tは緊急回避操作度合演算部32にも出力する。
目標値生成部31は、上記車両パラメータを演算する車両モデル演算部311と、目標ヨーレートφ´t及び目標横速度Vytを演算する目標値演算部312とを備える。また、目標値演算部312は、目標特性パラメータ演算部3121と、目標ヨーレート演算部3122と、目標横速度演算部3123とを備える。
(車両パラメータの算出)
一般に、2輪モデルを仮定すると、車両のヨー角加速度φ″と横加速度Vy´とは、下記(1)式および(2)式で表される。
φ″=a11φ´+a12Vy+bf1θ+br1δ ………(1)
Vy´=a21φ´+a22Vy+bf2θ+br2δ ………(2)
以上の式において、a11、a12、a21、a22、bf1、bf2は次のように表される。
a11=−2(Kf・Lf 2+Kr・Lr 2)/(Iz・Vx),
a12=−2(Kf・Lf−Kr・Lr)/(Iz・Vx),
a21={−M・Vx 2−2(Kf・Lf−Kr・Lr)}/(M・Vx),
a22=−2(Kf+Kr)/(M・Vx) ………(3)
bf1=2Kf・Lf/(Iz・N),
bf2=2Kf/M・N,
br1=−2Kr・Lr/Iz,
br2=2Kr/M ………(4)
φ´:ヨーレート,
Vy:横速度,
Vx:前後速度,
θ:前輪操舵角(運転者操舵角),
δ:後輪操舵角,
Iz:車両慣性モーメント
M:車両重量
Lf:前軸〜重心点距離,
Lr:重心点〜後軸距離,
N:ギア比,
Kf:前輪コーナリングパワー,
Kr:後輪コーナリングパワー
φ´(s)/θ(s)=Hf(s)/G(s)
={bf1・s+(a12・bf2−a22・bf1)}/G(s) ………(5)
Vy(s)/θ(s)={bf2・s+(a21・bf1−a11・bf2)}/G(s) ………(6)
φ´(s)={ωφ´(V)2 ・(Tφ´(V)s+gφ´(V))}・θ(s)
/{s2+2ζφ´(V)・ωφ´(V)・s+ωφ´(V)2} ………(7)
ここで、
gφ´(V)=(a12・bf2−a22・bf1)/(a11・a22−a12・a21),
ωφ´(V)2=a11・a22−a12・a21,
2ζφ´(V)・ωφ´(V)=−a11−a22,
Tφ´(V)=bf1/(a11・a22−a12・a21)
である。
Vy(s)={ωVy(V)2 ・(TVy(V)s+gVy(V))}・θ(s)
/{s2+2ζVy(V)・ωVy(V)・s+ωVy(V)2} ………(8)
ここで、
gVy(V)=(a21・bf1−a11・bf2)/(a11・a22−a12・a21),
ωVy(V)2=a11・a22−a12・a21,
2ζVy(V)・ωVy(V)=−a11−a22,
TVy(V)=bf2/(a11・a22−a12・a21)
である。
次に、目標値演算部312で実行される目標ヨーレートφ´t及び目標横速度Vytの算出方法について、具体的に説明する。
先ず、目標特性パラメータ演算部3121で実行する目標特性パラメータの算出方法について説明する。なお、以下の説明において、「t」の添え字はパラメータが目標値であることを示すものである。
上記(7)式より、目標ヨー角加速度φ″t(s)は次式で表される。
φ″t(s)=−2ζφ´t(V)・ωφ´t(V)・φ´t(s)
+ωφ´t(V)2・Tφ´(V)・θ(s)
+(1/s)ωφ´t(V)2・(gφ´t(V)・θ(s)−φ´t(s)) ………(9)
gφ´t(V)=gφ´(V)×yrate_gain_map,
ωφ´t(V)=ωφ´(V)×yrate_omegn_map,
ζφ´t(V)=ζφ´(V)×yrate_zeta_map,
Tφ´t(V)=Tφ´(V)×yrate_zero_map ………(10)
但し、yrate_gain_map(ヨーレート定常ゲイン),yrate_omegn_map(ヨーレート応答(固有振動数)),yrate_zeta_map(ヨーレート減衰率),yrate_zero_map(ヨーレート進み要素)は、チューニングパラメータである。
Vy´t(s)=−2ζVyt(V)・ωVyt(V)・Vyt(s)
+ωVyt(V)2・TVy(V)・θ(s)
+(1/s)ωVyt(V)2・(gVyt(V)・θ(s)−Vyt(s)) ………(11)
gVyt(V)=gVy(V)×vy_gain_map,
ωVyt(V)=ωVy(V)×vy_omegn_map,
ζVyt(V)=ζVy(V)×vy_zeta_map,
TVyt(V)=TVy(V)×vy_zero_map ………(12)
但し、vy_gain_map(横速度定常ゲイン),vy_omegn_map(横速度応答(固有振動数)),vy_zeta_map(横速度減衰率),vy_zero_map(横速度進み要素)は、チューニングパラメータである。
以上の結果から、目標ヨーレート演算部3122は、次式により目標ヨーレートφ´t(s)を算出する。
φ´t(s)={ωφ´t(V)2 ・(Tφ´t(V)s+gφ´t(V))}・θ(s)/{s2+2ζφ´t(V)・ωφ´t(V)・s+ωφ´t(V)2} ………(13)
以上の結果から、目標横速度演算部3123は、次式により目標横速度Vyt(s)を算出する。
Vyt(s)={ωVyt(V)2 ・(TVyt(V)s+gVyt(V))}・θ(s)/{s2+2ζVyt(V)・ωVyt(V)・s+ωVyt(V)2} ………(14)
図2に戻って、緊急回避操作度合演算部32は、操舵角センサ1からの操舵角θと、車速センサ2からの車速Vと、目標値生成部31からの目標ヨーレートφ´tを入力し、緊急回避操作度合Ksを生成する。
先ずステップS1で、緊急回避操作度合演算部32は、操舵角θに基づいて、操舵角速度θ´を算出し、ステップS2に移行する。
ステップS2では、緊急回避操作度合演算部32は、前記ステップS1で算出した操舵角速度θ´に基づいて、操舵角速度依存ゲインkθ´を算出する。具体的には、操舵角速度θ´の絶対値|θ´|に基づいて、図5に示す操舵角速度依存ゲイン算出マップを参照し、操舵角速度依存ゲインkθ´を算出する。
Vy´t=φ´t×V ………(15)
このように、前後輪操舵制御で使用する目標ヨーレートφ´tと車速Vとに基づいて、演算により目標横加速度Vy´tを求めるので、別途横加速度センサ等を設ける必要がない。
次に、ステップS5では、緊急回避操作度合演算部32は、前記ステップS2で算出した操舵角速度依存ゲインkθ´と、前記ステップS4で算出した横加速度依存ゲインkVy´とに基づいて、次式をもとに緊急回避操作度合Ksを算出する。
Ks=kθ´×kVy´ ………(16)
図7は、目標出力値生成部33の構成を示す制御ブロック図である。
目標出力値生成部33は、目標前後輪舵角演算部331と、ブレーキ制御度合演算部332と、目標ヨーモーメント演算部333とを備える。
目標前後輪舵角演算部331は、目標値生成部31で算出した目標ヨーレートφ´t及び目標横速度Vytに基づいて、目標前後輪舵角θt,δtを算出する。
φ″t=a11φ´t+a12Vyt+bf1θt+br1δt ………(17)
Vy´t=a21φ´t+a22Vyt+bf2θt+br2δt ………(18)
θt=(br2(φ″t−(a11φ´t+a12Vyt))−br1(Vy´t−(a21φ´t+a22Vyt)))/(bf1・br2−bf2・br1) ………(19)
δt=(bf2(φ″t−(a11φ´t+a12Vyt))−bf1(Vy´t−(a21φ´t+a22Vyt)))/(bf1・br2−bf2・br1) ………(20)
ブレーキ制御度合演算部332は、緊急回避操作度合演算部32で出力した緊急回避操作度合Ksを入力する。そして、この緊急回避操作度合Ksに基づいて、図8に示すブレーキ制御度合算出マップを参照し、ブレーキ制御度合Kbを算出する。
目標ヨーモーメント演算部333は、ブレーキ制御度合演算部332で算出したブレーキ制御度合Kbに基づいて、目標横加速度Vy´t(目標ヨーレートφ´t)を補正する。そして、補正後の目標ヨーレートφ´tを達成するためにブレーキ制御で発生する目標ヨーモーメントYawmを算出する。
先ず、ステップS11で、目標ヨーモーメント演算部333は、ブレーキ制御度合Kbに基づいて、次式をもとに横加速度補正量dVy´tを算出する。
dVy´t=Kb×Vy´t0 ………(21)
ここで、Vy´t0は予め設定した固定値である。
Vy´t=Vy´t−dVy´t ………(22)
φ´t=Vy´t/V ………(23)
ブレーキ制御により発生するヨー角加速度をφ″brtとすると、車両の運動方程式は、補正後の目標ヨーレートφ´t、目標横速度Vyt、目標前輪舵角θt及び目標後輪舵角δtを用いて以下のようになる。
φ″t=a11φ´t+a12Vyt+bf1θt+br1δt+φ″brt ………(24)
Vy´t=a21φ´t+a22Vyt+bf2θt+br2δt ………(25)
φ″brt=φ″t−(a11φ´t+a12Vyt+bf1θt+br1δt) ………(26)
よって、目標ヨーモーメントYawmは、次式をもとに求めることができる。
Yawm=IZ・φ″brt ………(27)
ブレーキコントローラ6は目標ヨーモーメントYawmを達成するように、車両の左右輪のブレーキ液圧に差を発生させることで、左右輪に制動力差を発生させ、ヨーモーメントを発生させる。なお、左右輪に制動力差を発生させるのは前輪のみ、後輪のみ若しくは前後輪の両方であっても良い。また、目標ヨーモーメントYawmを達成する左右輪のブレーキ液圧差は、予め実験等によって求めた、車速に応じたヨーモーメントとブレーキ液圧差との関係をマップ等に記憶しておき、車速と目標ヨーモーメントYawmとから当該マップを参照して求めても良いし、演算等によって求めても良い。
次に、本発明における実施形態の動作について説明する。
図10は、操舵制御コントローラ3で実行する処理手順を示すフローチャートである。
今、運転者がステアリング操作を行って、車両がカーブを旋回走行しているものとする。このとき、操舵角センサ1で検出した操舵角θおよび車速センサ2で検出した車体速Vを、図2の目標値生成部31および緊急回避操作度合演算部32に入力する(ステップS21)。
また、緊急回避操作度合演算部32は、操舵角θ及び車体速Vに基づいて、運転者による緊急回避操作度合Ksを演算する(ステップS23)。このとき、運転者が自車走行車線前方の障害物との接触回避をするために緊急操舵を行っており、操舵角速度θ´及び目標横加速度Vy´tがそれぞれ大きい値であるものとする。この場合、緊急回避操作度合演算部32は、図5及び図6をもとに、操舵角速度依存ゲインkθ´及び横加速度依存ゲインkVy´をそれぞれ大きい値に算出する。その結果、緊急回避操作度合演算部32は、緊急回避操作度合Ksを比較的大きい値(例えば、1)に算出する。
これにより、目標ヨーモーメント演算部333は、ブレーキ制御度合Kbに基づいて、上記(21)式をもとに横加速度補正量dVy´tを最大値Vy´t0に算出する。そして、この横加速度補正量dVy´tを目標値生成部31で算出した目標横加速度Vy´tから差し引き、横加速度補正値Vy´tを算出する。このように、横加速度補正量dVy´tの分だけ目標横加速度Vy´tを減少補正する。すなわち、横加速度補正量dVy´tは、車両の横加速度の発生を抑制するための補正量である。
そして、目標ヨーモーメント演算部333は、制限された目標ヨーレートφ´tを達成するためにブレーキ制御により発生する目標ヨーモーメントYawmを算出する(ステップS28)。算出した目標ヨーモーメントYawmはブレーキコントローラ6へ出力する(ステップS29)。これにより、各輪に制動力を付与する。
ところで、前後輪操舵機能と4輪ブレーキ制御機能とを備える車両として、目標ヨーレートと実際のヨーレートとの偏差(ヨーレート誤差)及び目標横加速度と実際の横加速度との偏差(横加速度誤差)が所定値未満であるときは操舵制御のみを行い、ヨーレート誤差又は横加速度誤差が所定値以上となったとき、操舵制御に加えてブレーキ制御を行うというものがある。
したがって、運転者が緊急回避操作を行った場合には、より積極的にブレーキ制御を介入して車両挙動を安定化する車両運動制御を行い、車両をより早いタイミングで安定化することが望ましい。
これにより、緊急操舵時には遅れなくブレーキ制御を作動することができる。また、操舵の緊急度が高いほど、より積極的にブレーキ制御を作動することができる。その結果、車両を早いタイミングで安定化することができ、運転者の違和感を抑制することができる。
また、図10のステップS26及びS27がブレーキ制御度合変更手段に対応している。さらに、図9のステップS11が横加速度演算手段に対応し、ステップS12及びS13が横加速度補正手段に対応し、ステップS14が目標ヨーレート補正手段に対応している。
(1)車両挙動目標値設定手段は、運転者によって操舵されるステアリングの操舵角および車両の速度に基づいて、車両挙動の目標値である車両挙動目標値を設定する。転舵角設定手段は、車両挙動目標値設定手段によって設定された車両挙動目標値に基づいて、車両前輪の目標転舵角と車両後輪の目標転舵角とをそれぞれ設定する。転舵制御手段は、転舵角設定手段によって設定された車両前輪の目標転舵角と車両後輪の目標転舵角とに基づいて、前輪操舵機構を駆動する前輪操舵アクチュエータ及び後輪操舵機構を駆動する後輪操舵アクチュエータを駆動制御する。ブレーキ制御手段は、各輪の制動力を制御して、車両挙動を安定化する車両運動制御を行う。緊急操舵度合検出手段は、運転者による緊急操舵の度合を検出する。ブレーキ制御度合変更手段は、緊急操舵度合検出手段で検出した緊急操舵の度合に基づいて、ブレーキ制御による車両運動制御の実施度合を変更する。
したがって、車両の安定性向上が必要な状況であるほど車両挙動を安定化するようにブレーキ制御を作動することができるので、より車両の安定性を高めることができる。また、運転者による操舵の緊急度が低い場合は、上記車両運動制御の割合を小さくすることができ、ブレーキ制御が介入することに起因する違和感を低減することができる。
(4)ブレーキ制御度合変更手段は、緊急操舵度合検出手段で検出した緊急操舵の度合が高いほど、車両のヨーレートを抑制するようにブレーキ制御を実施することで、車両運動制御の実施度合を大きくする。したがって、操舵の緊急度が高いほど車両のヨーレートを抑制することができ、確実に車両安定性を確保することができる。
したがって、操舵の緊急度が高いほど、車両安定性を向上する方向に目標値(目標横加速度及び目標ヨーレート)を変更することができる。そして、補正した上記目標値を達成するようにブレーキ制御を行うので、比較的簡易な構成で確実に緊急操舵時における車両安定性を確保することができる。
(7)緊急操舵度合検出手段は、運転者が操作するステアリングホイールの操舵角速度が大きいほど、緊急操舵の度合を高く設定する。したがって、運転者による操舵状態をもとに、より適正に緊急操舵の度合を検出することができる。
したがって、操舵角速度が比較的大きく運転者が緊急回避操作を行っていると判断した場合であっても、車両の横加速度が小さい場合には緊急操舵の度合を小さく設定する。これにより、車両の安定性がある程度確保されている状況下では上記車両運動制御の実施度合を小さくすることができる。その結果、ブレーキ制御が介入されることに起因する運転者の違和感を低減することができる。
したがって、運転者が緊急操舵を行っている場合には、遅れなくブレーキ制御を作動して車両安定性を確保することができる。また、運転者による操舵の緊急度に応じて上記車両運動制御の実施度合を変更するので、運転者に違和感を与えることがない。
(1)上記実施形態においては、ブレーキ制御度合演算部332で緊急回避操作度合Ksをもとにブレーキ制御度合Kbを算出し、目標ヨーモーメント演算部333でブレーキ制御度合Kbをもとに横加速度補正量dVy´tを算出する場合について説明したが、緊急回避操作度合Ksをもとに横加速度補正量dVy´tを直接算出することもできる。
このとき、図8に示すように、緊急回避操作度合Ksが所定値KTH1より小さい範囲ではブレーキ制御度合Kbを“0”に算出していることから、緊急回避操作度合Ksが所定値KTH1より小さいとき、横加速度補正量dVy´tを“0”に算出するようにする。また、図8に示すように、緊急回避操作度合Ksが所定値KTH2より大きい範囲ではブレーキ制御度合Kbを“1”に算出していることから、緊急回避操作度合Ksが所定値KTH2より大きいとき、横加速度補正量dVy´tを予め設定した固定値Vy´t0に算出するようにする。
これにより、より簡易な構成で車両運動制御を行うための目標値(目標横加速度、目標ヨーレート)の補正を行うことができる。
これにより、運転者がステアリングホイールを大きく操作している場合など、緊急回避操舵であると判断できる状況下において適正に緊急回避操作度合Ksを大きく算出することができる。
これにより、自車両の走行状態に応じて、より適正に緊急回避操作度合Ksを検出することができる。
2 車速センサ
3 操舵制御コントローラ
4 前輪操舵コントローラ
5 後輪操舵コントローラ
6 ブレーキコントローラ
7 前輪操舵アクチュエータ
8 後輪操舵アクチュエータ
9 ブレーキアクチュエータ
10 ステアリングホイール
11 前輪
12 前輪操舵機構
14 後輪
15 後輪操舵機構
31 目標値生成部
32 緊急回避操作度合演算部
33 目標出力値生成部
331 目標前後輪舵角演算部
332 ブレーキ制御度合演算部
333 目標ヨーモーメント演算部
Claims (8)
- 運転者によって操舵されるステアリングの操舵角および車両の速度に基づいて、車両挙動の目標値である車両挙動目標値を設定する車両挙動目標値設定手段と、
前記車両挙動目標値設定手段によって設定された車両挙動目標値に基づいて、車両前輪の目標転舵角と車両後輪の目標転舵角とをそれぞれ設定する転舵角設定手段と、
前輪操舵機構を駆動する前輪操舵アクチュエータと、
後輪操舵機構を駆動する後輪操舵アクチュエータと、
前記転舵角設定手段によって設定された車両前輪の目標転舵角と車両後輪の目標転舵角とに基づいて、前記前輪操舵アクチュエータ及び前記後輪操舵アクチュエータを駆動制御する転舵制御手段と、
各輪の制動力を制御して、車両挙動を安定化する車両運動制御を行うブレーキ制御手段と、
運転者による緊急操舵の度合を検出する緊急操舵度合検出手段と、を備え、
前記ブレーキ制御手段は、前記緊急操舵度合検出手段で検出した緊急操舵の度合に基づいて、前記ブレーキ制御による車両運動制御の実施度合を変更するブレーキ制御度合変更手段を備え、
前記ブレーキ制御度合変更手段は、前記緊急操舵度合検出手段で検出した緊急操舵の度合が高いほど、アンダーステア側のモーメントを大きく発生するように前記車両運動制御の実施度合を大きくすることを特徴とする車両制御装置。 - 前記ブレーキ制御度合変更手段は、前記緊急操舵度合検出手段で検出した緊急操舵の度合が高いほど、車両の横加速度を抑制するように前記ブレーキ制御を実施することで、前記車両運動制御の実施度合を大きくすることを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
- 前記ブレーキ制御度合変更手段は、前記緊急操舵度合検出手段で検出した緊急操舵の度合が高いほど、車両のヨーレートを抑制するように前記ブレーキ制御を実施することで、前記車両運動制御の実施度合を大きくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両制御装置。
- 前記ブレーキ制御度合変更手段は、自車速及び目標ヨーレートに基づいて、目標横加速度を演算する横加速度演算手段と、前記緊急操舵度合検出手段で検出した緊急操舵の度合が高いほど、前記横加速度演算手段で演算した目標横加速度を大きく減少補正する目標横加速度補正手段と、自車速及び目標横加速度補正手段で補正した目標横加速度に基づいて目標ヨーレート補正値を演算する目標ヨーレート補正手段と、を備え、前記目標ヨーレート補正手段で演算した目標ヨーレート補正値を達成するように前記ブレーキ制御を実施することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両制御装置。
- 前記緊急操舵度合検出手段は、運転者が操作するステアリングホイールの操舵角及び操舵角速度の少なくとも一方に基づいて、緊急操舵の度合を検出することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車両制御装置。
- 前記緊急操舵度合検出手段は、運転者が操作するステアリングホイールの操舵角及び操舵角速度が大きいほど、緊急操舵の度合を高く設定することを特長とする請求項5に記載の車両制御装置。
- 自車速と目標ヨーレートとに基づいて、目標横加速度を演算する横加速度演算手段を有し、
前記緊急操舵度合検出手段は、前記横加速度演算手段で演算した目標横加速度が大きいほど、緊急操舵の度合を高く設定することを特長とする請求項5又は6に記載の車両制御装置。 - 前輪の目標転舵角と後輪の目標転舵角とに基づいて、前輪操舵アクチュエータ及び後輪操舵アクチュエータを駆動制御して前輪操舵機構及び後輪操舵機構を駆動し、
運転者による緊急操舵の度合が高いほど、各輪に制動力を付与するブレーキ制御によって実施する車両挙動を安定化するための車両運動制御の実施度合を、アンダーステア側のモーメントを大きく発生するように大きくすることを特徴とする車両制御方法。
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