JP5336059B2 - 眼鏡レンズのプライマー形成用組成物、この組成物を用いたプライマー層を有する眼鏡用プラスチックレンズ、およびその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)ポリウレタン樹脂または水性ポリウレタンエマルジョンを用いているプライマー組成物1(サンプル1〜4)。
(2)ポリイソシアネートとチオール化合物からなるウレタンモノマーを用いているプライマー組成物2(実施例5、6)
(3)水性ポリウレタンエマルジョンと金属酸化物のゾルを用いているプライマー組成物3(実施例7、8)
(4)ポリイソシアネートとチオール化合物からなるウレタンモノマーと金属酸化物のゾルを用いているプライマー組成物4(実施例9)
(1)上記プライマー組成物1では、高屈折率のプライマー層が形成されない。このプライマー組成物1は、高屈折率レンズのプライマー層の形成に適さない。
(2)上記プライマー組成物1では、高屈折率のプライマー層が形成されない。このプライマー組成物2も、高屈折率レンズのプライマー層の形成に適さない。
(3)上記プライマー組成物3を用いると、プライマー組成物1よりも屈折率の高いプライマー層を得ることができる。しかし、このプライマー組成物3を用いて製作さプラスチックレンズは、耐衝撃性が悪い。
(4)上記プライマー組成物4を用いると、プライマー組成物2よりも屈折率の高いプライマー層を得ることができる。しかし、プライマー組成物4を用いて製作さプラスチックレンズは、耐衝撃性が悪い。
特許文献2に記載のプライマー組成物を用いてプライマー層を形成した場合、個々に独立したポリウレタンと独立したメタアクリル樹脂の結合状態を均質にすることが困難である。また、ポリウレタンとメタアクリルの接合部で弾性が大きく異なるため、耐衝撃性を十分に高めることができない。このようなプライマー組成物に、プライマー層の高屈折率化を目的として無機化合物のゾルを投入すると、耐衝撃性がさらに低下する。
[1](A)水性ポリウレタン樹脂粒子、(B)ウレタン形成用モノマーおよび/またはオリゴマー、(C)酸化チタンを含む複合酸化物微粒子、ならびに(D)溶媒を含有し、
前記溶媒は水と有機溶媒との混合溶媒であり、該混合溶媒中に最も多く含まれる主溶媒はN-メチルピロリジノンである、眼鏡レンズのプライマー形成用組成物。
[2](A)水性ポリウレタン樹脂粒子と(B)ウレタン形成用モノマー及び/又はオリゴマーの質量比は、(A):(B)=1:9〜9:1である[1]に記載の組成物。
[3](A)水性ポリウレタン樹脂粒子と(B)ウレタン形成用モノマーの合計と(C)前記複合酸化物微粒子の質量比が(A)+(B):(C)=2:8〜9:1である[1]または[2]に記載の組成物。
[4](A)水性ポリウレタン樹脂粒子が数平均分子量200以上のポリエステル骨格を有するポリオール化合物、鎖延長剤および末端にポリイソシアネート化合物から製造されたポリウレタン樹脂粒子であり、官能基としてカルボキシル基を有する水性ポリウレタン樹脂粒子である[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5](B)ウレタン形成用モノマーおよび/またはオリゴマーが、イソフタル酸を主成分とするポリエステルポリオールとポリイソシアネートからなる群から選ばれる[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]前記複合酸化物微粒子が、下記(C-1)〜(C-4)から選択される少なくとも一種からなる微粒子である[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
(C-1)酸化チタン微粒子を核として酸化ジルコニウムおよび酸化ケイ素で被覆された微粒子、
(C-2)酸化チタンと酸化ジルコニウム及び/又は酸化アルミニウムとの固溶体からなる複合酸化物微粒子を核として、酸化ケイ素及び酸化ジルコニウムで被覆された微粒子、
(C-3)チタンとケイ素との複合酸化物微粒子を核とし、この核微粒子の表面が酸化ケイ素及び酸化ジルコニウム及び/又は酸化アルミニウムで被覆されている微粒子、または、
(C-4)チタンとケイ素とジルコニウムの複合酸化物微粒子を核とし、この核微粒子の表面が酸化ケイ素と酸化ジルコニウム及び/又は酸化アルミニウムで被覆されている微粒子
[7]プラスチック基材の少なくとも一方の表面に、[1]〜[6]のいずれに記載のプライマー形成用組成物を用いてプライマー層を形成し、次いで前記プライマー層の上にハードコート層を形成することを含み、プラスチック基材の少なくとも一方の表面にプライマー層およびハードコート層をこの順に有するプラスチックレンズを得ることを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
[8]前記ハードコート層の上に、反射防止膜を形成することをさらに含み、プラスチック基材の少なくとも一方の表面にプライマー層、ハードコート層および反射防止膜をこの順に有するプラスチックレンズを得る、[7]に記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
[9]プライマー層がスピンコートで成膜されたものである[7]または[8]に記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
[10][7]〜[9]のいずれに記載の方法で製造された眼鏡用プラスチックレンズ。
より具体的には、本発明のポリウレタン樹脂とウレタン形成モノマーを含有する組成物で製膜されたプライマー層を設けることにより、耐衝撃性の高いレンズを得ることが出来る。さらに、前記組成物にさらに金属酸化物のゾルを含ませることで、高屈折率のプライマー層を形成することができる。高い屈折率のレンズ基板にこのようなプライマー層を製膜すれば、干渉縞が生じず、且つ、耐衝撃性にすぐれたレンズを得ることができる。
本発明のプライマー形成用組成物は、(A)ポリウレタン樹脂粒子、(B)ウレタン形成用モノマーおよび/またはオリゴマー、並びに(C)酸化物微粒子を含有する。
以下に、各組成について説明する。
本発明のプライマー形成用組成物に含有されるポリウレタン樹脂粒子としては、水に乳化分散されている水性ポリウレタン樹脂粒子を用いる。溶剤分散系のポリウレタン樹脂粒子は、分散液が大気中の水分を取り込むと液自体の劣化が生じやすい。水系のポリウレタン樹脂粒子を用いた場合、分散液が大気中の水分を取り込んでも劣化しにくい。分散液の寿命並びに完成したプライマー形成用組成物の寿命を考えると、ポリウレタン樹脂粒子には水系のポリウレタン樹脂粒子を採用することが好ましい。また、水性ポリウレタン樹脂粒子は、レンズ表面との密着性に優れる。水性ポリウレタン樹脂粒子を含むプライマー形成用組成物を用いることでプライマー層とレンズ基材との密着性を向上させることができる。
カチオン性エマルョンの製造方法としては、例えば、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを、鎖延長剤として3級アミノ基を有するジオールを用いてポリマー化したのち4級化剤もしくは酸によりカチオン化するか、または、鎖延長剤として4級アミノ基を有するジオールを反応させてカチオン化する方法、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを、鎖延長剤としてポリアルキレンポリアミンを用いてポリマー化した後、エピハロヒドリンと酸を反応させてカチオン化する方法、などを挙げることができる。
アニオン性エマルジョン製造方法としては、例えば、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを、鎖延長剤としてジヒドロキシカルボン酸またはジアミノカルボン酸を用いてポリマー化した後、アルカリ性化合物により中和してアニオン化する方法、疎水性ポリオールと芳香族ポリイソシアネートから得た末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを、スルホン化し第3級アミンで中和してアニオン化する方法、を挙げることができる。
非イオン性エマルジョン(ノニオン性エマルジョン)の製造法としては、例えば、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを、乳化剤を用いて必要に応じてジアミン等を含む水溶液中に分散し、水またはジアミンで鎖延長する方法、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーに、長鎖アルコールのアルキレンオキシド縮合物(非イオン界面活性剤の一種)と水酸基等の親水基を有するアミンとを反応させる方法、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーに前記鎖延長剤を反応させてウレタン系重合体とし、乳化剤を用いて機械的に水中に分散させる方法、等を挙げることができる。
ウレタン形成用モノマーおよび/またはオリゴマーは、例えば、ポリオールとポリイソシアネートからなる群から選ばれる。以下にポリオールについて説明する。
ポリオール組成は限定されないが、例えば、ヒドロキシル基を一分子内に複数個有するポリエステル、ポリエーテル、ポリカプロラクトン、ポリアクリレートが挙げられる。特に、ポリエステルポリオールが好ましい。ポリエステルポリオールは次の多塩基酸とヒドロキシル化合物から選択された化合物の反応で得られる。
多塩基酸としては、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、水添フタル酸、フマル酸、二量化リノレイン酸、マレイン酸、及び、飽和脂肪族からなる二塩基酸などの有機酸も用いることができる。
ポリイソシアネートは、特に限定されないが、脂肪族、脂環式、あるいは、芳香族ジイソシアネートが挙げられる。また、ブロック型、非ブロック型のいずれも用いることができるが、ブロック型のポリイソシアネートが好ましい。ポリイソシアネートの例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3,3−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等のポリイソシアネートまたはこれらの変性体、イソシアヌレート、アロファネート、ビュレットまたはカルボジイミドまたは例えばこれらの三量体などのアダクト体などが挙げられる。また、これらのイソシアネート基をブロッキング剤で保護したブロック型ポリイソシアネートも好ましい。ブロッキング剤として、例えば、β−ジケトン、オキシム、フェノール、及び、カプトラプタムが挙げられる。
酸化物微粒子は特に限定されないが、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化錫、酸化アンチモン、及び、これらの複合酸化物が挙げられる。
(A-1)酸化チタン微粒子を核として酸化ジルコニウムおよび酸化ケイ素で被覆された微粒子、
(A-2)酸化チタンと酸化ジルコニウム及び/又は酸化アルミニウムとの固溶体からなる複合酸化物微粒子を核として、酸化ケイ素及び酸化ジルコニウムで被覆された微粒子、
(A-3)酸化チタンと酸化ケイ素との固溶体からなる複合酸化物微粒子を核とし、この核微粒子の表面が酸化ケイ素及び酸化ジルコニウム及び/又は酸化アルミニウムで被覆されている微粒子、または
(A-4)酸化チタンと酸化ケイ素と酸化ジルコニウム及び/又は酸化アルミニウムの固溶体からなる複合酸化物微粒子を核とし、この核微粒子の表面が酸化ケイ素と酸化ジルコニウム及び/又は酸化アルミニウムで被覆されている微粒子である。
本発明に係るプライマー形成用組成物は、固形分濃度を調整する目的、あるいは塗布液の表面張力、粘度、蒸発スピード等を調整する目的で、溶媒を含有することができる。溶媒は水および水に加えて有機溶媒があることができる。
R3R4 dSi(OR5)3-d ……(2)
R6 3SiX ……(3)
ここでR6およびXの定義は式(3)に同じである。ただし複数のXは同一でも異なっていてもよい。
ここでR6およびXの定義は式(3)に同じである、
SiX4 ……(6)
ここでXの定義は式(3)に同じである、上記式(3)で表される化合物としては、例えばトリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、ジフェニルメチルメトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジメチルエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシエトキシシランおよびβ−(3.4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメチルメトキシシランを挙げることができる。
第1層:SiO2層(膜厚:20〜50nm)
第2層:Nb2O3層(膜厚:3〜10nm)
第3層:SiO2層(膜厚:130〜250nm)
第4層:Nb2O3層(膜厚:25〜40nm)
第5層:SiO2層(膜厚:30〜45nm)
第6層:Nb2O3層(膜厚:25〜50nm)
第7層:SiO2層(膜厚:80〜120nm)
第1層:SiO2層(膜厚:30〜60nm)
第2層:Ta2O5層(膜厚:10〜30nm)
第3層:SiO2層(膜厚:200〜300nm)
第4層:Ta2O5層(膜厚:40〜70nm)
第5層:SiO2層(膜厚:20〜50nm)
第6層:Ta2O5層(膜厚:40〜70nm)
第7層:SiO2層(膜厚:100〜150nm)
プライマー組成液の常温保管テスト
テストは常温(23℃湿度60%)で保管した場合、白濁、増粘等のプライマー組成液の機能が無くなったものを×とした。結果は表5に示す。
耐衝撃性:FDA規格に基づき、鋼球落下試験を行った。落下試験は、約16.4gの鋼球を127cmの高さから、レンズ中心部へ向かつて自然落下させ、割れないものを合格とした。
○・・・合格
×・・・不合格
硬化膜に1.5mm間隔で100目クロスカットし、このクロスカットしたところに粘着テープ(商品名:セロファンテープ ニチバン(株)製品)を強く貼り付けた後、粘着テープを急速に剥がした後の硬化膜の剥離の有無を調べた。判断基準は以下の通りである。
◎・・・剥離無し
○・・・剥離数1〜10目
△・・・剥離数11〜50目
×・・・剥離数51〜100目
暗室内、蛍光灯下で硬化膜に曇りがあるかどうかを目視で調べた。判断基準は以下の通りである。
◎・・・・・・曇りが見えない
○・・・・・・曇りがほとんど見えない
△・・・・・・曇りが少し見える
×・・・・・・曇りがかなり見える
実施例、比較例のプライマー用組成物の調製は、まず、チタンジルコニウム系酸化物微粒子のゾルからなるA液(触媒化成株式会社製オプトレイク(登録商標)調整液)と、ポリオール+イソシアネート+チタンジルコニウム系酸化物微粒子からなるB液(SDCテクノロジーズ・アジア株式会社製クリスタルコート(登録商標)調整液)と、水性ポリウレタン樹脂粒子のエマルジョンからなるD液(株式会社ADEKA製アデカボンタイター(登録商標)HUX232)をまず用意した。各液の液構成は次の通りである。(表1〜表3参照)
組成物の調製:A液10質量部にB液22.5質量部を混合した。この混合液に溶媒のNMPを50質量部添加した。ついて、D液17.5質量部を滴下して1時間攪拌し全体を100質量部の調合液を得た。この調合液に界面活性剤を添加し、24時間攪拌させた。得られた溶液を、0.5μmのフィルターで濾過したものをプライマー組成物とした。
組成物の調製:A液14.5質量部にB液19質量部を混合した。この混合液に溶媒のNMPを50質量部添加した。ついで、D液16.5質量部を滴下して1時間攪拌し全体を100質量部の調合液を得た。この調合液に界面活性剤を添加し、24時間攪拌させた。得られた溶液を、0.5μmのフィルターで濾過したものをプライマー組成物とした。
組成物の調製:A液22.5質量部にB液7質量部を混合した。この混合液に溶媒のNMPを50質量部添加した。ついて、D液20.5質量部を滴下して1時間攪拌し全体を100質量部の調合液を得た。この調合液に界面活性剤を添加し、24時間攪拌させた。得られた溶液を、0.5μmのフィルターで濾過したものをプライマー組成物とした。
サンプル3の調製:50質量部のNMPにD液50質量部を滴下して1時間攪拌し全体を100質量部の調合液を得た。この調合液に界面活性剤を添加し、24時間攪拌させた。得られた溶液を、0.5μmのフィルターで濾過したものをプライマー組成物とした。
サンプル4の調製:B液50質量部に溶媒のNMPを50質量部添加して1時間攪拌し全体を100質量部の調合液を得た。この調合液に界面活性剤を添加し、24時間攪拌させた。得られた溶液を、0.5μmのフィルターで濾過したものをプライマー組成物とした。
組成物の調製:A液20質量部に溶媒のNMPを50質量部添加した。ついで、D液30質量部を滴下して1時間攪拌し全体を100質量部の調合液を得た。この調合液に界面活性剤を添加し、24時間攪拌させた。得られた溶液を、0.5μmのフィルターで濾過したものをプライマー組成物とした。
組成物の調製:A液25質量部に溶媒のNMPを50質量部添加した。ついで、D液25質量部を滴下して1時間攪拌し全体を100質量部の調合液を得た。この調合液に界面活性剤を添加し、24時間攪拌させた。得られた溶液を、0.5μmのフィルターで濾過したものをプライマー組成物とした。
組成物の調製:A液30質量部に溶媒のNMPを50質量部添加した。ついで、D液20質量部を滴下して1時間攪拌し全体を100質量部の調合液を得た。この調合液に界面活性剤を添加し、24時間攪拌させた。得られた溶液を、0.5μmのフィルターで濾過したものをプライマー組成物とした。
サンプル1の組成物のうち溶媒として50質量部加えているNMPをDMF:ジメチルホルムアミドに替えて調製した。
サンプル1の組成物のうち溶媒として50質量部加えているNMPをDMA:ジメチルアセトアミドに替えて調製した。
サンプル1の組成物のうち溶媒として50質量部加えているNMPをPGM:プロピレングリコールモノメチルエーテルに替えて調製した。
サンプル1の組成物のうち溶媒成分を、NMP25質量部、DAA(ダイアセトンアルコール)25質量部として調製した。
サンプル1の組成物のうち溶媒成分を、NMP25質量部、DMA25質量部として調製した。
通常の使用環境での取り扱い性の良さを考えると、主溶媒としてはNMPが望ましいことがわかった。
レンズ基材として特開2001−330701号公報段落番号[0013]〜[0014]に記載されている要領で、ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチアン9.3質量部、ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン25.7質量部、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド65.0質量部を反応させて得られるプラスチックレンズ基材(屈折率(ne)1.70、以下、「レンズ基材1」と記載する)を60℃、10質量%水酸化ナトリウム水溶液中に300秒間浸漬し、その後、超音波28kHz印加の下、イオン交換水を用いて300秒間洗浄した。最後に、70℃雰囲気下、乾燥させる一連の工程を前処理とした。
前処理を施したレンズ基材1をスピンコーティング法にてコーティング組成物(実施例または比較例)を塗布し、120℃、20分間の条件にてプライマー層を形成した。
プライマー層を形成したプラスチックレンズ基材を蒸着装置に入れ、排気しながら65℃に加熱し、2.7mPaまで排気した後、電子ビーム加熱法にて蒸着原料を蒸着させて、ハードコート側よりSiO2からなるnd=1.46、nλ=0.08の第1層、Nb2O5、ZrO2、Y2O3からなるnd=2.21、nλ=0.04の第2層、SiO2からなるnd=1.46、nλ=0.55の第3層、Nb2O5、ZrO2、Y2O3からなるnd=2.21、nλ=0.12の第4層、SiO2からなるnd=1.46、nλ=0.09の第5層、Nb2O5、ZrO2、Y2O3からなるnd=2.21、nλ=0.17の第6層、SiO2からなるnd=1.46、nλ=0.28の第7層を形成して反射防止膜を施した。尚、ndは屈折率、nλは膜厚である。
サンプル2は、膜厚の異なる3つのサンプルで評価した。結果を表6に示す。
サンプル3は、耐衝撃性、密着性、及び、白化の点においては優れているが、屈折率が低かった。これは、屈折率を高くする酸化物微粒子のゾルがサンプル3には含まれていないことによると考えられる。
Claims (10)
- (A)水性ポリウレタン樹脂粒子、(B)ウレタン形成用モノマーおよび/またはオリゴマー、(C)酸化チタンを含む複合酸化物微粒子、ならびに(D)溶媒を含有し、
前記溶媒は水と有機溶媒との混合溶媒であり、該混合溶媒中に最も多く含まれる主溶媒はN-メチルピロリジノンである、眼鏡レンズのプライマー形成用組成物。 - (A)水性ポリウレタン樹脂粒子と(B)ウレタン形成用モノマー及び/又はオリゴマーの質量比は、(A):(B)=1:9〜9:1である請求項1に記載の組成物。
- (A)水性ポリウレタン樹脂粒子と(B)ウレタン形成用モノマーの合計と(C)前記複合酸化物微粒子の質量比が(A)+(B):(C)=2:8〜9:1である請求項1または2に記載の組成物。
- (A)水性ポリウレタン樹脂粒子が数平均分子量200以上のポリエステル骨格を有するポリオール化合物、鎖延長剤および末端にポリイソシアネート化合物から製造されたポリウレタン樹脂粒子であり、官能基としてカルボキシル基を有する水性ポリウレタン樹脂粒子である請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
- (B)ウレタン形成用モノマーおよび/またはオリゴマーが、イソフタル酸を主成分とするポリエステルポリオールとポリイソシアネートからなる群から選ばれる請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記複合酸化物微粒子が、下記(C-1)〜(C-4)から選択される少なくとも一種からなる微粒子である請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
(C-1)酸化チタン微粒子を核として酸化ジルコニウムおよび酸化ケイ素で被覆された微粒子、
(C-2)酸化チタンと酸化ジルコニウム及び/又は酸化アルミニウムとの固溶体からなる複合酸化物微粒子を核として、酸化ケイ素及び酸化ジルコニウムで被覆された微粒子、
(C-3)チタンとケイ素との複合酸化物微粒子を核とし、この核微粒子の表面が酸化ケイ素及び酸化ジルコニウム及び/又は酸化アルミニウムで被覆されている微粒子、または、
(C-4)チタンとケイ素とジルコニウムの複合酸化物微粒子を核とし、この核微粒子の表面が酸化ケイ素と酸化ジルコニウム及び/又は酸化アルミニウムで被覆されている微粒子 - プラスチック基材の少なくとも一方の表面に、請求項1〜6のいずれに記載のプライマー形成用組成物を用いてプライマー層を形成し、次いで前記プライマー層の上にハードコート層を形成することを含み、プラスチック基材の少なくとも一方の表面にプライマー層およびハードコート層をこの順に有する眼鏡用プラスチックレンズを得ることを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
- 前記ハードコート層の上に、反射防止膜を形成することをさらに含み、プラスチック基材の少なくとも一方の表面にプライマー層、ハードコート層および反射防止膜をこの順に有するプラスチックレンズを得る、請求項7に記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
- プライマー層がスピンコートで成膜されたものである請求項7または8に記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
- 請求項7〜9のいずれに記載の方法で製造された眼鏡用プラスチックレンズ。
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