JP5340647B2 - スプリットレザー - Google Patents

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Description

本発明は、天然皮革から銀面を取り除いた床革の表面にポリウレタン樹脂からなる表皮層を設けた、所謂スプリットレザーに関するものであり、特には、床革と表皮層の一体感に優れ、外観、触感、風合いが銀面付き天然皮革に酷似しながら、インテリア資材や車輌用内装材などの高い強度が求められる産業資材用途での使用が可能なスプリットレザーに関するものである。
従来、銀面付き天然皮革は、高級感のある素材として、衣料、鞄、靴、インテリア資材、車輌用内装材など様々な分野で用いられている。しかしながら、銀面付き天然皮革は高価なものであるため、その代用として、天然皮革から銀面を取り除いた床革表面にポリウレタン樹脂からなる表皮層を設けた、所謂スプリットレザーが用いられることがある。
床革は、表皮、乳頭層、網状層、皮下組織からなる天然皮革のうち、表皮と乳頭層(両者を併せて「銀面」と呼ばれる。)を取り除いた網状層と皮下組織から構成される。かかる網状層と皮下組織から構成される床革は、さらに用途に応じて、厚さ方向に分割して用いられることがあり、銀面側(乳頭層側)の床革をグレインサイド(Grain Side)床革、肉面側(皮下組織側)の床革をフレッシュサイド(Flesh Side)床革という。このうち、より銀面付き天然皮革に近い外観や風合いを得るため、グレインサイド床革を用いることが多い。
グレインサイド床革は主として網状層から構成されるが、網状層は乳頭層に比べ太い線維で密度が粗い状態で構成されているため、床革表面に凹凸が存在する。そのため、グレインサイド床革をスプリットレザーの基材として用いた場合、その外観に影響を及ぼすという問題や、床革と表皮層の密着性が悪くなり、一体感に欠け、外観、触感、風合いに影響を及ぼすという問題がある。
また、上述のように網状層の線維の密度は粗いため、得られるスプリットレザーの強度、特に引裂強度、引張強度が劣るという問題がある。したがって、産業資材用途に十分な強度、特には引裂強度、引張強度を得るためには、床革の厚さを厚くする必要があり、結果として得られるスプリットレザーの風合いは硬くなってしまい、強度と風合いの両立ができないという問題がある。
スプリットレザーにおける表面平滑性や外観の均一性を向上するべく、特許文献1では、床革とウレタン系樹脂表皮との間に、接着剤を介して、湿式樹脂微多孔層からなる合成樹脂緩衝層を設けたスプリットレザーが提案されている。同文献によれば、樹脂緩衝層が、床革の表面に存在する微妙な凹凸に対して緩衝作用を発現するので、該凹凸によるスプリットレザー表面への悪影響をなくすことができるとある。また、特許文献2では、床革の表面に充填剤を特定量含有した合成樹脂製接着剤層を介してポリウレタン系樹脂からなる表皮を積層することにより、床革の表面の凹凸がスプリットレザーに現れることのないスプリットレザーを開示している。
特開平05−345384号公報 特開平07−242900号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているスプリットレザーは、床革と合成樹脂緩衝層の間と、合成樹脂緩衝層とウレタン系樹脂表皮の間との2箇所に接着剤を介しているため、床革とウレタン系樹脂表皮に一体感が得らないという問題や、銀面付き天然皮革様の外観、触感、風合いが得られないという問題がある。また、特許文献2に開示されているスプリットレザーは、合成樹脂製接着剤層に充填剤を添加しているため、接着剤層のフィルム強度が低下し、結果として得られたスプリットレザーの引裂強度や引張強度が悪くなるという問題がある。更に、特許文献1,2には、スプリットレザーの強度を向上させる技術については開示がなく、これらの問題点については解消できていない。
このように、床革と表皮層の一体感に優れ、銀面付き天然皮革と近似した外観、触感、風合いと、産業資材用途に使用可能な強度を両立したスプリットレザーは得られていないのが現状である。
本発明はこのような現状に鑑みてなされたものであり、床革と表皮層の一体感に優れ、銀面付き天然皮革と酷似した外観、触感、風合いを有し、且つ、産業資材用途に使用可能な強度、特には、良好な引裂強度、引張強度を付与することができるスプリットレザーを提供することを目的とする。
本発明に係るスプリットレザーは、厚さ0.7〜1.3mmのフレッシュサイド床革と、ホットメルトウレタンプレポリマーとウレタン硬化剤の反応により形成されるポリウレタン樹脂からなり、前記フレッシュサイド床革の網状層側表面に積層された発泡層と、前記発泡層の表面に積層されたポリウレタン樹脂からなる保護層と、を備え、前記発泡層が、主剤としてのホットメルトウレタンポリオールプレポリマーと、ホットメルトウレタンポリイソシアネートプレポリマーを含むウレタン硬化剤との反応により形成されるポリウレタン樹脂からなるものである。
本発明によれば、床革と表皮層の一体感に優れ、銀面付き天然皮革と酷似した外観、触感、風合いを有し、且つ、産業資材用途に使用可能な強度、特には、良好な引裂強度、引張強度を有するスプリットレザーを提供することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るスプリットレザー(1)の断面図である。図示するように、スプリットレザー(1)は、厚さ0.7〜1.3mmのフレッシュサイド床革(2)の網状層側表面に、表皮層(3)として、ホットメルトウレタンプレポリマーとウレタン硬化剤の反応により形成されるポリウレタン樹脂からなる発泡層(4)、及びポリウレタン樹脂からなる保護層(5)が順次積層されてなるものである。
このように厚さ0.7〜1.3mmのフレッシュサイド床革(2)をスプリットレザーの基材とすることで、得られるスプリットレザーの風合いが良好で、且つ、産業資材用途に使用可能な強度を得ることができるとともに、ホットメルトウレタンプレポリマーとウレタン硬化剤の反応により形成されるポリウレタン樹脂からなる発泡層(4)、ポリウレタン樹脂からなる保護層(5)を順次積層した表皮層(3)とすることで、床革(2)と表皮層(3)の密着性が良好となって一体感が得られ、銀面付き天然皮革と近似した外観、触感、風合いが得られる。
本発明に用いられる床革の材料となる天然皮革としては、牛、馬、豚、山羊、羊、鹿、カンガルーなどの哺乳類革、ダチョウなどの鳥類革、ウミガメ、オオトカゲ、ニシキヘビ、ワニなどの爬虫類革など従来公知の天然皮革を挙げることができる。なかでも、汎用性が高く、面積が大きく、厚さのある牛革が好ましい。
上記天然皮革の原皮を、厚さ方向に表皮、乳頭層と、網状層、皮下組織とに分割し、網状層と皮下組織からなる床革を得る。得られた床革をさらに厚さ方向に分割して、網状層の上層部分(即ち、網状層の厚さ方向で上部側の層部分)を含む、銀面側(乳頭層側)の床革であるグレインサイド(Grain Side)床革と、網状層の下層部分(即ち、網状層の厚さ方向で下部側の層部分)と皮下組織を含む、肉面側(皮下組織側)の床革であるフレッシュサイド(Flesh Side)床革を得る。
本発明においては、フレッシュサイド床革をスプリットレザーの基材として用いることが肝要である。フレッシュサイド床革は、厚さ方向断面においては、下部(皮下組織側)が層状になっている。これは、網状層の最下層部分、および、皮下組織の線維の走行方向が皮革の表面に平行になることに起因する。一方、グレインサイド床革は、厚さ方向断面においては、線維が塊状に分布している。これは、網状層の上層部分においては、線維が束状になっており、これらが三次元的にゆるやかに交絡していることに起因する。線維が床革表面に対して平行に走行して層を形成しているフレッシュサイド床革は、タテ、ヨコ、斜め方向の強度が均一で、これを基材として用いた場合、線維が塊状に分布しているグレインサイド床革を基材として用いた場合に比べて、強度、特には引裂強度、引張強度に優れたスプリットレザーとなる。このように強度に優れたフレッシュサイド床革を基材として用いることにより、後述する比較的薄い厚さの床革で、触感、風合いと産業資材用途に使用可能な十分な強度を両立したスプリットレザーを得ることができる。
本発明において、フレッシュサイド床革の厚さは、0.7〜1.3mmであり、好ましくは0.8〜1.1mmである。厚さが0.7mm未満であると、得られるスプリットレザーの強度、特には引裂強度、引張強度が悪くなったり、風合いがペーパーライクになったりする虞がある。厚さが1.3mmを超えると、風合いが粗硬になる虞がある。フレッシュサイド床革の厚さは、床革を背線に平行方向(タテ)に3等分、背線に垂直方向(ヨコ)に3等分して分割した9区画の中心部の厚さをそれぞれ測定し、これの平均値を算出して求められる。
上記フレッシュサイド床革は、通常、鞣、再鞣、中和、染色、加脂、乾燥の各工程を経ることにより、クラストと称される半製品状態の皮革となる。次いで、得られた半製品状態のフレッシュサイド床革の網状層側表面にバフ加工を施す。バフ加工は、網状層の表面を削り取ることで床革表面を滑らかにし、個体差や部位差、傷などの外観品位に影響を及ぼす要素を取り除き、均一化するために行われる。
本発明のスプリットレザーは、上記フレッシュサイド床革の網状層側表面に、第1の表皮層として、ホットメルトウレタンプレポリマーとウレタン硬化剤の反応により形成されるポリウレタン樹脂からなる発泡層が積層されたものである。樹脂層を発泡層とすることにより、樹脂特有のゴム弾性が緩和されてゴムのような触感がなくなるとともに、天然皮革の銀面層に近い密度勾配となるため、それ自身が天然皮革様の外観(折れシワ表現)、触感、風合いを具備することができる。このように、本発明のスプリットレザーが有する銀面付き天然皮革様の外観、触感、風合いは、床革と表皮層の一体感と発泡層の双方の要素が調和して達成されるものである。
ポリウレタン樹脂は、周知の通り、ウレタン結合(−NHCOO−)を有する高分子化合物の総称であり、一般にポリオールとポリイソシアネートを反応(架橋・硬化反応)させることによって製造される。ポリオールとポリイソシアネートの反応をほぼ完結させ、ポリマー化した状態で(すなわち、ポリウレタン樹脂として)提供される一液型に対し、二液硬化型は、使用時にポリオールとポリイソシアネートを反応させるもので、通常、ポリオールとポリイソシアネートの反応を適当なところで止めたウレタンプレポリマー(主剤)と、ウレタン硬化剤の二液からなる。発泡層を構成するポリウレタン樹脂は、この二液硬化型ポリウレタン樹脂に分類される。また、ウレタンプレポリマーが有するホットメルト性は、分子構造に起因する性質で、常温では固体ないしは基材に塗布困難な程度に粘稠な状態であるが、熱を加えると溶融して液状になり、冷却により再度凝集力が発現する性質をいう。
発泡層の形成に用いられるホットメルトウレタンプレポリマーは、ホットメルト性であるが故に、網状層への滲み込みが少なく、スプリットレザーの風合いが粗硬になることがない。また、ウレタン硬化剤と反応してポリウレタン樹脂を形成する二液硬化型であるが故に、一液型と比較して低い温度で加工に適した粘性が得られるため、熱によって床革が硬くなることがなく、得られるスプリットレザーの風合いが粗硬になることもない。それでいて硬化後の軟化温度は高く、耐熱性に優れるという効果もある。
以下、ホットメルトウレタンプレポリマーやウレタン硬化剤、硬化して得られるポリウレタン樹脂について説明するが、これらの特性、特にポリウレタン樹脂の特性が、得られるスプリットレザーの特性に反映されるのは言うまでもない。
上記発泡層は、好適には、ホットメルト性を有するウレタンプレポリマーとウレタン硬化剤を適宜混合した組成物(以下、「プレポリマー組成物」と表記する場合がある)を、離型性基材に塗布した後、フレッシュサイド床革の網状層側表面に貼り合わせ、エージング処理することにより形成することができる。
ホットメルトウレタンプレポリマーは、上記の通り、ポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られた主鎖中にウレタン結合を有するものであり、製造時のポリオールとポリイソシアネートの比率によって、分子末端に水酸基を有するホットメルトウレタンポリオールプレポリマーと、分子末端にイソシアネート基を有するホットメルトウレタンポリイソシアネートプレポリマーの2つがある。各々に対応するウレタン硬化剤は、ポリイソシアネートとポリオールである。
ホットメルトウレタンプレポリマーとウレタン硬化剤の硬化反応を以下の式(I)に示す。結局のところ、この反応はポリオールの水酸基とポリイソシアネートのイソシアネート基の反応として示される。こうして、主鎖中に更なるウレタン結合が形成される。また、イソシアネート基は水酸基との反応以外に、大気中の水分と反応し、アミン化合物と炭酸ガスを生成(以下の式(II))、さらに、反応生成物と連鎖的に反応していく(以下の式(III)および(IV))。式(II)で発生する炭酸ガスにより、樹脂層には多数の孔が形成され、発泡層が形成される。
Figure 0005340647
ホットメルトウレタンプレポリマーを製造する際に使用可能なポリオールは特に限定されるものでなく、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール、ひまし油ポリオール、シリコーン変性ポリオールなどを挙げることができ、これらを1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。なかでも、耐加水分解性の点からポリエーテルポリオールまたはポリカーボネートポリオールが好ましい。また、耐光性および耐熱性の点からはポリカーボネートポリオールがより好ましく、触感や風合いの点からはポリエーテルポリオールがより好ましい。
一方、ホットメルトウレタンプレポリマーを製造する際に使用可能なポリイソシアネートも特に限定されるものでなく、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートあるいは脂環族ジイソシアネート、および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の2量体および3量体を含むポリメリックMDIなどを挙げることができる。なかでも、硬化反応のコントロールが容易であるという点で、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)が好ましい。
上記ホットメルトウレタンポリオールプレポリマーは、ポリオールとポリイソシアネートとを、ポリオールが有する水酸基が、ポリイソシアネートが有するイソシアネート基に対して過剰となる条件で反応させることにより得ることができる。この際、水酸基/イソシアネート基の当量比は1.1〜2.5であることが好ましく、より好ましくは1.2〜2.0である。当量比が1.1未満であると、プレポリマーの両末端を水酸基とすることが難しく、プレポリマーに残存するイソシアネート基が周囲の湿気と反応することにより分子量が増加し、粘度が増加する結果、作業性が悪くなる虞がある。当量比が2.5を超えると、プレポリマーとウレタン硬化剤を反応させる際、未反応の水酸基が残り、硬化して得られるポリウレタン樹脂において加水分解が起こり易く、強度に関する物性全般が不良となる虞がある。
一方、上記ホットメルトウレタンポリイソシアネートプレポリマーは、ポリオールとポリイソシアネートとを、ポリイソシアネートが有するイソシアネート基が、ポリオールが有する水酸基に対して過剰となる条件で反応させることにより得ることができる。この際、イソシアネート基/水酸基の当量比は1.1〜5.0であることが好ましく、より好ましくは1.5〜3.0である。当量比が1.1未満であると、プレポリマーに未反応の水酸基が残り、硬化して得られるポリウレタン樹脂において加水分解が起こり易く、強度に関する物性全般が不良となる虞がある。当量比が5.0を超えると、安定性が悪く、硬化反応のコントロールが不可能となる虞がある。
本発明に用いられるホットメルトウレタンプレポリマーを製造するには、従来公知の種々の方法を採用することができ、特に限定されるものではない。例えば、ポリイソシアネートに水分を除去したポリオールを滴下、または水分を除去したポリオールにポリイソシアネートを混合後、加熱してバッチ方式で反応させる方法、あるいは水分を除去したポリオールとポリイソシアネートをそれぞれ加熱して、所定の比率で押出機に投入して連続押出反応方式で反応させる方法などを採用することができる。
かくして得られるホットメルトウレタンプレポリマーの軟化温度は、20〜100℃であることが好ましく、より好ましくは40〜70℃である。軟化温度が20℃未満であると、硬化して得られるポリウレタン樹脂の軟化温度が低く、十分な耐熱性が得られなかったり、強度が不十分となったりする虞がある。軟化温度が100℃を超えると、加工に適した粘性を得るのに高温を要し、作業性が悪くなるとともに、天然皮革の触感や風合いが粗硬になる虞がある。なお、本明細書において、軟化温度は、DSC熱分析機を用いて示差走査熱分析法により測定される。
次に、本発明に用いられるウレタン硬化剤について説明する。
ホットメルトウレタンプレポリマーとしてホットメルトウレタンポリオールプレポリマーを用いる場合には、ウレタン硬化剤としてポリイソシアネートを用い、ホットメルトウレタンプレポリマーとしてホットメルトウレタンポリイソシアネートプレポリマーを用いる場合には、ウレタン硬化剤としてポリオールを用いる。
ホットメルトウレタンポリオールプレポリマーに対して使用可能なウレタン硬化剤、すなわちポリイソシアネートは特に限定されるものではなく、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート、カルボジイミド基を含むポリイソシアネート、アルファネート基を含むポリイソシアネート、イソシアヌレート基を含むポリイソシアネートなどを挙げることができ、これらを1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。なかでも硬化反応のコントロールが容易であるという点では4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)が好ましく、硬化して得られるポリウレタン樹脂の黄変が少ないという点では脂肪族系のポリイソシアネートが好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートがより好ましい。
さらに、ウレタン硬化剤として、上述のポリイソシアネート以外に、ポリオールとポリイソシアネートを、ポリイソシアネートが有するイソシアネート基が、ポリオールが有する水酸基に対して過剰となる条件で反応させることにより得られる化合物を用いることができる。この化合物は、ウレタンポリイソシアネートプレポリマーとしてポリウレタン樹脂を形成する際の主剤ともなり得るもので、ホットメルト性を有するものは、本発明におけるホットメルトウレタンポリイソシアネートプレポリマーとしても使用可能である。かかるウレタンポリイソシアネートプレポリマーをウレタン硬化剤として用いることにより、ウレタン硬化剤としての働きに加えて、鎖伸長剤としての効果が得られるため、硬化して得られるポリウレタン樹脂の柔軟性を向上させることができる。
一方、ホットメルトウレタンポリイソシアネートプレポリマーに対して使用可能なウレタン硬化剤、すなわちポリオールも特に限定されるものではなく、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール、ひまし油ポリオール、シリコーン変性ポリオールなどを挙げることができ、これらを1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。なかでも、耐加水分解性の点からポリエーテルポリオールまたはポリカーボネートポリオールが好ましい。また、耐光性および耐熱性の点からはポリカーボネートポリオールがより好ましく、触感や風合いの点からはポリエーテルポリオールがより好ましい。
さらに、ウレタン硬化剤として、上述のポリオール以外に、ポリオールとポリイソシアネートを、ポリオールが有する水酸基が、ポリイソシアネートが有するイソシアネート基に対して過剰となる条件で反応させることにより得られる化合物を用いることができる。この化合物は、ウレタンポリオールプレポリマーとしてポリウレタン樹脂を形成する際の主剤ともなり得るもので、ホットメルト性を有するものは、本発明におけるホットメルトウレタンポリオールプレポリマーとしても使用可能である。かかるウレタンポリオールプレポリマーをウレタン硬化剤として用いることにより、ホットメルトウレタンポリオールプレポリマーに対するウレタン硬化剤としてウレタンポリイソシアネートプレポリマーを用いる場合と同様の効果を得ることができる。
次に、ホットメルトウレタンプレポリマーとウレタン硬化剤を反応させる際の当量比について説明する。
ホットメルトウレタンプレポリマーとしてホットメルトウレタンポリオールプレポリマーを用い、ウレタン硬化剤としてポリイソシアネートを用いる場合のイソシアネート基/水酸基の当量比は、0.95〜2.0であることが好ましく、より好ましくは1.1〜1.3である。当量比が0.95未満であると、未反応のプレポリマーが残り、硬化して得られるポリウレタン樹脂において加水分解が起こり易く、強度に関する物性全般が不良となる虞がある。当量比が2.0を超えると、硬化反応が進みすぎて触感や風合いが粗硬になる虞がある。
一方、ホットメルトウレタンプレポリマーとしてホットメルトウレタンポリイソシアネートプレポリマーを用い、ウレタン硬化剤としてポリオールを用いる場合のイソシアネート基/水酸基の当量比は、1.1〜10であることが好ましく、より好ましくは1.2〜3.0である。当量比が1.1未満であると、未反応のウレタン硬化剤が残り、硬化して得られるポリウレタン樹脂の物性が不良となる虞がある。当量比が10を超えると、硬化反応が進みすぎて触感や風合いが粗硬になる虞がある。
プレポリマー組成物には、必要に応じて、硬化して得られるポリウレタン樹脂の物性を損なわない範囲内で、ウレタン化触媒、シランカップリング剤、充填剤、チキソ付与剤、粘着付与剤、ワックス、熱安定剤、耐光安定剤、蛍光増白剤、発泡剤、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、染料、顔料、導電性付与剤、帯電防止剤、透湿性向上剤、撥水剤、撥油剤、中空発泡体、結晶水含有化合物、難燃剤、吸水剤、吸湿剤、消臭剤、整泡剤、消泡剤、防黴剤、防腐剤、防藻剤、顔料分散剤、不活性気体、ブロッキング防止剤、加水分解防止剤などの任意成分を、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。なかでも、工程負荷の軽減やポリウレタン樹脂の物性向上の点から、ウレタン化触媒を用いることが好ましい。
ホットメルトウレタンプレポリマーは、常温では固体ないしは基材に塗布困難な程度に粘稠な状態であり、他の原料と混合して基材である床革に塗布するには、プレポリマーを加熱溶融して液状にする必要がある。このときの加熱溶融温度は、プレポリマーの軟化温度よりも好ましくは10〜80℃、より好ましくは20〜60℃高い温度に設定される。加熱溶融温度がプレポリマーの軟化温度より10℃未満で高い温度であると、プレポリマーの粘度が高く、塗布時の作業性が悪くなる虞がある。加熱溶融温度がプレポリマーの軟化温度よりも80℃を超えて高い温度であると、硬化反応のコントロールが不可能となる虞がある。加熱溶融温度は通常、30〜150℃、好ましくは40〜120℃の範囲で設定される。なお、プレポリマーの加熱溶融は、温度制御可能な原料タンクにて行われる。
加熱溶融状態にあるホットメルトウレタンプレポリマーとウレタン硬化剤の混合には、加熱保温できる構造のミキシングヘッドが用いられ、両者を所定の比率で混合、撹拌した後、塗布装置に供給される。
プレポリマー組成物を離型性基材に塗布する方法としては、従来公知の種々の方法を採用することができ、特に限定されるものではない。例えば、ロールコーター、スプレーコーター、T−ダイコーター、ナイフコーターまたはコンマコーターなどを用いて離型性基材に塗布する。なかでも均一な薄膜層の形成が可能という点で、ナイフコーターまたはコンマコーターによる塗布が好ましい。
プレポリマー組成物の塗布厚は100〜250μmであることが好ましく、より好ましくは150〜200μmである。塗布厚をこの範囲に設定することにより、得られるスプリットレザーにおいて、塗布厚の好ましくは0.5〜2.0倍、より好ましくは0.7〜1.4倍の厚さ(厚さの最小値)を有する発泡層を得ることができ、好ましくは100〜400μm、より好ましくは200〜350μmの厚さ(後述する)を有する発泡層となる。プレポリマー組成物とフレッシュサイド床革との貼り合わせは、圧着または熱圧着によって行われ、このときの荷重により、プレポリマー組成物の一部はフレッシュサイド床革に浸透する。従って、最終的に得られる発泡層の厚さは、塗布厚を下回る場合があり得る。
本発明に用いられる離型性基材は特に限定されるものでなく、ポリウレタン樹脂に対して離型性を有する基材、あるいは離型処理を施した基材であればよく、例えば、離型紙、離型処理布、撥水処理布、ポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂などからなるオレフィンシートまたはフィルム、フッ素樹脂シートまたはフィルム、離型紙付きプラスチックフィルムなどを挙げることができる。離型性基材は凹凸模様を有していてもよく、このような離型性基材を用いることにより、スプリットレザーの表面に意匠性を付与することができる。
凹凸模様として、典型的にはシボ模様を挙げることができるが、これに限定されるものでなく、例えば、織物調、デニム調などの布帛模様や、ランダムな点、線、丸形、三角形、四角形、点線などを単独または組み合わせた幾何学模様のような模様であることができる。
プレポリマー組成物を離型性基材に塗布した後、好ましくは熱処理を行う。ホットメルトウレタンプレポリマーとウレタン硬化剤の硬化反応は常温で進行するため、熱処理は必ずしも要さないが、熱処理により硬化反応が促進されるため、生産効率の点では熱処理を行うことが好ましい。特に、ホットメルトウレタンプレポリマーとしてホットメルトウレタンポリオールプレポリマーを用いる場合には、硬化反応が促進されることにより加工安定性が向上するため、熱処理を行うことが好ましい。
このときの熱処理温度としては、選択するプレポリマーやウレタン硬化剤、任意で用いられる添加剤、塗布厚などによって適宜選択可能であるが、90〜150℃であることが好ましく、より好ましくは100〜130℃である。熱処理温度が90℃未満であると、熱処理を行うことによる反応促進効果が十分に得られない虞がある。熱処理温度が150℃を超えると、硬化反応のコントロールができず加工安定性に欠ける虞がある。
また、熱処理時間は30秒間〜5分間であることが好ましく、より好ましくは1〜3分間である。熱処理時間が30秒間未満であると、熱処理を行うことによる反応促進効果が十分に得られない虞がある。熱処理時間が5分間を超えると、硬化反応が進みすぎてフレッシュサイド床革との接着性が悪くなる虞がある。
次いで、プレポリマー組成物(その一部は硬化反応が進み、ポリウレタン樹脂となっている)が粘稠性を有する状態のうちに、フレッシュサイド床革の網状層側表面に圧着または熱圧着により貼り合わせる。このとき、貼り合わせ時の荷重は、5〜15kg/cmであることが好ましく、より好ましくは7〜13kg/cmである。荷重が5kg/cm未満であると、十分な剥離強度が得られず、得られるスプリットレザーの一体感が損なわれる虞がある。荷重が15kg/cmを超えると、得られるスプリットレザーの触感や風合いが粗硬になる虞がある。
貼り合わせ後、室温まで冷却し、エージング処理することにより、フレッシュサイド床革の網状層側表面に発泡層が形成される。
ホットメルトウレタンプレポリマーとウレタン硬化剤の反応速度は、選択するプレポリマーやウレタン硬化剤、任意で用いられる添加剤(特にウレタン化触媒)の種類や量によって大きく変動するため、選択する条件によってエージング処理条件を適宜設定する必要があるが、通常、室温で1日〜1週間程度行われる。この過程で、プレポリマーとウレタン硬化剤の硬化反応が完結する。硬化反応が未完結であると、耐摩耗性などの物性が悪くなる虞がある。
硬化して得られるポリウレタン樹脂層は、ホットメルトウレタンプレポリマーまたはウレタン硬化剤のイソシアネート基の一部が大気中の水分と反応することで発生する炭酸ガスによって発泡層となる。このとき、得られた発泡層の発泡度は、1.1〜2.0倍であることが好ましく、より好ましくは1.2〜1.5倍である。発泡度が1.1倍未満であると、床革表面の凹凸がスプリットレザーに影響し外観が損なわれる虞がある。発泡度が2.0倍を超えると、耐摩耗性が悪くなる虞がある。
ここで、発泡層の発泡度は、以下のように求められる。すなわち、スプリットレザーの厚さ方向断面の電顕写真(50倍)の発泡層部分のみをスキャナーでパソコン内に読み込み、発泡部を白く塗りつぶした後、発泡部と非発泡部の色を白と黒に2値化して白ドット部分を積分により集計する。発泡度は下記の式を用いて求められる。
発泡度=(発泡部の面積+非発泡部の面積)/非発泡部の面積
硬化して得られるポリウレタン樹脂の軟化温度は130〜240℃であることが好ましく、より好ましくは140〜200℃である。軟化温度が130℃未満であると、十分な耐熱性が得られない虞がある。軟化温度が240℃を超えると、触感や風合いが粗硬になる虞がある。
発泡層の厚さは100〜400μmであることが好ましく、より好ましくは200〜350μmである。厚さが100μm未満であると、床革表面の凹凸がスプリットレザーに影響し外観が損なわれたり、耐摩耗性が悪くなったりする虞がある。厚さが400μmを超えると、触感や風合いが粗硬になる虞がある。
発泡層の100%モジュラス値は1.0〜10.0N/3cmであることが好ましく、より好ましくは2.0〜5.0N/3cmである。100%モジュラス値が1.0N/3cm未満であると、剥離強度が低下して層間剥離が起こりやすくなり、床革と表皮層の密着性が損なわれて一体感に欠け、銀面付き天然皮革様の外観、触感、風合いが得られない虞がある。100%モジュラス値が10.0N/3cmを超えると、得られるスプリットレザーの触感や風合いが粗硬になる虞がある。
エージング処理後、離型性基材を剥離することにより、床革と発泡層の積層体が得られる。
本発明のスプリットレザーは、このようにしてフレッシュサイド床革の網状層側表面に積層された発泡層の表面に、さらに、第2の表皮層として、ポリウレタン樹脂からなる保護層を積層することにより得ることができる。該保護層を設けることで、スプリットレザーの耐摩耗性が向上する。従って、保護層は、上記発泡層よりも耐摩耗性の良いポリウレタン樹脂層であり、通常は非発泡のポリウレタン樹脂層である。なお、本発明において保護層は、発泡層の表面に形成されて当該発泡層を保護する最外層としての樹脂層の総称をいい、少なくとも1層の樹脂層からなるが、同一または異なる組成の2層以上の樹脂層からなることができる。
保護層の形成に用いられるポリウレタン樹脂は特に限定されるものではなく、例えば、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂などを挙げることができ、これらを1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。なかでも、耐久性および耐光性の点からポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が好ましい。また、ポリウレタン樹脂の形態は、無溶剤系(無溶媒系)、ホットメルト系、溶剤系、水系を問わず、さらには、一液型、二液硬化型を問わず使用可能であり、その目的と用途に応じて適宜選択すればよい。
保護層のポリウレタン樹脂には、必要に応じて、ポリウレタン樹脂の物性を損なわない範囲内で、ウレタン化触媒、シランカップリング剤、充填剤、チキソ付与剤、粘着付与剤、ワックス、熱安定剤、耐光安定剤、蛍光増白剤、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、染料、顔料、難燃剤、導電性付与剤、耐電防止剤、透湿性向上剤、撥水剤、撥油剤、中空発泡体、結晶水含有化合物、吸水剤、吸湿剤、整泡剤、消泡剤、防黴剤、防腐剤、防藻剤、顔料分散剤、不活性気体、ブロッキング防止剤、加水分解防止剤などの任意成分を、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
保護層は、発泡層表面にポリウレタン樹脂組成物を塗布した後、熱処理することにより形成される。塗布する方法としては、従来公知の種々の方法を採用することができ、特に限定されるものではない。例えば、スプレーコーター、リバースロールコーター、ロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、ナイフコーター、コンマコーター、T−ダイコーターなどの装置を用いた方法を挙げることができる。なかでも、均一な薄膜層の形成が可能であるという点から、スプレーコーターによる塗布が好ましい。
ポリウレタン樹脂組成物の塗布厚は、保護層の厚さ(後述する)に応じて適宜設定すればよい。
熱処理は、ポリウレタン樹脂組成物中の溶媒を蒸発させ、樹脂を乾燥させるとともに、熱処理によって架橋反応を起こす架橋剤を用いる場合にあっては、反応を促進し、十分な強度を有する皮膜を形成するために行われる。床革の過剰な水分蒸発を防ぐため、熱処理は、床革自体が80℃以上の温度にならないように行うことが好ましい。そのため、熱処理温度は50〜120℃であることが好ましく、より好ましくは60〜100℃である。熱処理温度が50℃未満であると、樹脂の架橋が不十分となって耐摩耗性が悪くなる虞がある。熱処理温度が120℃を超えると、得られるスプリットレザーの触感や風合いが粗硬になる虞がある。また、熱処理時間は2〜20分間であることが好ましく、より好ましくは2〜10分間である。熱処理時間が2分間未満であると、樹脂の架橋が不十分となって耐摩耗性が得られない虞がある。熱処理時間が20分間を超えると、床革から水分が過剰に失われることにより、床革が収縮して好ましくないシワが発生したり、触感や風合いが粗硬になったりする虞がある。
保護層の厚さは、5〜100μmであることが好ましく、より好ましくは10〜50μmである。厚さが5μm未満であると、均一に保護層を形成することが困難で、部分的に保護層が欠如する虞がある。厚さが100μmを超えると、スプリットレザーの触感や風合いが粗硬になる虞がある。さらに、保護層の厚さは、発泡層の厚さの50%以下であることが好ましく、より好ましくは20%以下である。
保護層の100%モジュラス値は0.5〜10.0N/3cmであることが好ましく、より好ましくは0.8〜2.0N/3cmである。100%モジュラス値が0.5N/3cm未満であると、剥離強度が低下して層間剥離が起こりやすくなり、床革と表皮層の密着性が損なわれて一体感に欠け、銀面付き天然皮革様の外観、触感、風合いが得られない虞がある。100%モジュラス値が10.0N/3cmを超えると、得られるスプリットレザーの触感や風合いが粗硬になる虞がある。
かくして、本発明のスプリットレザーを得ることができる。なお、保護層の形成にあたっては、発泡層を離型性基材上に形成するに先立ち、離型性基材にポリウレタン樹脂組成物を塗布、熱処理して、保護層を形成しておいてもよい。すなわち、本発明のスプリットレザーは、プレポリマー組成物を、離型性基材に塗布して該塗装面にフレッシュサイド床革を貼り合わせることにより製造することができ、その際、プレポリマー組成物を離型性基材に直接塗布しても、あるいはまた、離型性基材に保護層を形成してからその上にプレポリマー組成物を塗布してもよい。
より詳細には、[1]加熱溶融状態にあるホットメルトウレタンプレポリマーと、ウレタン硬化剤を混合してなるプレポリマー組成物を離型性基材に塗布し、該プレポリマー組成物が粘稠性を有する状態のうちにフレッシュサイド床革の網状層表面に貼り合わせ、室温まで冷却し、エージング処理して発泡層を形成し、次いで、離型性基材を剥離し、露出する発泡層表面にポリウレタン樹脂組成物を塗布し、必要により、熱処理、エージング処理して保護層を形成してもよい。また、[2]離型性基材にポリウレタン樹脂組成物を塗布し、必要により、熱処理、エージング処理して保護層を形成し、次いで、保護層表面に、加熱溶融状態にあるホットメルトウレタンプレポリマーと、ウレタン硬化剤を混合してなるプレポリマー組成物を塗布し、該プレポリマー組成物が粘稠性を有する状態のうちにフレッシュサイド床革の網状層表面に貼り合わせ、室温まで冷却し、エージング処理して発泡層を形成し、その後、離型性基材を剥離してもよい。
上記[2]の製造方法において、離型性基材にポリウレタン樹脂組成物を塗布する場合、その塗布方法は特に限定されるものではないが、均一な薄膜層の形成が可能であるという点で、ナイフコーターまたはコンマコーターによる塗布が好ましい。また、熱処理条件としては、50〜150℃、2〜20分間が採用される。これは、床革の過剰な水分蒸発を防ぐという制約がないからである。このようにして保護層を形成した後、その上にプレポリマー組成物を塗布し、好ましくは熱処理した後、フレッシュサイド床革の網状層表面に貼り合わせ、エージング処理して発泡層を形成した後、離型性基材を剥離して、本発明のスプリットレザーを得ることができる。
本発明に係るスプリットレザーは、剥離試験後におけるフレッシュサイド床革の網状層側表面に残存する発泡層の厚さ(厚さの最小値)が10〜400μmであることが好ましく、より好ましくは100〜300μmである。この厚さが10μm未満であると、床革と表皮層の密着性が損なわれて一体感に欠け、銀面付き天然皮革様の外観、触感、風合いが得られない虞がある。逆に、この厚さが400μmを超えると、得られるスプリットレザーの触感、風合いが粗硬になったり、保護層との密着が悪くなったりする虞がある。この厚さは、発泡層を形成するプレポリマー組成物の塗布厚、プレポリマー組成物とフレッシュサイド床革との貼り合わせ時の荷重、発泡層の厚さ、発泡度などにより調整することができる。
本発明のスプリットレザーは、銀付き天然皮革と酷似した一体感、外観、触感や風合いを有し、且つ、引裂強度と引張強度になどの諸特性に優れるため、衣料、鞄、靴、インテリア資材、車両用内装材などの部材として好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例中の「部」は重量基準であるものとする。また、得られた合成皮革の評価は以下の方法に従った。
[一体感]
官能評価を行い、下記の基準に従って判定した。
○:浮きシボが見られず、天然皮革様の細やかな折れシワが見られる
△:天然皮革様の一体感を有するものの、やや粗い折れシワおよび浮きシボがやや見られる
×:ペーパーライクな粗い折れシワおよび浮きシボが見られる
[外観]
官能評価を行い、下記の基準に従って判定した。
○:床革に起因する凹凸が見られない
△:床革に起因する凹凸が若干見られる
×:床革に起因する凹凸が見られる
[触感・風合い]
官能評価を行い、下記の基準に従って判定した。
○:柔軟で、天然皮革様の触感を有する
△:天然皮革様の触感を有するものの、やや柔軟性にかける
×:硬い、又は柔軟であるがゴムライクな触感であり、天然皮革様の触感を有していない
[剥離試験]
幅30mm、長さ120mmの試験片を、タテ(背線に平行方向)、ヨコ(背線に垂直方向)から各々一枚採取し、表皮層と床革を試験片の片端から40mm剥離する。室温20±2℃、湿度65±5%RHの状況下で、表皮層と床革をつかみ具でたるみのないように挟み、オートグラフAG−100A(株式会社島津製作所製)を用いて、つかみ幅30mm、つかみ具の移動速度200mm/minで表皮層を剥離した。
剥離試験後の試験片断面写真をマイクロスコープで観察し、床革に残存する発泡層の厚さ(タテ、ヨコ各々の床革側に残存する発泡層の厚さの最小値)を測定した。
[引裂強度]
幅40mm、長さ150mmの試験片を、タテ(背線に平行方向)、ヨコ(背線に垂直方向)から各々一枚採取し、試験片の短辺の中央に長さ50mmの切り込みを入れる。室温20±2℃、湿度65±5%RHの状況下で、試験片の切り込み部分をつかみ具でたるみのないように挟み、オートグラフAG−100A(株式会社島津製作所製)を用いて、つかみ幅30mm、つかみ間隔25mm、つかみ具の移動速度200mm/minで試験片を引き裂いた。試験片が切断したときの最大荷重を測定し、下記基準に従って判定した。
○:タテ、ヨコ各々の測定値が50N以上
△:タテ、ヨコ各々の測定値が15N以上50N未満
×:タテ、ヨコ各々の測定値が15N未満
[引張強度]
幅30mm、長さ150mmの試験片を、タテ(背線に平行方向)、ヨコ(背線に垂直方向)から各々一枚採取する。室温20±2℃、湿度65±5%RHの状況下で、試験片の両端をつかみ具でたるみのないように挟み、オートグラフAG−100A(株式会社島津製作所製)を用いて、つかみ幅30mm、つかみ間隔100mm、つかみ具の移動速度200mm/minで試験片を破断させた。試験片が破断したときの最大荷重を測定し、下記基準に従って判定した。
○:タテ、ヨコ各々の測定値が500N以上
△:タテ、ヨコ各々の測定値が245N以上500N未満
×:タテ、ヨコ各々の測定値が245N未満
[100%モジュラス]
ダイヤルゲージ法による厚さが100μmで、表面処理加工が施されていない平滑なポリエステルフィルム上に、バーコーターを用いて、発泡層:300μm、保護層:50μmの厚さのフィルムが得られるように組成物を塗布してフィルムを作成した。該フィルムから幅30mm、長さ150mmの試験片を各々3枚採取した。室温20±2℃、湿度65±5%RHの状況下で、試験片の両端をつかみ具でたるみのないように挟み、オートグラフAG−100A(株式会社島津製作所製)を用いて、つかみ幅30mm、つかみ間隔25mm、つかみ具の移動速度200mm/minで引っ張り、ストローク距離が25mmになったときの荷重を各々3点ずつ測定し、切断時の荷重の最低値を求めた。
また、ホットメルトウレタンプレポリマーは以下のように製造した。
[製造例1]
60℃に保温した1リットルの4ツ口フラスコに、数平均分子量が2000のポリエステルポリオール(クラレポリオールP2012、株式会社クラレ製)を80部、数平均分子量が2000のポリカーボネートポリオール(クラレポリオールC2090、株式会社クラレ製)を50部、数平均分子量が1000のポリエーテルポリオール(PTMG1000、三洋化成工業株式会社製)10部入れて撹拌した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を15部入れてイソシアネート基が無くなるまで80℃にて撹拌し(当量比(水酸基/イソシアネート基)は1.25)、ホットメルトウレタンポリオールプレポリマー(軟化温度:40℃)を得た。
[製造例2]
60℃に保温した1リットルの4ツ口フラスコに、数平均分子量が1000のポリエステルポリオール(クラレポリオールP1012、株式会社クラレ製)を10部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を6部入れて水酸基が無くなるまで80℃にて撹拌し(当量比(イソシアネート基/水酸基)は2.4)、ホットメルトウレタンイソシアネートプレポリマー(軟化温度:30℃)を得た。
[製造例3]
60℃に保温した1リットルの4ツ口フラスコに、数平均分子量が2000のポリカーボネートポリオール(クラレポリオールC2090、株式会社クラレ製)を60部、数平均分子量が1000のポリエーテルポリオール(PTMG1000、三洋化成工業株式会社製)を30部入れて撹拌した後、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)を10部入れてイソシアネート基が無くなるまで80℃にて撹拌し(当量比(水酸基/イソシアネート基)は1.33)、ホットメルトウレタンポリオールプレポリマー(軟化温度:30℃)を得た。
[製造例4]
60℃に保温した1リットルの4ツ口フラスコに、数平均分子量が1000のポリエステルポリオール(クラレポリオールP1012、株式会社クラレ製)を10部、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)を10部入れて水酸基が無くなるまで80℃にて撹拌し(当量比(イソシアネート基/水酸基)は4.5)、ホットメルトウレタンイソシアネートプレポリマー(軟化温度:20℃)を得た。
また、保護層の形成には、市販の皮革用ポリウレタン樹脂組成物(大日本インキ化学工業株式会社製)を用いた。処方は以下の通りである。
[保護層用樹脂処方]
LCC WL Mat UM−2507 600部
LCC WL Clear UX−2007 100部
LCC WL Conditioner SL−5 60部
LCC WL Fixer UX−10 170部
LCC Thickner NA−2 適量
水 約170部
TOTAL 1100部
[実施例1]
原皮として銀面層が取り除かれた成牛皮を用い、これを厚さ方向に分割し、更に鞣等の通常の工程を経ることによりフレッシュサイド床革を得た。この床革の表裏面を600メッシュのサンドペーパーを装着したバフ機にて2回処理することにより、毛羽を削り取った。このとき、サンドペーパーの回転数は1000rpm、速度は5m/分、クリアランスは床革の全厚−1mmの条件に設定して、バフ加工を行った。得られた床革の厚さは、1.0mmであった。
ホットメルトウレタンプレポリマーとして、100℃に加熱溶融した製造例1のホットメルトウレタンポリオールプレポリマー100部に、ウレタン硬化剤として40℃に加熱した製造例2のホットメルトウレタンポリイソシアネートプレポリマーを7部と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を5部(当量比(ウレタン硬化剤のイソシアネート基/プレポリマーの水酸基)は1.3)、着色剤としてカーボンブラック顔料ポリトンブラック(大日本インキ化学工業株式会社製)を2部、ウレタン化触媒としてアミン系触媒TOYOCAT−DT(TOSOH株式会社製)を1.5部添加し、撹拌機にて撹拌することにより調製したプレポリマー組成物を、コンマコーターにてシボ調の凹凸模様を有する離型紙R−51(リンテック株式会社製)に厚さが200μmとなるようにシート状に塗付し、乾燥機にて120℃で1分間熱処理した。
次いで、プレポリマー組成物が粘稠性を有する状態のうちに、フレッシュサイド床革の網状層側と貼り合わせて、マングルにて10kg/cmの荷重で圧締し、室温にて1日間エージング処理して発泡層を形成した後、離型紙を剥離した。
さらに、発泡層の表面に、上記処方のポリウレタン樹脂組成物を熱処理後の厚さが20μmとなるようにスプレーコーターにて塗付し、乾燥機にて100℃で2分間熱処理して保護層を形成し、実施例1のスプリットレザーを得た。
[実施例2]
フレッシュサイド床革の厚さを0.8mmとした以外は、実施例1と同様にして実施例2のスプリットレザーを得た。
[実施例3]
フレッシュサイド床革の厚さを1.1mmとした以外は、実施例1と同様にして実施例3のスプリットレザーを得た。
[実施例4]
フレッシュサイド床革の厚さを0.7mmとした以外は、実施例1と同様にして実施例4のスプリットレザーを得た。
[実施例5]
フレッシュサイド床革の厚さを1.3mmとした以外は、実施例1と同様にして実施例5のスプリットレザーを得た。
[実施例6]
プレポリマー組成物の塗布厚を250μmとし、フレッシュサイド床革の網状層側とプレポリマー組成物を貼り合わせる際の荷重を13kg/cmとした以外は、実施例1と同様にして実施例6のスプリットレザーを得た。
[実施例7]
プレポリマー組成物の塗布厚を170μmとし、フレッシュサイド床革の網状層側とプレポリマー組成物を貼り合わせる際の荷重を7kg/cmとした以外は、実施例1と同様にして実施例7のスプリットレザーを得た。
[実施例8]
プレポリマー組成物の塗布厚を300μmとし、フレッシュサイド床革の網状層側とプレポリマー組成物を貼り合わせる際の荷重を15kg/cmとした以外は、実施例1と同様にして実施例8のスプリットレザーを得た。
[実施例9]
プレポリマー組成物の塗布厚を100μmとし、フレッシュサイド床革の網状層側とプレポリマー組成物を貼り合わせる際の荷重を5kg/cmとした以外は、実施例1と同様にして実施例9のスプリットレザーを得た。
[実施例10]
フレッシュサイド床革の厚さを1.3mmとし、プレポリマー組成物の塗布厚を300μmとし、フレッシュサイド床革の網状層側とプレポリマー組成物を貼り合わせる際の荷重を15kg/cmとした以外は、実施例1と同様にして実施例10のスプリットレザーを得た。
[実施例11]
フレッシュサイド床革の厚さを0.7mmとし、プレポリマー組成物の塗布厚を100μmとし、熱処理時間を2分間とし、フレッシュサイド床革の網状層側とプレポリマー組成物を貼り合わせる際の荷重を5kg/cmとした以外は、実施例1と同様にして実施例11のスプリットレザーを得た。
[実施例12]
ウレタン硬化剤として40℃に加熱した製造例2のホットメルトウレタンポリイソシアネートプレポリマーを7部と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を2部(当量比(ウレタン硬化剤のイソシアネート基/プレポリマーの水酸基)は1.1)用い、プレポリマー組成物の塗布厚を180μmとした以外は、実施例1と同様にして実施例12のスプリットレザーを得た。
[実施例13]
ウレタン硬化剤として40℃に加熱した製造例2のホットメルトウレタンポリイソシアネートプレポリマーを7部と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を14部(当量比(ウレタン硬化剤のイソシアネート基/プレポリマーの水酸基)は2.0)用い、プレポリマー組成物の塗布厚を300μmとした以外は、実施例1と同様にして実施例13のスプリットレザーを得た。
[実施例14]
ウレタン硬化剤として40℃に加熱した製造例2のホットメルトウレタンポリイソシアネートプレポリマーのみを7部(当量比(ウレタン硬化剤のイソシアネート基/プレポリマーの水酸基)は0.96)用い、プレポリマー組成物の塗布厚を150μmとした以外は、実施例1と同様にして実施例14のスプリットレザーを得た。
[実施例15]
ホットメルトウレタンプレポリマーとして、100℃に加熱溶融した製造例3のホットメルトウレタンポリオールプレポリマー100部に、ウレタン硬化剤として40℃に加熱した製造例4のホットメルトウレタンポリイソシアネートプレポリマーを20部(当量比(ウレタン硬化剤のイソシアネート基/プレポリマーの水酸基)は1.29)、着色剤としてカーボンブラック顔料ポリトンブラック(大日本インキ化学工業株式会社製)を2部、ウレタン化触媒としてアミン系触媒TOYOCAT−DT(TOSOH株式会社製)を3部添加し、撹拌機にて撹拌することによりプレポリマー組成物を調製した。これ以降は、実施例1と同様にして実施例15のスプリットレザーを得た。
[比較例1]
フレッシュサイド床革の厚さを1.4mmとした以外は、実施例1と同様にしてスプリットレザーを得た。
[比較例2]
フレッシュサイド床革の厚さを0.6mmとした以外は、実施例1と同様にしてスプリットレザーを得た。
[比較例3]
フレッシュサイド床革の代わりに厚さ1.0mmのグレインサイド床革を用いた以外は、実施例1と同様にしてスプリットレザーを得た。
[比較例4]
フレッシュサイド床革の代わりに分割処理をしていない厚さ2.5mmの床革を用いた以外は、実施例1と同様にしてスプリットレザーを得た。
上記実施例および比較例のスプリットレザーの詳細、及び性能を評価した結果を表1,2に示す。
Figure 0005340647
Figure 0005340647
表1,2に示されるように、実施例に係るスプリットレザーは、床革と表皮層の一体感に優れ、銀面付き天然皮革様の外観、触感、風合いを有していた。また、産業資材用途に使用可能な良好な引裂強度、引張強度を有していた。特に、実施例1〜3、6〜9、12、14及び15のスプリットレザーであると、上記一体感、外観、触感及び風合いとともに、引裂強度、引張強度において優れた効果が得られた。
これに対し、比較例では、強度と風合いを両立することができず、特に、基材としてグレインサイド床革を用いた比較例3では、銀付き天然皮革様の風合いや一体感という意味では優れていたものの、強度に劣っていた。また、床革全体を用いた比較例4では、触感風合いに劣っていた。
本発明の一実施形態に係るスプリットレザーの断面図である。
符号の説明
1…スプリットレザー、2…フレッシュサイド床革、3…表皮層、4…発泡層、5…保護層

Claims (4)

  1. 厚さ0.7〜1.3mmのフレッシュサイド床革と、
    ホットメルトウレタンプレポリマーとウレタン硬化剤の反応により形成されるポリウレタン樹脂からなり、前記フレッシュサイド床革の網状層側表面に積層された発泡層と、
    前記発泡層の表面に積層されたポリウレタン樹脂からなる保護層と、
    を備え
    前記発泡層が、主剤としてのホットメルトウレタンポリオールプレポリマーと、ホットメルトウレタンポリイソシアネートプレポリマーを含むウレタン硬化剤との反応により形成されるポリウレタン樹脂からなる、
    スプリットレザー。
  2. 前記フレッシュサイド床革が、天然皮革から銀面を取り除いてなる網状層と皮下組織からなる床革を厚さ方向に分割して得られる、網状層の下層部分と皮下組織を含む肉面側の床革である、請求項1記載のスプリットレザー。
  3. 前記スプリットレザーの剥離試験後における前記フレッシュサイド床革の網状層側表面に残存する前記発泡層の厚さが10〜400μmである、請求項1又は2記載のスプリットレザー。
  4. 前記フレッシュサイド床革の厚さが0.8〜1.1mmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスプリットレザー。
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