JP5344661B2 - 光硬化性着色塗料組成物 - Google Patents

光硬化性着色塗料組成物 Download PDF

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Description

本発明は、グレー乃至ブラック色に調色され、しかも光硬化性、平滑性、ツヤ感などがすぐれている、特に中塗り塗料として好適な光硬化性着色塗料、及びそれを使用した塗膜形成方法に関する。
従来の技術とその課題
重合性不飽和化合物及び光重合開始剤を主成分とする光硬化性塗料に着色顔料を配合してなる着色塗料塗膜を、活性光線の照射により硬化せしめる試みがなされているが、しかしながら、着色塗膜への活性光線の透過性が不十分なために、特に塗膜深部まで架橋硬化反応を十分に行わしめることは困難であり、その塗膜の平滑性、ツヤ感などが劣るという欠陥を有している。
本発明は光硬化性着色塗料組成物におけるこのような欠陥を解消することを目的とする。
課題を解決するための手段
本発明者らは、目的を達成すべく鋭意研究を行なった結果、今回、補色関係にある複数の有彩色顔料を併用してマンセルチャートN値で2〜10のグレー乃至ブラック色に調色することにより、波長380〜430nmの光線による塗膜の光線透過率が0.5%以上である着色塗膜が形成され、紫外線照射による硬化性がすぐれた着色塗料として有用であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、補色関係にある複数の有彩色顔料を併用してマンセルチャートN値で2〜10のグレー乃至ブラック色に調色され、かつ波長380〜430nmの光線による塗膜の光線透過率が0.5%以上である着色塗膜を形成する紫外線硬化性着色塗料(以下、「本塗料」という)が提供される。
さらに、本発明は、本塗料を中塗り塗料として塗装し、その塗膜を紫外線照射により硬化してから、その塗面に上塗り塗料を塗装することを特徴とする塗膜形成方法(以下、「本方法」という)を提供する。
以下に、本塗料及び本方法についてさらに詳細に説明する。
本塗料は、補色関係にある複数の有彩色顔料を併用してマンセルチャートN値で2〜10のグレー乃至ブラック色に調色され、かつ波長380〜430nmの光線による塗膜の光線透過率が0.5%以上である着色塗膜を形成する紫外線硬化性着色塗料である。
本塗料において、補色関係にある複数の有彩色顔料とは、例えば、マンセルの色相環でお互いほぼ反対の位置にある有彩色の2色の顔料のことである。本塗料では、この補色関係にある2色以上の着色顔料を、マンセルチャートN値で2〜10、好ましくは3〜8の範囲内に含まれるグレー乃至ブラック色の無彩色になるような比率で混合調色することが必要である。補色関係にある有彩色の組合わせとして、例えば、赤と青緑、青と黄赤、黄と青紫、緑と赤紫、紫と黄緑などがあげられる。かかる有彩色顔料としては既知のソリッドカラー顔料が使用でき、例えば、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムエロ−、酸化クロム、プルシアンブル−、コバルトブル−、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料などがあげられるが、これらのみに限定されない。
このようなグレー乃至ブラック色の無彩色は、白色顔料と黒色顔料とを混合しても得られるが、このような無彩色顔料を組み合せて得られる色は、光透過性が十分でなく、紫外線による塗膜の硬化性が劣るので、本発明の目的が達成できない。
本塗料は、補色関係にある複数の有彩色顔料を併用してマンセルチャートN値で2〜10のグレー乃至ブラック色に調色された顔料成分(以下、「補色顔料成分」という)を含有し、これを重合性不飽和化合物(A)、光重合開始剤(B)などに混合分散せしめることにより得られる。
重合性不飽和化合物(A)は、1分子中に重合性不飽和結合を1個以上、さらに必要に応じて水酸基を有する化合物であって、その数平均分子量は、通常、100〜100000、特に300〜10000の範囲内が適している。具体的には、下記に示す化合物があげられる。
1)式、Ph−O−(C24O)n−OCHC=CH2(式中、Phはフェノール基又は炭素数15以下のアルキル基が置換したフェノール基、nは1〜6の整数である)で示されるフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、N−ビニルピロリドン、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ポリウレタンの両末端水酸基に2モルのアクリル酸を付加させたオリゴマー、ω−カルボキシーポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸ダイマー、2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピルアクリレート、ポリエステルの末端水酸基に2モル以上のアクリル酸を付加したオリゴマーなど。
2)炭素数が1〜20個のモノアルコール類と(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和化合物とのモノエステル化物、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなど。
3)炭素数が2個以上、好ましくは2〜10個のグリコール類と(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和化合物とのモノ又はジ−エステル化物、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、エチレンジ(メタ)アクリレ−ト、プロピルジ(メタ)アクリレ−トなど。
4)エポキシ基、さらに必要に応じて水酸基を有する化合物のエポキシ基に、カルボキシル基含有量合性不飽和化合物を付加せしめてなる化合物。エポキシ基、さらに必要に応じて水酸基を有する化合物は、例えば、エポキシ基含有不飽和化合物、さらに必要に応じて水酸基含有不飽和化合物、その他の不飽和化合物を重合することにより得られる。エポキシ基含有不飽和化合物として、グリシジル(メタ)アクリレ−トなどがあげられ、水酸基含有不飽和化合物としては上記3)で例示したモノエステル化物が好適に使用できる。その他の不飽和化合物は、水酸基やエポキシ基を有さない重合性不飽和化合物であって、上記2)で例示したモノエステル化物;炭素数2〜10のグリコ−ルと(メタ)アクリル酸とのジエステル化物;(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシブチルなどのアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニルなどのビニル化合物などがあげられる。また、この重合体のエポキシ基に付加せしめるカルボキシル基含有重合性不飽和化合物としては、アクリル酸又はメタクリル酸などが好適に使用できる。
5)カルボキシル基、さらに必要に応じて水酸基を併存する化合物に含まれるカルボキシル基に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加せしめてなる化合物。カルボキシル基、さらに必要に応じて水酸基を有する化合物は、例えば、カルボキシル基含有重合性不飽和化合物、さらに必要に応じて水酸基含有不飽和化合物、その他の不飽和化合物を使用して、これらを既知の方法で共重合することにより得られる。これらの不飽和化合物としては、上記2)〜4)で例示したものが使用できる。さらに、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂も使用できる。
6)エポキシ基を有する化合物(実質的に水酸基は含んでいない)に、カルボキシル基含有不飽和化合物を付加せしめてなる化合物。エポキシ基を有する化合物としては、上記のエポキシ基含有不飽和化合物、必要に応じてその他の不飽和化合物を使用してなる重合体;ビスフェノ−ルのグリシジルエ−テル類;グリシジルエステル類;脂環式エポキシ樹脂などがあげられる。カルボキシル基含有不飽和化合物としては上記したものが使用できる。この付加反応は、エポキシ基とカルボキシル基との開環エステル化反応であって、この反応により、2級水酸基と重合性不飽和結合が同時に導入できる。
7)水酸基含有化合物の水酸基の一部又はすべてに、ジイソシアネ−ト化合物と水酸基含有不飽和化合物との等モル付加物を付加せしめた化合物。水酸基含有化合物としては、例えば、水酸基含有不飽和化合物、さらに必要に応じてその他の不飽和化合物を使用してなる重合体;水酸基を有せしめたポリエステル樹脂;水酸基を有するポリエ−テル樹脂などがあげられる。エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、トリメチロ−ルプロパンなどの低分子量多価アルコ−ルなども水酸基含有化合物として使用できる。さらに、この低分子量多価アルコ−ルの水酸基にε−カプロラクトンのような環状エステルを開環付加反応させてその末端に水酸基を有せしめたものも水酸基含有化合物として包含される。ジイソシアネ−ト化合物は、1分子中に2個のイソシアネ−ト基を有する化合物であり、例えば、トリレンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ナフタレンジイソシアネ−トなどの芳香族ジイソシアネ−ト;テトラメチレンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ダイマ−酸ジイソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−トなどの脂肪族ジイソシアネ−ト;メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネ−ト)、イソホロンジイソシアネ−ト、メチルシクロヘキサンジイソシアネ−ト、シクロヘキサンジイソシアネ−ト及びシクロペンタンジイソシアネ−トなどの脂環族ジイソシアネ−トなどがあげられる。水酸基含有不飽和化合物としては上記した化合物が使用できる。
ジイソシアネ−ト化合物と水酸基含有不飽和化合物との等モル付加物の1分子中にはイソシアネ−ト基と重合性不飽和結合とが1個ずつ併存している。この付加物のイソシアネ−ト基を、水酸基含有化合物の水酸基の一部もしくは全部とウレタン化反応させることにより、重合性不飽和結合、さらには水酸基を導入することができる。また、1分子中にイソシアネ−ト基及び重合性不飽和結合を併存する化合物として、例えば、イソシアネ−トエチルメタクリレ−ト、ジメチルメタイソイソプロペニルベンジルイソシアネ−ト(通称、TMI)なども使用できる。
重合性不飽和化合物(A)は、1分子中に重合性不飽和結合、さらに必要に応じて水酸基を有しており、その数平均分子量は、通常、100〜100000、特に200〜10000の範囲内が適しており、重合性不飽和結合は1分子中に1以上が適している。
光重合開始剤(B)は、活性エネルギ−線の照射により、重合性不飽和化合物(A)による架橋(重合)反応を促進させるためのものであり、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ−テル、ベンゾインエチルエ−テル、2−メチルベンゾイン、ベンジル、ベンジルジメチルケタ−ル、ジフェニルスルフィド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、ジアセチル、エオシン、チオニン、ミヒラ−ケトン、アントラセン、アントラキノン、アセトフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−イソプロピルαヒドロキシイソブチルフェノン、α・α´ジクロル−4−フェノキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、メチルベンゾイルフォルメイト、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]・2・モルフォリノ−プロペン、チオキサントン、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1、2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、ベンゾフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モンフォリノプロパノン1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイド、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1オン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−イル)チタニウム)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ビスアシルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、(η5 −2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1,2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン]−アイアン(1+)−ヘキサフルオロフォスフェイト(1−)などがあげられる。光重合開始剤(B)は、重合性不飽和化合物(A)100重量部(固形分)あたり、0.1〜10重量部、特に0.5〜5重量部が適している。
補色顔料成分の配合比率は、重合性不飽和化合物(A)100重量部(固形分)あたり、5〜200重量部、特に10〜100重量部の範囲内が適している。
本塗料は、上記した補色顔料成分、重合性不飽和化合物(A)及び光重合開始剤(B)を必須成分としており、これらを有機溶剤及び(又は)水に混合せしめることによって得られ、その塗膜の色調はマンセルチャートN値で2〜10のグレー乃至ブラック色に調色され、かつ波長380〜430nmの光線による塗膜の光線透過率が0.5%以上である着色塗膜を形成する紫外線硬化性着色塗料である。そして、本塗料により形成される硬化単独塗膜の白黒隠蔽膜厚(この塗膜を透して被塗面の白黒市松模様の白黒の境界線が目視できない最小膜厚)は20μm又はそれ以下であることも可能である。
本塗料の単独硬化塗膜の光線透過率は、分光光度計を用いて、膜厚(硬化塗膜)30μmにおける波長380〜430nmの光線の分光透過率の積分値で示したものである。
本塗料には、上記した成分に加えて、水酸基含有樹脂、(ブロック)ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、その他の顔料などを適宜、目的に応じて含有せしめることができる。
その他の顔料としては、例えば、酸化チタンやカーボンブラックのような無彩色顔料、タルク、クレ−、カオリン、バリタ、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナホワイトなどの体質顔料などを使用することができ、これらの配合量は塗膜の光線透過率が上記した範囲を逸脱しない程度であるあることが好ましい。
本塗料は、その色調がグレー乃至ブラック調であるために、最上層の上塗り塗料よりも、中塗り塗料として使用することが好ましい。
具体的には、被塗物としては、金属製、プラスチック製の自動車や電気製品などの外板部及び内板部が好適にあげられ、これらは、本塗料の塗装に先立ってカチオン電着塗料などの下塗り塗料などをあらかじめ塗装しておくことが好ましい。
本塗料の塗装時の粘度を20〜40秒/フォ−ドカップ#4/20℃になるように調整し、静電塗装、エアレススプレ−、エアスプレ−などにより塗装することができる。その塗装膜厚は硬化塗膜で50μm以下、特に5〜40μmの範囲内が好ましい。
かくして塗装された本塗料の塗膜は、必要により室温又は60℃以下の温度で乾燥して有機溶剤などを揮散除去したのち、その塗面に波長が200〜400nmの紫外線などの活性光線を照射せしめることにより、ゲル分率を基準に、85重量%以上、さらには90〜100重量%に硬化させることができる。活性光線の発生装置としては、水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、カ−ボンア−ク、メタルハライド、ガリウムランプ、ケミカルランプ、無電極ランプなどがあげられる。活性光線(紫外線)の照射量は特に制限されないが、通常、約10〜3000mj/cm2 の範囲内が好ましい。これらの照射時間は、1秒〜1分間、特に2〜15秒程度が適している。
本組成物の塗膜を活性光線の照射により硬化した後、その塗面に、さらに上塗り塗料を塗装することも可能である。
本方法は、本塗料を中塗り塗料として上記のように塗装し、その塗膜を紫外線照射により硬化してから、その塗面に上塗り塗料を塗装することを特徴とする塗膜形成方法である。
上塗り塗料として、ソリッドカラ−塗料、メタリック塗料、クリヤ塗料などの熱硬化性塗料が好適に使用することができ、これらを適宜組み合わせることによりソリッドカラ−仕上げ又はメタリック仕上げの上塗り塗膜が形成される。
ソリッドカラ−塗料は、基体樹脂、架橋剤、ソリッドカラ−顔料及び有機溶剤を含有する熱硬化性塗料が使用できる。基体樹脂としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、シラノ−ル基、エポキシ基などの架橋性官能基を含有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、シリコン含有樹脂などがあげられ、また、架橋剤としては、これらの官能基と反応しうるメラミン樹脂、尿素樹脂、(ブロック)ポリイソシアネ−ト化合物、エポキシ化合物または樹脂、カルボキシル基含有化合物または樹脂、酸無水物、アルコキシシラン基含有化合物または樹脂などがあげられる。
メタリック塗料は、基体樹脂、架橋剤、メタリック顔料及び有機溶剤を含有する熱硬化性塗料であり、このうち基体樹脂、架橋剤及び有機溶剤としては、ソリッドカラ−塗料について例示したものが使用できる。また、メタリック顔料としては、例えば、りん片状のアルミニウム、蒸着アルミニウム、酸化アルミニウム、雲母、金属酸化物で表面被覆した雲母、雲母状酸化鉄などが包含される。
クリヤ塗料は、ソリッドカラ−塗料について述べたと同様の基体樹脂、架橋剤及び有機溶剤を含有し、さらに必要に応じて着色顔料やメタリック顔料を塗膜の透明性を阻害しない程度に配合してなる熱硬化性塗料が好ましい。
本方法により、これらのソリッドカラ−塗料、メタリック塗料及びクリヤ塗料を用いて上塗り塗膜を形成するための具体的方法としては、次のような方法があげられる。
a)本塗料の硬化塗膜面(中塗り塗膜)に、ソリッドカラ−塗料、さらに必要に応じてクリヤ塗料を塗装した後、加熱して、上塗り塗膜を硬化させて複層塗膜を形成する。
b)本塗料の硬化塗膜面(中塗り塗膜)に、メタリック塗料及びクリヤ塗料を塗装した後、加熱して、本組成物の塗膜及びこれらの上塗り塗膜を同時に硬化させて複層塗膜を形成する。
これらのソリッドカラ塗料、メタリック塗料及びクリヤ塗料などの塗装は既知の方法に基づいて行なうことができる。
発明の効果
本塗料は、補色関係にある複数の有彩色顔料を併用してマンセルチャートN値で2〜10のグレー乃至ブラック色に調色されており、その結果、塗膜の光線透過率を0.5%以上にすることが可能になり、紫外線硬化性着色塗料として極めて有用である。つまり、補色関係にある複数の有彩色顔料組み合せて、マンセルチャートN値で2〜10、好ましくは3〜8の範囲内に含まれるグレー乃至ブラック色の無彩色になるような比率で混合調色することが必要である。したがって、白色顔料と黒色顔料とを混合してマンセルチャートN値で2〜10に調整しても、その塗膜の光透過性が十分でなく、紫外線硬化性が劣るので、本発明の目的が達成できない。
さらに本塗料は、かかる着色顔料を併用すると、その白黒隠蔽膜厚(この塗膜を透して被塗面の白黒市松模様の白黒の境界線が目視できない最小膜厚)は20μm又はそれ以下であって隠蔽性がすぐれており、しかも紫外線の透過性が良好であるという効果を有している。本塗料による塗膜は灰色系であるために、中塗り塗料として使用することが特に好ましい。
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。なお、部及び%はいずれも重量基準である。塗膜の膜厚は硬化塗膜を基準にしている。
1.被塗物:
りん酸亜鉛化成処理を施した厚さ0.8mmのダル鋼板上に熱硬化性エポキシ樹脂系カチオン電着塗料(「エレクロン#9600」関西ペイント社製、商品名)を硬化膜厚が約20μになるように電着塗装し、170℃で30分加熱し硬化させて被塗物とした。
2.実施例及び比較例
実施例 1
イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート50部、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート50部、イルガキュア819(チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名、光重合開始剤、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド)1部、チタン白顔料(「JR503」、テイカ社製、商品名)20部、赤色顔料(「マルーンR−6436」、バイエル社製、商品名)0.4部、緑色顔料(「GREEN−S」、大日本インキ化学工業社製、商品名)0.3部を有機溶剤(キシレン)の存在下で均一に混合分散して、粘度を15〜25秒/フォ−ドカップ#4/20℃になるように有機溶剤を配合して調整した。
実施例 2
イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート50部、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート50部、「イルガキュア819」1部、チタン白顔料(「JR503」)20部、赤色顔料(「トダカラーKNO」、戸田工業社製、商品名)0.2部、黄色顔料(「TAROX LL−XLO」、チタン工業社製、商品名)0.4部、青色顔料(「BLUE5030L」、大日本インキ化学工業社製、商品名)0.1部を有機溶剤(キシレン)の存在下で均一に混合分散して、粘度を15〜25秒/フォ−ドカップ#4/20℃になるように有機溶剤を配合して調整した。
比較例 1
イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート50部、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート50部、「イルガキュア819」1部、チタン白顔料(「JR503」)20部、黒色顔料(「MA100B」、三菱化学社製、商品名)0.3部を有機溶剤(キシレン)の存在下で均一に混合分散して、粘度を15〜25秒/フォ−ドカップ#4/20℃になるように有機溶剤を配合して調整した。
3.性能試験結果
被塗物に実施例及び比較例で得た塗料組成物を膜厚20μm、40μmになるように塗装し、室温で3分間放置してから、ガリウムランプを使用して、紫外線を2000mj/cm2照射した後、「アミラック黒」(関西ペイント社製、商品名、ポリエステル樹脂・メラミン系熱硬化性黒色有機溶剤型塗料)を膜厚30μmに塗装し、140℃で30分間加熱して硬化せしめた。これらの試験塗板などにより、隠蔽膜厚、平滑性、光硬化性、色調(N値)、上塗り塗面平滑性などについて調べた。その結果を表1に示した。このうち、隠蔽膜厚、平滑性、光硬化性、色調(N値)は実施例1,2及び比較例1で得た光硬化製着色塗料(本塗料)の単独塗膜についての結果である。
試験方法は下記のとおりである。
隠蔽膜厚:白黒市松模様の被塗面に実施例及び比較例で得た本塗料を塗装し、その塗膜を透して白黒模様が目視できない最小硬化膜厚を調べた。単位μm。
平滑性:目視判定。○は良好、△は少し劣る、×は非常に劣るを示す。
光硬化性:ガラス板に実施例及び比較例で得た本塗料を膜厚20μm、40μmに塗装し、ガリウムランプを使用して、紫外線を2000mj/cm2照射したのち、アセトンの還流温度で3時間抽出を行なったのちの塗膜残存率を調べた。
色調:マンセルチャートN値。
光線透過率:ガラス板に実施例及び比較例で得た本塗料を膜厚30μmに塗装し、ガリウムランプを使用して、紫外線を2000mj/cm2照射して硬化させたのち、分光光度計を用いて波長380〜430nmの分光透過率を測定し、その積分値を光線透過率とした。
上塗り平滑性:目視判定。○は良好、△は少し劣る、×は非常に劣るを示す。
Figure 0005344661

Claims (1)

  1. 白色顔料及び補色関係にある複数の有彩色顔料のみを併用してマンセルチャートN値で3〜8のグレー乃至ブラック色に調色され、かつ波長380〜430nmの光線による塗膜の光線透過率(分光光度計を用いて、硬化塗膜厚30μmにおける波長380〜430nmの光線の分光透過率の積分値)が0.5%以上である着色塗膜を形成するための紫外線硬化性着色塗料を中塗り塗料として硬化塗膜で20〜40μmとなるように塗装し、その塗膜を紫外線照射により硬化した後、その塗面に上塗り塗料を塗装することを特徴とする塗膜形成方法。
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